JP4250019B2 - 感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびそれを用いた加工品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド酸を主成分とする感光性樹脂組成物、それから得られるドライフィルムおよびそれを用いた加工品に関し、さらに詳しくは、フレキシブルプリント配線板(Flexible Print Circuit Board、以下「FPC」ともいう。)のカバーレイ材料として用いられるソルダーレジスト用のドライフィルムを製造する感光性樹脂組成物、それから得られるソルダーレジスト皮膜を形成するソルダーレジスト用のドライフィルム、および該ドライフィルムを用いて得られる加工品に関する。
【0002】
【従来技術】
従来プリント配線板は、スクリーン印刷法でエッチングレジストパターンまたはメッキレジストパターン形成後、金属箔のエッチングまたはめっきを施し、所望の導体回路パターンを形成していた。そして、この導体回路パターンの酸化防止や絶縁性の維持を目的として、熱硬化性の樹脂組成物または光硬化性の樹脂組成物を用いて、導体回路形成時と同様にスクリーン印刷法にて、導体回路パターン上に目的とする形状の皮膜を形成していた。
【0003】
最近、導体回路パターンの微細化と位置精度の向上、さらに実装部品の小型化、ICパッケージのリードのファインピッチ化により、ソルダーレジスト皮膜等の絶縁皮膜形成もまた、画像精度や位置精度の向上を必要としていた。このため、近年では精度よく皮膜形成ができる方法として、光硬化性の樹脂組成物を用いてソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜を形成する方法(フォト法)が広く採用されるようになった。
【0004】
上記フォト法では、所望の大きさに感光性樹脂組成物を基材に塗布した後、乾燥して感光性皮膜を形成し、この感光性皮膜にネガのフォトマスクを乗せて、紫外線等の活性光線で露光焼付けを行うことが一般的である。感光性皮膜は、フォトマスクの透明部分を透過した活性光線で硬化し、未露光部分は現像液で除去される。上記フォト法で形成された感光性皮膜は、さらに熱や活性光線で硬化し、ソルダーレジスト皮膜や絶縁皮膜になるが、形成された画像はフォトマスクに極めて近い精度で形成できるため、微細な画像や高い位置精度を容易に得ることができる。
【0005】
しかしながらこの方法では、上記のように感光性樹脂組成物を基材表面に塗布する工程、溶剤を乾燥する工程が必要であり、FPC製造の工程が煩雑になり、またピンホールや異物による不良率の低減に苦慮しているのが実情であった。また現像工程では、未露光部分の未硬化部分を有機溶剤で溶解剥離して除去しているが、溶剤として1,1,1−トリクロロエタン等の毒性の強い溶剤または可燃性の溶剤が使用されているため、作業安全性の面からアルカリ水溶液などの不燃性で毒性の低い溶剤を現像液としたフォトソルダーレジストが望まれていた。
【0006】
そこでアルカリ水溶液現像型のフォトソルダーレジストの研究が近年盛んとなり、幾つか組成物が開示されている。例えば、特公昭56−40329号公報には、エポキシ樹脂に不飽和モノカルボン酸を付加させ、さらに多塩基酸無水物を付加させてなる反応生成物をベースポリマーとする感光性樹脂組成物が開示されている。また特開昭61−243869号公報には、ノボラック型エポキシアクリレート等に多塩基酸無水物を付加させた反応生成物をベースポリマーとし、アルカリ水溶液を現像液とするフォトソルダーレジスト組成物が開示されている。しかしながら、上記の組成物で得られるソルダーレジスト皮膜は、耐熱性、耐溶剤性や耐薬品性において不十分であり、絶縁性、誘電率に関する特性も十分とは言えない。また可撓性、屈曲性に乏しいため、FPCのような可撓性回路基板には適用できない。
【0007】
一方ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を加熱処理することによって得られるポリイミドが、その優れた耐熱性、耐薬品性、誘電特性等から、IC保護膜、層間絶縁膜として使用されており、さらに露光、現像により直接パターンが形成できる感光性ポリイミド前駆体が提案されている(特開昭59−160140号公報、特開平05−158237号公報参照)。しかしながらポリアミド酸を溶剤に溶解したポリイミドワニスには通常極性の高い高沸点溶剤が用いられ、また固形分濃度も高くできないため乾燥時間が長くなり、加工コストが高くなるという問題があった。特開昭61−170731号公報や特開昭64−2037号公報には、感光性ポリイミド前駆体をドライフィルム化した例が記載されているが、それ自体製造が複雑で品質管理が難しく高コストとなってしまう。また300℃以上の温度をかけないとイミド化が困難であり、しかもイミド化したものも伸びの少ない樹脂となってしまうという欠点が指摘されている。またポリアミド酸を相溶できる感光性アクリレートが限定され定量的混合はできないため、解像度の向上が難しく特に厚膜に対しては不利と考えられる。
【0008】
さらに近年、環境保護の観点から、製品をリサイクルして使用することが望まれており、リサイクル時、環境に負荷を与える化学物質の排出を抑制する製品が強く望まれている。FPCに使用される樹脂材料には十分な難燃特性が要求されるため、難燃性を発現させる目的で、多くの材料中には、臭素含有芳香族化合物などの燃焼時にダイオキシンを発生させる可能性が高いハロゲン含有化合物が使用されていたり、または、毒性物質であるアンチモン化合物類が使用されていたり、するのが現状である。
【0009】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は、環境に負荷を与える可能性の高いハロゲン含有化合物類およびアンチモン化合物を含まず、硬化後に良好な難燃性を発現する感光性樹脂組成物であり、なおかつ、低エネルギー露光によりファインな画像形成が可能であり、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で現像でき、かつ現像後熱処理してイミド化して得られる皮膜が、良好な可撓性、屈曲性を有しながら優れた耐熱性、導体との接着性、電気特性等を発現する感光性樹脂組成物を提供することを目的としている。また、本発明は、このような感光性樹脂組成物から得られるドライフィルムおよび該フィルムをラミネート、硬化して形成された皮膜を有する加工品を提供することを目的としている。
【0010】
【発明の解決手段】
本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)
(A)下記一般式(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種以上の環状リン化合物 2〜100重量部と、
(B)ポリアミド酸 100重量部と、
(C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物 10〜700重量部、および
(D)光重合開始剤を含有していることを特徴とする感光性樹脂組成物。
【化7】
Figure 0004250019
(式中、AおよびBは、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Yは、OまたはSの元素またはPとRが直結していてもよく、Xは炭素数1〜4のアルキル基、nは0または1〜4の整数を示し、Xが2個以上の場合は、それぞれのXは互いに同一でも異なっていてもく、Dは、OまたはSの元素を表し、Rは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。)
