JP4263331B2 - レジストパターン形成方法、フレームめっき方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜素子又は厚膜素子におけるレジストパターン形成方法、フレームめっき方法及び薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
レジストパターンを形成する場合、その露光に用いる露光マスクの開口部の幅は、得ようとするレジストパターンの開口部の幅以下に設定することが常識であった。例えば、厚さが3μm以上の厚膜によるポジ型レジストの孤立トレンチパターンを形成する場合、そのトレンチに対応する露光マスクのトレンチ開口部の幅(TWM)は、得ようとするレジストトレンチの幅(TWR)に対して、TWM≦TWRと必ず設定されていた。
【0003】
しかしながら、レジストパターンをその上に形成しようとする面に段差がある場合、例えば得ようとするレジストトレンチが段差にまたがっている場合、従来の露光方法によると、段差近傍のレジスト解像度が低下し、トレンチ形状が悪化してしまうという問題があった。なお、本明細書で述べる段差とは、平面に対する段差の立ち上がり角度θが0°<θ<90°の段差であり、その高さは規定しない。また、段差近傍とは、段差からの距離が、形成するレジスト幅又はトレンチ幅の約10倍以下の範囲を指している。
【0004】
図1は、なぜ段差近傍のレジスト解像度が低下してトレンチ形状の悪化が生じるのかを説明するための図であり、同図(A)は平面図、同図(B)はそのB−B線断面図、同図(C)はそのC−C線断面図をそれぞれ示している。
【0005】
これらの図において、10は基板、11は基板10の表面に形成された立ち上がり角度θを有する段差、12は基板10及び段差11上に形成されたポジ型レジスト層、12aは現像により溶解するレジスト感光部、13はトレンチ幅TWRを有するトレンチパターン、14は露光マスク、15は段差11の端縁11aから距離Dだけ離れた段差近傍位置をそれぞれ示している。
【0006】
このように段差11にまたがってレジスト層12にトレンチパターン13を形成する場合、露光マスク14を通過してレジスト層12内へ入った露光光の一部は、段差11の表面で段差11の存在する部分とは反対方向に反射して段差近傍位置15におけるレジスト層12を余分に感光させる。段差近傍位置15におけるレジスト層12は、露光マスク14を介した本来の露光光によっても感光されるため、反射による露光光だけ余分に感光されることとなり、これが段差にまたがった部分のレジスト層の解像度を平坦な表面におけるレジスト解像度より低下させることとなる。また、この反射光の存在によりトレンチパターンが崩れて高精度のレジストパターン形成が難しくなる。
【0007】
一般に、例えば薄膜素子等のマイクロデバイスにおいては、段差の存在する位置近傍に高精度のレジストパターンを形成しなければならないことがしばしばあることから、このようなレジストパターンの形状崩れは大きな問題となる。
【0009】
ポジ型レジストの孤立トレンチパターンを形成する際の解像度及び焦点深度を向上させる目的で、露光マスクにハーフトーン型等の位相シフトマスクを用いることも提案されているが(特開平9−179289号公報、特開平11−305415号公報)、段差にまたがってトレンチパターンを形成する場合及び高反射面上にトレンチパターンを形成する場合には、このような位相シフトマスクは全くその効果が得られない。
【0010】
従って本発明の目的は、段差近傍においてもレジスト解像度の低下を防止でき、高精度のレジストパターンを得ることができるレジストパターン形成方法及びこの方法によって形成したレジストパターンを用いたフレームめっき方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、立ち上がり角度が90°未満の傾斜側面を備えた段差を有する面上に、開口内に傾斜側面が含まれる開口部を有する孤立トレンチパターンのレジストパターンを形成する方法であって、ポジ型レジスト材料によってレジスト層を形成し、露光マスクの開口部の幅(WM、以下マスク幅と称する)と形成すべきレジストパターンの露光マスクの開口部に対応する開口部の底部幅(WR)との比(W M /W R )が115〜200%となる露光マスクを用いると共に比(W M /W R )が100%の場合の露光量より小さい露光量によってレジスト層を露光するレジストパターン形成方法、この方法により形成したレジストパターンをフレームとしてめっきを行なった後、レジストパターンを除去するフレームめっき方法、及びこのフレームめっき方法により磁極を形成する薄膜磁気ヘッドの製造方法が提供される。
【0013】
本発明者の研究によれば、ポジ型レジスト材料は、露光量を小さくするとトレンチ幅が狭くなって最終的にそのレジスト材料の解像度となるまで狭くなるが、その最狭のトレンチ幅は露光マスクのマスク幅に依存しないことが見出された。即ち、このポジ型レジスト材料を用いた場合、レジストパターンの例えばトレンチ等の開口部の底部幅(WR)に対する露光マスクのマスク幅(WM)の比(WM/WR、以下マスクバイアスと称する)を大きくすると、同じ幅のトレンチパターンを形成する際にも必要となる露光量が少なくて済むのである。
