JP4275677B2 - 内燃機関のegr温度制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、燃焼室に直接燃料を噴射する筒内直噴式のガソリン内燃機関に適用されるEGR温度制御装置に関するものである。
従来から、内燃機関の運転時における燃料の燃焼時に発生して、排気ガス中に含まれるNOx(窒素酸化物)を低減するために、EGRシステムが採用されている。
EGRシステムは、内燃機関の排気側に排出される排気ガスの一部をEGRパイプを介して吸気側に再循環させ、新気に混入させて燃焼温度を下げることによってNOxの発生を抑制する。
ところで、排気ガスは高温であるため、EGRパイプやEGR弁に熱害を発生する場合がある。このため、冷却手段を備えたEGRを採用する。しかし、内燃機関の始動時や低負荷域では排気ガスの温度が低いため、排気ガスを過冷却して筒内に導入することになり、噴射燃料の気化状態が悪化し、燃焼状態の悪化を招く。このため、排気ガスの過冷却を防ぐための装置が提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1、特許文献2に記載の従来装置によれば、排気ガスの過冷却を抑制することで、内燃機関の始動時や低負荷域での燃焼状態の悪化を防止し、EGR制御の範囲を広げることを可能としている。
ところで、EGRガスの温度(つまり、内燃機関の吸気温度)を上げていくと、HCは低減されて燃費は向上し、燃焼安定性は良好となって最適値(ピーク値)となるが、最適値を過ぎると、温度上昇にともなって、逆にHC、燃費および燃焼安定性は悪化することが知られている。
しかし、上記従来装置では、EGRガスの温度に関する最適値を考慮しておらず、冷却手段を備えたEGRシステムにおいて、EGRガスの過冷却を抑制してEGR制御範囲を拡大するために、EGRガスの温度を上げる技術が開示されているのみである。
したがって、従来装置によれば、EGRガスの温度は、たとえば100℃程度または排気ガス自身の温度までしか上昇されず、このような温度制御では、NOxを低減することはできるものの、HC、COなどの排気ガス中の有害ガスの低減、燃費の向上および燃焼安定性の向上を期待することはできない。
特開2002−174147号公報 特開2000−186630号公報
従来の内燃機関のEGR温度制御装置では、EGRガスの温度の最適値を考慮していないので、NOxを低減することはできるものの、HC、COなどの有害ガスの低減、燃費の向上および燃焼安定性の向上を実現することができないという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、EGRガスの導入によりNOxを低減するとともに、EGR温度を適正に制御することにより、HC、COなどの排気ガス中の有害ガスを有効に低減し、燃費および燃焼安定性をさらに向上させた内燃機関のEGR温度制御装置を得ることを目的とする。
この発明による内燃機関のEGR温度制御装置は、燃焼室内に直接燃料を噴射して空気過剰状態で成層燃焼させる内燃機関と、内燃機関の吸気管に一端が接続され、かつ内燃機関の排気管に他端が接続されて、排気管内の排気ガスの一部をEGRガスとして吸気管に導入するEGRパイプと、EGRパイプに設けられ、EGRガスの導入量を調節するEGRバルブと、EGRバルブの下流側のEGRパイプに設けられ、EGRガスを加熱してEGRガスの温度を調節する加熱手段と、加熱手段の下流側のEGRパイプに設けられ、EGRガスの温度をEGR温度として検出する排気温センサと、吸気管に設けられ、新しく吸入される新気の温度を新気温度として検出する新気温センサと、吸気管に設けられ、新気の流量を新気流量として検出するエアフローセンサと、内燃機関への吸入空気の吸気温度を算出する吸気温度演算手段と、EGRガスを吸気管に導入する際に、吸気温度を制御する温度制御手段と、排気ガス中のHCまたはCOを含む有害ガス量を最も低減させ、かつ内燃機関の燃費を向上させて燃焼安定性を最