JP3735909B2 - レトロフォーカス型レンズ - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はいわゆるリアフォーカス方式のレトロフォーカス型レンズに関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
レトロフォーカス型レンズの合焦方式としては、近距離性能の向上および操作性の向上のために、レンズの後部を移動させて合焦を行うリアフォーカス方式がある。
このうち特開昭59−216114号公報に開示されたリアフォーカス方式のレトロフォーカス型レンズは、画角が2ω=64°と比較的小さく、また負の前群と正の後群との色消しや両群の独立した収差補正が不十分であり、この結果合焦による後群の移動に伴い、像面湾曲等の軸外収差や倍率色収差の変動が大きいという欠点を有していた。したがって非常に大きな画角を有するレトロフォーカス型レンズに使用すると、各収差の変動がさらに増大し、容易に実用化できないものであった。
【0003】
また特開平4−50910号公報には、最大画角が2ω=100°程度のリアフォーカス式のレトロフォーカス型レンズが開示されている。しかしながらこのレトロフォーカス型レンズにおいては、特に負の前群の径が大きいという不都合を有していた。また収差的には下方コマ収差の補正が好ましくなく、上記特開昭59−216114号公報に開示されたレトロフォーカス型レンズと同様に、前群と後群との収差補正上の分離をさらに明確にする必要があった。
また特開平5−34592号公報には、最大画角が2ω=113°と大画角を有するリアフォーカス方式のレトロフォーカス型レンズが開示されている。しかしながらこのレトロフォーカス型レンズにおいては、負の前群が非球面を有していても非常に大型で、かつ構成枚数が多いという不都合があり、収差的に見ても近距離合焦時に倍率色収差の変動が大きく、やはり負の前群と正の後群との収差補正上の分離が不十分であった。
また特開平5−119254号公報には、物体側の負レンズ成分に非球面を導入し、非常にコンパクトな超広角レトロフォーカス型レンズが開示されている。しかしながらこのレトロフォーカス型レンズにおいては、像面湾曲と下方コマ収差、倍率色収差の補正が必ずしも十分とはいえず、倍率色収差の合焦による変動も有していた。さらには、構成枚数も多く構成も若干複雑で、前玉径も大型化する傾向にあった。
【0004】
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、大画角を有し、比較的大口径を有し、無限遠物点から近距離物点に至る合焦領域全域で安定した高い結像性能を有し、特に不自然に不対称なコマ収差や倍率色収差の発生が非常に少なく、小型で前玉径も小さく、構成枚数の少ないリアフォーカス方式のレトロフォーカス型レンズを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
歴史的に見ると、レトロフォーカス型の広角レンズは、テッサータイプのようなマスターレンズに逆ガリレオ式のコンバーターを付けたところから発展している。本質的には負の前群と正の後群とを空気間隔によって十分に分離し、主点を像側に移動させ、一眼レフに使用できるようにバックフォーカスを十分に確保するように設計されている。そのためパワー配置の点から見ると、負の前群と正の後群とが十分に分離され、軸上光線の入射高hと軸外光線の入射高heとが各レンズ面への入射高において明確な差を有していた。したがって、その軸上光線と軸外光線との入射高h,heの差を十分に利用することで、収差補正の自由度が増すという要素も有していた。しかしながら前後群の明確な分離は、全系の大型化や前玉径の増大を生むことになる。また画角が増加すれば、さらなる大型化や前玉径の増大を招くことになる。したがって近年のレトロフォーカス型広角レンズや超広角レンズでは、前後群の分離を弱め、大きな空気間隔をガラスの厚肉化によって補い、小型化と小径化を進めてきた。しかしながら収差的には、像面湾曲収差と倍率色収差の曲がりや、下方コマ収差の画角による差の増大を招く等の欠点を生じることとなる。
【0006】