【0014】
従って、本発明のように、ポジ型レジスト材料を用いかつマスクバイアスを100%より大きくすることによって、必要とする露光量を減少させることができる。このため、段差によって反射される露光量も減少させることができるから、この反射による段差近傍のレジストパターンへの悪影響を大幅に低減させることができる。また、必要とする露光量が少なくて済むため、露光時間が短縮化されスループットが増大する。
【0015】
比(W M /W R )、即ちマスクバイアスは、好ましくは130〜170%である。
【0017】
レジスト層の膜厚が3μm以上であること、及び/又はレジストパターンの開口部の幅が1μm以下であることが好ましい。
【0018】
ポジ型レジスト材料が、主成分がアルカリ可溶性フェノール樹脂と感光剤との混合物(一般的なポジ型レジスト材料)であるか、主成分が酸触媒反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物、又は樹脂と酸反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物(化学増幅型ポジ型レジスト材料)であるか、又は感光基がノボラック樹脂に直接結合しているレジスト組成物(一体型ポジ型レジスト材料)であることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の一実施形態として薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する工程図であり、磁気ヘッドのトラックの中心を通る平面による断面図及び浮上面(ABS)方向から見た断面図をそれぞれ示している。
【0020】
なお、本実施形態は、インダクティブ記録ヘッド部と磁気抵抗効果(MR)再生ヘッド部とが一体的に積層形成されている複合型薄膜磁気ヘッドの場合である。ただし、本発明が、インダクティブ記録ヘッド部のみが設けられている薄膜磁気ヘッドについても適用可能であることはいうまでもない。
【0021】
まず、AlTiC等のセラミック材料による図示しない基板上に、絶縁層20を積層する。この絶縁層20は、Al2O3、SiO2等の絶縁材料を、スパッタ法等で好ましくは1000〜20000nm程度の層厚に形成する。
【0022】
次いで、その上に下部シールド21用の層を積層し、さらにその上にシールドギャップ用の絶縁層22を積層する。下部シールド21用の層は、FeAiSi、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN、FeZrN、FeTaN、CoZrNb、CoZrTa等の材料を、スパッタ法又はめっき法等で好ましくは200〜5000nm程度の層厚に形成する。シールドギャップ用の絶縁層22は、Al2O3、SiO2等の絶縁材料を、スパッタ法等で好ましくは10〜200nm程度の層厚に形成する。
【0023】
次いで、絶縁層22上のMR素子23を形成し、このMR素子23の両端に電気的に接続されるようにリード導体24を形成する。MR素子23は、磁性体の単層構造としてもよいが、磁性層及び非磁性層を交互に積層した多層構造とすることが好ましい。磁性層の材料としては、NiFe、NiFeRh、FeMn、NiMn、Co、Fe、NiO、NiFeCr等が好ましく、非磁性層の材料としては、Ta、Cu、Ag等が好ましい。また、多層構造として、例えばNiFeRh/Ta/NiFeの三層構造、NiFe/Cu/NiFe/FeMn、NiFe/Cu/Co/FeMn、Cu/Co/Cu/NiFe、Fe/Cr、Co/Cu、Co/Ag等の複数層構造を1ユニットとして複数ユニットを積層した構造としてもよい。多層構造の場合、磁性層の層厚は、0.5〜50nm、特に1〜25nmとすることが好ましく、非磁性層の層厚も、0.5〜50nm、特に1〜25nmとすることが好ましい。上述のユニットの繰り返し積層数は、1〜30回、特に1〜20回が好ましい。MR素子23全体としての層厚は、5〜100nm、特に10〜60nmであることが好ましい。MR素子用の層を積層するには、スパッタ法、めっき法等が用いられる。リード導体24は、W、Cu、Au、Ag、Ta、Mo、CoPt等の導電性材料をスパッタ法、めっき法等で10〜500nm、特に50〜300nm程度の層厚に形成することが好ましい。
【0024】
次いで、MR素子23及びリード導体24上に、シールドギャップ用の絶縁層25を積層する。この絶縁層25は、Al2O3、SiO2等の絶縁材料を、スパッタ法等で、5〜500nm、好ましくは10〜200nm程度の層厚に形成する。
【0025】
以上述べたMR再生ヘッド部の各層は、レジストパターンを用いた一般的なリフトオフ法やミリング法又はこれらを併用した方法でパターニングされる。
【0026】
次いで、MR素子23の上部シールドを兼用する記録ヘッド部の下部磁極26用の磁性層を積層し、その上に記録ギャップ27用の絶縁層を積層する。下部磁極26用の層は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料を、めっき法、スパッタ法等で好ましくは500〜4000nm程度の層厚に形成する。記録ギャップ27用の絶縁層は、Al2O3、SiO2等の材料を、スパッタ法等で、10〜500nm程度の層厚に形成する。