も良好にする最適の吸気温度を、設定温度として決定する吸気温度設定手段と、EGRガスの流量をEGR流量として算出するEGR流量演算手段と、を備え、吸気温度演算手段は、吸気温度と新気温度との温度差ΔTと、新気流量Qairと、新気温度Tairと、EGR流量Qegrと、EGR温度Tegrとを用いた式、Tair+ΔT=(Qair×Tair+Qegr×Tegr)/(Qair+Qegr)に基づき、新気温度Tairと温度差ΔTとの和を、吸気温度として算出し、温度制御手段は、吸気温度が設定温度と一致するように加熱手段を駆動制御し、吸気温度設定手段は、HCを低減し、かつ燃費を向上させて燃焼安定性を良好にする設定温度を、内燃機関の運転領域ごとに設定するものである。

この発明によれば、筒内噴射式の内燃機関にEGRガスを導入する際に、EGRガスを加熱手段で加熱して、燃焼状態が設定温度(最適な吸気温度)となるように、EGR温度(つまり、吸気温度)を制御することにより、NOx低減に加えて、燃焼の不安定性や吸入空気量の減少を招くことなく、排気ガス中の有害ガス(HC、COなど)の低減とともに、燃費および燃焼安定性の向上を実現することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関のEGR温度制御装置を示すブロック構成図である。
図1において、コントローラ1は、マイクロコンピュータを含む電子制御ユニット(ECU)からなり、内燃機関のEGR温度制御装置の要部を構成している。
内燃機関の筒内に形成された燃焼室14には、吸入空気および噴射燃料を混合した可燃混合気を燃焼させるために、燃焼室14に吸入空気を導入する吸気管2と、燃焼室14に燃料を噴射するインジェクタ3と、燃焼室14と吸気管2との間を開閉制御する吸気弁4と、燃焼室14と排気管7との間を開閉制御する排気弁5と、燃焼室14内に突設されて可燃混合気に着火するための点火プラグ6と、燃焼室14で燃焼が完了した排気ガスを排出する排気管7とが設けられている。
燃焼室14内では、直接燃料が噴射されて、空気過剰状態で成層燃焼が行われるようになっている。
内燃機関の吸気系を構成する吸気管2には、スロットルバルブ11と、インテークマニホールド12と、エアフローセンサ18と、新気温センサ19と、スロットル開度センサ20とが設けられている。
エアフローセンサ18は、吸気管2の上流部に設けられ、新気(新しく吸入される空気)の流量を新気流量Qairとして検出する。
新気温センサ19は、エアフローセンサ18内に設置され、新気の温度を新気温度Tairとして検出する。
スロットルバルブ11は、エアフローセンサ18の下流に設置され、内燃機関への新気流量Qairを制御する。
スロットル開度センサ20は、スロットルバルブ11の開度をスロットル開度θtとして検出する。
インテークマニホールド12は、スロットルバルブ11の下流側の吸気管2に形成され、内燃機関の各気筒への吸気を集合させる。
内燃機関の排気系を構成する排気管7には、排気ガスの一部を排気管7から吸気管2に導くためのEGRパイプ8と、排気管7の下流側に設置され排気ガス中の有害成分を浄化する触媒13とが設けられている。
EGRパイプ8は、一端が吸気管2に接続され、他端が排気管7に接続されて、排気管7内の排気ガスの一部をEGRガスとして吸気管2に導入する。
EGRパイプ8には、EGRバルブ9と、第1の圧力センサ(以下、単に「圧力センサ」という)10と、加熱手段15と、排気温センサ16と、第2の圧力センサ(以下、単に「圧力センサ」という)17と、EGR開度センサ23とが設けられている。
EGRバルブ9は、EGRパイプ8の出口側に設置され、EGR流量(EGRガスの吸気管2への導入量)を調節する。
圧力センサ10は、EGRパイプ8の入口側に設置され、EGRバルブ9の上流側でのEGRガスの第1の圧力(以下、単に「圧力」という)P1を検出する。また、圧力センサ17は、排気温センサ16の下流側に設置され、EGRバルブ9の下流側でのEGRガスの第2の圧力(以下、単に「圧力」という)P2を検出する。
