JP4268085B2 - 酸窒化シリコン膜の形成方法及び形成装置 - Google Patents
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Description
現在、Cバンド(1530〜1565nm)の光増幅器として最も利用されているのが、エルビウム添加光ファイバー増幅器(EDFA)である(非特許文献1参照)。
これに対し、SiONをコアに用いて酸化シリコンをクラッドに用い、大きな非屈折率差を持った導波路を構成することで、導波路長を短縮することができ、小型の光増幅器が実現できる。大きな非屈折率差の導波路により、光をより小さな領域に閉じ込めてより高いパワー密度の光で励起することが可能になるため、導波路長が短縮できる。
須藤昭一編著、「エルビウム添加光ファイバ増幅器」、オプトロニクス社、1999年11月21日。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、希土類元素が添加されたSiON膜が形成できるようにすることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態におけるSiON膜の形成装置の構成例を示す構成図(a),一部の平面部(b)である。図1に示す装置は、ECRイオン源(プラズマ生成室)101と、イオン引出口(プラズマ引出口)101aを介してECRイオン源101に連通する成膜室102とを備えたECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマアシストCVD装置である。成膜室102は、排気口113が図示しない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりECRイオン源101と共に内部が真空排気される。
まず、成膜室102及びECRイオン源101の内部を所定の圧力(真空度)にまで排気(真空排気)した後、プラズマガス導入部106より酸素ガス,窒素ガス,及びアルゴンガスを導入する。この状態で、磁気コイル103よりECRイオン源101内に875Gの磁場を発生させ、また、マイクロ波発生器108より2.45GHzのマイクロ波を導入し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマが発生した状態とする。
ECRイオン源101内で生成したECRプラズマは、磁気コイル103からの発散磁場により基板台104の方向に流れるプラズマ流を形成する。形成されたプラズマ流は、イオン引出口101aより引き出され、希土類金属ターゲット111及び配管部172のリング中央部を通過し、基板台104に到達する。
希土類金属ターゲット111がエルビウムから構成されたものであれば、エルビウムが添加されたSiON膜が形成される。
なお、ECRイオン源101から引き出されただけの酸素イオン及び窒素イオンによるスパッタ効果は小さいため、希土類金属ターゲット111に高周波電力が印加されていない場合には、ほとんどスパッタ現象は生じない。また、上述したSiON膜の形成は、基板台104が備える加熱機構により基板105を加熱した状態で行うようにしてもよい。
図3は、有機金属化合物ガスの分解により希土類元素をSiON膜中に添加するようにした本実施の形態におけるSiON膜の形成装置の構成図である。図3に示す装置は、ECRイオン源301と、イオン引出口301aを介してECRイオン源301に連通する成膜室302とを備えている。成膜室302は、排気口313が図示しない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりECRイオン源301と共に内部が真空排気される。
まず、成膜室302及びECRイオン源301の内部を所定の圧力(真空度)にまで排気(真空排気)した後、プラズマガス導入部306より酸素ガス,窒素ガスを導入する。
以上のように各プラズマガスが供給された状態で、磁気コイル303よりECRイオン源301内に875Gの磁場を発生させ、また、マイクロ波発生器308より2.45GHzのマイクロ波を導入し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマが発生した状態とする。
なお、上述したSiON膜の形成は、基板台304が備える加熱機構により基板305を加熱した状態で行うようにしてもよい。
なお、紫外線の照射による基板上の酸窒化シリコン膜の加熱は、図3を用いて説明した実施の形態に適用しても、同様の効果が得られる。図4に示す紫外線照射部401を、図3に示すSiON膜の形成装置に組み合わせればよい。
Claims (6)
- 希土類金属から構成されたターゲットが内部に固定された成膜室の内部に膜形成対象の基板を載置する第1工程と、
前記成膜室とこれにプラズマ引出口を介して連通するプラズマ生成室の内部を真空排気する第2工程と、
前記プラズマ生成室において電子サイクロトロン共鳴法により生成したアルゴンガスと酸素ガスと窒素ガスとによるプラズマを発散磁場により前記プラズマ引出口より引き出し、シリコンソースガスを供給している基板の表面に引き出した前記プラズマを照射して前記基板の上に酸窒化シリコンを堆積すると共に、
前記ターゲットに電力を印加して前記プラズマ中のイオンを前記ターゲットに衝突させてスパッタ現象を起こすことで、前記ターゲットを構成する希土類元素を飛び出させて前記基板に到達させ、
前記基板の上に前記希土類元素が添加された酸窒化シリコン膜が形成された状態とする第3工程と
を備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成方法。 - 成膜室の内部に膜形成対象の基板を載置する第1工程と、
前記成膜室とこれにプラズマ引出口を介して連通するプラズマ生成室の内部を真空排気する第2工程と、
前記プラズマ生成室において電子サイクロトロン共鳴法により生成した酸素ガスと窒素ガスとによるプラズマを発散磁場により前記プラズマ引出口より引き出し、シリコンソースガスと希土類金属ソースガスとを供給している基板の表面に引き出した前記プラズマを照射し、
前記基板の上に酸窒化シリコンを堆積すると共に前記希土類金属ソースガスを分解して希土類元素を生成させ、
前記基板の上に前記希土類元素が添加された酸窒化シリコン膜が形成された状態とする第3工程と
を備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成方法。 - 請求項1又は2記載の酸窒化シリコン膜の形成方法において、
前記基板に紫外線を照射した状態で前記酸窒化シリコンを堆積する
ことを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成方法。 - 希土類金属から構成されたターゲットが内部に固定された成膜室と、
前記成膜室の内部に膜形成対象の基板を載置するための基板台と、
前記成膜室にプラズマ引出口を介して連通するプラズマ生成室と、
前記成膜室及び前記プラズマ生成室の内部を真空排気する排気手段と、
前記プラズマ生成室の内部にアルゴンガスと酸素ガスと窒素ガスとを供給するプラズマガス供給手段と、
前記プラズマ生成室の内部に電子サイクロトロン共鳴法によりアルゴンガスと酸素ガスと窒素ガスからなるプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
前記プラズマを前記プラズマ引出口より前記成膜室に引き出す磁場発生手段と、
前記基板台に固定された前記基板の表面にシリコンソースガスを供給するソースガス供給手段と、
前記成膜室に引き出された前記プラズマ中のイオンを前記ターゲットに衝突させるための電力を前記ターゲットに供給する電力供給手段と
を少なくとも備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成装置。 - 成膜室及びこの成膜室の内部に膜形成対象の基板を載置するための基板台と、
前記成膜室にプラズマ引出口を介して連通するプラズマ生成室と、
前記成膜室及び前記プラズマ生成室の内部を真空排気する排気手段と、
前記プラズマ生成室の内部に酸素ガスと窒素ガスとを供給するプラズマガス供給手段と、
前記プラズマ生成室の内部に電子サイクロトロン共鳴法により酸素ガスと窒素ガスからなるプラズマを生成するプラズマ生成手段と、
前記プラズマを前記プラズマ引出口より前記成膜室に引き出す磁場発生手段と、
前記基板台に固定された前記基板の表面にシリコンソースガスを供給する第1ソースガス供給手段と、
前記基板台に固定された前記基板の表面に希土類元素ソースガスを供給する第2ソースガス供給手段と
を少なくとも備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成装置。 - 請求項4又は5記載の酸窒化シリコン膜の形成装置において、
前記基板台に固定された前記基板に紫外線を照射する紫外線照射手段を備えることを特徴とする酸窒化シリコン膜の形成装置。
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