JP4274901B2 - トレイの反転装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に開示された反転装置は、操作台1上に配置された水平なトレイ枠2と下傾したローラ板6からなり、トレイ枠2はトレイを着脱自在に固定すると共に、前端側が枢支軸5に取り付けられて反転可能とされ、ローラ板6は後端側が枢支軸に取り付けられて反転可能とされている。この反転装置の操作は全て手動により行われ、まずトレイ枠2上にトレイ3を載置して固定し、ローラ板6を後方に反転させてトレイ3上に被せ、トレイ枠2とローラ板6を同時に前方に反転させ、最後にトレイ枠2及びトレイ3を後方に反転させると、レトルト食品Rはローラ8上を滑り降りる。なお、ここに挙げた数字及び記号は、特許文献1に記載されたものと対応する。
一方、これらの問題点は、反転部の回転支点を該反転部の中心に設定することにより解決される。すなわち、反転部の中心に反転軸を設け、その反転軸を支点として反転部が180度ずつ回転するようになし、前記反転部に上向きのトレイを搬入し、反転部を180度回転させてトレイを下向きとし、このとき下向きになったトレイからレトルトパウチを排出し、次いで反転部を再度180度回転させて、空になったトレイを元の上向きの位置に戻し、反転部の外に搬出する。
従って、本発明は、反転部の中心に反転軸を設け、その反転軸を支点として反転部が180度ずつ回転するようになし、前記反転部に上向きのトレイを搬入し、反転部を180度回転させてトレイを下向きとし、このとき下向きになったトレイからレトルトパウチを排出し、次いで反転部を再度180度回転させて、空になったトレイを元の上向きの位置に戻し、反転部の外に搬出するようにしたタイプの反転装置を前提とし、作業能率がよく、コンパクトで広いスペースを必要とせず、さらに正確に180度反転させることができ、故障が少なく安定した作業が可能な反転装置を得ることを目的とする。
なお、反転部の前記両搬入位置において、該搬入位置に搬入されたトレイの上端よりやや高く、かつトレイの搬送方向に沿ってトレイの両縁をカバーする位置に、前記反転部の構造の一部として、反転して下向きとなったトレイが落下するのを防止するトレイストッパーを必要に応じて設置することができる。
この場合、上流側伝動機構に過負荷吸収部材(例えばエアシリンダ、バネ等)を配置し、該過負荷吸収部材を介して下流側伝動機構に動力を伝達することが望ましい。この過負荷吸収部材は、下流側伝動機構に過負荷が掛かったとき、上流側伝動機構の動きが下流側伝動機構に伝達されないようにする役割を持つ。例えばエアシリンダを過負荷吸収部材とするとき、これを前記ジョイント部材を介して前記スライド軸と直列に連結し、吸収すべき過負荷の方向により、ピストンロッドを収縮させる方向又は伸張させる方向にエア圧を導入しておく。これにより、仮に反転部の搬入位置にトレイが正確に搬入されず、挟持爪に過負荷が掛かるような危険があっても、このエアシリンダがその過負荷を吸収し、トレイやトレイ保持手段の破損を防止できる。
なお、この検出方式は、反転部に上向きの水平状態で搬入したトレイを前記反転部と共に反転させ、該トレイ内のレトルトパウチを排出し、次いで空になったトレイを前記反転部と共に再度反転させた後排出するタイプのトレイの反転装置一般について、前記反転部へのトレイの搬入を行うトレイ搬送手段に対し適用することができる。
図1〜図6に示す反転装置は、主としてアンローダーによるレトルトパウチ取り出し後のトレイから残留パウチを排出する場合に使用される反転装置である。
この反転装置において、反転部1は、フレーム2の上面プレート3上に固定された軸受部材4に回転自在に支持された反転軸5と、反転軸5に固定された断面略コの字状の一対の反転フレーム6と、両反転フレーム6,6を連結する一対の梁部材7,7により構成される。
チェーンコンベア8上には、送りチェーン14上にちょうど重なる位置にトレイTが載っており、この位置が本発明でいう搬入位置として設定されている。なお、搬入位置は反転部1の両側(図1において表裏両面)に設定される。
