JP2001119064A - 窒化物半導体発光素子 - Google Patents

窒化物半導体発光素子

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JP2001119064A
JP2001119064A JP29331199A JP29331199A JP2001119064A JP 2001119064 A JP2001119064 A JP 2001119064A JP 29331199 A JP29331199 A JP 29331199A JP 29331199 A JP29331199 A JP 29331199A JP 2001119064 A JP2001119064 A JP 2001119064A
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layer
nitride semiconductor
hydrogen
light emitting
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JP29331199A
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Hidenori Kamei
英徳 亀井
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光効率が高く、動作電圧が低い窒化物半導
体発光素子を提供することを目的とする。 【解決手段】 窒化物半導体発光素子のp型層におい
て、p型コンタクト層7の成長時の水素濃度を小さくし
て、p型不純物の活性化率を高め、p型クラッド層6の
成長時の水素濃度を大きくして、結晶性を高く保つこと
で、p型層における電気的特性と結晶性の調和を総合的
に図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発光ダイオードや半
導体レーザダイオード等の光デバイスに利用される窒化
物半導体発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】3族元素としてAl、Ga、In等を含
み、5族元素としてN等を含むAlGaInNで表され
る窒化物半導体は、可視光発光デバイスや高温動作電子
デバイス用の半導体材料として多用されるようになって
おり、青色や緑色の発光ダイオードの分野での実用化や
青紫色のレーザダイオードの分野での展開が進んでい
る。
【0003】この窒化物半導体を用いた発光素子の製造
においては、有機金属気相成長法によって窒化物半導体
薄膜結晶を成長させるのが近来では主流である。この方
法は、サファイアやSiC、GaN等からなる基板を設
置した反応管内に3族元素の原料ガスとして有機金属化
合物ガス(トリメチルガリウム(以下、「TMG」と略
称する。)、トリメチルアルミニウム(以下、「TM
A」と略称する。)、トリメチルインジウム(以下、
「TMI」と略称する。)等)と、5族元素の原料ガス
としてアンモニアやヒドラジン等を供給し、基板温度を
およそ700℃〜1100℃の高温で保持して、基板上
にn型層と発光層とp型層とを成長させてこれらを積層
形成するというものである。n型層の成長時にはn型不
純物原料ガスとしてモノシラン(SiH4)やゲルマン
(GeH4)等を、p型層の成長時にはp型不純物原料
ガスとしてシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2
Mg)やジメチル亜鉛(Zn(CH32)等を3族元素
の原料ガスと同時に流しながら成長させる。そして、こ
の成長形成の後、n型層の表面およびp型層の表面のそ
れぞれにn側電極およびp側電極を形成し、チップ状に
分離することによって、発光素子を得ることができる。
【0004】窒化物半導体は、従来p型伝導が得られ難
くかったが、近年、電子線照射法やアニール法により、
p型伝導の制御が可能となった。これらの方法によれ
ば、p型不純物をドープした窒化物半導体を成長した
後、電子線照射やアニールにより、p型不純物と結合し
てp型不純物を不活性化している水素とp型不純物との
結合を切り、窒化物半導体中から水素を放出すること
で、p型不純物を活性化してアクセプターとして機能さ
せることにより、窒化物半導体をp型化できる。特にア
ニール法は、設備的に簡便であり、所要時間も短く、窒
化物半導体の深さ方向にも均一にp型化でき、実用的な
製造方法とされている。
【0005】しかし、このアニール法においては、熱処
理の際に窒化物半導体の表面から酸素や炭素等の不純物
が窒化物半導体膜中に侵入し易く、特に表面付近に多く
存在することになる。又、p型不純物と水素の結合を切
って水素を膜中から追い出す際に完全に追い出すことが
できず、表面付近に水素が偏在することになる。このよ
うに表面付近に水素、酸素、炭素等が存在するp型窒化
物半導体に電極を形成した場合、良好なオーミック特性
を有する電極が形成できないという問題があった。
【0006】この問題を解決する方法として、特開平1
0−135575に開示されているように、p型不純物
をドープした窒化物半導体の気相成長中に、反応管の雰
囲気ガスにキャリアガスとして含まれる水素の量を低減
することによって、p型不純物と水素の結合の形成を抑
制し、as−grownでp型伝導を得る方法が提案さ
れている。また、Appl. Phys. Lett.
