JP4273540B2 - 貼り合わせ半導体基板及びその製造方法 - Google Patents

貼り合わせ半導体基板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2枚の半導体基板が接着されて形成される酸化膜を介さない貼り合わせ半導体基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、2枚の半導体基板が接着されて形成される貼り合わせ半導体基板として、2枚の半導体基板の間に酸化膜層を介在させたSOI(Silicon on Insulator)半導体基板と、直接又は部分的に酸化膜を介在させて接着させる貼り合わせ半導体基板が知られている。
【0003】
2枚の半導体基板が接着されて形成される貼り合わせ半導体基板は、不純物の種類や不純物の濃度が異なる半導体基板を貼り合わせて、一体化し貼り合わせ半導体基板を形成することができる。
【0004】
その他、このような貼り合わせ半導体基板は、急峻な不純物濃度分布とすることができる。
【0005】
また、部分的なSOI構造を有する貼り合わせ半導体基板を用いれば、直接接着領域に縦型パワー阻止(例えば、VDMOS)の形成や、SOI領域に理論回路等を形成することができる。このSOI構造を有する貼り合わせ半導体基板は、インテリジェントパワーICや、次世代VLSI用などの半導体基板として、注目されており、種々の構造を形成することが可能である。
【0006】
前述のような貼り合わせ半導体基板の製造方法は、従来において、半導体基板表面に親水性を有する自然酸化膜を形成することが必要条件となっている。
【0007】
このような従来方法においては、接合ー高温(1100℃)熱処理した半導体基板接着界面では、自然酸化膜に起因する酸化膜層が形成されてしまうという問題があった。
【0008】
このような問題点を解決するため、例えば、電子情報通信学会発行の信学技報SDM92ー146中「自然酸化膜を介さないシリコンウエハの直接接着」に記載されているように、まず、半導体基板を高濃度のフッ化水素溶液中に浸漬し、接合される表面をできるだけ多くのフッ素(以下「F」と称する。)で終端させた後、前記半導体基板を超純水中で、Fを水酸基(以下「OH基」と称する。)に置換し、このOH基の水素結合により、半導体基板同士を接合させて、高温熱処理(1100℃程度)することにより、2枚の半導体基板間に強固な共有結合して、貼り合わせ半導体基板を形成する。
【0009】
前記方法によれば、半導体基板同士を直接接着する場合においても、接着界面に酸化物が極めて少ない貼り合わせ半導体基板の形成が可能であることが報告されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記貼り合わせ半導体基板の接着は、十分なOH基及び吸着した水分子に起因する水素結合により行われている。
【0011】
このため、半導体基板表面におけるOH基密度が低下すると、接着強度が安定せずに、ボイドを発生するという問題がある。
【0012】
このため、前記方法においては、接合面に自然酸化膜を形成して、親水性を持たせる表面処理を行った後に、室温中で接着を行っている。
【0013】
しかし、この方法では、接着界面に絶縁膜のない貼り合わせ半導体基板を形成しようとする場合、接合面に形成された自然酸化膜は、1100℃〜1200℃程度の熱処理では、バルク中に拡散せず、接合界面に層状の酸化膜層となって残留し、抵抗増加をもたらすという問題がある。
【0014】
また、半導体基板を高濃度のフッ化水素溶液中に浸漬し、その後、前記半導体基板を超純水で表面処理を行った場合は、熱処理後の接合界面で、酸化膜層のない領域が形成されるが、局所的に酸化膜の塊りが発生し、この抵抗成分によって、電気特性上問題となるおそれがある。この場合に、OH基密度が低下しているため、室温での接着は弱くなり、ボイド不良が発生するという問題がある。
【0015】
