JP4465526B2 - 波長板 - Google Patents
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Description
石、LiNbO3、LiTaO3などの単結晶から形成される波長板、ガラス基板などの下地基板に対して斜め方向から無機材料を蒸着することにより得られる下地基板の表面に複屈折膜を有する波長板、複屈折性を有するLB(Langmuir-Blodget)膜を有する波長板など無機系のものが従来使用されている。
接着剤(A):ガラス転移温度が0℃以下であり、かつ23℃におけるヤング率が10MPa以下である接着剤
接着剤(B):ガラス転移温度が40℃以上であり、かつ23℃におけるヤング率が30MPa以上である接着剤
(ただし、接着剤(A)と接着剤(B)とのガラス転移温度の差は60℃以上であり、かつ3℃における接着剤(A)と接着剤(B)とのヤング率の差は40MPa以上である。)
また、本発明者らは、耐熱性に優れ、低吸湿性であり、位相差の安定性に優れかつ位相差の波長依存性が小さい環状オレフィン系樹脂を原料としたフィルム(以下、「環状オレフィン系樹脂フィルム」という。)を延伸配向させた位相差フィルムが、特に初期特性に優れ、使用環境や製造環境の影響を受けにくく長期信頼性に優れた光学情報記録・再生装置用、液晶プロジェクター用の波長板用途に最適であることを見出して本発明の完成に至った。
[(λS+λL)/2]−200≦λ≦[(λS+λL)/2]+200 …式(1)
λS:最も短波長側の単色光の波長(nm)
λL:最も長波長側の単色光の波長(nm)
本発明で用いられる位相差フィルムとしては、ポリカーボネート(PC)、トリアセチルアセテート(TAC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アクリル樹脂、環状オレフィン系樹脂など
の透明樹脂フィルムを延伸し配向させたものが挙げられる。なかでも、環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸し、配向させたものが好ましく用いられる。
(1)下記一般式(I)で表される環状オレフィン(以下、「特定単量体」という。)の開環重合体。
(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)または(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(4)上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体。
(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)特定単量体、ビニル系環状炭化水素系単量体およびシクロペンタジエン系単量体から選ばれる1種以上の単量体の付加型(共)重合体およびその水素添加(共)重合体。
(7)特定単量体とアクリレートとの交互共重合体。
またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正
の整数であり、pは0または正の整数である。〕
<特定単量体>
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.
17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
は炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 およびR4 が水素原子または一価の有機基であって、R2 およびR4の少なくとも
一つは水素原子および炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=1、p=0であるものである。m=1、p=0である特定単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くかつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
<開環重合触媒>
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
MoCl6 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。
、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開
平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
<分子量調節剤>
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
(2)開環共重合体を得るには、開環重合工程において、特定単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に特定単量体を開環重合させてもよい。
水素添加反応は、通常のオレフィン性不飽和結合を水素添加する方法が適用できる。すなわち、開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値が5
0%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上である。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、本発明の波長板として使用した場合に長期にわたって安定した特性を得ることができる。
ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4
−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体も使用できる。
