JP4274866B2 - レジスト塗布装置 - Google Patents
レジスト塗布装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4274866B2 JP4274866B2 JP2003196028A JP2003196028A JP4274866B2 JP 4274866 B2 JP4274866 B2 JP 4274866B2 JP 2003196028 A JP2003196028 A JP 2003196028A JP 2003196028 A JP2003196028 A JP 2003196028A JP 4274866 B2 JP4274866 B2 JP 4274866B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- resist
- resist solution
- longitudinal direction
- cleaning
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Materials For Photolithography (AREA)
- Coating Apparatus (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトリソグラフィプロセスにおけるレジスト塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フォトリソグラフィプロセスは、さまざまな膜種の微細加工を行なう工程である。フォトリソグラフィプロセスには、加工を行なう膜の上面にレジストを配置して、回路図などのパターニングを行なう工程がある。
【0003】
図6に、膜の上面にレジストを均一に塗布するためのレジスト塗布装置のうち、スピンコータユニットの主要部の平面図を示す。また、図7に、図6におけるVII−VII線に関する矢視断面図を示す。このスピンコータユニットは、平面形状がほぼ長方形の基板に対して、主表面に均一にレジスト液を配置するための装置である。レジストの塗布が行なわれる基板は、基板配置領域50に配置される。基板は主表面が水平になるように配置される。基板配置領域50の周りには、平面における外形が円になるように形成された整流板10が配置されている。整流板10は、主表面が水平になるように配置されている。
【0004】
整流板10の中央部には、基板配置領域50に沿うように基板配置穴3が形成されている。基板配置穴3には、アーム導入部23が複数個形成されている。アーム導入部23は、基板配置穴3の1つの辺に対して2個ずつ形成され、基板をスピンコータユニットに着脱する際には、この部分に基板搬送装置の爪を挿入して基板の保持などを行なう。整流板10の外側には、整流板10の外縁に沿うように、飛散防止カップ22が形成されている。
【0005】
基板配置領域50の下側には、基板を下から支えることができるように、基板支持ピン11が複数形成されている。基板配置領域50の平面形状における長方形の4つの角には、基板を4つの角で支持するためのコーナピン12が形成されている。コーナピン12は、1つの角に対して2つずつ形成され、基板が配置されたときに、基板の1つの角を2方向から支えるように形成されている。基板配置領域50の平面における重心位置の真下には、洗浄液を供給するための、洗浄液供給部24が形成されている。洗浄液供給部24には、基板配置領域50の平面形状の対角に向かうように配設された洗浄管16が接続されている。
【0006】
整流板10、コーナピン12、洗浄液供給部24および洗浄管16などは一体的に形成されて、洗浄液供給部24を回転軸とする回転手段に接続されている。この回転手段を駆動することによって、コーナピン12などに支持されている基板が回転するように形成されている。一方で、飛散防止カップ22は、回転せずに固定されている。飛散防止カップ22は、レジスト液がスピンコータユニットの外側に飛び出さないように、レジスト液の飛散を防止するものである。レジスト液を基板に滴下するレジストノズルは、飛散防止カップ22の外側に配置されており、レジスト液を滴下するときに、基板配置領域50の上方であって、基板配置領域50の平面形状である長方形の重心位置の真上に移動できるように形成されている(図示せず)。
【0007】
図8に、洗浄管16が配設されている対角方向における拡大平面図を示す。図8(a)は、図6における左上の部分の拡大平面図であり、(b)は、右下の部分の拡大平面図である。洗浄管16は、基板配置領域50の角の部分の一定領域に洗浄液を噴射できるように環状に配設され、洗浄管16の上側には、洗浄液放出口17が複数個形成されている。洗浄液は、洗浄液供給部から洗浄管16に供給されて、洗浄液放出口17から基板の裏面に対して噴射される。洗浄管16は、図8(a)および(b)に示すように、洗浄液供給部に対して対称になるように形成されている。
