JP2007222242A - ポンプ及び食器洗い機 - Google Patents

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功治 岩崎
Katsushi Nishimura
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Abstract

【課題】洗浄水や排水を目的の経路のみに確実に送り、かつ構造が簡単で小形化、低コスト化などの高性能化を図ることができる食器洗い機に好適なポンプを提供する。
【解決手段】正逆回転可能なモータ102に装着された正転用羽根105と逆転用羽根106とを備えた羽根車107がポンプ部103に配され、吸水口111と2ヶ所の吐出口131、132を有し、吸水口111からポンプ部103のポンプ室P1、P2を経て第1吐出口131と第2吐出口132への流路が形成され、モータ102の正転時には吸水口111から洗浄水115を吸引して第1吐出口131から食器洗浄槽110に供給し、逆転時には吸水口111から食器洗浄後の汚水116を第2吐出口132から機外に排出するポンプ101において、前記第1吐出口131と第2吐出口132に、該モータ102の回転方向に応じ吐出口の開放又は閉塞を切り替える切替弁151、152を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポンプ及びそのポンプを用いた食器洗い機に関するものである。
従来、食器洗い機において、食器洗浄のために洗浄水を装置内で循環させる洗浄用ポンプと洗浄後の汚水を装置外に排出する排水用ポンプとを1台のポンプに集約し、モータの回転軸に洗浄用羽根車と排水用羽根車とを取付け、モータの回転方向に応じて流れを逆転させて2ヶ所の吐出口の一方を選択し洗浄水を吐出して食器の洗浄あるいは汚水の排水を行うポンプが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平11−32962号公報
ところで、上記文献に記載のような1モータ2ポンプ方式のポンプでは、洗浄又は排水のどちらの運転モードであっても、1台のモータであるため洗浄用と排水用の両方の羽根車が回転することで、洗浄運転中も排水運転を少なからず行い、逆に排水運転中には洗浄運転を多少行うことでポンプ効率を低下させている。このため、モータ容量を大きくする必要がありポンプ本体が大形化し、また洗浄水を循環させるための構成部品も増えるのでポンプ構造が複雑になると共にコストアップが避けられないという問題がある。
従って、本発明の目的は、運転中に他の吐出口からの吐出を防いで洗浄水や排水を目的の経路のみに確実に送り、かつ構造が簡単で小形化、低コスト化などの高性能化を図ることができる食器洗い機に好適なポンプ、及びこのポンプを用いた食器洗い機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、食器洗い機に内蔵され洗浄水の循環と排水に用いられるポンプであって、正逆回転可能なモータとポンプ部とからなり、前記モータの回転軸に装着された正転用羽根と逆転用羽根とを備えた羽根車が前記ポンプ部のポンプ室内に配され、吸水口と2ヶ所の吐出口を有し、前記吸水口から前記ポンプ室を経て第1吐出口及び第2吐出口への流路が形成され、前記モータの正転時には前記吸水口から洗浄水を吸引して前記第1吐出口から食器洗浄槽に供給し、逆転時には前記吸水口から食器洗浄後の汚水を前記第2吐出口から機外に排出するポンプにおいて、前記第1吐出口と第2吐出口の少なくとも一方に、該モータの回転方向に応じそれぞれの吐出口の開放又は閉塞を切り替える切替弁が設けられていることを特徴とするポンプである。
請求項2に係る発明は、前記ポンプが、前記吸水口を有すモータ部と、前記2ヶ所の吐出口を有するポンプ部とからなり、前記モータ部は、固定子の内周に磁性体を有する回転子が回転自在に配されてモータを構成し、前記回転子の回転軸近傍に前記吸水口から前記ポンプ室に続く流路が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のポンプである。
請求項3に係る発明は、前記第1吐出口に、前記切替弁が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプである。
請求項4に係る発明は、前記切替弁が電磁弁であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプを内蔵したことを特徴とする食器洗い機である。