上記(1)または(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化する方法は特に限定されるものではないが、特開昭50−154399号公報に記載の酸性化合物を用いた公知の方法が採用できる。酸性化合物としては、具体的には、AlCl3、
BF3、FeCl3、Al2O3、HCl、CH3ClCOOH、ゼオライト、活性白土、な
どのルイス酸、ブレンステッド酸が用いられる。
さらに、本発明において用いられる環状オレフィン系樹脂として、(5)上記特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体も使用できる。
不飽和二重結合含有化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテンなど、好ましくは炭素数2〜12、さらに好ましくは炭素数2〜8のオレフィン系化合物を挙げることができる。
本発明において、(5)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体を得るには、通常の付加重合法を使用できる。
上記(5)飽和共重合体を合成するための触媒としては、チタン化合物、ジルコニウム化合物およびバナジウム化合物から選ばれた少なくとも一種と、助触媒としての有機アルミニウム化合物とが用いられる。
VO(OR)aXb、またはV(OR)cXd
〔ただし、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子であって、0≦a≦3、0≦b≦3、2≦(a+b)≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦(c+d)≦4である。〕
で表されるバナジウム化合物、あるいはこれらの電子供与付加物が用いられる。
アルミニウム化合物の比率は、バナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)が2以上であり、好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲である。
ビニル系環状炭化水素系単量体としては、例えば、4−ビニルシクロペンテン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロペンテンなどのビニルシクロペンテン系単量体、4−ビニルシクロペンタン、4−イソプロペニルシクロペンタンなどのビニルシクロペンタン系単量体などのビニル化5員環炭化水素系単量体、4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン系単量体、4−ビニルシクロヘキサン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、4−フェニルスチレン、p−メトキシスチレンなどのスチレン系単量体、d−テルペン、1−テルペン、ジテルペン、d−リモネン、1−リモネン、ジペンテンなどのテルペン系単量体、4−ビニルシクロヘプテン、4−イソプロペニルシクロヘプテンなどのビニルシクロヘプテン系単量体、4−ビニルシクロヘプタン、4−イソプロペニルシクロヘプタンなどのビニルシクロヘプタン系単量体などが挙げられる。好ましくは、スチレン、α−メチルスチレンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
(6)付加型共重合体の単量体に使用されるシクロペンタジエン系単量体としては、例えばシクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−メチルシ
クロペンタジエンなどが挙げられる。好ましくはシクロペンタジエンである。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
さらに、本発明において用いられる環状オレフィン系樹脂として、(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体も使用できる。
(7)上記特定単量体とアクリレートとの交互共重合体の製造に用いられるアクリレートとしては、例えば、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートなどの炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状または環状アルキルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−テトラヒドロフルフリルアクリレートなどの炭
素原子数2〜20の複素環基含有アクリレート、ベンジルアクリレートなどの炭素原子数6〜20の芳香族環基含有アクリレート、イソボロニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレートなどの炭素数7〜30の多環構造を有するアクリレートが挙げられる。
0,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
て、環状オレフィン系樹脂の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、本発明の波長板として使用したときの位相差の安定性とのバランスが良好となる。
本発明において用いられる環状オレフィン系樹脂としては、その光弾性係数(CP)が
0〜100(×10-12Pa-1)であり、かつ応力光学係数(CR)が1,500〜4,000(×10-12Pa-1)を満たすようなものが好適に使用される。
子または自らの凍結した歪みから発生した歪みから発生する応力などにおいて敏感に位相差を発生しやすくなってしまうことを表し、例えば、本発明のように積層したり支持体に固定したりした際の貼り合わせ時の残留歪みや、温度変化や湿度変化などにともなう材料の収縮により発生する微小な応力によって不必要な位相差を発生しやすいことを意味する。このことから、できるだけ光弾性係数(CP)は小さい程よい。
