JP4264998B2 - 広角レンズ系 - Google Patents

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    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B13/00Optical objectives specially designed for the purposes specified below
    • G02B13/06Panoramic objectives; So-called "sky lenses" including panoramic objectives having reflecting surfaces

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Lenses (AREA)

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、CCDなどの固体撮像素子を用いた小型カメラなどに好適なレトロフォーカス型の広角レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CCDなどの固体撮像素子を用いたカメラにおいて広角レンズが要求されるようになってきている。
特に、最近では、解像力を上げるため、例えば1/3インチで130万〜160万程度の画素を持つCCDが使用されるようになってきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような小型でかつ画素数の多いCCDを用いる場合には、撮影レンズにもより高い性能を要求することになり、光学系の構成を複雑なものにせねばならない。特にレトロフォーカス型の場合、レンズとCCDの間に、オプティカル・ローパス・フィルタや赤外カットフィルタなどのフィルター類を挿入する必要があるため、バックフォーカスを長く確保する必要があった。このときには、光学系の前群の負のパワーを強くせねばならず、光学系において絞りに対するパワーの非対称性が強まる。
【0004】
このように絞りに対する非対称性が強くなるようなレンズ系の構成では、歪曲収差を初めとして像面弯曲、非点収差、非対称コマ収差、倍率の色収差等の補正は大変困難となり、高いレンズ性能を達成するためには好ましくない。
従来において、CCDなどの撮像素子を用いる場合の色モアレを防止するためのオプティカル・ローパス・フィルタとしては、大きな厚みの水晶から構成されているものが用いられていたが、最近では、リチウムナイオベートからなるオプティカル・ローパス・フィルタが提案されている。このリチウムナイオベートからなるオプティカル・ローパス・フィルタは、水晶からなるものと比べ1/6〜1/7程度の厚みでその機能を果たすことができる。
【0005】
本願発明者は、従来に比べてバックフォーカスが短くても、カメラシステムを構成することが可能であれば、光学系を更に高性能なものにできること、あるいは従来と同程度の性能を確保しつつ更なる小型化が図れることを見出した。
本発明は、バックフォーカスが短く、広角域を含む高性能で小型なディジタル・スチール・カメラ等に好適な広角レンズを達成することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明にかかる広角レンズは、物体側より順に、負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、及び正の第3レンズ群より構成される広角レンズ系であって、
前記第1レンズ群は、物体側に強い凸面を向けた正レンズと、該第1レンズ群中の前記正レンズの像側に配置されて物体側に強い凸面を向けた負メニスカスレンズとを含み、
前記第2レンズ群は、正の焦点距離を持つ色消しレンズ対を含み、
前記第3レンズ群は、物体側に強い凹面を向け最も物体側に配置される負レンズと、該第3レンズ群中の負レンズの像側に配置された正レンズとを含み、
前記第2レンズ群中の色消しレンズ対は、物体側より順に、負レンズと正レンズとから構成される接合レンズ又は分離レンズからなり、
以下の条件式を満たすものである。
(1) Bf/f < 1.45
(2) Bf/y<2.5
(3) 9.5>TL/f>5
(9) 0.6<q31<1.5
但し、
Bf:全系のバックフォーカス
f:全系の焦点距離
TL:広角レンズの最も物体側の面から像面までの距離
y:最大像高
q31:前記負レンズのシェープファクターであり、