Vol.72 No.14 p.1748(199
8)には同一研究グループによる詳細な実験結果が示さ
れており、水素濃度が2.4%以下で良好なp型が得ら
れている(水素濃度が3.7%以では水素による不活性
化が生じている。)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにキャリアガス中の水素濃度が小さい条件で窒化物
半導体を成長すると、半導体結晶表面での原子のマイグ
レーションが抑制され、水素濃度が高い場合に比べて結
晶性が劣化し易い。従って、キャリアガス中の水素濃度
が小さい条件で一律にp型層全体を形成すると、特にp
型層の上層部において結晶性が低下し、p型層の最表面
に形成するp側電極との間で良好なオーミック接触が得
られ難く、素子の発光特性に悪影響を及ぼすという問題
がある。
【0008】本発明において解決すべき課題は、p型層
におけるp型電気特性と結晶性の調和を総合的に図り、
発光特性に優れ、良好なオーミック接触が実現できる窒
化物半導体発光素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、p型層の
構成について鋭意検討を行った。その結果、p型層を少
なくとも二つの層で形成し、p側電極に接する側に設け
られた第1のp型層を水素濃度の小さい雰囲気ガス中で
形成し、第1のp型層よりもp側電極から遠い側に設け
られた第2のp型層を第1のp型層よりも水素濃度の大
きい雰囲気ガス中で形成することにより、第2のp型層
では結晶性を高く保つことができ、第1のp型層ではp
型不純物の活性化率を高く保つことができることを見出
した。
【0010】このような構成によれば、p型層における
p型電気特性と結晶性を両立した発光素子の実現が可能
となる。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、n型層
と、発光層と、p型層とが順に積層された積層構造と、
前記p型層に接して形成されたp側電極と、を備えた窒
化物半導体発光素子において、前記p型層が、前記p側
電極に接する側に設けられた第1のp型層と、前記第1
のp型層よりも前記p側電極から遠い側に設けられた第
2のp型層との少なくとも二つのp型層からなり、前記
第1のp型層内に存在するp型不純物元素に対する水素
元素の比率が、前記第2のp型層内に存在するp型不純
物元素に対する水素元素の比率より小さいことを特徴と
する窒化物半導体発光素子であり、第1のp型層におい
て第2のp型層よりもp型不純物の活性化率を高くする
ことができ、p型層とp側電極のオーミック接触抵抗を
低減することができる。
【0012】請求項2に記載の発明は、前記p型層が有
機金属気相成長法により形成され、前記第1のp型層を
形成する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度
を、前記第2のp型層を形成する際に反応管内に供給す
る全ガス中の水素濃度より小さくすることにより形成し
たことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光
素子であり、第1のp型層の下地層となる第2のp型層
の結晶性を高く保つことができる。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記第1のp型
層の厚さが5nm以上、且つ100nm以下であること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の窒化物半導
体発光素子であり、第1のp型層における結晶性の低下
を最小限に抑えることができる。
【0014】以下に、本発明の実施の形態の具体例を、
図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は本発明の一実施の形態に係る窒化物
半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【0016】本実施の形態においては、第1のp型層は
p型クラッド層6、第2のp型層はp型コンタクト層7
に対応する。
【0017】図1において、基板1の上に、バッファ層
2を介して、n型コンタクト層3と、n型クラッド層4