すなわち、圧力センサ10、17は、EGRバルブ9の前後に設けられ、EGRバルブ9の前後の圧力P1、P2を検出する。
加熱手段15は、早期の温度上昇が可能な燃料バーナ、または燃料を使用しない電気式ヒータからなり、EGRバルブ9の下流側に設置され、EGRパイプ8内のEGRガスを加熱してEGRガスの温度を調節する。
排気温センサ16は、加熱手段15の下流側に設置され、EGRガスの温度をEGR温度Tegrとして検出する。
EGR開度センサ23は、EGRバルブ9の開度をEGR開度θeとして検出する。
内燃機関のクランク軸22には、クランク角センサ21が設けられている。
クランク角センサ21は、回転センサとして機能し、クランク軸22の回転角により内燃機関の回転速度Neを検出する。
各種センサ10、16〜21、23の検出信号は、内燃機関の運転状態およびEGR状態を示す情報として、すべてコントローラ1に入力される。
コントローラ1は、たとえばスロットル開度センサ20からのスロットル開度θtと、クランク角センサ21からの回転速度Neとに基づいて、内燃機関の運転状態を判定し、インジェクタ3に対する駆動信号、点火プラグ6に対する点火信号、EGRバルブ9の設定開度θerを指示する。
また、コントローラ1は、後述するように、エアフローセンサ18からの新気流量Qairと、新気温センサ19からの新気温度Tairと、EGR流量Qegrの算出値と、排気温センサ16からのEGR温度Tegrとに基づいて吸気温度Tinを算出するとともに、吸気温度Tinと設定温度(最適な吸気温度Tbest)とに基づいて、加熱手段15によるEGRガスの加熱要否(EGR温度Tegrの制御要否)を指示する。
なお、EGR流量Qegrは、後述するように、内燃機関の回転速度Neと、負荷Lと、EGR率α(EGR開度θeに対応)とに基づくマップから算出されるが、各圧力センサ10、17からの圧力P1、P2の差圧ΔP(=P2−P1)に基づいて算出されてもよい。
次に、図2の機能ブロック図を参照しながら、コントローラ1の具体的な構成について説明する。
図2において、コントローラ1は、吸気温度演算手段31と、差圧演算手段32と、負荷演算手段33と、EGR率演算手段34と、吸気温度設定手段35と、EGR流量演算手段36と、温度制御手段37と、EGR温度制御領域選定手段38とを備えている。
吸気温度演算手段31は、排気温センサ16からのEGR温度Tegrと、エアフローセンサ18からの新気流量Qairと、新気温センサ19からの新気温度Tairと、EGR流量演算手段36で算出されるEGR流量Qegrとを用いて、内燃機関の吸気温度Tinと新気温度Tairとの温度差ΔT(=Tin−Tair)に関連させて、吸気温度Tinを、以下の式(1)のように、新気温度Tairと温度差ΔTとの和として算出する。
Figure 0004275677
ただし、式(1)において、Qair×Tairは新気熱量(新気の吸入空気の熱量)Hairに対応し、Qegr×TegrはEGR熱量(EGRガスの熱量)Hegrに対応し、Qair+Qegrは吸気熱量(内燃機関への吸入空気の熱量)Hinに対応する値である。
ここで、新気熱量HairとEGR熱量Hegrとの和は、吸気熱量Hinと等しいので、吸気温度Tin(=Tair+ΔT)は、式(1)で表される。
吸気温度設定手段35は、排気ガス中の有害ガス量(HCまたはCOを含む)を最も低減させ、かつ内燃機関の燃費を向上させて燃焼安定性を最も良好にする最適の吸気温度Tbest(後述する吸気温度Tinのピーク値)を、設定温度として決定する。
また、EGR温度Tegrの上昇によって、HCが低減し、燃費が向上し、かつ燃焼安定性が良好となる最適な吸気温度Tbest(設定温度)を、内燃機関の運転領域ごとに設定する。
温度制御手段37は、EGRガスを吸気管2に導入する際に、加熱手段15を駆動制御して、EGR温度Tegrを調節することにより、吸気温度Tinが最適な吸気温度Tbest(設定温度)と一致するように制御する。