この原因としては、前記した各面での軸上光線と軸外光線との入射高h,heの分離が不十分であることに起因するものと、前群と後群との間隔を十分に確保していないために各レンズを強いパワーによって構成する必要があり、各入射光線、特に軸外光線の偏角αeが大きくなり、各面での収差発生量が増大することに起因するものとが考えられる。それらを解決するには、複数枚のレンズで構成し、できるだけ軸外光線の偏角αeを小さくすることが必要であり、その結果大型化し、前群と後群とを分離したタイプのレトロフォーカス型広角レンズとの差が微小になってしまう。
また、特に画角2ωが94°を越えるような超広角レンズにおいては、さらにこの現象が顕著に発生するために、現在の超広角レンズのほとんどは、前玉径が大きすぎて、巨大なフィルターしか取り付かないか、または前玉径が大きすぎてフィルターの取り付かないレンズが一般的である。これらの問題を解決する手段が負の前群に非球面を導入して薄肉化を図ることと、負、正、2群ズームレンズのパワー配置の決定方法を超広角レンズのパワー配置の決定に応用することである。また、負、正の2群に前群と後群とを明確に分離することは、独立して収差補正を行い、当然色消しも十分行うことでもあり、正の後群を合焦のために移動させても、色収差をはじめとする各収差の変動を極力抑えることが可能になるのである。
【0007】
本発明においては、負の前群と正の後群とを十分な空気間隔によって分離し、各群独立に収差補正を行うこととした。このとき、前群と後群とのパワーバランスと、前群と後群との間の空気間隔の大小によって、前玉径、全長、バックフォーカス、構成枚数の多寡、合焦時の移動量や性能劣化などがほぼ決定する。
また、超広角化すればするほど軸外光線の入射高heは大きくなり、負の前群も巨大化、厚肉化する。そのため本発明では、負正2群ズームレンズの前群の収差構造より、最適な負の前群の構成を見出した。すなわち本発明の第1レンズ群G1には、負メニスカスレンズAと、それよりも像側の正レンズBとを設け、両レンズA,LBの間隔を十分に保ち、且つ第1レンズ群G1に非球面を導入することによって構成枚数を減らし、薄肉化、小型化、小径化を行っている。したがって、第1レンズ群G1がこの必要条件を満たさなければ、大型化や前玉径の増大は免れず、本発明の目的の1つを達成できなくなる。
【0008】
また本発明においては、第2レンズ群G2を合焦群として使用し、近距離撮影時に物体側に移動させる方式を採っている。この方式においては前記したとおり、正の後群である第2レンズ群G2を正のマスターレンズ群として独立した収差補正を行うことが望ましく、すなわち、合焦のための移動によって発生する軸外光線の偏角αeや入射高heの変化による収差変動が極力少なくなるレンズ構成が望まれる。
したがって負、正2群ズームレンズの正の第2群と同様に、主にエルノスター等のタイプを採用することも可能であるが、負、正2群ズームレンズほど可変間隔を取る必要はないために、明るさに有利で画角的にも比較的有利なガウスタイプやクセノタータイプ、オルソメータタイプが望ましい。したがって、開口絞りは第2レンズ群中かその直前に配置するレンズ構成が望ましい。
【0009】
本発明は以上のような考察に基づいてなされたものであり、すなわち、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有し、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズAと、該負メニスカスレンズAよりも像側に配置された正レンズBとを有し、第1レンズ群G1の各レンズ面のうち少なくとも1面は非球面に形成され、無限遠物点から近距離物点への合焦は、第2レンズ群G2を物体側に移動することによって行い、全系の焦点距離をfとし、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との焦点距離をそれぞれf1とf2とし、該両レンズ群G1,G2の間の無限遠合焦時の間隔をD1-2としたとき、
0.5≦|f1|/f2≦ 2.4 ‥‥(1)
0.3≦D1-2/f≦2.5 ‥‥(2)
なる条件を満足するレトロフォーカス型レンズである。
【0010】
上記条件(1)は、負の前群である第1レンズ群G1と正の後群である第2レンズ群G2とのパワーのバランスを最適に保つ条件である。条件(1)の下限を下回ると、第2レンズ群G2に比べて第1レンズ群G1のパワーが著しく強くなるために、前玉径は小さくなるが、下方コマ収差、像面湾曲、非点収差が良好に補正できなくなるので好ましくない。なお、条件(1)の下限を0.7とすることにより、より少ないレンズ構成で良好な収差補正が可能になる。
