JP4273321B2 - 波長板 - Google Patents
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Description
ここで、1/4波長板とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/4の光路差(したがって、π/2の位相差)を与えるものである。上記光ピックアップ装置においては、レーザー光源から直線偏光(S波)が照射され、PBSを通り、1/4波長板を通ることで直線偏光が円偏光となり、集光レンズにより光学記録媒体に照射される。光学記録媒体から反射された戻り光は、再び同じ経路をたどり、1/4波長板を通ることで円偏光が90度方位を変換されて直線偏光(P波)となり、PBSを通過し、光検出器に導かれるように構成されている。
また、書き換え型光磁気ディスク装置として、レーザー光源からの照射光が、偏光子、PBSを通り光磁気ディスクに照射され、光磁気ディスクで反射された戻り光が、再びPBSを通り、光検出器にいたる光路の途中位置に1/2λ波長板(以下「1/2波長板」ともいう)が配置されたものも知られている。
ここで、1/2波長板とは、特定波長の直交する2つの偏光成分の間にλ/2の光路差(したがって、πの位相差)を与えるものである。
そこで、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリル系樹脂などの透明樹脂フィルムを延伸し配向させることにより得られた、複屈折性(透過光に位相差を与える機能)を付与したフィルム(以下、「位相差フィルム」という。)を、平坦性、定形性維持のためガラス基板に接着したり、2枚のガラス基板で挾持したりした波長板が提案されている。さらに、高分子液晶膜を、平坦性、定形性維持および分子配向のためにガラス基板上に形成したり、2枚のガラス基板で挾持したりして複屈折性を付与した波長板も提案されている。
従来、係る波長板に位相差フィルムを用いる場合には、一軸延伸加工された位相差フィルムが主に使用されている。しかしながら、一軸延伸加工された位相差フィルムを使用した波長板の場合には、延伸加工に伴い得られた延伸フィルムにいわゆる「うねり」が発生して波面収差の悪化が起こり、S/N不良やジッターの許容範囲からの逸脱が発生してしまったり、使用環境によっては、長期の連続使用によりフィルムの熱収縮によって波長板内部に歪が発生し収差が徐々に変化して、結果として初期に得られていた良好な特性が保持できなかったりする問題が指摘されている。
γ=(|α−β|/Re)×10 4 ……… 式(a)
[式(a)中、αは主延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表し、βは副延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表す。また、Reは、位相差フィルムの波長590nmにおける位相差値(nm)を表す。]
ここで、本発明に用いられる上記環状オレフィン系樹脂は、好ましくは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000である。
また、本発明の波長板は、上記位相差フィルムを少なくとも2枚以上積層してなる波長板であって、主延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率の差が、各フィルムにおいて絶対値で0.08%以下であることが好ましい。
さらに、本発明の波長板は、上記のように、上記位相差フィルムを少なくとも2枚以上積層している場合、各位相差フィルムの光軸が実質的に交差していることが好ましい。
さらに、本発明の波長板は、位相差フィルムの少なくとも1枚が透明基材に接着固定されていることが好ましい。
本発明において、位相差フィルムの位相差は、位相差フィルムの進相軸方向と遅相軸方向のそれぞれの屈折率の差の絶対値とフィルムの厚みの積で定義される値である。
また、本発明においては、二軸延伸を行う場合に各軸方向の延伸倍率に差を設けることが好ましく、延伸倍率が大きい方向を「主延伸方向」、小さい方向を「副延伸方向」と定義する。
(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体。
(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環重合体の水素添加重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した重合体。
(5)下記一般式(I)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)下記一般式(I)で表される特定単量体と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型共重合体およびその水素添加重合体。
(7)下記一般式(I)で表される特定単量体とアクリレートとの交互共重合体。
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5 ]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5 ]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
上記特定単量体の極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。
シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3 Al、(C2 H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
得られる開環重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