差圧演算手段32は、EGRバルブ9の前後の圧力センサ10、17からの圧力P1、P2の差圧ΔP(=P1−P2)を算出する。
負荷演算手段33は、スロットル開度センサ20からのスロットル開度θt、またはエアフローセンサ18からの新気流量Qairに基づいて、スロットル開度θt(または、新気流量Qair)に対応した内燃機関の負荷Lを算出する。
EGR率演算手段34は、EGR開度センサ23からのEGR開度θeに基づいて、EGR開度θeに対応したEGR率αを算出する。
EGR流量演算手段36は、回転速度Neと、負荷Lと、EGR率αとに基づくマップ演算により、EGRガスの流量をEGR流量Qegrとして算出する。
または、EGR流量演算手段36は、EGRバルブ9の前後の圧力P1、P2の差圧ΔPに基づいてEGR流量Qegrとして算出する。
EGR温度制御領域選定手段38は、内燃機関の運転状態がEGR温度Tegrの制御を実行すべき領域であるか否かを判定して、EGR温度Tegrの制御領域を選定し、回転速度Neおよび負荷Lが所定値よりも高い運転領域(高負荷領域)では、温度制御手段37によるEGR温度Tegrの制御を禁止する。
なぜなら、EGRガスが導入される運転領域のうち、特に回転速度Neおよび負荷Lが高い運転領域内では、EGR温度Tegrが既に高く、EGRガスを加熱すると吸気温度Tinが過剰に上昇してしまい、逆に燃焼の不安定性や吸入空気量の減少を招く可能性があるので、EGR温度Tegrの制御を禁止する方がよいからである。
図3はEGR温度Tegrの制御時における吸気温度Tinと内燃機関の燃焼状態(燃焼安定性、燃費、HC排出量、NOx排出量)との関係を示す説明図である。
図3において、横軸は内燃機関の筒内に導入される吸気の吸気温度Tinを示し、縦軸は燃費、燃焼安定性、NOx排出量、HC排出量を示している。
図3から明らかなように、最適な吸気温度Tbestにおいては、燃費(実線参照)および燃焼安定性(1点鎖線参照)がピーク値となり、HC(破線参照)の排出量が最小値となり、NOx(2点鎖線参照)の排出量が比較的低い値に抑制される。
また、運転領域ごとに対応して、図3のように、吸気温度Tinを設定温度(最適な吸気温度Tbest)と一致するように制御すれば、NOx低減のみならず、HCやCOなどの有害ガスの排出量を低減するとともに、燃費の向上、燃焼安定性の向上を実現することができる。
なお、最適な吸気温度Tbestに対応するEGR温度Tegrは、たとえば300℃〜400℃程度である。
次に、図1〜図3を参照しながら、この発明の実施の形態1によるEGR温度Tegrの制御動作について説明する。
コントローラ1内において、各種センサからの運転状態情報に基づいて、EGRガスの加熱要求を示す指令が生成されると、温度制御手段37は、加熱手段15に対して駆動信号を出力する。
これにより、加熱手段15は、EGRパイプ8内のEGRガスを加熱して、吸気温度Tinを上昇させ、内燃機関の吸気温度Tinを最適な吸気温度Tbestに制御する。
この結果、内燃機関の筒内への噴射燃料の蒸発が促進されて、燃焼状態が良好となるので、図3のように、燃焼安定性は良好となり、燃費は向上し、HCは低減される。このとき、燃焼室14内での燃焼温度が上昇するので、NOxはわずかに増加する。
なお、このとき吸気温度Tinを昇温させ過ぎると、体積効率の低下によって燃焼状態が逆に悪化するので、このような不具合を生じさせないために最適の吸気温度Tbestが存在する。したがって、最適の吸気温度Tbestを吸気温度Tinの目標値(設定温度)として、EGR温度Tegrを制御することになる。
また、前述のように、吸気温度演算手段31は、新気流量Qair、新気温度Tair、EGR流量QegrおよびEGR温度Tegrから、温度差ΔT(=Tin−Tair)を求め、新気熱量HairとEGR熱量Hegrとの和が吸気熱量Hinと等しいことから、吸気温度Tin(=Tair+ΔT)を、前述の式(1)から求める。
図4は上記式(1)に必要なEGR流量Qegrを算出するためのマップデータを示す説明図である。