シェープファクターq31は、次式
q31=(r2+r1)/(r2−r1)
で表され、
r1=前記第3レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径
r2=前記第3レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径
である。
【0007】
上述の構成に基づいて、本発明にかかる広角レンズは、以下の条件式を満たすことが好ましい。
(4) 0.6<|f1/f|<1.6
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
である。
【0008】
また、前記第1レンズ群は、物体側より順に、強い凸面を物体側に向けた正レンズ、強い凹面を像側に向けた負メニスカスレンズ、及び強い凹面を像側に向けた負レンズより成り、かつ以下の条件式を満たすことが好ましい。
(5) 0.9<q11<3.5
但し、
q11:前記強い凸面を物体側に向けた正レンズのシェープファクター
である。
シェープファクターq11は、次式で表される。
q11=(r2+r1)/(r2−r1)
ここで、
r1=前記正レンズの物体側の面の曲率半径
r2=前記正レンズの像側の面の曲率半径
である。
【0009】
また、前記第2レンズ群は、物体側より順に、正レンズ、絞り、負レンズ及び両凸形状の正レンズより構成され、かつ以下の条件式を満たすことが好ましい。
(6) 1.1<f2/f<1.8
(7) 1.2<f2c/f2<2.0
但し、
f2:第2レンズ群の焦点距離
f2C:前記第2レンズ群において前記絞りより像側に配置されるレンズの合成焦点距離
である。
【0010】
また、前記第3レンズ群中の最も像側に配置される正レンズは、より曲率の強い凸面を物体側に向けた正レンズであり、かつ以下の条件式を満たすことが好ましい。
(8) 0.8<q33<4.5
但し、
q33:前記正レンズのシェープファクター
である。
シェープファクターq33は、次式で表される。
q33=(r2+r1)/(r2−r1)
ここで、
r1=前記正レンズの物体側の面の曲率半径
r2=前記正レンズの像側の面の曲率半径
である。
【0012】
また、以下の条件式を満たすことが好ましい。
(10) −2.0<f3/f33I<0.1
(11) 0.2<f31/f3<0.5
但し、
f33I:前記第3レンズ群中の最も像側に配置される前記正レンズの像側の面の持つ焦点距離
f31:前記第3レンズ群中の最も物体側に配置される前記負レンズの焦点距離である。
【0013】
また、前記広角レンズ系の最も像側の面から射出される最大像高に対応する主光線の、光軸に対する傾きが、以下の条件式を満たすことが好ましい。
(12) −0.1< m < 0.1
但し、
m:上記主光線の傾きの方向余弦
である。
また、前記広角レンズ系において、近距離物体へのフォーカシングを行う時、第1レンズ群のみを物体側へ繰り出す。
また、前記広角レンズ系において、近距離物体へのフォーカシングを行う時、第2〜第3レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を移動させる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、広角レンズ系の設計において、バックフォーカスの確保と、光学系の高性能化及び小型化とがトレードオフの関係にあるという発見に基づいてなされたものであり、以下に説明する構成とすることで、レトロフォーカス型に特有な諸問題を解決し、高性能、小型な広角レンズを達成できることを見出したものである。
【0015】
以下、図面を参照して本発明にかかる実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態の広角レンズ系のレンズ断面図である。なお、以下においては、図1に示す実施の形態を例にとって説明するが、以下の説明は、図3、図5及び図7に示す実施の形態に係る広角レンズ系においても成立する。
図1の広角レンズ系は、物体側より順に、負の第1レンズ群G1、正の第2レンズ群G2、及び正の第3レンズ群G3を有している。そして、第1レンズ群G1は、物体側に強い凸面を向けた正レンズL11と、第1レンズ群G1中の正レンズL11の像側に配置されて物体側に強い凸面を向けた負メニスカスレンズL12(L13)とを含んでいる。第2レンズ群G2は、正の焦点距離を持つ色消しレンズ対L22,L23を含んでいる。第2レンズ群G2中の色消しレンズ対は、物体側より順に、負レンズL22と正レンズL23とから構成される接合レンズ又は分離レンズからなる。第3レンズ群G3は、物体側に凹面を向けた負レンズL31と、第3レンズ群G3中の負レンズL31の像側に配置された正レンズL32(L33)とを含んでいる。
