JP2001302767A - 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物、半導体装置およびその製造方法

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JP2001302767A
JP2001302767A JP2000124646A JP2000124646A JP2001302767A JP 2001302767 A JP2001302767 A JP 2001302767A JP 2000124646 A JP2000124646 A JP 2000124646A JP 2000124646 A JP2000124646 A JP 2000124646A JP 2001302767 A JP2001302767 A JP 2001302767A
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semiconductor
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Hirohisa Hino
裕久 日野
Taro Fukui
太郎 福井
Naoki Kanekawa
直樹 金川
Kenji Kitamura
賢次 北村
Shinji Hashimoto
眞治 橋本
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で液状で低粘度で取扱性に優れ、ポット
ライフが長いという従来の液状封止材の利点を失うこと
なく、しかも、半導体の耐湿および耐熱信頼性に優れた
硬化物を得ることができる半導体封止用の液状エポキシ
樹脂組成物を提供する。また、このような液状エポキシ
樹脂組成物を用いた半導体装置とその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物
は、(A)シアン酸エステル、(B)エポキシ樹脂、
(C)無機充填材、(D)金属キレートおよび/または
金属塩、および(E)ジヒドラジド化合物を含み、
(A)成分および(B)成分の少なくとも一方が室温で
液体であり、各成分の配合割合が重量比で、 (C)成分/組成物全量=0.60〜0.95 (A)成分/(B)成分=0.50〜1.82 (E)成分/(組成物全量−(C)成分)=0.01〜
0.15 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子等の封
止に使用される液状エポキシ樹脂組成物、これを用いて
封止されてなる半導体装置およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来エポキシ樹脂組成物は、優れた電気
的性能と接着力を有するため、電気・電子分野の種々の
用途に使用されている。特に半導体素子の封止には高い
封止信頼性が確保できるため、一般的に封止材料として
粉粒状の成形材料をトランスファー成形する方法や液状
のポッティング材料をディスペンス塗布する方法が広く
使われている。近年の電子機器のモバイル化、高機能化
に伴い、半導体パッケージの高集積化、高密度化、薄型
化、軽量化が必要になってきており、これらの要求に対
応して、エリアアレイ接続で高密度化を達成したBGA
(ボール・グリッド・アレイ)、CSP(チップ・スケ
ール・パッケージ)、MCM(マルチ・チップ・モジュ
ール)などの新しい半導体パッケージ形態が登場してき
ている。
【0003】これらの新しい半導体パッケージの封止に
は、従来の粉粒状の封止材を用いた金型成形方式では薄
型化に限界があると共に、多ワイヤー数に起因するワイ
ヤースイープなどの問題があるため、液状の封止材が使
用され始めている。トランスファー成形方法は、封止材
をタブレットと呼ばれる圧縮した円柱状の形状にしてお
く必要があり、これを一度、金型内で溶解し液状化させ
てから封止する2段工程となっていたが、液状材ではそ
のまま封止ことかできる。このような利点を有する液状
封止方式であるが、使用される液状封止材は封止作業性
や信頼性の点で、金型成形される粉粒状封止材に比べて
劣っているという欠点があった。それは、粉粒状封止材
では硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いるため、耐
湿信頼性試験をした場合に加水分解しにくい、素子との
接着力が高いという特徴に起因するものである。トラン
スファー成形方式に用いる封止材料は、常温では固型
(粉粒状)であり、フィラーの高充填化や樹脂の高Tg
化が可能であるため、優れた半田耐熱性や耐ヒートショ
ック性が発揮できる。
【0004】それに対して、従来の液状封止材は、常温
では液状であること、さらには一液性でロングポットラ
イフであること、という制約があるために、用いられる
硬化剤および硬化促進剤の選定が限られており、一般的
にはアミン系や酸無水物が用いられている。しかし、ア
ミン系の硬化剤のうち、液状の芳香族アミン類はエポキ
シとの反応性が高すぎてポットライフが短く、Dicy
(ジシアンジアミド)に代表される固形アミン類は、ポ
ットライフは長いが、反応開始温度が高すぎるという欠
点を有する。また、吸湿率が高く電気特性にも劣ってい
る。一方、酸無水物硬化剤は、硬化物の架橋構造中のエ
ステル構造が加水分解し易いため、耐湿信頼性に劣ると