に位相差の発現性を付与する際に少ない延伸倍率で所望の位相差を得られるようになったり、大きな位相差を付与しうるフィルムを得やすくなったり、同じ位相差を所望の場合には応力光学係数(CR)が小さいものと比べてフィルムを薄肉化できるという大きなメリ
ットがある。
×10-12Pa-1)である。光弾性係数(CP)が100(×10-12Pa-1)を超えた場
合には、位相差フィルム同士の貼り合わせ時に発生する応力、位相差フィルムを支持体に固定した時に発生する応力や使用する際の環境変化などによって発生する位相差変化などによって、最適貼り合わせ光軸角度の許容誤差範囲からのずれが発生してしまい波長板として使用した時に透過光量が低下してしまう場合があり好ましくない。
4hrであり、好ましくは5〜350g/m2・24hrであり、さらに好ましくは10
〜300g/m2・24hrである。水蒸気透過度を本範囲とすることで、ガラス板や透
明支持体などの支持体と位相差フィルムとの貼り合わせに使用した接着剤(A)や接着剤(B)の含有水分や波長板が使用される環境の湿度による特性変化を低減・回避することができることから好ましい。
環状オレフィン系樹脂を溶媒に溶解または分散させる際には、該樹脂の濃度を、通常は0.1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは10〜35重量%にする。該樹脂の濃度を上記未満にすると、フィルムの厚みを確保することが困難になる、また、溶媒蒸発にともなう発泡などによりフィルムの表面平滑性が得にくくなるなどの問題が生じる。一方、上記を超えた濃度にすると、溶液粘度が高くなりすぎて得られる環状オレフィン系樹脂フィルムの厚みや表面が均一になりにくくなるために好ましくない。
ロオレフィン系溶媒、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、塩化メチレン
、クロロホルムなどのハロゲン含有溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、1−ペンタノール、1−ブタノールなどのアルコール系溶媒を挙げることができる。
、特に好ましくは15〜20(MPa1/2)の範囲の溶媒を使用すれば、表面均一性と光
学特性の良好な環状オレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
SP値=W1・SP1+W2・SP2
により計算した値として求めることができる。
布し、その後、溶剤を乾燥して基材よりフィルムを剥離する方法が一般に挙げられる。また、スプレー、ハケ、ロールスピンコート、デッピングなどで溶液を基材に塗布し、得られた塗膜を乾燥した後、基材よりフィルムを剥離することにより製造することもできる。なお、繰り返し塗布することで厚みや表面平滑性などを制御してもよい。
本発明において用いられる環状オレフィン系樹脂フィルムの厚さは、通常は0.1〜500μm、好ましくは0.1〜300μm、さらに好ましくは1〜250μmである。0.1μm未満の厚みの場合実質的にハンドリングが困難となる。一方、500μmを超える場合、ロール状に巻き取ることが困難になるとともに、レーザー光などの光の高透過度を目的とする本発明の波長板としては、透過率が低下するので好ましくない。
〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
120〜60度の範囲である。また、延伸速度は各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜5
00%/分である。
波長が400〜800nmの範囲で「1/4波長板」として機能するものや、「1/2波長板」として機能するものなどが知られている。このような広帯域において特定の機能を発現する波長板を得るためには、例えば、2枚の位相差フィルムの光軸を交差して貼り合わせれば良く、交差させる光軸の角度の精度は、理論値に対して±5°以内が好ましく、より好ましくは±3°以内、さらに好ましくは±1°以内である。上記光軸角度の理論値からのずれが5°よりも大きくなると所望の光学特性が得られないことがある。
[(λS+λL)/2]−200≦λ≦[(λS+λL)/2]+200 …式(1)
λS:最も短波長側の単色光の波長(nm)
λL:最も長波長側の単色光の波長(nm)
このときの2枚の位相差フィルムのそれぞれの光軸が成す角度は、例えば、レーザー光などの光の入射する方向から1枚目のフィルムを「R1」、2枚目のフィルムを「R2」としたときに、R1の位相差を315〜345nm、好ましくは320〜340nm、さらに好ましくは325〜335nmとし、R2の位相差を150〜180nm、好ましくは155〜175nm、さらに好ましくは160〜170nmとした組み合わせにおいて、通常46〜70度、好ましくは52〜64度、さらに好ましくは56〜60度である。また、このとき、レーザー光などの入射光が直線偏光である場合には、この入射光の直線偏光の偏波面(以下「入射直線偏光偏波面」ということもある。)と、R1の光軸との成す角は、通常+70〜+82度、好ましくは+72〜+80度、さらに好ましくは+74〜+78度であり、R2の光軸との成す角は、通常+12〜+24度、好ましくは+14〜+22度、さらに好ましくは+16〜+20度である。上述した範囲とすることで、偏光変換機能が良好な広帯域「1/4波長板」とすることができる。なお、角度の符号は、光の入射する側からフィルムを見たときに、反時計回りの角度を正として、時計回りの角度を負として定義した(以下、同じ。)。
しくは175〜185nmとした組み合わせにおいて、通常39〜63度、好ましくは45〜57度、さらに好ましくは49〜53度である。また、このとき、レーザー光などの入射光が直線偏光である場合には、入射直線偏光角度と、R1の光軸との成す角は、通常−1〜−13度、好ましくは−3〜−11度、さらに好ましくは−5〜−9度であり、R2の光軸との成す角は、通常+38〜+50度、好ましくは+40〜+48度、さらに好ましくは+42〜+46度である。上述した範囲とすることで、偏光変換機能が良好な広帯域「1/4波長板」とすることができる。
