JP4277789B2 - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオードや半導体レーザダイオード等の光デバイスに利用される窒化物半導体発光素子及びその製造方法に関する。
3族元素としてAl、Ga、In等を含み、5族元素としてN等を含むAlGaInNで表される窒化物半導体は、可視光発光デバイスや高温動作電子デバイス用の半導体材料として近来多用されるようになった。そして、特に、青色や緑色の発光ダイオードの分野での実用化や青紫色のレーザダイオードの分野での展開が進んでいる。
この窒化物半導体を用いた発光素子の製造においては、有機金属気相成長法によって窒化物半導体
薄膜結晶を成長させるのが近来では主流である。この方法は、たとえば光透過性のサファイアやSiC及びGaN等からなる基板を設置した反応管内に3族元素の原料ガスとして有機金属化合物ガス(トリメチルガリウム(以下、「TMG」と略称する。)、トリメチルアルミニウム(以下、「TMA」と略称する。)、トリメチルインジウム(以下、「TMI」と略称する。)等)と、5族元素の原料ガスとしてアンモニアやヒドラジン等を供給し、基板温度をおよそ700℃〜1100℃の高温で保持して、基板上にn型層と発光層とp型層とを成長させてこれらを積層形成するというものである。n型層の成長時にはn型不純物原料ガスとしてモノシラン(SiH4)やゲルマン(GeH4)等を、p型層の成長時にはp型不純物原料ガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)やジメチル亜鉛(Zn(CH3)2)等を3族元素の原料ガスと同時に流しながら成長させる。
そして、基板上への窒化物半導体薄膜結晶の成長形成の後に、n型層の表面及びp型層の表面のそれぞれにn側電極及びp側電極をたとえば金属蒸着法によって形成し、ダイシング工程でチップ状に分離することによって、発光素子を得ることができる。
窒化物半導体は、従来ではp型伝導が得られ難くかったが、近年になって電子線照射法やアニール法により、p型伝導の制御が可能となった。すなわち、p型不純物をドープした窒化物半導体を成長した後、電子線照射法やアニール法により、p型不純物と結合してp型不純物を不活性化している水素とp型不純物との結合を切り、更に窒化物半導体中から水素を放出することで、p型不純物を活性化してアクセプターとして機能させて、窒化物半導体をp型化できる。特に、アニール法は、設備的に簡便であるほか、窒化物半導体のp型化のための所要時間も短く、しかも窒化物半導体の深さ方向にも均一にp型化できるので、実用的な製造方法とされている。
しかしながら、このアニール法においては、熱処理の際に窒化物半導体の表面から酸素や炭素等の不純物が窒化物半導体膜中に侵入しやすく、特に表面付近に不純物が多く存在することになる。また、p型不純物と水素の結合を切って水素を薄膜結晶の中から追い出すことになるが、この水素の完全な追い出しは不可能であり、窒化物半導体の表面付近に水素が偏在するようになることは避けられない。このように表面付近に水素や酸素及び炭素等が偏在するp型窒化物半導体に電極を形成すると、良好なオーミック特性を有する電極が形成できないという問題があった。
この問題を解決するため、たとえば特開平10―135575号公報には、p型不純物をドープした窒化物半導体の有機金属気相成長中に、反応管の雰囲気ガスにキャリアガスとして含まれる水素の量を低減することによって、p型不純物と水素の結合の形成を抑制し、成長後に何らの処理もぜすにp型伝導を得る方法が提案されている。また、Appl.Phys.Lett.Vol.72No.14p.1748(1998)には、同一研究グループによる詳細な実験結果が示されており、水素濃度が2.4%以下で良好なp型が得られている。なお、この報告によれば、水素濃度が3.7%以下では水素による不活性化が生じているとされている。
特開平10―135575号公報 Appl.Phys.Lett.Vol.72No.14p.1748(1998)
しかしながら、上記のようにキャリアガス中の水素濃度が小さい条件で窒化物半導体を成長させると、半導体結晶表面での原子のマイグレーションが抑制され、水素濃度が高い場合に比べて結晶性が劣化しやすい。したがって、キャリアガス中の水素濃度が小さい条件で一律にp型層全体を形成すると、特にp型層の上層部において結晶性が低下してしまう。その結果、p型層の最表面に形成するp側電極との間で良好なオーミック接触が得られにくく、素子の発光特性に悪影響を及ぼすという問題がある。
本発明において解決すべき課題は、p型層におけるp型電気特性と結晶性の調和を総合的に図り、発光特性に優れ、良好なオーミック接触が実現できる窒化物発光素子を提供することにある。