共に、化学的な接着力も低いため耐熱信頼性も低い傾向
にあった。また、金型成形される粉粒状封止材において
用いられているフェノール系の硬化剤は常温で固体であ
り、液状エポキシと併用すると非常に高粘度となるた
め、フィラーを配合した液状封止材用途に用いることは
難しい。溶剤を添加して低粘度化を図ることもできる
が、溶剤に起因して硬化物中にボイドが発生しやすく、
外観不良や信頼性劣化が生じ、金型成形される粉粒状封
止材並みの特性を発揮することは難しい。さらに、これ
らの硬化剤系はどれも室温でのロングポットライフと高
温での速硬化性が両立せず、金型成形のような大量生産
封止には不向きであった。
【0005】このような事情から、液状封止方式に対応
して、封止作業性が良好で、かつ金型成形される粉粒状
封止材と同等以上の封止信頼性および硬化性を持つ液状
封止材が強く望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
を踏まえてなされたものであり、常温で液状で低粘度で
取扱性に優れ、ポットライフが長いという従来の液状封
止材の利点を失うことなく、短時間で硬化し、しかも、
半導体の耐湿および耐熱信頼性に優れた硬化物を得るこ
とができる半導体封止用の液状エポキシ樹脂組成物を提
供することを課題とする。また、このような液状エポキ
シ樹脂組成物を用いて封止してなる半導体装置およびそ
の製造方法を提供することをも課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にかかる半導体封止用の液状エポキシ樹脂組
成物は、(A)シアン酸エステル、(B)エポキシ樹
脂、(C)無機充填材、(D)金属キレートおよび/ま
たは金属塩、および(E)ジヒドラジド化合物を含み、
(A)成分および(B)成分のうちの少なくとも一方が
室温で液体であり、各成分の配合割合が重量比で、 (C)成分/組成物全量=0.60〜0.95 (A)成分/(B)成分=0.50〜1.82 (E)成分/(組成物全量−(C)成分)=0.01〜
0.15 であることを特徴とする。
【0008】本発明にかかる半導体装置は、半導体素子
が上記液状エポキシ樹脂組成物により封止されてなるも
のである。本発明にかかる半導体装置の製造方法は、上
記半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物を金型を用いて
射出成形することにより半導体素子を封止する方法であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物は、
シアン酸エステルとエポキシ樹脂をベースとするもので
あり、(A)シアン酸エステル、(B)エポキシ樹脂、
(C)無機充填材、(D)金属キレートおよび/または
金属塩、および(E)ジヒドラジド化合物を含むもので
ある。本発明では、樹脂組成物を液状とするために
(A)成分と(B)成分を混合した場合に、室温で液状
であることが必要である。そのため、(A)成分および
(B)成分の少なくとも一方が室温で液体であることが
必要である。
【0010】(A)成分のシアン酸エステルは、シアネ
ート基(−OCN基)を有する化合物である。(A)成
分のシアン酸エステルとしては、具体的には、室温下で
液状である4,4′−エチリデンビスフェニレンシアネ
ート(A1)や、結晶性で室温では固体の2,2−ビス
(4−シアナトフェニル)プロパン、ビス(4−シアナ
ト−3,5−ジメチルフェニル)メタン、ビス(4−シ
アナト−フェニル)チオエーテル、などのシアン酸エス
テルポリマー及びこれらのモノマーを予備反応させてプ
レポリマー化させた重合物が例示できる。これらの中か
ら(B)成分のエポキシ樹脂と混合した場合に、室温で
液状となるようなものを使用することができる。
【0011】本発明では、特に(A)成分として4,
4′−エチリデンビスフェニレンシアネート(A1)を
含むことが好ましい。4,4′−エチリデンビスフェニ
レンシアネート(A1)は、下記化学式で示されるよう
に、
【0012】
【化1】
【0013】ビスフェノールE骨格の両端にシアネート
基を有する構造であり、室温で100cps(センチポ
イズ)前後の液体である。他のシアン酸エステル(例え
ば、上記したビスフェノールA骨格の2,2−ビス(4
−シアナトフェニル)プロパンや、ジメチルフェニル骨
格のビス(4−シアナト−3,5−ジメチルフェニル)
メタンなど)は、非常に結晶性に富んでおり、単体では
室温で固体である。これらの結晶性のシアン酸エステル
は、液状エポキシ樹脂に加熱溶解して液状化しても冷却
後に結晶が析出して固化しやすいという欠点がある。し
かしながら、ビスフェノールE骨格の4,4′−エチリ
デンビスフェニレンシアネート(A1)と併用すること
で、固化を防止できることを見出したものである。な
お、これらのシアネート樹脂中に含まれるイオン性不純
物(たとえば、アンモニウム、臭素、塩素、硫酸、硝酸
等のイオン)は、半導体封止物の電気特性の劣化の原因
となるため、少ないものが好ましい。
【0014】本発明において、4,4′−エチリデンビ
スフェニレンシアネート(A1)の配合割合は、重量比
で、(A1)/(A)成分=0.1〜1であることが好
ましく、0.5〜1であることがより好ましく、0.7
〜1であることがさらに好ましい。前記配合割合が0.
