JP2524536B2 - 地中構造物の基礎構造 - Google Patents

地中構造物の基礎構造

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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、砂層中に全体が埋設された状態で設けら
れるカルバート、共同溝、埋設管、およびその他の地中
構造物の基礎構造に関するものである。
「従来の技術」 近年、埋立地盤の開発や、ウォーターフロント(水
際)領域の開発が活発になるに連れて、地震時等におけ
る砂地盤の液状化が問題となり、これに伴う地盤液状化
対策として、例えばサンドコンパクションパイル工法
および振動締固め工法等の地盤締固め工法、グラベル
ドレーン工法およびパイプドレーン工法等のバーチカル
ドレーン工法、深層混合処理工法、などのように地盤
液状化自体を防止する工法が実施されていた。
ところが、の地盤締固め工法を行なった場合には、
騒音、振動があるため、現在では市街地での工事が困難
になってきているという問題点があり、また、のバー
チカルドレーン工法およびの深層混合処理工法では、
コストが比較的高くつく上、地盤の液状化防止効果自体
にも疑問があった。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、砂質地盤の比重は1.9程度であるため、砂
質地盤に構築されている構造物の場合、その構造物の地
中埋設部の見掛けの比重、すなわち構造物全体の重量を
その構造物の地中埋設部の体積で割った割合が1.9以下
であれば、地震時に周辺地盤が液状化した場合にその構
造物が浮き上がる恐れがある。そして、構造物の比重が
1.0よりも大きければ、その砂質地盤中の地下水位が地
表面近くにまで至っていたとしても静水圧による浮き上
がりが起こることはない。
そして、通常の構造物においては、見掛けの比重が1.
9以下となるのは、地盤中に構造物全体が埋設された地
中構造物の場合が多い。したがって、特に砂質地盤のよ
うに軟弱な地盤に地中構造物を構築するにあたっては、
その基礎を大深度の岩盤に支持して自重による沈下を防
止することよりも、地震時等における地盤液状化による
浮き上がり防止を考慮した基礎構造とすることがコスト
面からも望ましい。
例えば、見掛けの比重が1.9以下となる地中構造物と
しては、第3図に示すような砂層S中に埋設されたカル
バート1がある。そして、このような砂層S中における
カルバート1のような地中構造物の浮き上がりは、第4
図に示すように、砂層Sの液状化により泥土化した土砂
がカルバート1の直下にまわり込んでそのカルバート1
を底部から押し上げる(第4図中の矢印参照)ことによ
って起こる。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、地震
時等の地盤液状化が地中構造物直下の地盤に及んだとし
ても、該地中構造物直下への周囲からの地盤まわり込み
を防止することによって、該地中構造物の浮き上がりを
許容限度以下の極めて僅かな量に抑えることのできる地
中構造物の基礎構造を提供することを目的としている。
「課題を解決するための手段」 この発明の地中構造物の基礎構造は、砂層中に全体が
埋設された地中構造物の基礎構造であって、砂利等から
なる排水層が前記地中構造物の底部にのみ設けられ、止
水壁が該地中構造物およびその直下の砂層を囲繞するよ
う該地中構造物の側面に接して設けられてなり、かつそ
の止水壁の下端が、上記砂層の下方の不透水層または液
状化しない層にまで至らされているものである。
「作用」 この発明の地中構造物の基礎構造では、周辺地盤に地
震力等が作用して砂層の液状化が生じた場合、該地中構
造物直下の止水壁内側の地盤でも砂層の液状化が生じる
ことになるが、該止水壁内側への周囲からの地盤まわり
込みが阻止されるため、該地中構造物の浮き上がりは僅
かな量に抑えられることとなる。そして、上記地中構造
物が僅かに浮き上がった場合には、該地中構造物底部の
排水層により過剰水圧が直ちに消散されるため、該地中
構造物の浮き上がりが有害な程度に大きくなることはな
い。むしろ、僅かな浮き上がりは、砂層の過剰水圧を減
少させる効果をもつため、該地中構造物の崩壊を招く程
大きな浮き上がりに対して有効な防止対策となってい
る。
「実施例」 以下、この発明の実施例について図面を参照して説明
する。
第1図および第2図は、この発明の地中構造物の基礎
構造の一実施例を示す図であって、第1図は縦断面図、
第2図は第1図A−A線視断面図である。これらの図に
おいて、符号1は、地中構造物の一例として示したコン
クリート製のカルバート、2は止水壁、3は止水壁を補
強するH鋼である。
上記カルバート1は、例えば第1図に示すように、不
透水層C上に延在する砂層S中に埋設されている。この
砂層Sは、例えばその地下水位が地表面近くにまで至
り、静水圧による浮き上がりは起こらないが、液状化に
よる浮き上がりの恐れのある地盤(見掛けの比重=約1.