【0027】
その後、記録ギャップ27上に、コイル28及びこのコイル28を取り囲む絶縁層29を形成する。コイル28は、Cu等の導電性材料を、フレームめっき法等で、2000〜5000nm程度の厚さに形成する。絶縁層29は、フォトレジスト材料を熱硬化させて、3000〜20000nm程度の層厚に形成する。
【0028】
以上の工程を経て得た層構造が、図2(A)に示されている。なお、コイル28は、同図に示す用に2層であってもよいし、3層以上であっても、また、単層であってもよい。
【0029】
次いで、図2(B)に示すように、このように形成した絶縁層29上に、ABS側の磁極部と後側のヨーク部とを有する上部磁極30をフレームめっき法で形成する。上部磁極30は、NiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料を、好ましくは3000〜5000nm程度の層厚に形成する。この際、上部磁極30の磁極部のABS側から見た形状が、同図のごとくなるように形成される。
【0030】
以下、このような形状の上部磁極30を形成するためのフレームめっき法について説明する。
【0031】
図3は、本実施形態におけるフレームめっき法による上部磁極の形成工程を説明する工程図である。
【0032】
図3(A)に示す記録ギャップ27上に、図3(B)に示すように、Cu、NiFe、Au等の好ましくはめっきすべき層と同様の成分による金属下地膜31を、10〜500nm程度の膜厚で成膜する。
【0033】
次いで、図3(C)に示すように、金属下地膜31上にポジ型レジスト材料32を塗布し、図3(D)に示すようにレジストパターン33を形成する。本発明の要部であるこのレジストパターン形成工程については、後で詳しく説明する。
【0034】
次いで、図3(E)に示すように、このように形成した被覆層付のレジストパターン33を枠として用いてNiFe、CoFe、CoFeNi、FeN等の軟磁性材料をめっきしてめっき層34を得る。その後、図3(F)に示すように、レジストパターン33を有機溶剤等を用いて剥離する。
【0035】
次いで、図3(G)に示すように、めっき層34をマスクとして用い、レジストパターン除去跡の金属下地膜31をイオンミリング等で除去する。
【0036】
次いで、図3(H)に示すように、めっき層34の残すべき部分の上部及び周囲をレジスト層35で覆う。その後、図3(I)に示すように、ウェットエッチング等で不要な部分のめっき層34及び金属下地膜31を除去し、さらに有機溶剤等を用いて、レジスト層35を剥離することにより、図3(J)に示すような上部磁極30が形成される。
【0037】
次いで、図2(C)に示すように、このようにして形成した上部磁極30をマスクとして、イオンミリング、RIE(反応性イオンエッチング)等のドライエッチングを行い、記録ギャップ27用の絶縁層のマスクに覆われていない部分を除去し、さらに下部磁極26用の磁性層の途中までマスクに覆われていない部分を除去する。
【0038】
これにより、図2(D)に示すように、上部磁極30の下端に、記録ギャップ27を介して対向しかつ同じ幅を有する突出部26aが下部磁極26に形成される。次いで、パッドバンプ等を形成した後、保護層36を積層する。この保護層36は、Al2O3、SiO2等の絶縁材料を、スパッタ法等で、5〜500nm、好ましくは5000〜50000nm程度の層厚に形成する。
【0039】
次に上述したレジストパターンの形成工程について説明する。
【0040】
まず、レジストパターンを作成すべき面上、本実施形態では金属下地膜31上、にポジ型レジスト材料を塗布してレジスト層を形成する。本実施形態では、レジスト層は、膜厚が3μm以上の厚膜である。
【0041】
ポジ型レジスト材料としては、一般的なポジ型レジスト材料、化学増幅型ポジ型レジスト材料又は一体型ポジ型レジスト材料が用いられる。
【0042】
一般的なレジスト材料としては、アルカリ可溶性フェノール樹脂と例えばナフトキノンジアジド等の感光剤との混合物が用いられる。具体的には、例えばクラリアントジャパン社のAZP4000シリーズ、AZ9200シリーズ若しくはAZEXP.1131シリーズ、富士フィルムオーリン社のFMRSシリーズ、東京応化社のTGMRシリーズ等が用いられる。
【0043】
化学増幅型ポジ型レジスト材料としては、主成分が酸触媒反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物、又は樹脂と酸反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物が用いられる。具体的には、例えばクラリアントジャパン社のAZ DXシリーズ、日本合成ゴム(JSR)社のKRFシリーズ、信越化学工業社のSEPRシリーズ、富士フィルムオーリン社のFKRシリーズ、東京応化社のTDURシリーズ、シプレイ社のAPEX−Eシリーズ等が用いられる。
【0044】