【化8】
Figure 0004250019
(式中、A'、B'、D'およびE'は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を示し、Y'は、OまたはSの元素またはPとRが直結していてもよく、X'は炭素数1〜4のアルキル基、n'は0または1〜4の整数を表し、X'が2個以上の場合は、それぞれのX'は互いに同一でも異なっていてもく、R、R’、R”はそれぞれ独立に脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。R'とR''は環を形成していてもよい。)
【化9】
Figure 0004250019
(式中、A''およびB''は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、X''は炭素数1〜4のアルキル基、n"は0または1〜4の整数を表し、X''が2個以上の場合は、それぞれ互いに同一でも異なっていても良い。)
【化10】
Figure 0004250019
(式中、A'''、B'''、D'''およびE'''は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Y'''およびZは、O,Sから選ばれる元素を表し、RおよびR’はそれぞれ独立に脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。)
(2)
(B)前記ポリアミド酸が下記式(5)で表される構成単位からなり、粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶媒、濃度30質量%、25℃で測定)が0.5〜30.0Pa・sの範囲にあり、かつ構成単位中のアミド酸の含有率が15〜40質量%の範囲にある(1)に記載の感光性樹脂組成物。
【化11】
Figure 0004250019
[式中、mは1〜100の整数であり、R1はC、H、O、NおよびSiから選ばれる元素のみで構成される2価の有機基を表わし、R2はC、H、O、NおよびSiから選ばれる元素のみで構成される4価の有機基を表わす。]
(3) 上記(C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物が、アルコール性水酸基を有する2官能以上の(メタ)アクリレート化合物及び、または、ポリアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート化合物である(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4)
上記ポリアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート化合物が、下記式(6)で表される化合物である(3)に記載の感光性樹脂組成物。
【化12】
Figure 0004250019
(式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、R4およびR6は炭素数2〜5の脂肪族基を表し、R5はベンゼン環を2個以上有する芳香族基または単結合を表し、n'およびm'は1以上の整数であり、かつn'+m'は2〜12である。)
(5)
(1)〜(4)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から得られることを特徴とするドライフィルム。
(6)
40〜120℃での粘度が50〜50000Pa・sである(5)に記載のドライフィルム。
(7)
(5)または(6)に記載のドライフィルムから得られたポリイミド皮膜がフレキシブルプリント配線板上に形成されてなる加工品。
に関する。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る感光性樹脂組成物、ドライフィルムおよびそれを用いた加工品について具体的に説明する。
【0012】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、
(A)前記(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種以上の環状リン化合物 2〜100重量部と、
(B)ポリアミド酸 100重量部と、
(C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物 10〜700重量部、および
(D)光重合開始剤
を含有してなるものである。
以下、感光性樹脂組成物の各成分について詳細に説明する。
【0013】
(A)環状リン化合物
本発明で用いられる環状リン化合物は具体的には下記式で表される環状リン化合物である。
【0014】
【化13】
Figure 0004250019
(式中、AおよびBは、それぞれ独立にO,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Yは、OまたはSから選ばれる元素またはPとRは直結していてもよく、Xは炭素数1〜4のアルキル基、nは0または1〜4の整数を表し、Xが2個以上の場合は、それぞれのXは互いに同一でも異なっていても良く、Dは、OまたはSの元素を表し、Rは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。)
【0015】
【化14】
Figure 0004250019
(式中、A'およびB'は、それぞれ独立にO,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Y'は、OまたはSから選ばれる元素またはPとRが直結していてもよく、X'は炭素数1〜4のアルキル基、n'は0または1〜4の整数を表し、X'が2個以上の場合は、それぞれのX'は互いに同一でも異なっていても良く、R、R’、R”は脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。R’とR”は環を形成していてもよい。)
式(1)および(2)中、脂肪族炭化水素の例としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基を挙げることができる。このアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基およびn−オクチル基を挙げることができる。脂環族炭化水素としては炭素数3〜12、好ましくは3〜6の脂環構造を有する有機基を挙げることができる。具体的な例としては、シクロプロピル基およびシクロヘキシル基を挙げることができる。芳香族炭化水素の例としては、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を挙げることができる。具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基を挙げることができる。
上記式(1)および(2)において、Rが芳香族炭化水素であることが好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
以下に、上記一般式(1)および(2)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0016】
【化15】
Figure 0004250019
【0017】
【化16】
Figure 0004250019
【0018】
【化17】
Figure 0004250019
