JP6441687B2 - タッチパネル用基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明フィルム基材上に透明電極層が形成された透明導電フィルムを用いたタッチパネル用基板の製造方法に関する。
タッチパネル用透明導電フィルムは、透明絶縁フィルム上に透明電極を形成したもので、タッチパネルの位置センサーとして使用される。タッチパネルには様々な検出方式があるが、検出方式によっては透明電極をパターニングによって部分的に除去する必要がある。例えば静電容量方式の場合、静電容量検出用のパターンを作成する必要がある。
タッチパネルは、通常、ディスプレイ上に配置されるため、透明電極部分の非視認性が悪いとディスプレイ上にパターンが視認されることとなり、最終製品の品質を低下させることとなる。そのため、パターニングされた透明導電フィルムや透明導電フィルムを使用して製造されるタッチパネルでは、パターニングした形跡が見えない、いわゆるパターンの非視認性が求められる。
パターンが視認される原因の1つは、透明電極が残っているところと除去されたところの有無で反射率等の光学特性が異なることであり、骨見えなどと呼ばれる。そのため、タッチパネル用透明導電フィルムの多くは透明誘電体層を利用し、その膜厚や屈折率を調整する等の積層構造の光学設計手段により骨見えを軽減させている。
一方、パターンが視認される原因の他の原因として、パターン形成により加工後のフィルム基材自体にひずみが生じ、僅かなひずみでもパターン境界が視認されてしまうというものがある(以下パターンひずみと呼ぶ)。パターンひずみによる非視認性の悪化は、前記のような透明誘電体層を用いた光学設計手段では解消できず、有効な対策方法が探索されている。
特開2014−91255号公報 特開2014−131869号公報
近年のタッチパネル小型軽量化に伴い、タッチパネル用透明電極付き基板はガラスを使用したものから透明導電フィルムを使用した物に置き換わりつつある。また、透明導電フィルム自体も薄くすることが要望されている。このような環境の変化により、従来ガラス基板で問題とされてこなかったパターンひずみの問題が顕在化しつつある。透明導電フィルムにおいてもフィルム基材の厚みが薄くなることで、パターンひずみがより発生しやすくなっている。
この問題を解決するために、特許文献1には加熱処理によってパターンひずみの非視認性を改善させる技術が公開されているが、その効果は十分ではなく、特に薄いフィルムではパターンひずみの非視認性は不十分だった。また、特許文献2には透明導電フィルムの透明電極が製膜されていない面に支持フィルムを貼り合わせることでパターンひずみを改善する方法が開示されている。しかし、支持フィルムはタッチパネルに組み上げられる際には剥離されるものであり、特許文献2では支持フィルムを剥離した後や、タッチパネルとして組み上げた際のパターンひずみについては考慮されていない。
本発明者らは鋭意検討した結果、フィルムの厚みが薄い場合であってもタッチパネルの製造工程を工夫することでパターンひずみを改善できることを見出した。
すなわち本発明は、フィルム基材に透明電極が製膜された透明導電フィルムの少なくとも片面に支持フィルムが貼り合わされた、支持フィルム付き透明導電フィルムを原料としたタッチパネルの製造方法であって、その製造工程にパターニング工程と、加熱工程と、貼り合わせ工程をこの順に含み、パターニング工程時に前記透明電極層が製膜された面とは逆の面に支持基板を有しており、パターニング工程以降の加熱工程全てが前記支持基板を有した状態で行われ、加熱工程と貼り合わせ工程の間に30分以上の養生時間を設けており、貼り合わせ工程に使用される透明接着剤の厚みが50μm以下であることを特徴とするタッチパネル用基板の製造方法である。
本発明により、タッチパネルとして組み上げた際にパターンひずみが視認されにくいタッチパネルを製造することができる。
本発明におけるタッチパネルの製造フロー図である。 本発明におけるパターニング前の透明導電フィルムの断面模式図である。 本発明におけるパターニング後の透明導電フィルムの断面模式図である。 本発明におけるタッチパネルの断面模式図である。 本発明におけるタッチパネルの断面模式図である。 本発明におけるタッチパネルの断面模式図である。 本発明におけるタッチパネルの断面模式図である。
以下において、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、本願の各図において寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宣変更され、実際の寸法関係を表していない。また、各図において同一の参照符号は同一の技術事項を意味する。
