JP4262380B2 - 光量測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、試料から発生した微弱な蛍光を測定する光量測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
試料から発生する極めて微弱な光である蛍光を測定するには、蛍光顕微鏡やレーザースキャニング顕微鏡が用いられる。これらは、基本構成として試料に励起光を照射すための照明光学系と、蛍光を検出するための検出光学系を備えている。ところで、一般に励起光を試料に照射して得られる蛍光の光量レベルは極めて低く、蛍光を効率良く検出することは困難であるため、従来、特許第2571859号や特開平11−142335号公報等に開示されているように、試料を透過した励起光を反射面で反射させて、再度試料に照射する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来技術においてミラーがない場合、光検出器に向かう励起光は、試料面で反射された光である。ここで、試料の反射率は数%であるから、光検出器に向かう励起光の強さは入射光の数%である。よって、励起光をカットする光学フィルタを光検出器の前に配置しておけば、励起光を除去することができる。
しかしながら、上記の従来技術のように試料の下にミラーが配置される構成にすると、試料を通過した励起光はミラーで反射されて試料に再び入射した後、対物レンズを通過して光検出器に向かうことになる。通常、ミラーの反射率は80%以上であるため、光検出器に向かう励起光の強さは入射光の数10%になる。従って、たとえ励起光をカットする光学フィルタを光検出器の前に配置したとしても、十分に励起光を除去することは難しくなり、蛍光対励起光のS/Nが悪化するという問題があった。
【0004】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、試料から発生する蛍光を効率良く検出できる光量測定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光量測定装置は、光源と、光源からの励起光を試料に導くための光源光学系と、前記試料から発生した蛍光を集光する対物光学系と、前記試料を挾んで前記対物光学系の反対側に配置され、前記試料から発生した蛍光波長のみを反射する分光特性を有する反射光学系と、前記対物光学系で集光された蛍光を検出する検出光学系を有することを特徴としている。
図1は蛍光のモデルであるが、スライドガラスやメンブレン等の試料保持部材A−2上に試料A−3を付着させ、この試料に励起光A−1を照射した場合に発せられる蛍光A−4は、略点光源となり360゜方向に発散する。励起光に対して極めて強度の弱い蛍光を効率良く検出するには、360゜方向に発散する蛍光をより多く集めて、検出部に導くことが望ましい。そこで、上記の如き構成の反射光学系を用いれば、蛍光を効率良く検出光学系へ集光させることが可能となる。ここで反射光学系の構成としては、次の3つが考えられる。1つは、励起光波長を吸収し蛍光波長を透過する分光特性を有する吸収フィルタと反射光学素子を含む反射光学系。2つ目は、励起波長を透過し蛍光波長を反射する分光特性を有する干渉フィルタを含む反射光学系。3つ目は、前記2つの構成を組合せた反射光学系である。これら、いずれの構成を用いても、励起光を検出光学系へ導くことなしに、蛍光のみを集光することが可能となる。このため、極めてS/N良く効率的に蛍光を検出することが可能である。
【0006】
また、本発明の光量測定装置は、前記対物光学系は対物レンズを有し、前記検出光学系が光検出素子と、負の屈折力を有し前記対物レンズからの射出NAを小さくして前記光検出素子の受光部に入射させるNA変換素子を有することが好ましい。
試料からの蛍光を効率的に検出するにはNAの大きな明るい対物レンズを用いることが望ましい。ところが、光検出素子で検出可能なNAには限界があるため、NAの大きな対物レンズを用いても、蛍光を効率的に検出することはできない。そこで、NA変換素子を用いることが望ましい。NA変換素子を用いて対物光学系の射出NAを前記光検出素子への入射NAよりも大きい構成とすることで、蛍光を効率的に検出することが可能である。
また、NA変換素子としては負の屈折力を有するレンズを用いることが望ましい。負の屈折力のレンズを用いることで、光検出素子への入射NAを小さくすることが可能である。
【0008】
