JP4271331B2 - インクジェットのプリントヘッドをプライミングするプリンタおよび方法 - Google Patents

インクジェットのプリントヘッドをプライミングするプリンタおよび方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタのキャリッジからインクジェットのプリントヘッドを取り外すことなくプライミングする方法、およびプリントヘッドをプライミングするプリンタに関し、より詳細には、ベントを経由して大気に通じたエアチャンバを有するプリントヘッドの、正圧を印加することによるプライミングに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明は、感熱式または圧電式のどちらかの種類のインクジェットプリント機構の技術に関するものである。このインクジェットプリント機構は、デスクトップ搭載、ポータブル、または独立型のスタンドアロンのプリンタに加えて、複写機やファクシミリ等の様々な異なる製品内に含まれている。本明細書では、独立型プリンタを用いて本発明を説明する。
このタイプのプリンタは、プリントヘッドのキャリッジを有しており、該プリントヘッドのキャリッジは、プリンタに取り付けられ、プリンタがその上にプリントを行う紙やその他の媒体の移動方向と直交する方向に往復運動するようになっている。カラープリンタのプリントヘッドのキャリッジは、通常2つまたはそれ以上、普通4つの熱インクジェットのプリントヘッドを有し、該プリントヘッドは取り外し可能にその上に取り付けられている。これらのプリントヘッドはそれぞれ、インク供給容器を含むかまたはインク供給容器に取り付けられており、時折、圧力差を作り出してインクをインク送出オリフィスすなわちノズルに流入させることにより、1つまたは複数のプリントヘッドのプライミングを行うことが必要である。プリントヘッドの動作を維持または回復させるこのようなプライミングは、インクジェットプリンタで用いられるプリントヘッドの寿命をより長くすることが要求されているために、ますます重要になってきている。
プリントヘッドにプライミング動作を行うことによって、プリントヘッドの多くの問題を解決または緩和することができる。例えば、プライミングによって、乾燥したり硬くなったインク、気泡、または外来性粒子を、ノズルまたはその関連する発射チャンバから取り除くことができる。また、普通ノズルへの狭い管路を介してプリントヘッドのインクチャンバから供給されるインクの連続性が断ち切られてしまう、局所的または全体的デプライミング(関係するノズルの数による)として知られている状態も、プリントヘッドをプライミングすることによって直すことができる。
【0003】
なお、本発明に関係するが本発明とは別個であるプリントヘッドの寿命についての態様には、蓄積エアとして知られている、プリントヘッドのインクチャンバ内での大量のエアの不所望な蓄積があるが、これについては本発明では取り組まない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、プリントヘッドのプライミングは通常、プリントヘッドのキャリッジを整備ステーションに置いた後、プリントヘッドの回りにコンプライアントシール(compliant seal)を配置することによって行われてきた。こういったシステムにおいては、プリントヘッドのノズル板の外側に負圧を印加してオリフィスを通じてインクを吸い取ることにより、プリントヘッドのノズルを通じてインクを引き出している。この負圧は、通常ノズルを取り囲む表面にコンプライアントキャップを押しつけ、チャンバを大気に対しては閉じているが負圧源には通じているようにすることにより、維持されている。
負のエア圧力差の源としては、とりわけつぶれるエアベローズ、液管路によって接続されている離れたポンプ、または米国特許第5,714,991号に記載されているようなプライミングキャップ内の可動ダイヤフラム、等があった。プリントヘッドのノズル板に印加する負圧の利用には、多くの不利な点がある。例えば、このような方法で引き出されるインクが泡立ってしまい、それが気泡になってノズルを遮断する可能性がある。しかも、この方法は精密な制御が困難な技術である。
【0005】
また、例えば米国特許第4,517,577号や英国特許第2304639号に記載されているように、圧力下のインクをプリントヘッドに押し込んでプリントヘッドをプライミングするために、離れたインク槽がインクを供給するプリントヘッドの供給ライン内のインクに正圧を印加することも、公知である。このようなプライミングでは、かなりのインクが供給ラインを通ってプリントヘッドに流入し、ノズルを通ってプリントヘッドから流出してしまうという、多くの不利な点がある。過度の廃インクが生じ、この廃インクを集めてプリンタ内に保管しておかなければならないだけでなく、このような圧力下でのかなりのインクの流れは、正確な制御が困難であり、最近のより複雑な設計のプリントヘッドにおいては特に、プリントヘッド内、例えばノズル板付近の構造を損傷する可能性がある。圧力下でプリントヘッド内にポンプで入れるインクの圧力および体積を十分に制御するためには、高価なインク排出ポンプが必要であり、それに加えてプリンタは、プリントヘッドから制御した量のインクを引き出して、プリントヘッド内の必要な負圧をリセットしなければならない。
【0006】
更に、ヨーロッパ特許第0857576号および米国特許第5,736,992号に記載されているように、エアチャンバに正圧を印加して蓄積エアをノズル、インク入口、または気体パージベントのいずれかを介して押し出すようにすることにより、インクレギュレータおよびエアチャンバを有するプリントヘッドのインクチャンバ内から蓄積エアを排出することは、公知である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、プリンタのキャリッジからプリントヘッドを取り外すことなくインクジェットのプリントヘッドをプライミングする方法が提供される。このプリントヘッドは、ノズル板内の複数のインク噴出ノズルに液通するインクチャンバと、該インクチャンバに連結した容積可変なエアチャンバとを含む本体を有し、周囲大気と気通するベントを有する。本方法は、キャリッジをプリンタ内の整備領域に動かすステップと、プリントヘッドのエアチャンバのベントに気体源を連結するステップと、所定の制御した体積の気体を、周囲大気圧よりも高い圧力で前記気体源からエアチャンバに送出すことによって、エアチャンバがプリントヘッド本体内で膨張し、インクチャンバ内の圧力が増大し、従ってプリントヘッドのノズル内への制御したインクの流れがプリントヘッドをプライミングするようにするステップとを含む。
本発明の出願人によって、プリントヘッドがプリンタ内に取り付けられている間、既知である設計のプリントヘッドのインクレギュレータのエアチャンバに所定体積のエアを制御して送出することを利用して、高度に制御可能でプリントヘッドを損傷することなく、従ってプリントヘッドの寿命の間何度も繰り返すことができるような方法で、プリントヘッドを効果的にプライミングすることができる、ということが発見されている。
【0008】
好ましくは、プリントヘッドのプライミングの間、制御した体積のインクがノズルを通過してノズル板の外側に行き、このインクの大部分はノズルを通ってプリントヘッド内に引き戻される。このようにインクをプリントヘッド内に還流させることは、プリントヘッドに関する多くの問題を解決するのに効果的であることが確認されている。これらの問題は、インクを還流させなければ解決が困難なものである。更に、廃インク量が非常に低減している。
【0009】
好ましくは、インクチャンバは、それを通じて離れたインク槽から周囲大気圧よりも高い圧力のインクを受け取るインクレギュレータを含み、好適なプライミング方法は、プリントヘッドのプライミング中のインク送出圧力を制御して、プライミング中にインク槽から実質的にプリントヘッドにインクが流入しないようにする。従って、プリントヘッドのプライミングを行うプリントヘッド内の圧力の増大は、プリントヘッドに送出されるエアのみにほぼ起因している。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、プリンタのキャリッジからプリントヘッドを取り外すことなくインクジェットのプリントヘッドをプライミングすることができるプリンタが提供される。このプリンタは、所定の制御した体積の気体を周囲大気圧よりも高い圧力で送出することが可能な気体源と、少なくとも1つのプリントヘッドを保持しプリントヘッド上のベントを気体源に連結する連結手段を有するキャリッジと、キャリッジ内に取り付けられているプリントヘッドに制御した所定体積の気体を印加することによってプリントヘッドのプライミングを制御する制御装置とを含んでいる。
【0011】
好ましくは、プリンタの制御装置は、識別したプリントヘッドをプライミングするのに用いるプライミングデータを記憶する記憶手段を含んでいる。
【0012】
より好ましくは、記憶したプライミングデータは、識別したプリントヘッドをプライミングするための以下のパラメータのうちの少なくとも1つに影響を与えるデータを含む。すなわち、(1)プリントヘッドに供給する気体の体積、(2)周囲圧力よりも高い圧力がプリントヘッドに印加される継続時間、(3)プライミング前にプリントヘッドが加熱されるべき温度、あるいは(4)プリントヘッドに液通する離れたインク槽のインク供給圧力、である。
【0013】
最も好ましくは、複数のプリントヘッドについてのプライミングデータが記憶され、プリントヘッドのうちの少なくとも2つについてのプライミングデータが異なっている。
【0014】