図1は本発明におけるタッチパネル用基板の製造フロー図である。本発明のタッチパネル用基板の製造方法は少なくとも、透明導電フィルムをパターニングする工程と、パターニングした透明導電フィルムを加熱する工程と、加熱された透明導電フィルムを養生する工程と、養生された透明導電フィルムをカバー基材に貼り合わせる工程を含んでいる。本発明のタッチパネル用基板の製造工程として、例えば透明電極の低抵抗化のためのアニールなど図1に記された以外の工程を含んでも良い。パターニング後の加熱工程は支持フィルムが貼り合わされた状態で行われるが、その後支持フィルムを剥離するタイミングについては特に限定されない。
本発明に使用する透明導電フィルムの基材としては、少なくとも可視光領域で無色透明なフィルム基材であれば特に限定されず、その上に透明電極を形成可能なものであればよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフテレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂やシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂などが挙げられるが、中でもポリエチレンテレフタレートやシクロオレフィン系樹脂などが好ましく用いられる。基材の厚みは特に限定されないが、0.01〜0.4mmの厚みが好ましい。上記範囲内であれば、透明基板の耐久性を十分に得ることができ、適度な柔軟性を有するため、生産性の良いロール・トゥ・ロール方式で成膜することができる。
本発明では、フィルム基材上に必要に応じて各種機能層を設けることが可能で、例えば、フィルム基材上に下地層としてのSiO、光学調整層としてのNb層、SiO層、透明電極層としてのITOを順に積層させたものや、フィルム基材上に易接着層として有機無機複合材料層、透明電極層としてITOを順に積層させたものや、フィルム基材上に光学調整層としての有機材料層、無機光学調整層、透明電極層を順に積層させたものや、応力緩衝層としての無機材料層、透明電極層を順に積層させたものや、光学調整能力を持ったハードコート層としての有機無機複合材料、透明電極層を順に積層させたもの等を透明導電フィルムとして用いることができる。上記の例のほか、光学調整層、反射防止層、ぎらつき防止層、易接着層、応力緩衝層、ハードコート層、易滑層、帯電防止層、結晶化促進層、耐久性向上層、その他機能層を透明電極層と基材の間や、透明電極層の表面、基材の透明電極層と逆側の面などに用いることができ、それぞれが単一の機能を持っていても良いし、複数の機能を持っていても良い。特に有機材料上にITOをスパッタリングで製膜する際の応力緩衝層としては、製膜中に大量の酸素を供給しながら製膜して得られるITO層を好ましく用いることができる。この場合、応力緩衝層は組成や応力を厚み方向に漸近的に変化させることで応力を緩和しているため、応力緩衝層と透明電極層の間に異なる材料から成る層を含むことは好ましくない。
これらの機能層は、1種類のみを用いても良いし、複数の種類を積層して用いても良い。これらの機能層は例えば、スパッタリングやエアロゾルデポジション等のドライプロセスを用いて実現しても良いし、有機物をバインダーとして無機粒子を分散させたり、ゾルゲル法により無機膜を形成したりする等のウエットプロセスで実現しても良い。これらの機能層の原料としては、アクリル系有機物、ウレタン系有機物、シリコーン系化合物、シラン化合物、イミド化合物等の他、マグネシウム、カルシウム、チタン、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、亜鉛、アルミニウム、インジウム、シリコン、スズ、炭素などの元素、及びこれらの元素を含む酸化物、窒化物、フッ化物等の化合物、及びこれらの組み合せによって得られる化合物等を好ましく用いることができる。
上記フィルム基材には、基材と透明導電膜の付着性を向上させる目的で表面処理を施すことができる。表面処理の手段はいくつかあるが、例えば、基材表面に電気的極性を持たせることで、付着力を高める方法などがあり、具体的にはコロナ放電、プラズマ法などが挙げられる。本発明における透明電極とフィルム基材の間の透明誘電体層には、密着性を向上させる効果を持たせることも可能であり、特にSiO(x=1.8〜2.0)であれば、光学特性を損なうことがない点からも好ましい。
[支持フィルム付き透明導電フィルム]