そこで、本発明は、2枚の半導体基板を接着して貼り合わせ半導体基板を形成する場合に、接合面に自然酸化膜を形成して室温で安定に接着させ、接着界面に介在する酸化膜を除去することにより、全く酸化膜が存在しない貼り合わせ半導体基板を製造する方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本願第1請求項に記載した発明は、2枚の半導体基板の鏡面研磨された各接合面を直接接合して、接合面に異物が介在しない貼り合わせ半導体基板の製造方法において、少なくとも一方の半導体基板表層の酸素濃度が3×1017cm 3以下である2枚の半導体基板を室温で貼り合わせた後、窒素雰囲気にて、1100〜1200℃、2時間以上の第1高温熱処理を行い、前記2枚の半導体基板を接合する工程と、前記接合された半導体基板の少なくとも一方の面を10 μ m 以下の厚さまで研削・研磨する工程と、前記接合された半導体基板を、アルゴン雰囲気にて、1100〜1300℃、2時間以上の第2高温熱処理を行い、前記2枚の半導体基板の接合面に存在する自然酸化膜を消滅させる工程とを備えた貼り合わせ半導体基板の製造方法である。
【0017】
このように、2枚の半導体基板を接合して形成する貼り合わせ半導体基板において、例えば、接合面に自然酸化膜を形成して親水性を持たせる表面処理を行った後、2枚の半導体基板を貼り合わせ、その後、例えば、室温中で貼り合わせられた半導体基板に1100℃〜1200℃の高温熱処理を行う。このときに貼り合わせられた半導体基板の接合界面には、自然酸化膜による酸化膜層が存在していることとなる。その後、少なくとも一方の基板の接合界面から所定の厚さとなるように研削・研磨した後、酸化性以外の雰囲気中で1100℃〜1300℃の高温熱処理を2時間以上施すことにより、研削・研磨で所定厚さ(好ましくは 10 μ m 以下)に薄膜化された基板のシリコン層中の酸素濃度は、外方拡散により低濃度化される。このため、接合界面に存在する酸化膜は、低濃度化されたシリコン層中に拡散しやすくなる。従って、貼り合わせられた半導体基板の接合界面には酸化膜を介さない貼り合わせ半導体基板が製造される。
【0018】
加えて貼り合わせ半導体基板を形成する2枚の半導体基板のうち、少なくとも一方の半導体基板の表層の酸素濃度が、3×1017cm 3以下であることを特徴とする。
【0019】
このように、貼り合わせ半導体基板を形成する2枚の半導体基板のうち、少なくとも一方の半導体基板の表層の酸素濃度が、3×1017cm 3以下である半導体基板を用い、貼り合わせ半導体基板を形成すると、貼り合わせられた後、アルゴン雰囲気中において1100℃〜1300℃の温度で熱処理されると、基板中の酸素は、外方拡散により、表面にいくほど酸素濃度が低下していく。酸素濃度が低下した基板表面の酸素濃度低下領域に酸化膜が存在すると、酸化膜は、シリコン層中に拡散されていく。このため、自然酸化膜程度酸素濃度3×1017cm 3程度の薄酸化膜は、シリコン層中に拡散されるため、この半導体基板の製造方法により、接合界面に酸化膜を介在しない、貼り合わせ半導体基板が形成される。
【0020】
本願第4請求項に記載された発明は、2枚の半導体基板の鏡面研磨された各接合面を直接接合して、接合面に異物が介在しない貼り合わせ半導体基板であって、少なくとも一方の半導体基板表層の酸素濃度が3×1017cm 3以下である2枚の半導体基板を室温で貼り合わせた後、窒素雰囲気にて、1100〜1200℃、2時間以上の熱処理を行って、前記2枚の半導体基板を接合し、前記接合された半導体基板の少なくとも一方の面を10 μ m 以下の厚さまで研削・研磨し、前記接合された半導体基板を、アルゴン雰囲気中にて、1100〜1300℃、2時間以上の熱処理を行い、前記2枚の半導体基板の接合面に存在する自然酸化膜を消滅させることで形成される、半導体基板である。
【0021】
このように、2枚の半導体基板が接合されて形成される貼り合わせ半導体基板において、例えば、接合面に自然酸化膜を形成して親水性を持たせる表面処理を行った後、少なくとも一方の半導体基板表層の酸素濃度が 3 × 10 17 cm 3 以下である2枚の半導体基板を貼り合わせ、その後、少なくとも一方の面を研削・研磨により薄膜化(薄膜化された一方の半導体基板の厚さが好ましくは 10 μ m 以下)し、その後1100℃〜100℃の温度で熱処理を行うと、外方拡散により基板中の酸素が低濃度化され、この表面の酸素濃度低下領域に存在する酸化膜は、基板中に拡散されやすくなるため、接合界面に酸化膜が介在しない貼り合わせ半導体基板が形成される。
【0023】
このように、自然酸化膜程度の超薄酸化膜が接着界面に存在する場合、2枚の貼り合わせ半導体基板を所定温度で熱処理することにより、基板中の酸素が外方拡散により低濃度化され、この酸素濃度低下領域に存在する酸化膜が、基板中に拡散する。このため、例えば、酸素濃度3×1017cm-3程度の超薄酸化層である自然酸化膜は基板中に拡散されて、酸化膜を介在しない貼り合わせ半導体基板が形成される。
【0024】