1より少ない場合は、結晶性のシアン酸エステルの固化
を防止することが困難となる。(B)成分のエポキシ樹
脂は、分子内に2個以上のグリシジル基を有する化合物
である。(B)成分のエポキシ樹脂としては、室温で液
状のものを使用することが好ましく、単一で用いても良
いし、液状と液状、または液状と固形のエポキシ樹脂の
混合物であってもよい。具体的には、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ
樹脂、複素環型エポキシ樹脂などが例示できるが、これ
らに限定されるものではない。これらのエポキシ樹脂の
中でも特に、分子蒸留によって得られる、下式における
nが0〜1のビスフェノールAおよびビスフェノールF
型エポキシ樹脂が、低粘度でかつイオン性不純物が非常
に少なく、好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】(A)成分と(B)成分の配合割合として
は、硬化物の物性および封止信頼性の点から、重量比
で、(A)成分/(B)成分=0.50〜1.82であ
り、0.76〜1.43であることが好ましく、0.9
1〜1.25であることがより好ましい。シアン酸エス
テルは、金属触媒の存在下で単独で3量化反応を起こ
し、トリアジン環を形成することが知られている。しか
し、この反応は180℃以上の高温での反応が主体であ
る。また、シアン酸エステルとエポキシ樹脂の複合樹脂
系ではシアネート基とエポキシ基の反応も起こるため、
複数の反応が競争反応として起こるものと推察される。
(A)成分/(B)成分が1.82より大きいとエポキ
シ樹脂が不足して160℃以下での硬化の場合には反応
しきれなかったシアネート基が残存してしまう。未反応
のシアネート基は、PCT(プレッシャークッカーテス
ト)等の耐湿信頼性試験の際、加水分解してカルバメー
ト基となり、さらには脱炭酸反応を起こしてしまい、耐
湿信頼性不良を引き起こしてしまう。逆に(A)成分/
(B)成分が0.50より小さいとエポキシ樹脂過剰と
なるために未反応のエポキシ基が残存する。残留した未
反応エポキシ基は硬化物の架橋密度を低下させ、ガラス
転移温度の低下や吸湿率の上昇を引き起こす。そのた
め、硬化物の熱膨張率が大きくなり、ヒートサイクルや
リフロー信頼性の悪化を引き起こす要因となる。
【0017】(C)成分の無機充填材としては、結晶シ
リカ、溶融シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、酸化亜
鉛などを用いることができる。特に溶融シリカは、半導
体チップ表面のパッシベーション膜への傷つけ防止のた
めに、角がないもの、又は球状のものが望ましく、ま
た、その大きさは最大粒径が100μm以下であること
が望ましいが、これに限定されるものではない。(C)
成分の配合割合は、重量比で、(C)成分/組成物全量
=0.60〜0.95であることが好ましく、0.70
〜0.90であることがより好ましく、0.75〜0.
85であることがさらに好ましい。(C)成分の配合割
合が0.60より少ない場合は、樹脂成分の比率が高く
なるために半導体封止時の樹脂組成物の収縮量が大きく
なり、また熱膨張率も大きくなるために基板の反り量が
大きくなったり、熱ストレスをかけた際のチップクラッ
ク等の不良が発生し易くなる。また、吸湿率も大きくな
るため、リフロー時のクラックの原因ともなる。(C)
成分の配合割合が0.95より多い場合は、液体成分が
不足して粘度が高くなり、液体としての取り扱いが難し
く封止が行えない。
【0018】(D)成分の金属キレートおよび/または
金属塩は、(A)成分のシアン酸エステルの硬化触媒で
ある。金属キレートとしては、具体的には、1〜6また
はそれ以上のキレート環を有する非イオン型またはイオ
ン型の金属キレートを挙げることができ、金属として、
鉄、コバルト、亜鉛、スズ、アルミニウム、マンガンな
どが例示できる。金属キレートの配位子としては、アセ
チルアセトナート、サリチルアルデヒド、ベンゾイルア
セトンなどが例示できる。また、金属塩としては、ナフ
テン酸塩、オクテン酸塩等を例示できる。本発明では、
(D)成分として、鉄(III )のキレートおよび/また
はコバルト(III )のキレート(D1)を用いること
で、以下のような効果を得ることができる。
【0019】シアン酸エステルは単独では金属キレート
を核として約180℃以上の高温で3量化反応を起こし
トリアジン骨格を形成することが知られており、各種の
金属キレートがシアン酸エステルの単独硬化の触媒とな
ることは公知である。硬化触媒のシアネート基の吸引が
金属の種類によって異なるため、この3量化反応の速さ
は用いる金属キレートにより異なっており、一般的に
は、亜鉛、スズ、銅、マンガン、チタニウム、アルミニ
ウム等の金属キレートが知られている。しかしながら、
本発明のように樹脂成分としてシアン酸エステルの他に
エポキシ樹脂やヒドラジト基を含む樹脂をも含む場合に
は、反応機構は非常に複雑となる。シアネート基の3量
化反応と並行してシアネート基とエポキシ基とが反応し
てオキサゾリン骨格を形成する反応も起こるためであ
る。
【0020】後述するようにエポキシ樹脂組成物に低弾
性化成分としてゲル状シリコーン樹脂が含まれる場合、
このゲル状シリコーン樹脂を含む樹脂系はチクソトロピ
ーな粘性を示す傾向にある。チクソトロピーな液状物は