以下に説明する本発明の具体的な各実施形態から、本発明の更なる利点および目的が理解されよう。これらの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として説明される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の好適な実施形態の説明において、最初に、プリントヘッドをプライミングするためにプリントヘッドに正のエア圧を印加する好適な機構の詳細を説明する。次に、本発明の実施形態と共に用いる好適なプリントヘッドの構造を説明し、最後に、好適な実施形態によるプリントヘッドの整備およびプライミングを説明する。
【0016】
図1は、大型フォーマットのプリンタ10を示す。このタイプのプリンタ10は、横方向に移動可能なプリントヘッドのキャリッジを含む。キャリッジはカバー12によって囲まれており、カバー12は略水平に延びるプラテン14の上方に延びている。プラテン14の上方では、プリントされた媒体が受けかご(catcher basket)内に開放されている。プラテン14の左側には、4つの取り外し可能なインク槽20,22,24,26がある。これらインク槽は、後述する取り外し可能で柔軟性を有する管設備(arrangement)を通じて、移動可能なキャリッジ上に取り付けられた4つのインクジェットのプリントヘッドにインクを供給している。
【0017】
キャリッジカバー12を取り外した状態にある図2の平面図において、プリントヘッドのキャリッジ30が1対の横方向に延びる摺動ロッドすなわちガイド32,34上に取り付けられているのがわかる。これらガイド32,34は、プリンタのフレームに固定されている。また、プリンタのフレームには、1対の管ガイド支持ブリッジ40,42が固定されている。支持ブリッジ40,42からは、前後管ガイド44,46がつり下げられている。プリントヘッドのキャリッジ30は、プリンタの前側でラッチ38によって固定されており、4つのインクジェットのプリントヘッドをしっかりと保持する、回転式プリントヘッド押さえカバー(pivotal printhead hold down cover)36を有している。4つのインクジェットのプリントヘッドのうちの2つが、キャリッジ上の区画C、M、Y、K内の所定位置にある状態を図9に示している。前管ガイド44は、左支持ブリッジ40の近くで角度がついており、キャリッジをプラテン14の左側に隣接した位置に滑らせたときにプリントヘッドカバー36を開くための間隙を設け、プリントヘッド交換のためにプリントヘッド押さえカバー36が容易に開けられるようにしている。
【0018】
柔軟性を有するインク送出管システムは、プリンタの左側にある4つの別個のインク槽20,22,24,26からインクを運び、当該インク槽から後および前管ガイド44,46を通って延びる4つの可撓性インク管50,52,54,56を通って、キャリッジ30上のプリントヘッドに運ぶ。このインク管システムは、交換式システムであってもよい。
【0019】
プリンタの右側には、プリントヘッド整備ステーション48がある。この整備ステーション48では、プリントヘッドのキャリッジ30を置いて、プリントヘッドのクリーニングおよびプライミングを行うことができる。プリントヘッド整備ステーション48は、プリントヘッドのキャリッジ30の横方向に延びる動きの経路の右端に隣接したプリンタ上に取り付けられるプラスチック製のフレームから構成されている。プリントヘッドのキャリッジ30(図8および図9)は、4つの区画C、M、Y、Kを含む。これらはそれぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラック等のカラーインクを含む4つの別個のプリントヘッドをそれぞれ収容している。また、整備ステーション48は、プリンタの前後に移動可能な引き出し上に設けてもよい4つの別個の整備区画C、M、Y、Kも含んでいる。各整備区画は、整備中にプリントヘッドが開放するかもしれないいかなるインクも捕捉するインクつぼを含んでいる。整備ステーションの移動可能な引き出し構造は、本発明を構成する部分ではない。
【0020】
ポンプ位置決めアーム80の上端には、プリントヘッド整備ポンプ50が取り付けられている。整備ステーション48のフレームの右側壁には、間隔を開けて歯車封入フレーム60が取り付けられており、そこから減速歯車機構を収容するくぼみが設けられている。減速歯車機構は、アーム80を位置決めし、従ってポンプ50をプリントヘッドのキャリッジ30に関連して位置決めする。位置決めアーム80は、整備ステーションのフレームの右側壁と歯車封入フレーム60との間に延びる枢軸82を中心にして動くように取り付けられている。
アーム位置決め電気ステップモータ90は駆動歯車92を回転させ、該駆動歯車92は大きな被駆動歯車94の歯とかみ合っている。被駆動歯車94は、共通のシャフトで小さな被駆動歯車96に接続されており、該被駆動歯車96の歯は弧状のアーム位置決め歯車98とかみ合っている。当該歯車98は、ポンプ位置決めアーム80に接して形成されており、該アーム80を90°よりもわずかに小さい角度動かす。アーム80を動かすと、ポンプが当該アームの枢軸82を中心とする円弧に沿った様々な位置に位置決めされ、ポンプ出口52を4つのエア管路100,102,104,106のうちの1つの入口端と整列させる。これらエア管路100,102,104,106は、プリントヘッドのキャリッジ30上で回転式に取り付けられたプリントヘッド押さえカバー36の側面に、円弧状に配置されている。
【0021】
4つのエア管路100,102,104,106はそれぞれ、容積がほぼ等しい大きさであり、押さえカバー36側の入口端からカバー内部に延び、プリントヘッド押さえカバーの下側の下向きになった(カバーを閉じた場合)液出口110,112,114,116で終わっている。エア出口はそれぞれ回りに、コンプライアントシール111,113,115,117を有している。これらシールは、4つのプリントヘッドがプリントヘッドのキャリッジ内のそれぞれの区画内に配置されると、4つのプリントヘッドの頂面にある対応するエア入口ポートとかみ合う。また、プリントヘッド押さえカバー36の下側には、ばね入りプリントヘッドポジショナ120,122,124,126も示されている。プリントヘッド押さえカバー36がキャリッジに回転式に接続されており、フィンガーラッチ38およびリテーナ39によってその閉じた位置すなわちプリントヘッド保持位置に固定されている、ということがわかる。
【0022】
エアポンプ50は、所望により位置決めアーム80の上端に取り外し可能に取り付けられていても、永久的に取り付けられていてもよく、またエアポンプ50は一端が開口したシリンダ51を含んでいる。このシリンダ51内には、シリンダの内壁と摺動可能にかみ合うことができ、間隔をおいて配置した1対のピストン整列ディスク53,54すなわちカラーが収容された延長ピストン52を有している。このピストン52は、圧縮ばね55によってシリンダの外側に片寄っている。圧縮ばね55は、一端がポンプのシリンダ内のスプリングシート56に当たって固定されており、他端が内部を貫く細長い軸方向の通路59を有する中空のピストン軸58の内側端を取り囲むカラー57に当たって固定されている。
コンプライアントシール61が、内側ピストン整列ディスク54に対して固定されており、シリンダの内壁と摺動可能にかみ合って、両者の間でエアシールを行っている。シール61の壁は、シリンダ51と角度をなしてかみ合っており、ピストン52が右側に動くとシール61がエアチャンバ68内で一方向に正圧を保持するが、ピストン52が左側に動いても真空を保持しないようになっている。シリンダは、1つまたは複数の留め具65でシリンダーの外壁に取り付けられたカバー63によって閉塞されている。留め具65の構成は、本発明には関係がない。なお、カバーはねじ止めによってシリンダに取り付けてもよい。
ピストン52は外端に大きなカラー67を有しており、カラー67にはコンプライアントガスケット69が取り付けられている。このガスケット69は、プリントヘッド押さえカバー36の側壁とかみ合って、キャリッジを整備ステーションにおけるピストンに対して位置決めする間、ピストンの出口52とプリントヘッド押さえカバー36の側壁との間でエアシールを行うようになっている。
【0023】
プリントヘッドのキャリッジ上におけるプリントヘッドの整備は、整備されるプリントヘッドにエアを運ぶプリントヘッド押さえカバー内のエア通路102,104,106,108と整列するため、部分的にポンプ50を位置決めすることによって行われる。ポンプがそのように位置決めされた状態でキャリッジ30が整備ステーション48内に動くと、当該キャリッジがポンプの出口でコンプライアントガスケット69とかみ合い、キャリッジが動き続けることによってポンプのピストン52が右側へ向かってシリンダ内へ動き、エアがシリンダ内のエアチャンバ68からピストン内の中央通路59を通って排出され、従って、正のエア圧がプリントヘッドに提供され、これを利用してプリントヘッドがプライミングされる。これについては、以下でより詳細に説明する。このようにして、プリントヘッドC、M、Y、Kのノズル板は、ポンプ50が供給する正のエア圧によってプライミングすることができる。ポンプが供給するエア圧は、プリントヘッド内のインクと接触する必要がなく、実際、プリントヘッド本体内で蓄積されるに違いないエアを持ち込まないようにするために、接触するべきではない。従って、プリントヘッド内のインクが、プリントヘッド内の別のチャンバにエア圧を印加することによって容積を減少させることができるチャンバ内に含まれるような、プリントヘッドの構成が好ましく、これについては以下でより詳細に説明する。
キャリッジが整備ステーション48を離れてポンプ50から遠ざかるように動くと、これまでプリントヘッドカバー内に押し込まれていたエアが引き出される。この工程の間、圧力下でプリントヘッドに持ち込まれたエアのいくらかが逃げている場合には、ポンプはプリントヘッドに不所望な量の真空を印加する可能性がある。ポンプの設計によって、圧力を約−12.7水柱センチ(約−5.0水柱インチ)のわずかな負圧に制限し、プリントヘッドが損傷する前に真空が作り出されるのを回避することができる。ポンプのピストンがばね55の片寄り状態でストロークの端まで動くと、ポンプ出口とプリントヘッド押さえカバー内の通路との間のシールはなくなる。従って、プリントヘッドが適切に機能するのに必要なプリントヘッド内のいかなる背圧にも、プライミング動作による影響はないはずである。
