JP4275437B2 - 構造物の浮力抑制構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物及び地中構造物等の構造物直下の地下水圧を減圧することにより構造物に働く浮力を抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下部分を有するビル等の建物や、地下鉄や地下街等に代表される地下構造物を含めた建物等の構造物直下の地下水位が高い場合には、図4に示すように、水圧に基づく大きな浮力が構造物に作用する。地中部分1aを有する建物1を地下水位2が高い地盤に建設しようとすると、基礎底部3に水圧が作用することから、建物1が浮き上がろうとする力、いわゆる浮力が発生する。この浮力が建物1の自重より大きな力になる場合には、建物1が不安定な状態になるため何らかの対策が必要となる。
【0003】
従来の浮力対策には、▲1▼重りのためのコンクリートを増し打ちする方法、▲2▼地盤アンカーによって抵抗する方法、▲3▼杭の周面の摩擦抵抗によって抵抗する方法等がある。
【0004】
図5(A)にはコンクリートの増し打ちによりコンクリート重り4を設ける構成を、(B)には地盤アンカー5により建物1の浮きを抑える構成を、(C)には杭6を用いて浮力に抵抗する構成をそれぞれ示した。
【0005】
これらの浮力対策は、いずれも、建物等の構造物を浮き上がらせようとする浮力に抵抗する要素、例えば重り、地盤アンカー、杭等を設置する構成である。
【0006】
かかる従来の浮力対策においては、以下のような問題点がある。すなわち、▲1▼重りのためのコンクリートを増し打ちする方法においては、掘削土が増え、多くのコンクリートが必要となる。そのため、地下掘削工事とコンクリート工事のために工期が延びる。併せて、掘削残土が増えることとコンクリートを多く使用することから、環境負荷が増加するという問題もある。さらに、建物等の地中部分が大きく地下水位が浅い場合には、重りのためのコンクリートが多量に必要となり、上記の問題点が増大する。
【0007】
また、▲2▼地盤アンカーによって抵抗する方法では、▲1▼の方法より掘削土は少ないが、建設コストが高い。構造物の地中部分が大きく、且つ、地下水位が浅い場合には、多数の地盤アンカーが必要となり、さらに建設コストが高くなり、上記問題点が増大する。
【0008】
一方、▲3▼杭の周面の摩擦抵抗によって抵抗する方法では、杭の支持層である硬い層の摩擦抵抗を期待するため、硬い層に杭を造成する必要がある。したがって、通常の杭工事よりも長い工期が必要であり、建設コストが増大する。また、杭の造成による掘削機が増えることから、環境負荷が増大する問題もある。建物等の地中部分が大きくかつ地下水位が浅い場合には、多数の杭あるいは長い杭を造成する必要があり、上記の問題点が増大する。
【0009】
このように▲1▼〜▲3▼に挙げた従来技術においては、大きな浮力が作用する場合には、浮力に対する抵抗要素(重りのためのコンクリート、地盤アンカー、杭)を増やす必要があり、建設コストが増大する等の共通の問題点がある。かかる技術は、構造物に対する浮力自体を抑制するものではなく、浮力に抗する技術と言える。
【0010】
かかる浮力に抗する技術に対して、浮力自体を抑制しようとする技術が提案されている。例えば、地下水の水圧を減圧することで浮力対策を行うものであり、建物等の基礎底が不透水性土層間に挟まれた帯水層に設置される場合に適用できる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0011】
かかる技術は、建物等に大きな浮力が作用する場合においても、上記抵抗要素を用いないため、前記問題点となる建設コストの削減と、掘削土量やコンクリートの削減による環境負荷の低減を図ることができる。
【0012】
【特許文献1】
特開平09−328770(図1参照)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
かかる特許文献1に開示の技術は、建物等に大きな浮力が作用する場合においても、上記抵抗要素を用いないため、建設コストの削減と、掘削土量やコンクリートの削減による環境負荷の低減とを図ることができる有効な技術である。
【0014】
