JP3033035B2 - 小形ズ−ムレンズ - Google Patents

小形ズ−ムレンズ

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JP3033035B2
JP3033035B2 JP5036212A JP3621293A JP3033035B2 JP 3033035 B2 JP3033035 B2 JP 3033035B2 JP 5036212 A JP5036212 A JP 5036212A JP 3621293 A JP3621293 A JP 3621293A JP 3033035 B2 JP3033035 B2 JP 3033035B2
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栄樹 松尾
二三男 新沢
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、写真撮影用のコンパ
クトカメラに利用するところのズ−ムレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】小形カメラのコンパクト化が進み、最近
のカメラでは3〜4枚程度のレンズからなる単焦点レン
ズの他に、ズ−ムレンズを装備したものが多くなってき
た。そして、この種のカメラに装備されたズ−ムレンズ
としては、ズ−ム比が2〜3倍程度のものが既に提案さ
れている。
【0003】また、ズ−ムレンズの構成としては、前群
レンズに正の屈折パワ−を、後群レンズに負の屈折パワ
−を各々持たせるようにして小形化に有利なようにした
2群タイプと、この2群タイプのものを発展させた3群
タイプとが主流となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したズ−ムレンズ
の場合、長焦点側にズ−ミングするにしたがってレンズ
の明るさを示すF値が大きくなってしまい、短焦点側が
明るくても長焦点側において暗くなってしまうと言う欠
点がある。
【0005】例えば、短焦点側のF値が3.5とすると
き、2倍のズ−ム比を持つレンズは長焦点側においてF
値が7.0程度となってしまい、撮影の環境が暗い場合
は、ストロボを使用して撮影するが、被写体が遠方にあ
ると、ストロボ撮影においても撮影可能範囲が極端に制
限されてしまう。
【0006】この問題を解決するためには、長焦点側で
絞りの口径を大きくして長焦点側のF値を小さくする
か、或いは、短焦点側のF値を更に小さくして長焦点側
のF値を相対的に小さくすることが考えられるが、いず
れの場合も大口径のレンズを備えると収差が大きくな
り、この収差をカバ−する手段が問題となる。
【0007】本発明は上記した実情にかんがみ、大口径
のレンズを備え長焦点側のF値を可能なるかぎり小さく
し、しかも安価にして小形構造とすることができるズ−
ムレンズを開発することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明では、物体側を凸面としたメニスカス状の
第1レンズ、像側を強い曲率とした両凹面の負の屈折力
を有する第2レンズと物体側を強い曲率とした両凸面の
正の屈折力を有する第3レンズとを接合させたレンズ
群、像側を強い曲率とした両凹面の負の屈折力を有する
第4レンズと両凸面の正の屈折力を有する第5レンズと
を接合させたレンズ群を物体側から順に配設して全体と
して正の屈折パワ−を持つ前群レンズと、像側を強い曲
率の凸面としたメニスカス状の正の屈折力を有する第6
レンズ、物体側を強い曲率の凹面とした負の屈折力を有
する第7レンズ、物体側を強い曲率の凹面としたメニス
カス状の負の屈折力を有する第8レンズを物体側から順
に配設して全体として負の屈折パワ−を持つ後群レンズ
とからなり、上記第1レンズを物体側の面を周囲に行く
にしたがって曲率を弱くし、または像側の面を周囲に行
くにしたがって曲率を強くした非球面のレンズで構成す
ると共に、前群レンズと後群レンズの間隔を変え全体を
光軸方向に変位させてズ−ミングする構成の小形ズ−ム
レンズにおいて、上記第1レンズから第3レンズまでの
厚さTと前群レンズの全長Lとが0.7<T/L<0.