と、発光層5と、第1のp型層としてp型クラッド層6
と、第2のp型層としてp型コンタクト層7と、が順次
積層されている。p型コンタクト層7のほぼ全面に光透
過性電極8が形成され、光透過性電極8の上にワイヤボ
ンディングのためのp側電極9が形成されている。p型
コンタクト層7の一部の表面からn型コンタクト層3に
達する深さでエッチングされ露出されたn型コンタクト
層3の表面にはn側電極10が形成されている。
【0018】基板1には、サファイア、GaN、SiC
等を使用することができる。
【0019】バッファ層2には、GaN、AlN、Al
GaN、InGaN等を用いることができ、例えば、9
00℃以下の温度で、数nmから数十nmの厚さで形成
されたものを好ましく用いることができる。ここで、バ
ッファ層2は、基板1とその上に形成される窒化物半導
体からなる積層構造との間の格子不整合を緩和する作用
を有するものであるため、GaNのように、その上に形
成される窒化物半導体との格子定数が近い基板を用いる
場合は、成長方法や成長条件にもよるが、バッファ層2
の形成を省略することも可能である。
【0020】n型コンタクト層3は、窒化物半導体で形
成され、特にGaNやAlGaNで形成されることが好
ましい。窒化物半導体は、n型不純物がドープされてい
ないアンドープの状態でもn型導電型を示す傾向にある
が、特にn側電極10を設けるためのn型コンタクト層
として用いる場合には、SiやGe等のn型不純物がド
ープされたGaNを用いると、電子濃度が高いn型層が
得られ、n側電極10との接触抵抗を小さくすることが
可能である。
【0021】n型クラッド層4は、窒化物半導体で形成
され、SiやGe等のn型不純物がドープされたAla
Ga1-aN(但し、0≦a≦1)で形成されることが好
ましいが、発光ダイオードの場合には、n型クラッド層
4の形成を省略することも可能である。
【0022】発光層5は、n型クラッド層4のバンドギ
ャップより小さいバンドギャップを有する窒化物半導体
で形成される。特に、インジウムを含む窒化物半導体、
すなわちInpAlqGa1-p-pN(但し、0<p≦1、
0≦q≦1、0<p+q≦1)で形成され、その中でも
InbGa1-bN(但し、0<b<1)で形成されること
が好ましい(以下、本明細書において、InbGa1-b
または同様に添字を伴った表現により示される窒化物半
導体を単にInGaNということがある。)。発光層5
は、n型不純物とp型不純物を同時に、またはそれらの
いずれか一方のみをドープすることにより所望の発光波
長を得る構成とすることもできるが、膜厚を約10nm
以下と薄くした層を用いて量子井戸構造とした構成とす
ることにより、色純度が良くかつ発光効率の高い発光層
5とすることが特に好ましい。発光層5を量子井戸構造
とする場合、InGaNからなる井戸層を、井戸層より
もバンドギャップの大きな障壁層で挟んだ単一量子井戸
構造としても良く、この場合には、障壁層を発光層の両
側に形成されるp型およびn型クラッド層で兼用するこ
とが可能である。また、井戸層と障壁層戸を交互に積層
させた多重量子井戸構造としても良い。
【0023】p型クラッド層6は、発光層5のバンドギ
ャップよりも大きいバンドギャップを有する窒化物半導
体で形成され、特にMg等のp型不純物がドープされた
In uAlvGa1-u-vN(但し、0≦u<1、0≦v<
1、0≦u+v<1)で形成されることが好ましい。通
常、p型クラッド層6は、結晶性良く形成させるため
に、発光層5の成長に適した温度よりも高い成長温度で
形成されることが多く、このため、発光層5の成長後、
p型クラッド層6の成長に適した温度にまで昇温させる
間において、発光層5を構成するインジウムや窒素等の
構成元素の解離等により発光層5の結晶性の劣化が生じ
ることがある。そこで、p型クラッド層6の発光層5に
接する側の一部を、発光層5を成長後に昇温させながら
連続して成長形成し、p型クラッド層6の成長温度にお
いて、引き続いて残りのp型クラッド層6を成長させる
と、発光層5の結晶性の劣化を効果的に防止することが
可能となる。このとき、昇温させながら成長させるp型
クラッド層6の一部は、In xAlyGa1-x-yN(但
し、0≦x<1、0≦y<1、0≦x+y<1、v<
y)、特にGaNで形成されることが好ましい。発光層