<水素添加触媒>
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
これらの水素添加触媒は、開環重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用される。
なお、分子内に芳香族基を有する場合、係る芳香族基は屈折率や複屈折性付与の点で有用な場合もあるため、必ずしも水素添加される必要はなく、オレフィン性不飽和結合のみを選択的に水素添加することがあってもよい。
<フリーデルクラフト反応による環化>
上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3 、BF3 、FeCl3 、Al2O3 、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土、などのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
環化された開環重合体は、上記(1)または(2)の開環重合体と同様に水素添加できる。
<不飽和二重結合含有化合物>
不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
特定単量体/不飽和二重結合含有化合物の好ましい使用範囲は、重量比で90/10〜40/60であり、さらに好ましくは85/15〜50/50である。
<付加重合触媒>
上記(5)飽和共重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
ここで、チタン化合物としては、四塩化チタン、三塩化チタンなどを、またジルコニウム化合物としてはビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることができる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
上記電子供与体としては、アルコール、フェノール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸または無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、アルコキシシランなどの含酸素電子供与体、アンモニア、アミン、ニトリル、イソシアナートなどの含窒素電子供与体などが挙げられる。
上記において、例えばバナジウム化合物を用いる場合におけるバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
<ビニル系環状炭化水素系単量体>
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。
好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
本発明の(6)付加型共重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシクロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
また、上記付加型共重合体の水素添加共重合体は、上記(3)開環重合体の水素添加重合体と同様の水添法で得ることができる。
<アクリレート>
本発明の(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体を得るために使用するルイス酸の量は、アクリレート100モルに対して0.001〜1モルとなる量とされる。また、公知のフリーラジカルを発生する有機過酸化物またはアゾビス系のラジカル重合開始剤を用いることができ、重合反応温度は、通常、−20℃〜80℃、好ましくは5℃〜60℃である。また、重合反応用溶媒には、開環重合反応に用いられる溶媒と同じものを使用することができる。
なお、本発明でいう「交互共重合体」とは、上記特定単量体に由来する構造単位が隣接しない、すなわち、上記特定単量体に由来する構造単位の隣は必ずアクリレートに由来する構造単位である構造を有する共重合体のことを意味しており、アクリレート由来の構造単位どうしが隣接して存在する構造を否定するものではない。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量および重量平均分子量が上記範囲にあることによって、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の波長板として使用したときの位相差の安定性とのバランスが良好となる。
なお、上記の飽和吸水率はASTM D570に従い、23℃水中で1週間浸漬して増加重量を測定することにより得られる値である。
ここで、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)については、種々の文献(Polymer Journal,Vol.27,No,9 pp 943-950(1995),日本レオロジー学会誌,Vol.19,No.2,pp93-97(1991),光弾性実験法,日刊工業新聞社,昭和50年第7版に記載されており公知の事実であり、前者がポリマーのガラス状態での応力による位相差の発生程度を表すのに対し、後者は流動状態での応力による位相差の発生程度を表す。
光弾性係数(CP)が大きいことは、ポリマーをガラス状態下で使用した場合に外的因子または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表し、例えば本発明のように、積層した際の貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
一方、応力光学係数(CR)が大きいことは、環状オレフィン系樹脂フィルムに位相差の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリットがある。