図4に示す回転速度Ne、負荷LおよびEGR率αのマップデータは、事前に内燃機関の台上試験などにより作成されて、EGR流量演算手段36内に格納されている。
図4においては、一例として、EGR開度θe(EGR率α)の大、中、小に対応させて、実線、破線、点線のマップデータ領域を示している。
EGR流量演算手段36は、図4のマップデータを用いて、クランク角センサ21からの回転速度Neと、負荷L(スロットル開度θtまたは新気流量Qairに対応)と、EGR率α(EGR開度θeに対応)とに基づき、EGR流量Qegrを求める。
図5は内燃機関の運転状態とEGR温度Tegrの制御領域との関係を示す説明図である。
図5の領域データは、事前にEGR温度制御領域選定手段38内に格納されている。
図5において、横軸は内燃機関の回転速度Ne、縦軸は内燃機関の負荷Lであり、実線41は、回転速度Neと負荷Lの関係で設定される高負荷の運転限界を示している。
運転限界41の近傍の運転状態においては、スロットルバルブ11がほぼ全開状態であり、燃焼室14にはすべて可燃混合気が充填されている。
運転限界41の運転状態でEGRガスを吸気管2に導入すると、可燃混合気が減少して内燃機関の出力が低下し、運転を維持することができなくなるので、運転限界41の近傍領域は「EGR非導入領域」と定められる。
EGRガスの導入が可能な領域は、1点鎖線42で限定される中負荷以下の領域に限定される。
ただし、EGRの導入が可能な領域内であっても、回転速度Neおよび負荷Lが比較的高い運転領域43は、EGR温度Tegrが既に高いので、EGRガスを加熱すると吸気温度Tinが過剰に上昇して、燃焼の不安定性や吸入空気量の減少が生じる可能性があるので、「EGR温度非制御領域」と定められる。
したがって、EGR温度Tegrの制御が可能なTegr制御領域(EGR温度制御領域)44は、低中負荷以下の領域のみに限定される。
EGR制御領域44内において、運転領域ごとの吸気温度Tinの設定温度(最適の吸気温度Tbest)は、高負荷域では排気ガスの温度が高いことから高い温度となり、低負荷域では排気ガスの温度が低いことから低い温度となる。
次に、図1〜図5とともに、図6のフローチャートを参照しながら、この発明の実施の形態1に係るコントローラ1によるEGR温度Tegrの制御動作について具体的に説明する。
図6のEGR温度Tegrの制御処理は、EGRガスの吸気管2への導入状態におけるサブルーチンであり、メインプログラム(図示せず)においてEGRガスの導入が可能な運転状態(図5内の中負荷42以下の領域)であると判定された後に、所定時間ごとに繰り返し実行される。
図6において、まず、EGR温度制御領域選定手段38は、クランク角センサ21からの回転速度Neと、スロットル開度センサ20からのスロットル開度θtとを検出し(ステップS101)、回転速度Neおよびスロットル開度θtから、EGR温度制御領域を示す図5のマップデータ(回転速度Neとスロットル開度θtに対応した負荷Lとのマップデータ)に基づき、現在の運転状態がEGR温度Tegrの制御を実行するTegr運転領域44であるか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102において、EGR温度Tegrの制御領域でない(すなわち、NO)と判定されれば、図6の処理ルーチンを直ちに終了する。
一方、ステップS102において、EGR温度Tegrの制御領域44である(すなわち、YES)と判定されれば、吸気温度演算手段31は、新気流量Qair、新気温度Tair、EGR温度Tegr、図4に基づくEGR流量Qegrを検出し(ステップS103)、前述の式(1)に基づき吸気温度Tinを算出する(ステップS104)。
続いて、吸気温度設定手段35は、回転速度Neと負荷L(スロットル開度θtまたは新気流量Qairに対応)とのマップに基づき、現在の運転状態に対して最適な吸気温度Tbestを設定温度として抽出する(ステップS105)。