本発明のポンプによれば、食器洗い機の運転モードに合わせて、洗浄水や汚水が他の吐出口から排出されることがなく、目的の経路のみに確実に送ることができるので、ポンプ効率を向上し、また洗浄性を低下させることがない。これにより、ポンプ構造の簡素化、小形化、軽量化などの性能向上が図られるので、高性能で低価格の食器洗い機を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態ついて、図面に基づいて説明する。
[第1の実施形態]
図1は、実施形態の食器洗い機100の要部構造を示す概略図、図2は図1のポンプ部分の拡大図である。
図に示すように、食器洗い機100は、前面に開閉自在のドア(図示せず)を備えた密閉状態の食器洗浄槽110と、洗浄槽110内のテーブル112上に設置される食器類113をセットするラック114と、洗浄水115及び洗浄後の汚水116を回収して溜める水槽117と、洗浄槽110の上部中央に設けられた洗浄水115の噴射孔119を複数設けた洗浄ノズル118とその供給管120、洗浄水115を洗浄ノズル118に圧送して供給しかつ洗浄後の汚水116を機外に排出するポンプ101、さらに洗浄後の食器類113を乾燥するための熱風ファン121と、洗い、すすぎ、排水、乾燥の各洗浄工程を制御するマイクロコンピュータを内蔵する制御装置122が食器洗い機100の本体内に収納されている。そして、洗浄水115を水槽117に供給する水道からの給水管123が水槽117に接続されている。
食器洗い機100の底部に配されたポンプ101は、モータ102とポンプ部103とからなり、モータ102の回転軸104には正転用羽根105と逆転用羽根106を備えた羽根車107が装着され、正転用羽根105が第1ポンプ室P1に、逆転用羽根106が第2ポンプ室P2に収容されるように羽根車107がポンプ部103に配されている。
正転用羽根105及び逆転用羽根106の種類は特に限定されることはなく、例えばセントリヒューガル形羽根やウエスコ形羽根が挙げられ、また1枚の羽根で正逆転兼用できるものでもよい。
また、モータ102は、正逆転可能なモータであれば、特に限定されることはなく、ブラシレスDCモータ、誘導電動機、同期モータなどを使用することができる。
ポンプ101は、吸水口111が水槽117の底面に接続され、第1吐出口131が洗浄水115を洗浄ノズル118に圧送する供給管120に、また第2吐出口132が汚水を排出するための排水管124に接続されている。
第1吐出口131と供給管120との接続部には切替弁151が、また第2吐出口132と排水管124との接続部には切替弁152が配されている。これらの切替弁151、152はそれぞれの吐出口131、132の開口部を開放又は閉塞するもので、食器洗い機100の洗浄、排水の運転モードに合わせて制御装置122からの信号により吐出口の開閉動作をする電磁弁が使用されている。
上記構成による食器洗い機100は、洗浄モードであるモータ102の正転運転時は、羽根車107の正転用羽根105の吸引作用により吸水口111から吸引された洗浄水115が第1ポンプ室P1を経て(実線矢符)第1吐出口131から吐出され、供給管120に圧送されて洗浄ノズル118の噴射孔119から食器類113に洗浄水115を噴射し、食器類113の洗浄やすすぎが行われる。
この正転時には、逆転用羽根106も同時に回転するので、第2ポンプ室P2内に流れ込んだ水が渦を少なからず発生し第2吐出口132の方向に流れていくことになる。この洗浄モードの際は、制御装置122から第1吐出口131に接続された切替弁151を開放し、第2吐出口132に接続された切替弁152を閉塞する信号が送られることで、洗浄水115は第2吐出口132から吐出されることなく第1吐出口131のみから吐出され洗浄工程のみが行われるので、第2吐出口132からの無駄な漏水を防止してポンプ効率を低下させることがない。
一方、排水モードであるモータ102の逆転運転時には、逆転用羽根106の吸引作用が働き、吸水口111から吸引された水槽117の汚水116は、第2ポンプ室P2を経て(破線矢符)第2吐出口132から吐出され食器洗い機100の外部に排水される。