以上のような見地から、光弾性係数(CP)が好ましくは0〜100(×10-12Pa-1)、さらに好ましくは0〜80(×10-12Pa-1)、特に好ましくは0〜50(×10-12Pa-1)、より好ましくは0〜30(×10-12Pa-1)、最も好ましくは0〜20(×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が100(×10-12Pa-1)を超えた場合には、本発明で用いられる積層位波長板においては、貼り合わせ時に発生する応力、使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化によって最適貼り合わせ光軸角度の許容誤差範囲からのずれが発生してしまい、波長板として使用した時に透過光量が低下してしまう場合があり好ましくない。
なお、本発明の環状オレフィン系樹脂中に含まれるゲル含有量は可能な限り少ないことが好ましく、通常、5重量%以下であり、好ましくは1重量%以下である。ゲルが多くなると、位相差フィルムとしたときに光学的な欠陥が多発する原因となることがある。
溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を適用すればよいが、例えば、本発明の環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させて適度の濃度の液にし、適当なキャリヤー上に注ぐかまたは塗布し、これを乾燥した後、キャリヤーから剥離させる方法が挙げられる。
以下に、溶剤キャスト法により環状オレフィン系樹脂フィルムを得る方法の諸条件を示すが、本発明は係る諸条件に限定されるものではない。
また、室温での上記溶液の粘度は、通常は1〜1,000,000mPa・s、好ましくは10〜100,000mPa・s、さらに好ましくは100〜50,000mPa・s、特に好ましくは1,000〜40,000mPa・sである。
また、上記以外でも、SP値(溶解度パラメーター)が、通常は10〜30(MPa1/2)、好ましくは10〜25(MPa1/2)、さらに好ましくは15〜25(MPa1/2)、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光学特性の良好な環状オレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
なお、後述する延伸工程を好適に行うためには、上記残留溶媒量を上記範囲内で適宜調節する必要がある場合がある。具体的には、延伸配向時の位相差を安定して均一に発現させるために、残留溶媒量を通常は10〜0.1重量%、好ましくは5〜0.1重量%、さらに好ましくは1〜0.1重量%にすることがある。
溶媒を微量残留させることで、延伸加工が容易になる、あるいは位相差の制御が容易になる場合がある。
また、主延伸方向の延伸倍率は、通常は1.01〜10倍、好ましくは1.1〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3.5倍である。主延伸方向の延伸倍率が10倍を超える場合、位相差の制御が困難になる場合がある。
一方、副延伸方向の延伸倍率は、主延伸方向より小さいことが好ましく、主延伸方向の倍率に対して副延伸方向の倍率は、通常は0.001〜30%、好ましくは0.01〜10%である。例えば、主延伸方向の倍率が2倍であったとすると、副延伸方向の延伸倍率は、通常は1.001〜1.3倍、好ましくは1.01〜1.1倍となる。副延伸方向の延伸倍率を上記範囲内とすることで、波面収差が小さく、使用環境や製造環境による収差の変化が少ない波長板を得ることができる。
なお、テンターなどによりフィルム幅を固定したまま縦一軸延伸した場合などにおいては、見掛け上副延伸方向の延伸倍率が1倍、すなわち、延伸されていないように見える場合もあるが、係る場合においても、縦一軸延伸により発生するネッキングのために本来収縮するはずのフィルム幅が、固定されているが故に変化しないのであって、実質的には延伸されている。このような場合の延伸倍率は、固定されていない場合の収縮したフィルム幅から見積もることができる。
γ=(|α−β|/Re)×104 ……… 式(a)
[式(a)中、αは主延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表し、βは副延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表す。また、Reは、位相差フィルムの波長590nmにおける位相差値(nm)を表す。]
なお、積層にあたっては、天然ゴム系、合成ゴム系、酢酸ビニル/塩化ビニルコポリマー系、シリコン系、ポリビニルエーテル系、アクリル系、変性ポリオレフィン系、エポキシ系あるいはウレタン系などの接着剤、紫外線硬化型接着剤、アクリル系粘着剤などの公知の光学用粘・接着剤を使用することができる。また、積層にあたって、位相差フィルムや透明支持体の表面をコロナ処理、プラズマ処理、カップリング剤処理あるいはアンカーコート処理などの下地処理を施すことがあってもよい。
反射防止膜の形成方法としては、例えば、フッ素系共重合体を有機溶媒に溶解して得られる溶液(JSR社製オプスターJN7215など)を、バーコーターなどを用いてキャスト法などにより上記フィルムやシート材や位相差板などの上に塗布形成し、プレスを用いて加熱し、硬化させる方法が挙げられる。加熱温度としては、通常は80〜165℃、好ましくは100〜150℃の温度で、加熱時間としては、通常は10分〜3時間、好ましくは30分〜2時間であるとされている。
反射防止膜の厚みは、通常は5〜2,000nm、好ましくは10〜1,000nm、さらに好ましくは50〜200nmとされている。5nm未満であると、反射防止効果が発揮できず、一方、2,000nmを超えると、塗膜の厚みにムラが生じやすくなり、外観などが悪化し好ましくないとされている。