次に、温度制御手段37は、ステップS104で算出した吸気温度Tinと、ステップS105で設定した最適な吸気温度Tbestとを比較し、Tin<Tbestであるか否かを判定する(ステップS106)。
ステップS106において、Tin≧Tbest(すなわち、NO)と判定されれば、温度制御手段37は、加熱手段15を駆動せずに、図6の処理ルーチンを終了する。
一方、ステップS106において、Tin<Tbest(すなわち、YES)と判定されれば、温度制御手段37は、EGRガスを加熱するための駆動指令を出力し、加熱手段15のスイッチをONにして(ステップS107)、図6の処理ルーチンを終了する。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、筒内直噴式の内燃機関において、コントローラ1に関連したEGRパイプ8、EGRバルブ9、加熱手段15、排気温センサ16、エアフローセンサ18および新気温センサ19を備え、内燃機関に導入するEGRガスを加熱するように構成されている。
また、コントローラ1は、吸気温度Tinを算出する吸気温度演算手段31と、吸気温度Tinの最適値Tbest(ピーク値)を設定温度として決定する吸気温度設定手段35と、内燃機関の吸気温度Tinを制御する温度制御手段37とを備え、EGRガスの導入時に、必要に応じてEGRガスを加熱手段15で加熱し、EGR温度Tegrを上昇させて吸気温度Tinを最適な吸気温度Tbest(燃焼状態が最適となる設定温度)に制御する。
これにより、内燃機関での燃焼不安定性や吸気量の減少を招くことなく、NOxの排出量低減に加えて、HC、COなどの有害ガスの排出量低減とともに、燃費の向上および燃焼安定性の向上を実現することができる。
なお、上記実施の形態1では、EGR流量演算手段36において、回転速度Neと負荷LとEGR率αのマップ(図4参照)からEGR流量Qegrを算出したが、図2に示したように差圧演算手段32を設け、EGRバルブ9の前後の圧力P1、P2の差圧ΔPからEGR流量Qegrを求めてもよい。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関のEGR温度制御装置を示すブロック構成図である。 図1内のコントローラの具体的構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1によるEGR温度制御中の吸気温度と燃焼状態との関係を示す説明図である。 図2内のEGR流量演算手段で用いられる回転速度、負荷およびEGR率のマップを示す説明図である。 図2内のEGR温度制御領域選定手段で用いられるEGR温度制御領域のマップおよび設定温度の特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1による制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 コントローラ、2 吸気管、7 排気管、8 EGRパイプ、9 EGRバルブ、10 第1の圧力センサ、14 燃焼室、15 加熱手段、16 排気温センサ、17 第2の圧力センサ、18 エアフローセンサ、19 新気温センサ、20 スロットル開度センサ、21 クランク角センサ(回転センサ)、23 EGR開度センサ、31 吸気温度演算手段、32 差圧演算手段、33 負荷演算手段、34 EGR率演算手段、35 吸気温度設定手段、36 EGR流量演算手段、37 温度制御手段、38 EGR温度制御領域選定手段、44 Tegr制御領域(EGR温度制御領域)、Ne 回転速度、L 負荷、P1 第1の圧力、P1 第2の圧力、Qair 新気流量、Qegr EGR流量、Tair 新気温度、Tegr EGR温度、Tin 吸気温度、Tbest 最適の吸気温度(設定温度)、α EGR率、θe EGR開度、θt スロットル開度、ΔP 差圧、ΔT 温度差。

Claims (6)

  1. 燃焼室内に直接燃料を噴射して空気過剰状態で成層燃焼させる内燃機関と、