反転フレーム6に固定された軸受19(図2参照)に回転自在に検出軸21が支持され、該検出軸21の内側端部にトレイ検出片22が固定され、外側端部に検出ドグ23が固定されている(反転軸5を中心として軸対称的に2組)。検出軸21の中間位置にばねフック24が固定され、該ばねフック24と反転フレーム6に固定されたばねフック25の間に引張ばね26(図4参照)が張架され、さらに反転フレーム6に検出片ストッパー27が固定されている。一方、フレーム2の上面プレート部3に取付部材28を介してセンサ(例えば近接センサ)29が固定されている。トレイTが搬入位置にないとき、図5の仮想線に示すように、トレイ検出片22は引張ばね26の作用で送りチェーン14より上に突出し、その位置(非検出位置)は前記検出片ストッパー27により規制されている。このとき、検出ドグ23はセンサ29の下方に位置している。搬入位置にトレイTがきて、図5の実線に示すように、トレイ検出片22を送りチェーン14と同じ高さ(検出位置)まで下に押し下げると、検出軸21が回転して検出ドグ23がセンサ29の正面に位置し、該センサ29がそれを検知する。トレイTの搬入時にその検知信号が出されると、図示しない制御装置が該検出信号に基づいて、チェーンコンベア8の搬送を停止する。
なお、入力軸33に固定されたギヤ34には検出片38が設置され(図3参照)、その回転軌跡の上方位置にセンサ(例えば近接センサ)39が配置されている。これらは入力軸33の初期位置(及び一回転後の停止位置)を設定するものである。入力軸33の回転は同一方向とされ、反転部材1は180度ずつ同一方向に回転する。
図5,6に示す時点では挟持爪41〜44は閉じているが、ここでスライド軸65が図6の状態から前進(図6において右に移動)すると、連結軸61が前進し、L字レバー58,58が揺動して各ロッド55がL字レバー58,58の方向に引かれ、開閉軸45〜48が回動して挟持爪41〜44が開く。
以上述べた開閉軸45〜48からスライド軸65までの伝動機構は、反転部1に設置されて該反転部1と共に回転し、本発明でいうトレイ保持手段の伝動機構において、下流側伝動機構に相当する。
以上述べた溝カム66からエアシリンダ73までの伝動機構は、非反転部に設置されて回転せず、本発明でいうトレイ保持手段の伝動機構において、上流側伝動機構に相当する。
なお、溝カム66が回転して三角レバー72が回動し、スライド軸65が後退することにより挟持爪41〜44が閉じるが、その際にトレイTの位置がずれているなどの原因により挟持爪41〜44が閉じるのが妨害されると、伝動機構に過負荷が掛かる。この場合は、当該過負荷に応じてエアシリンダ73のピストンロッド74が伸張して当該過負荷を吸収し、これにより上流側伝動機構の動きが下流側伝動機構に伝達されないようになっている。
そのほか、反転フレーム6の上下には、特に図6に明瞭に示すように、反転部1の搬入位置に搬入したトレイTの上端よりやや高く、かつトレイTの搬送方向に沿ってトレイTの両縁をカバーする位置に、板状のトレイストッパー79が固定されている。このトレイストッパー79は反転部1の構造の一部であり、反転して下向きとなったトレイTが、挟持爪41〜44から解放されたとき落下するのを防止する機能を有する。
(1)チェーンコンベア8及び先に説明した他の2つのチェーンコンベア(供給側と排出側)を作動させる。チェーンコンベア8上のトレイTは搬出されて排出側のチェーンコンベア上に受け渡され、供給側のチェーンコンベアから受け渡されたトレイTがチェーンコンベア8上に載り、所定の搬入位置に向けて搬入される。
(2)搬入位置にきたトレイTがトレイ検出片22を押さえ、センサ29が検出信号を出す。
(3)その検出信号に基づき、制御装置がチェーンコンベア8のモータを停止させる。
(4)同時に、制御装置が反転手段のモータを起動し、インデックスユニット32の入力軸33が回転する。入力軸33の回転に伴って、次のような作動が機械的に行われる。
(4−1)溝カム66の回転に伴い、三角レバー72が回動し、スライド軸65が後退して挟持爪41〜44が閉じ、搬入位置に停止したトレイTを前後から挟持する。
(4−2)同時に、位置決めレバー78が位置決め位置(図1の仮想線位置)から解放位置(図1の実線位置)に移動する。
(4−3)出力軸35が回転を始め、反転部1が回転を始める。
(4−4)出力軸35の回転が止まり、反転部1は180度回転したところで停止する。この間にトレイT内に残留していたレトルトパウチがあれば落下し、反転部1の下方に配置したコンベア等により排出される。
