JP4265174B2 - 液状封止材料及び半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置(デバイス)の製造に用いられる液状封止材料及びこれを用いて製造される半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線板等の基板(ドウターボード)などのチップキャリアにICやLSIなどの半導体チップをフリップチップ実装(フェイスダウン実装)などで表面実装した場合、チップキャリアと半導体チップの隙間はアンダーフィル材で封止することが行なわれている。従来、このアンダーフィル材は上記の隙間の全体に液状樹脂を充填して硬化させることにより形成されるものであって、チップキャリアと半導体チップとの機械的な接続強度を向上させると共に大気中の水分から半導体チップの回路等を保護するためなどの目的で設けられるものである。
【0003】
ところで、バンプによる接続だけでチップキャリアと半導体チップの機械的な接続強度を実用上十分に確保することができる半導体装置、例えば、動作寿命が短期間でよい半導体装置や商品サイクルが短い半導体装置などでは、アンダーフィル材によるバンプ接続部の補強を必要としないものである。また、このデバイス(半導体装置)自身が圧電素子のような振動をするようなデバイス(SAWなど)である場合、半導体チップの裏面に封止樹脂がかかるだけで、機能が発現することができず、デバイス信頼性の劣化が発生してしまうものである。従って、このような半導体装置ではアンダーフィル材を使用せず、簡易的にチップキャリアと半導体チップの隙間を閉塞し、隙間に大気が浸入するのを防止して大気中の水分から半導体チップの回路等を保護するようにしていた。
【0004】
このように簡易的に上記の隙間を閉塞する方法としては、例えば、図2(a)(b)に示すように、有機合成樹脂等で形成されるフィルム10を半導体チップ2の全周に沿って貼着する方法がある。この方法ではフィルム10の上端を半導体チップ2の周面に全周に亘って密着すると共にフィルム10の下端をチップキャリア(基板)1の表面に密着することによって、チップキャリア1と半導体チップ2の隙間5を閉塞するものである。また、図3(a)(b)の例は有機合成樹脂等で形成される枠体11を半導体チップ2の全周に沿って設ける方法であって、枠体11の下面をチップキャリア1の表面(上面)に密着すると共に枠体11の内面をチップキャリア2の周面に全周に亘って密着することによって、チップキャリア1と半導体チップ2の隙間5を閉塞するものである。そして、上記方法ではフィルム10や枠体11で隙間5に大気が浸入するのを低減することができ、隙間5に存在する半導体チップ2の回路6やバンプ4に腐食等の化学的な劣化が起こりにくくすることができるのであり、しかも、高価なアンダーフィル材を用いないので、低コスト化を図ることができるものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図2や図3に示す方法では予めフィルム10や枠体11を有機合成樹脂等から成形しなければならず、アンダーフィル材(液状樹脂)を用いる場合に比べてフィルム10や枠体11を製造するための工程が増加し、生産性が低くなるという問題があった。また、従来のアンダーフィル材用の液状樹脂は、上記の隙間5の全体に注入して充填することを目的として製造されているために、隙間5の開口部(隙間5の端部)5aのみに充填することが難しく、隙間5の全体に充填されてしまうものであり、このために、液状樹脂の使用量が増えて低コスト化を図ることができないものであり、また、圧電素子のような振動をするようなデバイスである場合にはデバイス信頼性の劣化があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フィルムや枠体を用いる場合に比べ生産性を高くすることができ、低コスト化を図ることができる液状封止材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は上記の液状封止材料を用いた低コストの半導体装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る液状封止材料は、半導体チップ2が実装されるチップキャリア1と半導体チップ2との間に形成される隙間5の開口部5aのみに充填して封止するための液状封止材料であって、液状エポキシ樹脂、硬化剤としてカチオン系重合開始剤、充填材を含み、かつ比重1.5以下でチキソトロピー指数2.0以上にして成ることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