また、本発明の光量測定装置は、前記蛍光波長以外の波長の光を検出するノイズ検出光学系を備えことが好ましい
試料からの微弱な蛍光を検出するには、所望の蛍光以外のノイズ光を十分に除去する必要がある。一般に、完全にクリーンな状態で試料を作製することは困難であり、試料上や試料内部には微小なゴミが混入している。強い励起光を試料に照射すると所望の蛍光が発生すると共に、ゴミによって発生した自家蛍光やゴミによって散乱された励起光が対物光学系に入射することによるノイズが発生し、S/Nを低下させ効率良く蛍光を検出することが困難となる。そこで、所望の蛍光以外の光を検出するノイズ検出手段を備えることが望ましい。このような構成とすれば、所望の蛍光とノイズが混在する蛍光検出光学系の情報から、ノイズ光検出光学系で検出したノイズ情報(ノイズ成分)を差し引くことで、所望の蛍光情報を効率的に検出することが可能となる。
【0009】
本発明の各構成では蛍光をS/N良く検出することが可能であるが、特に、蛍光情報が離散的に分布している試料を用いる場合の試料保持部材A−2として、例えば、図2に示すように、ガラスやプラスチック基板上に蛍光情報を含む試料A−3が離散的に分布しているもの、図3に示すように、ガラスやプラスチック基板に試料を入れる微小な穴Hが離散的に分布しているもの、或いは図4に示すように、濾過紙のような多孔質体で構成されるフィルタ基板に蛍光情報を含む試料A−3が離散的に分布しているものの場合に有効である。
これらは、DNAの解析や反応を調べるために用いるチップであるが、何れも微弱な蛍光をS/N良く測定したいニーズがある。そこで、本発明の構成を用いればこれを達成することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。各実施例において、実質上同一の光学部材には同一符号が付されており、それらについて重複する説明は省略されている。
実施例1
図5は本発明の第1実施例を示している。図中、1はレーザ光源,水銀光源,ハロゲン光源またはキセノン光源等の光源、2は光源1からの照明光を成形する作用を有する光源レンズ、3は励起フィルタ、4は励起光を反射し蛍光を透過させ得るビームスプリッタ、5は対物レンズ、6はスライドガラス7上に載置された試料、8は試料6を衝として対物レンズ5とは反対側に配置された対物レンズ、9は試料から発生した蛍光のみを反射させ励起光やその他の光の反射を防ぐ光学特性を有する、例えばダイクロイック面を有する反射光学素子、10は反射光学素子9を透過した励起光、11は反射光学素子9により反射された蛍光、12は蛍光を検出する検出光学系である。
【0011】
光源1からの照明光は、光源レンズ2により平行光束にされ、励起フィルタ3により所定の励起波長を有する励起光に選択され、ビームスプリッタ4により反射され、対物レンズ5により集光されて、試料6上に照射される。かくして、試料6から発生した蛍光のうちの一方は、対物レンズ5により集光され、ビームスプリッタ4を透過して、検出光学系12により受光される。また、スライドガラス7を透過した試料6からの他方の蛍光は、対物レンズ8により平行光にされ、反射光学素子9により反射され、再度対物レンズ8を透過して試料面に焦点を結んだ後、対物レンズ5により平行にされ、ビームスプリッタ4を透過して、検出光学系12により受光される。この場合、試料6を透過した励起光やその他の光は、反射光学素子9を透過し、対物レンズ8側へは戻らないようになっている。従って、試料6からの蛍光は、検出光学系12によりS/N良く効率的に検出される。
【0012】
本実施例では、軸上光束による照明で発生した蛍光(光軸上から発生した蛍光)は反射光学素子9に対して垂直に入射されるため、反射光学素子9で反射されて再び対物レンズ5に戻る。一方、軸外光束による照明で発生した蛍光(光軸から離れた位置から発生した蛍光)は反射光学素子9に対して斜めに入射するため、反射光学素子9で反射されても再び対物レンズ5に戻らない場合がある。よって、本実施例の構成で試料の蛍光像を得る場合は、照明光を動かさずに試料6即ちスライドガラス7を移動させる(例えば光軸に垂直な方向に2次元走査する)のが好ましい。ただし、反射光学素子9を対物レンズ8の後側焦点位置に配置すると、軸外光束による照明で発生した蛍光は反射光学素子9に対して斜めに入射して反射光学素子9で反射されるが、反射された光は入射時の光路と光軸を挾んで対称であるため、再び対物レンズ5に戻る。よって、このような構成では、試料6を動かさずに励起光を走査することもできる。