本発明で使用される透明導電フィルムは、透明フィルム基材の少なくとも片面上に透明電極が積層されたものであって、剥離可能な支持フィルムが貼り合わされている。図2はフィルム基材11に透明電極21が製膜され、反対側に支持フィルム31が貼り合わされた支持フィルム付き透明導電フィルムの断面模式図である。透明電極が透明導電フィルムの片面に製膜されている場合は、支持フィルムは透明導電フィルムの透明電極が製膜されていない側に貼り合わされていることが好ましい。
本発明の透明電極としては、透明性と導電性を両立するものであれば特に限定されず、この様な材料としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫などの酸化物を主成分としたものや、樹脂中に微小な金属を分散させたものなどが挙げられる。中でも、品質の安定性の観点から、酸化インジウムを主成分とした物が好ましく用いられる。
透明電極の形成方法は特に限定されず、スパッタリングやイオンプレーティング等のドライプロセス、ゾルゲルコーティング等のウエットプロセスなど、求める特性に応じて適切な方法を選択することができる。中でも、品質の安定性と生産性の高さから、スパッタリングが好ましく用いられる。
本発明の支持フィルムとしては、タッチパネル製造中の加熱に耐えられるものであれば特に限定されず、PET、PBT、PENなどのポリエステル樹脂やシクロオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース系樹脂などのフィルムに、透明導電フィルムと貼り合わせるための粘着層を有していればよいが、透明導電フィルムと支持フィルムの熱収縮差による反りを抑えるため、透明導電フィルムと支持フィルムの材料が同じであればより好ましい。
支持フィルムは前記粘着層の他、光学調整層、反射防止層、ぎらつき防止層、易接着層、応力緩衝層、ハードコート層、易滑層、帯電防止層、結晶化促進層、耐久性向上層、その他機能層を粘着層と基材の間や、基材の粘着層と逆側の面などに用いることができ、それぞれが単一の機能を持っていても良いし、複数の機能を持っていても良い。
支持フィルムを貼り合わせるタイミングは透明電極を製膜する前でも良く、透明電極を製膜した後でも良い。透明電極の製膜前に貼り合わせを行うと製膜中のフィルムの変形を防止する効果が得られるが、真空プロセスでは粘着層からのアウトガスが品質低下の原因となりえるので、製膜プロセスに応じて適切な方法を選択することが好ましい。一度支持フィルムを貼った後、支持フィルムを剥がして再度貼り合わせても良い。例えば、支持フィルム付き透明導電フィルムの支持フィルムを剥がして透明導電フィルムをアニールし、その後再び支持フィルムを貼り合わせてパターニングを行う、という工程の進め方が挙げられる。
[パターニング工程]
本発明における透明導電フィルムのパターニングは、透明導電フィルムの上の透明電極の一部をエッチングにより除去する手法や、レーザー等で透明電極の導電性を部分的に低下させる方法で行うことができる。エッチングにより透明電極を除去する手法としては、感光性レジストを塗布後、フォトリソグラフィーなどでレジストのパターンを形成し、露出した透明電極をエッチング液で除去する方法が知られているが、他の手法であっても所定のパターンを形成するために透明電極を除去するものであれば任意に用いることができる。図3は透明電極がパターニングされた支持フィルム付き透明導電フィルムである。透明導電フィルムの両面に透明電極が製膜されている場合は、支持フィルムの貼られていない面のパターニングを行った後、パターニングを行った面に支持フィルムを貼り合わせ、パターニングされていない面の支持フィルムを剥離してパターニングを行う、等の方法をとることができる。
[加熱工程]
本発明において、パターニング後に加熱工程が行われる。この工程はパターニングした透明電極から引き出し電極を形成するために行われるほか、パターニング後のフィルムを乾燥する目的で行う場合もある。加熱工程は1回だけ行っても良いし、複数回行っても良い。複数回行う場合は、温度や加熱時間等の加熱条件が同じでも良いし、異なっていても良い。加熱工程の温度や時間は目的に応じて適切な値を設定することができるが、加熱温度が透明導電フィルムのガラス転移温度を超えている場合に、本発明の効果は顕著である。加熱方法はフィルムを加熱する手段であれば特に限定されず、熱風乾燥オーブンやIRヒータの他、フラッシュランプアニール等の手段を用いることができる。