【0024】
ポンプ50は、図5において一番よくわかるように、静止位置Oと参照位置Rとの間のいかなる場所においても、円弧状に位置決め可能である。静止位置Oおよび参照位置Rは、位置決めアーム80の側面とかみ合った歯車ハウジング52上の止め具84,86によって規定されている。ポンプによってエアをシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのインクのプリントヘッドの管路100,102,104,106に送出するため、アームの位置は、図5においてプリントヘッドのキャリッジ押さえカバー36上に示されている。これらの位置は、好ましくは互いに約6度の間隔が置かれている。
【0025】
ステップモータ90は、好ましくは3.75°/ハーフステップ(half-step)で歯車92を階動し、歯車列は好ましくはステップモータ90とポンプ位置決めアーム80に接する歯車98との間の減速を30:1にする。
【0026】
ポンプ位置決めアームの動きを制限する硬い止め具(hard stops)84,86は、好ましくは互いに84°の角度で配置されている。各プリントヘッドの整備サイクルでは、アーム80がパーキングの硬い止め具84にかみ合っているパーキングすなわち静止位置Oから、位置決めアームが参照止め具86にかみ合う参照位置Rへと、ポンプ50は動くようになっている。ポンプ50がキャリッジ押さえカバー上のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのプリントヘッドの管路100,102,104,106とかみ合う機能角度位置K、Y、M、Cには、参照止め具86の方がパーキング止め具84よりも近い。ポンプ位置決めアームが静止位置Oから参照位置Rへと動いた後、当該アームは逆方向(図3では時計回り)に準備位置Pへと動く。
次に、ステップモータ90がポンプ位置決めアーム80を元の方向(図3では反時計回り)に動かして、ポンプ50を、関係する管路100,102,104,106に接続するように、所望の機能位置C、M、Y、またはKと整列させる。この動きを行うのは、バックラッシのために、ポンプ位置決めアームが参照の硬い止め具86に当たるように動くのに用いるのと同じ歯車の歯末面の組が確実に用いられて、ポンプ50の選択した機能位置内への正確な位置決めを完了させるためである。
【0027】
硬い止め具84,86は、ポンプポジショナハウジング52と一体的に形成されている。この設計では、ポンプ50の公称位置の位置精度が少し犠牲になってしまうが、硬い止め具の機能はポジショナハウジング52の垂直調整と切り離される。オーバーステッピングアルゴリズム(over-stepping algorithm)を用いて、確実にポンプ位置決めアーム80が参照の硬い止め具86に接触するようにしている。このオーバーステッピングアルゴリズムには、バックラッシと、起こる可能性のあるロストステップの両方についてのマージンが含まれている。
【0028】
すべての機能角度は、公称角度分解能の偶数倍の箇所に配置されている。このようにするのは、ハーフステッピングアルゴリズム(half-stepping algorithm)での奇数ステップの合計が、定義によって偶数ステップの合計よりも不安定なので、ポンプ位置決めエラーが確実に生じないようにするためである。
【0029】
プリントヘッド押さえカバーにおける管路100,102,104,106への入口は、互いに6°の角度で配置されており、これらの中心は、ポンプ位置決めアーム80の回転軸82を通る垂直線の付近であり、ポンプ50の出口と同じ半径の箇所に配置されている。入口同士の間の垂直距離(図4)を最少にして押さえカバー36の設計を容易にするために、位置決めアーム80の回転軸82は、管路100,102,104,106への入口から無理なく実現可能な限り最大の半径の箇所に配置されている。
【0030】
各エア入口の回りの半径方向のマージンは好ましくは、ポンプ開放ガスケットの内径に対して約2.5mmであり、外径に対して3.5mmである。位置決めアーム80の回転軸82の垂直および水平整列誤差が0である場合、これを言い換えると、連結が失敗する前に約16ハーフステップの階動誤差がある、ということである。
【0031】
ポンプ50のストローク長さすなわち軸方向の変位は、キャリッジ上のそれぞれのプリントヘッドに制御した体積のエアを排出するように、容易に選択または調整することができる。プリントヘッド押さえカバー38におけるエア通路100,102,104,106のそれぞれの長さおよび断面積の設計を制御し、確実に各通路の全容積がほぼ同じになるようにすることによって、ポンプのストロークが一定であれば、どのプリントヘッドが整備されているかに関係なく、ポンプは確実にそれぞれのプリントヘッドに同じ体積および圧力のエアを送出する。以下でより詳細に説明するように、各プリントヘッドは、ポンプのストロークや継続時間等のプライミングのパラメータとして、異なるものを利用してプライミングしてもよく、各プリントヘッドについてのこういったプライミングのパラメータは、プライミング動作を制御するプリンタのソフトウェア制御装置300内に記憶されている。また、制御装置300は、プリンタを取り囲んでいる現在の周囲温度および湿度を測定する環境センサ302にも接続されている。しかも、こういった測定値は、特定のプリントヘッドについて適切なプライミングのパラメータを決定するのに制御装置300を利用してもよい。プリンタは、例えばプリントヘッド上に配置されたメモリチップを読み取ることによって、従来技術範囲内の公知の何らかの方法で、プリンタのキャリッジ30内の区画中に取り付けられている特定のプリントヘッドを識別することができる。
【0032】
ポンプが送出する圧力のプロフィルを図11に示す。これは、プリントヘッド押さえカバー内のエア通路102,104,106,108の容積、ポンプ自体の中にあるエアチャンバ69の静止(resting)容積、およびプライミング前のプリントヘッドのキャリッジの静止位置によって決まる。図11に示す曲線は、エア通路の容積が1.8cc、静止ポンプチャンバ容積が3.2ccであることをベースにしている。図11では3つの曲線を示す。3.5mmCOMPの曲線は、ポンプの軸方向変位が3.5mmである圧力のプロフィルを示し、7.0mmCOMPの曲線は、ポンプの軸方向変位が7.0mmである圧力のプロフィルを示す。第3の曲線は、システム内にエア漏れがある場合の曲線の形を示している。この場合、プリントヘッドに送出されるプライミング圧力はわずかに減少するが、それでもなおプライミング機能を果たすのに十分である。ポンプ50の設計によって、ポンプが押しのけたエアが抽出される(ポンプから遠ざかる方向へのプリントヘッドの動きによって)場合に生じる負圧は約−12.7水柱センチ(約−5.0水柱インチ)の圧力に制限されることが、保証される。
【0033】
ポンプ出口におけるコンプライアントガスケットの位置のプリンタ上での正確な場所は、新規な速度サーボ衝突アルゴリズムを用いて決定される。このアルゴリズムは、いかなる2つの相対的可動の要素にも一般的に適用されるが、インクジェットのプリンタの場合であれば、キャリッジ30(第1の要素)のポンプ出口52(第2の要素)に関する動きに関連して、両要素を互いに衝突させれば、より都合よく説明される。この衝突は好ましくは、多数の衝突サイクルの間で起こっており、その間に、キャリッジを動かしてキャリッジとポンプ出口との間の相対運動を起こすのに用いる電気モータから引き出した電流を測定して、この衝突の間に超えるパルス幅変調(PWM)しきい値を確立する。与えられた電力(load power)がしきい値を超える場合には、両要素のうちの一方(ポンプ出口)の偏向(deflection)が特徴づけられている。
【0034】
大部分の衝突方法では、2つの互いに接触する要素の硬さが適切に機能するよう最大限の硬さであることが必要である。こういった方法では通常、いったん両部品が接触しても、変形がないか、あるいは少なくとも結果として生じる変形がシステムに必要な精度以下である、と仮定している。従って、こういったアルゴリズムは、ポンプ出口52におけるコンプライアントガスケット69等の柔軟性を有する要素があるシステムには適用することができない。図13は、ハード衝突環境でのプリントヘッドのキャリッジ測定値についてのミリ秒での中断に対してキャリッジ駆動モータの負荷(PWM)をプロットしたものを示している。
【0035】
柔軟性を有する要素の接触を認識するためには、このアルゴリズムがPWMプロフィルにおける単一の衝撃に反応しなければならない。すなわち、サーボアルゴリズムは、単一のプロセッサ中断(1/1000秒)についてしきい値を超えると、反応しなければならない。また、サーボパラメータは、速度エラーに対して非常に不減衰の応答をしなければならない。このアルゴリズムは、接触点において柔軟性を有する要素を認識するPWMの不安定性によって決まる。衝撃がいくぶん不安定なものになる可能性があり、他の源による更なるノイズがシステム内に存在するので、いくつかの衝突サンプルを取って、データの一貫性を保証しなければならない。このデータが妥当であるとみなすためには、以下のサニティチェック(sanity checks)にパスしなければならない。
1.読み取りの平均が、公称値からの最大変化量(variation)(多くの従来技術のプリンタにわたる分布の4σであるとする)を超えてはいけない。
2.測定値分布の3σの値が、機構の機能についての棄却値(critical value)(読み取りCp)を超えてはいけない。
3.いかなる単一の読み取りも、それぞれの機械自身の分布平均から棄却値(誤りデータ点)よりも多く変化し得ない。
【0036】
サーボの遅延および柔軟性を有する要素の圧縮性のために、衝突位置を決定する場合は、オフセットを計算するべきである。
