JP7017980B2 - 地盤改良構造および掘削方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地盤改良構造および地盤の掘削方法に関する。
地下構造物の構築時には地盤の掘削を行う。その際、適切な深度に不透水層が有る場合は、不透水層に達する山留壁を構築した後、切梁・腹起しを掛けながら山留壁の内側の地盤を掘削する。山留壁は外側の地盤からの土圧に抵抗するほか、地下水を遮水する遮水壁としても機能する。
一方、適切な深度に不透水層が無い場合、山留壁の内側の地盤を改良して人工の不透水層(以下、人工不透水層という)を形成することがある(例えば、特許文献1~6)。
人工不透水層の厚さは、地下水の揚圧力によって人工不透水層に生じる曲げモーメントやせん断力に耐え得るものとする。人工不透水層は山留壁の間に設けられ、山留壁の変形を防止する地中梁としても機能する。
特開平11-209998号公報 特開平11-247174号公報 特開2003-171949号公報 特開2001-182088号公報 特開2004-27722号公報 特開2015-229822号公報
山留壁の離れ(スパン)が大きくなると、地盤改良による人工不透水層のコストアップの問題がある。すなわち、人工不透水層の応力度は両側の山留壁を支点とした単純梁に一様な揚圧力が加わっているものとして求められ、山留壁のスパン(支点間距離)が大きくなると揚圧力によって生じる曲げモーメントやせん断力の最大値が大きくなる。そのため人工不透水層の厚さや強度を大きくする必要があり、コストや工期の面から地盤改良による人工不透水層とは別の方法を採用せざるを得ない場合もある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、人工不透水層に生じる曲げモーメントやせん断力を小さくできる地盤改良構造等を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための第1の発明は、地盤の掘削箇所の両側の山留壁と、前記山留壁の間の地盤を改良して形成された人工不透水層と、前記山留壁の間に設けられ、下部が前記人工不透水層に埋設される、前記山留壁との間で切梁を支持するための中間杭と、を有し、前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ、前記山留壁の延長方向に隣り合う前記中間杭同士が、前記掘削箇所の表面に配置された梁材によって接続されたことを特徴とする地盤改良構造である。
本発明では、切梁の支持用の中間杭を利用して、山留壁の間で人工不透水層に地下水の揚圧力に対する抵抗力を与え、地下水の揚圧力に対し人工不透水層を支持する支点を新たに形成することができる。これにより人工不透水層の支点間距離が小さくなり、地下水の揚圧力により人工不透水層に生じる曲げモーメントやせん断力を小さくすることができる。
例えば、前記中間杭の下端は前記人工不透水層より深い位置にあり、前記支点形成機構は、前記中間杭の前記人工不透水層以深の部分である。あるいは、前記支点形成機構は、前記中間杭に接続され、且つ下端が前記人工不透水層より深い位置の地盤に固定されたグラウンドアンカーであってもよい。
支点形成機構としては、アンカーとして機能する中間杭の人工不透水層以深の部分、あるいは人工不透水層より深い位置に固定されたグラウンドアンカーを用いることができ、これにより人工不透水層をその下方の地盤にアンカーして地下水の揚圧力に対する抵抗力を与え、人工不透水層の浮き上がりを防止して人工不透水層に支点を形成することが可能になる。前者の場合、中間杭自体に支点形成機構を持たせるので施工が簡単であり、後者の場合、グラウンドアンカーの緊張力によって高い抵抗力を与えることができる。いずれの場合も支点形成機構以外の構成は従来通りであり、軽微な変更で済みコストの増加を抑制できる。
第2の発明は、地盤の掘削箇所の両側の山留壁と、前記山留壁の間の地盤を改良して形成された人工不透水層と、前記山留壁の間に設けられ、下部が前記人工不透水層に埋設される、前記山留壁との間で切梁を支持するための中間杭と、を有し、前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ、前記支点形成機構は、前記人工不透水層より上方で前記中間杭の周囲に設けられたコンクリートであることを特徴とする地盤改良構造である
これにより、中間杭を介して人工不透水層に上方からのコンクリート荷重を与えることで、上記と同じく人工不透水層に支点を形成することが可能になる。この場合、地上部分に支点形成機構を設けることができるので施工も容易である。