また、蒸着法やスパッタ法を用いて、アルミニウム、マグネシウムあるいはケイ素などの透明無機酸化物の被覆層を設けて反射防止膜を形成することもできる。
係る無機系反射防止膜の場合、透明無機酸化物被覆層の厚みは、特定の光波長の1/4とされている。さらに、係る透明無機酸化物被覆層を多層積層することで、より反射防止性能を向上できるとされている。
一方、有機材料を使用する場合には、支持体に成形された状態で連続使用可能温度(1,000時間以上曝されても変形や着色が発生しない温度)が、通常は100℃以上、好ましくは120℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、水蒸気透過度が40℃、90%RHの条件下で、通常は20g/m2・24hr以下、好ましくは10g/m2・24hr以下、さらに好ましくは5g/m2・24hr以下のものが使用される。連続使用可能温度や水蒸気透過度が上記範囲外の場合、波長板として長期にわたり使用した時に、着色や変形のために初期特性が変化して問題が生じることがあり好ましくない。また、有機材料を使用する場合には、熱や応力による変形をより防ぐために、支持体の厚みは通常は0.5〜5mm、好ましくは0.5〜1mmである。厚みをこれよりも薄くすると、熱や応力により変形したり、あるいは水蒸気透過度が上記範囲を外れたりすることがあり、一方、厚くしすぎると加工しにくくなるとともに光線透過率が低下することがあり好ましくない。
透明支持体として使用できる有機材料としては、例えば、熱硬化型エポキシ樹脂、ポリアリレート、耐熱アクリル系樹脂、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、環状オレフィン系樹脂などが挙げられる。
なお、本発明の波長板を使用した光学情報記録再生装置は、前述のように音声、画像の記録に関して、再生専用記録媒体、追記型記録媒体、および書き換え可能型記録媒体のいずれにも適用でき、 CD−ROM、CD−R、書き換え可能DVDなどの記録装置およびそれらを用いたOA機器、CDなどの音響再生装置、DVDなどの画像再生装置およびそれらを用いたAV機器、上記のCD、DVDなどを用いたゲーム機などに用いることができる。
溶媒にクロロホルムまたはシクロヘキサンを使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
ゲル含有量
25℃の温度で、水素添加(共)重合体50gを1%濃度になるようにクロロホルムに溶解し、この溶液をあらかじめ重量を測定してある孔径0.5μmのメンブランフィルター〔アドバンテック東洋(株)〕を用いてろ過し、ろ過後のフィルターを乾燥後、その重量の増加量からゲル含有量を算出した。
単独重合体の場合には、500MHz、1H−NMRを測定し、エステル基のメチル水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比、またはパラフィン系水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比から水素化率を測定した。また、共重合体の場合には、重合後の共重合体の1H−NMR吸収と水素化後の水素添加共重合体のそれを比較して算出した。
ガラス転移温度
走査熱量計(DSC)により、チッ素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定した。
キーエンス(株)製、レーザーフォーカス変位計、LT−8010を用い、測定した。
位相差値
王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADHを用い、波長590nmにおけるフィルム面内の位相差値を測定した。
面内収差
富士写真光機(株)製、FUJINON R10レーザー干渉計を用い、5mmφの範囲について波長650nmのレーザー光を使用して透過波面収差を測定した。
高温試験
ヤマト科学(株)製、オーブンDK43を120℃に設定した。24時間槽内に入れた後に取り出し、収縮率測定、目視観察、位相差値の測定、面内収差の測定を行なった。
高温高湿試験
エスペック(株)製、環境試験機を95℃、95%RHに設定した。1000時間槽内に入れた後に取り出し、面内収差の測定を行なった。
収縮率測定
ミツトヨ(株)製、顕微鏡型マイクロゲージを用いて、あらかじめ位相差フィルムに眼科手術用メスを用いて評線を薄く引いて、収縮前後の評線間の寸法変化を測定した。
なお、主延伸方向の収縮率をαとし、それと副延伸方向の収縮率をβとしたとき、位相差フィルムの収縮率の示標をγとして下記式によって求めた。
γ=(|α−β|/Re)×104 ……… 式
[なお、Reは位相差フィルムの光の波長590nmにおける位相差(nm)を表す。]
また、位相差フィルムを複数枚使用する場合は、各々の位相差フィルムの主延伸方向の120℃、24時間加熱した後における熱収縮率αをそれぞれ差し引き、そのなかで絶対値の最も大きい値を比較した。
ジッター測定
DVD再生装置内に波長板を組み込み、KIKUSUI製 KJM6775ジッターメーターを用いてタイムインターバル方式で測定した。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/1)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/1)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
このようにして得られた開環重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下、「樹脂A」という。)を得た。