(式中、A''およびB''は、それぞれ独立にO,NHまたはSから選ばれる元素を表し、X''は炭素数1〜4のアルキル基、n''は0または1〜4の整数を表し、X''が2個以上の場合は、それぞれのX''は互いに同一でも異なっていても良い。)
以下に、上記式(3)で表される化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
【0019】
【化18】
Figure 0004250019
【0020】
【化19】
Figure 0004250019
(式中、A'''、B'''、D'''およびE'''は、それぞれ独立にO,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Y'''およびZは、OまたはSの元素を表し、RおよびR’は脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる有機基を表す。)
式(4)中、脂肪族炭化水素の例としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基を挙げることができる。このアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−アミル基、n−ヘキシル基およびn−オクチル基を挙げることができる。脂環族炭化水素としては炭素数3〜12、好ましくは3〜6の脂環構造を有する有機基を挙げることができる。具体的な例としては、シクロプロピル基およびシクロヘキシル基を挙げることができる。芳香族炭化水素の例としては、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を挙げることができる。具体的な例としては、フェニル基、ナフチル基およびアントラセニル基を挙げることができる。
【0021】
上記のこれらの基は置換基を有していてもよく、具体的な例としては、水酸基、アルキル基およびアルコキシ基を挙げることができる。これらの中でも炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。
【0022】
上記式(4)において、A''',B''',D'''、E'''、Y'''及びZがすべてO元素であることが好ましい。このような化合物の例としては、例えば、ペンタエリスリトールジメチルホスホネート、ペンタエリスリトールジエチルホスホネート、ペンタエリスリトールジシクロヘキシルホスホネート、ペンタエリスリトールジフェニルホスホネート、ペンタエリスリトールジ(メチルフェニル)ホスホネート、ペンタエリスリトールビス(ジメチルフェニル)ホスホネートおよびペンタエリスリトールビス(tert−ブチルフェニル)ホスホネートなどを挙げることができる。これらの中でも式(4)におけるRおよびR’が芳香族炭化水素である化合物が好ましく、さらにはフェニル基である化合物がより好ましい。
【0023】
これら環状リン化合物は、特開平11−217508に記載の方法を用いることで容易に合成することができる。本発明の感光性樹脂組成物の含有量は、所望の難燃性を示すために必要な最低限の量を含有することが好ましい。過剰に含有することは樹脂本来の特性または性質を抑えることになるので好ましくない。また、樹脂の燃焼性は、燃焼しやすいアクリレート成分と燃焼しにくいポリアミド酸成分の割合により変動する。そのため、環状リン化合物(A)の含有量は、一概に規定できないが、ポリアミド酸(B)100重量部に対して1〜500重量部、好ましくは2〜300重量部、より好ましくは2〜100重量部である。これら環状リン化合物は、単独でも2種以上で使用しても良く、本発明の感光性樹脂組成物中で溶けていても、不溶でも構わない。
【0024】
本発明の感光性樹脂組成物において該環状リン化合物が不溶の場合は、感光による画像形成に支障をきたさない程度の大きさで分散していることが好ましい。不溶の該環状リン化合物が10μm以上の大きさで分散していると数十μmの画像を形成する際に大きく支障を来すため、1μm以下の大きさで分散していることが好ましい。
【0025】
また、他の難燃剤と併用して使用することもできる。その場合は併用することによる相乗効果により難燃性が向上する組み合わせもあるので、用いる環状リン化合物の導入量を減らすことが可能となる。併用できる難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、グラファイト、加熱膨張性黒鉛、メラミン、リン酸エステル類、ホスファゼン化合物類、リン酸アンモニウム、シリコーン化合物類などがあり、これらに限定されるものではない。
【0026】
(B)ポリアミド酸
本発明で用いられるポリアミド酸は、下記式(5)で表される構成単位(以下「ポリアミド酸単位」ともいう。)からなることが好ましい。
【0027】
【化20】
Figure 0004250019
(式中、mは1〜100の整数であり、R1はC、H、O、NおよびSiから選ばれる元素のみで構成される2価の有機基を表し、R2はC、H、O、N、Siから選ばれる元素のみで構成される4価の有機基を表す。)
1として好ましい2価の有機基としては、下記式(8−1)または(8−2)で表される基が挙げられる。
【0028】
【化21】
Figure 0004250019
2として好ましい4価の有機基としては、下記式(9−1)または(9−2)で表される基が挙げられる。
【0029】
【化22】
Figure 0004250019
本発明で用いられるポリアミド酸(B)は、誘電率が3〜5、好ましくは3.3〜4.7の範囲にあることが好ましい。
ポリアミド酸単位の誘電率が上記下限値以上であると、ソルダーレジスト用ドライフィルムから得られたポリイミド皮膜とFPCとの接着性に優れ、誘電率が上記上限値以下であると、(メタ)アクリレート化合物(C)との相溶性を保持でき、ソルダーレジスト用ドライフィルムから得られたポリイミド皮膜の可撓性に優れる傾向がある。
なお、ポリアミド酸単位の誘電率は、下記式(10)で示されるClausius-Mossotiの式により求められる。
【0030】
誘電率(ε)=(1+2・Pm/Vm)/(1−Pm/Vm) …(10)
(式中、Pmはモル分極率、Vmはモル体積を示す。)
また、本発明に係るポリアミド酸(B)は、構成単位中のアミド酸含有率が15〜40質量%の範囲、より好ましくは25〜35質量%の範囲にあるのが好ましい。
【0031】
アミド酸含有率が15質量%以上であると、感光性樹脂組成物から得られる被膜は高Tgを実現でき、40質量%以下であるとポリアミド酸(B)から得られるポリイミドと(メタ)アクリレート化合物(C)から得られるアクリルポリマーとの相溶性を保持でき、かつ感光性樹脂組成物から得られる被膜が可撓性に優れる。
ここで、アミド酸含有率とは、アミド基(NHCO)とカルボン酸基(COOH)が構成単位中に占める質量%を示す。
【0032】
本発明では、ポリアミド酸(B)は、誘電率およびアミド酸含有率がそれぞれ3〜5かつ15〜40質量%、特に3.3〜4.7かつ25〜35質量%であることが好ましい。
【0033】
本発明の特徴は、ポリイミドとアクリルポリマーがポリマーアロイを形成することにより、ポリイミドの特長とアクリルポリマーの特長を生かすことにあり、上述のような相溶性を得ることが本発明のキー技術の一つとなる。
このようなポリアミド酸単位からなり、かつ誘電率およびアミド酸含有率が上記範囲内にあるポリアミド酸(B)は、例えば下記式(8−1')または(8−2')で表される芳香族ジアミンと、下記式(9−1')または(9−2')で表される芳香族二無水物とを使用し、これらを有機溶剤中で付加重合させて製造することができる。
【0034】
【化23】
Figure 0004250019
【0035】
【化24】
Figure 0004250019