この逆転時には、正転用羽根105も同時に回転するので、第1ポンプ室P1内に流れ込んだ水が渦を少なからず発生し第1吐出口131の方向に流れていくことになる。この排水モードの際は、制御装置122から第1吐出口131に接続された切替弁151を閉塞し、第2吐出口132に接続された切替弁152を開放する信号が送られることで、汚水116は第1吐出口131から吐出されることなく第2吐出口132のみから吐出されるので、ポンプ効率を低下させることがなく、また汚水116が供給管120内に侵入することがなく洗浄水の汚染を防いで食器洗浄性を低下させることもない。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、食器洗い機100において、ポンプを図3に示すモータ内蔵タイプのポンプ1に変更した例である。
ポンプ1は、吸水口11を有するモータ部10と、第1吐出口31と第2吐出口32の2ヶ所の吐出口を有するポンプ部30とからなり、上側ケーシング71と下側ケーシング72がパッキン73を挟みポンプ部30をシールするとともに固定軸27をポンプ部30の中心に固定しポンプ1を一体に構成している。
モータ部10は、ブラシレスDCモータを構成するものであり、上側ケーシング71の外周に沿ってリング状に設けられた固定子12と、固定子12内周側で上側ケーシング71内に固定軸27を軸心として回転自在に配された回転子20とからなっている。回転子20の上方には吸水口11が上側ケーシング71に開口している。
固定子12は、鉄心13とそれに巻回されたコイル14とからなり、モータ駆動用の回路基板15が固定子12の上部に配され、全体がモールド樹脂16によりモールド成形されている。
回転子20は、回転軸21の周囲に配されたマグネット22と、ポンプ部30内で回転するように回転軸21に接続された羽根車23とからなり、回転軸21の外周部には軸と平行して吸水口11からの流路19が形成されている。
前記回転子20は、固定軸27に回転軸21を介して取り付けられ、前記回転軸21は摺動性を有する、例えば「ポリフェニレンサルファイド(PPS)」などの樹脂により形成されているので、回転子20は固定軸27に対して回転自在になっている。
羽根車23は正転用羽根33と逆転用羽根34とを有し、正転用羽根33が羽根車基部24の流路19側に固定されてポンプ部30上部の正転ポンプ室40内に位置し、逆転用羽根34が羽根車基部24のポンプ部30の底部側に固定され逆転ポンプ室41に配されている。図3では、正転用羽根33はセントリヒューガル形羽根を、逆転用羽根34はウエスコ形羽根を使用した例である。
ポンプ部30には、正転用ポンプ室40から吐出流路37を経て第1吐出口31が開口し、また逆転用ポンプ室41から続く流路(図示せず)を経て第2吐出口32が開口している。
第1吐出口31と食器洗い機100に洗浄水を圧送する供給管120との接続部には切替弁51が、また第2吐出口32と排水管124との接続部には切替弁52が配されている。これらの切替弁51、52はそれぞれの吐出口31、32の開口部を開放又は閉塞するもので、食器洗い機100の運転モードに合わせて制御装置122からの信号により吐出口の開閉動作を行う電磁弁が使用されている。
上記構成による食器洗い機100は、洗浄モードであるポンプ1の正転運転時は、羽根車23の正転用羽根33の吸引作用により吸水口11から吸引された洗浄水115が正転用ポンプ室40から流路37を経て第1吐出口31から吐出され、供給管120に圧送され食器類113の洗浄やすすぎが行われる。
この正転時には、逆転用羽根34も同時に回転するので、逆転用ポンプ室41内に流れ込んだ水が渦を少なからず発生し第2吐出口32の方向に流れていくことになる。この洗浄モードの際は、制御装置122から第1吐出口31に接続された切替弁51を開放し、第2吐出口32に接続された切替弁52を閉塞する信号が送られることで、洗浄水115は第2吐出口32から吐出されることなく第1吐出口31のみから吐出され洗浄槽110に送られ洗浄工程のみが行われるので、第2吐出口32からの無駄な漏水を防止してポンプ効率を低下させることがない。
一方、排水モードであるポンプ1の逆転運転時には、逆転用羽根34の吸引作用が働き、吸水口11から吸引された水槽117内の汚水116は、逆転用ポンプ室41を経て第2吐出口32から吐出され食器洗い機100の外部に排水される。
この逆転時には、正転用羽根33も同時に回転するので、正転用ポンプ室40内に流れ込んだ汚水116が渦を少なからず発生し第1吐出口31の方向に流れていくことになる。この排水モードの際は、制御装置122から第1吐出口31に接続された切替弁51を閉塞し、第2吐出口32に接続された切替弁52を開放する信号が送られることで、汚水116は第1吐出口31から吐出されることなく第2吐出口32のみから吐出されるようになり、ポンプ効率を低下させることがなく、また汚水116が供給管120内に侵入することがなく洗浄水の汚染を防いで洗浄性を低下させることもない。