【0008】
図9は、スピンコータユニットに基板を配置して、レジスト液を滴下した直後の平面図である。基板1は、基板搬送装置によって運搬され、主表面が水平になるように配置される。この際、基板を保持する基板運搬装置の爪は、アーム導入部23に挿入される。基板1の回転においては、図9における飛散防止カップ22より内側に形成されている部材と基板とが一体的に回転する。すなわち、基板1は、整流板10、洗浄液供給部および洗浄管などとともに回転する。基板1は、矢印40に示す向きに回転する。基板1の回転を開始する前に、基板1の平面形状における重心位置にレジスト液2を滴下する。滴下された直後のレジスト液2は、図9に示すように、基板の主表面においてほぼ円形になる。基板の回転運動に伴う周りの気体の乱れは、整流板10によって抑制される。整流板10は、広がるレジスト液の乱れを防止する役割を果たす。
【0009】
図10に、レジスト液が広がっていく様子を説明する平面図を示す。レジスト液2は、遠心力によって基板1の主表面全体に拡散されて、一定の膜厚のレジスト膜を形成する。レジスト液が広がる過程において、レジスト液2は等方的に広がらずに、矢印34の方向には速く広がり、矢印35の方向には遅く広がる。このため、レジスト液2は、楕円形の形で基板1の主表面上で広がっていく。
【0010】
レジスト液2が速く広がる矢印34の対角方向には、基板1の裏側に洗浄管16が配設されている(図6参照)。レジスト液2は、基板1の外縁のうち、矢印34に示す方向との交点に最初に到達する。図8において、この到達部分をAで示す。基板1の外縁に到達したレジスト液2の一部は、基板1の側面を伝って裏面に回り込む。裏面に回り込んだレジスト液2は、洗浄管16の洗浄液放出口17から噴射された洗浄液によって除去される。基板1の裏面に噴射される洗浄液も、基板1が回転することによる遠心力により拡散され、基板1の外側に向かうように移動しながら基板1の裏面を洗浄する。
【0011】
基板の裏面の洗浄に関しては、特開平6−20935号公報において、基板の裏面に形成されている整流板を基板に近づけるとともに、洗浄管を基板の内側に配置するレジスト塗布装置が開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平6−20935号公報(第2,3頁、第1図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記のとおり、基板の主表面に滴下されたレジスト液の広がり方は、360°の方向に均等に広がらずに楕円状に広がっていく。広がる速度の速い楕円の長軸方向において、基板の外縁まで到達したレジスト液が、その勢いで基板から飛び出して整流板に衝突して、その一部が跳ね返って基板の裏側に付着するということがあった。
【0014】
基板の裏側には、裏側の洗浄が行なえるように洗浄管が配設されているが、レジスト液の跳ね返りまでは考慮されていない。このため、レジスト液が跳ね返った部分全体を洗浄することができず、基板の裏面にレジスト液が残ってしまうという問題があった。基板の裏面にレジスト液が残ると、レジスト液を塗布する工程以降のフォトリソグラフィプロセス、またはフォトリソグラフィプロセス以降の工程で残存したレジストが剥がれることがあり、塵が発生してパターニング不良などを起こすことがあった。この結果、歩留まりが悪くなるという問題があった。また、上記の特許文献1のレジスト塗布装置においても、レジスト液の跳ね返りによる裏面汚染の問題までは考慮されていなかった。
【0015】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、レジスト液の跳ね返りによる裏面汚染を防止するレジスト塗布装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に基づくレジスト塗布装置は、長手方向を有する基板の主表面を水平にした状態で保持する保持手段と、上記主表面と垂直な回転軸で上記保持手段を回転させる回転手段と、上記基板の裏面に洗浄液を噴射するための洗浄手段と、上記主表面の外縁に沿うように上記基板を囲む基板配置穴を有する整流板とを備える。上記基板配置穴は、跳返り防止切欠き部を有し、上記跳返り防止切欠き部は、上記基板のうち、上記回転手段によって上記基板を回転したときに、レジスト液が滴下される点から見て、上記レジスト液が広がる速度が最も速い方向に配置されている。上記跳返り防止切欠き部は上記基板配置穴の内側面おいて外向きに窪む凹部として形成されており、該跳返り防止切欠き部の外側も上記整流板により囲まれている。この構成を採用することにより、上記レジスト液の跳ね返りによる裏面汚染を防止できるレジスト塗布装置を提供することができる。
【0017】