(4−5)溝カム66の回転に伴い、三角レバー72が逆に回動し、位置決めレバー78が解放位置から位置決め位置に移動して、反転部1を位置決めする。
(4−6)同時に、スライド軸65が前進し、挟持爪41〜44が開き、トレイTを解放する。
(4−7)検出片38をセンサ39が検出する。
(5)その検出信号に基づき、制御装置が反転手段のモータを停止させ、これによりインデックスユニット32の入力軸33の回転が停止する。
(6)同時に、制御装置が、チェーンコンベア8及び先に説明した他の2つのチェーンコンベアを作動させる。つまり、(1)に戻り、以上の作動が繰り返される。
図7は要部のみ示して図示が省略されている部分も多いが、この反転装置においては、図1〜6に示された反転装置の構成は全て備わっている。反転部1に付加されたものは一対のベルトコンベア81,81であり、いずれも反転部1の搬入位置の上に設置されている。ベルトコンベア81のフレーム82の側面にガイドブロック83が前後方向に離れて2つ固定され、このガイドブロック83に形成された穴に反転フレーム6に立設するガイド軸84がスライド自在に貫入している。ガイド軸84の先端は接続プレート85により連結され、該接続プレート85とガイドブロック83の間に圧縮バネ86が介在し、ベルトコンベア81を内側に向けて付勢している。87はストッパであり、反転フレーム6に位置調整自在に固定され、ガイドブロック83に当接してベルトコンベア81の下端位置(最も内側に寄った位置)を規定する。
なお、図7の背面側も同じ構造となっていて、ガイドブロック83乃至押圧レバー94が同じ形態で配置されている。また、ベルトコンベア81は、前記フレーム82と該フレーム82の前後に配置された一対のプーリー97、及びプーリーに掛け渡されたコンベアベルト98からなる。コンベアベルト98はトレイTに載置された全てのレトルトパウチのほぼ全面を被う大きさをもち、表面に図示しない弾性部材が貼着されている。このベルトコンベア81の駆動源は、非反転部に配置され、矢印方向に移動自在とされた駆動ローラ99であり、この駆動ローラ99はベルトコンベア81のプーリー97にコンベアベルト98の外面から接触して、駆動力をベルトコンベア81に伝達する。
この反転装置の作動は、押圧レバー94によるベルトコンベア81の昇降移動、及び駆動ローラ99によるベルトコンベア81の搬送駆動が同時並行的に加わる点を除いて、先の反転装置と基本的に変わるところはない。
押圧レバー94の作動の開始は、タイミング的には、例えば、反転部1が反転して水平になり、位置決めレバー78が反転部1を位置決めしたときである。押圧レバー94がローラ93を押圧すると、レバー89が回動し、それまで圧縮バネ86の付勢力で内側に付勢されていたベルトコンベア81が、両方とも外向きに移動する。このとき、反転部1の下側ではベルトコンベア81がその上にレトルトパウチを整列状態で載置したまま下降し、ここで駆動ローラ99が上昇しベルトコンベア81に接触して(仮想線参照)、該ベルトコンベア81を駆動し、レトルトパウチは反転部1の外部に搬出される。なお、反転部1の外部に、ベルトコンベア81からレトルトパウチを整列状態のまま受け取るベルトコンベアを配置しておく必要がある。一方、反転部の上側では、ベルトコンベア8によりトレイT(レトルトパウチ排出済み)が搬出され、新たにトレイT(レトルトパウチ未排出)が搬入位置に搬入される。
続いて駆動ローラ99が下降し、押圧レバー94が逆向きに揺動してローラ93を解放すると、ベルトコンベア81は圧縮バネ86の付勢力で両方とも内向きに移動し、上側のベルトコンベア81は搬入位置にあるトレイT内のレトルトパウチを押さえる。この作動の開始は、タイミング的には、例えば反転手段のモータを起動したときである。
5 反転軸
8 チェーンコンベア
11,12 送り軸
14 送りチェーン
22 トレイ検出片
23 検出ドグ
29 センサ
32 インデックスユニット
33 入力軸
35 出力軸
38 検出片
39 センサ
41〜44 挟持爪
45〜48 開閉軸
61 連結軸
63 貫通穴
65 スライド軸
66 溝カム
67 カムレバー
73 エアシリンダ
78 位置決めレバー
79 トレイストッパー
81 ベルトコンベア
94 押圧レバー
98 コンベアベルト