加熱工程は透明導電フィルムに支持フィルムが張り合わされた状態で行われ、加熱工程後フィルムがガラス転移温度以下に冷却されるまでは支持フィルムを剥離せずにおく。パターニング工程後からカバー基材貼り合わせ工程までの間に複数回の加熱を行う場合、透明導電フィルムのガラス転移温度を超える加熱については支持フィルムを貼り合わせた状態で行うことが好ましい。この場合、加熱工程と加熱工程の間に支持フィルムを貼りかえてもよいし、同じ支持フィルムを貼ったままにしていても良い。
[養生工程]
加熱工程からカバー基材貼り合わせ工程の間に養生を行うことでパターンひずみを減少させることができる。
養生工程は加熱工程によって発生した熱応力を緩和させるという目的で行っており、本発明の検討により、30分以上の養生であればパターンひずみの低減に効果があることが見出された。養生時間は30分以上であれば効果が見られるが、60分以上がより好ましい。
養生工程は支持フィルムを貼ったまま行っても良いし、支持フィルムを剥離して行っても良い。養生中は搬送、切断、位置合わせ、外観検査など、透明導電フィルムのガラス転移温度を超えない範囲であれば加工を行っても良い。養生工程中は透明導電フィルム全体がガラス転移温度以上に加熱されることは避けるべきであるが、例えば周辺電極にプリント配線基板を接続する等、パターン部以外が局所的に加熱されることは問題ない。
[剥離工程]
最終的に支持フィルムを透明導電フィルムから剥離するのは、加熱工程が全て終了した後であればいつでも良い。加熱工程が終了した直後でも良いし、加熱後の養生中や養生後でも良いし、カバー基材と貼り合わせた後でも良い。
支持フィルムと透明導電フィルムの剥離強度が大きすぎると透明電極にクラックが発生し、抵抗不良の原因となるため2.0gf/mm以下であることが好ましい。剥離強度が小さすぎる場合にはパターンひずみを防止する能力が低下するだけでなく、プロセス中に意図せず支持フィルムが剥離してしまうので、0.2gf/mm以上であることが好ましい。
[カバー基材貼り合わせ工程]
透明導電フィルムを貼り合わせるカバー基材は、強化ガラスや強化プラスチック等透明な基材であれば特に限定されず、タッチパネルの設計に応じて自由に使用できる。カバー基材は光学調整層、反射防止層、ぎらつき防止層、易接着層、応力緩衝層、ハードコート層、易滑層、帯電防止層、結晶化促進層、耐久性向上層、その他機能層を有していてもよい。カバー基材や透明導電フィルムには、ハードコートフィルム、飛散防止フィルム、偏光板、位相差フィルム、光学補償フィルム等の各種フィルムを貼り合わせても良い。
透明導電フィルムのカバー基材に貼り合わせる面は、タッチパネルの設計に応じて自由に選択することができる。例えば図4のようにカバー基材側に透明電極が配置されるように貼り合わせても良いし、図5のようにカバー基材の逆側に透明電極が配置されるように貼り合わせても良い。センサー電極の構成に応じて、図6のようにカバー基材に透明導電フィルムを貼り合わせた後、その上にさらに透明導電フィルムを貼り合わせても良い。貼り合わせの段階で透明導電フィルムに支持フィルムが貼り合わせてある場合、支持フィルムが貼られていない面とカバー基材を貼り合わせる際は支持フィルムの剥離タイミングは問題とならないが、支持フィルムが貼られている面とカバー基材を貼り合わせる場合、貼り合わせ前に支持フィルムを剥離する必要がある。また、透明導電フィルムが両面に透明電極を有している場合は図7のような配置で貼り合わせることができる。
カバー基材と透明導電フィルムとの貼り合わせには透明接着剤を用いるが、通常はパターンひずみのような凹凸を緩和するためには、透明接着剤の厚みを厚くして段差を接着剤に吸収させる手法が一般的であった。本発明では、逆に薄い透明接着剤を用いることでパターンひずみを低減できることを見出した。具体的には、透明接着剤の厚みは、50μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
透明接着剤には貼り合わせ時に柔軟性とともにある程度のコシがあるものが好ましく、透明粘着シートが好ましく用いられる。特にアクリル系透明粘着シートであれば、透明性、粘着力、適度な柔軟性とコシが得られるため好ましい。
貼り合わせ時にカバー基材を予熱しておくと、パターンひずみの応力緩和を促進することができるため好ましい。その際透明導電フィルムのガラス転移温度を超えるとパターンひずみが再度発生してしまうため、加熱温度は透明導電フィルムのガラス転移温度以下である必要がある。また、加熱温度が高い場合、カバー基材が割れる原因となるため、加熱温度は40℃〜80℃の範囲が好ましく、40℃〜60℃がより好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは無い。