このようにして得られた樹脂Aについて、1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ99.9%であった。また、当該樹脂についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ165℃であった。また、当該樹脂について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは32,000、Mwは137,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.29であった。また、当該樹脂について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.3%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ、0.78dl/g であった。また、ゲル含有量は0.4%であった。
特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 225部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 25部とを使用し、1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を30部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「樹脂B」という。)の水素添加率は99.9%であった。また、当該樹脂についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ140℃であった。また、当該樹脂について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは36,000、Mwは137,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.81であった。また、当該樹脂について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.22%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ、0.75dl/g であった。また、ゲル含有量は0.2%であった。
樹脂Aをトルエンに濃度30%(室温での溶液粘度は30,000mPa・S)になるように溶解し、井上金属工業(株)製、INVEXラボコーターを用い、アクリル系樹脂で親水化(易接着)の表面処理した厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム[東レ(株)製、ルミラーU94]に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がした樹脂フィルムAを得た。得られたフィルムの残留溶媒量は0.5%であった。
このフィルムを次の方法により光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)を求めた。具体的には、光弾性係数(CP)は短冊状のフィルムサンプルに室温(25℃)で数種類の一定荷重を加え、発生する位相差とそのときサンプルが受けた応力とから計算した。応力光学係数(CR)については、フィルム状サンプルを用いてTg以上にて数種類の一定荷重をかけて数パーセント伸びた状態でゆっくりと冷やして室温まで戻した後に発生した位相差を測定してかけた応力とから計算した。結果は、それぞれCP=4(×10-12pa-1),CR=1750(×10-12pa-1)であった。
樹脂フィルムAの特性値を表1に示した。
樹脂Bを使用し、フィルム製造例1と同様にして樹脂フィルムBを得た。得られた樹脂フィルムBの残留溶媒量は0.5%であり、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)はそれぞれCP=9(×10-12pa-1),CR=2,350(×10-12pa-1)であった。
樹脂フィルムBの特性値を表1に示した。
上記樹脂フィルムAをテンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.5倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後室温まで冷却して取り出した後に、さらに175℃のテンター内で、先の延伸軸に対して90度方向に120%/分で1.05倍に延伸を行ない、その後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後、室温まで冷却して取り出したところ、厚み86μmの位相差フィルムAを得ることができた。この位相差フィルムAの透過波面収差を測定したところ、RMSで35mλであった。また、この位相差フィルムAの光の波長650nmにおける位相差は164nmであった。この位相差フィルムAを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.13%、それと垂直方向の熱収縮率βは0.05%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、4.9であった。この加熱後の位相差フィルムAの透過波面収差を測定したところ、RMSで35mλであり、収差の変化は無かった。また、位相差フィルムA中の10μm以上の異物数は10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
また、この位相差フィルムAついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