【0037】
横軸がミリ秒での中断を示す図12において、PWMの進化(evolution)では、時間BがPWMしきい値(図示のように−28)を超えた時を表し、時間Aは真の第1の接触が起こった時を表している。これらの効果によって位置オフセットが特徴づけられ、反復可能であることが示されている。これは特に、2つの柔軟性を有する要素を直列に組み合わせて(ガスケットとばね)、両者のうちの一方が他方よりもはるかに剛性があり、特に予荷重がある場合に起こる。
【0038】
また、図12は、キャリッジを加速しポンプに近づいている間に、慣性および摩擦/粘着力の両方の効果のために起こる過渡ノイズも示している。PWMしきい値がこの位相の間に超えてしまうというリスクを低減するために、キャリッジの動きは、公称位置から十分に遠くより開始し、PWMプロフィルの前半部を捨てることによって、確実にこのノイズを削除すると共に、初期の動きの間に柔軟性を有する要素(ポンプ)に接触することが確実にないようにする。
【0039】
キャリッジは、この衝突手続の間、ポンプ出口を偏向するように繰り返し位置決めされる。現在好ましいアルゴリズムは、以下のものを含む。
1.衝突サイクル数:12
2.接続ガスケットの圧縮のためのオフセット:6エンコーダ単位(0.25mm)
3.公称値からの平均読み取りの最大変化量:24エンコーダ単位(1.0mm)
4.3σの最大値:12エンコーダ単位
5.単一点の平均からの最大偏差:6エンコーダ単位
【0040】
プリンタの製造中、ポンプ出口の位置は最大1.0mmまで変化する可能性がある、ということが確認されている。上記位置決めアルゴリズムを用いることによって、ポンプ出口の実際の位置と最適位置との間の誤差は、この値の最大0.25まで低減する。
【0041】
本発明の実施形態と共に用いるプリントヘッドの好適な設計、およびそのプライミング中の動作と対照させた通常のプリント中の動作を、以下に説明する。
【0042】
図14を参照すると、参照番号200は一般的にプリントヘッドを示している。プリントヘッド200は、本体201と該本体のキャップを形成するクラウン202とを含み、プリントヘッドのインクチャンバ232を規定している。本体201の遠方端には、タブヘッド装置203すなわちTHAが配置されている。このTHAは、フレキシブル回路204と、ノズル板を形成するシリコンのダイ205とを含んでいる。
図31は、プリントヘッドのインクチャンバ232から狭いインク管路314を介してノズル発射チャンバ316までのインクの流路310を示し、THAを貫通する断面図である。基板318の下側には、各ノズル312に関連した抵抗器320がある。動作中、抵抗器320は通電されて、当該抵抗器に隣接する少量のインクを気化させ、それによって発射チャンバ316内のインクがノズル312を通ってインク滴322として噴出される。このインク噴出機構は、従来技術の構成である。また、ペン本体201内には、レギュレータレバー206、アキュムレータレバー207、および柔軟性を有するバッグ208が配置されている。
図14においては、バッグが完全に膨張したところを示し、図15においては、わかりやすくするためにバッグを示していない。図15において、レギュレータレバー206およびアキュムレータレバー207は、ばね235,235’によって互いに近づくように付勢されている。バッグが外向きに膨張するときには、ばねの力に逆らってこれら2つのレバーを互いに遠ざけるように広げる。このバッグは、クラウン202に圧入した装具209にかしめられている。装具209は、らせん状の迷路の形をした周囲圧力へのベント210を含んでいる。ベント210はバッグ内部と接続して気通しており、バッグが通常のプリント動作中、参照圧力に維持されるようになっている。らせん状の通路によって、水分がバッグの外に拡散してしまうことが制限され、また、インクチャンバ232と周囲圧力との間の圧力差を変えてしまうレバー206,207の反応率(response rate)を緩衝するのにも役立っている。
【0043】
図16および図17はレギュレータレバー206を詳細に示す。参照番号211は、バッグ208が直接レバー206を押す領域の位置を一般的に示す。レバー206は、レバーの回転軸を形成している2つの対向する心棒212,212’を中心として回転する。レバー206がプリントヘッド本体201とかみ合うと、レバーの回転は止まる。心棒212,212’は、深いスロットによって形成されたカンチレバー213の端に配置されており、これらカンチレバーおよび心棒が、製造中に互いから遠ざかるように広がって、図18に示すように、クラウン202の取付アーム214の所定位置に嵌まることができるようになっている。レギュレータレバー206を含む平面との垂直方向には、弁座215および弁座ホルダ216がある。弁座215は、ホルダ216の所定位置に押し込まれており、弾性を有する材料から製造されている。バッグ208の膨張および収縮に応じて、レギュレータレバー206が心棒212,212’を中心として回転し、弁座がクラウン202のかみ合い面に対して開閉する。これについては後述する。この回転運動によって、プリントヘッド本体内へのインクの流れが制御される。弁座の力を最大にすること、およびレバーの十分な動きを得ることの間に最適状態がある。
実際に構築した本実施形態においては、一般的にポイント211で示すレバー206の重心と心棒212の間の距離と、弁座215の中心および心棒212の間の距離のてこ比は、2対1と5対1の間であり、4対1が好ましい。また、レギュレータレバー206は、図15に示すように、ばね235とかみ合うばねボス217も含む。ばねボス217は、製造中、図15には示していない2つの肩部223によって保護されている。
【0044】
図19はアキュムレータレバー207を示す。アキュムレータレバー207は、バッグ208が直接レバー207を押す作動領域218を含んでいる。アキュムレータレバー207は、レバーの回転軸を形成している2つの対向する心棒219,219’を中心として回転する。心棒219,219’は、カンチレバー220,220上に互いに離れて配置されており、これらの心棒およびカンチレバーが、製造中に互いから遠ざかるように広がって、図18に示すように、クラウン202の取付アーム221、221’の所定位置に嵌まることができるようになっている。また、アキュムレータレバー207は、図15に示すように、ばね235の他端とかみ合うばねボス222も含んでいる。レギュレータ上のばねボス217と同様に、アキュムレータ上のばねボス222は、製造中、図15には示していない肩部224によって保護されている。
【0045】
図15を参照すると、参照番号235は、2つのレバー206,207を共に付勢するつる巻き引っ張りばねを一般的に示している。ばね235は、予荷重がかかっており、各遠方端のコイルループでばねボス217,222とかみ合っている。各ループは、平行で交差した完全に閉じた中心のあるループである。このばねは、その動きの全範囲にわたる力の定数の変化量が最少となるように設計されており、背圧を可能な限り厳密に調整することができるようになっている。
【0046】
図20はクラウン202の底側を示す。クラウン202は、弁フェース227、および底を通ってインクがインクチャンバ232に入るオリフィス228を含んでいる。弁フェース227は、レギュレータレバー206上の図16に示す弁座215とかみ合う。インクは、図18に示す液相互接続部229、インクチャネル230、およびオリフィス228を通って流れる。オリフィス228において、インクチャンバ232内へのインクの流れは、レギュレータレバー206によって制御される。バッグ208は、プリントヘッドのベント210を介してバッグ内部と周囲圧力との間の気通を行うボス231に取り付けられている。図17に示すレギュレータレバー206上の心棒212,212’は、上述のカンチレバー構造によって可能なように、ジャーナル214,214’に嵌まっている。同様の方法で、アキュムレータレバー207上の心棒219,219’は、図20のジャーナル221,221’に嵌まっている。また、クラウンの底側には、アキュムレータレバー207上の図19に示す止め具225とかみ合う表面226が配置されている。止め具225および表面226によって、アキュムレータレバー207がレギュレータレバー206に当たることは防止されている。
【0047】
通常のプリント中、図14に示す柔軟性を有するバッグ208は、インクチャンバ232内の背圧と、ベント210を通じて連通している周囲圧力との間の圧力差の関数として、膨張および収縮する。図14では、膨張したバッグを示している。このバッグは、最大接触領域で2つのレバー206,207がレバー全範囲を動くように、これらのレバーを押すように設計されている。
【0048】
通常のプリント条件の下では、アキュムレータレバー207およびバッグ208が共に動作して周囲大気圧の変化を補償し、従ってインクチャンバ232内でほぼ一定の負の、すなわち大気圧よりも低い圧力(背圧として知られている)を維持する。また、これらアキュムレータレバー207およびバッグ208は、プリントヘッド内に捕捉されるかもしれないエア(蓄積エアとして知られている)すべての体積における変化をある程度調整することができる。
【0049】
この調整は、大部分はアキュムレータレバー207とバッグ208が動くことによって行われるが、レギュレータレバー206は、図16中の弾性を有する弁座215と協働して更なる調整を行う。弁座215は、ばねとしての役割を果たし、これによって、弁が依然として閉じている(従って、インクがプリントヘッド内に入ることが防止されている)状態で、レギュレータレバー206はどちらかの方向にいくらか動くことができる。言い換えれば、インクチャンバ232内の背圧が減少する、すなわち負の度合いが小さくなるにつれて、バッグ208によって両レバーに及ぼす力が小さくなり、ばね235が両レバーを互いに近づくように付勢している。レギュレータレバーの動きによって弁座が圧縮され、弁座とレギュレータレバーとが更に少し閉じることになる。あるいは、背圧が増大する(負の度合いが大きくなる)につれて、バッグ208が両レバーに及ぼす力が大きくなり、互いから遠ざかるように押すが、弁座のコンプライアンスのために、弁が開く前にレギュレータレバー206は少し回転することができる。