表面張力が大きいため凸な形状になりやすく、そのた
め、半導体パッケージの封止用途のうちキャビティダウ
ンタイプのBGA等のように、封止樹脂の形状がフラッ
トな形状になる必要のあるパッケージ用の封止材として
は不利である。しかしながら、このとき金属キレートと
して鉄(III )キレート(D1)を用いることでチクソ
トロピーが非常に小さくなり、高流動性を示すようにな
る。金属キレートの配位子としては、特に限定されず、
アセチルアセトナート、サリチルアルデヒド、ベンゾイ
ルアセトンなどが例示できる。硬化触媒の使用量はシア
ン酸エステルの量に依存するため、重量比で、(D1)
/(A)成分=0.0001〜0.01であることが好
ましく、0.0005〜0.005であることがより好
ましく、0.001〜0.003であることがさらに好
ましい。硬化触媒の使用量が上記範囲にあることで、良
好な硬化性とロングポットライフを示す。
【0021】一方、COB(チップオンボード)パッケ
ージのように、チップの周辺にダム等がない場合には、
狭い面積を効率良く封止するために、逆に封止樹脂が高
チクソトロピー性で極力流動しないことが求められる。
流動してしまうとチップやワイヤーが露出して不良の原
因となるためである。この場合、金属キレートとしてコ
バルト(III )のキレート(D2)を用いることで、高
チクソトロピー性が実現できる。金属キレートの配位子
としては、特に限定されず、アセチルアセトナート、サ
リチルアルデヒド、ベンゾイルアセトンなどが例示でき
る。硬化触媒の使用量はシアン酸エステルの量に依存す
るため、重量比で、(D2)/(A)成分=0.000
1〜0.01であることが好ましく、0.0005〜
0.005であることがより好ましく、0.001〜
0.003であることがさらに好ましい。硬化触媒の使
用量が上記範囲にあることで、良好な硬化性とロングポ
ットライフを示す。
【0022】(E)成分のジヒドラジド化合物は、分子
内にヒドラジド基(−NHNH2 )を2個有する構造を
持つ化合物であり、末端のNH2 基の活性水素がエポキ
シ基、シアネート基などと反応活性を有する。具体的に
は、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、
バリンジヒドラジド、2,4−ジヒドラジノ−6−メチ
ルアミノ−sym−トリアジンなどが例示できるが、こ
れらに限定されるものではない。(E)成分の配合割合
としては、(E)成分/(組成物全量−(C)成分)=
0.01〜0.15であり、0.02〜0.1であるこ
とが好ましく、0.02〜0.07であることがより好
ましい。(E)成分の配合割合が0.01よりも少ない
と上記効果が得られにくい。(E)成分の配合割合が
0.15よりも多いと、反応性が高すぎて、ポットライ
フが短くなる。
【0023】(E)成分のジヒドラジド化合物は、エポ
キシ基との反応において、室温では固体であるため、反
応活性が低いが、約150℃以上の高温ではエポキシ樹
脂との反応性が高くなる潜在硬化性を有する。また、ジ
ヒドラジド化合物の活性水素は、シアン酸エステル樹脂
のシアネート基(−OCN)とも約140℃以上の高温
で高い反応性を示す。これらの(A)成分−(B)成
分、(B)成分−(E)成分および(A)成分−(E)
成分では潜在硬化性(ロングポットライフ)を示し、高
い接着性が期待される。(E)成分の一種である2,4
−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジ
ン(以下、この化合物を「2・4HT」ということがあ
る。)は、耐熱性のあるトリアジン骨格をベースにヒド
ラジド基が付いた構造をとっており、エポキシ樹脂との
反応では、優れた潜在硬化性と耐熱性を示すことが分か
っている(特公昭63−19526号公報参照)。そこ
で、(A)成分および(B)成分と、(E)成分として
の2・4HTとの3成分に、後述の(D)成分としての
硬化触媒を加えた樹脂組成物を加熱硬化すると熱分析で
120℃付近と150℃付近に反応に起因する発熱ピー
クが見られた。これは、正確な反応機構は不明ではある
が、昇温していくとまず、(A)成分のシアン酸エステ
ルと活性水素を有する(E)成分の2・4HTの反応が
起こり、これが起爆剤となって、次に、これらの(A)
成分と(E)成分との反応物と(B)成分との反応や、
未反応の(A)成分と(B)成分との反応や、(E)成
分と(B)成分との反応が競争的に起こるものと推察さ
れる。つまり、(A)成分と(B)成分との反応は、
(D)成分だけの存在では、本来高温の150℃付近で
反応するが、(E)成分の2・4HTを添加することに
より、比較的低温の120℃付近で反応が起こるように
なったものと考えられる。先の特公昭63−19526
号公報記載の配合物では、(E)成分の2・4HTは、
(B)成分のエポキシ樹脂に対して主硬化剤として作用
するため、その配合割合は10〜30PHRと多いのに
対して、本発明で用いる(E)成分は、(A)成分およ
び(B)成分の反応促進剤として作用している。このこ
とは、(E)成分の配合量が(E)成分/(組成物全量
−(C)成分)=0.01〜0.15を満たす微量の添
加であっても、(A)成分および(B)成分の硬化が1
20℃程度の低温でも生起し、反応促進することからも
実証される。つまり、少量の(E)成分の添加が起爆剤