上記樹脂フィルムBをテンター内で、Tg+10℃である150℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.3倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後、室温まで冷却して取り出した後に、さらに150℃のテンター内で、先の延伸軸に対して90度方向に120%/分で1.05倍に延伸を行ない、その後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後、室温まで冷却して取り出したところ、厚み90μmの位相差フィルムBを得ることができた。この位相差フィルムBの透過波面収差を測定したところ、RMSで33mλであった。また、この位相差フィルムBの光の波長650nmにおける位相差は164nmであった。この位相差フィルムBを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.12%、それと垂直方向の熱収縮率βは0.04%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、4.9であった。この加熱後の位相差フィルムBの透過波面収差を測定したところ、RMSで33mλであり、収差の変化は無かった。また、位相差フィルムB中の10μm以上の異物数は10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
また、この位相差フィルムBついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
樹脂フィルムAを用いて、主延伸方向の延伸条件を延伸倍率2.2倍とした以外は、実施例1と同様にして厚み78μmの位相差フィルムCを得た。この位相差フィルムCの透過波面収差を測定したところ、RMSで40mλであった。また、この位相差フィルムCの光の波長650nmにおける位相差は328nmであった。この位相差フィルムCを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.2%、それと垂直方向の熱収縮率βは0.06%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、4.3であった。この加熱後の位相差フィルムCの透過波面収差を測定したところ、RMSで40mλであり、収差の変化は無かった。また、位相差フィルムC中の10μm以上の異物数は10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。また、この位相差フィルムCついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
さらに、この加熱前の位相差フィルムCと位相差フィルムAの主延伸軸を58度で交差するように、厚さ10μmのアクリル系接着剤 [協立化学産業(株)製、XVL−90]を用いて積層し、さらにその両面に、同じ接着剤を用いて、厚さ250μmのガラス板を積層することによって、積層した各々の位相差フィルムの主延伸方向の熱収縮率差の絶対値が0.07%の波長板Aを得た。この波長板Aの透過波面収差を測定したところ、RMSで44mλであった。また、この波長板Aを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に透過波面収差を測定したところ、RMSで44mλであった。また、この波長板Aついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
この波長板A中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
この高温高湿試験前後の波長板Aを用いたジッター評価結果を表2に示す。
樹脂フィルムBを用いて、主延伸方向の延伸条件を延伸倍率1.55倍とした以外は、実施例2と同様にして厚み86μmの位相差フィルムDを得た。この位相差フィルムDの透過波面収差を測定したところ、RMSで37mλであった。また、この位相差フィルムDの光の波長650nmにおける位相差は328nmであった。この位相差フィルムDを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.17%、それと垂直方向の熱収縮率βは0.05%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、3.7であった。この加熱後の位相差フィルムDの透過波面収差を測定したところ、RMSで37mλであり、収差の変化は無かった。また、位相差フィルムD中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。また、この位相差フィルムDついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
さらに、この加熱前の位相差フィルムDと位相差フィルムBの主延伸軸を58度で交差するように、厚さ10μmの上記アクリル系接着剤[協立化学産業(株)]製、XVL−90]を用いて積層し、さらにその両面に、同じ接着剤を用いて、厚さ250μmのガラス板を積層することによって、積層した各々の位相差フィルムの主延伸方向の熱収縮率差の絶対値が0.05%の波長板Bを得た。この波長板Bの透過波面収差を測定したところ、RMSで40mλであった。また、この波長板Bを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に透過波面収差を測定したところ、RMSで40mλであった。また、この波長板Bついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差におけるRMSの変化は10mλ以下であった。
この波長板B中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
この高温高湿試験前後の波長板Bを用いたジッター評価結果を表2に示す。