の発明は、地盤の掘削箇所の両側の山留壁、前記山留壁の間の中間杭および人工不透水層を設ける工程(a)と、前記山留壁の間の地盤の掘削と、前記山留壁と前記中間杭の間の切梁の設置を行う工程(b)と、を有し、前記中間杭の下部は前記人工不透水層に埋設され、前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ、前記山留壁の延長方向に隣り合う前記中間杭同士が、前記掘削箇所の表面に配置された梁材によって接続されることを特徴とする掘削方法である。
の発明は、第1の発明の地盤改良構造を形成して地盤の掘削を行う掘削方法である。
第4の発明は、地盤の掘削箇所の両側の山留壁、前記山留壁の間の中間杭および人工不透水層を設ける工程(a)と、前記山留壁の間の地盤の掘削と、前記山留壁と前記中間杭の間の切梁の設置を行う工程(b)と、を有し、前記中間杭の下部は前記人工不透水層に埋設され、前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ、前記支点形成機構は、前記人工不透水層より上方で前記中間杭の周囲に設けられるコンクリートであり、前記コンクリートは、前記工程(b)において上から順に構築されることを特徴とする掘削方法である
これにより、中間杭を介して人工不透水層に上方からのコンクリート荷重を与えることで、人工不透水層に支点を形成することが可能になる。また地上部分で支点形成機構を設けることができるので施工も容易であり、コンクリートを逆巻き工法で施工して地下構造物の本設躯体として利用することで地下構造物の構築にかかる工期の延長も防止できる。
本発明により、人工不透水層に生じる曲げモーメントやせん断力を小さくできる地盤改良構造等を提供することができる。
ポンプ室1を示す図。 ポンプ室1の構築方法について示す図。 ポンプ室1の構築方法について示す図。 ポンプ室1の構築方法について示す図。 人工不透水層4の支点を示す図。 梁材9を示す図。 ボックスカルバート10を示す図。 ポンプ室1aの構築方法について示す図。 ポンプ室1aの構築方法について示す図。 ポンプ室1bの構築方法について示す図。 ポンプ室1bの構築方法について示す図。 ポンプ室1bの構築方法について示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
(1.ポンプ室1)
図1は、本発明の実施形態に係る地盤改良構造を利用して構築されるポンプ室1を示す図である。
ポンプ室1は、火力発電所、原子力発電所などで海水を冷却水として使用するために用いられる。海水は、取水口、取水路を通ってポンプ室1に導かれ、循環水ポンプによって発電所のタービン室に供給される。
ポンプ室1は地盤2に構築される地下構造物であり、コンクリートによって形成された底版11と側壁12からなる函状の躯体を有する。側壁12の間の中間部にはコンクリートによる分流壁13が設けられる。
なお図1の符号4、5、および6はそれぞれ人工不透水層、中間杭の一部、および中間杭の固定部であるが、これらについては後述する。
(2.ポンプ室1の構築方法)
図2~図4はポンプ室1の構築方法について示す図である。本実施形態ではポンプ室1の構築に先立って地盤改良構造を形成し、その後地盤2の掘削が行われるが、以下ではその掘削方法についても説明する。
すなわち、本実施形態では、ポンプ室1を構築する際、まず図2(a)に示すように山留壁3と中間杭5を地盤2に施工する。
山留壁3は地盤2の掘削箇所(ポンプ室1の構築箇所)の両側に設けられる。山留壁3は外側の地盤2からの土圧に抵抗するとともに、地下水の遮水を行う遮水壁としても機能する。山留壁3は特に限定されず、鋼矢板壁、鋼管矢板壁、芯材入りのソイルモルタル壁などを用いることができる。
中間杭5(中間柱ともいう)は山留壁3の間に打設する鋼製の鉛直材であり、後述する切梁の支持を行うためのものである。本実施形態では中間杭5が山留壁3のスパン中央部で山留壁3の延長方向(図2(a)の紙面法線方向に対応する)に複数本設けられる。中間杭5としては例えばH形鋼を用い、その下端をコンクリート等による固定部6で固定する。中間杭5の施工には既知の工法を用いることができる。
こうして山留壁3と中間杭5を施工した後、図2(b)に示すように山留壁3の間で地盤2の改良を行い、人工不透水層4を形成する。これにより、人工不透水層4を含む地盤改良構造が形成される。
本実施形態では人工不透水層4が山留壁3の底部に当たる深さで形成され、人工不透水層4の下端と山留壁3の下端の位置がほぼ一致する。また中間杭5の下部は人工不透水層4に埋設される。特に本実施形態では、中間杭5の下部が人工不透水層4を貫通してその下端が人工不透水層4より深い位置にある。
