JP4272406B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルム及びそれを用いた加工品 - Google Patents
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Description
感光性樹脂組成物、それを用いたドライフィルムおよびその用途に関し、更に詳しくは電子部品及びその周辺材料に好適に用いられる感光性樹脂組成物に関する。
【0001】
【従来技術】
従来プリント配線板は、スクリーン印刷法でエッチングレジストあるいはメッキレジストパターン形成後、金属箔のエッチングあるいはめっきを施し、所望の導体回路パターンを形成していた。この導体回路パターンの酸化防止や絶縁性を維持する目的から熱硬化性の樹脂組成物あるいは光硬化性の樹脂組成物を導体回路形成時と同様にスクリーン印刷法を用いて目的とする形状の皮膜を形成していた。最近、導体回路パターンの微細化と位置精度の向上、更に実装部品の小型化、ICパッケージのリードのファインピッチ化によりソルダーレジスト皮膜等の絶縁皮膜形成も画像精度や位置精度の向上を必要としていた。従って、近年では精度よく皮膜形成ができる方法として上記フォト法を用いてソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を形成する方法が広く採用されるようになった。
【0002】
上記フォト法では、所望の大きさに感光性樹脂組成物を基材に塗布した後乾燥して感光性皮膜を形成し、この感光性皮膜にネガのフォトマスクを乗せて、紫外線等の活性光線で露光焼付けを行うことが一般的である。感光性皮膜は、フォトマスクの透明部分を透過した活性光線で硬化し、未露光部分は現像液で除去される。上記フォト法で形成された感光性皮膜は更に熱や活性光線で硬化し、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜になるが、形成された画像はフォトマスクに極めて近い精度で形成できるため、微細な画像や位置精度を容易に得ることができる。
【0003】
しかしながらこの方法では、上記の如く基材表面に塗布、溶剤乾燥工程が必要であり、製造工程が煩雑になり、またピンホールや異物による不良率の低減に苦慮しているのが実情であった。特開昭61−243869号公報には、ノボラック型エポキシアクリレート等に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベースポリマーとし、アルカリ水溶液を現像液とするフォトソルダーレジスト組成物が開示されている。しかしながら、上記の組成物で得られるソルダーレジスト皮膜は、耐熱性、耐溶剤性や耐薬品性において不十分であり、絶縁性、誘電率に関する特性も十分とは言えない。また可撓性、屈曲性に乏しいため、薄型BGA基板やFPCやなどの剛性の無い基板には適用できない。
【0004】
一方ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を加熱処理することによって得られるポリイミドが、その優れた耐熱性、耐薬品性、誘電特性等から、IC保護膜、層間絶縁膜として使用されており、更に露光,現像により直接パターンが形成できる感光性ポリイミド前駆体が提案されている(特開昭59−160140公報、特開平05−158237)。しかしながら通常ポリイミドワニスの場合、ポリイミド前駆体と感光性を有するアクリレートの混合が容易に製造でき簡便であるが、両者の極性が大きく異なる為、容易に混合することが難しく、それを溶剤の高極性を利用し混合しても、乾燥後大きく相分離し、目的とする特性を発現できないのが常であった。またそこで用いる溶剤は、極性の高い高沸点溶剤であり、固形分濃度も高くできないため乾燥時間が長くなり、加工コストが高くなるという問題があった。特開昭61−170731公報や特開昭64−2037には、ドライフィルム化した例が記載されているが、それ自体製造が複雑で品質管理が難しく高コストとなってしまう。また300℃以上の温度をかけないとイミド化が困難かつイミド化したものも伸びの少ない樹脂となってしまうという欠点が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
水酸化ナトリウム水溶液,炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で現像できると共に、低エネルギー露光によりファインな画像形成が可能で、現像後の熱処理によるイミド化後の皮膜特性として、良好な可撓性、屈曲性、低反り性を有しながら優れた耐熱性、導体との接着性、電気特性等を発現する感光性樹脂組成物及びそれを塗布したドライフィルムを提供することであり、該フィルムをラミネート、硬化して形成された皮膜を有する加工品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成した。
即ち本発明は以下の感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびそれを用いた加工品である。
(1)光硬化後、150〜300℃の温度範囲で5〜120分間熱硬化した後のモルフォロジーが、平均直径1.5μm以下の島相を有する相分離構造であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2)相分離構造の海相がポリイミド、島相がアクリル樹脂であることを特徴とする(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3) (1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物が、下記一般式(1)で表される反復単位を含む重合体(A)、及び2官能以上のアクリレート(B)、光重合開始剤(C)、相溶性難燃剤(D)を必須成分とし、(A)100質量部に対し(B)0〜200質量部、(C)0.2〜25質量部含有しており、一般式(1)で表されるポリアミド酸ユニットのClausius-Mossotiの式(2)にて求められた誘電率が3〜5、及びユニット中のアミド酸含有率が15〜40質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化2】
(但し、一般式(1)中、nは1以上の整数であり、R1及びR2はC,H,O,Nの元素のみで構成される。)
誘電率(ε)=(1+2・Pm/Vm)/(1−Pm/Vm) (2)
(ここでPmはモル分極率,Vmはモル体積である。)
(4)ポリアミド酸溶液の粘度(EH型粘度計(東機産業社製)3゜コーン、25℃)が、10〜50質量%の固形分濃度で0.5〜30.0Pa・sの範囲であることを特徴とする(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5) (1)乃至(4)に記載の感光性樹脂組成物を溶剤に溶解させた塗工液を基材に塗工し、50〜130℃の温度範囲で2〜60分間乾燥することを特徴とするドライフィルムの製造方法。
(6) (5)の製造方法により得られたドライフィルム。
(7) (6)に記載のドライフィルムを用いて加工された加工品。
【0006】
【発明の実施の形態】