【0016】
そして、図1の広角レンズ系は、以下の条件式を満たすものである。
(1) Bf/f < 1.45
(2) Bf/y<2.5
(3) 9.5>TL/f>5
但し、
Bf:全系のバックフォーカス
f:全系の焦点距離
TL:広角レンズの最も物体側の面から像面までの距離
y:最大像高
である。
【0017】
本発明においては、バックフォーカスを従来のものよりも短くする構成であるが、それでも、ある程度のバックフォーカスを確保せねばならない。このためにレトロフォーカスタイプを採用することになるが、第1レンズ群G1にある程度強い負のパワーを配置する以上、本質的に大きな負の歪曲収差が発生する。この歪曲収差を出来るだけ効率よく補正するために第1レンズ群には、少なくとも1枚の物体側に強い凸面を向けた正レンズL11を最も物体側に配置する必要がある。そして、それに続く負レンズL12(L13)も少なくとも1枚を物体側に凸の面を向けたメニスカス形状とし、負の歪曲収差の発生を極力押さえることが重要である。特に、バックフォーカスを短くし、レンズ系の小型化を図る時には、各レンズ要素の持つパワーが強くなるため、第1レンズ群の構成は特に重要となる。
【0018】
正屈折力を有する第2レンズ群G2は、結像レンズ群として物体の像を像面I上に結ばせる機能を果たす。そして、この第2レンズ群G2は、第1レンズ群G1にて発生する正の球面収差を効率良く補正すると共に、絞りSが第2レンズ群近傍に配置されるため軸上の色収差及び球面収差の色による差を補正する機能を有する。
【0019】
正屈折力の第3レンズ群G3は、光学系を像側テレセントリックに構成するための機能を持つ。この第3レンズ群G3では良好なテレセントリシティを確保するために大きな負の歪曲収差が発生する傾向がある。この負の歪曲収差を効率よく補正するためには、第3レンズ群の最も物体側に少なくとも1枚の物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL31を配置する必要がある。
【0020】
次に、条件式(1)〜(3)を説明する。
上記条件式(1)及び(2)は、全系の焦点距離及び像高に対する最適なバックフォーカスの範囲を規定するものであり、レンズ系の小型化の程度に対応している。これら条件式(1)及び(2)の範囲から外れる場合には、本発明の目的である小型のレンズ系を達成することができない。
【0021】
上記条件式(3)は、全系の焦点距離に対する好適な全長の割合を規定するものであり、光学系のテレ比(望遠比)の程度に対応している。上記条件式(3)の上限を超えると、本発明の目的である小型化の達成ができない。逆に、条件式(3)の下限を下回る場合には、光学系のテレ比がかかり過ぎ、結像性能の劣化を招く。
【0022】
さて、図1の実施の形態の広角レンズ系は、以下の条件式(4)を満足している。
(4) 0.6<|f1/f|<1.6
但し、
f1:第1レンズ群の焦点距離
である。
【0023】
上記条件式(4)は、適切なバックフォーカスを確保し、良好な歪曲収差の補正を達成するための条件である。上記条件式(4)の上限を超える場合には、レンズ全長が長くなり、小型化に反するため好ましくない。逆に、条件式(4)の下限を越える場合には、負の歪曲収差の発生が大きく補正が困難となるため好ましくない。この場合において、特にレンズ系の超小型化を図ったときには、レンズ系を構成する各レンズ素子のパワーが強くなるので、歪曲収差の補正も難しくなる。
【0024】
図1に示す実施の形態の広角レンズ系において、第1レンズ群G1は、物体側より順に、強い凸面を物体側に向けた正レンズL11、強い凹面を像側に向けた負メニスカスレンズL12、及び強い凹面を像側に向けた負レンズL13より成り、かつ以下の条件式(5)を満足している。
(5) 0.9<q11<3.5
但し、
q11:強い凸面を物体側に向けた正レンズL11のシェープファクター
シェープファクターq11は、次式で表される。
q11=(r2+r1)/(r2−r1)
ここで、
r1=正レンズL11の物体側の面の曲率半径
r2=正レンズL11の像側の面の曲率半径
である。
【0025】