人工不透水層4の形成方法(地盤2の改良方法)は特に限定されず、例えば既知の噴射混合攪拌工法、機械混合攪拌工法、薬液注入工法などを用い、セメントミルクなどの固化材で地盤2を固化することにより人工不透水層4を形成できる。
人工不透水層4を形成した後、図3(a)、(b)に示すように、山留壁3の間の地盤2の掘削と切梁7の設置を繰り返す。切梁7の一端は腹起し70を介して山留壁3に接続し、他端は中間杭5に取り付ける。これにより山留壁3と中間杭5の間で切梁7を支持させる。
こうして山留壁3の間の地盤2を図4(a)に示すように床付け位置まで掘削した後、図4(b)に示すようにポンプ室1の構築を行う。ポンプ室1の構築時、中間杭5と切梁7は適当な時点で撤去する。例えば切梁7はポンプ室1の底版11と側壁12を下から順に構築するのに応じて下段から順に撤去し、側壁12を頂部まで構築した後中間杭5を底版11上で切断して撤去し、その後分流壁13を構築する。
なお、本実施形態では山留壁3もポンプ室1の構築時に撤去するが、山留壁3を残置する場合もある。また本実施形態では掘削時の床付け位置(ポンプ室1の底版11の下面位置に対応する)を人工不透水層4の上面としているが、それより高い位置でもよい。その場合はポンプ室1の底版11と人工不透水層4の間に地盤2が介在する。またポンプ室1の外面の位置は山留壁3の内面の位置に対応しているが、ポンプ室1の外面の位置はそれより内側でも良い。
本実施形態では中間杭5の下端が人工不透水層4より深い位置にあり、中間杭5の人工不透水層4以深の部分(支点形成機構)によって人工不透水層4をその下方の地盤2にアンカーし、地下水の揚圧力に対する抵抗力を中間杭5の位置で人工不透水層4に与えて人工不透水層4の浮き上がりを防止する。
これにより、図5に示すように、地下水の揚圧力aに対し人工不透水層4を支持する支点(図中▽で示す)を、山留壁3の位置に加えて中間杭5の位置で新たに形成することができる。
従来の構造では人工不透水層4の支点が山留壁3の位置のみであり、支点間距離が山留壁3の離れ(スパン)となっていたのが、中間杭5の位置に揚圧力aに抵抗する支点が新たに追加されることにより支点間距離が従来の1/2となる。そのため、揚圧力aによって人工不透水層4に生じる曲げモーメントとせん断力の最大値はそれぞれ従来の1/4、1/2となる。中間杭5の根入れ長や固定部6の仕様は、支点としての効果が得られるように設定される。また、人工不透水層4の上面に当たる位置で中間杭5の周囲にプレート(不図示)を設け、これにより人工不透水層4を抑えて人工不透水層4の浮き上がりを防止することも可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、切梁7の支持用の中間杭5を利用して、山留壁3の間で人工不透水層4に地下水の揚圧力aに対する抵抗力を与え、揚圧力aに対し人工不透水層4を支持する支点を新たに形成することができる。これにより人工不透水層4の支点間距離が小さくなり、地下水の揚圧力aにより人工不透水層4に生じる曲げモーメントやせん断力を小さくすることができる。
そのため、人工不透水層4を薄くしたり強度を抑えたりすることができ、人工不透水層4の形成にかかるコストや工期を抑えることができる。例えば本実施形態のように地下水の揚圧力aにより人工不透水層4に生じるせん断力の最大値を従来の1/2とできる場合、人工不透水層4の厚さは従来の1/2とすることが可能である。また本実施形態では山留壁3と人工不透水層4の下端の位置をほぼ一致させるので、人工不透水層4を薄くする結果、山留壁3の深度も小さくすることができる。
また本実施形態では、中間杭5の人工不透水層4以深の部分をアンカーとして用い、これにより人工不透水層4をその下方の地盤2にアンカーして地下水の揚圧力aに対する抵抗力を与え、人工不透水層4の浮き上がりを防止して人工不透水層4に支点を形成する。この場合、中間杭5自体に支点形成機構を持たせるので施工が簡単である。またその他の構成については従来通りであり、軽微な変更で済むのでコストの増加を抑制できる。
しかしながら、本発明はこれに限らない。例えば中間杭5は切梁7の座屈防止の目的もあることから、山留壁3のスパンが大きい場合には山留壁3の間に複数本の中間杭5が配置される場合もある。例えば山留壁3のスパンを3分割するように中間杭5を2本配置する場合、地下水の揚圧力aにより人工不透水層4に生じる曲げモーメントとせん断力の最大値はそれぞれ従来の1/9、1/3となる。