る液状封止材料は、請求項1に加えて、150℃でのゲルタイムが10秒以下で120℃でのゲルタイムが30秒以下であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る液状封止材料は、請求項1又は2に加えて、25℃における粘度が10〜1000Pa・sであることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る液状封止材料は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、液状エポキシ樹脂として水添型ビスフェノールエポキシ樹脂を用いて成ることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項5に係る半導体装置は、半導体チップ2が実装されるチップキャリア1と半導体チップ2との間に形成される隙間5の開口部5aのみに請求項1乃至4のいずれかに記載の液状封止材料を充填して封止して成ることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
本発明では液状樹脂として、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂であって、常温(25℃)で液状のものを用いることができる。これらの中でも、特に、液状エポキシ樹脂が好ましく、具体的には、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、臭素含有エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂などを例示することができる。ただし、後述の硬化剤との相性、及び粘度制約より、低粘度ではあるが硬化反応性が遅いとされる水添型ビスフェノールタイプのエポキシ樹脂を用いるのがより好ましい。また、液状樹脂として上記のようなエポキシ樹脂を用いる場合、その硬化剤としてはアリル基を有するフェノールなどのフェノール類、エチレントリアミンなどのアミン類、無水フタール酸等の酸無水物、カチオン系重合開始剤などを一種又は二種以上を併せて用いることができるが、これに限定されるものではない。ただし、前述の液状樹脂との相性、及び粘度制約より、カチオン系重合開始剤を用いるのがより好ましい。
【0014】
本発明では充填材として、比重が1.0以下の低比重充填材と比重が1.0より大きい高比重充填材とを併用して用いるものである。低比重充填材としては、粒径5〜100μmの中空シリカ(シリカバルーン)や中空ガラス(ガラスバルーン)などを例示することができる。本発明では一種の低比重充填材を単独で用いたり二種以上の低比重充填材を併用したりすることができる。尚、本発明で使用する低比重充填材としては現在比重0.1以上のものが入手可能であるので、低比重充填材の比重の下限は実質的にこの値となる。また、高比重充填材としては結晶シリカ、溶融シリカ、合成シリカ、アルミナ、窒化珪素等の無機充填材を一種又は二種以上併せて用いることができる。尚、本発明で使用する高比重充填材としては現在比重10以下のものが入手可能であるので、高比重充填材の比重の上限は実質的にこの値となる。
【0015】
低比重充填材の配合量は充填材の全量に対して5〜50質量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜40質量%にする。低比重充填材の配合量が充填材の全量に対して5質量%より少ないと、本発明の液状封止材料の比重を1.5以下にするのが難しくなり、低比重充填材の配合量が充填材の全量に対して50質量%より多いと、本発明の液状封止材料の硬化物により熱等で発生する応力を緩和することが難しくなり、半導体装置に反りが発生する恐れがある。
【0016】
本発明では、上記の液状樹脂等の特性に応じてカップリング剤、顔料、染料、消泡剤、改質剤などを適量配合することができる。
【0017】
そして、本発明の液状封止材料は上記の液状樹脂、硬化剤、充填材及びその他の成分をミキサー等によって均一に混合した後、ロール等によって混練することによって、液状樹脂組成物として調製するものである。各成分の配合順は特に限定はない。
【0018】