【0050】
図16および図17に示すアキュムレータレバー207上のボス222からアキュムレータレバー207の回転軸までの距離の方が、レギュレータレバー206上のボス217からレギュレータレバー206の回転軸までの距離よりも近い、ということが理解されるべきである。このように距離に差をつけることによって、レギュレータレバーが動く前にアキュムレータレバーが作動することになる。
【0051】
アキュムレータレバー207は、図20および図19に示すように、レバー上の止め具225がクラウン202内の表面226とかみ合うまで、心棒219を中心として回転する。止め具225によって、インクチャンバ232内の背圧が下がったときに、レバー207がレギュレータレバー206に近づき過ぎて当たってしまうことが防止される。アキュムレータレバー207は、図22および図23に示すように、プリントヘッド本体201と接触するまで反対方向に回転する。
【0052】
プリントヘッドのベント210は、図1に示すように、プリンタのキャリッジ30の1区画内に取り付けられると、プリントヘッド押さえカバー36内のエア管路100,102,104,106のうちの1つを介して、周囲大気圧に連通されている。プリントヘッドの液相互接続部229は、可撓性供給管50,52,54,56のうちの1つによって、図1ではプリンタの左手側に配置された4つの取り外し可能なインク槽20,22,24,26のうちの1つに接続されている。各インク槽は、プリンタの制御下で個別に加圧され、関連するプリントヘッドにインクを送出するようになっている。
【0053】
通常のプリント動作中においては、周囲大気圧と、プリントの速度すなわちプリントヘッドへのインク供給の速度とによって、図21、図22および図23に示すように、アキュムレータレバー207およびレギュレータレバー206がプリントヘッド本体201内で動いている。図21では、完全に合わさった状態の2つのレバーを示している。柔軟性を有するバッグ208はだらんとしており、エアは入っていないが、これは、例えば周囲大気圧が大幅に下がったためかもしれないし、最初にインクを充填する前のプリントヘッドの状態でもある。周囲圧力が増大するか、または、例えばプリント中にプリントヘッドからインクが噴出されるためにインクチャンバ232内の圧力が減少すると、柔軟性を有するバッグ208には、プリントヘッドのベント210を介してキャリッジカバー内のエア管路を通って引き出されたエアが充満する。バッグ208が膨張することによって、ばね235の作用に逆らってアキュムレータレバー207が回転し、従って、周囲圧力とインクチャンバ232内の圧力との間の圧力差がほぼ一定(本質的にはばね235の選択によって設定)に維持され、プリントヘッドの効果的な動作を促進するようになっている。
アキュムレータレバー207は、図22に示すように、プリントヘッド本体201の内壁236に接触するまで回転することができる。レバーのアームの距離において差があるために、この時点でだけレギュレータレバー206が回転を開始する、ということに注意すべきである。弁座215に弾性があるために、レギュレータレバー206は、インクオリフィス228が開くまでにある少しの量だけ回転することができる。インクオリフィス228が開くと、インクが圧力下にある離れた槽からインクチャンバ232に流入する。レギュレータレバー206は、プリントヘッド本体201の反対側の内壁236に接触するまで回転することができる。図23は、完全に開いた位置にあるレギュレータレバー206を示している。インクチャンバ232と大気との圧力差が再確立されると、レギュレータレバー206が回転して戻り、インク弁227は閉じることになる。
【0054】
プリンタが、例えば吐出動作、プライミング動作、および/またはふき取り動作を行うことによって、1つまたは複数のプリントヘッドを整備するために、通常のプリント動作は時折一時停止される。これは、プリンタが一定の間隔をおいて始めても、プリンタがプリントヘッドに関する問題を検出したときのみに始めても、ユーザがプリントの問題を検出した後ユーザ要求の結果として始めても、これらの状況の組み合わせによって始めてもよい。
【0055】
プリンタのキャリッジ内に取り付けられたプリントヘッドを、キャリッジが起動するエアポンプ50を用いてプライミングするためには、上述の整列工程を最初に行って、ポンプのピストン52を、プリントヘッドのベント210に連結されたエア管路と整列させる。次に、プリンタによってキャリッジ30を精密に動かし、ポンプ50に所定体積のエアを圧力下のプリントヘッド内の柔軟性を有するバッグ208に送出させる。これによってバッグ208がプリントヘッド本体201内で膨張し、従ってインクチャンバ232内の圧力が増大して、ノズル205内へとプライミングを行うインクの流れが生じる。キャリッジ30がポンプ50から遠ざかる方向に動くと、バッグ208内の圧力が大気圧に戻り、上述のように、バッグ208は、アキュムレータレバー207およびレギュレータレバー206と協働して、インクチャンバ232と周囲圧力との間の所望の圧力差を再確立するように働く。
【0056】
このプライミング動作は、プリントヘッドのアキュムレータレバー207を動かすには十分であるが、レギュレータレバー206を動かすには不十分であり、インク弁オリフィス228が開いてインクチャンバ232がインク槽20,22,24,26からの供給インクの圧力にさらされてしまうことがないような体積のエアをプリントヘッドのバッグ208に送出することを行ってもよい。しかし、特定のプリントヘッドの設計および特定のインクタイプについては、プライミング中に更なる制御した体積のエアを送出して、バッグ208を膨張させてインクチャンバ232内の圧力を更に増大させ、従ってレギュレータレバー206を回転させるのに有利である、ということが確認されている。こういった場合においては、離れた槽からのインクの供給圧力を制御して、大量のインクがプリントヘッドに流入することを防止することが重要である。
従って、好ましくは、プライミング工程における第1のステップは、離れた槽からの供給インクの圧力を、いったんインク弁228,227が開くと、わずかな量のインクもプリントヘッド内に流入せず、またそこから流出しないようなレベルに、設定することである。これによって、プリントヘッドのノズルへのまたはそれらを通るインクのいかなる流れも、確実にエアプライミングシステムによって制御される。エアプライミングシステムでは、インク供給圧力によってではなくキャリッジの動きによって作動するので、プリンタによって精密に制御されることになる。本実施形態において、インク供給圧力は、まず通常のプリント中に用いる圧力からゼロに下げられ、次にプライミングに用いるよりも低い圧力まで上げられる。
【0057】
また、プリントヘッドのノズルを通るインクの排出を精密に制御して、ノズル板の外側にインク溜まりを形成し、次にそれをプリントヘッド内に引き戻すということが、このようにインクを還流させなければ解決が困難なプリントヘッドに関する多くの問題を解決するのに効果的である、ということも確認されている。例えば、この技術によって以下の問題を緩和することができる。
(1)長時間にわたる使用後には、プリントヘッドのノズル板上に乾燥したインクが積み重なり、インク滴の適切な噴出を妨害し、例えばインク滴を誤った方向に向けて噴出してしまう可能性がある。インク自体は乾燥したインクの溶剤として最適であり、このように乾燥したインクが蓄積している回りにインク溜まりを形成し、それを維持することによって、乾燥したインクを溶解したり、ノズル板から取り除くことができる。(2)ノズル内またはノズルへと通じる狭いインク管路内に、気泡が捕捉されてしまう可能性がある。インクがノズルを通って外向きに流れ、次に反対方向に流れることによって、このような気泡がばらばらになって自由になり、プリントヘッドの外へ、または、図22に示すように、いわゆる蓄積エア238として、プリントヘッドのインクチャンバ内部の差し支えのない場所へ、そのどちらかに動くことができるようになる。(3)製造中にプリントヘッド内に捕捉される可能性がある、またはインクによってプリントヘッド内に運ばれてくる可能性のある粒子は、ノズルへのインクの流れを詰まらせたり、部分的に遮断してしまう可能性がある。このようなことが起こると、ノズルはインクが補われるよりも速い速度でインクを発射することがあり、これによって、ノズルが外部からエアを吸い込んでしまう可能性がある。インク溜まりを作り出す間に、インクは遮断されているノズルに隣接するノズルから流出し、このインク溜まりがプリントヘッド内に引き戻されると、遮断されているノズルを通る流れも生じて、粒子がノズルからプリントヘッド内のもっと差し支えのない位置に動く可能性がある。(4)ノズルが適切に機能するには、一定のインクが供給されて、ノズルから発射するインクがインク管路に沿って流れるインクチャンバからのインクに入れ替わる必要がある。この連続的なインクラインがいくつかのノズルで断ち切られてしまうと、これらのノズルではインクが枯渇してしまう。これは局所的デプライミング(deprime)と呼ばれる。このようなことが1列のノズルすべての端から端まで(図3に示す)に起こる場合、これは全体的デプライミングと呼ばれる。最初にノズルを通って流出し、次にノズル内に戻る制御されたインクの流れは、インクをこういった乾燥したインク管路およびノズルに供給するのに効果的である。
【0058】