本発明者は、窒化物半導体発光素子におけるp型層の構成について鋭意検討を行った。その結果、p型層を少なくとも二つの層で形成し、発光層に接する側に設けられた第1のp型の層を水素濃度の小さい雰囲気ガス中で成長させ、第1のp型層よりも発光層から遠い側に設ける第2のp型の層を第1のp型の層よりも水素濃度の大きい雰囲気ガス中で成長させることにより、第1のp型の層ではp型不純物の活性化率が高いので正孔濃度を高く保つことができ、第2のp型の層では第1のp型の層で劣化した結晶性を回復できることを見出した。
このような構成によれば、p型層におけるp型電気特性と結晶性を両立した発光素子の実現が可能となる。
本発明によれば、発光層に接する側の第1のp型の層の成長時の水素濃度を小さくすることでp型不純物の活性化率を高め、発光層から遠い側に設けられる第2のp型の層の成長時の水素濃度を第1のp型の層に比して大きくすることで結晶性を回復することができる。したがって、窒化物半導体発光素子において、発光出力を向上し得ると同時に動作電圧を低減できるほか、良好なオーミック接触が実現できる窒化物発光素子を提供することができる。
本願第1の発明は、n型層と発光層とp型層とを順に有し、前記p型層を少なくとも2つのp型の層を含む積層体とした窒化物半導体発光素子であって、前記発光層に接する側の第1のp型の層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率が、前記第1のp型の層よりも前記発光層から遠い側に積層された第2のp型の層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率より小さいことを特徴とする窒化物半導体発光素子であり、第1のp型の層においてp型不純物の活性化率を高くすることができ、第2のp型の層において第1のp型の層よりも結晶性を高めることができるという作用を有する。
本願第2の発明は、n型層と発光層とp型層とを順に有し、前記p型層を少なくとも2つのp型の層を含む積層体とした窒化物半導体発光素子の製造方法であって、少なくとも前記p型層が有機金属気相成長法により成長され、前記発光層に接する側の第1のp型の層を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度が、前記第1のp型の層よりも前記発光層から遠い側に設けられる第2のp型の層を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度より小さいことを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法であり、第1のp型の層においてp型不純物の活性化率を高く保つことができ、第2のp型の層において第1のp型の層で劣化した結晶性を回復することができるという作用を有する。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図である。
図1において、基板1の上に、バッファ層2を介して、n型コンタクト層3と、n型クラッド層4と、発光層5と、第1のp型の層としてのp型クラッド層6と、第2のp型の層としてのp型コンタクト層7と、が順次積層されている。p型コンタクト層7のほぼ全面に光透過性電極8が形成され、光透過性電極8の上にワイヤボンディングのためのp側電極9が形成されている。また、p型コンタクト層7の一部の表面からn型コンタクト層3に達する深さでエッチングされ、露出されたn型コンタクト層3の表面にはn側電極10が形成されている。
基板1には、サファイアやGaN及びSiC等を使用することができる。
バッファ層2には、GaN、AlN、AlGaN、InGaN等を用いることができ、例えば、900℃以下の温度で、数nmから数10nmの厚さで形成されたものを好ましく用いることができる。なお、バッファ層2は、基板1とその上に形成される窒化物半導体からなる積層構造との間の格子不整合を緩和する作用を有するものであるため、GaNのように、その上に形成される窒化物半導体との格子定数が近い基板を用いる場合は、成長方法や成長条件にもよるが、バッファ層2の形成を省略することも可能である。
n型コンタクト層3は、窒化物半導体で形成されたもので、特にGaNやAlGaNで形成されることが好ましい。窒化物半導体は、n型不純物がドープされていないアンドープの状態でもn型導電型を示す傾向にあるが、特にn側電極10を設けるためのn型コンタクト層として用いる場合には、SiやGe等のn型不純物がドープされたGaNを用いることでと、電子濃度が高いn型層が得られ、n側電極10との接触抵抗を小さくすることが可能である。