本発明では、芳香族ジアミンとして上記式(8−1')または(8−2')で表される芳香族ジアミンの他に、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−3,3',5,5'−テトラメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニル−2,2'−プロパン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,4'−ジアミノベンズアニリド、4,4'−ジアミノベンズアニリド、3,3'−ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジエトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジメチル−5,5'−ジエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジエトキシ−4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3',5,5'−テトラエチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2'−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ポリジメチルシロキサンジアミン、ポリプロピレングリコールジアミン等を使用することができる。
【0036】
これらの上記式(8−1')または(8−2')で表される芳香族ジアミン以外の芳香族ジアミンは、該芳香族ジアミンを用いて得られるポリアミド酸(B)が、上記誘電率を満たす範囲で使用することができる。
本発明では、芳香族酸二無水物として上記式(9−1')または(9−2')で表される芳香族酸二無水物の他に、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス(3,3−ジカルボキシルフェニル)エタン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等を使用することができる。
【0037】
これらの上記式(9−1')または(9−2')で表される芳香族酸二無水物以外の芳香族酸二無水物は、該芳香族酸二無水物を用いて得られるポリアミド酸(B)が、上記誘電率を満たす範囲で使用することができる。
上記芳香族ジアミンと上記芳香族二無水物との重合反応において、反応温度は通常10〜60℃、好ましくは20〜50℃であり、圧力は特に限定しない。反応時間は、使用する有機溶剤種、および反応温度により左右されるが、通常反応が完結するのに十分な時間は4〜24時間である。
上記のように得られるポリアミド酸溶液(ポリアミド酸(B))は、粘度が0.5〜30.0Pa・s、好ましくは10.0〜20.0Pa・sの範囲にあることが望ましい。ここで、粘度とはEH型粘度計(東機産業社製)3゜コーンを用い、25℃で測定した値である。
【0038】
このポリアミド酸溶液の粘度が0.5Pa・s以上であると、露光部の塗膜強度が十分に得られ高い解像度が得られる傾向がある。30.0Pa・s以下では(メタ)アクリレート化合物(C)との相溶性が良くまた現像時未露光部のアルカリ溶液による溶解性が良いため高い解像度が得られる傾向がある。この対数粘度は、芳香族ジアミンと芳香族二酸無水物のモル比を変えることにより、任意に調整できる。
【0039】
ポリアミド酸(B)の含有割合は、感光性樹脂組成物中に10〜95質量%(固形分換算)、好ましくは30〜70質量%である。含有割合が10質量%以上であると、露光後の被膜のアルカリ溶液による溶解性が向上し、高い解像度を得ることができると同時に、最終硬化膜としてポリイミドの特長である耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性等を発現できる。また、含有割合が95質量%以下にし、(メタ)アクリレート化合物(C)の含有量を確保することにより、感光性を発現し、UV等のエネルギー線硬化が可能となり、光によるファインパターン形成が可能となる。
【0040】
(C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物
本発明で用いられる少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物(C)としては、アルコール性水酸基を有し、かつ光重合可能な不飽和二重結合を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物、ポリアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート化合物、その他の(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物(C)は、ポリアミド酸(B)100質量部に対して、10〜700質量部、好ましくは30〜250質量部の割合となるように用いるのが好ましい。
【0041】
アルコール性水酸基を有し、かつ光重合可能な不飽和二重結合を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリメタクリレート、トリス{ヒドロキシエチルアクリロイル}イソシアヌレート、トリス{ヒドロキシエチルメタクリロイル}イソシアヌレート、イソシアヌール酸トリアクリレート、イソシアヌール酸トリメタクリレートが挙げられる。
【0042】
これらのアルコール性水酸基を有し、かつ光重合可能な不飽和二重結合を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物は、単独または2種以上を併用することができる。
これらはポリアミド酸(B)との相溶性に優れ、露光時の硬化性および現像性制御のために用いられる。
上記アルコール性水酸基を有し、かつ光重合可能な不飽和二重結合を少なくとも2つ以上有する(メタ)アクリレート化合物の含有量は、ポリアミド酸(B)100質量部に対し0〜200質量部、好ましくは5〜200質量部、より好ましくは10〜50質量部の範囲である。200質量部以下にすることによって現像時の未露光部のアルカリ溶液による溶解性を保持でき、更にイミド化後の硬化物の可撓性が損なわれない。
【0043】
ポリアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート化合物としては、次式(6)で示される化合物が挙げられる。この化合物は単独または2種以上を併用することができる。
この化合物はポリアミド酸との相溶性に優れ、露光時の硬化性および現像性制御のために用いる。
【0044】
【化25】
Figure 0004250019
(式中、R3は水素原子またはメチル基、R4およびR6は炭素数2〜5の脂肪族基、R5はベンゼン環を2個以上有する芳香族基または単結合を示し、n'およびm'は1以上の整数であり、かつn'+m'は2〜12である。)。
【0045】
上記化合物中、R4、R6は炭素数2〜4の脂肪族基を表し、例えばエチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン基が好適である。炭素数を2〜4に限定することで、適度な水溶性を保持し、ポリアミド酸(B)との良好な相溶性を発現することができる。
【0046】