ポンプ50がプリントヘッドのバッグ208に送出するエアの体積が制御されると、プリントヘッドのインクチャンバ232内の圧力が所望するように増大する。これは、ノズル板上に所定体積のインク溜まりを形成するのに十分である。これについては、以下でより詳細に説明する。キャリッジ30がポンプ50から遠ざかる方向に動くと、エアがバッグ208から引き出され、従ってインクチャンバ232内に負圧が作り出され、ノズルを通るプリントヘッド内への必要なインクの還流が促進されることになる。この還流は、バッグ208を圧縮するように働いてエアをベント210から押し出し、インクチャンバ232内の所望の負圧を再確立するプリントヘッドのばね235によって、更に促進される。
【0059】
制御した負圧をプリントヘッドのノズル板外側に印加することを利用して、ノズル板にインク溜まりを作り出すことは考えられるが、従来技術の負圧プライミングシステムは、比較的高い真空を比較的短時間印加するものであり、従って一般的に不適当である。このような高速のインクであれば、一般的に抽出したインクが泡立つ、すなわち小さな気泡がインク内に形成され、このような抽出インクが次にノズルを介してプリントヘッドに再び入ることができれば、こういった気泡がノズル内やノズルへと通じるインク管路内に、容易に捕捉されてしまう可能性がある。
【0060】
インク溜まりの形でプリントヘッドのノズル板上に少量のインクを排出し、そのインク溜まりがプリントヘッドによって大部分再捕捉される、という今説明した技術は、大量の蓄積エアを取り除くためにプリントヘッドに大量のインクを通すという従来技術とは区別されるべきである。
【0061】
上述の技術に加えて、または上述の技術の代わりに適用すると、プリントヘッドに関する諸問題を緩和するのに効果的であることが確認されている更なる技術は、プリントヘッドのノズル板上に形成されたインク溜まり内にインク滴を発射すなわち吐出することを含む。この技術は、ノズル板上に制御したインク溜まりを作り出すのに便利であるので、好ましくは、本技術は前述の正圧プライミング技術に加えて適用される。インクジェットプリンタのノズルが、プリントヘッドのノズル板上にそういったノズルを覆うように維持されているインク溜まり内に発射されると、噴出したインクがインク溜まりに捕捉される、ということがわかっている。インク滴は、インク溜まりから逃げないので、発射ノズルの回りのインク溜まりに乱流を作り出す。この乱流は、欠陥のあるノズルを適切な動作をするように回復させるのに効果的であることが確認されている。発射ノズルのインク溜まりへの働きを説明するのに「滴」という語を用いているが、(ノズル外側はインクに覆われており、このインクは発射チャンバ内のインクと液通しているはずであるので)ノズルが発射すると噴出したインクは通常エアと接触せず、従ってエア表面にインクがない、ということが理解されよう。従って、これらの「滴」は、より正確には、インク溜まり内のより大きなインク槽内に噴出されるインクの流れすなわち噴射として説明されるものであると考えることができる。
【0062】
図24の概略図に示すように、ノズル板205上に形成されたインク溜まり239は、ノズル板のほぼすべてのノズル(2つのノズル列240、241で示す)を覆うように延びている。図25は、インク溜まり239内に発射され、そこに捕捉されている滴242を概略的に示している。この工程中、ほぼすべてのノズルがインク溜まりで覆われることが好ましいが、粘性が低いインクについては特に、ノズル板がプリンタのキャリッジ内でほぼ水平に保持されていない場合には、このインク溜まりがノズル板の一方に動いてエアにさらされるノズルができてしまう可能性がある、ということがわかっている。
【0063】
プリントヘッドのインクチャンバ232内で正圧を用いることは、制御したインク溜まりを作り出す便利な方法であるだけでなく、発射される滴の体積を増大し、それによって、機能していないノズルを回復させる本技術の有効性を増大する、ということが確認されている。更に、本技術をインク溜まりのインクをプリントヘッド内に還流させることと組み合わせて用いると、従来の吐出またはプライミング技術と比較して、プリントヘッドから失われるインクの体積が劇的に低減する。
図26は、上述の正圧プライミング技術を用いてインク溜まりを作り出し、このインク溜まり内にインク滴を吐出するプリントヘッド上での回復動作からの廃インクの体積を示すグラフである。水平な曲線245は、従来技術の回復技術に従って吐出のみのために失われるインクの体積を表している。この体積は単に、与えられた期間にわたって発射される滴の体積であり、従って、グラフのx軸上にプロットしたプライミング動作によって排出されるインクの関数として、一定のままである。ここで、512個のノズルから1000回発射すると、その結果、廃インクは約0.019ccになる。上側の曲線246は、プライミング工程からも吐出工程からもプリントヘッド内にインクが引き戻されないと仮定した場合に失われるインクの体積を表している。下側の曲線247は、吐出およびプライミングが一緒に行われて、形成される制御したインク溜まりが発射した滴を捕捉し、そのインク溜まりが15秒間でプリントヘッド内に吸い戻される場合に、実際に失われるインクを示している。図26からわかるように、プライミングシステムが最初に排出したインクが多いほど、廃インクの量が少なくなる。これは、プライミング工程で作り出されたインク溜まりの大きさが増大するほど、その発射滴を捕捉する能力、およびプリントヘッド内への還流の有効性が増大するからである。この傾向は、形成されるインク溜まりが大きくなり過ぎて表面張力ではもはやノズル板に保持しきれず非常に大きなインク滴がインク溜まりを離れてプリンタのインクつぼ内に落ちるようになると、終わる。
【0064】
このように廃インク量が低減すると、多くの利点がある。第1に、プリントに利用できるインクが多くなる。第2に、例えば整備ステーションの要素等のプリンタの各要素上に形成されるインク(このうちのいくらかはユーザが処理してもよい)が低減する。第3に、プリンタのインクつぼの寿命が延びる。従来技術のインクつぼ内への吐出と比べて、インク溜まり内への吐出の更なる利点は、エアロゾル(ノズルが発射するときには常に発生する、エアを有する微小なインク粒子)が、これもまたインク溜まりに捕捉されるので、かなり低減するということである。
【0065】
インクをインク溜まり内に発射することは、ノズルやインク管路内に捕捉される可能性があるすべての小さな気泡からプリントヘッドが回復するのを助ける、という点においても非常に効果的であるということが更に確認されている。こういうことができるのは、発射した滴によってこのようなコンタミナントが取り除かれるからだと考えられる。
【0066】
通常、上述のプライミング中に吐出する工程中には、プリントヘッドのノズルすべてから発射されるが、場合によっては、ノズルのうちのいくつかのみを発射するのが有利である、ということが確認されている。様々な手段によって、1つのプリントヘッド内で機能しているノズルおよび機能していないノズルを検出することは、当技術分野で公知である。例えば滴検出器は、ノズルから発射されるインク滴がプリンタの整備ステーション内の光線を横切るときに、インク滴を検出することができる。あるいは、単一のノズルから噴出されるインクでブロックをプリントするテストパターンを、プリンタがプリントしてもよい。そしてこのテストパターンを、プリンタのオペレータとプリンタのキャリッジ上に取り付けられたセンサのどちらかが走査してもよい。オペレータはその結果をプリンタに手動で入力し、センサは自動的に入力する(本願の出願人名義であり、参照によって本明細書に組み込まれる、EP0863012に記載しているように)。このようにして、プリンタは、1つのプリントヘッドのノズルのうちでどれが適切にインクを噴出しており、どれがそうでないかを決定することができる。
【0067】
従って、本プリンタがこのようなシステムを含み、どのノズルが適切に機能しているかを決定した後で、前述のインク溜まり内への吐出工程中に、それらのノズルのみが関連する抵抗器および発射チャンバによって作動する、ということが好ましい。これが有利であるのは、上述のように、そのインク管路を粒子が遮断または部分的に遮断しているノズルを発射しようとすることによって、そのノズルがエアを吸い込んでしまい、従ってプリントヘッドに関する諸問題を悪化させてしまう可能性があるからである。遮断されているノズルの回りで、インク溜まりに覆われている作動ノズルのみから発射し、次に遮断されているノズルを通ってインク溜まりからプリントヘッド内へとインクを引き戻すことは、ノズルまたはその関連するインク管路から粒子を取り除くのに効果的な技術である。
【0068】
あるいは、回復工程中に、適切に機能していないノズルのみから発射してもよい。これは、例えば乾燥して詰まってしまったインクによってノズルが遮断されている場合に効果的である。
【0069】
上述の回復工程中に、プリントヘッドのノズルのうちでいくつかのみから発射することはまた、繰り返しノズルを発射することによって生じる摩耗を低減させ、廃インク量を低減させるのにも役立つ。
【0070】
ノズルの機能不良を直すことができる有効性は、ノズルの繰り返し発射によって改善できるが、この発射の周波数は、そのプリントヘッドでプリント動作を行うときに通常用いるものよりも低くあるべきである、ということが確認されている。これは、こういった低い繰り返し率でノズルから発射することによって、発射される滴の体積が増大し、従ってノズルを通るインクの流れが増大するかもしれない、と考えられているからでる。更に、発射周波数を低くすることによって、ノズルおよび関連するインク管路から気泡が動くことが促進されるからでる。これらの気泡は、非常に高い発射周波数になれば、動くことができなくなるばかりか大きくなってしまう可能性があるからである。
【0071】
プリントヘッドをプライミングしその適切な動作を回復する上述の技術は、多くの異なる設計のプリントヘッドに適用してもよく、こういった技術を効果的に用いるのに必要な各パラメータは、そのようなプリントヘッドの設計およびそのようなプリントヘッドと共に用いるインクの特性によって決まる、ということが理解されよう。当業者には明白なように、このようなパラメータを決定するためには、利用するプリントヘッドおよびインクのそれぞれの設計に対して多くの試験を行うべきであり、そういった試験のうちのいくつかを、ヒューレット・パッカード社が設計・販売する周囲エアレギュレータのプリントヘッドと共に利用する場合に効果的であることが確認された各パラメータと共に以下で説明して、本発明の実施形態を実施および理解する上での更なる指針を提供する。