上記条件式(5)は、非点収差の発生を押さえつつ良好に歪曲収差を補正するための条件である。上記条件式(5)の上限を越えると、正レンズL11の物体側のレンズ面において歪曲収差を正に補正する寄与が小さくなり、歪曲は大きく負に発生するため、その補正が難しくなり好ましくない。逆に、条件式(5)の下限を越えると非点収差が増大するため好ましくない。
【0026】
また、図1の実施の形態の広角レンズ系において、第2レンズ群G2は、物体側より順に、正レンズL21、絞りS、負レンズL22及び両凸形状の正レンズL23より構成され、かつ以下の条件式(6)及び(7)を満足している。
(6) 1.1<f2/f<1.8
(7) 1.2<f2c/f2<2.0
但し、
f2:第2レンズ群G2の焦点距離
f2C:第2レンズ群G2において絞りSより像側に配置されるレンズL22,L23の合成焦点距離
である。
【0027】
上記条件式(6)は、球面収差の補正に関する条件である。第2レンズ群G2は結像レンズ群であるので、球面収差への寄与が大きい。上記条件式(6)の下限を超えると、第2レンズ群G2の焦点距離が短くなりすぎるため、球面収差の補正が困難になり好ましくない。一方、条件式(6)の上限を越えると第2レンズ群G2の焦点距離が長くなり過ぎ小型化を図る上で好ましくない。
【0028】
上記条件式(7)は、良好な色消しを達成するための条件である。上記条件式(7)の下限を超えると、色消しのためのレンズ素子の全体としてのパワーが強くなりすぎるため、それに伴い、色収差補正面(正レンズL21の像側及び負レンズL23の物体側の面)の曲率半径もきつくなり、球面収差や非点収差などの色による変化に高次の曲がりが発生し好ましくない。逆に、条件式(7)の上限を超えると、色消しのためのレンズ素子の合成焦点距離が長くなり過ぎるため、絞りより前のレンズに負担がかかり過ぎ、その結果色消し面の曲率も強くなるので、球面収差の色変化が大きくなり好ましくない。
【0029】
また、図1に示す実施の形態の広角レンズ系において、第3レンズ群G3中の最も像側に配置される正レンズL33は、より曲率の強い凸面を物体側に向けた正レンズであり、かつ以下の条件式(8)を満足している。
(8) 0.8<q33<4.5
但し、
q33:正レンズL33のシェープファクター
である。
シェープファクターq33は、次式で表される。
q33=(r2+r1)/(r2−r1)
ここで、
r1=正レンズL33の物体側の面の曲率半径
r2=正レンズL33の像側の面の曲率半径
である。
【0030】
上記条件式(8)はテレセン性と歪曲収差の良好な補正を達成するための条件である。ここで、第3レンズ群G3において歪曲収差の発生を押さえつつ、テレセン性を確保するには、第3レンズ群G3の正のパワーを分割して、主光線を緩慢に屈折させることが重要である。しかし、光学系全体を小型化して、第3レンズ群G3を構成する各レンズ素子のパワーが強くなってくると、最も像側に近い面に負のパワーを持たせ、歪曲収差の補正をするのが効果的となる。条件式(8)はその観点で規定されたものであり、条件式(8)の上限を越えると、正レンズL33の物体側の面が強い正のパワーを持ち過ぎるため、負の歪曲が大きくなり好ましくない。逆に、条件式(8)の下限を越えるとテレセン性を確保しにくくなるため好ましくない。
【0031】
また、図1に示す実施の形態の広角レンズ系において、第3レンズ群G3中の最も物体側に配置される負レンズL31は、物体側に強い凹面を向けた負レンズであり、かつ以下の条件式(9)を満足している。
(9) 0.6<q31<1.5
但し、
q31:負レンズL31のシェープファクター
である。
シェープファクターq31は、次式で表される。
q31=(r2+r1)/(r2−r1)
ここで、
r1=負レンズL31の物体側の面の曲率半径
r2=負レンズL31の像側の面の曲率半径
である。
【0032】
上記条件式(9)はテレセン性と歪曲収差の良好な補正を達成するための条件である。上記条件式(9)の下限を越えると、歪曲収差の画角による変動が発生すると同時に、外方コマ収差が大きく発生し、像面弯曲も正に増大して補正が困難となるため好ましくない。条件式(9)の上限を越えると、やはり歪曲収差の画角変動が生じ内方性コマ収差が発生し、補正が困難となるため好ましくない。
【0033】
また、図1の実施の形態の広角レンズ系は、以下の条件式(10)及び(11)を満足している。
(10) −2.0<f3/f33I<0.1
(11) 0.2<|f31/f3|<0.5
但し、
f33I:前記第3レンズ群中の最も像側に配置される前記正レンズの像側の面の持つ焦点距離
f31:前記第3レンズ群中の最も物体側に配置される前記負レンズの焦点距離である。