5に接して形成され、クラッド層としての作用を十分達
成することができると同時に、発光層5の構成元素の解
離等による結晶性の劣化を防止する効果を高めることが
できるからである。
【0024】p型コンタクト層7は、p型不純物がドー
プされた窒化物半導体で形成される。特に、p型コンタ
クト層7の表面上に形成されるp側電極9との接触抵抗
を低減させるために、p型クラッド層6よりもバンドギ
ャップが小さく、Mg等のp型不純物がドープされたI
cGa1-cN(但し、0≦c≦1)で形成することが好
ましい。
【0025】p型不純物としては、Mg、Zn、Be、
Cd等が使用できるが、容易にp型伝導が得られ易く、
取り扱いも容易なMgを使用することが好ましい。
【0026】ここで、p型クラッド層6とp型コンタク
ト層7は、有機金属気相成長法による成長時に、p型コ
ンタクト層7を成長する際に反応管内に供給する全ガス
中の水素濃度が、p型クラッド層6を成長する際に反応
管内に供給する全ガス中の水素濃度より小さくなるよう
に成長することにより、p型コンタクト層7におけるp
型不純物元素に対する水素元素の比率が、p型クラッド
層6におけるp型不純物元素に対する水素元素の比率よ
り小さくなるように調整されている。
【0027】p型クラッド層6の成長時の反応管内の雰
囲気ガス中の水素濃度は、0〜50%の範囲とすること
ができ、より好ましくは、10〜20%である。水素濃
度をこの範囲にすることにより、膜中におけるp型不純
物元素に対する水素元素の比率を概略1以下に抑え、p
型不純物がアクセプターとして活性化されやすくできる
と同時に、膜成長時の表面での原子のマイグレーション
を促進し、膜の結晶性を高めることができる。これによ
り、良好なp型伝導性を維持しながら、p型コンタクト
層7の下地層として良好な結晶性を提供することができ
る。
【0028】一方、p型コンタクト層7の成長時の反応
管内の雰囲気ガス中の水素濃度は、0〜20%の範囲と
することができるが、より好ましくは、0〜5%であ
る。水素濃度をこの範囲にすることにより、膜中におけ
るp型不純物元素に対する水素元素の比率を概略0.5
以下に抑えることができ、p型クラッド層6に比較して
p型不純物がアクセプターとしてさらに活性化されやす
くなる。これにより、p型コンタクト層7の表面上に形
成するp側電極9とのオーミック接触抵抗を小さく抑え
ることができ、素子の動作電圧を低減し、発光出力を高
めるとともに、信頼性を高めることができるという効果
がある。
【0029】p型コンタクト層7は、その膜厚を5nm
以上、且つ100nm以下とすることが好ましい。膜厚
が5nm以下では、p型コンタクト層7としての機能を
果たさなくなり、p側電極9とのオーミック接触抵抗が
増大する。一方、膜厚が100nm以上では、成長時の
反応管内の雰囲気ガス中の水素濃度が小さいため、膜の
結晶性が低下する傾向となり、同じくp側電極9とのオ
ーミック接触抵抗が増大する。
【0030】上記のように基板1の上に成長形成された
窒化物半導体からなる積層構造は、成長後にp型不純物
の活性化のためのアニール等を別途に行う必要はない
が、もしアニールを行う場合は、酸素や炭素による汚染
を防ぐために、清浄な雰囲気で、かつ短時間に行う必要
がある。
【0031】
【実施例】以下、本発明の窒化物半導体発光素子の製造
方法の具体例について図面を参照しながら説明する。
【0032】(実施例1)図2は本発明の実施例1に係
る窒化物半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【0033】本発明の第1の実施例である窒化物半導体
発光素子の製造方法について図2を参照しながら説明す
る。
【0034】先ず、表面を鏡面に仕上げられたサファイ
アの基板1を反応管内の基板ホルダーに載置した後、基
板1の温度を1000℃に保ち、窒素を5リットル/
分、水素を5リットル/分、で流しながら基板を10分
間加熱することにより、基板1の表面に付着している有
機物等の汚れや水分を取り除いた。
【0035】次に、基板1の温度を550℃にまで降下
させ、キャリアガスとして窒素を16リットル/分で流
しながら、アンモニアを4リットル/分、TMGを40
μmol/分、で供給して、GaNからなるバッファ層