また式中、R5はベンゼン環を2個以上有する芳香族基または単結合を表し、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、メチレンビスフェノール、4,4'-エチリデンビスフェノール、ビフェノール、4,4'−オキシビスフェノール、1,1'−ビフェニル−4,4'-ジオール、4,4'−シクロヘキシリレンビスフェノール、4,4'−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノール、4,4'-オキシビスフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタノン、4,4'−(フェニルメチレン)ビスフェノール、5,5'−(1,1'−シクロヘキシリデン)ビス−[1,1'−(ビフェニル)−2−オールなどの化合物の水酸基の残基が挙げられる。ベンゼン環数を2個以上とする事で、親水性を保持しながら耐薬品性を向上させる事ができる。
【0047】
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート化合物の含有量は、ポリアミド酸(B)100質量部に対し10〜500質量部、好ましくは20〜200質量部の範囲である。10質量部以上含有することでアミド酸との相溶性が向上し、解像性も良好となる。同時にイミド化後の硬化物の可撓性が向上し、高Tgを有しながら高い伸び率を得ることができる。また500質量部以下にすることによってポリイミドの特長を生かした硬化膜を得ることができ、耐薬品性や高い電気絶縁性を発現できる。
本発明では(メタ)アクリレート化合物(C)として、上記以外に必要に応じて下記化合物を併用することができる。
【0048】
例えば1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,3,5−トリ(メタ)アクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリス{ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイル}イソシアヌレート、トリ(メタ)アクリルホルマール、テトラメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールモノアクリレート等が挙げられる。
これらはポリアミド酸(B)に溶解できる範囲で使用可能であるが、通常ポリアミド酸(B)100質量部に対して0〜90質量部である。
【0049】
(D)光重合開始剤
本発明で用いられる光重合開始剤(D)は、具体的にはベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、ジエチルチオキサントン、クロルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイル安息香酸、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0050】
さらにベンゾインとエチレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、ベンゾインとプロピレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、α−アリルベンゾイン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとエチレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとプロピレンオキサイドの等モル付加物や、2〜4倍モル付加物、ベンゾイル安息香酸とエチレンオキサイド等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ベンゾイル安息香酸とプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ヒドロキシベンゾフェノンとエチレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、ヒドロキシベンゾフェノンとプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−アクロオキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンとエチレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンとプロピレンオキサイドの等モル反応物、2〜4倍モル付加物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−デシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。これらは1種または2種以上混合し使用することができる。
【0051】
また重合効率を向上させる目的で光重合開始助剤を併用してもよい。具体的には、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、モノプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。これら光重合開始助剤は1種または2種以上を混合し使用することができる。
上記光重合開始剤及び光重合開始助剤の含有量は、それぞれ感光性樹脂組成物中0.05〜10質量%(固形分換算)、好ましくは0.5〜7質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。合計0.1質量%以上となるように含有させることにより目的の解像度が得られる程度の硬化度が得られる。また合計20質量%以下にすることにより、(メタ)アクリレート化合物(C)の重合度を適度に調整でき、解像度や可撓性を制御することができる。
【0052】
溶 剤
感光性樹脂組成物には、溶剤を用いることができる。溶剤としては、上記(A)ないし(D)の一部または全部を溶解し易いものを用いることが好ましいが、作業性(乾燥性含む)および樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲で貧溶媒を使用することができる。
溶剤の使用量は、作業性(乾燥性含む)および樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲であれば特に限定されないが、好ましくは感光性樹脂組成物中30〜90重量%、さらに好ましくは45〜70重量%である。上記範囲で溶剤を使用すると、ドライフィルム作製時にレベリング性が向上し、品質の向上につながる。
【0053】
具体的な溶剤としては例えばケトン類、アルコール類、エーテルおよびエステル類、エステル類、グリコールエーテル類、アミン、アミド類、炭化水素類等が挙げられる。
【0054】
ケトン類としては例えばアセトン,メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチル−n−アミルケトン、アセトニルアセトン、イソホロン、アセトフェノン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0055】
アルコール類としては例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、テキサノール等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0056】
エーテル及びアセタール類としては例えばn−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、エチルフェニルエーテル、1,4−ジオキサン、トリオキサン、ジエチルアセタール、1,2−ジオキソラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0057】