【0013】
なお、ビームスプリッタ4は、励起光の戻り光が検出光学系12に入射しノイズ成分となることを防ぐため、ダイクロイックミラーとすることが望ましい。また、上記実施例では、試料6はスライドガラス7上に載置されているものとして説明したが、スライドガラスに代えてメンブレン等を用いることも可能である。また、特に励起光としてレーザ光源を使用した場合、励起光が光軸上付近に強い光強度を持っている場合がある。そこで、反射光学素子9の反射面の中心部(光軸中心)に穴をあけることにより、励起光の戻りを防ぐようにすることも可能である。なお、反射光学素子9の位置では蛍光の光束は広がっており、また光量分布も均一と考えられるため、反射光学素子9の反射面の中心部に穴を開けても蛍光光量の損失は少ない。なお、他の光源でも同様に、上記構成による効果を得ることはできる。
【0014】
実施例2
図6は本発明の第2実施例を示している。この実施例は、図6(a)に示すように反射光学素子9が凹面形状をなしていて、対物レンズ8が除去されている点で第1実施例とは異なる。即ち、本実施例によれば、凹面に図6(b)において符号(9)で示した如き分光透過率特性を有するコーティングを施した反射光学素子9を用いることにより、試料6からの蛍光11のみを反射させて対物レンズ5へ導き、試料6を透過した励起光10やその他の光は反射光学素子9を透過させ、対物レンズ5へは戻らないように構成している。図6(b)において、(10)は励起波長、(11)は蛍光波長である。従って、S/N良く効率的に蛍光を検出することができる。この場合、励起光10は反射光学素子9の内部で吸収されるから、反射光学素子9の凸面側には上記コーティングを施さなくても、略同様の効果を得ることが出来る。また、本実施例では、レンズ作用を有する反射光学素子を用いているので、第1実施例における如く反射光学素子側に対物レンズを用いることなく構成することが可能であり、装置の簡素化の点で有利である。また、特に光量の強くなる反射面の中心部に穴を開けることにより、励起光の戻りを防ぐことも可能である。
本実施例では、軸外光束による照明で発生した蛍光(光軸から離れた位置から発生した蛍光)は再び対物レンズ5に戻らないため、試料6の蛍光像を得る場合は、照明光を動かさずに試料6を移動させるのが好ましい。
【0015】
実施例3
図7は本発明の第3実施例を示している。この実施例は、反射光学素子9がコーナーキューブ形状をなしていて、光線の入射した方向と平行に光線を反射させるようにした点で、既述の実施例の何れとも異なる。本実施例は、反射光学素子の傾きや位置ずれに強い構成となり、アライメントが容易であると云う特徴を有する。また、特に光量の強くなる反射面の中心部に穴を開けることにより、励起光の戻りを防ぐことも可能である。
本実施例では、試料6の蛍光像を得るために照明光を動かさずに試料6を移動する方法、試料6を動かさずに励起光を走査する方法のいずれも用いることができる。
【0016】
実施例4
図8は本発明の第4実施例を示している。この実施例は、励起光の照明光学系が非同軸照明方式である点で第1実施例とは異なる。即ち、本実施例は、励起光を斜め方向から試料6に照射させて、試料面や反射光学素子9からの反射光が対物レンズ5に戻らず、高いS/Nを達成できるようにした点に特徴を有する。なお、本実施例の場合には、反射光学素子9はダイクロイック面である必要がないが、ダイクロイック面とすることも可能である。また、この実施例においては、反射光学素子9として第2実施例に示した凹面形状の反射光学素子を用いることも、第3実施例に示したコーナーキューブ形状の反射光学素子を用いることも出来るが、何れも実質上同様の効果を得ることが可能である。
【0017】
実施例5
図9は本発明の第5実施例を示している。この実施例は、試料6を透過した励起光10が凹面形状をなす反射光学素子9の内部で吸収されるように構成され且つ反射光学素子9の凸面側が蛍光反射面として構成されている(図9(a)参照)点で、図6に示した第2実施例とは異なる。即ち、反射光学素子9の媒質9aは図9(b)に示すように励起波長(10)に対しては透過率の低い分光透過率特性(9a)を有し、励起光10を吸収する作用を持つ。反射光学素子9の媒質9aがこのような分光透過率特性(9a)を有することで、蛍光波長(11)は反射光学素子9の内部を透過するが、励起波長(10)は内部で吸収される。また、反射光学素子9の凸面側は、所望の蛍光波長を反射できるような反射面9bとなっており、アルミなどの蒸着や干渉コートにより作製されている。励起光A−1の照射により試料6の表面から発生した蛍光A−4は対物レンズ5により集光され、また試料6の裏面から発生した蛍光11は反射光学素子9の反射面9bにより反射されて対物レンズ5により集光される。