となって、(A)成分、(B)成分および(E)成分の
3成分の反応を、120℃程度の低温で開始させている
という事実は、この配合が非常に効果的な配合バランス
であることを示す。
【0024】液状封止材の硬化は、パッケージ基板の耐
熱性の関係上、150℃以下での硬化が一般的であり、
この現象は非常に重要である。上記成分系で150℃で
のゲルタイムを測定すると、(A)成分、(B)成分お
よび(D)成分の3成分系では、10分位かかっていた
が、(E)成分として2・4HTを用いることによっ
て、2〜3分でゲル化するようになる。なお、(E)成
分は、室温下では活性の低い固体(粉体)であるため、
混合成分中では溶解せずに分散された状態であり、ほと
んど反応は生起しない。そのため、室温での粘度変化は
低く、長い可使期間を有する。(E)成分が前述のよう
に粉体である場合は、高温下で最適な反応性を発揮させ
るためには、微粒子に粉砕しておくことが重要である。
他の成分との反応性を向上させるために、比表面積の大
きい微粒子が好ましい。また、微細回路の半導体の封止
には、均一な硬化物が耐湿特性、電気特性のため好まし
く、そのためにも微粒子が望ましい。さらに、(E)成
分が微粒子であると、液体組成物中での(E)成分の沈
降防止も行えて、封止材の保存期間を長くすること(ロ
ングポットライフ)ができる。そのため、(E)成分の
平均粒径が100μm以下であると好ましい。更には、
半導体素子の微細回路化に対応して、均一な硬化物を得
るためには、(E)成分の平均粒径が30μm以下であ
るとさらに好ましく、5μm以下であると最も好まし
い。
【0025】なお、(E)成分は、その構造中に窒素原
子を有し、エポキシ樹脂と強固な架橋構造を形成するた
め、酸無水物等の硬化剤と比較して、密着性が強い。そ
のため、半導体封止材の耐湿性および耐熱信頼性を高め
る。本発明のエポキシ樹脂組成物では、(F)成分とし
てゲル状シリコーン樹脂をさらに含むことができる。封
止材は、プリント回路基板上にBGAやCSP等の半導
体チップを実装した上にオーバーコート封止して用いら
れるが、封止樹脂の弾性率が高いと基板の反りが大きく
なってしまい、実用化できなくなってしまう。そのた
め、低弾性化剤としてゲル状シリコーン樹脂を含むこと
が好ましい。
【0026】一般的な低弾性化剤として、ポリブタジエ
ン系ラバー、シリコーンパウダー、シリコーンオイル等
が知られている。しかしながら、これらは次のような欠
点を有する。ポリブタジエン系ラバーは二重結合の熱劣
化(酸化)に起因して、長期耐熱性が低い。シリコーン
系樹脂は熱的には安定しており優れているが、パウダー
タイプでは粒子の凝集および液体の上層への浮き上が
り、分離の問題がある。また、粘度が高くなって均一分
散できないために低弾性効果が少ない。シリコーンオイ
ルは、エポキシ樹脂との相溶性が悪い上に比重が小さい
ため封止材の上部に相分離しやすい。また、封止材とパ
ッケージ基板との界面にブリードアウトしやすく、その
成分が離型剤的に働くため接着力が低下し、界面剥離の
原因となり易い。
【0027】これに対して、本発明で(F)成分として
使用するゲル状シリコーン樹脂は、パウダーとオイルの
中間に位置するものである。ゲル状シリコーン樹脂の構
成成分の主剤であるシリコーンオイルと硬化剤のシリコ
ーンオイルを混合し、これをエポキシ樹脂を加温した中
に加え、ミキサー等で強いシェアをかけながら撹拌し、
ゲル成分を微細分散させることで海島構造を形成するこ
とができる。これにより、粒子の凝集や上層への浮き上
がり、相分離の問題を起こすことなく、効果的に低弾性
効果を発揮することができる。海島構造の島のサイズは
10μm以下が望ましく、そのためには、(F)成分の
配合割合は、重量比で、(F)成分/(組成物全量−
(C)成分)<0.3であることが好ましく、0.2未
満であることがより好ましい。(F)成分の配合割合が
0.3以上の場合、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くな
り取扱性が悪化する。
【0028】(F)成分のゲル状シリコーン樹脂として
は、下記式で表されるシリコーン重合体と、自硬化性シ
リコーンゴムあるいはゲルとからなることが好ましい。
【0029】
【化3】
【0030】上式において、Rはメチル基、エチル基等
のアルキル基あるいはフェニル基を表す。Xはポリオキ
シエチレン基、ポリオキシプロピレン基、あるいはこれ
らの共重合基等のポリオキシアルキレン基含有基を表
す。l,m,nは1以上の整数である。l/(l+m+
n)=0.05〜0.99が好ましく、m/(l+m+
n)=0.001〜0.5が好ましく、n/(l+m+
n)=0.001〜0.8が好ましい。このシリコーン
重合体はブロック共重合体であっても、ランダム共重合
体であってもよい。自硬化性シリコーンゴムあるいはゲ
ルとしては、SiH基が付加反応できるビニル基等を含
有していれば良く、付加反応タイプのものが好ましい。
1液系、多成分系は問わない。
【0031】このシリコーン重合体を含有させることに
よって自硬化性シリコーンゴムあるいはゲルの分散を助
け、微細な海島構造を形成させることができる上、一部
は自硬化性シリコーンゴムあるいはゲルとの反応も期待
される。本発明のエポキシ樹脂組成物では、(G)成分
としてエポキシシラン系カップリング剤をさらに含むこ
とができる。一般的には、エポキシ樹脂封止材のカップ