上記樹脂フィルムAをテンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.4倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後、室温まで冷却して取り出したところ、厚み88μmの位相差フィルムEを得ることができた。この位相差フィルムEの透過波面収差を測定したところ、RMSで40mλであった。また、この位相差フィルムEの光の波長650nmにおける位相差は164nmであった。この位相差フィルムEを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.19%、それと垂直方向の熱収縮率βは−0.02%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、12.8であった。この加熱後の位相差フィルムEの透過波面収差を測定したところ、RMSで55mλであり、収差の変化が認められた。また、この位相差フィルムEついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで77mλであった。
また、位相差フィルムE中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
上記樹脂フィルムBをテンター内で、Tg+10℃である150℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.18倍に一軸延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後、室温まで冷却して取り出したところ、厚み92μmの位相差フィルムFを得ることができた。この位相差フィルムFの透過波面収差を測定したところ、RMSで38mλであった。また、この位相差フィルムFの光の波長650nmにおける位相差は164nmであった。この位相差フィルムFを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.19%、それと垂直方向の熱収縮率βは−0.02%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、13.1であった。この加熱後の位相差フィルムFの透過波面収差を測定したところ、RMSで52.3mλであり、収差の変化が認められた。また、この位相差フィルムFついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで73mλであった。
また、位相差フィルムF中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
樹脂フィルムAを用いて、延伸条件を延伸倍率2.1倍とした以外は、比較例1と同様にして厚み80μmの位相差フィルムGを得た。この位相差フィルムGの透過波面収差を測定したところ、RMSで45mλであった。また、この位相差フィルムGの光の波長650nmにおける位相差は328nmであった。この位相差フィルムGを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.33%、それと垂直方向の熱収縮率βは−0.1%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、13.1であった。この加熱後の位相差フィルムGの透過波面収差を測定したところ、RMSで63mλであり、収差の変化が認められた。また、この位相差フィルムGついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで88mλであった。
また、位相差フィルムG中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。さらに、この加熱前の位相差フィルムGと位相差フィルムEの主延伸軸を58度で交差するように、厚さ10μmの上記アクリル系接着剤[協立化学産業(株)製、XVL−90]を用いて積層し、さらにその両面に、同じ接着剤を用いて、厚さ250μmのガラス板を積層することによって、積層した各々の位相差フィルムの主延伸方向の熱収縮率差の絶対値が0.14%の波長板Cを得た。この波長板Cの透過波面収差を測定したところ、RMSで45mλであった。また、この波長板Cを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に透過波面収差を測定したところ、RMSで71mλであった。また、この波長板Cついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで94mλであった。
この波長板C中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
この高温高湿試験前後の波長板Cを用いたジッター評価結果を表2に示す。
樹脂フィルムBを用いて、延伸条件を延伸倍率1.45倍とした以外は、比較例2と同様にして厚み88μmの位相差フィルムHを得た。この位相差フィルムHの透過波面収差を測定したところ、RMSで42mλであった。また、この位相差フィルムHの光の波長650nmにおける位相差は328nmであった。この位相差フィルムHを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.32%、それと垂直方向の熱収縮率βは−0.09%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、12.5であった。この加熱後の位相差フィルムHの透過波面収差を測定したところ、RMSで60mλであり、収差の変化が認められた。また、この位相差フィルムHついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで84mλであった。
