JP4278931B2 - リバーシブルポンプ及び食器洗い機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポンプの正転又は逆転に応じて所定の吸水口及び吐出口より水を吸水、吐出するリバーシブルポンプ、及びそのリバーシブルポンプを用いた洗浄水を洗浄槽に供給して食器類の洗浄を行い、また、その洗浄後の汚水を排水する食器洗い機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食器洗い機に使用されるポンプは、食器洗い機内の水槽に貯留された洗浄水を吸水し洗浄ノズルに圧送し、洗浄槽内に収納された食器類に噴射して洗浄やすすぎ洗いを行う機能と、洗浄により汚れた洗浄水(汚水)を外部に排水する機能を満たすために、1台のポンプに正転用と逆転用の2種類の羽根車とその吸水口と吐出口を備え、正転時には洗浄水をポンプ内に吸水して洗浄槽に圧送し食器類を洗浄しながら食器洗い機内を循環させ、又は逆転時には水槽に戻った汚水を機外に排出するものである。
【0003】
上記食器洗い機に用いられる従来のポンプの1例を、図4に示すリバーシブルポンプ100の縦断面図に基づいて説明する(以下、リバーシブルポンプを単にポンプという)。
【0004】
図4に示すポンプ100は、外殻118で覆われて誘導モータ111を内蔵するモータ部110と、ポンプ部120とがパッキン155を挟み横形に接続されポンプを構成し、ポンプ部120には正転用羽根車122と逆転用羽根車122が2つのポンプ室121、131にそれぞれ収容され、モータ111の正、逆の運転方向により一方のポンプ室に流水の吸引作用を発生させるもので、正転時には正転用羽根車122の吸引作用により正転用吸水口123から正転用ポンプ室121に吸引した流水を正転用吐出口124から吐出し、また、逆転時には逆転用羽根車132の吸引作用により逆転用吸水口133から逆転用ポンプ室131に吸引した流水を逆転用吐出口134からポンプ100外に吐出するものである。
【0005】
上記の横型のポンプ構造を有するポンプ100は、食器洗い機内においても横形に設置され、排水運転時に「エア噛み」を発生しやすく騒音が大きくなり、また食器洗い機内に残水量が多く残り衛生的問題や悪臭の原因となる。さらに羽根車径が制限されるため、ポンプ性能を得るため高回転にすると騒音がさらに大きくなるという問題や、ポンプが横方向に長く大形であるため食器洗い機のコンパクト性に欠けるという問題がある。
【0006】
上記問題を改善するものとして、図5の縦断面図に示すポンプ200は、モータ部210と、2カ所の吸水口225、235と吐出口226、236を有するポンプ部220とが、立形一体に構成されたものである。
【0007】
モータ部210では、モールド樹脂215によりモールドされた固定子211と、その内周に磁性体217を有する回転子216が回転自在に配されてブラシレス直流モータを構成し、また、ポンプ部220では、ケーシング内を仕切壁240により上下に仕切り正転用ポンプ室221と逆転用ポンプ室231とが形成され、オイルシール257により防水性を確保してモータ部210とポンプ部220とが締結されポンプ200を形成している。
【0008】
ポンプ部220では、回転軸218に連結された正転用羽根車222と逆転用羽根車232が、それぞれ正転用ポンプ室221と逆転用ポンプ室231に配され、下向きに開口する正転用吸水口225を有し、仕切壁240に設けられた流水の通過孔241と逆転用羽根車232に設けられた流水の通過孔234を通じて吸水口225から正転用ポンプ室221へ連通する流路245を形成し、また、逆転用羽根車232の通過孔234を中心とする周辺部には、正転用吸水口225からの流水を導くための筒状ガイド238が正転用吸水口225の開口部に向けて設けられ、正転用吸水口225から吸引した流水が逆転用ポンプ室231に流れ込むのを防ぐようになっている。
【0009】