ポリマー混合系における形態、モルフォロジーとして、完全相溶構造、部分相溶構造、非相溶(相分離)構造があるが、本願の目的を達成する上で、より適正な相構造がどうあるべきかを鋭意検討した。その結果、ポリマーの本質から完全相溶構造ではなく、部分相溶構造またはミクロ相分離構造が好ましく、かつその時分離した島相の平均直径を1.5μm以下、好ましくは1.0μm以下、更に好ましくは0.5μm以下に制御することにより課題を解決できることを見出した。
【0007】
本発明における感光性樹脂組成物は、一般式(1)で表される反復単位を含む重合体(A)、及び2官能以上のアクリレート(B)、光重合開始剤(C)、相溶性難燃剤(D)を含有してなる組成物が好ましい。
通常
【化3】
(一般式(1)中、nは1以上の整数であり、R1及びR2はC,H,O,Nの元素のみで構成される。)
一般式(1)で表される反復単位を含む重合体(A)と2官能以上のアクリレート(B)、光重合開始剤(C)、難燃剤(D)とは相溶しにくく、一度溶剤を介して相溶しても、乾燥する過程で(A)成分以外が島となり、析出(相分離)してくる。つまり白化である。一方(B)成分の(メタ)アクリレートに水酸基などの極性基を持たせ、相溶性を向上させると、耐水、耐薬品性を維持することが困難である。
しかし特定構造のアミド酸を選定することにより、モルフォロジーを制御できることを見出した。
以下各成分について詳細に説明する
[ポリアミド酸]
本発明においてポリアミド酸、すなわち式(1)で表される繰り返し単位を有する重合体は、一般式(1)で表されるポリアミド酸ユニットのClausius-
【化4】
(但し、一般式(1)中、nは1以上の整数であり、R1及びR2はC,H,O,Nの元素のみで構成される。)
Mossotiの式(2)にて求められた誘電率及びユニット中のアミド酸含有率がそれぞれ3〜5かつ15〜40質量%、好ましくは3.3〜4.7かつ25〜35質量%であることが好ましい。誘電率を3以上とすることで接着性を保持でき、5以下とすることで可撓性及びアクリレートとの相溶性を保持できる。またアミド酸含有率を15質量%以上とすることで高Tgを実現でき、40質量%以下とすることで可撓性及びアクリレートとの相溶性を保持できる。
誘電率(ε)=(1+2・Pm/Vm)/(1−Pm/Vm) (2)
(ここでPmはモル分極率,Vmはモル体積である。)
ポリイミドとアクリルポリマーがポリマーアロイを形成することにより、ポリイミドの特長とアクリレートの特長を生かすことが可能であり、上述のような相溶性を得ることが肝要である。
ここでアミド酸含有率とはポリアミド酸ユニット中にアミド基とカルボン酸基が占める質量%を意味する。
アクリレートとポリアミド酸を使用することにより、アクリレートの感光性を利用した光造形及びポリイミドの硬化物物性を生かした高耐熱性、高屈曲性、耐薬品性を発現することができる。
式(1)及び(2)を満足する芳香族ジアミン及び芳香族酸二無水物が好ましく使用でき、ポリアミド酸はこれらを有機溶剤中付加重合させて製造することができる。
【0008】
上記重合反応において、反応温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜50℃であり、圧力は特に限定しない。反応時間は、使用する有機溶剤種、及び反応時間により左右されるが、通常反応が完結するのに十分な時間は4〜24時間である。本発明において、上記のように得られるポリアミド酸溶液の粘度は、10〜50%固形分濃度で0.5〜30.0Pa・sの範囲であることが望ましい。ここで、粘度とはEH型粘度計(東機産業社製)3゜コーンを用い、25℃で測定した値である。
【0009】
このポリアミド酸溶液の粘度が0.5Pa・s以上では、露光部の塗膜強度が十分に得られ高い解像度が得られる。30.0Pa・s以下ではアクリレートとの相溶性が良くまた現像時未露光部のアルカリ溶液による溶解性が良いため高い解像度が得られる。この粘度は、芳香族ジアミンと芳香族二酸無水物のモル比を変えることにより、任意に調整できる。
【0010】
本アミド酸溶液の含有量は、組成物中10〜80質量%(固形分換算)、好ましくは30〜70質量%である。含有量が10質量%以上含有することにより、アルカリ溶液による溶解性が向上し、高い解像度を得ることができると同時に、最終硬化膜としてポリイミドの特長である耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等を発現できる。また80質量%以下にし、アクリレート含有量を確保することにより、感光性を発現し、UV等のエネルギー線硬化が可能となり、光によるファインパターン形成が可能となる。
【0011】
本発明の芳香族ジアミンとしては、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、3,3’−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテル、1,3−ビス{3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ}ベンゼン、1,3−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}ベンゼン、1,4−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}ベンゼン、1,3−ビス{3−(3−アミノフェノキシ)フェノキシ}ベンゼン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニル−2,2’−プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジエトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’、5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’、5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等を使用することができる。これらは一般式(2)を満足できる範囲で有れば、単独または2種以上を併用することができる。
【0012】
本発明の芳香族酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(3,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、3,3’4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等を使用することができる。これらは一般式(2)を満足できる範囲で有れば、単独または2種以上を併用することができる。
【0013】
[アクリレート]
アクリレートとしては、一般式(3)で表わされるポリアルキレングルコールジ(メタ)アクリレート化合物、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリス{ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイル}イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリルホルマール、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリメタクリレート、トリス{ヒドロキシエチルアクリロイル}イソシアヌレート、トリス{ヒドロキシエチルメタクリロイル}イソシアヌレート、イソシアヌール酸トリアクリレート、イソシアヌール酸トリメタクリレート等が挙げられる。