また、山留壁3の間の中間杭を全て支点として機能させる必要は無く、一部のみ支点として機能させてもよい。例えば山留壁3の間に3本の中間杭を設ける場合、中央の中間杭5のみ本実施形態の構成を有するものとできる。
また、図6に示すように山留壁3の延長方向に隣り合う中間杭5同士を梁材9によって接続することも可能であり、これにより支点としての効果をより高めることができる。梁材9は例えば山留壁3の間の地盤2の表面近傍に設け、当該地盤2の掘削に応じて下方に付け替えてゆき、床付け位置まで掘削した時点で床付け位置の表面近傍に配置されるようにする。
また、本実施形態はポンプ室1の例を挙げて説明したが、これに限ることはなく、ポンプ室1の上流側に設けられる取水ピット、またタービン室から放出された海水を放水路に放水する放水ピットなどにも適用できる。また分流壁13は省略される場合もある。
さらに、本実施形態はその他の地下構造物の構築時にも適用可能であり、例えば図7のような道路トンネルなどのボックスカルバート10の構築時にも適用できる。図7のボックスカルバート10は底版110、側壁120、中壁(あるいは柱)130、頂版140を有する。図7は2連形式のボックスカルバート10の例であるが、4連形式のボックスカルバートや中壁130の無い1連形式のボックスカルバートなどにも同様に適用できる。ボックスカルバート10の構築方法は前記と略同様である。ただし、頂版140を構築した後、その上部は埋戻土で埋め戻される。
以下、支点形成機構が異なる本発明の別の例を第2、第3の実施形態として説明する。第2、第3の実施形態は第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は互いに組み合わせて用いることも可能である。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、支点形成機構としてグラウンドアンカーを用いる点で第1の実施形態と異なる。
すなわち、第2の実施形態では、図8(a)に示すように山留壁3および中間杭5の打設とグラウンドアンカー8の設置を行い、中間杭5にグラウンドアンカー8を接続する。グラウンドアンカー8は中間杭5に対応する平面位置に設けられ、その下端はコンクリート等の固定部6aで固定される。グラウンドアンカー8の施工方法は特に限定されず、既知の工法を利用可能である。
その後、図8(b)に示すように人工不透水層4を形成し、グラウンドアンカー8の頂部を中間杭5の頂部に固定し、その後緊張する。本実施形態でも中間杭5の下部は人工不透水層4に埋設されるが、当該下部は人工不透水層4を貫通しない。その代わり、グラウンドアンカー8の下端が人工不透水層4より深い位置の地盤2に固定される。
以下、第1の実施形態と同様、山留壁3の間の地盤2の掘削と切梁7の設置を繰り返し、図9(a)に示すように山留壁3の内側の地盤2を床付け位置まで掘削した後、図9(b)に示すようにポンプ室1aが構築される。
本実施形態では、グラウンドアンカー8と中間杭5により人工不透水層4をその下方の地盤2にアンカーすることで、第1の実施形態と同様、人工不透水層4に地下水の揚圧力aに対する抵抗力を与え、揚圧力aに対し人工不透水層4を支持する支点を中間杭5の位置で新たに形成することができる。これにより、第2の実施形態でも第1の実施形態と同様の効果が得られる。グラウンドアンカー8の仕様は、支点としての効果が得られるように設定される。
さらに本実施形態ではグラウンドアンカー8の緊張力によって高い抵抗力を与えることができる。またグラウンドアンカー8以外の構成については従来通りであるので、軽微な変更で済みコストの増加を抑制できる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、支点形成機構として中間杭5の周囲にコンクリートを巻き立てる点で第1の実施形態と異なる。
第3の実施形態では、まず図10(a)に示すように山留壁3、中間杭5、および人工不透水層4の施工を行う。その方法は第1の実施形態と同様であり、中間杭5の下部も人工不透水層4に埋設されるが、当該下部は人工不透水層4を貫通せず、中間杭5の下端が人工不透水層4内で固定部6により固定される。
その後、図10(b)に示すように山留壁3の間の地盤2の掘削と分流壁13のコンクリートの打設を行う。ここでは中間杭5を支持部材として中間杭5を巻き込むように分流壁13のコンクリートを打設し、その後図11(a)に示すように切梁7の設置を行う。切梁7は分流壁13のコンクリートの外面に固定する。以下、山留壁3の間の地盤2の掘削と分流壁13のコンクリートの打設、および切梁7の設置を上から順に行う。これにより図11(b)に示すように山留壁3の間の地盤2が床付け位置まで掘削されるとともに、分流壁13が逆巻き工法で構築される。