上記発明において好ましくは、上記基板は、ほぼ長方形の平面形状を有し、上記跳返り防止切欠き部は、上記基板配置穴のほぼ角になる位置から上記長手方向に向かって形成され、上記長方形の互いに対角となる位置にそれぞれ1つずつ形成されている。この構成を採用することにより、平面形状がほぼ長方形の上記基板に対して、上記レジスト液の跳ね返りを防止しながら上記レジスト液の塗布を行なうことができる。
【0018】
上記発明において好ましくは、上側から見たときに、上記基板を右回りに回転させる上記回転手段を含み、上記跳返り防止切欠き部は、上記長手方向が上下方向になるように見たときに、上記長方形の左上側と右下側とに形成されている。この構成を採用することにより、上記基板の上側から見たときに、右回りに回転させるレジスト塗布装置に対して、上記跳返り防止切欠き部の数を最小限にすることができる。
【0019】
上記発明において好ましくは、上記跳返り防止切欠き部は、上記角の側から切欠きが徐々に大きくなるようなほぼ直角三角形の形状に形成され、上記長手方向と垂直な方向の辺を含む。さらに、上記長手方向の長さがほぼ175mm、上記長手方向と垂直な辺の長さがほぼ25mmである。この構成を採用することにより、上記平面形状が長方形で、大きさが360mm×465mmの汎用的な上記基板に対して、効果的に上記レジスト液の跳ね返りを防止することができる。
【0020】
上記発明において好ましくは、上記洗浄手段は、少なくとも上記角から上記長手方向に180mm、上記長手方向に垂直な方向に100mmの長さで囲まれる領域に、上記洗浄液を噴射するように形成されている。この構成を採用することにより、上記の大きさを有する上記基板の裏面に跳ね返った上記レジスト液を、上記洗浄液で除去することができ、上記基板の裏面に上記レジスト液が残ることをより確実に防止することができる。
【0021】
上記発明において好ましくは、上記レジスト液を上記基板の主表面の重心位置に滴下するためのレジスト液供給手段を備える。この構成を採用することにより、上記レジスト液が拡散する速度が最も速い方向を上記重心位置に対して対称にすることができる。
【0022】
上記発明において好ましくは、上記洗浄液として、レジストの溶剤を含む。この構成を採用することにより、上記基板の裏面の洗浄能力を向上させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(構成)
図1から図5を参照して、本発明に基づく実施の形態におけるレジスト塗布装置について説明する。
【0024】
図1は、本実施の形態におけるレジスト塗布装置としてのスピンコータユニットの主要部の平面図であり、図2は、図1のII−II線に関する矢視断面図である。本実施の形態におけるスピンコータユニットは、平面形状がほぼ長方形で360mm×465mmの大きさを有する汎用的な基板の主表面にレジストを配置するための装置である。
【0025】
スピンコータユニットの上面には、外形が円形の整流板10が配置され、整流板10の中央部には基板配置穴3が形成されている。整流板10は、主表面が水平になるように形成されている。処理が行なわれる基板は、主表面が水平になるように基板配置穴3内部の基板配置領域50に配置される。基板配置領域50の周りには、基板を保持するための保持手段を備える。保持手段は、基板支持ピン11およびコーナピン12を含む。基板支持ピン11は、基板配置領域50の下に形成され、基板を裏面から支える。基板配置領域50の4つの隅には、基板のそれぞれの角を支持するためのコーナピン12が形成され、基板が回転したときに回転方向に基板を支持する。コーナピン12は、1つの角に対して2つずつ形成され、1つの角を2方向から支持するように形成されている。
【0026】
整流板10の周りには、整流板10の外側の形状に沿うように、飛散防止カップ22が形成されている。基板配置領域50の下側には、基板の裏面に洗浄液を噴射するための洗浄手段が形成されている。洗浄手段は、洗浄液供給部24と洗浄管16とを含む。洗浄管16は、基板配置領域50の対角の方向に向かって形成されている。洗浄管16は、基板配置領域50の角の付近の領域を洗浄できるように環状に配設されている。
【0027】
整流板10は、基板配置穴3のそれぞれの辺にアーム導入部23を含む。アーム導入部23は、平面の形状がほぼ直角三角形になるように切欠かれた部分である。洗浄管16が配設されている対角の方向には、基板配置穴3に、跳返り防止切欠き部19が形成されている。跳返り防止切欠き部19は、基板配置穴3の平面形状のほぼ角から長手方向に向かって形成されている。跳返り防止切欠き部19は、アーム導入部23よりも大きく切欠かれている。跳返り防止切欠き部19は、洗浄管16が配設されている対角の方向にそれぞれ1つずつ形成されている。跳返り防止切欠き部19は、基板配置領域50の長手方向が上下方向になるように見たときに、基板配置穴3のの左上側と右下側に形成されている。この方向は、基板を回転したときにレジスト液が広がる速度が最も速い方向である。