【0034】
上記条件式(10)及び(11)は、テレセン性の達成と歪曲収差の良好なる補正とを同時に達成するための条件である。条件式(10)は、第3レンズ群G3中の最も像側に配置される正レンズL33の最も像側のレンズ面のパワーを規定するものである。条件式(10)の上限を越えると、このレンズ面のパワーが正方向に強くなり、負に残った歪曲収差の補正ができないため好ましくない。逆に、条件式(10)の下限を越えると、このレンズ面のパワーが負で強くなり過ぎ、外方性コマ収差も発生して、歪曲とテレセン性のバランスがとれなくなるため好ましくない。
【0035】
条件式(11)の下限を超えると、第3レンズ群G3中における最も物体側に位置する負レンズL31のパワーが強くなり過ぎ、歪曲収差の画角による変動が発生し、テレセン性の確保とのバランスがとれず好ましくない。逆に、条件式(11)の上限を越えると、この負レンズのパワーが弱くなり過ぎ、負の歪曲収差の補正能力が低くなり、やはりテレセン性の確保と歪曲収差補正とのバランスが取れなくなるため好ましくない。
【0036】
また、図1の実施の形態の広角レンズ系は、広角レンズ系の最も像側の面から射出される最大像高に対応する主光線の光軸に対する傾きが、以下の条件式を満足している。
(12) −0.1< m < 0.1
但し、
m:上記主光線の傾きの方向余弦
である。
【0037】
上記条件式(12)は、像側でのテレセン性に関する条件である。上記条件式(12)の範囲から外れると、光軸と最大像高に対応する主光線の傾きが大きくなりすき、CCD等の撮像素子の位置ズレにも敏感になり、カラーシェーディングの発生も生じるため好ましくない。
【0038】
【実施例】
以下、数値実施例について説明する。ここで、図1、図3、図5及び図7は、それぞれ第1〜第4実施例の広角レンズ系のレンズ断面図であり、図2、図4、図6及び図8は、それぞれ第1〜第4実施例の広角レンズ系の諸収差図である。なお、以下に示す第1〜第4実施例の広角レンズ系は、1/3インチのCCD用に設計した例ではあるが、光学系の比例拡大・縮小により他のサイズ、例えば1/2インチ、1/5インチなどの撮像素子にも適用することができる。
【0039】
図1、図3、図5及び図7に示す各実施例の広角レンズ系は、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1、正屈折力の第2レンズ群G2及び正屈折力の第3レンズ群G3の3群構成である。
[第1実施例]
図1において、正屈折力の第1レンズ群G1は、物体側より順に、強い凸面を物体側に向けた正レンズL11、強い凹面を像側に向けた負メニスカスレンズL12、及び強い凹面を像側に向けた負レンズL13を有している。
【0040】
第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸形状の厚い正レンズL21、絞りS、像側に凹面を向けたメニスカス形状の負レンズL22及び両凸形状の正レンズL23を有しており、負レンズL22と正レンズL23とが色消しレンズ対を構成している。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に強い凹面を向けた両凹形状の負レンズL31、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL32及びより曲率の強い凸面を物体側に向けた両凸形状の正レンズL33とを有している。
【0041】
[第2実施例]
図3に示す第2実施例において、第1及び第2レンズ群G1,G2は上記第1実施例と同様の構成であるため、説明を省略する。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に強い凹面を向けた両凹形状の負レンズL31、両凸形状の正レンズL32及びより曲率の強い凸面を物体側に向けたメニスカス形状の正レンズL33とを有している。
【0042】
[第3実施例]
図5に示す第3実施例において、第1〜第3レンズ群G1−G3は上記第2実施例と同様の構成であるため、ここでは説明を省略する。
[第4実施例]
図7に示す第4実施例において、第1及び第2レンズ群G1,G2は上記第1実施例と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0043】