n型クラッド層4は、窒化物半導体で形成され、SiやGe等のn型不純物がドープされたAlaGa1-aN(但し、0≦a≦1)で形成されることが好ましいが、発光ダイオードの場合には、n型クラッド層4の形成を省略することも可能である。
発光層5は、n型クラッド層4のバンドギャップより小さいバンドギャップを有する窒化物半導体で形成される。特に、インジウムを含む窒化物半導体、すなわちInpAlqGa1-p-qN(但し、0<p≦1、0≦q≦1、0<p+q≦1)で形成され、その中でも
InbGa1-bN(但し、0<b<1)で形成されることが好ましい。(以下、本明細書において、「InbGa1-bN」または同様に添字を伴った表現により示される窒化物半導体を単に「InGaN」ということがある。)発光層5は、n型不純物とp型不純物を同時に、またはそれらのいずれか一方のみをドープすることにより所望の発光波長を得る構成とすることもできるが、膜厚を約10nm以下と薄くした層を用いて量子井戸構造とした構成とすることにより、色純度が良くかつ発光効率の高い発光層5とすることが特に好ましい。発光層5を量子井戸構造とする場合、InGaNからなる井戸層を、この井戸層よりもバンドギャップの大きな障壁層で挟んだ単一量子井戸構造としてもよく、この場合には、障壁層を発光層の両側に形成されるp型およびn型クラッド層で兼用することが可能である。また、井戸層と障壁層戸を交互に積層させた多重量子井戸構造としてもよい。
第1のp型の層であるp型クラッド層6は、発光層5のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを有する窒化物半導体で形成されたものであり、p型不純物がドープされたInuAlvGa1-u-vN(但し、0≦u<1、0≦v<1、0≦u+v<1)で形成されることが好ましい。通常、p型クラッド層6は、結晶性良く成長させるために、発光層5の成長に適した温度よりも高い成長温度で形成されることが多い。このため、発光層5の成長後にp型クラッド層6の成長に適した温度まで昇温させる間に、発光層5を構成するインジウムや窒素等の構成元素の解離等により発光層5の結晶性の劣化を生じることがある。そこで、p型クラッド層6の発光層5に接する側の一部を、発光層5を成長後に昇温させながら連続して成長させて形成し、p型クラッド層6の成長温度において、引き続いて残りのp型クラッド層6を成長させると、発光層5の結晶性の劣化を効果的に防止することが可能となる。このとき、昇温させながら成長させるp型クラッド層6の一部は、InxAlyGa1-x-yN(但し、0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1、x<y)、特にGaNで形成されることが好ましい。これは、発光層5に接して形成されてクラッド層としての作用を十分達成することができると同時に、発光層5の構成元素の解離等による結晶性の劣化を防止する効果を高めることができるからである。なお、p型クラッド層6にドープするp型不純物としては、Mg,Zn,Be,Cdなどが使用できるが、これらの中でも容易にp型伝導が得られやす取り扱いも簡単なMgを使用することが好ましい。
第2のp型の層であるp型コンタクト層7は、p型不純物がドープされた窒化物半導体で形成されたものである。特に、p型コンタクト層7の表面上に形成されるp側電極9との接触抵抗を低減させるために、p型クラッド層6よりもバンドギャップが小さく、Mg等のp型不純物がドープされたIncGa1-cN(但し、0≦c≦1)で形成することが好ましい。なお、p型コンタクト層7にドープするp型不純物としては、Mg、Zn、Be、Cd等が使用できるが、容易にp型伝導が得られやすく取り扱いも容易なMgを使用することが好ましい。
ここで、p型クラッド層6とp型コンタクト層7は、有機金属気相成長法による成長時に、p型クラッド層6を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度が、p型コンタクト層7を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度より小さくなるように成長させる。このような操作により、p型クラッド層6におけるp型不純物元素に対する水素元素の比率が、p型コンタクト層7におけるp型不純物元素に対する水素元素の比率より小さくなるように調整することが必要である。
p型クラッド層6の成長時の反応管内の雰囲気ガス中の水素濃度は、0%〜20%の範囲とすることができるが、より好ましくは、0%〜5%である。水素濃度を0%〜5%の範囲にすることにより、気相成長膜中におけるp型不純物元素に対する水素元素の比率を概略0.5以下に抑えることができ、p型不純物がアクセプターとして活性化されやすい。