リング剤は、シリカ等の無機成分と反応する加水分解性
基(たとえば、メトキシ基)と、有機成分との反応性を
高める官能基(たとえば、エポキシ基、ビニル基)を有
している。特に、(A)成分のシアン酸エステルの存在
下では、このエポキシシラン系カップリング剤の添加に
よって、非常に強力な接着力を発揮することを見出し
た。これは、シアン酸エステルのシアネート基とエポキ
シ基とで、高い反応性を有するためと考えられる。
【0032】(G)成分の配合割合は、重量比で、
(G)成分/(組成物全量−(C)成分)=0.001
〜0.1であることが好ましく、0.005〜0.05
であることがより好ましく、0.01〜0.03である
ことがさらに好ましい。この配合割合が0.001未満
の場合、(G)成分の添加効果が得られにくい。0.1
を越える場合、硬化物の架橋密度が低下し、信頼性が悪
化する。本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じ
て、難燃剤、顔料、染料、離型剤、消泡剤、界面活性
剤、イオントラップ剤、希釈剤、Si系カップリング剤
等を添加することができる。
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前述した
各成分をミキサー、ブレンダー等によって均一に混合し
たのち、ロール、ニーダー等によって混練し、最終真空
脱泡することで製造することができる。成分の配合順序
は特に制限はない。このようにして得られた液状のエポ
キシ樹脂組成物は、ディスペンサーや印刷装置を用いた
液状封止により、半導体素子を封止することができ、こ
れにより本発明の半導体装置を得ることができる。液状
エポキシ樹脂封止材の成形は、常圧下でのディスペンサ
ーや印刷装置を用いての封止が一般的であるが、大量生
産で精密な封止形状を有する半導体パッケージの成形に
は、金型成形が一般的である。
【0034】上述のように、金型成形は、タブレット状
の固体封止材を金型内で溶かして液状化した後に成形す
るトランスファー成形が一般的であるが、元々、液状の
封止材で金型成形できれば、工程が簡素化できてコスト
ダウンに有効である。しかし、大量生産では、成形温度
で数分内で固化し、金型から取り出せるだけの硬化物強
度が発現する必要がある。本発明の組成物は、150℃
で数分で固化し、15分で十分な強度を持つようになる
ため、液状封止成形が可能である。なお、金型との密着
力が高いため、あらかじめ、金型内面にフッ素系または
シリコーン系の離型剤を塗布しておくと良い。
【0035】本発明では、たとえば、金型内に半導体を
配置し、閉型し、密閉した後、液状エポキシ樹脂封止材
をランナーから加圧注入し、150℃で15分間保持、
金型から封止成形品を取り外し、後硬化を150℃で3
時間することによって、半導体を樹脂封止した硬化物と
することができ、半導体装置の射出成形を容易に実現す
ることができる。
【0036】
【実施例】以下では、実施例によりさらに詳細に本発明
を説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。 (1)実施例、比較例で使用した化合物は以下のとおり
である。 [(A)成分:シアン酸エステル] 「L10」(旭チバ(株)製AroCy L−10)
4,4′−エチリデンビスフェニレンシアネート(ビス
フェノールE骨格を有し、室温で液体) 「B10」(旭チバ(株)製AroCy B−10)
2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(ビス
フェノールA骨格を有し、室温で固体) 「M30」(旭チバ(株)製AroCy M−30)
(ビスフェノールF類似骨格を有し、室温で固体) [(B)成分:エポキシ樹脂] 「YD8125」(東都化成(株)製)エポキシ当量
175,25℃における粘度40ポイズの分子蒸留タイ
プのビスフェノールA型エポキシ樹脂 「エピコート828」(油化シェル(株)製)ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂 [(C)成分:無機充填材]市販の球状溶融シリカを用
いた。
【0037】[(D)成分:金属キレートおよび/また
は金属塩] 鉄(III )アセチルアセトン (CH3 COC
HCOCH3 3 Fe コバルト(III )アセチルアセトン (CH3 COC
HCOCH3 3 Co ナフテン酸マンガン[(E)成分:ジヒドラジド化合
物] 「2・4HT」2,4−ジヒドラジノ−6−メチルア
ミノ−sym−トリアジン 「ADH」アジピン酸ジヒドラジド 「SDH」コハク酸ジヒドラジド 「VDH」バリンジヒドラジド [(F)成分:ゲル状シリコーン樹脂]XE5818
(東芝シリコーン(株)製RTVシリコーン樹脂)を用
いた。
【0038】これをエポキシ樹脂「YD8125」の中
へ所定量添加し、ディスパーにて80℃3時間加熱分散
し、作製した。 [(G)成分:エポキシシラン系カップリング剤] 「A187」(日本ユニカー(株)製) 下記化学式で示されるエポキシシラン系カップリング剤
【0039】
【化4】
【0040】[硬化助剤] 「2MA−OK」(四国化成社製) 「PN−23」(味の素(株)製) (2)エポキシ樹脂組成物の作製 表1〜4に示した配合割合(重量部)で、各原料を配合
し、ミキサーで均一に混合した後、真空脱泡して液状エ