しかし、特許文献1の方法では、建物等の基礎底が不透水性土層間に挟まれた帯水層に設置される場合に限定されている。また、かかる技術では、上層の不透水性土層の上方にシールドトンネルを設けて、シールドトンネルの内部からの帯水層の水量を低減して浮力の低減を図るもので、シールドトンネルの構成が必須の要件となっている。
【0015】
従って、かかる技術では、基礎底よりも上にシールドトンネルを造成するか、あるいは公共的に設けたシールドトンネルの利用を許可してもらう必要が生じ、一般的な建物においては適用できない場合が多い。
【0016】
本発明の目的は、建物等の構造物に作用する浮力の抑制技術で、基礎底が不透水性土層間に挟まれていなくても適用でき、かつシールドトンネルを不要とする技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、地下水により構造物の地中部分に働く浮力を抑制する構造物の浮力抑制方法であって、前記地中部分を、下端を不透水性土層あるいは難透水性土層に通した止水壁で囲み、前記止水壁で囲まれた地中部分下の地下水を抜いて水圧を低減することを特徴とする。かかる構造物の浮力抑制方法において、前記止水壁は、前記構造物の地下外壁が兼用されていることを特徴とする。
【0018】
本発明は、地下水により構造物の地中部分に働く浮力を抑制する構造物の浮力抑制構造であって、前記地中部分を囲み、下端を不透水性土層あるいは難透水性土層に通した止水壁と、前記地中部分に設けた地下水集水空間と、前記地下水集水空間に地下水を集める集水手段と、前記地下水集水空間から地下水を排出する排水手段とを有することを特徴とする。
【0019】
上記構造物の浮力抑制構造において、前記集水手段は、前記構造物の地中部分が設けられた地盤と、前記地下水集水空間との間に介在させられ、前記地下水を通す通水空間を有する透水層と、前記透水層に埋設され、管壁に透水孔を有し、前記地下水集水空間に通じる集水管とを有することを特徴とする。
【0020】
上記いずれかの構成を有する構造物の浮力抑制構造において、前記排水手段は、前記地下水集水空間に設けた水位探知機と、前記水位探知機で検知された設定水位で排水を行う排水ポンプとを有することを特徴とする。
【0021】
上記いずれかの構成を有する構造物の浮力抑制構造において、前記止水壁は、前記構造物の地下外壁が兼用されていることを特徴とする。
【0022】
尚、上記構成で述べる構造物は、例えば地中部分を有するビル等の建物、例えば地下鉄や地下街等の地中構造物等の構造物がその適用対象となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
図1(A)は本発明の基本構成をビル等の建物に適用した場合を模式的に示す断面図であり、(B)は本発明の基本構成を地下鉄等に代表される地下構造物に適用した場合を模式的に示す断面図である。
【0025】
図1(A)に示す構成では、構造物10は地中部分11を有する建物10a(10)に形成され、その基礎底盤12側が所定深度で地中内に設けられている。建物10aの地中部分11は、その周囲が止水壁13で囲まれている。
【0026】
かかる止水壁13は、その下端13a側が、不透水性土層14内に根入れさせられている。このようにして建物10aの基礎底盤12直下の地盤15aは、止水壁13により、止水壁13の外の地盤15bと隔てられ、基本的には地盤15a、15b間での地下水の行き来は極めて発生しにくい状態となっている。
【0027】
尚、図1(A)では、止水壁13を不透水性土層14内に根入れさせた場合を示しているが、本発明の構成は、不透水性土層14以外にも、難透水性土層に適用しても構わない。
【0028】
このように地中部分11の基礎底盤12直下の地盤15aを周囲の地盤15bから隔離した状態で、地盤15a内の地下水を排水する等して抜くことにより、地下水の水圧を減圧し、地盤15aの地下水位16aを周囲の地盤15bの地下水位16bより下げ、結果として構造物10に作用する地下水の浮力を低減することができる。
【0029】
地盤15a内の地下水を排水し浮力を低減する上記構成においては、次のようにして地下水の排水を行えばよい。地中部分11を有する建物10aを施工する場合には、先ず止水壁13を構築し、その後止水壁13内の地盤を掘削して建物10aの地中部分11を施工するが、この止水壁13内の地盤掘削時に水中ポンプ等で排水を行えばよい。
【0030】