本発明の液状封止材料では上記の液状樹脂、硬化剤、充填材の種類や配合量等を調整することによって、比重1.2〜1.5でチキソトロピー指数(チクソ指数)2.0〜5.0好ましくは3.0〜5.0にするものである。特に、液状封止材料の比重は充填材の配合量、中でも低比重充填材の配合量を調整することによりを容易に調整することができる。上記の比重が1.5より大きかったりチキソトロピー指数が2.0より小さかったりすると、液状封止材料がチップキャリア1と半導体チップ2との間に形成される隙間5の深部(中央部)にまで浸入してしまい、液状封止材料の使用量が多くなって低コスト化を図ることができないものであり、また、圧電素子のような振動をするようなデバイスである場合にはデバイスとしての信頼性が確保できない。また、液状封止材料の比重が1.2より小さいと汎用、高比重の充填材を添加することができず、IC等の半導体チップ2や基板等のチップキャリア1との線膨張係数の違いによる応力を緩和することができず、液状封止材料のチキソトロピー指数が6.0より大きくなると、液状封止材料の硬化物3にボイドが発生し、隙間5の密閉性が低下する恐れがある。尚、チキソトロピー指数の調整はアエロジル等の増粘剤の添加量の大小によって、より容易に行うことができ、増粘剤を配合する場合は液状封止材料の全量に対して3質量%以下の配合量にするのが好ましい。
【0019】
また、本発明の液状封止材料は上記の液状樹脂、硬化剤、充填材の種類や配合量等を調整することによって、150℃でのゲルタイムが10秒以下で120℃でのゲルタイムが30秒以下にするのが好ましく、また、100℃でのゲルタイムが120秒以下にするのがさらに好ましい。このゲルタイムは、特に、硬化剤の種類や配合量を調整することにより容易に調整することができる。150℃でのゲルタイムが10秒より長かったり120℃でのゲルタイムが30秒より長かったりすると、液状封止材料が流れにくくなるまでに時間がかかってチップキャリア1と半導体チップ2との間に形成される隙間5の深部(中央部)にまで浸入しやすくなって、液状封止材料の使用量が多くなって低コスト化を図ることができない恐れがあり、また、圧電素子のような振動をするようなデバイスである場合にはデバイスとしての信頼性が確保できない恐れがある。また、液状封止材料のゲルタイムは短すぎると、塗布等ができなくなって取り扱い性が低下したりこの液状封止材料の硬化物の外観劣化などが生じたりするので、150℃でのゲルタイムは2秒以上で120℃でのゲルタイムは5秒以上にするのが好ましい。
【0020】
また、本発明の液状封止材料は上記の液状樹脂、硬化剤、充填材の種類や配合量等を調整することによって、25℃における粘度を10〜1000Pa・sに、より好ましくは10〜30Pa・sにするのが好ましい。25℃における粘度が1000Pa・sより大きいと、液状封止材料の硬化物3の表面の凹凸が顕在化して半導体装置の外観が低下する恐れがある。また、液状封止材料は隙間5の深部にまで浸入させにくくするために、25℃における粘度を10Pa・s以上にするのが好ましい。
【0021】
本発明の液状封止材料は比重、チキソトロピー指数、ゲルタイム、粘度が上記の範囲となるように各成分の配合量を設定すればよいが、例えば、液状樹脂の1当量に対して硬化剤(当量が存在するタイプ)が0.8〜1.2当量になるように、液状樹脂と硬化剤の配合量を設定するのが好ましく、また、充填材は液状封止材料の全量に対して40〜93質量%であることが好ましい。
【0022】
本発明の半導体装置は上記のような液状封止材料の硬化物3で半導体チップ2が実装されるチップキャリア1と半導体チップ2との間に形成される隙間5を封止して閉塞することによって形成されるものである。すなわち、プリント配線板等の基板で形成されるチップキャリア1の表面にフリップチップ実装などで表面実装した後、半導体チップ2の周囲に沿って上記の液状封止材料を塗布や印刷などすることによって、チップキャリア1と半導体チップ2の隙間5の開口部(隙間5の端部)5aに液状封止材料を充填し、この後、60〜220℃で加熱等することにより充填した液状封止材料を硬化させて硬化物3を形成する。このようにして隙間5の開口部5aが全周に亘って硬化物3で封止されて閉塞された半導体装置を形成することができる。
【0023】
そして、本発明の半導体装置は低コスト化のために隙間5の開口部5aのみに液状封止材料を充填して硬化物3を形成し、隙間5の深部にまで液状封止材料を充填しないようにするものである。従って、液状封止材料は半導体チップ2の周面から隙間5の中心に向かって20μm以下の範囲で充填して硬化させるのが好ましい。また、本発明の液状封止材料は上記のように比重1.5以下でチキソトロピー指数2.0以上にするので、上記の範囲を超えて隙間5の深部にまで浸入しないものである。従って、従来例のように予めフィルム10や枠体11を有機合成樹脂等から成形する必要がなくてフィルム10や枠体11を製造するための工程が増加しないものであり、フィルム10や枠体11を用いる場合に比べて生産性を高くすることができるものであり、しかも、本発明の液状封止材料は従来のアンダーフィル材と同様の塗布や印刷等の手段で充填することができ、アンダーフィル材を用いる場合に比べて封止するのに手間が掛からず生産性が低くなることがないものである。また、封止材料の硬化物3により隙間5に大気が浸入するのを低減することができ、隙間5に存在する半導体チップ2の回路6やバンプ4に腐食等の化学的な劣化が起こりにくくすることができるものである。