【0028】
図2において、支持ピン11は、基板の主表面が水平になるようにすべて同じ高さで形成され、コーナピン12は、基板の両側から挟むように形成されている。これらの保持手段は一体的に形成され、スピンドル15によって支えられている。スピンドル15は回転モータに接続され、スピンドル15の長手方向を回転軸として、保持手段全体が回転するように形成されている。すなわち、スピンコータユニットは、基板配置領域50の主表面に垂直な回転軸で保持手段を回転させる回転手段を含んでいる。
【0029】
整流板10の外側には、飛散防止カップ22が形成されている。飛散防止カップ22は、整流板10が配置されている高さよりも高くなるように整流板10の外縁から間隔をあけて形成されている。飛散防止カップ22の下側には、洗浄液を排出するための廃液管20が形成されている。廃液管20の隣には、廃液管20とほぼ平行になるように排気管21が形成されている。廃液管20および排気管21は、飛散防止カップ22と同様に、固定されていて回転しない。スピンドル15は、基板配置領域の平面形状である長方形の重心位置の真下に形成されており、この重心位置の真上には、レジスト液を基板に滴下する際に、レジスト液供給手段としてのレジストノズル18が配置される。レジストノズル18は、レジスト液を滴下するときに、基板の上部に移動できるように形成されている。
【0030】
図3に、洗浄管16が配設されている対角方向における基板配置穴3の角の付近の拡大平面図を示す。図3(a)は、図1における左上の部分の拡大平面図であり、(b)は、右下の部分の拡大平面図である。それぞれの基板配置穴の角において、洗浄管16は環状に配設されている。洗浄管16には、洗浄液放出口17が複数個形成され、基板の裏側に洗浄液を噴射することができるように形成されている。本実施の形態においては、長さ28に示すように基板配置穴3の角から基板配置領域50の長手方向に175mm、長さ27に示すように上記の角から基板配置領域50の長手方向に垂直な方向に100mmの範囲で囲まれる領域に洗浄液を噴射することができるように形成されている。洗浄液を噴射できる範囲は、従来の技術によるスピンコータユニットより大きくなるように形成されている。特に、基板配置領域50の長手方向の長さが長くなるように形成されている。洗浄液としては、レジスト溶剤を含む洗浄液を使用している。
【0031】
洗浄管16が配設されている対角方向に形成されている跳返り防止切欠き部19は、ほぼ直角三角形に形成されている。跳返り防止切欠き部19は、基板配置穴3の角の側から徐々に切欠きが大きくなるように形成されている。跳返り防止切欠き部19は、基板配置領域50の長手方向に垂直な辺を含む。本実施の形態における、上記の長手方向に垂直な辺の長さ25は25mmである。一方で、上記の長手方向に平行な長さ26は175mmである。図3(a)に示した図1の左上における部分と(b)に示した図1の右下における部分は、対称になるように形成されている。
【0032】
上記以外のレジスト塗布装置の構成については、従来の技術に基づくレジスト塗布装置と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
【0033】
(作用・効果)
図4は、スピンコータユニットに基板1を配置して、レジスト液を滴下したときの平面図である。基板1は、裏面から基板支持ピンに支えられ(図2参照)、基板1の平面形状における4つの角において、コーナピン12に支持されて固定されている。
【0034】
基板1は、回転手段を駆動することによって、保持手段とともに矢印40の向きに回転する。本実施の形態におけるスピンコータユニットは、上側から見たときに時計回りの方向すなわち右回りに回転するように形成されている。整流板10や、基板支持ピン11などが一体的に回転するのに対して、飛散防止カップ22は停止している。
【0035】
図2において、保持手段は、スピンドル15に接続している回転用モータが駆動することによって回転する。スピンドル15は、基板1の平面形状における長方形の重心位置で支えるように形成され、レジスト液は、スピンドル15の延長上に移動されたレジストノズル18から滴下される。すなわち、レジスト液2は、基板1の重心位置に滴下される。このようなレジスト供給手段を備えることによって、基板の主表面に一様にレジストを形成することができる。また、レジスト液が拡散する方向を、重心位置に対して対称にすることができる。
【0036】
整流板10は、保持手段が回転するときの周りの気体の乱れを防止して、基板の主表面に、一様にレジスト液が拡散される役割を果たす。飛散防止カップ22は、整流板10の上側に乗ったレジスト液が、スピンコータユニットの外に飛散することを防止する。飛散防止カップ22に衝突したレジスト液および、洗浄液および余分なレジスト液は、矢印30に示すように、装置の下側に形成されている廃液管20から排出される。また、矢印31に示すように、排気管21を伝って、スピンコータユニットの内部の排気がレジスト液の塗布と同時に行なわれる。