エステル類としては例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、安息香酸メチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタミン酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルアセテート、エチレングリコールモノプロピルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアセテート等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0058】
グリコールエーテル類としては例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0059】
アミン、アミド類としては例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ピラジン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
【0060】
炭化水素類としては例えばn−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ピネン等が挙げられ、これら単独または複数を併用できる。
その他、ジメチルスルホキシド等も使用することができる。
これらは単独で用いても良いが、複数を併用しても良い。例えば、低沸点溶剤と高沸点溶剤を混合することにより乾燥時の発泡を抑制することができ、ドライフィルムの品質を向上させることができる。また、これらの溶剤は作業性(乾燥性含む)および樹脂物性を向上させるかまたは損なわない範囲であれば同一の群以外と併用しても差し支えない。
【0061】
ドライフィルムの製造方法
ドライフィルム(感光性ポリイミドフィルム)は、固形分30〜90質量%に調整された該感光性樹脂組成物を、一定厚みの無色透明なフィルムに一定厚みで塗布、乾燥することによって得ることができる。
ここで無色透明なフィルムとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート、エチレン/シクロデセン共重合体(三井化学製、商品名(商標):APEL)等を用いることができる。ポリアミド酸(B)は水分により物性が変化するため、低透湿性の樹脂が望ましく、従ってこれらの中では、APEL(商標)、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好適である。
無色透明なフィルムの厚みは、通常15〜100μm、好ましくは30〜75μmの範囲にあることが好ましい。厚さが上記範囲にあるとフィルムは、塗工性、付着性、ロール性、強靱性、コスト等に優れる。
【0062】
本発明では、塗工性、付着性、ロール性、強靱性、コスト等を考慮すると、フィルムの厚みが15〜100μm、好ましくは30〜75μmの範囲にある、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン含有率の高いAPEL(商標)がさらに好ましい。
感光性樹脂組成物の塗布は、上記の無色透明なフィルムにリバースロールコーターやグラビアロールコーター、コンマコーター、カーテンコーター等の公知の方法で行うことができる。塗膜の乾燥は、熱風乾燥や遠赤外線、近赤外線を用いた乾燥機を用い、温度50〜120℃で行うことができ、好ましくは60〜100℃で10〜60分行う。
【0063】
ドライフィルムの膜厚は、5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。膜厚が5μm以上であると絶縁信頼性に問題が無く、100μm以下にすることで解像度を向上させることができる。
該ドライフィルムをFPC等の回路形成された面に重ね合わせ、平面圧着やロール圧着等の公知の方法により、40〜150℃、好ましくは40〜120℃、より好ましくは60〜100℃に加熱しながら0.2〜3MPaの圧力で熱圧着する事で感光性皮膜を形成することができる。熱圧着可能温度を40℃以上とする事で圧着前の位置合わせ時にタックにより手間取ったりする事が無く、150℃以下とすることによりイミド化が進行しすぎないで圧着時間に余裕ができ、工程マージンを広く取ることができる。なお、熱圧着可能温度とは、気泡残り等の問題がなく、パターンへの埋め込みが充分にできると同時に、流れすぎてパターンの外に流れ出さない粘度にフィルムを制御することが可能な温度を意味する。
【0064】
またドライフィルムを圧着するときの温度における粘度は50〜50000Pa・s、好ましくは100〜5000Pa・sが良い。50Pa・s以上とする事で圧着時の流れ出しを防ぐことができ、50000Pa・s以下とすることで良好なパターンへの埋め込み性を得ることができる。なお、ドライフィルムを圧着するときの温度における粘度は、HAAKE社製レオメーターを用い、パラレルプレート間にフィルムを厚みが0.5〜1.0mmになるように挟み、昇温しながら周波数0.5Hzでずり応力を加え測定される。
【0065】
感光性皮膜は、微細孔や微細幅ラインを形成するため、任意のパターンが書かれたフォトマスクを通して露光される。露光量は、感光性樹脂組成物の組成により異なるが、通常100〜1000mJ/cm2である。この時使用される活性光線としては、例えば電子線、紫外線、X線等が挙げられるが、好ましくは紫外線である。光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。
【0066】
露光後、現像液を用い、浸漬法やスプレー法にて現像を行う。現像液としては、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液が使用できる。現像後は、稀塩酸や稀硫酸等の稀薄な酸性水溶液でリンスし、アミド酸とすることが望ましい。リンス工程を設けることでイミド化率の低下を抑えることができる。
現像によって得られたパターンは、その後加熱処理によってポリイミド化される。加熱処理は、150〜450℃、好ましくは200〜300℃で0.1〜5時間連続的または段階的に行われ加工品が出来上がる。
このようにして得られる加工品としては、可撓性回路基板、多層プリント配線板などが挙げられる。
【0067】
【実施例】
以下、代表的な実施例により本発明を詳細に説明するがこれに限定されたものではない。
【0068】
(合成例1)
環状リン化合物(CP - 1)(11)の合成
1.5Lの四つ口のセパラブルフラスコにジムロート冷却管と滴下ロートと温度計を備え、内部を窒素置換した後、o−フェニレンジアミン(デュポン社製)88gおよびブロモベンゼン(東京化成試薬、以下同様)800mlを導入した。内部温度が160℃まで昇温し、その温度に到達後、滴下ロートより160gのフェニルリン酸ジクロライド(日産化学社製、以下同様)を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにその温度で16時間撹拌を継続させた。この後、反応液を冷却し、生成した固体を減圧濾過して濾別後、得られた固体をブロモベンゼンで洗浄し、減圧下室温で乾燥し、下記(11)で示される環状リン化合物を196g得た。
【0069】
【化26】
Figure 0004250019
(合成例2)
環状リン化合物(CP−2)(12)の合成