ことが好ましい。透明支持体が複屈折を持つと、波長板としての特性に影響を与えることから好ましくない。また、ガラス基板の形状は特に限定されるものではなく、平板状であっても格子形状やプリズム形状など光学的な機能を有する形状であってもよい。また、厚さは、通常、0.01〜5mm、好ましくは0.05〜3mm、さらに好ましくは0.05〜1mmである。0.01mm未満であると、剛性が不足するとともにハンドリング性に劣り、一方、5mmを超えると波長板としての大きさが大きくなり、光学系装置の小型化が難しくなる。
反射防止膜の形成方法としては、例えば、フッ素系共重合体を有機溶媒に溶解し、その溶液をバーコーターなどを用いて、キャスト法などにより上記フィルムやシート材や位相差板などの上に塗布形成し、プレスを用いて加熱し、硬化させる方法が挙げられる。加熱温度としては、通常は80〜165℃、好ましくは100〜150℃の温度で、加熱時間としては、通常は10分〜3時間、好ましくは30分〜2時間であるとされている。
などが悪化し好ましくないとされている。
係る無機系反射防止膜の場合、透明無機酸化物被覆層の厚みは、特定の光波長の1/4とされている。さらに、係る透明無機酸化物被覆層を多層積層することで、より反射防止性能を向上できるとされている。
Pa以下であることが必要であり、好ましくは5MPa以下、さらに好ましくは2MPa以下であることが望ましい。
さらに23℃における接着剤(B)と接着剤(A)とのヤング率の差が40MPa以上、好ましくは50MPa以上、さらに好ましくは60MPa以上であることが望ましい。
は、硬い接着剤(B)を使用することにより防止でき、また温度の変化に際して発生する歪みは軟い接着剤(A)を使用することによって、両者がバランスよく緩和されるためであろうと推測される。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート類;
メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、プロポキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類;
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類;
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類;
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート;テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、多官能(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリヒドロキシエチルトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;
イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレートのポリ(メタ)アクリレート類;
トリシクロデカンジイルジメチルジ(メタ)アクリレート等のシクロアルカンのポリ(メタ)アクリレート類;
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸とから得られる(メタ)アクリレート等のビスフェノールAの(メタ)アクリレート誘導体類;
3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタンジ(メタ)アクリレート、3−(
2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジ(メタ)アクリロイルプロパン、N−
n−プロピル−N−2,3−ジ(メタ)アクリロイルプロピルパーフルオロオクチルスル
ホンアミド等の含フッ素(メタ)アクリレート類が挙げられる。
接着剤(A)や接着剤(B)の接着強度は、取扱い中に容易に剥がれないものであることが必要である。接着強度の具体値としては、接着剤(A)においては2枚の位相差フィルムを互いに接着したときの90度剥離力が、好ましくは0.5N/cm2以上、さらに
好ましくは1N/cm2以上、最も好ましくは3N/cm2以上であり、接着剤(B)においては位相差フィルムとガラス基材とを接着したときの90度剥離力が、好ましくは0.5N/cm2以上、さらに好ましくは1N/cm2以上、最も好ましくは3N/cm2以上
である。接着強度が0.5N/cm2よりも小さくなると、取扱い時の衝撃により剥がれ
てしまったり、接着された層同士がずれてしまったりするために好ましくない。
に好ましくは0.10以内、最も好ましくは0.05以内である。さらに、位相差フィルムの屈折率とガラス基板との屈折率差は、好ましくは0.20以内、さらに好ましくは0.15以内、特に好ましくは0.10以内、最も好ましくは0.05以内であり、屈折率差を本範囲内とすることで、透過光の反射によるロスを最小限に抑えることができるために好ましい。
以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、特に断らない限り重量部および重量%である。また、実施例中の各種の試験・測定方法は、次のとおりである。
溶媒にクロロホルムまたはシクロヘキサンを使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
25℃の温度で、水素添加(共)重合体50gを1%濃度になるようにクロロホルムに溶解し、この溶液をあらかじめ重量を測定してある孔径0.5μmのメンブランフィルター〔アドバンテック東洋(株)〕を用いてろ過し、ろ過後のフィルターを乾燥後、その重量の増加量からゲル含有量を算出した。
水素添加単独重合体の場合には、500MHz、1H−NMRを測定し、エステル基の