一方、p型コンタクト層7の成長時の反応管内の雰囲気ガス中の水素濃度は、0%〜50%の範囲とすることができ、より好ましくは10%〜20%である。水素濃度をこの範囲にすることにより、気相成長膜中におけるp型不純物元素に対する水素元素の比率を概略1以下に抑えて、p型不純物がアクセプターとして活性化されやすくできると同時に、気相成長膜の膜成長時の表面での原子のマイグレーションを促進し、気相成長膜の結晶性を高めることができる。
このようなp型クラッド層6及びp型コンタクト層7の成長形成では、これらの2層からなるp型層において、p型不純物の活性化率を高めることができると同時に、高い正孔濃度を維持できる。特に、p型クラッド層6では、p型不純物の活性化率をより高くすることができるので、このp型クラッド層6に接している発光層5への正孔の注入効率が高くなり、更に発光層5からp型クラッド層6への電子の漏れ出しを抑制するという作用が高まり、発光効率を向上し得る。
また、p型クラッド層6の成長時に水素濃度を小さくすると、結晶性は低下する傾向にあるとされている。これに対し、p型クラッド層6の成長時に低下した結晶性は、その上に積層したp型コンタクト層7において回復させることができる。したがって、p型コンタクト層7の表面上に形成する電極すなわち光透過性電極8及びp側電極9との間のオーミック接触抵抗を小さく抑えることができ、素子の動作電圧を低減し、信頼性を高めることができるという効果がある。
なお、以上のようにして基板1の上に成長形成された窒化物半導体からなる積層構造については、成長後にp型不純物の活性化のためのアニール等を別途に行う必要はない。しかし、もしアニールする場合は、酸素や炭素による汚染を防ぐために、清浄な雰囲気でかつ短時間でこのアニールを行う必要がある。
以下、本発明の窒化物半導体発光素子の製造方法の具体例について図2を参照しながら説明する。
先ず、表面を鏡面に仕上げられたサファイアの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基板1の温度を1000℃に保ち、窒素を5リットル/分及び水素を5リットル/分で流しながら基板を10分間加熱して、基板1の表面に付着している有機物等の汚れや水分を取り除いた。
次に、基板1の温度を550℃にまで降下させ、キャリアガスとして窒素を16リットル/分で流しながら、アンモニアを4リットル/分及びTMGを40μmol/分、で供給して、GaNからなるバッファ層2を25nmの厚さで成長させた。
次に、TMGの供給を止めて基板1の温度を1050℃まで昇温させた後、キャリアガスとして窒素を13リットル/分及び水素を3リットル/分で流しながら、アンモニアを4リットル/分、TMGを80μmol/分、10ppm希釈のSiH4を10cc/分、で供給して、SiをドープしたGaNからなるn型コンタクト層3を2μmの厚さで成長させた。このようにして成長したn型コンタクト層3の電子濃度は、1.5×1018/cm3であった。
n型コンタクト層3を成長後、TMGとSiH4の供給を止め、基板1の温度を750℃にまで降下させ、この温度に維持して、キャリアガスとして窒素を14リットル/分で流しながら、アンモニアを6リットル/分、TMGを4μmol/分、TMIを5μmol/分で供給して、アンドープのIn0.2Ga0.8Nからなる単一量子井戸構造の発光層5を2nmの厚さで成長させた。
発光層5の成長後、TMIの供給を止め、TMGを流しながら基板1の温度を1050℃に向けて昇温させながら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)を4nmの厚さで成長させ、基板1の温度が1050℃に達したら、キャリアガスとして窒素を17.2リットル/分及び水素を0.8リットル/分で流しながら、アンモニアを2リットル/分、TMGを40μmol/分、TMAを3μmol/分、Cp2Mgを0.1μmol/分、で供給して、MgをドープさせたAl0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層6を0.2μmの厚さで成長させた。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の濃度は4%であった。このようにして成長したp型クラッド層5は、Mg濃度が1×1020/cm3、水素濃度が4×1019/cm3であった。
p型クラッド層6を成長後、TMAの供給を止め、キャリアガスとして窒素を13リットル/分及び水素を3リットル/分で流しながら、アンモニアを4リットル/分、TMGを80μmol/分、Cp2Mgを0.2μmol/分で供給して、MgをドープさせたGaNからなるp型コンタクト層7を0.3μmの厚さで成長させた。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の濃度は15%であった。このようにして成長したp型コンタクト層7は、Mg濃度が1×1020/cm3、水素濃度が8×1019/cm3であった。