1Lの四つ口のセパラブルフラスコにジムロート冷却管と滴下ロートと温度計を備え、内部を窒素置換した後、2−アミノフェノール(アルドリッチ試薬)88gおよびブロモベンゼン800mlを導入した。内部温度が160℃まで昇温し、その温度に到達後、滴下ロートより80gのフェニルリン酸ジクロライドを1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにその温度で4時間撹拌を継続させた。この後、反応液を冷却し、生成した固体を減圧濾過して濾別後、得られた固体をブロモベンゼンで洗浄し、減圧下室温で乾燥し、下記(12)で示される環状リン化合物を55g得た。
【0070】
【化27】
Figure 0004250019
(合成例3)
環状リン化合物(CP−3)(13)の合成
2Lの四つ口のセパラブルフラスコにジムロート冷却管と滴下ロートと温度計を備え、内部を窒素置換した後、ホスファゼンジクロライド3量体100gおよび予め脱水したテトラヒドロフラン1Lを導入した。その後、滴下ロートより、カテコール92g、トリエチルアミン170g、テトラヒドロフラン300mlの混合溶液を2時間かけて滴下した。その後、内部温度を65℃まで昇温し、その温度に到達後、その温度で2時間撹拌を継続させた。この後、反応液を冷却し、生成した固体を減圧濾過して濾別後、トルエン1Lでソックスレイ抽出を実施した。抽出層を冷却し、濾過後、得られた固体を減圧下室温で乾燥し、下記(13)で示される環状リン化合物を81g得た。
【0071】
【化28】
Figure 0004250019
(合成例4)
環状リン化合物(CP - 4)(14)の合成
1.5Lの四つ口のセパラブルフラスコにジムロート冷却管と滴下ロートと温度計を備え、内部を窒素置換した後、フェニルリン酸ジクロライド39g、ペンタエリスリトール13.6g、1,4−ジオキサン500ml、ピリジン31.6gを導入した。内部温度が80℃まで昇温し、その温度で3時間撹拌を継続させ、その後、150℃まで昇温後、その温度にて1時間撹拌を継続させた。この後、反応液を冷却し、1Lのメタノール中に得られた反応液を落としたところ白色の固体が得られた。この固体を濾別し、メタノールで洗浄後、減圧下室温で乾燥し、下記(14)で示される環状リン化合物を25g得た。
【0072】
【化29】
Figure 0004250019
(合成例5)
ポリアミド酸溶液(PA1)の合成
反応器(攪拌機、還流冷却器及び窒素導入菅付き)中、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド 350g、ジエチレングリコールジメチルエーテル 350gに1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 151.0g(0.517モル)を溶解し、これを攪拌しながら3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 149.0g(0.507モル)(モル比0.981)を乾燥個体のまま少量づつ添加した。この間反応温度を25〜30℃に保ち、添加後20時間窒素雰囲気下で攪拌を継続し、固形分30質量%のポリアミド酸溶液(PA1)を得た。
【0073】
(合成例6)
ポリアミド酸溶液(PA2)の合成
合成例1において3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に代えて、ピロメリット酸ニ無水物を用い、合成例1と同一モル比(0.981)、反応条件で行い、固形分35質量%のポリアミド酸溶液(PA2)を得た。
【0074】
(合成例7)
ポリアミド酸溶液(PA3)の合成
合成例1において1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンに代えて、4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルを用い、合成例1と同一モル比(0.981)、反応条件で行い、固形分30質量%のポリアミド酸(PA3)溶液を得た。
【0075】
(合成例8)
ポリアミド酸溶液(PA4)の合成
合成例3において3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に代えて、ピロメリット酸ニ無水物を用い、合成例1と同一モル比(0.981)、反応条件で行い、固形分35質量%のポリアミド酸(PA4)溶液を得た。
以下の表1および表2に、上記合成例で合成したポリアミド酸のアミド酸単位の誘電率、ポリアミド酸溶液の対数粘度(η)等を示す。
【0076】
【表1】
Figure 0004250019
【0077】
【表2】
Figure 0004250019
上記合成例で示したアミド酸溶液及び難燃剤を用いた感光性樹脂組成物の実施例を以下に示す。
【0078】
(実施例1)
合成例5で得られたアミド酸溶液(PA1)を200質量部とアクリレート化合物としてペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成社製、商品名 アロニックスM−305)30質量部及びポリエチレングリコールジアクリレート(日立化成工業社製、商品名 FA−321M)20質量部、合成例1で得られた環状リン化合物(CP−1)13.3質量部を混合後、光重合開始剤としてIRUGACURE907(商品名 チバガイギー社製、以下「IRC907」と記す)2.5質量部、カヤキュアーDETX(商品名 日本化薬社製、以下「DETX」と記す)1.5質量部を混合溶解し、ワニスを調製した。このワニスを、幅30cm、厚さ20μmのキャリアフィルム(ポリエチレンフィルム)上に約100μmの厚みで塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×10分間乾燥し、厚さ20μmのカバーフィルム(ポリエチレンフィルム)を張り合わせドライフィルムとした。作製したドライフィルムは、カバーフィルムを剥がした後、パターン形成されたFPCまたは1オンス圧延銅箔光沢面上に重ね合わせ、位置合わせ後、光照射し、真空ラミネート装置で80℃×20秒圧着し、230℃×10分間加熱硬化させ評価用テストピースに供した。
【0079】
(実施例2〜18)
実施例1と同様に表3、4の配合比でワニスを調製しドライフィルム化後、テストピースを作製した。
【0080】
(比較例1〜4)
実施例と同様に表5の配合比でワニスを調製しドライフィルム化後、テストピースを作製した。
上記実施例、比較例で作製したドライフィルムおよびテストピースを用い、以下の項目につき評価を行った。
評価1(相溶性)
ドライフィルムでの透過状態について、目視にて白濁の有無を確認した。
評価2(解像度)
ドライフィルムを300mj/cm2で露光し、30℃の1.0%Na2CO3aqを0.15Paの圧力で噴霧現像、水洗し、硬化後の解像度がヴィアホール100μmφ以下で有るか否かを確認した。
評価3(クロスカットピール)
JIS K 5404に準じた。
評価4(耐溶剤試験)
テストピースをイソプロピルアルコール(JIS K 8839に指定)中室温で24時間浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02)。
評価5(耐薬品性A)
テストピースを10%硫酸中室温で30分浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価6(耐薬品性B)
テストピースを10%水酸化ナトリウム中室温で30分浸漬後剥離、変色等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価7(はんだ耐熱性)
テストピースを260±5℃に保持された溶融はんだにカバーレイ面を上にして5秒フロートし、皮膜の膨れ等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
