JP4268119B2 - 透明導電性積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主として抵抗膜式タッチパネルに用いられる透明導電性積層体の製造方法に関するものである。
従来より、可撓性、加工性に加えて、耐衝撃性にすぐれ、軽量である等の利点から、ポリエステルフィルムをはじめとした各種のプラスチックフィルムからなる透明なフィルム基材に導電性薄膜を積層した透明導電性積層体が、抵抗膜式タッチパネルの上部稼動電極として使用されてきた。タッチパネルにおいては、上部稼動電極と下部稼動電極とが、スペーサを介する等して、導電性薄膜同志が対向するように配置されており、ペン等による上部からの圧力により接触することで位置検出が行われている。

しかし、このようなフィルム基材を使用した従来の透明導電性積層体は、耐摩擦性に劣り、使用中に傷が付いて電気抵抗が増大したり、断線を生じる問題があつた。また、特にタッチパネル用の透明導電積層体では、対向させた一対の導電性薄膜同志がその一方の基材側からの押圧打点で強く接触するため、これに抗しうる良好な耐久特性つまり打点特性を有していることが望まれるが、従来の透明導電性積層体ではこのような特性に劣り、そのぶんタッチパネルとしての寿命が短くなる問題があった。

この問題に対し、特定厚さの透明なフィルム基材の一方の面に透明な導電性薄膜を形成する一方、他方の面に透明な粘着剤層を介して別の透明基体を貼り合わせることにより、透明基体側からのペン等による圧力を上記粘着剤層で緩和して、耐擦傷性および打点特性を改良した透明導電性積層体が提案されている(特許文献1参照)。
特開平2−66809号公報
上記の透明導電性積層体は、耐擦傷性や打点特性等の耐久特性に優れたものであるが、透明なフィルム基材と透明基体を貼り合わせた構造のため、両者の熱収縮率や線膨張係数の差が大きいと、タッチパネル用の上部稼動電極を作製する工程における加熱処理工程で熱収縮や冷却収縮により、厚さ方向に変形することがある。

熱収縮率はフィルム作製条件等により可及的に低減できるが、線膨張係数は材料固有の性質であり、材料の種類により決まる。通常、透明なフィルム基材には透明性、可撓性、加工性等に優れるポリエステルフィルム等が、透明基体には耐熱性、機械的強度等に優れるエポキシ樹脂フィルムやポリエーテルサルフォンフィルム等が使用され、後者の透明基体の方が前者の透明なフィルム基材よりも線膨張係数が大きい。このため、透明基体の冷却収縮が大きく、透明基体側が厚さ方向に凹状に変形し、厚さ方向の反対側、つまり透明なフィルム基材上に形成した透明な導電性薄膜側が凸状に変形する。

このように導電性薄膜側が凸状に変形した透明導電性積層体を、上部稼動電極として、タッチパネルを組み立てると、上記導電性薄膜が下部稼動電極の導電性薄膜に接近しすぎて、ニュートンリング(反射光や透過光によって生じる同心円の干渉環)が発生したり、ペン等による押圧打点前に上下部稼動電極の導電性薄膜同志が接触し、タッチパネルの外観上および機能上の問題を生じるおそれがあった。

本発明は、このような事情に照らし、透明なフィルム基材の一方の面に透明な導電性薄膜を形成し、他方の面に透明な粘着剤層を介して別の透明基体を貼り合わせた構造の透明導電性積層体において、その加熱処理工程での厚さ方向の変形、特に導電性薄膜側が凸状に変形するのを防いで、これをタッチパネルの上部稼動電極としたときに、上下部稼動電極の接近によるニュートンリングの発生や、両稼動電極の接触でタッチパネルとして機能しなくなる等の問題を回避することを課題としている。