2を25nmの厚さで成長させた。
【0036】次に、TMGの供給を止めて1050℃ま
で昇温させた後、キャリアガスとして窒素と水素を各々
13リットル/分と3リットル/分で流しながら、アン
モニアを4リットル/分、TMGを80μmol/分、
10ppm希釈のSiH4を10cc/分、で供給し
て、SiをドープしたGaNからなるn型コンタクト層
3を2μmの厚さで成長させた。このようにして成長し
たn型コンタクト層3の電子濃度は、1.5×1018
cm3であった。
【0037】n型コンタクト層3を成長後、TMGとS
iH4の供給を止め、基板温度を750℃にまで降下さ
せ、750℃において、キャリアガスとして窒素を14
リットル/分で流しながら、アンモニアを6リットル/
分、TMGを4μmol/分、TMIを5μmol/
分、で供給して、アンドープのIn0.2Ga0.8Nからな
る単一量子井戸構造の発光層5を2nmの厚さで成長さ
せた。
【0038】発光層5を成長後、TMIの供給を止め、
TMGを流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温
させながら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)
を4nmの厚さで成長させ、基板温度が1050℃に達
したら、キャリアガスとして窒素と水素を各々15リッ
トル/分と3リットル/分で流しながら、アンモニアを
2リットル/分、TMGを40μmol/分、TMAを
3μmol/分、Cp 2Mgを0.1μmol/分、で
供給して、MgをドープさせたAl0.05Ga0.9 5Nから
なるp型クラッド層6を0.2μmの厚さで成長させ
た。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の
濃度は15%であった。このようにして成長したp型ク
ラッド層6は、Mg濃度が約1×1020/cm3、水素
濃度が約8×1019/cm3であった。
【0039】p型クラッド層6を成長後、TMAの供給
を止め、キャリアガスとして窒素と水素を各々15.2
リットル/分と0.8リットル/分で流しながら、アン
モニアを4リットル/分、TMGを80μmol/分、
Cp2Mgを0.2μmol/分、で供給して、Mgを
ドープさせたGaNからなるp型コンタクト層7を50
nmの厚さで成長させた。このとき、反応管内における
雰囲気ガス中の水素の濃度は4%であった。このように
して成長したp型コンタクト層7は、Mg濃度が約1×
1020/cm3、水素濃度が約4×1019/cm3であっ
た。
【0040】p型コンタクト層7を成長後、TMGとC
2Mgの供給を止め、窒素を16リットル/分、アン
モニアを4リットル/分、で流しながら、基板の温度を
室温程度にまで冷却させて、基板の上に窒化物半導体が
積層されたウェハーを反応管から取り出した。
【0041】尚、有機金属化合物であるTMGと、TM
Iと、TMAと、Cp2Mgはすべて水素キャリアガス
によって気化することで、反応管に供給した。
【0042】このようにして形成した窒化ガリウム系化
合物半導体からなる積層構造に対して、別途アニールを
施すことなく、その表面上に、蒸着法により、ニッケル
(Ni)と金(Au)をそれぞれ5nmの厚さで全面に
積層した後、フォトリソグラフィ法とウェットエッチン
グ法により、光透過性電極8を形成した。
【0043】この後、光透過性電極8と露出したp型コ
ンタクト層7の上にCVD法によりSiO2からなる絶
縁膜(図示せず)を0.5μmの厚さで堆積させ、フォ
トリソグラフィ法と反応性イオンエッチング法により、
光透過性電極8を覆うと同時にp型コンタクト層7の表
面の一部を露出させる絶縁膜からなるマスクを形成し
た。
【0044】次に、上記のマスクを用いて、塩素系ガス
を用いた反応性イオンエッチング法により、露出させた
p型コンタクト層7の表面側から、p型コンタクト層7
とp型クラッド層6と発光層5を約0.3μmの深さで
除去して、n型コンタクト層3の表面を露出させた。
【0045】上記の工程の後、一旦、絶縁膜をウェット
エッチング法により除去して、蒸着法およびフォトリソ
グラフィ法により、光透過性電極8の表面上の一部と、
露出させたn型コンタクト層3の表面の一部とに、0.