9)である。
上記カルバート1付近の砂層Sには、このカルバート
1およびその直下の砂層Sを囲繞するように止水壁2が
構築されており、かつ、この止水壁の下端は、上記砂層
Sの下方の不透水層Cまたは深度15〜20m以上の液状化
しない層にまで至らされている。この止水壁2を形成す
る部材やその構造は任意であり、周知慣用の手段から適
宜選択されればよい。また、平面視した状態での止水壁
2の形状も任意であり、円形、長方形等カルバート1の
平面形状等に応じて適宜決定されればよい。
この止水壁2で囲繞される砂層Sの上部には、砂利等
で構成される排水層Dが形成され、この排水層Dが上記
カルバート1の底面を覆っている。なお、上記排水層D
には、この排水層Dにおける透水性能を向上させるため
に、先端が地表面に突出された穴あきパイプ(図示略)
を適宜挿入しても良い。
以上のような構成の地中構造物の基礎構造を構築する
方法は任意であり、何等特殊な工法は必要としないが、
その一例を以下に示す。
まず、砂層S中にカルバート1を構築する際には、そ
の砂層Sのカルバート1を構築すべき位置の周囲に山止
め壁を構築し、かつその山止め壁の内側を、切張り、腹
起しにより支持しながら下方へ掘削していくことによっ
て、該カルバート1およびその直下の砂層Sを囲繞する
位置に止水壁2を構築し、その下端を例えば第1図に示
すように不透水層Cにまで至らせる。上記止水壁2の構
築方法は任意であり、例えばPIP工法、PIPW工法、SMW工
法、地中連続壁工法、ソイルセメント壁工法、場所打ち
杭壁工法等の周知、慣用の工法が好適に使用可能であ
る。
このようにして止水壁2を構築すると共に、その止水
壁2内側の排水層Dを形成すべき深さまで掘り進めた
後、砂利等によりこの掘削部分を埋め戻して排水層Dを
形成し、次いでこの排水層Dの上にカルバート1を構築
した後、このカルバート1上に土砂を埋め戻す。
したがって、このような地中構造物の基礎構造では、
該カルバート1直下の砂層Sが止水壁2により周囲の砂
層Sと隔離されると共に、その止水壁2の下端が不透水
層Cまたは深度15〜20m以上の液状化しない層にまで至
らされるため、周辺地盤(砂層S)に地震力等が作用し
て砂層Sの液状化が生じ、かつそれによってカルバート
1直下の止水壁2内側の砂層Sに液状化が生じたとして
も、周囲から上記止水壁2内側への地盤のまわり込みは
阻止されることとなるため、該カルバート1の浮き上が
りは僅かな量に抑えられることとなる。そして、上記カ
ルバート1が僅かに浮き上がった場合には、該カルバー
ト1直下の砂層Sの間隙水がその上方の排水層Dへと排
水され、この排水層Dにより過剰水圧が直ちに消散され
るので、カルバート1の倒壊等を生じさせるような有害
な浮き上がりは起こらない。むしろ、僅かな浮き上がり
は、砂層Sの過剰水圧を減少させる効果をもつため、該
カルバート1の崩壊を招く程大きな浮き上がりに対して
有効な防止対策となっている。
よって、この実施例においては、もしカルバート1直
下で砂層Sの液状化が発生したとしても、砂層S中の過
剰水圧を速やかに消散させることができ、上記従来のグ
ラベルドレーン工法に比較して確実な排水効果を有する
排水工を施工することができる。また、上記従来の地下
水低下工法のように排水ポンプ等の永久施設を必要とせ
ず、設備費、維持管理費等が殆ど不要である。さらに言
えば、カルバート1の地下部分を構築するには、地下部
分掘削のために止水壁2をいずれにしても必要とするた
め、これを砂層Sの液状化防止に利用できて好適であ
る。しかも、止水壁2はこれに囲繞される砂層Sの地震
時における水圧の一時的上昇を遮断する作用を果たせば
よく、完全な止水効果を期待しなくてもよいため、その
施工を簡略化することも可能である。
なお、この発明の地中構造物の基礎構造は、その細部
が上記実施例に限定されず、種々の変形例が可能であ