【0037】
レジスト液2の配置においては、基板を回転させる前に、基板1の平面形状の重心位置にレジスト液2を滴下する。滴下された直後においては、図4に示すように、レジスト液2の平面形状はほぼ円形である。また、基板1を回転する前に、基板1の裏側に配置された洗浄管から洗浄液を噴射しておく。洗浄液は洗浄液供給部24から洗浄管16に供給され、洗浄液放出口17から放出される。このように、予めレジスト液を滴下して基板1の裏側の洗浄を行なっている状態で回転を開始する。基板は数千rpmで回転されて、レジスト液が主表面上で広がる。
【0038】
図5に、レジスト液が広がっているときの平面図を示す。基板1の回転運動によって、レジスト液2に遠心力が働き、四方にレジスト液2が広がっていく。このとき、矢印32の方向においては、レジスト液2の広がる速度が速く、一方で矢印33に示す方向ではレジスト液2の広がる速度が遅い。したがって、レジスト液2は、平面形状が楕円になるように拡散する。
【0039】
レジスト液2の拡散を継続すると、基板1の外縁のうち、図5に示す矢印32の方向の延長上の外縁に初めに到達する。図3に、レジスト液2が基板の外縁に初めに到達する部分をBとして示す。基板は高速で回転しているために、レジスト液2の一部は整流板10に向かって基板から飛び出す。ここで、跳返り防止切欠き部19が、レジスト液が広がる速度が最も速い方向に形成されていることによって、レジスト液2が基板の主表面から飛び出して整流板10の側面に衝突し、基板の裏面に戻る距離を長くすることができる。この結果、レジスト液の一部が基板1の裏面に付着することを防止することができる。
【0040】
また、跳返り防止切欠き部19が、基板の平面形状である長方形の角になる位置から基板の長手方向に向かって形成され、基板の形状である長方形の対角となる位置にそれぞれ1つずつ形成されていることによって、平面形状が長方形の基板に対して、本発明を適用することができる。
【0041】
本実施の形態においては、基板の平面形状の長方形の大きさが、360mm×465mmのものを使用している。跳返り防止切欠き部19は、基板配置穴3の角の側から切欠きが徐々に大きくなるほぼ直角三角形に形成され、基板の長手方向と平行な長さが175mm、基板の長手方向と垂直な方向の長さが25mmになるように形成されている。この構成を採用することによって、基板の端から、整流板10の側面までの距離を十分に大きくとることができ、レジスト液の跳ね返りを効果的に防止することができる。跳返り防止切欠き部は、基板の裏面にレジスト液が付着することを防止するとともに、基板を着脱するための基板保持装置の爪を挿入するアーム導入部としての役割も果たす。
【0042】
図3において、本実施の形態における洗浄管16は、基板配置穴の角から基板の長手方向に180mmの長さ28、長手方向に垂直な方向に100mmの長さ27で囲まれる領域に、洗浄液を噴射できるように形成されている。この領域は、従来の技術に基づくスピンコータユニットのものよりも大きい。この構成を採用することにより、レジスト液が、跳返り防止切欠き部19において跳ね返り、基板の裏側に付着したとしても、洗浄管16から噴射される洗浄液によって、レジスト液を確実に洗い流すことができる。
【0043】
本実施の形態においては、洗浄液にレジスト溶剤が含まれている。「レジスト溶剤」とは、レジスト液に含まれる液体を示す。本実施の形態におけるレジスト液は、乳酸エチルの中に樹脂分を溶解させている。基板の裏面を洗浄する洗浄液には、このレジスト液の成分と同じ乳酸エチルを含むものを使用している。このように、洗浄液にレジスト溶剤が含まれることによって、裏面に付着したレジスト液を除去する能力を向上させることができる。
【0044】
以上の構成を採用した本実施の形態におけるスピンコータユニットと、従来の技術によるスピンコータユニットとの性能比較試験を行なった。この結果、従来の技術によるスピンコータユニットを用いて基板にレジストを配置したときには20枚のうち18枚の基板に裏面へのレジスト液の付着が発生したのに対して、本実施の形態におけるスピンコータユニットでは、裏面へのレジスト液の付着を完全に防止でき、不良を0枚にすることができた。
【0045】
本実施の形態においては、跳返り防止切欠き部がほぼ直角三角形の形状に形成されているが、特にこの形状に限られず、たとえば、半円状に形成されていてもよい。また、本実施の形態におけるスピンコータユニットは、基板の平面形状がほぼ長方形であるが、特にこの形状に限られず、主表面に長手方向を有する形状の基板の処理に対して、本発明を適用することができる。また、処理を行なう基板の形状や回転数などに応じて、基板の主表面上を広がるレジスト液の速度が最も速い方向が異なってくる。したがって、跳返り防止切欠き部が形成される位置に関しては、この速度が最も速い方向に合わせて形成されることが好ましい。また、基板の裏面に洗浄液を噴射する領域についても、基板の形状、大きさ、回転速度などに応じて、洗浄領域を適宜調節することが好ましい。