[実施例1]
[支持フィルム付き透明導電フィルムの作製]
透明導電フィルム用の基材(基板)は、厚さ50μm、ガラス転移温度80℃のPETフィルムの両面に屈折率調整機能を持ったハードコート層が形成されたものとし、透明電極としてインジウム・スズ複合酸化物(錫酸化物含量7.0質量%)をスパッタリングにて製膜した。基板フィルム投入後、製膜前にフィルムを真空中で加熱し脱ガスを行った。その後フィルム基材の光学調整ハードコート上にロール・トゥ・ロール方式で応力緩衝層としてのITOを2nmスパッタ製膜し、続いて透明導電層としてのITOを20nm製膜した。応力緩衝層製膜時はアルゴンと酸素の比率を1000:50、透明導電層製膜時はアルゴンと酸素の比率を1000:5として製膜を行った。
次に、厚さ125μm、ガラス転移温度80℃のPETフィルムの片面に粘着層が付与された支持フィルムを、透明導電フィルムの透明電極を製膜していない面に貼り合わせ、支持フィルム付き透明導電フィルムを得た。
[アニール]
スパッタリングによって製膜された透明電極はアモルファスであり、これをアニールによって結晶化することで低抵抗、高透過な透明電極に変化させることができる。前記支持フィルム付き透明導電フィルムを6cm角に切り出し、140℃の熱風乾燥オーブンにて60分アニールし、透明電極を結晶化させた。
[パターニング]
透明電極を結晶化させた前記支持フィルム付き透明導電フィルムにスピンコートでフォトレジストを塗布し、幅3mmのストライプパターンのマスクと露光機を用いて現像し、露出部を関東化学製ITO−02を用いてウエットエッチングすることによりパターニングを行った。
[加熱]
一般的な引き出し電極形成材料である熱硬化型導電性ペーストの硬化条件である140℃60分の条件で、熱風循環オーブンにてパターニングされた前記支持フィルム付き透明導電フィルムを加熱処理した。
[養生]
前記加熱工程の後、支持フィルムを剥離せず、常温でフィルムに外力を加えず30分養生した。
[カバー基材貼り合わせ]
常温に保管された6cm角のガラス板をカバー基材とし、まず厚さ50μmのアクリル系透明粘着シートを貼り合わせた。次に、支持フィルム付き透明導電フィルムの支持フィルムを剥離し、透明電極が透明導電フィルムのカバー基材側に配置される向きに貼り合わせた。
支持フィルムの剥離強度は、JISZ0237に記載の180°剥離試験にて行ったところ、1.0gf/mmであった。
[パターンひずみ評価]
透明導電フィルムの貼り合わされたカバー基材を黒い板の上に配置し、蛍光灯の光を反射させて観察を行った。そこで蛍光灯像のゆがみが大きく観察されるものを×、中程度観察されるものを△、小さく観察されるものを○、観察できなかったものを◎とした。
[実施例2]
加熱工程の直後に支持フィルムを剥離し、支持フィルムが無い状態で養生工程以降を行った以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[実施例3]
支持フィルムの剥離をカバー基材貼り合わせ工程の後に行った以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[実施例4]
カバー基材貼り合わせ工程で使用する透明粘着シートの厚みを25μmに変更した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[実施例5]
養生工程における養生時間を60分に変更した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[実施例6]
カバー基材貼り合わせ工程で使用する透明粘着シートの厚みを25μmに変更した以外は実施例5と同様にしてパターンひずみを評価した。
[実施例7]
貼り合わせ前にカバー基材を50℃に予熱した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例1]
透明導電フィルムの作成後、支持フィルムの貼り合わせを行わなかった以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例2]
パターニング工程の後、加熱工程の前に支持フィルムを剥離した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例3]
養生工程における養生時間を5分にした以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例4]