逆に条件(1)の上限を上回ると、第2レンズ群G2に比べて第1レンズ群G1のパワーが弱くなるために、前玉径の増大につながる。また、第2レンズ群G2のパワーが強まりすぎた場合、球面収差の補正が悪化する傾向があるばかりか、バックフォーカスが十分に確保できなくなる可能性があり、好ましくない。なお、条件(1)の上限を2とし、さらには1.92とすることによって、さらに小型で良好な収差補正が可能になる。
【0011】
また条件(2)は、前記負の前群である第1レンズ群G1と正の後群である第2レンズ群G2との間の空気間隔に対する条件である。条件(2)の下限を下回ると、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2への軸外光線の入射高heや傾角αeと、軸上光線の入射高hや傾角αとの分離が不十分になり、像面湾曲、非点収差、下方コマ収差が悪化するばかりか、前玉径が増大し好ましくない。また、合焦時の移動量を十分に確保できなくなり好ましくない。なお条件(2)の下限を0.41とし、さらには0.45にすると、さらに軸外光線に対する収差補正が有利になる。更に0.5にすると、より前玉径を小さくし、十分な周辺光量を得ることができる。
逆に条件(2)の上限を上回ると、全長が大きくなりすぎ好ましくない。また、その値が第1レンズ群G1の薄肉化により達成されたものであれば、当然、前記のとおり軸外収差の悪化と、周辺光量不足を招く結果になり好ましくない。なお、条件(2)の上限を2とし、さらに1.5にすると、全長を十分短く保つことができ、より好ましい。
【0012】
次に本発明においては、
1.6≦f2/f≦3 ‥‥(3)
なる条件を満足することが好ましい。
条件(3)の下限を下回ると、第2レンズ群G2のパワーが著しく強くなるため、バックフォーカスが十分に確保できなくなるばかりか、球面収差や上方コマ収差の補正が困難になる。また、合焦時の収差変動も増し好ましくない。なお、条件(3)の下限を1.75にすれば、より良好な収差補正が可能となる。
【0013】
逆に条件(3)の上限を上回る場合、第2レンズ群G2のパワーが弱くなるため、全長が大きくなり、また、ペッツバール和も負の方向に変位するため、非点収差が悪化し、これを良好に補正するためには構成枚数の増大につながり、好ましくない。また、合焦時に移動量が増大し、その結果さらなる大型化を招き好ましくない。なお、条件(3)の上限を2.6にすることによって、よりコンパクトで、収差補正が良好なレトロフォーカス型レンズが達成できる。
【0014】
次に本発明においては、第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズAを最も物体側に配置し、該負メニスカスレンズAの焦点距離をfAとしたとき、
0.1≦fA/f1≦1.0 ‥‥(4)
なる条件を満足することが好ましい。
条件(4)の下限を下回ると、第1レンズ群G1のパワーに比べて、負メニスカスレンズAが著しく強いパワーを有することになる。したがって、軸外光線の入射高heの最も大きい負レンズが著しく強いパワーを有することになり、非球面を導入しても十分な歪曲、像面湾曲等の軸外収差の補正が困難になる。
逆に条件(4)の上限を上回ると、軸外光線の入射高heの最も大きい負レンズのパワーが弱まることを意味し、前玉径の増大、周辺光量の低下を招き好ましくない。なお、条件(4)の上限を0.8とし、さらには0.65にすると、さらに本発明の効果を発揮することができる。
【0015】
次に本発明においては、第1レンズ群G1中の正レンズBを最も像側に配置し、該正レンズBのd線を基準としたアッベ数をνdとしたとき、
νd<45 ‥‥(5)
なる条件を満足することが好ましい。
本発明の場合、各群とも単独で十分な収差補正および色消しをするところに特徴がある。したがって、第1レンズ群G1が比較的強いパワーを有する負のレンズ群の場合、十分に色消しするためには、第1レンズ群G1内の正レンズBに高分散、すなわちアッベ数の小さいガラスを使用する必要がある。したがって条件(5)の上限を上回ると、本発明の場合、第1レンズ群G1の色消しが十分行えず、結果的に倍率色収差が著しく悪化し好ましくない。なお、条件(5)の上限を35とし、さらには30にすることによって、より良好な色消しが可能になり望ましい。
【0016】
次に本発明においては、第1レンズ群G1中の正レンズBを最も像側に配置し、該正レンズBの焦点距離をfBとしたとき、