【化5】
(式中、R3は水素原子またはメチル基、R4、R6は炭素数2〜4の脂肪族基、例えばエチレン、n−プロピレン、iso-プロピレン、n−ブチレン、iso−ブチレン、tert−ブチレン基、R5はベンゼン環を2個以上有する二価の基、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、メチレンビスフェノール、4,4’-エチリデンビスフェノール、ビフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、4,4’-シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4’-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’-(フェニルメチレン)ビスフェノール、5,5’-(1,1’-シクロヘキシリデン)ビス-[1,1’-(ビフェニル)-2-オール]の残基であり、nおよびmは0以上の整数であり、n+mは2〜30の整数である。)
上記(メタ)アクリレート化合物の含有量は、ポリアミド酸100質量部に対し0〜200質量部、好ましくは10〜50質量部である。200質量部以下にすることによって現像時の未露光部のアルカリ溶液による溶解性を保持でき、更にイミド化後の硬化物の可撓性が損なわれない。
これらはアミド酸との相溶性、露光時の硬化性及び現像性及び硬化物特性を損なわない限り、単独または2種以上を併用することができる。
【0014】
[難燃剤]
本発明の組成物に難燃剤を用いるのは好ましい態様である。
難燃剤は、アミド酸溶液と相溶できるものであれば何れでも良いが、リン系難燃剤が好ましい。
リン系難燃剤としては、有機リン化合物がエポキシ基を1〜4個有する化合物及び(メタ)アクリル基またはビニル基を1〜4個有する化合物と直接または他の化合物を介して結合したものが特に好ましい。
詳しくは有機リン含有化合物が、下記式(3)
【化6】
とエポキシ基を1〜4個有する化合物及び(メタ)アクリル基またはビニル基を1〜4個有する化合物との等モル付加物、下記式(4)
【化7】
とエポキシ基を1個有する化合物及び(メタ)アクリル基またはビニル基を1個有する化合物との等モル付加物、及び下記式(5)
【化8】
とエポキシ基を1個有する化合物及び(メタ)アクリル基またはビニル基を1個有する化合物との等モル付加物であることが望ましい。
【0015】
有機リン化合物がエポキシ基を1〜4個有する化合物及び(メタ)アクリル基またはビニル基を1〜4個有する化合物と直接または他の化合物を介して結合することで、高温高湿下で加水分解することが無く、またその加水分解したリン酸による触媒的な二次反応も起こらず、初期に設計した樹脂物性を安定的に発現することができる。
【0016】
ここでエポキシ基を1〜4個有するエポキシ化合物としては、例えば
(エポキシ基1個)
一価のフェノールをグリシジル化したモノジグルシジルエーテルであれば何れでもよい。フェノール類としては、フェノール、ο−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、レゾルシノール、ハイドロキノン、カテコール、ビスフェノールA、ビフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’−エチリデンビスフェノール、4,4’-シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4’-(フェニルメチレン)ビスフェノール、ο−フェニルフェノール、ο−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、ο−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、ο−イソプロピルフェノール、ο−メトキシフェノール、m−メトキシフェノール、2,4−キシレノール,2,6−キシレノール、p−メトキシフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられる。その他フェノール(エチレンオキサイドnモル付加)グリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、N−グリシジルフタルイミド、ジブロモフェニルグリシジルエーテル等も使用できる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0017】
(エポキシ基2個)
二価のフェノールまたは芳香族アミンをグリシジル化したジグルシジルエーテルであれば何れでもよい。二価フェノール類としては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、メチレンビスフェノール、4,4’-エチリデンビスフェノール、ビフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、4,4’-シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4’-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’-(フェニルメチレン)ビスフェノール、5,5’-(1,1’-シクロヘキシリデン)ビス-[1,1’-(ビフェニル)-2-オール、レゾルシノール、ハイドロキノンなどが挙げられる。また芳香族アミンとしては、アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、o−エチルアニリン、m−エチルアニリン、p−エチルアニリン、o−プロピルアニリン、m−プロピルアニリン、p−プロピルアニリン、o−フェニルアニリン、m−フェニルアニリン、p−フェニルアニリンなどが挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0018】
(エポキシ基3個)
三価のフェノールまたは芳香族アミノフェノールをグリシジル化したトリグルシジルエーテルであれば何れでもよい。3官能フェノール類としては例えば、4,4',4"-メチリデントリスフェノール、4,4'-[1-[4-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、4,4',4"-エチリディントリスフェノール、トリキス(ヒドロキシフェニル)エタン、トリキスグリシジルオキシフェニルメチルエタン、トリキス(ヒドキシフェニル)メチルプロパン、トリスフェノール−TC、等が挙げられる。また芳香族アミノフェノールとしては、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、アルキル化ο−、m−、p−アミノフェノール等が挙げられる。ここでアルキル化アミノフェノールとは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、およびイソプロピル基から選ばれる1種乃至4種が1個乃至4個がベンゼン環に直接結合したアミノフェノールをいう。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0019】