ポキシ樹脂組成物を得た(実施例1〜30、比較例1〜
7)。 (3)性能評価 (2)で得られた各エポキシ樹脂組成物を用いて、各種
液体性状および硬化性、物性を測定した。また、回路基
板上に搭載、ワイヤーボンディングされたシリコンチッ
プをディスペンサーを用いて封止し、120℃で1時間
加熱後、150℃で3時間加熱して硬化させた。これを
用いて各種信頼性評価も行った。
【0041】各性能の評価方法は次のとおりである。 1) 粘度 得られた液状エポキシ樹脂組成物の25℃での粘度(初
期の粘度)をB型粘度計を用いて測定した。 2) チクソトロピー性 1)の粘度測定において、粘度計ローターの回転数の比が
1/10になる値での粘度を求めて、低速での粘度を高
速の粘度で割って算出した値を使用した。 3) ポットライフ 得られた液状エポキシ樹脂組成物を5℃で1ヶ月間保存
後の25℃での粘度をB型粘度計を用いて測定し、この
1ヶ月間保存後の粘度を上記の初期の粘度で割って算出
した値を使用した。
【0042】4) ゲルタイム 150℃に保った熱盤上に得られた液状エポキシ樹脂組
成物を0.5g塗下し、スパチュラで混ぜながら糸引き
がなくなるまでの時間を測定した。 5) 反り量 フラットなガラスエポキシ基板(厚み0.5mm)の3
5×35mmの周囲にシリコーンゴム製ダム(高さ1m
m)を形成し、内部に2.0gの液状エポキシ樹脂組成
物を塗布し、硬化する。硬化した基板の反り量を表面粗
さ計にて測定した。
【0043】6) 流動高さフラットなセラミック基板を
70℃の熱盤上に設置し、得られた液状エポキシ 樹脂組成物を0.65g塗布し、5分間放置後硬化す
る。この硬化物の高さを測定した。 7) PCT信頼性 ガラスエポキシ基板上に実装搭載した9mm×9mmの
シリコンチップ(3μm幅Alパターン回路)を、液状
エポキシ樹脂組成物を用いて封止、加熱硬化して得られ
たテストボードを121℃、2気圧、相対湿度100%
のPCT(プレッシャークッカーテスト)条件で処理
し、回路の不良発生までの時間を評価した。なお、n=
10で実施した。
【0044】8) TCT信頼性 7)と同様のテストボードを、気相で−55℃で30分、
室温で5分、125℃で30分の温度サイクルを1サイ
クルとして処理し、1000サイクル処理した。100
0サイクル処理終了時点での発生不良の率を求めた。な
お、n=10で実施した。 9) リフロー信頼性 7)と同様のテストボードを、30℃、相対湿度60%の
恒温槽中に192h放置し吸湿させる。その後、赤外線
リフロー炉(ピーク温度240℃、10秒)を2回処理
して、そのときの発生不良の率を求めた。なお、n=1
0で実施した。
【0045】10) 剪断密着力 長さ100mm、幅10mm、厚み1mmのアルミ板2
枚を塗布面積10×10mm2 となるように接合し、長
さ方向に引っ張った場合のピーク破断強度を求めた。 11) 金型成形 半導体封止金型を用いて、予め取り出しやすくするため
に内面にシリコーン系離型剤を塗布しておいた金型内に
エポキシ樹脂組成物を圧入し、150℃で15分間保持
して、硬化物を取り出した後、150℃で3時間、後硬
化した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【発明の効果】請求項1〜8の発明にかかるエポキシ樹
脂組成物は、常温で液状で低粘度で取扱性に優れ、ポッ
トライフが長いという従来の液状封止材の利点を有しな
がら、しかも、半導体の耐湿および耐熱信頼性に優れた
硬化物を得ることができる。請求項2の発明にかかるエ
ポキシ樹脂組成物によれば、室温で液状の4,4′−エ
チリデンビスフェニレンシアネートを特定割合で含むの
で、たとえ室温で固体のシアン酸エステルと併用したと
しても、樹脂組成物の固化を防止することができる。
【0051】請求項3,4の発明にかかるエポキシ樹脂
組成物によれば、ジヒドラジド化合物の平均粒径が10
0μm以下であるか、または、ジヒドラジド化合物とし
て2,4−ジヒドラジノ−6−メチルアミノ−sym−
トリアジンを含むので、ポットライフが長く、約150
℃の高温では短時間で硬化でき、硬化物の反り量が小さ
くすることができる。請求項5の発明にかかるエポキシ
樹脂組成物によれば、ゲル状シリコーン樹脂を特定割合
で含むので、粒子の凝集や上層への浮き上がり、相分離
の問題を起こすことなく、低弾性化を実現できる。
【0052】請求項6の発明にかかるエポキシ樹脂組成
物によれば、鉄(III )キレートを含むので、チクソト
ロピーが非常に小さくなり、高流動性を示す。そのた
め、BGA等のように封止樹脂の形状がフラットな形状
になる必要のある用途で有利である。請求項7の発明に
かかるエポキシ樹脂組成物によれば、コバルト(III )
キレートを含むので、高チクソトロピー性が実現でき
る。そのため、COBパッケージのように、チップの周
辺にダム等がない場合に有利である。請求項8の発明に
かかるエポキシ樹脂組成物によれば、エポキシシラン系
カップリング剤を含むので、流動性の向上と接着力向上
を実現することができる。
【0053】請求項9の発明にかかる半導体装置は、上
記本発明にかかるエポキシ樹脂組成物を使用して半導体
封止を液状封止方式で行うため、半導体パッケージの高
集積化、高密度化、薄型化、軽量化が可能で、しかも、
半導体の耐湿および耐熱信頼性に優れている。請求項1