0.3≦fB/|f1|≦2.0 ‥‥(6)
なる条件を満足することが好ましい。
条件(6)の下限を下回ると、正レンズBのパワーが強くなりすぎて厚肉化し、レンズのフチ厚がなくなり加工困難になる。また、収差補正上の問題が解決できたとしても偏心に弱く好ましくない。なお、条件(6)の下限を0.5にすることで、さらに本発明の効果が発揮できる。
逆に条件(6)の上限を上回ると、正レンズBのパワーが弱くなり、下方コマ収差、像面湾曲の補正を十分に行うには、結果的に他に複数の正レンズが必要になり、コストアップと大型化の点で好ましくない。なお、条件(6)の上限を1.7にすることによって、さらに本発明の効果が発揮できる。
【0017】
次に本発明においては、第2レンズ群G2が、正レンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを少なくとも1組有し、該接合レンズの正レンズと負レンズとのd線に対する屈折率をそれぞれnpとnnとしたとき、
0.15≦nn−np≦0.5 ‥‥(7)
なる条件を満足することが好ましい。
本発明のように、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2が共に比較的に強いパワーを有したレトロフォーカス型レンズの場合、ペッツバール和を正の値にするために、接合レンズを有することが望ましい。条件(7)の下限を下回ると、接合レンズ中の負レンズと正レンズとの屈折率の差が著しく小さくなり、ペッツバール和が小さくなりすぎて、結果的に像面湾曲および非点収差が補正困難になり好ましくない。なお、条件(7)の下限を0.2とし、さらには0.25にすると、より良好な収差補正が可能になる。
逆に条件(7)の上限を上回る場合、現在のガラス材料においては負レンズの分散が大きくなり過ぎて色消し過剰になり好ましくない。
【0018】
次に本発明においては、第2レンズ群G2の中に、又は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に、開口絞りを配置することが好ましい。また、さらに好ましくは、開口絞りを第2レンズ群G2の中に配置し、開口絞りを挟んだ前後に、少なくとも各1組の正レンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを配置することが望ましい。この場合、両方の接合レンズが条件(7)を満足することがより望ましい。
また本発明においては、第1レンズ群G1中の負メニスカスレンズAと正レンズBとの間に、負レンズを介在させることもできる。
【0019】
また、第1レンズ群中に導入された非球面は、軸外光線の入射高heが比較的大きいところが歪曲、像面湾曲等の補正に有利なため、負メニスカスレンズAに設けることが望ましく、像面に向かって凹面を向けた像面側の面に設定することがより望ましい。また、非球面の形状は、負レンズに設けた場合、中心部分の曲率より、周辺部分の曲率が緩くなる形状すなわち中心部分に比べ周辺部分の負の屈折力(度)が弱くなる形状を有し、また、正レンズに設けた場合、中心部分の曲率より周辺部分の曲率が強くなる形状、すなわち中心部分に比べ周辺部分の正の屈折力(度)が強くなる形状を有することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。図1、図5、図9及び図13に、それぞれ本発明によるレトロフォーカス型レンズの第1〜第4実施例のレンズ構成図を示す。各実施例は物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有する。第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズAと、該負メニスカスレンズAよりも像側に配置された正レンズBとを有し、第1レンズ群G1の各レンズ面のうち少なくとも1面は非球面に形成されている。このレトロフォーカス型レンズでは、無限遠物点から近距離物点への合焦に際して、第2レンズ群G2を物体側に移動することによってフォーカシングを行っている。
【0021】
以下の表1〜表4に、それぞれ第1〜第4実施例の全体諸元、レンズ諸元、非球面データ、及びフォーカシングデータを示す。各表の全体諸元において、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を表す。また各表のレンズ諸元において、第1カラムは物体側からのレンズ面の番号、第2カラムrはレンズ面の曲率半径、第3カラムdはレンズ面の中心間距離、第4カラムνdはd線(λ=587.6nm)を基準としたアッベ数、第5カラムndはd線による屈折率を表す