第3レンズ群G3は、物体側から順に、物体側に強い凹面を向けた両凹形状の負レンズL31、像側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL32及びより曲率の強い凸面を物体側に向けたメニスカス形状の正レンズL33とを有している。
以下、第1〜第4実施例のレンズデータをそれぞれ表1〜表4に示す。各表において、riはレンズ面Riの曲率半径、di+1はレンズ面Riとレンズ面Ri+1との光軸上の面間隔、N(d)iはレンズ面Riとレンズ面Ri+1との間のd線の屈折率、νiはレンズ面Riとレンズ面Ri+1との間のd線に対するアッベ数であり、fは焦点距離、FNはFナンバー、Yは像高、Bfはバックフォーカスを示す。
【0044】
【表1】
Figure 0004264998
【0045】
【表2】
Figure 0004264998
【0046】
【表3】
Figure 0004264998
【0047】
【表4】
Figure 0004264998
図2、図4、図6及び図8に、表1〜表4に示した広角レンズ系の諸収差図を示す。各収差図中において、Hは入射高、FNはFナンバー、Aは半画角、Yは像高を示している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面、点線はメリジオナル像面を示している。
【0048】
次の表5に表1〜表4に示した第1〜第4実施例の広角レンズ系の条件対応値を示す。
【0049】
【表5】
Figure 0004264998
各諸元表ならびに各収差図から明らかなように、本発明の各実施例にかかる広角レンズ系は、全画角(2ω)が74°程度にも達する大画角を有し、Fナンバーが2.8程度と明るく、コンパクトな光学系でありながら、良好に収差補正がなされており、CCD等の固体撮像素子を用いたディジタルスチールカメラやビデオカメラ等に好適である。すなわち、本発明の各実施例によれば、バックフォーカスが焦点距離の1.45倍以下で、半画角が36°程度の広角域を含む高性能で小型なディジタル・スチール・カメラ等に好適な広角レンズを実現できる。
【0050】
なお、上記各実施例では無限遠に位置する物体を想定しているが、近距離物体へのフォーカシングを行う場合には、例えば光学系全体(第1〜第3レンズ群G1−G3)を物体側へ繰り出す全体繰り出し方式、第1レンズ群G1のみを物体側へ繰り出す前玉繰り出し方式、第2〜第3レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を移動させるインナーフォーカス方式、第1〜第3レンズ群のうちの少なくとも2つのレンズ群をその移動比を変えて移動させるフローティング方式などのフォーカシング方式を適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の通り本発明によれば、バックフォーカスが短く、広角域を含む高性能で小型な広角レンズを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例のレンズ構成図である。
【図2】第1実施例の諸収差図である。
【図3】本発明による第2実施例のレンズ構成図である。
【図4】第2実施例の諸収差図である。
【図5】本発明による第3実施例のレンズ構成図である。
【図6】第3実施例の諸収差図である。
【図7】本発明による第4実施例のレンズ構成図である。
【図8】第4実施例の諸収差図である。
【符号の説明】
G1:第1レンズ群、
G2:第2レンズ群、
G3:第3レンズ群、
S :絞り
I :像面

Claims (9)

  1. 物体側より順に、負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、及び正の第3レンズ群より構成される広角レンズ系において、
    前記第1レンズ群は、物体側に強い凸面を向けた正レンズと、該第1レンズ群中の前記正レンズの像側に配置されて物体側に強い凸面を向けた負メニスカスレンズとを含み、
    前記第2レンズ群は、正の焦点距離を持つ色消しレンズ対を含み、
    前記第3レンズ群は、物体側に強い凹面を向け最も物体側に配置される負レンズと、該第3レンズ群中の負レンズの像側に配置された正レンズとを含み、
    前記第2レンズ群中の色消しレンズ対は、物体側より順に、負レンズと正レンズとから構成される接合レンズ又は分離レンズからなり、
    以下の条件式を満たすことを特徴とする広角レンズ系。
    (1) Bf/f < 1.45
    (2) Bf/y<2.5
    (3) 9.5>TL/f>5
    (9) 0.6<q31<1.5
    但し、