一体型ポジ型レジスト材料としては、感光基がノボラック樹脂に直接結合しているレジスト組成物が用いられる。具体的には、下記構造式(1)で示される1又は2以上の繰り返し単位を有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が1000〜10000であるノボラック樹脂の水酸基の水素原子を、水素1原子当たり0.03〜0.27モルの1,2−ナフトキノンジアジドスルホニル基で置換して得たノボラック樹脂を、アルカリ可溶性樹脂及び感光剤として含有するレジスト組成物、
【0045】
【化1】
ただし、式(1)において、nは1〜4の整数、mは0〜3の整数である。
又は、
【0046】
(A)下記構造式(1)で示される繰り返し単位を有し、ポリスチレン換算重量平均分子量が1000〜30000であるノボラック樹脂の水酸基の水素原子の一部を、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル基で置換し、かつ、残りの水酸基の一部の水素原子を下記一般式(2)、(3)又は(4)で示される官能基のうちの1種又は2種以上の置換基で置換した高分子化合物、
【0047】
【化2】
ただし、式(1)において、nは1〜4の整数、mは0〜3の整数であり、式(2)、(3)及び(4)において、Rは炭素数1〜30の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基である。
若しくは、
【0048】
(B)ノボラック樹脂の水酸基の水素原子を、水素1原子当たり0.03〜0.3モルの割合で1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルエステル基で置換し、かつ、残りの水酸基の一部の水素原子を水素1原子当たり0.01〜0.8モルの割合で上記一般式(2)、(3)又は(4)で示される官能基のうちの1種又は2種以上の置換基で置換した(A)の高分子化合物
を含有するレジスト組成物が用いられる。
【0049】
次いで、必要に応じてプリベークを行なった後、所定のマスクパターンを有する露光マスクを用いてこのレジスト層を露光する。本実施形態では、特にこの露光に、レジストフレーム間の底部間隔に対する露光マスクのマスク幅の比(WM/WR、マスクバイアス)が100%より大きい露光マスクが使用される。レジストトレンチを形成する場合には、トレンチの底部幅に対するマスク幅の比(マスクバイアス)が100%より大きい露光マスクが使用される。なお、本実施形態におけるレジストフレームの間隔は、1μm以下である。
【0050】
このマスクバイアスは、好ましくは115〜200%であり、より好ましくは130〜170%である。
【0051】
このようなポジ型レジスト材料を用いた場合、レジストフレーム間隙又はレジストトレンチ等の開口部の底部幅(WR)に対する露光マスクのマスク幅(WM)の比であるマスクバイアス(WM/WR)を大きくすると、同じ幅のレジストフレーム間隙又はレジストトレンチを形成する際にも必要となる露光量が少なくて済む。
【0052】
図4は、0.6μmという一定のレジストフレーム間隔又はレジストトレンチ幅を形成する際に、そのためのマスク幅と必要な露光量との関係について実際に求めた結果を示す特性図である(ただし、マスク幅及び露光量以外の条件は一定とした)。
【0053】
同図から明らかのように、ポジ型レジスト材料を用いかつマスクバイアスを100%より大きくすることによって、必要とする露光量を減少させることができる。このため、段差によって反射される露光量も減少させることができるから、この反射による段差近傍のレジストパターンへの悪影響を大幅に低減させることができる。また、必要とする露光量が少なくて済むため、露光時間が短縮化されスループットが増大する。
【0054】
以上のごとき露光を行なった後、必要に応じて露光後加熱(PEB)を行ない、現像を行なうことにより、図3(D)に示すごときレジストフレーム33が形成される。
【0055】
【実施例】
マスク幅を変えて、孤立トレンチパターンを実際に形成してその形状の良否を判断した。形状の良否判定は、測長SEMにより、収束イオンビーム(FIB)を用いて断面を露出させることにより、レジストトレンチの段差近傍を観察し、トレンチ底部及び上部におけるレジストフレーム部分にパターン崩れがあるか否かで行なった。
【0056】
パターン形成条件は、以下の通りである。基板:NiFe、段差高さ:1.0μm、段差角度θ:25°、レジスト材料:信越化学工業社製SIPR、レジスト層の膜厚:8μm、トレンチ幅:0.6μm、プリベーク:100℃−180秒、露光波長:365nm、NA:0.3、σ:0.3、露光後加熱:110℃−60秒、現像:2.38%TMAH、50秒×8回。
【0057】
マスク幅とトレンチ形状の良否判定結果とが表1に示されている。
【0058】
【表1】
【0059】
表1より、トレンチ幅を0.6μmとした場合、マスク幅が0.7〜1.2μmであれば良好なトレンチ形状が得られ、マスク幅が0.8〜1.0μmであれば非常に良好なトレンチ形状が得られることが分かる。従って、マスクバイアスは、好ましくは115〜200%であり、より好ましくは130〜170%であることとなる。
【0060】