【0022】
レンズ面番号に※印を付したレンズ面は非球面を表し、非球面のレンズ面における曲率半径rは、非球面の頂点での曲率半径を表す。いずれの非球面も、次式で表される回転対称非球面である。
Figure 0003735909
x:非球面の頂点から光軸方向に測った距離
y:非球面の頂点を通る光軸からの高さ
0:1/r(r=非球面の頂点曲率半径)
k:円錐定数
4,C6,C8,C10:4次〜10次の非球面係数
【0023】
各表の非球面データにおいて、第1カラムは非球面のレンズ面の番号、第2カラムkは円錐定数、第3カラムC4、C6、C8及びC10は非球面係数を表す。
各表のフォーカシングデータにおいて、f/βは焦点距離又は横倍率、DOは物点距離、D1-2は第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の可変空気間隔、Bfはバックフォーカスを表す。
また以下の表5に、各実施例について、各条件(1)〜(7)におけるパラメータの値を示す。条件(7)のパラメータnn−npの値は、第2レンズ群G2中の接合レンズのうち、物体側から順に存在する接合レンズの個数分だけ示している。
【0024】
【表1】
Figure 0003735909
Figure 0003735909
【0025】
【表2】
Figure 0003735909
Figure 0003735909
【0026】
【表3】
Figure 0003735909
Figure 0003735909
【0027】
【表4】
Figure 0003735909
Figure 0003735909
【0028】
【表5】
Figure 0003735909
【0029】
図2(DO=∞)、図3(β=−0.025)及び図4(β=−0.089)に第1実施例の、図6(DO=∞)、図7(β=−0.025)及び図8(β=−0.09)に第2実施例の、図10(DO=∞)、図11(β=−0.025)及び図12(β=−0.085)に第3実施例の、及び図14(DO=∞)、図15(β=−0.025)及び図16(β=−0.1)に第4実施例の諸収差を示す。球面収差図中、点線は正弦条件を示し、非点収差図中、破線はメリジオナル像面を表し、実線はサジタル像面を示す。各図中FNOはFナンバー、NAは開口数、ωは半画角、HOは近距離撮影時の入射高を表す。
表5及び各収差図より明らかなように、各実施例とも所要のレンズ構成と条件(1)、(2)とを満たすことにより、更には条件(3)〜(7)を満たすことにより、諸収差が良好に補正されたレトロフォーカス型レンズが得られたことが分かる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、FナンバーがF3.5〜F2.8と明るく、画角が2ω=95°〜106°に及ぶ超広角レトロフォーカス型レンズにおいて、小型で前玉径が小さく、かつ合焦時の収差変動が小さく、特に倍率色収差の変動がほとんどなく、合焦時の周辺光量低下もほとんどない、リアフォーカス方式のレトロフォーカス型レンズを実現することができる。
【0031】
なお本発明では、第1レンズ群G1に非球面を導入したが、第2レンズ群G2にさらに非球面を設けて大口径化することも可能である。また各実施例の第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔より明らかなように、最短撮影距離をさらに短縮することもできる。
また本発明では、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とで独立した収差補正および色消しを実現しているため、第2レンズ群G2を第1レンズ群G1の光軸に対してシフトさせたり、フィルム面に対しティルトさせることによって、シフト、ティルトレンズとして発展させることも可能であり、本発明のどの実施例を用いても良好な収差補正を実現することができる。また同様の機構により、いわゆる防振レンズとしても使用可能であり、このような機構を付加した場合も本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成図
【図2】第1実施例の収差図(DO=∞)
【図3】第1実施例の収差図(β=−0.025)