(エポキシ基4個)
4価のフェノールまたは芳香族ジアミンをグリシジル化したテトラグリシジルエーテルであれば何れでも良い。4価のフェノールとしては、4,4‘,4“,4”’−(1,2−エタンジイリデン)テトラキス[2−メチルフェノール]、4,4‘,4“,4”’−(1,4−フェニレンジメチリデン)テトラキスフェノール等が挙げられる。また芳香族ジアミンとしては、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,1‘−ジアミノジフェニルメタン、1,2’−ジアミノジフェニルメタン、1,3‘−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノジフェニルメタン、2,3‘−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル基又はビニル基を1〜4個有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル基またはビニル基を1個を有する化合物として、 2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシエチエングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチエングリコール(メタ)アクリレート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、フェニル(メタ)アクリレート、o−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、m−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、p−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、o−,m−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、o−,p−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、m−,p−ジブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、o−ブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、m−ブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−,m−ジブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−,p−ジブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、m−,p−ジブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−ブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、m−ブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p−ブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−,m−ジブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、o−,p−ジブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、m−,p−ジブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、フェノキシエチルビニルエーテル、フェノキシジエチレングリコールビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、メトキシエチエングリコールビニルエーテル、メトキシポリエチエングリコールビニルエーテル、β−ビニルオキシエチルハイドロジェンフタレート、フェニルビニルエーテル、o−ブロモフェニルビニルエーテル、m−ブロモフェニルビニルエーテル、p−ブロモフェニルビニルエーテル、o−,m−ジブロモフェニルビニルエーテル、o−,p−ジブロモフェニルビニルエーテル、m−,p−ジブロモフェニルビニルエーテル、トリブロモフェニルビニルエーテル、o−ブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、m−ブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、p−ブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、o−,m−ジブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、o−,p−ジブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、m−,p−ジブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、トリブロモフェニルエチレングリコールビニルエーテル、o−ブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、m−ブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、p−ブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、o−,m−ジブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、o−,p−ジブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、m−,p−ジブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、トリブロモフェニルポリエチレングリコールビニルエーテル、マレイン酸、ビニルコハク酸、マレイン酸EO付加物、ビニルコハク酸EO付加物等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0020】
(メタ)アクリル基またはビニル基を2個有する化合物として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロパンジオールジ−1−アクリレート−3−メタクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、イソプロピルジオールジ(メタ)アクリレート、イソプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、一般式(2)のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
【化9】