本発明者らは、上記の課題に対し、鋭意検討した結果、透明なフィルム基材の一方の面に透明な導電性薄膜を形成し、他方の面に透明な粘着剤層を介して透明基体を貼り合わせた構造の透明導電性積層体であって、透明基体の線膨張係数が透明なフィルム基材の線膨張係数よりも大きくその差が特定範囲にあり、しかも透明基体と透明なフィルム基材との同一方向の熱収縮率にそれほど大きな差のない透明導電性積層体を作製し、これを凹状の型枠中に透明基体側が凹状面に沿うように屈曲設置した状態で加熱処理工程に供し、さらにこの状態のまま冷却すると、熱収縮や冷却収縮による透明導電性積層体の変形が防がれ、導電性薄膜側の表面形状が平坦面ないし厚さ方向に凹状面である透明導電性積層体が得られ、これをタッチパネルの上部稼動電極とすると、下部稼動電極との間に好適な距離が保たれて、ニュートンリングの発生や両稼動電極の接触でタッチパネルとして機能しなくなる等の問題を回避できるものであることがわかった。

本発明は、このような知見をもとにさらに検討を続けた結果、見出されたものであり、厚さが10〜100μmの透明なフィルム基材の一方の面に厚さが5nm以上の透明な導電性薄膜を形成し、他方の面に弾性係数が1×105 〜1×107 dyn/cm2 、厚さが5〜50μmの透明な粘着剤層を介して、厚さが50〜200μmの透明基体を貼り合わせてなり、透明基体の線膨張係数Y1が透明なフィルム基材の線膨張係数Y2よりも大きく,その差(Y1−Y2)が10〜50ppm/℃であり、かつ透明基体と透明なフィルム基材との同一方向の150℃加熱収縮率の差が1.0%以下である透明導電性積層体を作製し、この積層体を透明なフィルム基材側を上にして曲率半径が800mm以下の凹状の型枠中に透明基体側が上記凹状面に沿うように屈曲して設置し、この状態で加熱処理工程に供し、さらにこの状態のまま冷却し、その後に型枠から取り出して、透明な導電性薄膜側の表面形状が平坦面であるか、あるいは厚さ方向に凹状面である透明導電性積層体を得ることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法に係るものである。

このように、本発明は、加熱処理工程における透明なフィルム基材と透明基体との熱収縮・冷却収縮に起因した透明導電性積層体の厚さ方向の変形(カール)、特に透明な導電性薄膜側の凸状変形を防いで、導電性薄膜側の表面形状が平坦面であるか、あるいは厚さ方向に凹状面となるようにしたことにより、これをタッチパネルの上部稼動電極としたときに、上下部稼動電極の接近によるニュートンリングの発生や、両稼動電極の接触によりタッチパネルとして機能しなくなるなどの問題を回避することができる。

以下、本発明の実施形態について、図面を参考にして、説明する。

本発明では、まず、図1に示すように、透明なフィルム基材1の一方の面に透明な導電性薄膜2を形成し、他方の面に透明な粘着剤層3を介して、透明基体4を貼り合わせることにより、加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体Aを作製する。

透明なフィルム基材1および透明基体4は、透明性を有する各種のプラスチックフィルムで構成され、成形性、可撓性、耐擦傷性、打点特性、機械的強度等の点より、透明なフィルム基材1の厚さは10〜100μm、好ましくは20〜80μm、透明基体4の厚さは50〜200μm、好ましくは70〜160μmであるのがよい。また、フィルム作製条件等の選択により、透明なフィルム基材1と透明基体4との同一方向の150℃加熱収縮率の差は1.0%以下、好ましくは0.5%以下であるのがよい。この差が大きすぎると、加熱処理工程での熱収縮による変形を防止できない。

さらに、透明なフィルム基材1および透明基体4は、それぞれの機能をより良く発揮させるため、両材料に、透明基体4の線膨張係数Y1が透明なフィルム基材1の線膨張係数Y2よりも大きくなる組み合せで選択されるが、両者の線膨張係数の差(Y1−Y2)は10〜50ppm/℃、好ましくは10〜45ppm/℃であるのがよい。この差が大きすぎると、加熱処理工程での冷却収縮による変形を防止できない。