また、位相差フィルムH中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。さらに、この加熱前の位相差フィルムHと位相差フィルムFの主延伸軸を58度で交差するように、厚さ10μmの上記アクリル系接着剤[協立化学産業(株)製、XVL−90]を用いて積層し、さらにその両面に、同じ接着剤を用いて、厚さ250μmのガラス板を積層することによって、積層した各々の位相差フィルムの主延伸方向の熱収縮率差の絶対値が0.13%の波長板Dを得た。この波長板Dの透過波面収差を測定したところ、RMSで43mλであった。また、この波長板Dを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に透過波面収差を測定したところ、RMSで68mλであった。また、この波長板Dついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで86mλであった。
この波長板D中の10μm以上の異物数は、10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
この高温高湿試験前後の波長板Dを用いたジッター評価結果を表2に示す。
出光石油化学(株)製のポリカーボネート A2700を原料とし、溶媒を塩化メチレンとした以外は、フィルム製造例1と同様にして、ポリカーボネートフィルムを得た。得られたポリカーボネートフィルムの特性値を表1に示した。
さらに、このフィルムをテンター内で、Tg+5℃である160℃に加熱し、延伸速度200%/分で1.1倍に延伸した後、110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持しながら冷却し、室温へとさらに冷却して取り出したところ、厚み95μmのポリカーボネート製位相差フィルムIを得ることができた。この位相差フィルムIの透過波面収差を測定したところ、RMSで75mλであった。また、この位相差フィルムIの光の波長650nmにおける位相差は328nmであった。
この位相差フィルムIを120℃の高温槽に入れ、24時間後に取り出し、さらに24時間室温放置した後に熱収縮率を測定したところ、主延伸方向の熱収縮率αは0.15%、それと垂直方向の熱収縮率βは−0.01%であり、この位相差フィルムの収縮率の示標γは、9.8あった。この加熱後の位相差フィルムIの透過波面収差を測定したところ、RMSで240mλであり、収差の変化が認められた。また、この位相差フィルムIついて高温高湿試験を行なったところ、透過波面収差はRMSで650mλであった。
また、位相差フィルムI中の10μm以上の異物数は10個以下であることを偏光顕微鏡により確認した。
×: 3.5(ns)を超える。
本発明の波長板を使用した光学情報記録再生装置は、前述のように音声、画像の記録に関して、再生専用記録媒体、追記型記録媒体、および書き換え可能型記録媒体のいずれにも適用でき、 CD−ROM、CD−R、書き換え可能DVDなどの記録装置およびそれらを用いたOA機器、CDなどの音響再生装置、DVDなどの画像再生装置およびそれらを用いたAV機器、上記のCD、DVDなどを用いたゲーム機などに用いることができる。
Claims (5)
- 下記(1)〜(7)の群から選ばれた環状オレフィン系樹脂よりなるフィルムを主延伸方向の延伸倍率が1.01〜10倍、副延伸方向の延伸倍率が主延伸方向倍率に対して0.001〜30%で二軸延伸加工することにより得られた位相差フィルムであり、かつ下記式(a)で定義される値(γ)が7以下である位相差フィルムを用いた波長板であって、波長をλとしたとき、5mmφの測定範囲におけるRMS波面収差が50mλ以下であることを特徴とする波長板。
(1)下記一般式(I)で表される特定単量体の開環重合体。
(2)下記一般式(I)で表される特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環重合体の水素添加重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した重合体。
(5)下記一般式(I)で表される特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)下記一般式(I)で表される特定単量体と、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型共重合体およびその水素添加重合体。
(7)下記一般式(I)で表される特定単量体とアクリレートとの交互共重合体。
とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R1またはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または1である。〕
γ=(|α−β|/Re)×10 4 ……… 式(a)
[式(a)中、αは主延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表し、βは副延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率(%)を表す。また、Reは、位相差フィルムの波長590nmにおける位相差値(nm)を表す。]
- 環状オレフィン系樹脂が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の、数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000である請求項1記載の波長板。
- 位相差フィルムを少なくとも2枚以上積層してなる波長板であって、主延伸方向の120℃、24時間加熱後の熱収縮率の差が、各フィルムにおいて絶対値で0.08%以下である請求項1〜2いずれか1項に記載の波長板。
- 各位相差フィルムの光軸が実質的に交差してなる請求項3に記載の波長板。
- 位相差フィルムの少なくとも1枚が透明基材に接着固定されてなる請求項1〜4いずれか1項に記載の波長板。
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