    Bf:全系のバックフォーカス
    f:全系の焦点距離
    TL:前記広角レンズの最も物体側の面から像面までの距離
    y:最大像高
    q31:前記第3レンズ群の負レンズのシェープファクターであり、
    シェープファクターq31は、次式
    q31=(r2+r1)/(r2−r1)
    で表され、
    r1=前記第3レンズ群の負レンズの物体側の面の曲率半径
    r2=前記第3レンズ群の負レンズの像側の面の曲率半径
    である。
  2. 以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1記載の広角レンズ系。
    (4) 0.6<|f1/f|<1.6
    但し、
    f1:第1レンズ群の焦点距離
    である。
  3. 前記第1レンズ群は、物体側より順に、強い凸面を物体側に向けた正レンズ、強い凹面を像側に向けた負メニスカスレンズ、及び強い凹面を像側に向けた負レンズより成り、かつ以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の広角レンズ系。
    (5) 0.9<q11<3.5
    但し、
    q11:前記強い凸面を物体側に向けた正レンズのシェープファクターであり、
    シェープファクターq11は、次式
    q11=(r2+r1)/(r2−r1)
    で表され、
    r1=前記第1レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径
    r2=前記第1レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径
    である。
  4. 前記第2レンズ群は、物体側より順に、正レンズ、絞り、負レンズ及び両凸形状の正レンズより構成され、かつ以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からの少なく とも1項に記載の広角レンズ系。
    (6) 1.1<f2/f<1.8
    (7) 1.2<f2c/f2<2.0
    但し、
    f2:第2レンズ群の焦点距離
    f2C:前記第2レンズ群において前記絞りより像側に配置されるレンズの合成焦点距離である。
  5. 前記第3レンズ群中の最も像側に配置される正レンズは、より曲率の強い凸面を物体側に向けた正レンズであり、かつ以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からの少なくとも1項に記載の広角レンズ系。
    (8) 0.8<q33<4.5
    但し、
    q33:前記第3レンズ群の正レンズのシェープファクター
    であり、
    シェープファクターq33は、次式
    q33=(r2+r1)/(r2−r1)
    で表され、
    r1=前記第3レンズ群の正レンズの物体側の面の曲率半径
    r2=前記第3レンズ群の正レンズの像側の面の曲率半径
    である。
  6. 以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からの少なくとも1項に記載の広角レンズ系。
    (10) −2.0<f3/f33I<0.1
    (11) 0.2<|f31/f3|<0.5
    但し、
    f33I:前記第3レンズ群中の最も像側に配置される前記正レンズの像側の面の持つ焦点距離
    f31:前記第3レンズ群中の最も物体側に配置される前記負レンズの焦点距離である。
  7. 前記広角レンズ系の最も像側の面から射出される最大像高に対応する主光線の、光軸に対する傾きが、以下の条件式を満たすことを特徴とする請求項1からの少なくとも1項に記載の広角レンズ系。
    (12) −0.1< 0.1
    但し、
    m:上記主光線の傾きの方向余弦である。
  8. 前記広角レンズ系において、近距離物体へのフォーカシングを行う時、第1レンズ群のみを物体側へ繰り出すことを特徴とする請求項1からの少なくとも1項に記載の広角レンズ系。
  9. 前記広角レンズ系において、近距離物体へのフォーカシングを行う時、第2〜第3レンズ群のうち少なくとも1つのレンズ群を移動させることを特徴とする請求項1から7の少なくとも1項に記載の広角レンズ系。
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