そして、ポンプ200は、モータの正転時には正転用ポンプ室221に正転用吸水口225から吸引した流水をヒューガル形羽根223の遠心作用により正転用吐出口226に送り、逆転時には逆転用ポンプ室231に逆転用吸水口235から吸引した流水をウエスコ形羽根233の送水作用により逆転用吐出口236から吐出するものである。
【0010】
上記構成のポンプ200では、上記従来のポンプ100に対して、排水時の「エア噛み」が低減される、排水性が向上し残水量が減少する、ブラシレス直流モータの採用や羽根車径を大きくすることによる低騒音化、モータ部がポンプ上部に位置し感電や漏電の怖れが少ない、など改善されたものである。
【0011】
しかし、ポンプ200は、モータ部210とポンプ部220とが各々独立した構成を持ち立形のポンプ200を形成しているため、ポンプ縦方向の寸法が長くなりポンプの小形、偏平化を困難なものとし、このポンプを用いた食器洗い機の小形化、コンパクト化の要求を未だ十分満たすものではない。
【0012】
また、ポンプ部220で下向きに開口する正転用吸水口225や流水を導く筒状ガイド238などを設け、またその流路の形成や騒音対策のためポンプ構造が非常に複雑となって部品点数が多くなり、ポンプのコストアップの要因となり、さらに、モータ部210とポンプ部220との間を防水シールするためのオイルシール257が、回転軸218との摩擦抵抗によりモータの回転損失を生じるという問題がある。
【0013】
さらに、正転運転時には、吸水口225から吸引された流水が筒状ガイド238内の流路245を経て正転用ポンプ室221に流入する際に、逆転用ポンプ室231にも流れ込む可能性がありポンプ特性を低下させる怖れもある。
【0014】
図6はポンプ200を装置底部に内蔵した食器洗い機5の構造概略図(ポンプ部以外の食器洗い機の符号は図2と同一である)であり、ポンプ200が水槽267に貯留された洗浄水を吸引し食器類に噴射し、その汚水を機外に排水するもので、ポンプ200の設置スペースをいまだに大きく必要としている。
【0015】
従って、上記ポンプ200を用いた食器洗い機5では、装置の小形化、コンパクト化やコストの低減に対して十分満足できるものでなく、また、洗浄能力や排水性、運転時の騒音などの性能や操作性においてもさらなる改善が求められている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来ポンプの問題点を解決するものであり、ポンプ構造を簡略化してリバーシブルポンプの小形化、軽量化を図り、また複雑な部品を無くし部品点数を削減してコストダウンを可能とすると共に信頼性の高いポンプを提供するものであり、また、そのリバーシブルポンプを用いたコンパクトな構造を有し、装置の小形化、静音化のみならず低コスト化を可能とする洗浄性能の優れた食器洗い機を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ポンプ部が、正転用ポンプ室と逆転用ポンプ室とに区画されたリバーシブルポンプであり、前記正転用ポンプ室は、前記ポンプ部の上部に配され、正転用吸水口がポンプ上方に向けて開口され、正転用吐出口がポンプ上方或いは横方向に向けて開口され、前記逆転用ポンプ室は、前記ポンプ部の下部に配され、逆転用吸水口と逆転用吐出口とがポンプ側部に開口され、前記逆転用ポンプ室の内部には、リング状の固定子と、前記固定子の内側に配された固定軸と、前記固定子の外周に配され前記固定軸に対して回転自在に配された回転子と、を備え、前記固定子及び、前記固定子の下側に配された回路基板が樹脂でモールドされたアウターローター型モータ部が配され、前記逆転用ポンプ室では、逆転用羽根車がウエスコ型の羽根を前記回転子の外周部に配すように磁性材料で一体に形成され、前記正転用ポンプ室では、ヒューガル型の正転用羽根車が前記逆転用羽根車と接続し、前記固定軸に回転自在に配され、前記モータ部の回路基板には正弦波PWM駆動回路が用いられ、前記固定子と前記回転子により構成される前記アウターローター型モータ部により前記正転用羽根車と前記逆転用羽根車が回転し、正転時は、正転用吸水口から前記正転用ポンプ室に洗浄水を吸水して正転用吐出口から吐出し、逆転時は、逆転用吸水口から前記逆転用ポンプ室に汚水を吸水して逆転用吐出口から吐出することを特徴とする食器洗い機に用いるリバーシブルポンプである。