この場合、2枚の前記半導体基板が貼り合わせられた後、所定温度(1100〜1300℃)によって熱処理が施されて、基板中の酸素及び接合界面に介在する酸化膜が拡散する場合は、前記熱処理前の基板中の酸素濃度が低いほど、かつ、前記熱処理時間が長い程(2時間以上)、自然酸化膜程度の極薄酸化膜は、表面から深いところ、好適には前記貼り合わせウェーハの表面から 10 μ m 以上の深さ位置で消滅することとなる。
【0025】
従って、貼り合わせ半導体基板を形成する基板中の酸素濃度が低く、かつ、熱処理温度が高い程、接着界面に存在する酸化膜が完全に除去される。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体例に基づいて詳細に説明する。
【0027】
本発明に係る具体例に用いる半導体基板は、以下のように形成した貼り合わせ半導体基板を用いた。
【0028】
図1は、本発明の具体例に用いた半導体基板の製造方法を示す工程図である。
【0029】
図1に示すように、本発明の具体例に用いた2枚の半導体基板1,2は、基板中の酸素濃度14×1017cm-3のものを用いた。前記半導体基板の少なくとも接合面となる面に自然酸化膜3を形成する表面処理を行った後(図1中(1))、前記2枚の半導体基板1,2を室温中で接合させた(図1中(2))。その後、以下に示す所定処理を行い、貼り合わせ半導体基板4を形成した。
【0030】
まず、室温で貼り合わせた半導体基板1,2を温度1100℃で、2時間の熱処理を窒素(N2)雰囲気中で行った。前記方法で形成した貼り合わせ半導体基板をサンプルAとする。また、前記1100℃で2時間の熱処理を行った後、更に、アルゴン(Ar)雰囲気中で、1300℃の熱処理を行った貼り合わせ半導体基板をサンプルBとする。また、前記酸素濃度14×1017cm-3の半導体基板2枚を貼り合わせた後、一方の半導体基板をSG(Surface Grinder)で接着界面から10μmまで研削した後(図1中(3))、温度1300℃で、2時間の熱処理をアルゴン(Ar)雰囲気下で行った貼り合わせ半導体基板4をサンプルCとする(図1中(4))。
【0031】
前記貼り合わせ半導体基板のサンプルA,B,Cの断面をTEM(Transmission Electron Microscopy:透過型電子顕微鏡)で観察した。
【0032】
結果を図2に示す。図2は、前記サンプルA,B,Cの断面をTEMで観察した場合の埋込酸化膜の厚さを示す図である。
【0033】
図2に示すように、1100℃、2時間、窒素雰囲気下で熱処理を行ったサンプルAは、接着界面に40オングストロームの酸化膜層が観察された。前述したように、サンプルAは、他のサンプルB,Cのように、アルゴン(Ar)雰囲気中において、1300℃、2時間の熱処理は行っていない。
【0034】
また、1100℃、2時間、窒素雰囲気下で熱処理を行った後、1300℃、2時間、アルゴン(Ar)雰囲気中において形成したサンプルBは、接着界面に酸化膜が全く存在しない領域と、200〜300オングストロームの酸化膜層が存在する領域が島状に観察された。
【0035】
また、1100℃、2時間、窒素雰囲気下で熱処理を行った後、接着された半導体基板の一方を接着界面から10μmの厚さに薄膜化を行った後に、1300℃、2時間、アルゴン(Ar)雰囲気中で形成したサンプルCは、接着界面に全く酸化膜が介在していなかった。
【0036】
図3に、TEMで観察したサンプルCの断面図を示す。
【0037】
図3に示すように、接着界面には、酸化膜が介在していないことが確認できる。
【0038】
この結果から、自然酸化膜層が形成された半導体基板を2枚貼り合わせ、前記貼り合わせ半導体基板の少なくとも一方を接着界面から10μmの厚さまで薄膜化した後、アルゴン雰囲気中、1300℃で2時間の高温熱処理を施すことにより、前記薄膜化された半導体基板から10μmの深さに存在していた40オングストローム程度の酸化膜が消滅することが確認できた。
【0039】
次に、本発明の第2の具体例について説明する。
【0040】
本発明に係る具体例に用いる半導体基板は、以下のように形成した貼り合わせ半導体基板を用いた。
【0041】
本発明の第2の具体例に用いた2枚の半導体基板は、基板中の酸素濃度14×1017cm-3のものを用いた。前記半導体基板の一方の半導体基板に2100オングストロームの熱酸化膜を形成した。その後、前記半導体基板の少なくとも接合面となる面に自然酸化膜を形成する表面処理を行った後、前記2枚の半導体基板を室温中で接合させた。その後、以下の処理を行って、貼り合わせ半導体基板を形成した。