ポンプ1はモータ部10がポンプ1に内蔵されているので、ポンプ1の小形化、軽量化が一層図られ、またブラシレスDCモータの利用によりポンプ効率の向上、静音化が図られることで、食器洗い機の小形化、性能向上を可能とする。
[第3の実施形態]
上記食器洗い機100において、第1の実施形態のポンプ101の第1吐出口131のみに切替弁151が接続される、又は、第2の実施形態のポンプ1の第1吐出口31のみに切替弁51が接続され、洗浄モードの正転運転時には第1吐出口131、31が開放、排水モードの逆転運転時には第1吐出口131、31が閉塞状態にされる。
これにより、食器洗い機100が排水モードで運転される場合に、少なくとも食器洗浄後の汚水116が第1吐出口131、31から吐出されることがなく、供給管120内に汚水116が流れ込むことが防止されるので、食器洗浄水やすすぎ水に汚水が混入することがなく、食器洗浄性を向上することができる。
本発明は、上記実施形態に限らずその主旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、上記電磁弁に代えて、バネの付勢力を利用した開閉弁、水圧の強弱により動作する開閉弁などが使用できる。また、吸水口をポンプの底面側に開口し設けたポンプでもよい。
本発明のポンプは、食器洗い機に好適である。
本発明の一実施形態を示す食器洗い機の要部構造を示す概略図である。 図1におけるポンプ部分の拡大図である。 第2の実施形態のポンプの縦断面図である。
符号の説明
100……食器洗い機
101……ポンプ
102……モータ
103……ポンプ部
105……正転用羽根
106……逆転用羽根
107……羽根車
110……食器洗浄槽
111……吸水口
115……洗浄水
116……汚水
131……第1吐出口
132……第2吐出口
P1、P2……ポンプ室

Claims (5)

  1. 食器洗い機に内蔵され洗浄水の循環と排水に用いられるポンプであって、
    正逆回転可能なモータとポンプ部とからなり、
    前記モータの回転軸に装着された正転用羽根と逆転用羽根とを備えた羽根車が前記ポンプ部のポンプ室内に配され、
    吸水口と2ヶ所の吐出口を有し、前記吸水口から前記ポンプ室を経て第1吐出口及び第2吐出口への流路が形成され、
    前記モータの正転時には前記吸水口から洗浄水を吸引して前記第1吐出口から食器洗浄槽に供給し、逆転時には前記吸水口から食器洗浄後の汚水を前記第2吐出口から機外に排出するポンプにおいて、
    前記第1吐出口と第2吐出口の少なくとも一方に、該モータの回転方向に応じそれぞれの吐出口の開放又は閉塞を切り替える切替弁が設けられている
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 前記ポンプが、前記吸水口を有すモータ部と、前記2ヶ所の吐出口を有するポンプ部とからなり、
    前記モータ部は、固定子の内周に磁性体を有する回転子が回転自在に配されてモータを構成し、前記回転子の回転軸近傍に前記吸水口から前記ポンプ室に続く流路が設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記第1吐出口に、前記切替弁が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 前記切替弁が電磁弁である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプを内蔵した
    ことを特徴とする食器洗い機。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110240070A1 (en) * 2010-03-30 2011-10-06 Emerson Electric Co. Offset Inlet Dishwasher Pumps
CN106821264A (zh) * 2017-04-01 2017-06-13 蒲杰 洗涤排水一体泵
CN106821263A (zh) * 2017-04-01 2017-06-13 蒲杰 洗涤排水一体泵
WO2018177299A1 (zh) * 2017-04-01 2018-10-04 蒲杰 洗涤排水一体泵

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