以上の実施形態及び実施例は、レジストフレーム間隔又はレジストトレンチ幅が均一な場合について想定しているが、本発明はレジストフレーム間隔又はレジストトレンチ幅が等幅である場合に限定されるものではなく、いかなる形状の場合であってもその効果が得られるものである。例えば、幅広の部分を有するトレンチパターンのその幅広の部分を段差近傍に形成しようとすると、従来技術では幅広部分が過露光となって現像液が幅の狭い部分に過度に回り込み、その部分のパターン崩れが起き易かったが、本発明ではマスク幅が大きいので必要とする露光量が低減されるから幅広の部分への露光量も少なくなり、そのような不都合が起きにくくなる。
【0061】
なお、上述した実施形態は、薄膜磁気ヘッドの上部磁極を形成するためのフレームめっき処理においてレジストパターンを形成するものであるが、本発明のパターン形成方法は、これに限定されるものではなく、薄膜素子又は厚膜素子におけるいかなるレジストパターンの形成にも適用されるものである。
【0062】
以上述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【0063】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、ポジ型レジスト材料を用いかつマスクバイアスを100%より大きくすることによって、必要とする露光量を減少させることができる。このため、段差によって反射される露光量も減少させることができるから、この反射による段差近傍のレジストパターンへの悪影響を大幅に低減させることができる。また、必要とする露光量が少なくて済むため、露光時間が短縮化されスループットが増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】なぜ段差近傍のレジスト解像度が低下してトレンチ形状の悪化が生じるのかを説明するための図であり、同図(A)は平面図、同図(B)はそのB−B線断面図、同図(C)はそのC−C線断面図をそれぞれ示している。
【図2】本発明の一実施形態として薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する工程図であり、磁気ヘッドのトラックの中心を通る平面による断面図及びABS方向から見た断面図をそれぞれ示している。
【図3】図2の実施形態におけるフレームめっき法による上部磁極の形成工程を説明する工程図である。
【図4】一定のレジストフレーム間隔又はレジストトレンチ幅を形成する際に、そのためのマスク幅と必要な露光量との関係について実際に求めた結果を示す特性図である。
【符号の説明】
20、22、25、29 絶縁層
21 下部シールド
23 MR素子
24 リード導体
26 下部磁極
27 記録ギャップ
28 コイル
30 上部磁極
31 金属下地膜
32 ポジ型レジスト材料
33 レジストパターン
34 めっき層
35 レジスト層
36 保護層
Claims (9)
- 立ち上がり角度が90°未満の傾斜側面を備えた段差を有する面上に、開口内に前記傾斜側面が含まれる開口部を有する孤立トレンチパターンのレジストパターンを形成する方法であって、ポジ型レジスト材料によってレジスト層を形成し、露光マスクの開口部の幅(WM)と前記形成すべきレジストパターンの該露光マスクの開口部に対応する前記開口部の底部幅(WR)との比(W M /W R )が115〜200%となる露光マスクを用いると共に該比(W M /W R )が100%の場合の露光量より小さい露光量によって該レジスト層を露光することを特徴とするレジストパターン形成方法。
- 前記比(WM/WR)が130〜170%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記レジスト層の膜厚が3μm以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記レジストパターンの開口部の幅を1μm以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ポジ型レジスト材料が、主成分がアルカリ可溶性フェノール樹脂と感光剤との混合物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ポジ型レジスト材料が、主成分が酸触媒反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物、又は樹脂と酸反応性官能基を持つ樹脂と酸発生剤との混合物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ポジ型レジスト材料が、感光基がノボラック樹脂に直接結合しているレジスト組成物であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1から7のいずれか1項に記載の方法により形成したレジストパターンをフレームとしてめっきを行なった後、該レジストパターンを除去することを特徴とするフレームめっき方法。
- 請求項8に記載のフレームめっき方法により磁極を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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