メチル水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比、またはパラフィン系水素とオレフィン系水素のそれぞれの吸収強度の比から水素化率を測定した。また、水素添加共重合体の場合には、重合後の共重合体の1H−NMR吸収と水素化後の水素添加共重合体の
それを比較して算出した。
走査熱量計(DSC)により、チッ素雰囲気下において、10℃/分の昇温速度で測定した。
キーエンス(株)製、レーザーフォーカス変位計、LT−8010を用い、測定した。
[接着剤のガラス転移温度(tanδピーク温度)]
オリエンテック社製レオバイブロン(モデルDDV−01FP)を用い、接着剤の短冊状試験片(5mm×7cm)を準備して、温度範囲−100〜150℃、周波数1Hzにて測定した。ピークが2種類以上存在する場合は高温側の値をピーク温度(ガラス転移温度)とした。
インストロン(株)製引っ張り試験機を用い、接着剤の3号ダンベルを準備して、JIS−Z1702に準拠して23℃にて測定した。引っ張り速度は10mm/分とした。
富士写真光機(株)製、小口径レーザー干渉計R10を用い、5mmφの範囲について波長650nmのレーザー光を使用して透過波面収差を測定した。
王子計測機器(株)製、KOBRA−21ADHを用い、波長480、550、590、630、750nmで測定し、当該波長以外の部分については上記波長での位相差値を用いてコーシー(Cauchy)の分散式を用いて算出した。
エスペック(株)製、環境試験機を95℃、95%RHに設定した。1000時間槽内に入れた後に取り出し、目視観察、位相差値の測定、面内収差の測定を行なった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−
ドデセン(特定単量体)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性し
た六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0
.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であり、得られた開環重合体について、30℃のクロロホルム中で測定した固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応
を行った。
ころ99.9%であった。また、当該樹脂についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ165℃であった。また、当該樹脂について、GPC法(溶媒:テト
ラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは32,000、Mwは137,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.29であった。また、当該樹脂について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.3%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のクロロホルム中で固有粘度(ηinh)を測定したところ、0.78dl/gであった。また、ゲル含有量は0.4%であった。
特定単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン 215部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 35
部とを使用し1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を18部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「樹脂B」という。)の水素添加率は99.9%であった。また、当該樹脂についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ125℃であった。また、当該樹脂について、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは46,000、Mwは190,000、分子量分布(Mw/Mn)は4.15であった。また、当該樹脂について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.18%であった。また、SP値を測定したところ、19(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のクロロホルム中で
固有粘度(ηinh)を測定したところ、0.69dl/g であった。また、ゲル含有量は
0.2%であった。
特定単量体として8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデ
セン 225部を使用し1−ヘキセン(分子量調節剤)の添加量を30部、開環重合反応用溶媒としてトルエンの代わりにシクロヘキサンを使用したこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体を得た。得られた水素添加重合体(以下、「樹脂C」という。)の水素添加率は99.9%であった。また、当該樹脂についてDSC法によりガラス転移温度(Tg)を測定したところ138℃であった。また、当該樹脂について、GPC法(溶媒:シクロヘキサン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは50,000、Mwは190,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.80であった。また、当該樹脂について、23℃における飽和吸水率を測定したところ、0.01%であった。また、SP値を測定したところ、17(MPal/2)であった。また、当該樹脂について、30℃のシクロヘキサン中で固有粘度(