【0018】
この発明のリバーシブルポンプによれば、モータ部の回転子と逆転ポンプ室内の逆転用羽根車とが兼用化されることにより、モータ部分が逆転用ポンプ室部分とが共有化されるようになり、独立したモータ部が不要となりポンプを大幅に小形化、軽量化し、またポンプ部構造の簡略化、特に流路の単純化により複雑な多数の部品が削減されコストダウンと信頼性の向上が図られる。また、流路の単純化、回転子と羽根車の一体化やモータ部を防水するオイルシールが不要となりモータ部の回転損失を減じる、等によりポンプ特性を向上することもできる。また、逆転用羽根車を構成する部品点数が削減されコスト低減が図られ、また部品間の接着部が無くなり、羽根車の寸法精度や強度が向上しポンプの信頼性を高めることができる。また、ポンプの縦方向寸法が大幅に短縮され、偏平化が可能となり食器洗い機内の設置性を向上し、食器洗い機のコンパクト化、小形化を可能とする。また、ポンプ正転時には、ポンプ上方に向けて開口された吸水口から流水が吸水され、ポンプ上方或いは横方向に向けて開口された吐出口から吐出されるので効率よく送水でき、さらに吐出口が食器洗い機のタワーノズルに直結或いは接続ホースを用いて上向きに接続できるので洗浄水を高圧に維持でき、逆転時には、側部の開口された吸水口、吐出口から食器洗い機の汚水を排水し、残水量を低減することができる。また、この発明のリバーシブルポンプによれば、固定子の鉄心、コイルや回路基板の耐水性、絶縁性が向上し、ポンプ及び食器洗い機の長寿命化を図ることができる。また、この発明のリバーシブルポンプによれば、モータの正確な回転速度制御を行うことができ、始動、停止時の回転をスムーズとし、運転中の回転ムラが低減される。また、このポンプを用いた食器洗い機においては、食器洗い機を小形化し、ポンプの運転方向に応じて洗浄水を洗浄槽に圧送して食器類を効果的に洗浄し、また洗浄後の汚水を残水量を減じて「エア噛み」を起こすことなく効率よく排水することのできるコンパクトで衛生的、かつ静かな運転の食器洗い機を低価格で得ることができ、またポンプの吸水口と吐出口の配置に自由度が増し装置内への設置性が向上する。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面に基づき説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図1は実施形態のリバーシブルポンプ1(以下、単にポンプ1という)の縦断面図である。
【0032】
ポンプ1は、ポンプ部2とモータ部3とから構成されている。
【0033】
ポンプ部2は、ポンプ上方に向けて設けられた正転用吸水管12と正転用吐出管14を有する上部ケーシング41と、両側部に設けられた逆転用吸水管22と逆転用吐出管24を有する下部ケーシング42とが、ポンプ部2を上下に仕切る仕切り板18と防水ゴム44を挟み締結されている。
【0034】
ポンプ部2は、上部に正転用吸水口11と正転用吐出口13を有する正転用ポンプ室10と、下部に逆転用吸水口21と逆転用吐出口23を有する逆転用ポンプ室20とに区画されている。
【0035】
逆転用ポンプ室20では、固定軸51が、下部ケーシング42の中央部に設けられた支持部43に埋設され、ポンプ部2の中心に固定されている。
【0036】
固定軸51の外周部にはリング状の固定子31が配されている。この固定子31は、鉄心32とそれに巻回されたコイル33からなり、下部ケーシング42の固定軸支持部43を中心とする円環状空間部44に収容され、またその下側にモータを駆動制御する駆動回路基板34を配され、全体がモールド樹脂35によりモールドされ逆転ポンプ室20と一体化されている。
【0037】
逆転用ポンプ室20には、外周部にウエスコ型の逆転用羽根26を有する逆転用羽根車25が固定軸51に対して回転自在に配されている。
【0038】
この逆転用羽根車25は、全体が磁性樹脂により一体成形されたもので、外周部のウエスコ型羽根部26がリング状固定子31の外周部に対峙して配され、モータ部3の回転子を一体に形成するものである。