p型コンタクト層7を成長後、TMGとCp2Mgの供給を止め、窒素を16リットル/分、アンモニアを4リットル/分で流しながら、基板1の温度を室温程度にまで冷却させて、基板1の上に窒化物半導体が積層されたウェハーを反応管から取り出した。
なお、以上の方法においては、有機金属化合物であるTMGと,TMI,TMA,Cp2Mgはすべて水素キャリアガスによって気化することで、反応管に供給した。
このようにして形成した窒化ガリウム系化合物半導体からなる積層構造に対して、別途アニールを施すことなく、その表面上に蒸着法によりニッケル(Ni)と金(Au)をそれぞれ5nmの厚さで全面に積層した後、フォトリソグラフィ法とウェットエッチング法により、光透過性電極8を形成した。
この後、光透過性電極8と露出したp型コンタクト層7の上にCVD法によりSiO2からなる絶縁膜(図示せず)を0.5μmの厚さで堆積させ、フォトリソグラフィ法と反応性イオンエッチング法により、光透過性電極8を覆うと同時にp型コンタクト層7の表面の一部を露出させる絶縁膜からなるマスクを形成した。
次に、形成された絶縁膜のマスクを用いて、塩素系ガスを用いた反応性イオンエッチング法により、露出させたp型コンタクト層7の表面側から、p型コンタクト層7とp型クラッド層6と発光層5を約0.6μmの深さで除去し、n型コンタクト層3の表面を露出させた。
上記の工程の後、一旦、絶縁膜のマスクをウェットエッチング法により除去して、蒸着法およびフォトリソグラフィ法により、光透過性電極8の表面上の一部と、露出させたn型コンタクト層3の表面の一部とに、0.1μm厚のチタン(Ti)と0.5μm厚のAuを積層して、それぞれp側電極9とn側電極10とした。その後、プラズマCVD法とフォトリソグラフィ法により、光透過性電極8の表面を被覆する0.2μm厚のSiO2からなる絶縁性膜(図示せず)を形成した。
この後、サファイアの基板1の裏面を研磨して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチップ状に分離した。このチップを電極形成面側を上向きにしてステムに接着した後、チップのp側電極9とn側電極10をそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長470nmの青色で発光した。このときの発光出力は2.0mWであり、順方向動作電圧は3.5Vであった。
(比較例1)比較のために、上記実施の形態において、p型コンタクト層7を成長する際に、キャリアガスとして窒素を15.2リットル/分及び水素を0.8リットル/分で流しながら、アンモニアを4リットル/分、TMGを80μmol/分、Cp2Mgを0.2μmol/分で供給して、MgをドープさせたGaNからなるp型コンタクト層7を0.2μmの厚さで成長させた。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の濃度は、p型クラッド層6の成長時と同じく、4%であった。このようにして成長したp型コンタクト層7は、Mg濃度が1×1020/cm3、水素濃度が4×1019/cm3であった。これ以外は上記実施の形態と同様の手順で発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長470nmで発光し、発光出力は1.0mWであり、順方向動作電圧は4.0Vであった。
実施の形態における窒化物半導体の積層構造におけるX線回折ロッキングカーブの半値幅が280秒であったのに対して、比較例1の場合は半値幅が360秒と大きくなっており、結晶性が低下していた。
(比較例2)さらに比較のために、上記実施の形態において、p型クラッド層6を成長する際に、キャリアガスとして窒素と水素を各々15リットル/分と3リットル/分で流しながら、アンモニアを2リットル/分、TMGを40μmol/分、TMAを3μmol/分、Cp2Mgを0.1μmol/分、で供給して、MgをドープさせたAl0.05Ga0.95Nからなるp型クラッド層6を0.2μmの厚さで成長させた。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の濃度は、p型コンタクト層7と同じく、15%であった。このようにして成長したp型クラッド層6は、Mg濃度が1×1020/cm3、水素濃度が8×1019/cm3であった。これ以外は上記実施の形態と同様の手順で発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長470nmで発光し、発光出力は0.8mWであり、順方向動作電圧は4.2Vであった。