0の発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記本発明
にかかるエポキシ樹脂組成物を使用して、金型を用いて
射出成形するため、従来のトランスファー成形と比較し
て、タブレット形成や成形時のタブレットの溶融工程が
不要となり、プロセスの省力化ができる。また、半導体
パッケージの高集積化、高密度化、薄型化、軽量化が可
能で、しかも、半導体の耐湿および耐熱信頼性に優れた
半導体装置を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 金川 直樹 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 北村 賢次 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 橋本 眞治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD03W CP03X DE107 DE147 DE237 DJ017 EG008 EQ026 ET006 EX069 FD017 FD146 FD158 FD209 GQ05 4J036 AD08 AD09 AF06 AF10 AF15 AG01 AG03 AG13 AJ08 DC32 DC35 GA11 GA15 JA07 4M109 AA01 CA21 EA02 EA20 EB02 EB04 EC01 EC05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)シアン酸エステル、(B)エポキシ
    樹脂、(C)無機充填材、(D)金属キレートおよび/
    または金属塩、および(E)ジヒドラジド化合物を含む
    エポキシ樹脂組成物において、 (A)成分および(B)成分のうちの少なくとも一方が
    室温で液体であり、各成分の配合割合が重量比で、 (C)成分/組成物全量=0.60〜0.95 (A)成分/(B)成分=0.50〜1.82 (E)成分/(組成物全量−(C)成分)=0.01〜
    0.15 であることを特徴とする、半導体封止用液状エポキシ樹
    脂組成物。
  2. 【請求項2】前記(A)成分として4,4′−エチリデ
    ンビスフェニレンシアネート(A1)を含み、その配合
    割合が重量比で(A1)/(A)成分=0.1〜1であ
    る、請求項1記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】前記(E)成分であるジヒドラジド化合物
    の平均粒径が100μm以下である、請求項1または2
    に記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記(E)成分として2,4−ジヒドラジ
    ノ−6−メチルアミノ−sym−トリアジンを含む、請
    求項1から3までのいずれか記載の半導体封止用液状エ
    ポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】(F)成分としてゲル状シリコーン樹脂を
    さらに含み、その配合割合が重量比で(F)成分/(組
    成物全量−(C)成分)<0.3である、請求項1から
    4までのいずれかに記載の半導体封止用液状エポキシ樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】前記(D)成分として鉄(III) キレート
    (D1)を含み、その配合割合が重量比で(D1)/
    (A)成分=0.0001〜0.01である、請求項5
    に記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記(D)成分としてコバルト(III) キ
    レート(D2)を含み、その配合割合が重量比で(D
    2)/(A)成分=0.0001〜0.01である、請
    求項5に記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(G)成分としてエポキシシラン系カップ
    リング剤をさらに含み、その配合割合が重量比で(G)
    成分/(組成物全量−(C)成分)=0.001〜0.
    1である、請求項1から7までのいずれかに記載の半導
    体封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】半導体素子がエポキシ樹脂組成物により封
    止されてなる半導体装置において、前記エポキシ樹脂組
    成物として請求項1から8までのいずれかに記載の半導
    体封止用液状エポキシ樹脂組成物が用いられることを特
    徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】エポキシ樹脂組成物を金型を用いて射出
    成形することにより半導体素子を封止する半導体装置の
    製造方法において、前記エポキシ樹脂組成物として請求
    項1から8までのいずれかに記載の半導体封止用液状エ
    ポキシ樹脂組成物を用いることを特徴とする半導体装置
    の製造方法。
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