ηinh)を測定したところ、0.72dl/gであった。また、ゲル含有量は0.4%であった。
樹脂Aをトルエンに濃度30%(室温での溶液粘度は30,000mPa・S)になる
ように溶解し、井上金属工業製、INVEXラボコーターを用い、アクリル酸系で親水化(易
接着)の表面処理した厚さ100μmのPETフィルム(東レ製、ルミラーU94)に、乾燥後のフィルム厚みが100μmになるように塗布し、これを50℃で一次乾燥の後、90℃で二次乾燥を行った。PETフィルムより剥がした樹脂フィルムAを得た。得られたフィルムの残留溶媒量は0.5%であった。
類の一定荷重を加え、発生する位相差とそのときサンプルが受けた応力とから計算した。応力光学係数(CR)については、フィルム状サンプルを用いてTg以上にて数種類の一
定荷重をかけて数パーセント伸びた状態でゆっくりと冷やして室温まで戻した後に発生した位相差を測定してかけた応力とから計算した。結果は、それぞれCP=4(×10-12pa-1)、CR=1750(×10-12pa-1)であった。
<フィルム製造例2>
樹脂Bを使用し、フィルム製造例1と同様にして樹脂フィルムBを得た。得られた樹脂フィルムBの残留溶媒量は0.5%であり、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)はそれぞれCP=9(×10-12pa-1)、CR=2,350(×10-12pa-1)であっ
た。
樹脂フィルムBの特性値を表1に示した。
樹脂Cを使用し、溶媒をシクロヘキサンとした以外は、フィルム製造例1と同様にして、樹脂フィルムCを得た。得られた樹脂フィルムCの残留溶媒量は0.4%であり、光弾性係数(CP)および応力光学係数(CR)はそれぞれCP=4(×10-12pa-1),CR
=1,950(×10-12pa-1)であった。
樹脂フィルムCの特性値を表1に示した。
上記樹脂フィルムAをテンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で1.4倍に一軸延伸した後110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し
、その後室温まで冷却して取り出したところ、厚みが89μmで、波長655nmにおける位相差が160nmである位相差フィルムA−1を得ることができた。また、上記樹脂フィルムAをテンター内で、Tg+10℃である175℃に加熱し、延伸速度400%/分で2.1倍に一軸延伸した後110℃の雰囲気下で1分間この状態を保持し、その後室温まで冷却して取り出したところ、厚みが81μmで、波長655nmにおける位相差が330nmである位相差フィルムA−2を得ることができた。
により確認した。
さらに、波長板Aの面内収差を確認したところ、18mλであった。
樹脂フィルムBを用いて、延伸条件を延伸倍率1.3倍、加熱温度130℃とした以外は、実施例1と同様にして厚みが89μmで、波長655nmにおける位相差が275nmである位相差フィルムB−1を得た。
により確認した。
さらに、波長板Bの面内収差を確認したところ、15mλであった。
樹脂フィルムCを用いて、延伸条件を延伸倍率1.08倍、加熱温度148℃とした以外は、実施例1と同様にして厚みが96μmで、波長655nmにおける位相差が125nmである位相差フィルムC−1を得た。また、樹脂フィルムCを用いて、延伸条件を延伸倍率1.18倍、加熱温度148℃とした以外は、実施例1と同様にして厚みが91μmで、波長655nmにおける位相差が250nmである位相差フィルムC−2を得た。
により確認した。
さらに、波長板Cの面内収差を確認したところ、35mλであった。
位相差フィルムC−2を2枚、各々の光軸が40°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの片面に、厚さ20μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Dを得た。
波長板Dの位相差を測定したところ、405nmにおける位相差が199nmで655nmにおける位相差が325nmであった。したがって、波長板Dは広帯域で「1/2波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Dの面内収差を確認したところ、17mλであった。
樹脂フィルムBを用いて、延伸条件を延伸倍率1.92倍、加熱温度148℃とした以外は、実施例1と同様にして厚みが70μmで、波長655nmにおける位相差が710nmである位相差フィルムB−2を得た。また、樹脂フィルムAを用いて、延伸条件を延伸倍率1.42倍とした以外は、実施例1と同様にして厚みが90μmで、波長655nmにおける位相差が175nmである位相差フィルムA−3を得た。これらの位相差フィルムB−2とA−3を、各々の光軸が50°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの片面に、厚さ20μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Eを得た。
波長板Eの位相差を測定したところ、655nmにおける位相差が164nmで785nmにおける位相差が196nmであった。したがって、波長板Eは広帯域で「1/4波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Eの面内収差を確認したところ、32mλであった。
樹脂フィルムBを用いて、延伸条件を延伸倍率1.58倍、加熱温度148℃とした以外は、実施例1と同様にして厚みが87μmで、波長655nmにおける位相差が355nmである位相差フィルムB−3を得た。
波長板Fの位相差を測定したところ、655nmにおける位相差が320nmで785nmにおける位相差が395nmであった。したがって、波長板Fは広帯域で「1/2波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Fの面内収差を確認したところ、32mλであった。