8の関係を満たし、かつ、第1レンズのアッベ数ν1
第5レンズのアッベ数ν5、第8レンズのアッベ数ν8
を各々25<ν1<45、50<ν5、50<ν8とし
て構成したことを特徴とする小形ズ−ムレンズを提案す
る。
【0009】
【作用】第1レンズの物体側面が周囲に行くにしたがっ
て曲率が緩くなる非球面、または、この第1レンズの像
側面が周囲に行くにしたがって曲率が強くなる非球面と
なっているので、第2レンズが果たす役割を第1レンズ
が分担し、高次の球面収差を抑えることができると共
に、画像湾曲を補正できる。
【0010】また、前群レンズの第1レンズから第3レ
ンズまでの厚さTと、前群レンズの全長Lとが0.7<
T/L<0.8の関係を満たす構成となっているので、
高次の非点収差を抑えて色収差のバランスが良好に保た
れる。
【0011】さらに、第1レンズのアッベ数ν1、第5
レンズのアッベ数ν5、第8レンズのアッベ数ν8が2
5<ν1<45、50<ν5、50<ν8となるように
各々レンズ形成されているので、短焦点側と長焦点側で
逆転する倍率色収差のバランスを良好に保つことができ
る。
【0012】この結果、前群レンズの焦点距離を短くし
て小形化を図る場合の収差補正の困難さが克服されるの
で、小形にして大口径のズ−ムレンズを提供することが
できる。
【0013】また、上記した小形ズ−ムレンズは、第2
レンズと第3レンズ及び第4レンズと第5レンズが接合
されているので、負の屈折力を有する第2レンズと第4
レンズへの過度の負担がさけられると共に、非球面の導
入により増えた自由度を倍率の色収差補正等に利用でき
る他、レンズの組込みが容易となる。
【0014】上記した構成の小形ズ−ムレンズは、第1
レンズをポリカ−ボネ−トなどの合成樹脂材で非球面レ
ンズとして構成することができ、極めて高価な非球面の
硝子レンズに比較して安価に生産できる。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面に沿って
説明する。図1はズ−ムレンズのレンズ構成を示す図
で、第1レンズ51、第2レンズ52、第3レンズ5
3、第4レンズ54、第5レンズ55が前群レンズ50
aを構成し、第6レンズ56、第7レンズ57、第8レ
ンズ58が後群レンズ50bを構成している。
【0016】図示する如く、第1レンズ51は物体側
(図中左側)を凸面としたメニスカス状のレンズ、第2
レンズ52は像側(図中右側)を強い曲率とした両凹面
の負の屈折力を有するレンズ、第3レンズ53は物体側
を強い曲率とした両凸面の正の屈折力を有するレンズ、
第4レンズ54は像側を強い曲率とした両凹面の負の屈
折力を有するレンズ、第5レンズ55は両凸面の正の屈
折力を有するレンズとなっている。
【0017】なお、第2レンズ52と第3レンズ53及
び第4レンズ54と第5レンズ55は各々一体的に貼り
合わせて組込まれている。
【0018】また、第6レンズ56は像側を強い曲率の
凸面としたメニスカス状の正の屈折力を有するレンズ、
第7レンズ57は物体側を強い曲率の凹面とした負の屈
折力を有するレンズ、第8レンズ58は物体側を強い曲
率の凹面としてメニスカス状の負の屈折力を有するレン
ズとなっている。
【0019】このようにレンズ構成したズ−ムレンズ
は、前群レンズ50aが正の屈折パワ−となり、後群レ
ンズ50bが負の屈折パワ−となる。
【0020】また、このズ−ムレンズは、図2に示すよ
うに前群レンズ50aと後群レンズ50bとの相対間隔
を狭め、前後群レンズ50a、50bを一緒に繰り出し
て全体の焦点距離を長焦点側に変化させてズ−ミングす
る。つまり、WIDEからTELEとする。この逆にT
ELEからWIDEにする場合は、図1のように前後群
レンズ間隔を広くして引き戻す。
【0021】さらに、上記したズ−ムレンズは次の条件
を満たすようになっている。前群レンズ50aのうち、
第1レンズ51から第3レンズ53までの厚さをT、前
群レンズ50aの全長をLとしたとき、0.7<T/L
<0.8、また、第1レンズ51、第5レンズ55、第
8レンズ58のアッベ数を各々ν1ν5ν8とした
とき、25<ν1<45、50<ν5、50<ν8の各
条件を満たしている。
【0022】次に、各レンズの曲率半径、間隔等を具体
的に定めて実施した2つの例について示す。なお、以下
の各実施例において、非球面の形状は次式で与えられる
ものとする。
【0023】
【数1】 但し、 Z; 面の深さ c; 曲率 A〜H; 高次の非球面係数
【0024】実施例1 この実施例では、各レンズの曲率半径、間隔、屈折率、
アッベ数について下記表1のように定めてある。
【0025】
【表1】
【0026】また、この実施例では、第1レンズ51を
ポリカ−ボネ−ト(PC)で形成し、物体側を非球面と
して実施した一例である。図3(A)、(B)は本実施
例において得られた球面収差、非点収差、歪曲を示す。
【0027】実施例2 この実施例では、各レンズの曲率半径、間隔、屈折率、
アッベ数について下記表2のように定めてある。
【0028】
【表2】
【0029】また、この実施例についても第1レンズ5
1をポリカ−ボネ−ト(PC)で形成し、物体側を非球
面として実施してある。図3(A)、(B)は本実施例
において得られた球面収差、非点収差、歪曲を示す。
【0030】本実施例のズ−ムレンズでは、ズ−ムレン
ズ系の大口系化を図る要件として、高次の球面収差の発
生を抑え、しかも非点収差を良好に補正する必要がある
が、第1レンズ51を非球面としたので、第2レンズ5
2が果たす役割を第1レンズ51が分担し、高次の収差
の発生を抑えることができると共に、画像湾曲を補正す