上記説明の図1(A)に示す構成の適用例としては、例えば、地中部分11として地下駐車場、店舗等の地下フロアーを併設するビル等の建物10aを挙げることができる。
【0031】
図1(B)に示す場合には、構造物10として、地下鉄等の地中構造物10b(10)に本発明を適用した場合を示す。地中構造物10bは、図1(B)に示すように、完全に地盤15b内に埋設された状態になっている。止水壁13をその下端13aが不透水性土層14内に根入れするようにして、地中構造物10bの周囲に設けられている。
【0032】
地中構造物10bの基礎底盤12直下の地盤15a内の地下水を排水することにより、止水壁13内に囲まれた地盤15aの地下水位16aを、止水壁13より外の地盤15bの地下水位16bより低くして、結果として地中構造物10bとしての構造物10に作用する地下水の浮力を低減することができる。
【0033】
かかる構成においても、例えば、地盤15a中の地下水の排水は開削工法で地下構造物を構築する場合には、土留支保工を施工する際に、土留支保工をそのまま残し止水壁13とするようにして、止水壁13として使用する土留支保工内の地盤15aの掘削時に併せて地下水の排水を行えばよい。
【0034】
(実施の形態2)
前記実施の形態では、構造物10としての建物10aの地中部分11、あるいは地中構造物10bの周囲を、別体に設けた止水壁13で囲う構成について示したが、本実施の形態では、構造物10の地下外壁をそのまま止水壁として兼用させる構成について説明する。
【0035】
図2(A)に示すように、建物10aで例示する構造物10の地中部分11の周囲に止水壁13を設けておけば、原理的には構造物10にはその安定度に影響を与える程の浮力は作用しない筈である。
【0036】
しかし、止水壁13は、構造物10とは別体に施工されているため、長い間には、図2(A)に示すように、止水壁13と地中部分11との間に隙間等が発生し、雨水等が地盤15a内に浸入して構造物10の安定度に影響を与える場合も想定される。かかる雨水浸入の状況を、図中Aで説明した。
【0037】
あるいは、止水壁13は、上下に継足して形成された場合も当然に考えられ、かかる構成の場合には、止水壁壁間鉛直継手部などから、止水壁13の周囲の地盤15bから、地盤15a内に地下水が浸入することも当然に考えられる。かかる場合を、図中Bで説明した。
【0038】
かかる図中A、Bに説明する問題は、止水壁13が構造物10とは別体に形成されることから生ずる問題である。すなわち、別体に形成することにより、その間に水が浸入する隙間が発生し易いことが原因である。そこで、建物10a等の構造物10の地下外壁を、止水壁として兼用するようにすればよいと本発明者は考えた。
【0039】
すなわち、図2(B)に示すように、地下外壁17の下端を地中部分11より深い不透水性土層14内まで一体に通して、根入れをしておけばよい。かかる構成では、上下壁壁間鉛直継手部等の継ぎ目や、地中部分11を構成する構造物10側の壁と止水壁13との壁間空隙も発生する心配なく、図中A、Bで説明したような地盤15a内の地下水位16aを上昇させることがない。
【0040】
また、かかる地下外壁17を止水壁として兼用する構成を採用すれば、地下外壁17とは別に止水壁13を別体に施工する場合に比べて施工の手間がかからず、格段に施工コストの低減が図れる。
【0041】
地下外壁17を止水壁として兼用させる構成は、勿論、図1(B)で示した地中構造物10bにも同様に適用できる構成であり、地中構造物10bの地下外壁を不透水性土層14に根入れするまで一体に延長施工すればよい。かかる場合にも、建物10aで説明したと同様の効果が得られる。
【0042】
本実施の形態で説明した構成は、止水壁と地下外壁とを兼用させる構成であるため、浮力抑制に必須の止水壁を確実に且つ効率的に施工することが可能な構成ということができる。
【0043】
(実施の形態3)
前記実施の形態1では、構造物10に作用する浮力を抑制するために、直下の地盤15aからの地下水の排水を建物10aの地中部分11の施工時に、あるいは、地下構造物10bの施工時に、土壌掘削と併せて行う場合を示したが、構造物10施工後に必要に応じて、浮力抑制を行う必要がある場合も十分に想定される。
【0044】