99 駆動ローラ
Claims (5)
- 反転部に上向きの水平状態で搬入したトレイを前記反転部と共に反転させ、該トレイ内のレトルトパウチを排出し、次いで空になったトレイを前記反転部と共に再度反転させた後搬出するトレイの反転装置において、前記反転部はその中心に反転軸を有して該反転軸を中心に回転自在であり、かつ前記反転軸を挟んで両側にトレイの搬入位置が設定され、前記反転部を一度に180度ずつ回転させる反転手段と、前記反転部が停止したとき前記反転部の上側の搬入位置へのトレイの搬入及びそこからのトレイの搬出を行い、かつ搬入時及び搬出時の搬送方向が同一であるトレイ搬送手段と、前記反転部の両搬入位置の近傍においてそれぞれ前記搬送方向からみて前後位置に設置された挟持爪を有し、該挟持爪により前記各搬入位置のトレイを前後から挟持して該搬入位置に保持するトレイ保持手段とを備え、さらに、前記反転手段は、駆動源としての反転用モータと該反転用モータの回転を入力するインデックスユニットを備え、該インデックスユニットの出力軸が前記反転軸に連結され、前記トレイ保持手段は、前記モータに連結されて回転する挟持爪開閉用のカムを備え、該カムは伝動機構を介して前記挟持爪に連結され、前記カムの回転に伴って前記挟持爪の全てが同時に開閉し、かつ前記カムの回転に伴う前記挟持爪の開閉は、前記反転部の反転前に閉じてトレイを保持し、反転後に開いてトレイを解放するようにタイミング設定されていて、前記トレイ搬送手段が、前記反転部に設置されトレイを上に載せて搬送するコンベアであり、非反転部に設置されたコンベア用モータの駆動力が伝動機構を介して前記コンベアに伝導され、その搬送方向が前記反転軸の軸方向に垂直とされ、前記反転部のトレイの両搬入位置において、該搬入位置に搬入したトレイの上端よりやや高く、かつトレイの搬送方向に沿ってトレイの両縁をカバーする位置に、前記反転部の構造の一部として、反転して下向きとなったトレイが落下するのを防止するトレイストッパーが設置されていることを特徴とするトレイの反転装置。
- 前記トレイ保持手段の伝動機構は、前記反転部に設置されて該反転部と共に回転する下流側伝動機構と、非反転部に設置された上流側伝動機構からなり、前記下流側伝動機構は、前記反転軸と同心で該反転軸の内部において該反転軸と共に回転し、かつ該反転軸の軸方向に進退自在に設置されて前記カムの動力を伝達するスライド軸を含み、該スライド軸は前記上流側伝動機構とはジョイント部材を介して相対回転自在に連結されていることを特徴とする請求項1に記載されたトレイの反転装置。
- 前記上流側伝動機構は過負荷吸収部材を含み、該過負荷吸収部材を介して下流側伝動機構に動力を伝達し、該過負荷吸収部材は、下流側伝動機構に過負荷が掛かったとき、前記上流側伝動機構の動きが下流側伝動機構に伝達されないようにするものであることを特徴とする請求項2に記載されたトレイの反転装置。
- 前記反転部に検出位置と非検出位置の間で移動自在に設置されたトレイ検出片と、該トレイ検出片を前記非検出位置に向けて常時付勢する付勢手段を備え、前記トレイ検出片は、前記反転部に搬入したトレイに押されて非検出位置から検出位置に移動するものであり、非反転部に前記トレイ検出片が検出位置へ移動したことを検出するセンサが設置され、トレイの搬入時に前記センサの検出信号に基づいて前記トレイ搬送手段の搬送を停止させる制御装置を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたトレイの反転装置。
- 前記反転部の両搬入位置の上に、前記反転部の構造の一部として、トレイに載置されたレトルトパウチを排出するベルトコンベアが配置され、該ベルトコンベアは、そのコンベアベルトが前記搬入位置にあるトレイに載置された全てのレトルトパウチのほぼ全面を被う大きさを持ち、前記トレイの面に対し垂直方向に移動可能とされ、トレイ側に移動したとき前記コンベアベルトが前記トレイに載置されたレトルトパウチに接触してこれを押さえ、かつ前記反転部の反転中に前記レトルトパウチが落下するのを防止することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載されたトレイの反転装置。
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