(式中、R3は水素原子またはメチル基、R4、R6は炭素数2〜4の脂肪族基、例えばエチレン、n−プロピレン、iso-プロピレン、n−ブチレン、iso−ブチレン、tert−ブチレン基、R5はベンゼン環を2個以上有する二価の基、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、メチレンビスフェノール、4,4’-エチリデンビスフェノール、ビフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、4,4’-シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4’-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’-(フェニルメチレン)ビスフェノール、5,5’-(1,1’-シクロヘキシリデン)ビス-[1,1’-(ビフェニル)-2-オール]の残基であり、nおよびmは0以上の整数であり、n+mは2〜30の整数である。)
エタンジオールジビニルエーテル、2−ヒドロキシプロパンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、イソプロピルジオールジビニルエーテル、イソプロピレングリコールジビニルエーテル、ウレタンアクリレートUA−4000(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−108A(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−200AX(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−122A(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−340AX(商品名:新中村化学工業社製)、一般式(6)で表わされるポリアルキレングリコールジビニルエーテル化合物等が挙げられる。
【化10】
(式中、R7は炭素数2〜4の脂肪族基、例えばエチレン、n−プロピレン、iso-プロピレン、n−ブチレン、iso−ブチレン、tert-ブチレン、R8はベンゼン環を2個以上有する二価の基、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、メチレンビスフェノール、4,4’-エチリデンビスフェノール、ビフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、1,1’-ビフェニル-4,4’-ジオール、4,4’-シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4’-(1-フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4’-オキシビスフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4’-(フェニルメチレン)ビスフェノール、5,5’-(1,1’-シクロヘキシリデン)ビス-[1,1’-(ビフェニル)-2-オール]の残基を表す。またnおよびmは0以上の整数であり、n+mは2〜30の整数である。)これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
(メタ)アクリル基またはビニル基を3個有する化合物
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリス{ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイル}イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリルホルマール、ポリエステルアクリレートPA−1000(商品名:新中村化学工業社製)等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0022】
(メタ)アクリル基またはビニル基を4個有する化合物
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエステルアクリレートPA−2000(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−4HA(商品名:新中村化学工業社製)、ウレタンアクリレートU−1084A(商品名:新中村化学工業社製)等が挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
上記以外の有機リン含有化合物でも、ソルダーレジスト皮膜の物性を低下させない程度であれば併用しても差し支えない。
【0023】
上記以外の有機リン含有化合物として、例えばトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリアリルホスフェート、ブチル化トリフェニルホスフェート、レゾルシノールビスジフェニルフォスフェート、ビスフェノールAビスジフェニルフォスフェート、ビスフェノールAビスジクレジルフォスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルフォスフォネート等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合し使用することができる。
上記リン系難燃剤の含有量は、感光性樹脂組成物(固形分)中P原子含有量が0.5〜6.0質量%、好ましくは1.0〜3.0質量%である。P原子含有量が0.5質量%以上で難燃性が発現し、6.0質量%以下とすることで感光性樹脂組成物としての現像性及び耐水性を保持できる。
【0024】
その他ハロゲン系難燃剤を併用することもできる。ハロゲン系難燃剤としては例えばトリブロモネオペンチルアルコール、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモ無水フタル酸、トリス(トリブロモフェノキシ)トリアジン、ペンタブロモベンジルアクリレート、ビス(トリブロモフェノキシエタン)、メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、アクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、EO変性メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、PO変性メタクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、EO変性アクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、PO変性アクリル酸−2,4,6−トリブロモフェニル、メタクリル酸−2,4,6−トリクロロフェニル、ジブロムネオペンチルジメタクリレート、ジブロムプロピルアクリレート、ジブロムプロピルメタクリレート、メタクリル酸クロライド、p−クロロスチレン、メチル−2−クロロアクリレート、エチル−2−クロロアクリレート、n−ブチル−2−クロロアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、PO変性テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、EO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、PO変性テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合し使用することができる。