【0039】
すなわち、モータ部3は、固定子31と回転子を兼用する逆転用羽根車25とが、アウターローター型の3相のブラシレス直流モータを構成している。
【0040】
前記駆動回路基板34は、3相のブラシレス直流モータに対して正弦波PWM駆動法を実現するものである。図3のブロック図に示すように、ホールIC61からの位置信号をPLL回路62とカウンタ回路63を経てIC回路64に信号を送る。また発振子を含むシステムクロック生成回路からのクロック信号によって、PLL回路62と三角波生成回路66が動作する。そして、IC回路64からモータのU相、V相、W相の各コイルに駆動信号が供給され、モータ部3の正確な回転方向(正転、逆転)と速度制御を行う。
【0041】
正転用ポンプ室10では、羽根車基部の上側にヒューガル型の正転用羽根16をセミオープンタイプに備えた正転用羽根車15が、固定軸51の上下にワッシャー53、54を設けてメタルベアリング52を介して回転自在に支持され、また前記固定軸51線上に正転用吸水口11が開口している。
【0042】
この正転用羽根車15は、逆転用羽根車25と接続部17において同軸に連結されており、仕切り板18により区画された正転用ポンプ室10内で逆転用羽根車25の回転に従動し回転するものである。
【0043】
上記構成によるポンプ1は、モータ部3への通電により回転子すなわち逆転用羽根車25が回転し、その正転、逆転の運転方向に応じて逆転用羽根車25、又は逆転用羽根車25に従動して回転する正転用羽根車15のいずれか一方に吸引作用が発生し、正転用ポンプ室10又は逆転用ポンプ室20の一方に流水を吸水するものである。
【0044】
ポンプ1の正転時には、上方に開口する正転用吸水口11から流水を正転用ポンプ室10に吸水し、ヒューガル型羽根16の遠心作用によりポンプ室10内に旋回流を発生して正転用吐出管14に送り、正転用ポンプ室10から90度曲がってポンプ上方に向けて開口された正転用吐出口13に向かう流路19を形成しポンプ1外部に流水を吐出する。
【0045】
また、逆転時には、逆転用ポンプ室20の側部に開口する逆転用吸水口21から流水を逆転用ポンプ室20に吸水し、ウエスコ型羽根26の回転作用によりポンプ室20内に渦流を発生して逆転用吐出管24に送る流路29を形成し、逆転用吐出口23から流水をポンプ1外部に吐出するものである。
【0046】
従って、ポンプ1は、逆転用ポンプ室20に配された回転自在の逆転用羽根車25がモータ部3の回転子を兼用し、かつポンプ部2とモータ部3が逆転用ポンプ室20を共用するものであるので、独立部品としての回転子を不要とし、またポンプ部2がモータ部3を包含するもので、モータ部3独自の構成部分を不要としてポンプ1を大幅に小形化し、特に縦方向寸法を短縮して偏平化することがでる。
【0047】
これにより、ポンプ1は、食器洗い機等の装置内への組み込み性が向上すると共に装置のコンパクト化、スペースの有効利用を図り、食器洗い機の小形、軽量化を実現することができる。
【0048】
また、ポンプ部10とモータ部20とが共用化されることで、従来のポンプ100や200に比べてポンプ構造を非常に簡略化することができ、回転子を始めとして、オイルシールや騒音対策のための部品、ポンプ部内部やその流路を構成する複雑な部品構成も不要となり、部品点数を削減してコストダウンすると同時に高信頼性を得ることができる。
【0049】
さらに、ポンプ部10とモータ部20とがシールレス化されることで、シール部分での漏水発生がなくなり長寿命化され、またモータ回転軸とシール材との摩擦抵抗によるポンプ性能の低下も回避される。
【0050】
そして、正転用吐出口13がポンプ上方に向けて開口されているので、正転運転時にはポンプ1の上方に向かって流水が吐出されるので、吐出口13を食器洗い機のタワーノズルなどに直接接続することができ、洗浄水の圧力損失を防ぎ、食器類への洗浄水噴射力を維持できる。もちろん、食器洗い機の構造やポンプの用途により吐出口の方向を変更することはできる。
【0051】