例えば、透明なフィルム基材1には、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等が好ましく用いられ、透明基体4には、エポキシ系樹脂フィルムやポリエーテルサルフォンフィルム等が好ましく用いられ、これらの材料の中から、両者の線膨張係数の差が上記範囲となるように適宜選択する。

透明なフィルム基材1および透明基体4の材料には、上記のポリエチレンテレフタレート(30ppm/℃)、ポリエチレンナフタレート(13ppm/℃)、エポキシ系樹脂(70ppm/℃)、ポリエーテルサルホン(55ppm/℃)のほか、ポリイミド(20ppm/℃)、ポリカーボネート(70ppm/℃)、ポリプロピレン(110ppm/℃)、ポリメチルメタアクリレート(70ppm/℃)、ポリエーテルエーテルケトン(50ppm/℃)、シクロオレフィン系ポリマー(70ppm/℃)、ノルボルネン系ポリマー(60ppm/℃)等がある。上記( )内の値は、各材料の線膨張係数を示している。これらの材料の中から、透明なフィルム基材1と透明基体4との線膨張係数の差が前記範囲となるように、適宜の組み合せで使用する。

透明な導電性薄膜2は、上記透明なフィルム基材1の一方の面に形成される。その際、フィルム基材1の表面にあらかじめスパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化等のエッチング処理や下塗り処理を施して、導電性薄膜2のフィルム基材1に対する密着性を向上させてもよい。また、導電性薄膜2を設ける前に、必要により溶剤洗浄や超音波洗浄等により除塵、洗浄化してもよい。

透明な導電性薄膜2の形成には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の従来公知の技術をいずれも採用できる。透明な導電性薄膜2の材料は特に制限されるものではなく、例えば、酸化スズを含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化スズ等が好ましく用いられる。透明な導電性薄膜2の厚さは、5nm以上とすることが必要であり、これより薄いと表面抵抗が1×103 Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となりにくい。なお、あまり厚くしすぎると透明性の低下等をきたすため、特に好適な厚さとしては、10〜200nm程度とするのがよい。

このような透明な導電性薄膜2が形成されたフィルム基材1の他方の面には、透明な粘着剤層3を介して、前記の透明基体4が貼り合わされる。

この貼り合わせは、透明基体4の方に透明な粘着剤層3を設けておき、これに透明な導電性薄膜2が形成されたフィルム基材1を貼り合わせるようにしてもよいし、逆に上記のフィルム基材1の方に透明な粘着剤層3を設けておき、これに透明基体4を貼り合わせるようにしてもよい。後者の方法は、粘着剤層3の形成をフィルム基材1をロール状にして連続的に行うことができるので、生産性の面でより有利である。

透明な粘着剤層3には、透明性を有すると共に、弾性係数が1×105 〜1×107 dyn/cm2 であり、厚さが5〜50μm、好ましくは10〜40μmの粘着剤層が適用され、この条件を満たせば、特に制限なく使用できる。

具体的な粘着剤としては、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤等、光学用途に用いられている公知の粘着剤が挙げられる。この粘着剤層3は、透明基体4の貼り合わせ後、そのクッション効果によりフィルム基材1の一方の面に設けられた導電性薄膜2の耐擦傷性および打点特性を向上させる機能を有する。

透明な粘着剤層3の弾性係数が1×105 dyn/cm2 未満となると、この粘着剤層3は非弾性となるため、加圧により容易に変形して、フィルム基材1ひいては導電性薄膜2に凹凸を生じさせ、また加工切断面からの粘着剤のはみ出しなどが生じやすくなり、そのうえ耐擦傷性および打点特性の向上効果が低減する。また、透明な粘着剤層3の弾性係数が1×107 dyn/cm2 を超えると、粘着剤層3が硬くなり、そのクッション効果を期待できなくなるため、耐擦傷性および打点特性を向上できない。