上記ハロゲン系難燃剤の含有量は、感光性樹脂組成物(固形分)中Br原子含有量が0〜20質量%、好ましくは0〜8質量%である。
【0025】
[光重合開始剤]
本発明に用いる光重合開始剤は、具体的にはベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイル安息香酸、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0026】
更にベンゾインとエチレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、ベンゾインとプロピレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、α−アリルベンゾイン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとエチレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとプロピレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、ベンゾイル安息香酸とエチレンオキサイド等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ベンゾイル安息香酸とプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ヒドロキシベンゾフェノンとエチレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ヒドロキシベンゾフェノンとプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクロオキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンとエチレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンとプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−デシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合し使用することができる。
【0027】
また重合効率を向上させる目的で光重合開始助剤を併用しても良い。具体的には、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、モノプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。これら光重合開始助剤は1種または2種以上を混合し使用することができる。
【0028】
上記光重合開始剤及び光重合開始助剤の含有量は、それぞれ感光性樹脂組成物中0.05〜10質量%(固形分比)、好ましくは0.5〜7質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。合計0.1質量%以上含有させることにより目的の解像度が得られる程度の硬化度が得られる。また合計20質量%以下にすることにより、アクリレートの重合度を適度に調整でき、解像度や可撓性を制御することができる。
【0029】
[溶 剤]
本発明に基づきワニスを調製する場合は、溶剤を用いることができる。用いられる溶剤は、樹脂組成物の一部または全部を溶解し易いことが好ましいが、作業性(乾燥性含む)、樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲で貧溶媒を使用することができる。
具体的な溶剤としては例えばケトン類、アルコール類、エーテル及びエステル類、エステル類、グリコールエーテル類、アミン、アミド類、炭化水素類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いが、複数を併用しても良い。例えば、低沸点溶剤と高沸点溶剤を混合することにより乾燥時の発泡を抑制することができ、ドライフィルムの品質を向上させることができる。
【0030】
本発明において、ワニスを調製する場合、作業性(乾燥性含む)、樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲であれば特に量は規定されないが、好ましくはワニス中固形分が30〜90重量%、更に好ましくは45〜70重量%となるように使用すると、ドライフィルム作製時レベリング性が向上し、品質の向上につながる。
ケトン類では例えばアセトン,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−n−アミルケトン、アセトニルアセトン、イソホロン、アセトフェノン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
エーテル及びアセタール類では例えばn−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、トリオキサン、ジエチルアセタール、1,2−ジオキソラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
アルコール類では例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、テキサノール、等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0031】
エステル類では例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、安息香酸メチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタミン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノプロピルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0032】
グルコールエーテル類では例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0033】
アミン、アミド類では例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ピラジン、等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0034】
炭化水素類では例えばn−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ピネン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
その他、ジメチルスルホキシド等も使用することができる。
これらは作業性(乾燥性含む)、樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲であれば同一の群以外と併用しても差し支えない。