例えば、図2(A)のCで説明するように、止水壁13の不透水性土層14内に根入れしてある下端13aを地下水が回り込む等して地盤15a内の地下水位16aが上昇し、構造物10の安定度を脅かす浮力が作用する場合も十分に想定される。特に、根入れ部分が難透水性土層の場合には、不透水性土層14に比べて、より地下水の回り込みが発生する可能性は大きい。
【0045】
また、地震等により不透水性土層14内に亀裂が入り、帯水層から地下水が侵入するようになる場合も、十分に想定される。かかる場合にも、構造物10に対する浮力対策は求められる。
【0046】
かかる場合には、構造物10の施工後の地盤15a内の浮力を抑制する技術が必要となる。図3(A)に示す構成では、建物10aである構造物10は、その地下外壁17を不透水性土層14内まで一体に延長施工して、止水壁兼用の構成となっている。
【0047】
さらに、地中部分11の基礎底盤直下には、地下水集水空間20が設けられている。地下水集水空間20としては、周囲を壁に囲まれた地下ピット20aに構成されている。
【0048】
ピット20aは、底面側に凹部21が設けられ、コンクリート底部22を介して人工的に設けた透水層23に接している。透水層23は、ピット20aの底部に沿って砂利等を敷き詰めることにより、所定層厚で設けられている。すなわち、地中部分11を設けた地盤15aと、ピット20aとの間に介在させるように設けることとなる。
【0049】
さらに、かかる構成の透水層23内には、集水管24が埋設配管されている。集水管24は、管壁に多数の地下水が管内に侵入することができるように透水孔が設けられている。さらに、管端は、図3(A)に示すように、凹部21内に開口されている。
【0050】
集水手段として、上記透水層23と集水管24を利用する構成を示したが、より集水力を高めるために、毛細管現象により地下水を積極的に吸水できるように微細な中空糸膜やグラスフィルター等を砂利の間に介在させるようにしてもよい。
【0051】
かかる構成のピット20a内には、水位探知機31と、かかる水位探知機31からの信号により作動する排水ポンプ32とが、地下水集水空間20としてのピット20a内に集水された地下水の排水手段として設けられている。
【0052】
かかる構成の浮力抑制構造では、次のようにして地盤15a内の浮力の低減を行う。止水壁兼用の地下外壁17に囲まれた地盤15a内に、周囲の地盤15bから、地下外壁17の不透水性土層14内の下端17aから回り込んで地下水が浸透してくる場合を想定する。
【0053】
浸透した地下水は、浸透量が増えるにしたがって地下水位が上昇し、透水層23に至る。透水層23は、砂利等を敷き詰めて構成されているため、砂利と砂利との間に地下水を通す通水空間として機能する小空隙が形成されており、かかる小空隙を通して地下水が透水層23内に侵入してくる。
【0054】
一方、透水層23内には、管壁に多数の透水孔を有した集水管24が埋設されているため、透水層23内に入った地下水は集水管24内に入る。集水管24内に入った地下水は、ピット20a内に設けた凹部21内に開く管端から、凹部21内に入る。
【0055】
このようにして、地下水が地盤15a内からピット20a内に入り、所定水位になるまで地下水が溜まると、図3(B)に示すように、水位探知機31が予め設定した水位に地下水が達したことを探知し、水位探知機31からの信号等により水中ポンプ32が作動してピット20a内に溜まった地下水を排水する。
【0056】
建物10aの安定度に影響を与える地盤15a内の地下水の上昇を、地下水をピット20a内に所定量溜めた状態で、水中ポンプ32を必要に応じて作動させることにより排水することで、地盤15a内の浮力を建物10aの安定度を脅かす程にならないように抑制することができる。
【0057】
本説明では、図3(A)、(B)に示すように、構造物10として地中部分11を有する建物10aの例を挙げて説明したが、勿論、地下鉄等の地中構造物10bに適用できることは言うまでもない。
【0058】
本実施の形態で説明した構成は、構造物10の施工後に必要に応じて浮力抑制が行える技術であるため、長期的にも信頼性があり確実な浮力対策と言える。
【0059】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で必要に応じて変更してもよい。
【0060】