また、透明な粘着剤層3の厚さが5μm未満となると、そのクッション効果をやはり期待できなくなり、耐擦傷性および打点特性の向上を望めなくなる。また、透明な粘着剤層3の厚さが50μmを超えると、透明性を損なったり、粘着剤層3の形成や透明基体4の貼り合わせ作業性さらにコストの面で好結果を得にくい。

このように作製した透明導電性積層体Aは、ついで、所要の加熱処理工程に供される。例えば、タッチパネル用の上部稼動電極に適用する場合、寸法安定化のためや銀ペーストによる配線のため、加熱処理工程に供される。

本発明では、この加熱処理工程として、図2に示すように、透明導電性積層体Aを透明なフィルム基材1側を上にして、凹状の型枠5中に透明基体4側が凹状面5aに沿うように屈曲して設置し、つまり透明基体4側を下方に凸状に屈曲して設置し、この状態で加熱処理工程に供し、さらにこの状態のまま冷却する。

この加熱処理工程で、透明なフィルム基材1と透明基体4との熱収縮率に差があると、透明導電性積層体Aの厚さ方向にカール(変形)しようとする力が働くが、上記両者の同一方向の150℃加熱収縮率の差が1.0%以下に設定されていることにより、両者の間に介装された透明な粘着剤層3により上記カールしようとする力が十分に緩和され、熱収縮に起因した厚さ方向のカールが防がれる。これに対して、透明なフィルム基材1と透明基体4との同一方向の150℃加熱収縮率の差が1.0%を超えるようになると、透明な粘着剤層3による緩和効果が不足し、上記カールを防げない。

また、上記の加熱処理後、型枠5から取り出して冷却すると、透明基体4の線膨張係数Y1が透明なフィルム基材1の線膨張係数Y2よりも大きいため、透明基体4側の冷却収縮量が大きくなり、また透明な粘着剤層3の粘着力が温度の低下と共に増して収縮緩和機能が低下するため、透明基体4側が厚さ方向に凹状に変形し、結局、反対側の透明なフィルム基材1上の透明な導電性薄膜2が凸状に変形する。

そこで、本発明では、上記の加熱処理後も、型枠5中に屈曲設置した状態のまま、冷却することにより、上記変形を防止する。すなわち、透明基体4側を凹状面5aに沿うように屈曲設置した状態(つまり、透明基体4側を凸状に屈曲設置した状態)で冷却すると、透明基体4の冷却収縮が起こってもこれが上記凹状面5aで食い止められて、透明基体4側の上記凸状の屈曲状態が維持され、あるいは変形が生じても凹状変形にまでは至らず、結局、反対側の透明な導電性薄膜2が凸状に変形するのが防がれる。

このような効果を発現させるには、型枠5における凹状面5aは、その曲率半径Rが、800mm以下であることが必要で、特に好ましくは600mm以下(通常は、400mmまで)であるのがよい。曲率半径Rが大きいと、透明基体4側を凸状に屈曲設置できないため、上記効果が十分に得られず、透明な導電性薄膜2側が凸状に変形するのを防止できない。また、透明基体4と透明なフィルム基材との線膨張係数の差(Y1−Y2)が50ppm/℃を超えるようになると、透明基体4側の冷却収縮が大きくなりすぎるため、やはり、上記効果が十分に得られず、上記変形を防止しにくい。

このように冷却したのち、型枠5から取り出された透明導電性積層体は、透明な導電性薄膜2側の表面形状が平坦面であるか、あるいは厚さ方向に凹状面とされており、これをタッチパネルの上部稼動電極とすると、すぐれた効果が発現される。

図3は、このように加熱処理工程に供されたのちの透明導電性積層体Bを用いて、上部稼動電極P1を構成し、この上部稼動電極P1と、基板11上に導電性薄膜12を形成した下部稼動電極P2とを、導電性薄膜同志2,12が対向するように、スペーサ6を介して対向配設して作製したタッチパネルの一例を示している。