【0072】
図27は、ブラック、イエロー、シアンおよびマゼンタのインクを有する多くの異なるプリントヘッドのノズル板205上に噴出すなわち排出される(継続時間が1秒であるプライミング動作中に)インクの体積で、ポンプ50からプリントヘッドのエアチャンバ208内に噴射するエアの容積の関数としてのグラフである。図からわかるように、この関係は明確に規定され、従ってポンプ50を適切に制御することによって、プリントヘッドのノズル板上に所定体積のインクを配置することができる。使用した(また上述した)特定のポンプは、そのピストン52が1ミリメートル動く毎に0.2ccのエアを送出する。このポンプはプリンタのキャリッジ30の動きによって作動し、キャリッジ30は、プリントのためにプリントヘッドを位置決めするというその主な機能において必然的に非常に精密に{通常1/762センチ(1/300インチ)}動くことができるので、エアの送出を精密に制御することができる。ブラックのプリントヘッドについての線248は、カラーのインクについての線249とかなり異なっている、ということに気付かれよう。これは、1つには、ブラックのプリントヘッドの設計の差異のためであり、1つには、性質、特にインクの粘性の差異のためである。この特定の設計のプリントヘッドに利用したブラックは、顔料インクを用いており、その粘性は、シアン、マゼンタ、およびイエローのプリントヘッドに用いた染料インクよりも高い。このように粘度が高いことに加えて、ブラックのプリントヘッドについてはインクの製法およびプリントでの要求事項が異なるために、ブラックのプリントヘッドの内部構造は異なっており、特に、ノズルへと通じるインク管路の直径が大きくなっている。この構造の結果(インクの粘度が高いにもかかわらず)、図27に示すように、より勾配の急な線248になっている。
【0073】
プライミングについての更なる重要なパラメータは、プリントヘッドのエアチャンバ208内の正圧が保持される継続時間である。図28は、プライミングするエアの体積が0.4ccであり、プリントヘッドが離れたインク供給槽から分離している状態で、様々なプリントヘッドのノズル板上に排出されるインク体積の、プライミングの継続時間に対するグラフである。図からわかるように、時間が経過するにつれて排出されるインクの体積は増大し、その増大は最初は急であるが次第にゆっくりになる。また、ブラックのプリントヘッドについての曲線258は、ここでもまた、カラーのものについての曲線259からずれている。
【0074】
図22に示すように、エア238がインクチャンバ内に蓄積する可能性があるということは、特に寿命の長いプリントヘッドについては、公知の問題である。この蓄積エアは、プリントヘッドのインクチャンバ232内で圧縮可能な要素であり、従って、ポンプ50によりエアチャンバ208に送出されるエアがインクチャンバ内の圧力を増大し、ノズル板上にインクを排出することができる効率に影響を与える。図29は、ブラックのプリントヘッド262およびシアンのプリントヘッド263につき、蓄積エアの体積が増大するにつれてどのようにして排出されるインクの体積が減少するかを示している。各プリントヘッドについてのプライミングのパラメータは、そのプリントヘッドが寿命の間に蓄積しそうな平均エア体積を考慮して計算されており、新しいプリントヘッドは、プライミングするときに、理想体積のインクよりもわずかに多く排出し、寿命の終わりであるプリントヘッドは、理想体積のインクよりもわずかに少なく排出するようになっている。あるいは、各プリントヘッドについて、いくつかのプライミングのパラメータを記憶しておき、プリントヘッドの寿命によって利用するパラメータを変える。
【0075】
図30は、離れた槽から供給されるインクの様々な圧力値について、およびプライミングするエアの様々な体積について、2秒間のプライミング中にノズル近くで測定した、ブラックのプリントヘッドのインクチャンバ232内での圧力のグラフである。上側の曲線250は、噴射したエアの体積が0.62ccであり、インク供給圧力が0.4psiの場合のものであり、曲線251は、噴射したエアの体積は同じであるが、インク供給圧力が約−0.1psiとわずかに負の場合のものである。図からわかるように、プリントヘッド内で作り出された初期正圧は、両方の場合で等しい(約0.63psi)が、曲線251については、この圧力がより急速に衰えていくのがわかる。これから、プリントヘッド内の正圧のピークは、単に噴射されるエアに起因し、供給インクの圧力から実質的には影響を受けない、と推定できる。曲線251についてプリントヘッド内の圧力が急速に衰えていくのは、インクがプリントヘッドから離れたインク供給容器に流れるためである。
下側の曲線252は、噴射したエアの体積が0.41ccであり、インク供給圧力が0.9psiの場合のものである。曲線252のピークからわかるように、0.9psiというこのインク供給圧力は、プリントヘッドのインクチャンバ内で作り出されるピーク圧力(約0.3psi)よりもかなり高く、従って、これらのパラメータを利用すると、プリントヘッドへのインク流入が予想される。最後の曲線253は、噴射したエアの体積が0.53ccであり、インク供給圧力が0.2psiの場合のものである。この最後の曲線が、プリントヘッドをプライミングするのに最も望ましい。これは、内部圧力が少し衰え、このプリントヘッドについてインク供給槽からプリントヘッドにまたはプリントヘッドからインク供給槽にインクが流れないようにするため、供給インクとプライミングとの間の圧力バランスが良好のようだからである。曲線253において見られる圧力の衰えは、例えばピストンのガスケット69や、プリントヘッド押さえカバー36のシールから、および/またはプリントヘッドのノズル板上へのインクの流れから、正圧プライミングシステム内のエア圧が失われることに起因することがある。
【0076】
また、図30からは、プライミング前のインクチャンバ内の圧力(約−0.11psiであり、背圧として知られている)が、プライミング動作後に柔軟性を有するバッグ208がもう一度大気圧と接触すると、このバッグ208(プリントヘッドのレバー206、207と協働して)によって精密に再確立される、ということもわかる。図30の曲線251からわかる更なる特徴は、曲線の点260において、インクチャンバ内の背圧を超える、すなわち、動作点よりも負の度合いが高くなることになる。これは、インク供給圧力の設定が低すぎる、すなわち、わずかに負の圧力であり、それによって、かなりのインクがプリントヘッドから離れたインク槽に向かって流出したからである。図30からわかるように、いったんレギュレータレバーの動作点を過ぎると、レギュレータ弁227が開き、背圧が−0.11psiに戻るまでインクがプリントヘッドに流入する。
【0077】
正圧のエアでの制御したプライミングと、プライミング中の吐出と、プリントヘッド内へのインクの還流とを含むプリントヘッド整備について、現在好ましい工程パラメータを、以下に示す。
◆従来技術の吐出およびぬぐいを含むクリーニング動作を、プリントヘッドに対して行う。
◆離れた槽からのインク供給圧力を、2.1psiからゼロに下げ、次に圧力を0.2psiに上げる。
◆キャリッジカバー上のエア管路の入口にポンプを配置する。
◆プライミングするプリントヘッドについての記憶されているプライミングのパラメータを読み出す。
◆ウォーミングパルス(pulse warming)を印加して、プリントヘッドを、ブラックのプリントヘッドについては60℃に、カラーのプリントヘッドについては35℃に加熱する。
◆キャリッジを、ブラックのプリントヘッドについては2.67mm動かすことによってポンプを作動して、エアを0.53cc噴射し、インクを0.18cc排出する。カラーのプリントヘッドについては2.54mm動かすことによって、エアを0.51cc噴射し、インクを0.08cc排出する。
◆1秒間、ポンプを圧縮位置に保持し、従ってプリントヘッドのエアチャンバ内の圧力を保持する。
◆この1秒間の圧力保持の最初の0.5秒間については、2kHzの周波数でノズルを発射し、従ってノズル当たり100個の滴を発射する。
◆15秒間、インク溜まりをプリントヘッド内に還流させる。
◆従来技術の吐出およびぬぐいを含む第2のクリーニング動作を、プリントヘッドに対して行う。
【0078】
インク溜まりをプリントヘッド内に引き戻す本整備技術の実施前に、プリントヘッドのノズル板をクリーニングすることは、ノズル板の外面上にある可能性のコンタミナントがインクと一緒にプリントヘッド内に持ち込まれないようにするために、重要である。
【0079】
キャリッジカバー上のエア管路の入口からポンプを取り外した後、約3秒以内に、インク溜まりの大部分はプリントヘッド内に再吸収されているが、第2の従来技術のクリーニング動作を行う前に、ノズル板上に残るいかなる廃インクも、ノズル板上のいかなる乾燥したインクも溶解することができるように、更に12秒を取る。
【0080】
プライミング動作前にプリントヘッドを加熱すること(例えば、当技術分野で公知のように、電流パルスをプリントヘッド内のヒータに印加することによって)は、多くの理由により有利である、ということが確認されている。プリントヘッドを所定温度に加熱することによって、周囲温度の変動(後述のプリンタセンサ302によって考慮されなければ)によるプライミング工程の変動性が低減される。また、プリントヘッドを加熱することによって、気泡に起因する故障からプリントヘッドが回復するのを助けるようである、ということも確認されている。従って、場合によってはインクの粘性が低減することによってインクがノズル板からプリントヘッド内に還流できにくくなるということも確認されていることは事実ではあるが、プリントヘッドのインクの加熱を行っている。