本発明において、固形分30〜90質量%に調整された該感光性樹脂組成物を、一定厚みの無色透明なフィルムに一定厚みで塗布、乾燥し、感光性ポリイミドフィルムを得ることができる。
【0035】
ここで無色透明なフィルムとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、エチレン/シクロデセン共重合体(三井化学製、商品名:APEL)等を用いる。ポリアミド酸は水分により物性が変化するため、低透湿性の樹脂が望ましく、従ってこれらの中では、APEL及びポリエチレン、ポリプロピレンが好適である。また、塗工性、付着性、ロール性、強靱性、コスト等を考慮した時、フィルムの厚みが15〜100μm、好ましくは30〜75μmであるポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン含有率の高いAPELが更に好ましい。
【0036】
感光性ポリイミドフィルムは、上記のフィルムにリバースロールコーターやグラビアロールコーター、コンマコーター、カーテンコーター等の公知の方法で塗布することができる。乾燥は、熱風乾燥や遠赤外線、近赤外線を用いた乾燥機で、温度50〜120℃で乾燥でき、より好ましくは60〜100℃で10〜60分乾燥することにより得ることができる。
感光性ポリイミドフィルムの膜厚は、5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。膜厚が5μm以上は絶縁信頼性に問題が無く、100μm以下にすることで解像度を向上させることができる。
該感光性ポリイミドフィルムをFPC等の回路形成された面に重ね合わせ、平面圧着やロール圧着等の公知の方法により、40〜150℃、好ましくは60〜100℃に加熱しながら0.2〜3MPaの圧力で熱圧着する事で感光性皮膜を形成することができる。圧着可能温度を40℃以上とする事で圧着前の位置合わせ時にタックにより手間取ったりする事が無くなり、150℃以下とすることによりイミド化が進行しすぎないで圧着時間に余裕ができ、工程マージンを広く取ることができる。
【0037】
また感光性ポリイミドフィルムを圧着するときの温度における粘度は50〜50000Pa・s、好ましくは100〜5000Pa・sが良い。50Pa・s以上とする事で流れ出しを防ぐことができ、50000Pa・s以下とすることで良好なパターンへの埋め込み性を得ることができる。
感光性皮膜は、微細孔や微細幅ラインを形成するため、任意のパターンが書かれたフォトマスクを通して露光される。露光量は、樹脂組成物により異なるが、通常100〜1000mj/cm2であり、より低エネルギーで解像度の高いことが要求される。この時使用される活性光線としては、例えば電子線、紫外線、X線等が挙げられるが、好ましくは紫外線が良い。光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。
露光後、現像液を用い、浸漬法やスプレー法にて現像を行う。現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液が使用できる。現像後は、稀塩酸や稀硫酸等の稀薄な酸性水溶液でリンスし、アミド酸とすることが望ましい。リンス工程を設けることでイミド化率の低下を抑えることができる。
現像によって得られたパターンは、その後加熱処理によってポリイミド化される。加熱処理は、150〜450℃、好ましくは200〜300℃で0.1〜5時間連続的または段階的に行われ加工品が出来上がる。
【0038】
【実施例】
以下、代表的な実施例により本発明を詳細に説明するがこれに限定されたものではない。
【0039】
(合成例1)
ポリアミド酸(PA1)の合成
反応器(攪拌機、還流冷却器及び窒素導入菅付き)中、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド350g、ジエチレングリコールジメチルエーテル350gに1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン173.24g(0.593モル)を溶解し、これを攪拌しながらピロメリット酸二無水物126.8g(0.581モル)(モル比0.980)を乾燥個体のまま少量づつ添加した。この間反応温度を40〜50℃に保ち、添加後20時間窒素雰囲気下で攪拌を継続し、固形分30質量%のポリアミド酸溶液(PA1)を得た。
【0040】
(合成例2)
ポリアミド酸(PA2)の合成
合成例1の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの代わりに、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ジフェニルエーテルを用い、合成例1と同一モル比(0.980)、反応条件で行い、ポリアミド酸溶液(PA2)を得た。
【0041】
(合成例3)
ポリアミド酸(PA3)の合成
合成例1の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの代わりに、3,3’ビス{3(3−アミノフェノキシ)フェノキシ}ベンゼンを用い、合成例1と同一モル比(0.980)、反応条件で行い、ポリアミド酸溶液(PA3)を得た。
【0042】
(合成例4)
ポリアミド酸(PA4)の合成
合成例1の1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンの添加量を174.0g(0.596モル)とし、ピロメリット酸二無水物の量を126.0g(0.578モル)(モル比0.970)とし、合成例2と同一反応条件で行い、ポリアミド酸(PA4)溶液を得た。
【0043】
(合成例5)
ポリアミド酸(PA5)の合成
合成例1のピロメリット酸の代わりに3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を用い、合成例1と同一モル比0.980、同一反応条件で行い、ポリアミド酸(PA5)溶液を得た。
【0044】
(合成例6)
ポリアミド酸(PA6)の合成
合成例2の3,3’−ジアミノジフェニルエーテルの添加量を145.1g(0.7252モル)とし、ピロメリット酸二無水物の量を154.9g(0.7075モル)(モル比0.980)とし、合成例2と同一反応条件で行い、ポリアミド酸(PA6)溶液を得た。
【0045】
(合成例7)
ポリアミド酸(PA7)の合成
合成例2の3,3’−ジアミノジフェニルスルホンの添加量を138.8g(0.5596モル)とし、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の量を161.2g(0.5484モル)(モル比0.980)とし、合成例2と同一反応条件で行い、ポリアミド酸(PA7)溶液を得た。
【0046】
(合成例8)
ポリアミド酸(PA8)の合成
合成例2の1,3−フェニレンジアミンの添加量を100.7g(0.9327モル)とし、ピロメリット酸二無水物の量を199.3g(0.9141モル)(モル比0.980)とし、合成例2と同一反応条件で行い、ポリアミド酸(PA8)溶液を得た。
【0047】
(合成例9)
難燃剤(FR - 1)の合成