そして、ポンプ下方側に開口部を持たないので、食器洗い機等の装置最下部に設置したり、或いは装置の水槽内にも設置することができようになり、食器洗い機内のスペースを利用して装置の小形化、コンパクト化をさらに図ることができる。
【0052】
また、逆転用吸水口21と吐出口23とがポンプ1の側方に開口しているので、このポンプを用いた装置内の排水性が向上し残水量を減らし、ポンプ1内への空気の混入を防ぎ「エア噛み」による騒音発生を抑えることができる。
【0053】
モータ部3がアウターローター型モータを構成することで、ポンプ出力を有効に利用でき吐出性能が出しやすくなる。
【0054】
また、モータ部3はブラシレス直流モータを構成し、正弦波PWM駆動回路を用いることで、ポンプ1の回転速度や回転方向の制御が容易かつ正確となり、また駆動時のブラシ音の発生をなくし、低速運転化による騒音低減にも効果が得られ、さらに、モータ部3をモールド成形することで、固定子31の耐水性、絶縁性を向上し、ポンプの長寿命化を図ることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態である食器洗い機4の構造概略図である。
【0056】
食器洗い機4は、食器類を洗浄する洗浄水を洗浄槽に供給し、洗浄後の汚水を排水口に送るポンプとして、上記ポンプ1を内蔵した食器洗い機である。
【0057】
図に示すように、食器洗い機4は、前面に食器類63を出し入れするための開閉自在のドア60を備えた密閉可能な洗浄槽61と、洗浄槽61内のテーブル62上に設置される食器類63をセットするラック64と、装置の底部に配された洗浄水65及び洗浄後の汚水66を回収して貯留する水槽67と、洗浄槽61の下側中央部に設けられた洗浄水65の噴射孔69を複数備えた回転式タワーノズル68と、洗浄水65をタワーノズル68に供給しかつ洗浄後の汚水66を機外に排出するポンプ1、さらに洗浄後の食器類63を乾燥する乾燥用温風ファン71、その温風を機外に排出する排気ダクト72と、洗い、すすぎ、乾燥の各洗浄工程及びポンプ1の運転など食器洗い機4全体を制御するためのマイクロコンピュータを中心とする制御回路73が食器洗い機4の本体内に内蔵され、装置の外側前面には食器洗い機4の自動運転による洗浄コースや手動運転を選択するスイッチ、表示ランプ類を備えた操作パネル74が設けられている。
【0058】
ポンプ1は、食器洗い機4の底部に設けられた水槽67内の凹状部68内部に設置されている。ポンプ1の正転用吸水口11が水槽67本体の底面67a付近の高さに開口し、上方に開口する正転用吐出口13はタワーノズル68への供給管77に直結され、また逆転用吸水口21は凹状部68内に開口し、逆転用吐出口23は洗浄後の汚水を機外に排出する排水管76に接続されている。また、洗浄水65を水槽67に供給する水道水或いは給湯装置などからの給水管75が水槽67に配されている。
【0059】
上記構成による食器洗い機4は、食器類63を収納したラック64をテーブル62上の所定位置に配置した後、食器用洗剤が投入された水槽67に所定量の洗浄水65が給水管75から供給され溜められた後、ポンプ1の運転を開始する。
【0060】
ポンプ1の正転運転により、正転用吸水口11から吸引された洗浄水65は、ポンプ1の吐出作用により加圧水となって正転用吐出口13から吐出されて供給管77内を圧送され、回転可能なタワーノズル68に設けられた複数の噴射孔69から食器類63にランダムに噴射して食器類63を洗浄し、洗浄終了後にポンプ1の逆転運転により水槽67に回収された汚水を、排水管76から機外に排出するものである。
【0061】
続いて、すすぎ工程は前記洗浄工程と同様の動作であり、洗浄水として水道水を使用して、ポンプ1の正転運転により水槽67に溜められたすすぎ用水をポンプ1に吸引してタワーノズル68の噴射孔69から食器類63にすすぎ水を噴射し、前記洗浄工程において食器類63に付着した洗剤や食品の残渣を洗い流した後、ポンプ1の逆転運転により水槽67に回収されたすすぎ終了後の汚水を、排水管76から機外に排出する。
【0062】
洗浄、すすぎ工程が終了すると、乾燥用温風ファン71が作動し、洗浄槽61内を温風が循環し、食器類63の乾燥が行われ一連の食器洗い工程が完了する。