【図4】第1実施例の収差図(β=−0.089)
【図5】第2実施例の構成図
【図6】第2実施例の収差図(DO=∞)
【図7】第2実施例の収差図(β=−0.025)
【図8】第2実施例の収差図(β=−0.09)
【図9】第3実施例の構成図
【図10】第3実施例の収差図(DO=∞)
【図11】第3実施例の収差図(β=−0.025)
【図12】第3実施例の収差図(β=−0.085)
【図13】第4実施例の構成図
【図14】第4実施例の収差図(DO=∞)
【図15】第4実施例の収差図(β=−0.025)
【図16】第4実施例の収差図(β=−0.1)
【符号の説明】
1…第1レンズ群 G2…第2レンズ群
A…負メニスカスレンズB…正レンズ
1-2…第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の間隔
※…非球面 S…開口絞り

Claims (9)

  1. 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、
    前記第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズLAと、該負メニスカスレンズLAよりも像側に配置された正レンズLBとを有し、第1レンズ群G1の各レンズ面のうち少なくとも1面は非球面に形成され、
    無限遠物点から近距離物点への合焦は、前記第2レンズ群G2を物体側に移動することによって行い、前記第1レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間隔は合焦時にのみ変化し、
    全系の焦点距離をfとし、前記第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との焦点距離をそれぞれf1とf2とし、該両レンズ群G1,G2の間の無限遠合焦時の間隔をD1-2としたとき、以下の条件を満足するレトロフォーカス型レンズ。
    0.5≦|f1|/f2≦ 2.4 ‥‥(1)
    0.3≦D1-2/f≦2.5 ‥‥(2)
    1.6≦f 2 /f≦3 ‥‥(3)
  2. 第1レンズ群G1中の前記負メニスカスレンズLAは最も物体側に配置され、
    該負メニスカスレンズLAの焦点距離をfAとしたとき、以下の条件を満足する請求項1記載のレトロフォーカス型レンズ。
    0.1≦fA/f1≦1.0 ‥‥(4)
  3. 第1レンズ群G1中の前記正レンズLBは最も像側に配置され、
    該正レンズLBのd線を基準としたアッベ数をνdとしたとき、以下の条件を満足する請求項1又は2記載のレトロフォーカス型レンズ。
    νd<45 ‥‥(5)
  4. 第1レンズ群G1中の前記正レンズLBは最も像側に配置され、
    該正レンズLBの焦点距離をfBとしたとき、以下の条件を満足する請求項1、2又は3記載のレトロフォーカス型レンズ。
    0.3≦fB/|f1|≦2.0 ‥‥(6)
  5. 前記第2レンズ群G2は、正レンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを少なくとも1組有し、
    該接合レンズの前記正レンズと負レンズとのd線に対する屈折率をそれぞれnpとnnとしたとき、以下の条件を満足する請求項1、2、3又は4記載のレトロフォーカス型レンズ。
    0.15≦nn−np≦0.5 ‥‥(7)
  6. 前記第2レンズ群G2の中に、又は前記第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間に、開口絞りを配置した請求項1〜5のいずれか1項記載のレトロフォーカス型レンズ。
  7. 前記開口絞りは前記第2レンズ群G2の中に配置され、
    該開口絞りを挟んだ前後に、少なくとも各1組の正レンズと負レンズとの接合よりなる接合レンズを配置した請求項6記載のレトロフォーカス型レンズ。
  8. 第1レンズ群G1中の前記負メニスカスレンズLAと正レンズLBとの間に、負レンズを介在させた請求項1〜7のいずれか1項記載のレトロフォーカス型レンズ。
  9. 第1レンズ群G1中の前記負メニスカスレンズLAの像側レンズ面を、前記非球面とした請求項1〜8のいずれか1項記載のレトロフォーカス型レンズ。
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