R−140(商品名:三井化学社製 ビスフェノールAジグリシジルエーテル、エポキシ当量:185g/eq)500.0gとHCA(商品名:三光社製、9、10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド)、活性水素当量215g/eq)611.7g及びジメチルアセトアミド(DMAc)300gをセパラブルフラスコに入れ、120℃迄昇温、均一になっていることを確認後、キシレンに溶解したTPP(トリフェニルホスフィン)を、反応混合物に対し500ppmになるように添加した。直ぐに内温を150℃迄昇温し、5Hrs反応させた。反応終了後DMAcで徐々に稀釈し、60%濃度溶液とした(FR−1)。生成物の元素分析によるリン含有量は7.5wt%であった。
【0048】
【表1】
【0049】
上記合成例で示したアミド酸溶液を用いた感光性樹脂組成物の実施例を以下に示す。
(実施例1)
合成例1で得られたPA1を200質量部とアクリレートとしてFA−321M(商品名、日立化成工業社製)60質量部、難燃剤として合成例9で得られたFR−1(P含有量7.5質量%)43.6質量部(P含有量2.0質量%)を混合後、光重合開始剤としてIRUGACURE907(チバガイギー社製、以下IGC907と記す)2.5質量部、カヤキュアーDETX(日本化薬社製、以下DETXと記す)1.5質量部を混合溶解し、ワニスを調製した。このワニスを幅30cm、厚さ20μmのキャリアフィルムとしてポリプレピレンフィルム上に約100μmの厚みで塗工後、熱風循環乾燥炉内で80℃×30分間乾燥、厚さ20μmのカバーフィルムを張り合わせドライフィルムを作製した。作製したドライフィルムは、カバーフィルムを剥がした後、パターン形成されたFPCまたは1オンス圧延銅箔光沢面上に重ね合わせ、位置合わせ後真空ラミネート装置で80℃×20秒圧着し、評価用テストピースに供した。
【0050】
(実施例2〜10)
実施例1と同様に表2の配合比でワニスを調製しドライフィルム化後、テストピースを作製した。
【0051】
(比較例1〜4)
実施例と同様に表3の配合比でワニスを調製しドライフィルム化後、テストピースを作製した。
【0052】
上記実施例、比較例で作製されたテストピースを用い、以下の項目につき評価を行った。
評価1(相溶性)
アミド酸溶液とアクリレートを100/100(質量比)で混合し、ガラス基板上に乾燥後の膜厚が25μmとなるように塗工、乾燥後、白濁の有無を確認した。
評価2(解像度)
300mj/cm2で露光し、30℃の1.0%Na2CO3aqを0.15Paの圧力で噴霧現像、硬化後の解像度がヴィアホール100μmφ以下であることを確認した。
評価3(クロスカットピール)
JIS K 5404に準じた。
評価4(耐溶剤試験)
イソプロピルアルコール(JIS K 8839に指定)中室温で24時間浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02)。
評価5(耐薬品性A)
10%塩酸中室温で30分浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価6(耐薬品性B)
10%水酸化ナトリウム中室温で30分浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価7(はんだ耐熱性)
280±5℃に保持された溶融はんだにカバーレイ面を上にして5秒フロートし、皮膜の膨れ等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価8(耐屈曲性試験)
両面板で180゜に折り曲げ、折り曲げ部に1kgの荷重をかけた。これを3回繰り返し、折り曲げ部の剥離の有無を光学顕微鏡にて観察した。
評価9、10(引張り強度/伸び率)
厚み30〜35μm、幅15mm、長さ150mmの硬化フィルムを作製し、引張り速度50mm/Min.で引張り試験した時の強度及び伸び率を測定した。
評価11(Tg)
厚み30〜35μm、幅4mm、長さ25mmの硬化フィルムを作製し、セイコー電子社製TMA/SS100を用い、引張りモード加重5g、昇温速度2℃/Min.で測定した。
評価12(難燃性)
UL法(サブジェクト94)の垂直燃焼試験。
評価13(反り量)
A−4サイズの25μmtカプトンVの片面に25μmtのドライフィルムをラミネートし、露光(300mj/cm2)、現像、イミド化後、
50×50mmの大きさに切りぬいた時の、最大反り量を測定した。
評価14(モルフォロジー)
TEMにて観察。(×40000)
実施例1〜6(表2)及び比較例1〜4(表3)の組成表及び評価結果(表4〜5)を以下に示す。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0053】
【発明の効果】
光硬化後、150〜300℃の温度範囲で5〜120分間熱硬化したのちのモルフォロジーが、平均直径1.5μm以下の島相を有する相分離構造をとる感光性樹脂組成物を使用することにより、低エネルギー露光によりファインな画像形成が可能で、現像後の熱処理によるイミド化後の皮膜特性として、良好な可撓性、屈曲性、低反り性を有しながら優れた耐熱性、導体との接着性、電気特性等を発現する。
Claims (7)
- 下記一般式(1)で表される反復単位を含む重合体(A)、及び2官能以上のアクリレート(B)、光重合開始剤(C)、相溶性難燃剤(D)を必須成分とする感光性樹脂組成物であって、
前記相溶性難燃剤(D)は、有機リン化合物が、エポキシ基を1〜4個有する化合物あるいは(メタ)アクリル基またはビニル基を1〜4個有する化合物と直接または他の化合物を介して結合した化合物であり、
光硬化後、150〜300℃の温度範囲で5〜120分間熱硬化した後のモルフォロジーが、平均直径1.5μm以下の島相を有する相分離構造であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- 相分離構造の海相がポリイミド、島相がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- (A)100質量部に対し(B)0〜200質量部、(C)0.2〜25質量部含有しており、
一般式(1)で表されるポリアミド酸ユニットのClausius−Mossotiの式(2)にて求められた誘電率が3〜5、及びポリアミド酸ユニット中の、アミド基とカルボン酸基が占める質量%が15〜40%であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
誘電率(ε)=(1+2・Pm/Vm)/(1−Pm/Vm) (2)
(ここでPmはモル分極率,Vmはモル体積である。) - ポリアミド酸溶液の粘度(EH型粘度計(東機産業社製)3゜コーン、25℃) が、10〜50質量%の固形分濃度で0.5〜30.0Pa・sの範囲であることを特徴とする請求項3 に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至4に記載の感光性樹脂組成物を溶剤に溶解させた塗工液を基材に塗工し、50〜130℃の温度範囲で2〜60分間乾燥することを特徴とするドライフィルムの製造方法。
- 請求項5の製造方法により得られたドライフィルム。
- 請求項6に記載のドライフィルムを用いて加工された加工品。
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