このタッチパネルは、上部稼動電極P1の導電性薄膜2側の表面形状が、平坦面であるか、あるいは厚さ方向に凹状面とされ、従来のように厚さ方向に凸状面となっていないため、これと下部稼動電極P2との距離がほぼスペーサ6の厚さどおりに設計され、上下部稼動電極P1,P2の接近によるニュートンリングの発生や、両稼動電極P1,P2の接触によりタッチパネルとして機能しなくなる等の問題が回避される。

つぎに、本発明の実施例を記載して、さらに具体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味するものとする。
透明なフィルム基材として、厚さが25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム〔線膨張係数:30ppm/℃、150℃の加熱収縮率(MD0.6%、TD0.0%)〕を使用し、このフィルム基材の一方の面に、透明な導電性薄膜として、厚さが25nmのITO薄膜(酸化スズを含有する酸化インジウム薄膜)を形成した。

つぎに、上記透明なフィルム基材の他方の面に、弾性係数が2×106 dyn/cm2 、厚さが25μmの透明なアクリル系粘着剤層を介して、厚さが150μmのエポキシ系樹脂フィルム〔線膨張係数:70ppm/℃、150℃の加熱収縮率(MD0.1%、TD0.1%)〕からなる透明基体を貼り合わせることにより、図1に示すような加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体を作製した。

この透明導電性積層体は、透明基体の線膨張係数Y1と透明なフィルム基材の線膨張係数Y2との差(Y1−Y2)が40ppm/℃であり、また150℃加熱収縮率の差が、MD方向で0.5%、TD方向で0.1%であった。

この透明導電性積層体を、図2に示すように、曲率半径Rが600mmの円弧状の凹状面を有する凹状の型枠中に、透明なフィルム基材側を上にし透明基体側が上記凹状面に沿うように屈曲して設置した。この状態で熱風循環式オーブンにて150℃で1時間加熱したのちオーブンから取り出し、30分間、室温環境に放置して冷却した。その後、型枠から取り出したところ、透明基体側が凸状面であり、反対側の透明なフィルム基材上のITO薄膜側が厚さ方向に凹状面である透明導電性積層体を得た。

このように加熱処理工程に供した透明導電性積層体を上部稼動電極とし、この上部稼動電極に対して、ガラス基板上に導電性薄膜としてITO薄膜を形成した下部稼動電極を、導電性薄膜同志が対向するように、厚さが100μmの両面テープを用いてローラーにより貼り合わせ、電極間のギャップが100μmのタッチパネルを作製した。

このタッチパネルについて、テスターにより上下部両稼動電極の接近によるニュートンリングの発生や上下部両稼動電極の接触の有無を観察した。ニュートンリングの発生や上記接触はみられず、タッチパネルとして良好に機能させることができた。

透明なフィルム基材として、厚さが50μmのポリエチレンナフタレートフィルム〔線膨張係数:13ppm/℃、150℃の加熱収縮率(MD0.5%、TD0.0%)〕を使用し、このフィルム基材の一方の面に実施例1と同様のITO薄膜を形成した。

つぎに、上記透明なフィルム基材の他方の面に、実施例1と同様の透明なアクリル系粘着剤層を介して、厚さが100μmのポリエーテルサルフォンフィルム〔線膨張係数:55ppm/℃、150℃の加熱収縮率(MD0.2%、TD0.2%)〕からなる透明基体を貼り合わせることにより、図1に示すような加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体を作製した。

この透明導電性積層体は、透明基体の線膨張係数Y1と透明なフィルム基材の線膨張係数Y2との差(Y1−Y2)が42ppm/℃であり、また150℃加熱収縮率の差が、MD方向で0.3%、TD方向で0.2%であった。

この透明導電性積層体を、実施例1と同様にして、凹状の型枠中に屈曲設置した状態で加熱処理および冷却を行い、その後、型枠から取り出したところ、ITO薄膜側が厚さ方向に凹状面である、実施例1と同様の透明導電性積層体を得た。