【0024】
尚、上記の半導体装置ではチップキャリア1として基板を用いているが、これに限定されず、例えば、上面が開口する箱状のチップキャリア1を用いることもある。この場合、チップキャリア1の上面の開口に本発明の液状封止材料を充填して封止することができる。また、チップキャリア1や半導体チップ2に外部から操作可能な可動部、例えば、チップキャリア1や半導体チップ2の性能や動作を変えるために回転させることができるボリュームなどがあって、しかも、その可動部が上記の隙間5に露出している場合、従来のアンダーフィル材では隙間5が完全に封止されてしまうので、操作することが出来なくなってしまうが、本発明では隙間5が液状封止材料で封止されず、空間のままであるので、上記のような可動部がある半導体装置にも適用することができる。
【0025】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0026】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
表1に示す配合量(単位は質量部)で液状樹脂、硬化剤、充填材、顔料、カップリング剤、硬化促進剤、増粘剤を配合し、プラネタリーミキサー等のミキサーで均一に混合して液状封止材料を調製した。
【0027】
尚、上記の成分としては以下のものを用いた。
液状樹脂A:ジャパン・エポキシ・レジン(株)製の「エピコート828」
液状樹脂B:ジャパン・エポキシ・レジン(株)製の「YL6663」(水添型ビスフェノールエポキシ樹脂)
液状樹脂C:ジャパン・エポキシ・レジン(株)製の「YL6753」(水添型ビスフェノールエポキシ樹脂)
硬化剤A:ジャパン・エポキシ・レジン(株)製の「エピキュアYH−307」
硬化剤B:旭電化工業(株)製の「アデカオプトンCP−77」(カチオン系重合開始剤)
顔料:カーボンブラック
カップリング剤:信越化学工業(株)製の「KBM−403」
硬化促進剤:旭化成エポキシ(株)製の「ノバキュアHX−3613」
充填材A:(株)龍森製の「RD−8」、最大粒径30μmで比重2.2の結晶シリカ
充填材B:旭硝子(株)製の「CEL−STARZ36」、最大粒径100μmで比重0.4のガラスバルーン
充填材C:最大粒径100μmで比重0.8の中空シリカ90質量%と、最大粒径40μmで比重2.2の合成シリカ10質量%の混合物
増粘剤:日本アエロジル(株)製の「RY−200」
上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の液状封止材料について、比重、チキソトロピー指数、25℃における粘度、150℃におけるゲルタイム、120℃におけるゲルタイムをそれぞれ測定した。
【0028】
比重の測定方法は、十分に脱泡した液状封止材料を100ccメスシリンダーにて秤取し、その重量を測定した。
【0029】
チキソトロピー指数の測定方法は、B8H型の回転粘度計を用い、No.7ローターの5rpm/50rpmにより算出した。
【0030】
粘度の測定方法は、B8H型の回転粘度計を用い、No.7ローターの50rpmにより算出した。
【0031】
ゲルタイムの測定方法は、予め所定の温度に加温された熱板上でゲル化するまでの時間を測定した。
【0032】
次に、上記の実施例1〜4及び比較例1〜3の液状封止材料を用いて浸入性試験を行なった。まず、2mm×2mm×0.3mm厚の半導体チップ2(下面に金バンプ4及び回路6を有する)をセラミック基板であるチップキャリア1にフリップチップ実装し、この後、液状封止材料を半導体チップ2の全周囲に沿って塗布し、次に、温度120℃、時間120秒で液状封止材料を硬化させて半導体装置を形成した。
【0033】
そして、上記の半導体装置をペンチを用いてチップキャリア1から剥離し、液状封止材料が半導体チップ2の端面から浸入している長さを測定し、その長さが20μm以下であるものを合格とし、20μmを超えるものを不合格とした。このような試験を40個の半導体装置に対して行なった。結果を表1に示す。
【0034】
また、液状封止材料の硬化物3の表面を目視で確認し、凹凸が確認できないものに○を、凹凸が若干確認できるものに△を、凹凸が顕著に確認できるものに×をそれぞれ付した。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