評価8(耐屈曲性試験)
テストピースを両面板で180゜に折り曲げ、折り曲げ部に5kgの荷重をかけた。これを3回繰り返し、折り曲げ部の剥離の有無を光学顕微鏡にて観察した。
評価9,10(引張り強度/伸び率)
厚み30〜35μm、幅15mm、長さ150mmの硬化フィルムを作製し、引張り速度50mm/Min.で引張り試験した時の強度及び伸び率を測定した。
評価11(Tg)
厚み30〜35μm、幅4mm、長さ25mmの硬化フィルムを作製し、セイコー電子社製TMA/SS100を用い、引張りモード加重3g、昇温速度2℃/min.で測定した。
評価12(難燃性)
UL法(サブジェクト94)の薄手材料垂直燃焼試験。
【0081】
実施例1〜18(表3および表4)および比較例1〜5(表5)の組成表及び評価結果を表6〜8に示す。
なお、表3および表4中、「アロニクスM−215」および「A−BPE−10」は以下の化合物を示す。
アロニクスM−215:イソシアヌール酸モノエチエングリコールジアクリレート
A−BPE−10:ビスフェノールAジアクリレートのエチレンオキサイド10モル付加物
【0082】
【表3】
Figure 0004250019
【0083】
【表4】
Figure 0004250019
【0084】
【表5】
Figure 0004250019
(評価結果)
【0085】
【表6】
Figure 0004250019
【0086】
【表7】
Figure 0004250019
【0087】
【表8】
Figure 0004250019
【表9】
Figure 0004250019
【0088】
【発明の効果】
本発明に係る感光性樹脂組成物は、水酸化ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液で現像でき、環境に負荷を与える可能性の高いハロゲン含有化合物類およびアンチモン化合物を含まず、なおかつ、低エネルギーで硬化可能でありファインな解像性を有し、良好な可撓性、屈曲性を有しながら優れた耐熱性、接着性、電気特性等を有するソルダーレジスト用のドライフィルムを形成することができる。
本発明に係るドライフィルムは、アルカリ水溶液で現像でき、良好な可撓性、屈曲性を有し、かつ耐熱性、接着性、電気特性等に優れる。また低エネルギーで硬化可能でありファインな解像性を必要とするカバーレイ材として好適に使用できる。
本発明に係る可撓性回路基板、多層プリント配線板などの加工品は、良好な可撓性、屈曲性を有し、かつ耐熱性、接着性、電気特性等に優れるソルダーレジスト皮膜を有している。

Claims (6)

  1. (A)下記一般式(1)〜(4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種以上の環状リン化合物2〜100重量部と、(B)ポリアミド酸 100重量部と、(C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物10〜700重量部、および(D)光重合開始剤を含有していることを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 0004250019
    (式中、AおよびBは、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Yは、O若しくはSの元素または単結合を表し、Xは炭素数1〜4のアルキル基、nは0または1〜4の整数を表し、Xが2個以上の場合は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、Dは、OまたはSの元素を表し、Rは脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる1価の有機基を表す。)
    Figure 0004250019
    (式中、A’、B’、D’およびE’は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Y’は、O若しくはSの元素または単結合を表し、X’は炭素数1〜4のアルキル基、n’は0または1〜4の整数を表し、X’が2個以上の場合は、それぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、R、R’およびR’’は脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる1価の有機基を表す。R’とR’’とは環を形成していてもよい。)
    Figure 0004250019
    (式中、A’’およびB’’は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、X’’は炭素数1〜4のアルキル基、n’’は0または1〜4の整数を表し、X’’が2個以上の場合は、それぞれ互いに同一でも異なっていても良い。)
    Figure 0004250019
    (式中、A’’’、B’’’、D’’’およびE’’’は、それぞれ独立に、O,NHまたはSから選ばれる元素を表し、Y’’’およびZは、OまたはSの元素を表し、RおよびR’は脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素または芳香族炭化水素から選ばれる1価の有機基を表す。)
  2. (B)前記ポリアミド酸が下記式(5)で表される構成単位からなり、粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶媒、濃度30質量%、25℃で測定)が0.5〜30.0Pa・sの範囲にあり、かつ前記構成単位中に占めるアミド基(NHCO)とカルボン酸基(COOH)の含有率が15〜40質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0004250019
    [式中、mは1〜100の整数であり、RはC、H、O、NおよびSiから選ばれる元素のみで構成される2価の有機基を表わし、RはC、H、O、NおよびSiから選ばれる元素のみで構成される4価の有機基を表わす。]
  3. (C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物が、アルコール性水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物及び、または、ポリアルキレングリコール鎖を有するジ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. (C)少なくとも2つ以上の光重合可能な不飽和2重結合を有する(メタ)アクリレート化合物が、下記式(6)で表される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 0004250019
    [式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、RおよびRは炭素数2〜5の脂肪族基を示し、Rはベンゼン環を2個以上有する有機基を表し、n’およびm’は1以上の整数であり、かつn’+m’は2〜12である。]
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物から得られることを特徴とするドライフィルム。
  6. 請求項5に記載のドライフィルムから得られるポリイミド膜がフレキシブルプリント配線板上に形成されてなることを特徴とする加工品。
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