この加熱処理工程に供した透明導電性積層体を上部稼動電極として、実施例1と同様にして、タッチパネルを作製した。このタッチパネルについて、実施例1と同様にテスターにより観察したところ、ニュートンリングの発生や上下部両稼動電極の接触はみられず、タッチパネルとして良好に機能させることができた。

比較例1
実施例1で作製した加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体を、凹状の型枠を使用しないで、熱風循環式オーブンにて加熱処理したのち取り出し、室温環境に放置して冷却した。この加熱処理工程後の透明導電性積層体は、透明基体側が凹状に変形し、反対側の透明なフィルム基材上のITO薄膜側が厚さ方向に凸状に変形していた。

この透明導電性積層体を上部稼動電極として、実施例1と同様にタッチパネルを作製した。実施例1と同様にテスターにより観察したところ、ニュートンリングが発生し、また上下部両稼動電極の接触がみられ、タッチパネルとして機能しなかった。

比較例2
透明基体として、厚さが150μmのエポキシ系樹脂フィルムに代えて、厚さが100μmのポリメチルメタアクリレートフィルム〔線膨張係数:70ppm/℃、150℃の加熱収縮率(MD10.0%、TD9.0%)〕を使用した以外は、実施例1と同様にして、図1に示すような加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体を作製した。

この透明導電性積層体は、透明基体の線膨張係数Y1と透明なフィルム基材の線膨張係数Y2との差(Y1−Y2)が42ppm/℃であり、また150℃加熱収縮率の差が、MD方向で9.4%、TD方向で9.0%であった。
この透明導電性積層体を、実施例1と同様にして、凹状の型枠中に屈曲設置した状態で加熱処理および冷却を行い、その後、型枠から取り出したところ、透明基体側が凹状に変形し、反対側のITO薄膜側が厚さ方向に凸状に変形していた。

この透明導電性積層体を上部稼動電極として、実施例1と同様にタッチパネルを作製した。実施例1と同様にテスターにより観察したところ、ニュートンリングが発生し、また上下部両稼動電極の接触がみられ、タッチパネルとして機能しなかった。

加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体を示す断面図である。 図1に示す透明導電性積層体を加熱処理工程に供する様子を示す断面図である。 加熱処理工程に供したのちの透明導電性積層体を上部稼動電極として使用したタッチパネルの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 透明なフィルム基材
2 透明な導電性薄膜
3 透明な粘着剤層
4 透明基体
5 型枠
5a 凹状面
R 曲率半径
A 加熱処理工程に供する前の透明導電性積層体
B 加熱処理工程に供したのちの透明導電性積層体
P1 上部稼動電極
P2 下部稼動電極

Claims (1)

  1. 厚さが10〜100μmの透明なフィルム基材の一方の面に厚さが5nm以上の透明な導電性薄膜を形成し、他方の面に弾性係数が1×105 〜1×107 dyn/cm2 、厚さが5〜50μmの透明な粘着剤層を介して、厚さが50〜200μmの透明基体を貼り合わせてなり、透明基体の線膨張係数Y1が透明なフィルム基材の線膨張係数Y2よりも大きく,その差(Y1−Y2)が10〜50ppm/℃であり、かつ透明基体と透明なフィルム基材との同一方向の150℃加熱収縮率の差が1.0%以下である透明導電性積層体を作製し、この積層体を透明なフィルム基材側を上にして曲率半径が800mm以下の凹状の型枠中に透明基体側が上記凹状面に沿うように屈曲して設置し、この状態で加熱処理工程に供し、さらにこの状態のまま冷却し、その後に型枠から取り出して、透明な導電性薄膜側の表面形状が平坦面であるか、あるいは厚さ方向に凹状面である透明導電性積層体を得ることを特徴とする透明導電性積層体の製造方法。

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