1μm厚のチタン(Ti)と0.5μm厚のAuを積層
して、それぞれp側電極9とn側電極10とした。その
後、プラズマCVD法とフォトリソグラフィ法により、
光透過性電極8の表面を被覆する0.2μm厚のSiO
2からなる絶縁性膜(図示せず)を形成した。
【0046】この後、サファイアの基板1の裏面を研磨
して100μm程度にまで薄くし、スクライブによりチ
ップ状に分離した。このチップを電極形成面側を上向き
にしてステムに接着した後、チップのp側電極9とn側
電極10をそれぞれステム上の電極にワイヤで結線し、
その後樹脂モールドして発光ダイオードを作製した。こ
の発光ダイオードを20mAの順方向電流で駆動したと
ころ、ピーク波長470nmの青色で発光した。このと
きの発光出力は1.8mWであり、順方向動作電圧は
3.5Vであった。
【0047】(比較例1)比較のために、上記実施例1
において、p型クラッド層6を成長する際に、キャリア
ガスとして窒素と水素を各々17.2リットル/分と
0.8リットル/分で流しながら、アンモニアを2リッ
トル/分、TMGを40μmol/分、TMAを3μm
ol/分、Cp2Mgを0.1μmol/分、で供給し
て、MgをドープさせたAl0.05Ga0.95Nからなるp
型クラッド層6を0.2μmの厚さで成長させた。この
とき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の濃度は、
p型コンタクト層7の成長時と同じく、4%であった。
このようにして成長したp型クラッド層6は、Mg濃度
が約1×1020/cm3、水素濃度が約4×1019/c
3であった。これ以外は上記実施例1と同様の手順で
発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを20
mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長470
nmで発光し、発光出力は1.1mWであり、順方向動
作電圧は3.9Vであった。
【0048】実施例1における窒化物半導体の積層構造
におけるX線回折ロッキングカーブの半値幅が約260
秒であったのに対して、比較例1の場合は半値幅が約3
30秒と大きくなっており、結晶性が低下していた。
【0049】(比較例2)さらに比較のために、上記実
施例1において、p型コンタクト層7を成長する際に、
キャリアガスとして窒素と水素を各々13リットル/分
と3リットル/分で流しながら、アンモニアを4リット
ル/分、TMGを80μmol/分、Cp 2Mgを0.
2μmol/分、で供給して、MgをドープさせたGa
Nからなるp型コンタクト層7を50nmの厚さで成長
させた。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水
素の濃度は、p型クラッド層6と同じく、15%であっ
た。このようにして成長したp型コンタクト層7は、M
g濃度が約1×1020/cm 3、水素濃度が約8×10
19/cm3であった。これ以外は上記実施例1と同様の
手順で発光ダイオードを作製した。この発光ダイオード
を20mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長
470nmで発光し、発光出力は0.9mWであり、順
方向動作電圧は4.2Vであった。
【0050】比較例2における窒化物半導体の積層構造
におけるX線回折ロッキングカーブの半値幅は約250
秒であった。
【0051】(実施例2)図3は本発明の実施例2に係
る窒化物半導体発光素子の構造を示す断面図である。
【0052】本発明の実施例2である窒化物半導体発光
素子の製造方法について図3を参照しながら説明する。
【0053】実施例2においては、上記実施例1におい
て、p型クラッド層6を、MgをドープさせたAl0.05
Ga0.95Nからなる第1のp型クラッド層61と、Mg
をドープさせたGaNからなる第2のp型クラッド層6
2と、の複層とした以外は、上記実施例1と同様の手順
で発光ダイオードを作製した。
【0054】具体的には、上記実施例1と同様の手順で
発光層5までを成長後、TMIの供給を止め、TMGを
流しながら基板温度を1050℃に向けて昇温させなが
ら、引き続きアンドープのGaN(図示せず)を4nm
の厚さで成長させ、基板温度が1050℃に達したら、
キャリアガスとして窒素と水素を各々15リットル/分
と3リットル/分で流しながら、アンモニアを2リット
ル/分、TMGを40μmol/分、TMAを3μmo
l/分、Cp2Mgを0.1μmol/分、で供給し
て、MgをドープさせたAl0.05Ga0.95Nからなる第
1のp型クラッド層61を0.1μmの厚さで成長させ
た。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の
濃度は15%であった。このようにして成長した第1の