    前記内燃機関の吸気管に一端が接続され、かつ前記内燃機関の排気管に他端が接続されて、前記排気管内の排気ガスの一部をEGRガスとして前記吸気管に導入するEGRパイプと、
    前記EGRパイプに設けられ、前記EGRガスの導入量を調節するEGRバルブと、
    前記EGRバルブの下流側の前記EGRパイプに設けられ、前記EGRガスを加熱して前記EGRガスの温度を調節する加熱手段と、
    前記加熱手段の下流側の前記EGRパイプに設けられ、前記EGRガスの温度をEGR温度として検出する排気温センサと、
    前記吸気管に設けられ、新しく吸入される新気の温度を新気温度として検出する新気温センサと、
    前記吸気管に設けられ、前記新気の流量を新気流量として検出するエアフローセンサと、
    前記内燃機関への吸入空気の吸気温度を算出する吸気温度演算手段と、
    前記EGRガスを前記吸気管に導入する際に、前記吸気温度を制御する温度制御手段と、
    前記排気ガス中のHCまたはCOを含む有害ガス量を最も低減させ、かつ前記内燃機関の燃費を向上させて燃焼安定性を最も良好にする最適の吸気温度を、設定温度として決定する吸気温度設定手段と、
    前記EGRガスの流量をEGR流量として算出するEGR流量演算手段と、を備え、
    前記吸気温度演算手段は、前記吸気温度と前記新気温度との温度差ΔTと、前記新気流量Qairと、前記新気温度Tairと、前記EGR流量Qegrと、前記EGR温度Tegrとを用いた以下の式、
    Figure 0004275677

    に基づき、前記新気温度Tairと前記温度差ΔTとの和を、前記吸気温度として算出し、
    前記温度制御手段は、前記吸気温度が前記設定温度と一致するように前記加熱手段を駆動制御し、
    前記吸気温度設定手段は、前記HCを低減し、かつ前記燃費を向上させて前記燃焼安定性を良好にする前記設定温度を、前記内燃機関の運転領域ごとに設定することを特徴とする内燃機関のEGR温度制御装置。
  2. 前記内燃機関の回転速度を検出する回転センサと、
    前記内燃機関の負荷を算出する負荷演算手段と、
    前記EGRバルブのEGR開度に対応したEGR率を算出するEGR率演算手段と、をさらに備え、
    前記EGR流量演算手段は、前記回転速度と、前記負荷と、前記EGR率とに基づくマップから前記EGR流量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のEGR温度制御装置。
  3. 前記EGRバルブの前後の前記EGRパイプに設けられ、前記EGRバルブの前後の圧力を第1および第2の圧力として検出する第1および第2の圧力センサと、
    前記第1の圧力と前記第2の圧力との差圧を算出する差圧演算手段と、をさらに備え、
    前記EGR流量演算手段は、前記差圧に基づいて前記EGR流量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のEGR温度制御装置。
  4. 前記EGR温度の制御領域を選定するEGR温度制御領域選定手段をさらに備え、
    前記EGR温度制御領域選定手段は、前記内燃機関の回転速度および負荷が所定値よりも高い運転領域では、前記EGR温度の制御を禁止することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関のEGR温度制御装置。
  5. 前記加熱手段は、燃料バーナを含むことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内燃機関のEGR温度制御装置。
  6. 前記加熱手段は、電気式ヒータを含むことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関のEGR温度制御装置。
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