る。一例として、上記実施例はカルバート1の基礎構造
に適用したものであったが、共同溝、埋設管、およびそ
の他の地中構造物であっても好適に適用可能である。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明の地中構造物の基礎構
造によれば、砂層中に全体が埋設された地中構造物の基
礎構造であって、砂利等からなる排水層が前記地中構造
物の底部にのみ設けられ、止水壁が該地中構造物および
その直下の砂層を囲繞するよう該地中構造物の側面に接
して設けられてなり、かつその止水壁の下端が、上記砂
層の下方の不透水層または液状化しない層にまで至らさ
れているので、以下に示すような優れた効果を奏するこ
とができる。
すなわち、周辺地盤に地震力等が作用して砂層の液状
化が生じた場合、該地中構造物直下の止水壁内側の地盤
でも砂層の液状化が生じることになるが、該止水壁内側
への周囲からの地盤まわり込みが阻止されるため、該地
中構造物の浮き上がりは僅かな量に抑えられることとな
る。このとき、止水壁を地中構造物の側面に接させず単
にその周囲を囲繞するよう設ける構成とすることも考え
られるが、このような構成では止水壁内側の砂層で液状
化が生じた場合にその影響が地中構造物に直接及んでし
まいこれが浮上あるいは沈下してしまうことがある。こ
れに対し、前記したように止水壁を地中構造物の側面に
接して設ける構成とすることによって、止水壁内側の砂
層で液状化が生じてもその影響を地中構造物が僅かに浮
き上がる程度にとどめることができる。そして、上記地
中構造物が僅かに浮き上がった場合には、該地中構造物
底部の排水層により過剰水圧が直ちに消散されるため、
該地中構造物の浮き上がりが有害な程度に大きくなるこ
とはない。むしろ、僅かな浮き上がりは、砂層の過剰水
圧を減少させる効果をもつため、該地中構造物の崩壊を
招く程大きな浮き上がりに対して有効な防止対策となっ
ている。
また、もし地中構造物直下で砂層の液状化が発生して
も、広範囲に広がる排水層の存在により砂層の過剰水圧
を速やかに消散させることができ、確実な排水効果を有
する排水工を施工することができる。また、排水ポンプ
等の永久施設を必要とせず、設備費、維持管理費等が殆
ど不要である。さらに言えば、地中構造物の地下部分を
構築するには、地下部分掘削のために止水壁をいずれに
しても必要とするため、これを砂層の液状化防止に利用
できて好適である。しかも、止水壁はこれに囲繞される
砂層の地震等における水圧の一時的上昇を遮断する作用
を果たせばよく、完全な止水効果を期待しなくてもよい
ため、その施工を簡略化することも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、この発明の一実施例を示す図で
あって、第1図は地中構造物の基礎構造を示す縦断面
図、第2図は第1図A−A線視断面図である。第3図は
カルバートが埋設された砂層の縦断面図であり、第4図
は地震時等の地盤液状化による砂層中のカルバートの浮
き上がりを示す縦断面図である。 1……地中構造物(カルバート)、 2……止水壁、 3……H鋼、 S……砂層、 D……排水層、 C……不透水層。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砂層中に全体が埋設された地中構造物の基
    礎構造であって、砂利等からなる排水層が前記地中構造
    物の底部にのみ設けられ、止水壁が該地中構造物および
    その直下の砂層を囲繞するよう該地中構造物の側面に接
    して設けられてなり、かつその止水壁の下端が、上記砂
    層の下方の不透水層または液状化しない層にまで至らさ
    れていることを特徴とする地中構造物の基礎構造。
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