p型クラッド層61は、Mg濃度が約1×1020/cm
3、水素濃度が約8×1019/cm3であった。
【0055】次に、TMAの供給を止め、キャリアガス
として窒素と水素を各々13リットル/分と3リットル
/分で流しながら、アンモニアを4リットル/分、TM
Gを80μmol/分、Cp2Mgを0.2μmol/
分、で供給して、MgをドープさせたGaNからなる第
2のp型クラッド層62を0.1μmの厚さで成長させ
た。このとき、反応管内における雰囲気ガス中の水素の
濃度は15%であった。このようにして成長した第2の
p型クラッド層62は、Mg濃度が約1×10 20/cm
3、水素濃度が約8×1019/cm3であった。
【0056】このようにして、第1のp型クラッド層6
1と第2のp型クラッド層62の複層からなるp型クラ
ッド層6を形成した以外は、上記実施例1と同様の手順
で発光ダイオードを作製した。この発光ダイオードを2
0mAの順方向電流で駆動したところ、ピーク波長47
0nmの青色で発光した。このときの発光出力は1.8
mWであり、順方向動作電圧は3.4Vであった。
【0057】実施例2における窒化物半導体の積層構造
におけるX線回折ロッキングカーブの半値幅は約260
秒であった。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、p側電極
に接する側に設けられた第1のp型層の成長時の水素濃
度を小さくすることで、第1のp型層のp型不純物の活
性化率を高め、第1のp型層よりp側電極から遠い側に
設けられた第2のp型層の成長時の水素濃度を第1のp
型層に比して大きくすることで、第1のp型層の下地層
となる第2のp型層の結晶性を高く保つことにより、窒
化物半導体発光素子において、発光出力を向上し、動作
電圧を低減することができるという優れた効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る窒化物半導体発光
素子の構造を示す断面図
【図2】本発明の実施例1に係る窒化物半導体発光素子
の構造を示す断面図
【図3】本発明の実施例2に係る窒化物半導体発光素子
の構造を示す断面図
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 n型コンタクト層 4 n型クラッド層 5 発光層 6、61、62 p型クラッド層 7 p型コンタクト層 8 光透過性電極 9 p側電極 10 n側電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n型層と、発光層と、p型層とが順に積層
    された積層構造と、前記p型層に接して形成されたp側
    電極と、を備えた窒化物半導体発光素子において、 前記p型層が、前記p側電極に接する側に設けられた第
    1のp型層と、前記第1のp型層よりも前記p側電極か
    ら遠い側に設けられた第2のp型層との少なくとも二つ
    のp型層からなり、前記第1のp型層内に存在するp型
    不純物元素に対する水素元素の比率が、前記第2のp型
    層内に存在するp型不純物元素に対する水素元素の比率
    より小さいことを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】前記p型層が有機金属気相成長法により形
    成され、前記第1のp型層を形成する際に反応管内に供
    給する全ガス中の水素濃度を、前記第2のp型層を形成
    する際に反応管内に供給する全ガス中の水素濃度より小
    さくすることにより形成したことを特徴とする請求項1
    に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】前記第1のp型層の厚さが5nm以上、且
    つ100nm以下であることを特徴とする請求項1叉は
    請求項2に記載の窒化物半導体発光素子。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006229219A (ja) * 2004-05-12 2006-08-31 Showa Denko Kk III族窒化物p型半導体およびその製造方法
JP2009021631A (ja) * 2001-05-07 2009-01-29 Xerox Corp 半導体素子物質
US7655491B2 (en) 2004-05-12 2010-02-02 Showa Denko K.K. P-type Group III nitride semiconductor and production method thereof
JP2010045396A (ja) * 2005-04-05 2010-02-25 Toshiba Corp 窒化ガリウム系半導体素子の製造方法

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