ることができる。
【0031】また、第1レンズ51から第3レンズ53
までの厚さTと前群レンズ50aの全長Lとが0.7<
T/L<0.8の関係を満たすように構成されているの
で、非点収差のバランスが良好に保たれる。
【0032】また、本実施例のようなズ−ムレンズは、
短焦点側と長焦点側とで前後群レンズ50a、50bの
空気間隔、バックフォ−カスが大きく変るため、倍率の
色収差が逆転する。したがって、短焦点側を良くすると
長焦点側の色収差が大きくなり、この逆に、長焦点側を
良くすると短焦点側の色収差が大きくなる。
【0033】このことから、本実施例では、第1レンズ
51に比較的アッベ数の小さな硝子レンズを使用すると
共に、第5レンズ55にアッベ数の大きな硝子レンズ、
第8レンズ58に同じくアッベ数の大きな硝子レンズを
使用し、短焦点側と長焦点側で逆転する倍率の色収差が
バランス良く保たれるようにしてある。
【0034】また、第2レンズ52と第3レンズ53及
び第4レンズ54、第5レンズ55を各々貼り合わせて
構成したので、負の屈折力を有する第2レンズ52と第
4レンズ54への負担を軽減させることができると共
に、倍率色収差の良好な補正ができる。この結果、前後
群レンズ50a、50bの焦点距離が短くても諸収差が
良好に補正されるので、小形にして大口径のズ−ムレン
として実施できる。
【0035】上記した構成のズ−ムレンズは、第1レン
ズ51をポリカ−ボネ−トで非球面レンズとして構成す
れば、極めて高価な非球面の硝子レンズを使用する必要
がないので、安価にして小形ズ−ムレンズとなると共
に、第1レンズ51の焦点距離が長くできるので、温度
変化による影響を最小限に抑えることができる。
【0036】
【発明の効果】上記した通り、本発明のズ−ムレンズ
は、焦点距離を短くしても諸収差が良好に補正されるの
で、大口径のレンズで構成でき、長焦点側においてもF
値の小さい明るい小形ズ−ムレンズとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ズ−ムレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】上記のズ−ムレンズをTELEにズ−ミングし
た場合のレンズ構成を示した図である。
【図3】実施例1における球面収差、非点収差、歪曲を
示す図で、(A)図はWIDEの動作時、(B)図はT
ELEの動作時を示す図である。
【図4】実施例2における球面収差、非点収差、歪曲を
示す図で、(A)図はWIDEの動作時、(B)図はT
ELEの動作時を示す図である。
【符号の説明】
50a 前群レンズ 50b 後群レンズ 51 第1レンズ 52 第2レンズ 53 第3レンズ 54 第4レンズ 55 第5レンズ 56 第6レンズ 57 第7レンズ 58 第8レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−250917(JP,A) 特開 平3−260610(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 9/00 - 17/08 G02B 21/02 - 21/04 G02B 25/00 - 25/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側を凸面としたメニスカス状の第1
    レンズ、像側を強い曲率とした両凹面の負の屈折力を有
    する第2レンズと物体側を強い曲率とした両凸面の正の
    屈折力を有する第3レンズとを接合させたレンズ群、像
    側を強い曲率とした両凹面の負の屈折力を有する第4レ
    ンズと両凸面の正の屈折力を有する第5レンズとを接合
    させたレンズ群を物体側から順に配設して全体として正
    の屈折パワ−を持つ前群レンズと、像側を強い曲率の凸
    面としたメニスカス状の正の屈折力を有する第6レン
    ズ、物体側を強い曲率の凹面とした負の屈折力を有する
    第7レンズ、物体側を強い曲率の凹面としたメニスカス
    状の負の屈折力を有する第8レンズを物体側から順に配
    設して全体として負の屈折パワ−を持つ後群レンズとか
    らなり、上記第1レンズを物体側の面を周囲に行くにし
    たがって曲率を弱くし、または像側の面を周囲に行くに
    したがって曲率を強くした非球面のレンズで構成すると
    共に、前群レンズと後群レンズの間隔を変え全体を光軸
    方向に変位させてズ−ミングする構成の小形ズ−ムレン
    ズにおいて、上記第1レンズから第3レンズまでの厚さ
    Tと前群レンズの全長Lとが0.7<T/L<0.8の
    関係を満たし、かつ、第1レンズのアッベ数ν1、第5
    レンズのアッベ数ν5、第8レンズのアッベ数ν8を各
    々25<ν1<45、50<ν5、50<ν8として構
    成したことを特徴とする小形ズ−ムレンズ。
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JP3495618B2 (ja) * 1998-11-04 2004-02-09 ペンタックス株式会社 ズームレンズ系
JP3435364B2 (ja) * 1998-12-24 2003-08-11 ペンタックス株式会社 ズームレンズ系
JP3526560B2 (ja) 2001-06-14 2004-05-17 オリンパス株式会社 ズーム光学系およびそれを用いたカメラ

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