カバー基材貼り合わせ工程で使用する透明接着シートの厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例5]
応力緩衝層としてのITOを製膜せず、透明導電層としてのITOを22nm製膜したこと以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
[比較例6]
透明導電フィルム基材の厚みを125μmに変更し、透明導電フィルムの作成後支持フィルムの貼り合わせず、養生工程における養生時間を5分とし、カバー基材貼り合わせ工程で使用する透明接着シートの厚みを100μmに変更した以外は実施例1と同様にしてパターンひずみを評価した。
表1の結果より、支持フィルムを貼り合わせて加熱工程を行い、養生時間を30分以上とり、厚み50μm以下の透明接着シートを用いてカバー基材との貼り合わせを行うことで、パターンひずみが視認されにくい良好なタッチパネルが得られることが分かった。また、応力緩衝層として酸素を大量導入したITOを用いることや、貼り合わせ前にカバー基材を予熱しておくことでパターンひずみを軽減できることが分かった。
11 透明フィルム基材
21 透明電極
22 応力緩衝層
31 支持フィルム
41 透明接着剤
51 カバー基材
61 ディスプレイ

Claims (11)

  1. フィルム基材に透明電極が形成された透明導電フィルムに支持フィルムを一時的に貼り付けて製造するタッチパネル用基板の製造方法であって、
    パターニング加工された透明電極が形成された前記透明導電フィルムを加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程後の透明導電フィルムを30分以上養生する養生工程と、
    前記養生工程後の透明導電フィルムと厚み10〜60μm以下の透明接着剤層とカバー基材とをこの順に貼り合わせる工程とを備え、
    さらに、前記フィルム基材に予め貼り付けられている前記支持フィルムを前記フィルム基材から剥離する工程を、前記加熱工程後に備えることを特徴とするタッチパネル用基板の製造方法。
  2. 前記透明導電フィルムには前記透明電極に接して応力緩衝層が備えられている請求項1に記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  3. 前記透明電極と前記応力緩衝層はともに酸化インジウムを主成分とすることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  4. 前記加熱工程前に、パターニングによって残された透明電極上に導電性ペーストを塗布焼成して引出電極を形成しておき、前記加熱工程中に前記引出電極の硬化処理を行う請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  5. 前記加熱工程中の最高温度が透明導電フィルムのガラス転移温度より高い請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  6. 前記透明電極の主成分が酸化インジウムである請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  7. 前記透明電極のパターニング加工前に、前記フィルム基材にアニールを行う請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  8. 前記透明導電フィルムの厚み60μm以下である請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  9. 前記フィルム基材と前記支持フィルムが同じ材質の高分子樹脂からなり、且つ、前記カバー基材がガラスからなる請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  10. 前記支持フィルムの剥離強度が、0.2〜2.0gf/mmである請求項1〜のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
  11. 前記カバー基材と前記透明導電フィルムを貼り合わせる際に、予め前記カバー基材を40℃以上60℃以下の温度に加熱しておくことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のタッチパネル用基板の製造方法。
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