例えば、前記説明では、水中ポンプを水位探知機からの信号で定期的に作動させる方式を示したが、ピット内への入水が継続的にある程度の量で発生する場合等には、水中ポンプを連続作動させる構成でも勿論構わない。
【0061】
また、前記実施の形態の説明では、砂利等で構成した透水層内に集水管を埋設して、集水管をピット内に通じさせることにより地下水を集水管を介して集める構成を示したが、ピット内の一部を開口して、その開口部を土壌を通過させない程度の目の細かさを有した網等のフィルタを介して透水層に接触させ、透水層内に侵入した地下水を集水管を介さずにピット内に溜めるようにしても構わない。
【0062】
また、止水壁は、地中連続壁工法によって造成しても構わない。地中連続壁工法は、平面視した場合にほぼ長方形の鉄筋コンクリート製のエレメントを地中に造成し、エレメント同士を接続しながら連続した地中壁を構築する工法であり、本工法を用いれば、確実な止水壁を効率的に造成することが可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、大きな浮力を受ける建物あるいは地中構造物等の構造物に対する浮力を、重りのためのコンクリート、あるいは地盤アンカー、あるいは杭を用いずに、且つ、地下水を抜くためのシールドトンネルを必要とすることなく、抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明を建物に適用した場合を模式的に示す断面図であり、(B)は本発明を地中構造物に適用した場合を模式的に示す断面図である。
【図2】(A)止水壁を地下外壁と別体に設けた場合の雨水等の浸入を示す説明図であり、(B)は地下外壁を止水壁と兼用させた構成を示す断面図である。
【図3】(A)は地下水集水用のピットを設けた浮力抑制構造を示す断面図であり、(B)は(A)の機能状況を示す断面説明図である。
【図4】地下水の水圧による建物に与える浮力の作用状況を示す説明図である。
【図5】構造物に対しての浮力対策としての従来法のうち、(A)は重りのためのコンクリートを増し打ちする方法、(B)は地盤アンカーによる方法、(C)は杭による方法をそれぞれ模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 建物
1a 地中部分
2 地下水位
3 基礎底部
4 コンクリートの重り
5 地盤アンカー
6 杭
10 構造物
10a 建物
11 地中部分
12 基礎底盤
13 止水壁
14 不透水性土層
15a 地盤
15b 地盤
16a 地下水位
16b 地下水位
17 地下外壁
20 地下水集水空間
20a ピット
21 凹部
22 コンクリート底部
23 透水層
24 集水管
31 水位探知機
32 水中ポンプ

Claims (2)

  1. 地下水により構造物の地中部分に働く浮力を抑制する構造物の浮力抑制構造であって、
    前記構造物は地上部分と地中部分とを有し、
    前記地中部分を囲み、下端を不透水性土層あるいは難透水性土層に通した止水壁に兼用される同一の壁厚で一体に延長される前記構造物の地下外壁と、
    前記地下外壁に囲まれた前記地中部分に設けられ、且つ前記構造物の基礎底盤の下に設けられ直上に前記地中部分を有する前記地下水を溜められる凹部を有した地下水集水空間としての地下ピットと、
    前記地下ピットの底面は、前記地下ピットと地盤との間に介在させられた人工的な透水層に接し、前記人工的な透水層内には管壁に透水孔を有する集水管が管端を前記凹部内に開口させて埋設配管され、前記透水層と前記集水管とを利用して前記地下ピット内に集水する集水手段と、
    前記地下水集水空間としての地下ピット内に溜められた地下水を排出する排水手段とを有することを特徴とする構造物の浮力抑制構造。
  2. 請求項1記載の構造物の浮力抑制構造において、
    前記排水手段は、前記地下水集水空間に設けた水位探知機と、前記水位探知機で検知された設定水位で排水を行う排水ポンプとを有することを特徴とする構造物の浮力抑制構造。
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CN101806669A (zh) * 2010-04-14 2010-08-18 同济大学 高精度地下结构静水浮力模型试验系统
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