比較例2における窒化物半導体の積層構造におけるX線回折ロッキングカーブの半値幅が270秒であった。
本発明の実施の形態1に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図 本発明の実施の形態に係る窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構造を示す断面図
符号の説明
1 基板
2 バッファ層
3 n型コンタクト層
4 n型クラッド層
5 発光層
6 p型クラッド層(第1のp型の層)
7 p型コンタクト層(第2のp型の層)
8 光透過性電極
9 p側電極
10 n側電極

Claims (11)

  1. n型層と発光層とp型層とを順に有し、
    前記p型層は第1のp型の層および第2のp型の層を有し、
    前記第2のp型の層よりも前記発光層に近い側に形成された第1のp型の層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率が、前記第1のp型の層よりも前記発光層から遠い側に形成された第2のp型の層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率より小さく、
    前記第1のp型の層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率が0.5以下であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記第1のp型の層は前記発光層に接し、
    前記第2のp型の層は前記第1のp型の層に接していることを特徴とする請求項1記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記第1のp型の層はp型クラッド層であり、
    前記第2のp型の層はp型コンタクト層であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記p型クラッド層は、InAlGaNからなり、前記p型コンタクト層は、InGaNからなる請求項3記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記p型クラッド層は、InAlGaN からなり、前記p型コンタクト層は、GaNからなる請求項3記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記p型クラッド層は、AlGaNからなり、前記p型コンタクト層は、InGaNからなる請求項3記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記p型クラッド層は、AlGaNからなり、前記p型コンタクト層は、GaNからなる請求項3記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記p型クラッド層は、GaNからなり、前記p型コンタクト層は、InGaNからなる請求項3記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 前記p型クラッド層において、層内の発光層側の一部は、GaNで形成されている請求項3から請求項7のいずれか1項記載の窒化物半導体発光素子。
  10. n型層と発光層とp型層とを順に有し、
    前記p型層は第1のp型の層および第2のp型の層を有し、
    少なくとも前記第1のp型の層および前記第2のp型の層が有機金属気相成長法により成長され、
    前記第2のp型の層よりも前記発光層に近い側に形成される第1のp型の層を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度が、前記第1のp型の層よりも前記発光層から遠い側に形成される第2のp型の層を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度より小さく、
    前記第1のp型の層を成長する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度が0〜20%であることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  11. 前記第1のp型の層は前記発光層に接し、
    前記第2のp型の層は前記第1のp型の層に接していることを特徴とする請求項10記載の窒化物半導体発光素子の製造方法。
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