【0042】
まず、前記2枚の半導体基板を貼り合わせた後、温度1100℃で、2時間の熱処理を窒素(N2)雰囲気中で行った。前記方法で形成した貼り合わせ半導体基板をサンプルA’とする。また、前記1100℃で2時間の熱処理を行った後、更に、アルゴン(Ar)雰囲気中で、1300℃の熱処理を行った貼り合わせ半導体基板をサンプルB’とする。また、前記酸素濃度14×1017cm-3の半導体基板2枚を貼り合わせた後、一方の半導体基板をSGで接着界面から10μmまで研削した後、温度1300℃で、2時間の熱処理をアルゴン(Ar)雰囲気下で行った貼り合わせ半導体基板をサンプルC’とする。
【0043】
前記貼り合わせ半導体基板のサンプルA’,B’,C’の断面をTEMで観察した。
【0044】
結果を図4に示す。図4は、前記サンプルA’,B’,C’の断面をTEMで観察した場合の埋込酸化膜の厚さを示す図である。
【0045】
図4に示すように、1100℃、2時間、窒素雰囲気下で熱処理を行ったサンプルA’は、接着界面に2100オングストロームの酸化膜層が観察された。前述したように、サンプルA’は、他のサンプルB’,C’のように、アルゴン(Ar)雰囲気中において、1300℃、2時間の熱処理は行っていない。
【0046】
また、1100℃2時間窒素雰囲気下で熱処理を行った後、1300℃、2時間、アルゴン(Ar)雰囲気中において形成したサンプルB’においても、接着界面に2100オングストロームの酸化膜層が観察された。
【0047】
また、1100℃、2時間、窒素雰囲気下で熱処理を行った後、接着された半導体基板の一方を接着界面から10μmの厚さに薄膜化を行った後に、1300℃、2時間、アルゴン(Ar)雰囲気中で形成したサンプルC’は、接着界面に2025オングストロームの酸化膜層が観察された。
【0048】
この結果から、所定厚さの酸化膜層が形成され、前記酸化膜層ととともに自然酸化膜層が形成された貼り合わせ半導体基板においても、少なくとも一方の半導体基板が接着界面から10μmの厚さまで薄膜化された後、アルゴン雰囲気中で、1300℃、2時間の高温熱処理を施すことにより、前記薄膜化された半導体基板から10μmの深さに存在していた酸化膜層から85オングストロームの酸化膜層が除去されていることが確認できた。
【0049】
従って、2枚の半導体基板を室温で貼り合わせた後、前記貼り合わせた半導体基板の接着界面から10μmの厚さに半導体基板を研削・除去し、その後、酸化性以外の雰囲気中で1300℃、2時間の高温熱処理することにより、基板中の酸素が外方拡散され、接着界面に存在する酸化膜層が、半導体基板の低濃度領域に拡散されて、酸化膜層が介在しない貼り合わせ半導体基板を形成することができる。
【0050】
次に、半導体基板中の酸素濃度が14×1018cm-3の半導体基板を用いて、貼り合わせ半導体基板を形成し、その後、酸化性以外の雰囲気中、1300℃の高温で、2時間又は4時間、熱処理した場合、酸素の外方拡散により、表面から深さ方向に酸素濃度がどのように変化するか調べた。
【0051】
図5は、酸素濃度を深さ方向に測定した結果を示す図である。
【0052】
具体例1,2により、表面から10μmの位置で酸化膜(85オングストローム以下の酸化膜)が消滅していることから、この位置での酸素濃度は、3×1017cm-3であり、これ以下の酸素濃度であれば、85オングストローム以下の酸化膜は、半導体基板中に拡散し、消滅する。また、1300℃で4時間の熱処理を行った場合、酸素の外方拡散が進み、酸素濃度3×1017cm-3となる位置は、表面から20μmの位置となり、表面から深い位置で消滅させることができる。
【0053】
このように、半導体基板中の酸素濃度が低いほど、また酸素の外方拡散が多いほど、半導体基板表面から深い位置の酸化膜が除去される。
【0054】
従って、半導体基板中の酸素濃度の低酸素化によって、接着界面に存在する酸化膜を半導体基板中に拡散させて、酸化膜が介在しない貼り合わせ半導体基板を形成することが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、2枚の半導体基板が接着されて形成される酸化膜を介さない貼り合わせ半導体基板の製造方法において、2枚の半導体基板を接着する工程と、前記接着された半導体基板の少なくとも一方の面を研削・研磨する工程と、前記接着された半導体基板を、酸化性以外の雰囲気中において、所定条件温度にて熱処理する工程を備えた酸化膜を介さない貼り合わせ半導体基板及びその製造方法である。