【0046】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、基板の主表面上にレジスト液が広がる方向について、整流板に跳返り防止切欠き部を形成することによって、基板の裏側にレジスト液が付着することを防止することができる。さらに、基板の裏側の洗浄する範囲を大きくすることによって、レジスト液の付着をより効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態におけるレジスト塗布装置の主要部の平面図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態におけるレジスト塗布装置の断面図である。
【図3】 (a)および(b)は、跳返り防止切欠き部が形成されている部分の拡大平面図である。
【図4】 本発明に基づく実施の形態におけるレジスト塗布装置に基板を配置してレジスト液を滴下したときの平面図である。
【図5】 本発明に基づく実施の形態におけるレジスト塗布装置を駆動したときのレジスト液の広がり方を説明する平面図である。
【図6】 従来の技術に基づくレジスト塗布装置の主要部の平面図である。
【図7】 従来の技術に基づくレジスト塗布装置の断面図である。
【図8】 (a)および(b)は、従来の技術に基づくレジスト塗布装置の洗浄管が配設されている部分の拡大平面図である。
【図9】 従来の技術に基づくレジスト塗布装置に基板を配置してレジスト液を滴下したときの平面図である。
【図10】 従来の技術に基づくレジスト塗布装置を駆動したときのレジスト液の広がり方を説明する平面図である。
【符号の説明】
1 基板、2 レジスト液、3 基板配置穴、10 整流板、11 基板支持ピン、12 コーナピン、15 スピンドル、16 洗浄管、17 洗浄液放出口、18 レジストノズル、19 跳返り防止切欠き部、20 廃液管、21 排気管、22 飛散防止カップ、23 アーム導入部、24 洗浄液供給部、25,26,27,28 長さ、30,31,32,33,34,35 矢印、40 回転方向、50 基板配置領域。
Claims (7)
- 長手方向を有する基板の主表面を水平にした状態で保持する保持手段と、
前記主表面と垂直な回転軸で前記保持手段を回転させる回転手段と、
前記基板の裏面に洗浄液を噴射するための洗浄手段と、
前記主表面の外縁に沿うように前記基板を囲む基板配置穴を有する整流板と
を備え、
前記基板配置穴は、跳返り防止切欠き部を有し、
前記跳返り防止切欠き部は、前記基板のうち、前記回転手段によって前記基板を回転したときにレジスト液が滴下される点から見て、前記レジスト液が広がる速度が最も速い方向に配置されており、
前記跳返り防止切欠き部は前記基板配置穴の内側面おいて外向きに窪む凹部として形成されており、該跳返り防止切欠き部の外側も前記整流板により囲まれている、レジスト塗布装置。 - 前記基板は、ほぼ長方形の平面形状を有し、
前記跳返り防止切欠き部は、前記基板配置穴のほぼ角になる位置から前記長手方向に向かって形成され、前記長方形の互いに対角となる位置にそれぞれ1つずつ形成されている、請求項1に記載のレジスト塗布装置。 - 上側から見たときに、前記基板を右回りに回転させる前記回転手段を含み、
前記跳返り防止切欠き部は、前記長手方向が上下方向になるように見たときに、前記長方形の左上側と右下側とに形成されている、請求項2に記載のレジスト塗布装置。 - 前記跳返り防止切欠き部は、前記角の側から切欠きが徐々に大きくなるようなほぼ直角三角形の形状に形成され、前記長手方向と垂直な方向の辺を含み、前記長手方向の長さがほぼ175mm、前記長手方向と垂直な辺の長さがほぼ25mmである、請求項3に記載のレジスト塗布装置。
- 前記洗浄手段は、少なくとも前記角から前記長手方向に180mm、前記長手方向に垂直な方向に100mmの長さで囲まれる領域に、前記洗浄液を噴射するように形成された、請求項3に記載のレジスト塗布装置。
- 前記レジスト液を前記基板の主表面の重心位置に滴下するためのレジスト液供給手段を備える、請求項1に記載のレジスト塗布装置。
- 前記洗浄液として、レジストの溶剤を含む、請求項1に記載のレジスト塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196028A JP4274866B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | レジスト塗布装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003196028A JP4274866B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | レジスト塗布装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005032967A JP2005032967A (ja) | 2005-02-03 |