【0063】
上記食器洗い機4では、ポンプ縦方向寸法を短縮し小形、偏平化したポンプ1を用いたものであるので、図6に示す従来の食器洗い機4より少ない設置スペースでポンプ1を装置内に設置でき、食器洗い機4をコンパクト化し装置の小形化することができ、特に食器洗い機の高さを低くすることで操作性を向上することができる。
【0064】
また、耐水性を向上したことにより水槽内にポンプ1を設置することも可能となり、さらに遊休スペースを活用する等、装置の一層のコンパクト化、小形化を進めることできる。
【0065】
そして、ポンプ1の構造簡略化や部品点数削減によるコストダウンにより、食器洗い機の低コスト化にも寄与できる。
【0066】
また、ポンプ1のポンプ特性や耐久性、低騒音化などの性能向上に伴い、食器洗い機の洗浄性能及び排水性を向上し、長寿命で静かな運転が得られる等の食器洗い機の性能、操作性や耐久性を向上することができる。特に、従来ポンプよりも排水性が大きく改善されるので、汚水排水時の騒音低減と残水量の低減に効果があり、衛生的に改善され悪臭発生の問題も解消することができる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のリバーシブルポンプによれば、ポンプを小形化、偏平化し、かつポンプ特性を向上し、騒音発生を低減することのできる耐久性に優れるポンプを安価に得ることができる。
【0068】
そして、このポンプを用いた食器洗い機は、運転音が静かで、特に排水時の低騒音化に優れ、また衛生的にも良好である、コンパクトで洗浄性能、耐久性に優れた食器洗い機をコストダウンを図り提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のポンプの縦断面図である。
【図2】 第2の実施形態の食器洗い機の構造概略図である。
【図3】 実施形態のモータ部駆動回路のブロック図である。
【図4】 従来例のポンプ100の縦断面図である。
【図5】 従来例のポンプ200の縦断面図である。
【図6】 ポンプ200を用いた食器洗い機の構造概略図である。
【符号の説明】
1……ポンプ
2……ポンプ部
3……モータ部
4……食器洗い機
10……正転用ポンプ室
11……正転用吸水口
13……正転用吐出口
15……正転用羽根車
16……正転用羽根
18……仕切り板
20……逆転用ポンプ室
21……逆転用吸水口
23……逆転用吐出口
25……逆転用羽根車
26……逆転用羽根
31……固定子
51……固定軸
Claims (1)
- ポンプ部が、正転用ポンプ室と逆転用ポンプ室とに区画されたリバーシブルポンプであり、
前記正転用ポンプ室は、前記ポンプ部の上部に配され、正転用吸水口がポンプ上方に向けて開口され、正転用吐出口がポンプ上方或いは横方向に向けて開口され、
前記逆転用ポンプ室は、前記ポンプ部の下部に配され、逆転用吸水口と逆転用吐出口とがポンプ側部に開口され、
前記逆転用ポンプ室の内部には、リング状の固定子と、前記固定子の内側に配された固定軸と、前記固定子の外周に配され前記固定軸に対して回転自在に配された回転子と、を備え、前記固定子及び、前記固定子の下側に配された回路基板が樹脂でモールドされたアウターローター型モータ部が配され、
前記逆転用ポンプ室では、逆転用羽根車がウエスコ型の羽根を前記回転子の外周部に配すように磁性材料で一体に形成され、
前記正転用ポンプ室では、ヒューガル型の正転用羽根車が前記逆転用羽根車と接続し、前記固定軸に回転自在に配され、
前記モータ部の回路基板には正弦波PWM駆動回路が用いられ、
前記固定子と前記回転子により構成される前記アウターローター型モータ部により前記正転用羽根車と前記逆転用羽根車が回転し、
正転時は、正転用吸水口から前記正転用ポンプ室に洗浄水を吸水して正転用吐出口から吐出し、
逆転時は、逆転用吸水口から前記逆転用ポンプ室に汚水を吸水して逆転用吐出口から吐出する
ことを特徴とする食器洗い機に用いるリバーシブルポンプ。
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