位相差フィルムA−1とA−2を、各々の光軸が60°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの両面に、厚さ20μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Gを得た。
波長板Gの位相差を測定したところ、655nmにおける位相差が162nmで785nmにおける位相差が195nmであった。したがって、波長板Gは広帯域で「1/4波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Gの面内収差を確認したところ、31mλであった。
位相差フィルムC−2を2枚、各々の光軸が40°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの片面に、厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Hを得た。
波長板Hの位相差を測定したところ、405nmにおける位相差が201nmで655nmにおける位相差が326nmであった。したがって、波長板Hは広帯域で「1/2波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Hの面内収差を確認したところ、31mλであった。
位相差フィルムA−1とA−2を、各々の光軸が60°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの両面に、厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Iを得た。
波長板Iの位相差を測定したところ、655nmにおける位相差が160nmで785nmにおける位相差が196nmであった。したがって、波長板Iは広帯域で「1/4波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Iの面内収差を確認したところ、20mλであった。
この波長板Iについて高温高湿試験を行なったところ、位相差値の変化量は3%以内であり外観変化も見られなかったが、面内収差の変化量が10mλであることが確認された。
位相差フィルムB−1を2枚、各々の光軸が45°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの両面に、厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Jを得た。
により確認した。
さらに、波長板Jの面内収差を確認したところ、18mλであった。
位相差フィルムC−2を2枚、各々の光軸が40°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの片面に、厚さ10μmのアクリル系接着剤(協立化学産業(株)製、XVL−90)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Kを得た。
により確認した。
さらに、波長板Kの面内収差を確認したところ、24mλであった。
位相差フィルムB−2とA−3を、各々の光軸が50°となるように厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて貼り合わせ、さらに貼り合わせたフィルムの片面に、厚さ10μmのアクリル系接着剤(住友スリーエム(株)製、8142)を用いて厚さ250μmのガラス板を積層し、波長板Lを得た。
波長板Lの位相差を測定したところ、655nmにおける位相差が162nmで785nmにおける位相差が198nmであった。したがって、波長板Lは広帯域で「1/4波長板」として機能することが確認された。
により確認した。
さらに、波長板Lの面内収差を確認したところ、20mλであった。
Claims (4)
- 少なくとも2枚の位相差フィルムが積層され、当該積層された位相差フィルムの少なくとも片面にガラス基板が積層されている波長板であって、位相差フィルム同士、および位相差フィルムとガラス基板とが、下記接着剤(A)、(B)から選択され、かつそれぞれ異なる接着剤で積層固定されてなることを特徴とする波長板;
接着剤(A):ガラス転移温度が0℃以下であり、かつ23℃におけるヤング率が10MPa以下である接着剤
接着剤(B):ガラス転移温度が40℃以上であり、かつ23℃におけるヤング率が30MPa以上である接着剤
(ただし、接着剤(A)と接着剤(B)とのガラス転移温度の差は60℃以上であり、かつ23℃における接着剤(A)と接着剤(B)とのヤング率の差は40MPa以上である。)。 - 前記積層された位相差フィルムの両面にガラス基板が積層され、位相差フィルム同士が接着剤(A)で積層固定され、位相差フィルムとガラス基板とが接着剤(B)で固定されていることを特徴とする請求項1に記載の波長板。
- 位相差フィルムが、環状オレフィン系樹脂フィルムを延伸配向させて得られたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の波長板。
- 少なくとも2枚の位相差フィルムを積層し、当該積層された位相差フィルムの少なくとも片面にガラス基板を積層する波長板の製造方法であって、位相差フィルム同士、および位相差フィルムとガラスとを、下記接着剤(A)、(B)から選択され、かつそれぞれ異なる接着剤で積層固定することを特徴とする波長板の製造方法;
接着剤(A):ガラス転移温度が0℃以下であり、かつ23℃におけるヤング率が10MPa以下である接着剤
接着剤(B):ガラス転移温度が40℃以上であり、かつ23℃におけるヤング率が30MPa以上である接着剤
(ただし、接着剤(A)と接着剤(B)とのガラス転移温度の差は60℃以上であり、しかも23℃における接着剤(A)と接着剤(B)とのヤング率の差は40MPa以上である。)。
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