【0081】
上述のように、プリンタは、様々なプリントヘッドについての回復動作を制御するのに利用され、こういった動作についての最適と決定されたパラメータを記憶している、制御装置300を含んでいる。プリンタは特定のプリントヘッドを識別することができるので、例えば、設計の異なる、または染料ベース、顔料ベース、耐紫外線等製法の異なるインクを含む各プリントヘッドについて、異なるパラメータを記憶してもよい。
【0082】
更に、制御装置300は、あるプリントヘッドについての適切な1組のパラメータを選択する上で、プリンタに取り付けられたセンサ302を参考にして現在の温度または湿度を決定し、この情報を利用して、回復動作についてのパラメータを選択する助けとしてもよい。
【0083】
当業者であれば、本発明の好適な実施形態の上記開示を変形してもよく、本発明の範囲内で多くの代替の実施形態が可能である、ということを理解しよう。例えば、好適な気体源は体積が一定の気体源であるが、圧力が一定の源が、特徴づけた時間の間エアチャンバに印加されると、この圧力が、結果としてプリントヘッドのエアチャンバの体積を所定分増大させると特徴づけられているならば、そのような圧力が一定の気体源から所定体積の気体を供給してもよい、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が有効に適用された大型フォーマットのプリンタの斜視図である。
【図2】カバーを取り外して、プリントヘッドのキャリッジが動く経路の右端にある自動プライミングポンプおよび整備ステーションを示した、プリンタの平面図である。
【図3】整備ステーションおよびプライミングポンプの正面図である。
【図4】整備ステーションおよびプライミングポンプの右側面図である。
【図5】ポンプを選択した位置に動かして、選択したプリントヘッドをプライミングする機構の、図3の5−5線に沿った横断立面図である。
【図6】ポンプを貫通した横断立面図である。
【図7】カバーが閉じた位置にある状態の、プリントヘッドのキャリッジの右側面図である。
【図8】プリントヘッドのカバーを上げた位置で示す、キャリッジの正面図である。
【図9】プリントヘッドを2つの区画(stalls)内に取り付け、カバーを上げた位置にある状態の、キャリッジの平面図である。
【図10】一部を切り欠いて内部のエア通路を示した、キャリッジの平面図である。
【図11】ポンプが送出するエア圧プロファイル(air pressure profiles)をプロットしたグラフである。
【図12】速度サーボソフト衝突アルゴリズム(velocity servo soft bump algorithm)の実施のグラフである。
【図13】速度サーボハード衝突アルゴリズムの実施のグラフである。
【図14】インクおよび圧力調整機構を示す、プリントヘッドの一部断面斜視図である。
【図15】エアバッグのない状態で示した、図14の調整機構の斜視図である。
【図16】図14の調整機構のレギュレータレバーの第1の側を示した斜視図である。
【図17】図14の調整機構のレギュレータレバーの第2の側を示した斜視図である。
【図18】プリントヘッド本体を通る断面図である。
【図19】図14の調整機構のアキュムレータレバーの斜視図である。
【図20】プリントヘッドのクラウン(crown)を下から見た斜視図である。
【図21】第1の完全に閉じた位置にある調整機構を示す、プリントヘッドの概略断面図である。
【図22】第2の一部開いた位置にある調整機構を示す、プリントヘッドの概略断面図である。
【図23】第3の完全に開いた位置にある調整機構を示す、プリントヘッドの概略断面図である。
【図24】ノズルの両方の列を覆うインク溜まりを示す、プリントヘッドのノズル板を下から見た概略図である。
【図25】インク溜まりへのインク滴の発射を概略的に示す、図24のノズル板の概略図の側面図である。
【図26】吐出のみを行う場合、インクを還流させずにプライミング中に吐出を行う場合、およびインクをプリントヘッド内に還流させてプライミング中に吐出を行う場合の、廃インク量のグラフである。
【図27】ブラックインクおよびカラーインクのプリントヘッドのプライミング中にプリントヘッド内に噴射するエア量の関数として、プライミング中にプリントヘッドのノズル板上に排出されるインク量のグラフである。
【図28】ブラックインクおよびカラーインクのプリントヘッドのプライミング動作の継続時間の関数として、プライミング中にプリントヘッドのノズル板上に排出されるインク量のグラフである。
【図29】ブラックおよびシアンのインクのプリントヘッドのインクチャンバ内に蓄積したエア量の関数としての、プライミング中にプリントヘッドのノズル板上にパージされるインク量のグラフである。
【図30】プリントヘッドに供給される異なる圧力のインクについて、時間の関数として、エア量が異なる状態で行うプライミング動作中にノズル板近くで測定したプリントヘッドのインクチャンバの内部圧力のグラフである。
【図31】図14のプリントヘッドのノズル領域を貫通する拡大断面図である。
【符号の説明】
10 プリンタ
30 キャリッジ
50 エアポンプ
200 プリントヘッド
201 プリントヘッド本体
205 ノズル板
208 バッグ(エアチャンバ)
210 ベント
232 インクチャンバ
300 制御装置
312 ノズル

Claims (9)

  1. プリンタのキャリッジからプリントヘッドを取り外すことなくインクジェットのプリントヘッドをプライミングする方法であって、該プリントヘッドが、ノズル板内の複数のインク噴出ノズルに液通するインクチャンバと、該インクチャンバに連結した容積可変なエアチャンバとを含む本体を有し、周囲大気と気通するベントを有し、
    前記キャリッジを前記プリンタ内の整備領域に動かすステップと、
    前記プリントヘッドのエアチャンバのベントに気体源を連結するステップと、
    所定の制御した体積の気体を周囲大気圧よりも高い圧力で前記気体源から前記エアチャンバに送出することによって、該エアチャンバが前記プリントヘッド本体内で膨張し、前記インクチャンバ内の圧力を増大させ、前記プリントヘッドの前記ノズルを通る制御したインクの流れが前記プリントヘッドをプライミングするようにし、プライミング中に前記プリントヘッドから失われるインクの量がわずかであるステップとを含む方法において、
    前記プリントヘッドは、前記エアチャンバの容積を低減する傾向がある方法で、該エアチャンバに力を及ぼすように作用する前記プリントヘッド本体内に弾性を有する片寄り部材を更に含む方法
  2. 前記プリントヘッドのノズル内への制御したインクの流れは、前記エアチャンバの膨張のみにほぼ起因する、請求項1に記載の方法。
  3. 所定の制御した体積の気体を送出する前記ステップの次に、前記気体源と前記プリントヘッドのベントとの間の前記連結を所定時間の間維持して、前記エアチャンバ内で、前記所定時間の間、周囲大気圧よりも高い圧力を維持するようにする更なるステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 同じキャリッジ内に取り付けられている複数のプリントヘッドをプライミングする方法において、前記複数のプリントヘッドのうちの少なくとも2つに送出する気体の体積が異なる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 同じキャリッジ内に取り付けられている複数のプリントヘッドをプライミングする方法において、前記エアチャンバ内で周囲大気圧よりも高い圧力を維持する継続時間が、前記複数のプリントヘッドのうちの少なくとも2つで異なる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記プリントヘッドのプライミング中に、制御した体積のインクが前記ノズルを通って前記ノズル板の外側上に行き、前記インクの大部分が前記ノズルを通って前記プリントヘッド内に引き戻される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記エアチャンバは柔軟性を有するバッグを含む、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記インクチャンバは、それを通じて離れたインク槽からインクを受け取るインクレギュレータを含む、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. プリンタのキャリッジからプリントヘッドを取り外すことなくインクジェットのプリントヘッドをプライミングすることが可能なプリンタであって、
    所定の制御した体積の気体を周囲大気よりも高い圧力で送出することが可能な気体源と、
    少なくとも1つのプリントヘッドを保持し、前記プリントヘッド上のベントを前記気体源に連結する連結手段を有するキャリッジと、
    該キャリッジ内に取り付けられているプリントヘッドに制御した所定体積の気体を印加することによってプリントヘッドのプライミングを制御し、プライミング中に前記プリントヘッドから失われるインクの量をわずかにする制御装置とを含み、
    前記プリントヘッドは、ノズル板内の複数のインク噴出ノズルに液通するインクチャンバと、該インクチャンバに連結した容積可変なエアチャンバとを含む本体を有し、周囲大気と気通するベントを有し、更に前記プリントヘッドは、前記エアチャンバの容積を低減する傾向がある方法で、該エアチャンバに力を及ぼすように作用する前記プリントヘッド本体内に弾性を有する片寄り部材を含み、
    前記制御装置は、前記プリントヘッドのプライミング中に、制御した体積のインクが前 記ノズルを通って前記ノズル板の外側上に行き、前記インクの大部分が前記ノズルを通って前記プリントヘッド内に引き戻されるような動作を行うようになっているプリンタ
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