【0056】
このように、2枚の半導体基板を接合して形成する貼り合わせ半導体基板において、例えば、接合面に自然酸化膜を形成して親水性を持たせる表面処理を行った後、2枚の半導体基板を貼り合わせ、その後、例えば、室温中で貼り合わせられた半導体基板に1100℃〜1200℃の高温熱処理を行う。このときに貼り合わせられた半導体基板の接合界面には、自然酸化膜による酸化膜層が存在していることとなる。その後、少なくとも一方の基板の厚みを所定厚さ(好ましくは 10 μ m 以下)に研削・研磨した後、アルゴン雰囲気中で1100℃〜1300℃の高温熱処理を施すことにより、研削・研磨で所定厚さに薄膜化された基板のシリコン層中の酸素濃度は、外方拡散により低濃度化される。このため、接合界面に存在する酸化膜は、低濃度化されたシリコン層中に拡散しやすくなる。従って、貼り合わせられた半導体基板の接合界面には、実質的に酸化膜を介さない貼り合わせ半導体基板を得ることができる。
【0057】
また、貼り合わせられる2枚の半導体基板の少なくとも一方の半導体基板の表層の酸素濃度が、3×1017cm-3以下である半導体基板を用いることにより、所定温度、及び、処理時間の条件の熱処理条件で、基板中の酸素が、外方拡散により、表面にいくほど酸素濃度が低下し、この基板表面の酸素濃度低下領域に存在する酸化膜が基板中に拡散されて、接着界面に全く酸化膜が介在しない、貼り合わせ半導体基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例に係り、貼り合わせ半導体基板の製造方法を示す工程図である。
【図2】本発明の具体例に係り、各処理によって形成した貼り合わせ半導体基板の接着界面に介在する酸化膜の膜厚を測定した図である。
【図3】本発明の具体例に係り、形成した貼り合わせ半導体基板のサンプルCの断面をTEMで測定した図である。
【図4】本発明の第2の具体例に係り、各処理によって形成した貼り合わせ半導体基板の接着界面に介在する酸化膜の膜厚を測定した図である。
【図5】本発明の具体例に係り、半導体基板中の酸素濃度と、酸化膜が消滅する表面からの深さの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 半導体基板
3 自然酸化膜
4 貼り合わせ半導体基板
5 貼り合わせ半導体基板

Claims (4)

  1. 2枚の半導体基板の鏡面研磨された各接合面を直接接合して、接合面に異物が介在しない貼り合わせ半導体基板の製造方法において、
    少なくとも一方の半導体基板表層の酸素濃度が3×1017cm 3以下である2枚の半導体基板を室温で貼り合わせた後、窒素雰囲気にて、1100〜1200℃、2時間以上の第1高温熱処理を行い、前記2枚の半導体基板を接合する工程と、
    前記接合された半導体基板の少なくとも一方の面を10 μ m 以下の厚さまで研削研磨する工程と、
    前記接合された半導体基板を、アルゴン雰囲気にて、1100〜1300℃、2時間以上の第2高温熱処理を行い、前記2枚の半導体基板の接合面に存在する自然酸化膜を消滅させる工程とを備えることを特徴とする貼り合わせ半導体基板の製造方法。
  2. 前記貼り合わせ半導体基板は、その表面から10μm以上の深さ位置での酸素濃度が、3×1017cm 3以下であることを特徴とする請求項記載の貼り合わせ半導体基板の製造方法。
  3. 2枚の半導体基板の鏡面研磨された各接合面を直接接合して、接合面に異物が介在しない貼り合わせ半導体基板であって、
    少なくとも一方の半導体基板表層の酸素濃度が3×1017cm 3以下である2枚の半導体基板を室温で貼り合わせた後、窒素雰囲気にて、1100〜1200℃、2時間以上の熱処理を行って、前記2枚の半導体基板を接合し、
    前記接合された半導体基板の少なくとも一方の面を10 μ m 以下の厚さまで研削・研磨し、
    前記接合された半導体基板を、アルゴン雰囲気にて、1100〜1300℃、2時間以上の熱処理を行い、前記2枚の半導体基板の接合面に存在する自然酸化膜を消滅させることで形成されることを特徴とする貼り合わせ半導体基板。
  4. 前記貼り合わせ半導体基板は、その表面から10μm以上の深さ位置での酸素濃度が、3×1017cm 3以下であることを特徴とする請求項記載の貼り合わせ半導体基板。
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