表1から明らかなように、実施例1〜4の液状封止材料は比較例1〜3のものに比べて隙間5への浸入性が低いものであった。特に、比重、チキソトロピー指数、25℃における粘度、150℃におけるゲルタイム、120℃におけるゲルタイムの全てが好適な範囲となっている実施例3については、実施例1、2に比べても浸入性が非常に低いものとなり、また、硬化物3の表面の凹凸も少ないものであった。実施例4については粘度が高いために表面状態が低下した。
【0037】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、半導体チップが実装されるチップキャリアと半導体チップとの間に形成される隙間の開口部のみに充填して封止するための液状封止材料であって、液状エポキシ樹脂、硬化剤としてカチオン系重合開始剤、充填材を含み、かつ比重1.5以下でチキソトロピー指数2.0以上にするので、予めフィルムや枠体を形成する必要がなく、従来のアンダーフィル材とほぼ同様の操作で隙間を封止することができ、フィルムや枠体を用いる場合に比べて生産性を高くすることができると共にアンダーフィル材を用いる場合に比べて生産性が低くなることなく、しかも、従来のアンダーフィル材のように隙間の深部にまで浸入しないようにすることができ、使用量を抑えることができて低コスト化を図ることができるものである。また、本発明は、弾性表面波フィルター(SAWフィルター)や半導体チップに外部から操作可能な可動部で性能や動作を制御できるデバイスにおいて、空間を維持して封止できるためにこれらの性能を発揮させることができるものである。
【0038】
また本発明の請求項2の発明は、150℃でのゲルタイムが10秒以下で120℃でのゲルタイムが30秒以下であるので、隙間への浸入をより抑えることができ、低コスト化を確実に図ることができるものである。
【0039】
また、本発明の請求項3の発明は、25℃における粘度が10〜1000Pa・sであるので、硬化物の表面に凹凸を生じにくくすることができ、半導体装置の外観の低下を抑えることができるものである。
【0040】
また、本発明の請求項4の発明は、液状エポキシ樹脂として水添型ビスフェノールエポキシ樹脂を用いるので、ゲルタイムの調整や粘度の調整を容易に行うことができるものである。
【0041】
本発明の請求項5の発明は、半導体チップが実装されるチップキャリアと半導体チップとの間に形成される隙間の開口部のみに請求項1乃至4のいずれかに記載の液状封止材料を充填して封止するので、予めフィルムや枠体を形成する必要がなく、従来のアンダーフィル材とほぼ同様の操作で隙間を封止することができ、アンダーフィル材を用いる場合に比べて生産性が低くなることなく、しかも、従来のアンダーフィル材のように隙間の深部にまで浸入しないようにすることができ、使用量を抑えることができて低コスト化を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図2】従来例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図3】他の従来例を示し、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 チップキャリア
2 半導体チップ
5 隙間
5a 開口部
Claims (5)
- 半導体チップが実装されるチップキャリアと半導体チップとの間に形成される隙間の開口部のみに充填して封止するための液状封止材料であって、液状エポキシ樹脂、硬化剤としてカチオン系重合開始剤、充填材を含み、かつ比重1.5以下でチキソトロピー指数2.0以上にして成ることを特徴とする液状封止材料。
- 150℃でのゲルタイムが10秒以下で120℃でのゲルタイムが30秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状封止材料。
- 25℃における粘度が10〜1000Pa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状封止材料。
- 液状エポキシ樹脂として水添型ビスフェノールエポキシ樹脂を用いて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の液状封止材料。
- 半導体チップが実装されるチップキャリアと半導体チップとの間に形成される隙間の開口部のみに請求項1乃至4のいずれかに記載の液状封止材料を充填して封止して成ることを特徴とする半導体装置。
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