その後、図12に示すようにポンプ室1bが構築される。本実施形態では本設の分流壁13が先行して構築されるので、ここではポンプ室1bの底版11と側壁12のみ構築すればよい。また第1の実施形態と異なり、中間杭5は撤去せず残置される。
本実施形態では、分流壁13の位置に中間杭5を設置し、人工不透水層4より上方にある分流壁13のコンクリートを逆巻き工法で中間杭5の周囲に打設することで、中間杭5を介して人工不透水層4に上方からのコンクリート荷重を与える。これにより、第1の実施形態と同様、人工不透水層4に地下水の揚圧力aに対する抵抗力を与え、中間杭5の位置で人工不透水層4に支点を形成することが可能になり、第1の実施形態と同様の効果が得られる。分流壁13のコンクリートの重量は、支点としての効果が得られるように設定される。
また、本実施形態では地上部分で支点形成機構を設けることができるので施工も容易であり、コンクリートを逆巻き工法で施工しポンプ室1bの本設の分流壁13として利用することでポンプ室1bの構築にかかる工期の延長も防止できる。さらに、中間杭5や分流壁13の仕様に大きな変更は無く、コストの増加も抑制できる。
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1a、1b:ポンプ室
2:地盤
3:山留壁
4:人工不透水層
5:中間杭
6、6a:固定部
7:切梁
8:グラウンドアンカー
9:梁材
10:ボックスカルバート
11、110:底版
12、120:側壁
13:分流壁
130:中壁
140:頂版

Claims (6)

  1. 地盤の掘削箇所の両側の山留壁と、
    前記山留壁の間の地盤を改良して形成された人工不透水層と、
    前記山留壁の間に設けられ、下部が前記人工不透水層に埋設される、前記山留壁との間で切梁を支持するための中間杭と、
    を有し、
    前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ
    前記山留壁の延長方向に隣り合う前記中間杭同士が、前記掘削箇所の表面に配置された梁材によって接続されたことを特徴とする地盤改良構造。
  2. 前記中間杭の下端は前記人工不透水層より深い位置にあり、
    前記支点形成機構は、前記中間杭の前記人工不透水層以深の部分であることを特徴とする請求項1記載の地盤改良構造。
  3. 前記支点形成機構は、前記中間杭に接続され、且つ下端が前記人工不透水層より深い位置の地盤に固定されたグラウンドアンカーであることを特徴とする請求項1記載の地盤改良構造。
  4. 地盤の掘削箇所の両側の山留壁と、
    前記山留壁の間の地盤を改良して形成された人工不透水層と、
    前記山留壁の間に設けられ、下部が前記人工不透水層に埋設される、前記山留壁との間で切梁を支持するための中間杭と、
    を有し、
    前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ
    前記支点形成機構は、前記人工不透水層より上方で前記中間杭の周囲に設けられたコンクリートであることを特徴とする地盤改良構造。
  5. 地盤の掘削箇所の両側の山留壁、前記山留壁の間の中間杭および人工不透水層を設ける工程(a)と、
    前記山留壁の間の地盤の掘削と、前記山留壁と前記中間杭の間の切梁の設置を行う工程(b)と、
    を有し、
    前記中間杭の下部は前記人工不透水層に埋設され、
    前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ
    前記山留壁の延長方向に隣り合う前記中間杭同士が、前記掘削箇所の表面に配置された梁材によって接続されることを特徴とする掘削方法。
  6. 地盤の掘削箇所の両側の山留壁、前記山留壁の間の中間杭および人工不透水層を設ける工程(a)と、
    前記山留壁の間の地盤の掘削と、前記山留壁と前記中間杭の間の切梁の設置を行う工程(b)と、
    を有し、
    前記中間杭の下部は前記人工不透水層に埋設され、
    前記中間杭には、前記人工不透水層に加わる地下水の揚圧力に対する抵抗力を、前記中間杭の位置で前記人工不透水層に与えるための支点形成機構が設けられ
    前記支点形成機構は、前記人工不透水層より上方で前記中間杭の周囲に設けられるコンクリートであり、
    前記コンクリートは、前記工程(b)において上から順に構築されることを特徴とする掘削方法。
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