JP4274866B2 true JP4274866B2 (ja) | 2009-06-10 |
Family
ID=34206692
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003196028A Expired - Lifetime JP4274866B2 (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | レジスト塗布装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4274866B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4861082B2 (ja) * | 2006-07-19 | 2012-01-25 | 三菱電機株式会社 | 塗布装置 |
-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003196028A patent/JP4274866B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005032967A (ja) | 2005-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003209087A (ja) | 基板処理装置 | |
JP3414916B2 (ja) | 基板処理装置および方法 | |
US6062288A (en) | Processing apparatus | |
JPH07106233A (ja) | 回転式基板処理装置 | |
JP3177728B2 (ja) | 処理装置及び処理方法 | |
JP3818858B2 (ja) | 液処理装置 | |
JP2000133626A (ja) | 基板洗浄装置 | |
JPH05259060A (ja) | 塗布装置 | |
JP4274866B2 (ja) | レジスト塗布装置 | |
JP3580664B2 (ja) | 現像装置および現像方法 | |
JPH0582435A (ja) | 塗布装置 | |
JP4743735B2 (ja) | 基板処理装置および基板処理方法 | |
JPH10199852A (ja) | 回転式基板処理装置 | |
JP2001196300A (ja) | 液処理装置 | |
JP4005335B2 (ja) | 基板処理装置 | |
JP3169666B2 (ja) | 現像装置及び現像方法 | |
TWI231950B (en) | Substrate processing apparatus and cleaning method | |
JP3289208B2 (ja) | 洗浄処理方法及び洗浄処理装置 | |
JP3210893B2 (ja) | 処理装置および処理方法 | |
JP4011040B2 (ja) | 現像装置および現像方法 | |
JP2000252197A (ja) | 現像液供給方法及び現像装置 | |
JPH1147675A (ja) | 塗布装置及びその方法 | |
JP2003126756A (ja) | スピン処理装置 | |
JPH10242114A (ja) | ウエットエッチング処理方法およびその処理装置 | |
JP2909346B2 (ja) | 回転式塗布装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050810 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080603 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080730 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081007 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20090224 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120313 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130313 Year of fee payment: 4 |