【0018】
実施例6
図10は本発明の第6実施例を示している。この実施例は、試料6を透過した励起光10が反射光学素子9の内部で吸収されるように構成されている点で、図5に示した第1実施例とは異なる。即ち、反射光学素子9は略平面の反射ミラーで構成されていて、反射面は反射光学素子9の下面側に形成されている。そして、この反射ミラーの媒質は図9(a)において符号(9a)で示された如き分光透過率特性を有している。なお、反射面を反射光学素子9の上面側に形成して、その媒質を図6(b)において符号(9a)で示された如き分光透過率特性を有するように構成すれば、図5に示した第1実施例における如く試料6を透過した励起光10は反射光学素子9を透過し、対物レンズ側に戻ることはない。
【0019】
実施例7
図11は本発明の第7実施例を示している。図中、13は複数の励起フィルタ3を切り替えるための切り替え装置、14は対物レンズ5の位置を調整してオートフォーカスやスキャニングを可能にするための駆動機構、15は試料保持部材7の位置出しを行うための位置センサーやビデオカメラ等の位置出しセンサー、16は上記の各種実施例で説明した反射光学素子9を含む反射光学系、17は試料保持部材7をセットしてその位置を変えることが出来る駆動機構を備えたステージ、18は検出光学系12へ蛍光を導くための集光レンズ、19は光源1,励起フィルタの切り替え装置13,対物レンズの駆動機構14,位置出しセンサー15,ステージ17,検出光学系12を制御し且つ測定した蛍光データを計算することも可能なコンピュータ及びコントローラ、20は蛍光情報を見ることが出来るモニターである。なお、試料保持部材7としては、例えば、図2乃至4に示されたものが使用される。また、本実施例の構成は他の各種実施例の構成と組み合わせて用いることも可能である。
【0020】
実施例8
図12は本発明の第8実施例を示している。図12(a)は試料6からの蛍光を対物レンズ5により、符号A1で示すNA(開口数)で、ラインセンサーやCCDまたはCMD等の1次元あるいは2次元に配列された撮像素子から成る検出部21に集光せしめる様子を示す説明図、図12(b)及び(c)は撮像素子へ入射する光線の様子を示す説明図、図12(d)は撮像素子の前にNA変換素子22を配置した場合の光線の入射の様子を示す説明図である。図中、21aは撮像素子の1画素の受光面、21bは電荷転送部、Lは符号A1で示されるNAの光線を示す。図12(b)に示すように検出部21の受光面21aへの入射NAが大きいと、電荷転送部21bの表面で光線Lが遮られて効率的に蛍光を検出することが困難となる。また、図12(c)に示すように検出部21を移動させて光線Lが電荷転送部21bの表面で遮られないようにしたとしても、今度は電荷転送部21bの内面で遮られてしまう。そこで、図12(d)に示すように、NA変換素子22を用いて検出部21の受光面21aへの入射NAをA2で表わされるように対物レンズ5の射出NAよりも小さくするようにしている。本実施例では、NA変換素子22として負の屈折力を有するマイクロレンズを用いている。また、励起光は、既述の実施例で示したように、対物レンズと同軸あるいは非同軸で照明することが可能である。また、本実施例の構成に加えて、既述の実施例で示したように反射光学素子を用いることも可能である。
【0021】
実施例9
図13は本発明の第9実施例を示している。図13(a)は試料6からの蛍光を対物レンズ5により、A1で示すNAで検出部21に集光させる様子を示す説明図、図13(b)及び(c)は検出部21を拡大して示した互いに異なる構成の説明図である。この実施例は、走査型の光量測定装置に用いることが出来るように構成した点で第8実施例とは異なる。図中、23はNAを変換する負の屈折力のレンズで、検出素子として受光面が単一であるフォトマル(光電子増倍管)等を用いた例である。受光面が単一であるフォトマル等の場合でも、受光面に入射する光線が受光面の前に配置されたケースなどで遮光されてしまう場合がある。そこで、負の屈折力を有するレンズ23を用いてNAを変換することにより、蛍光を効率良く検出することが出来るようにしたものである。また、受光面が単一であるフォトマル等では、受光面の感度のばらつきや強い強度の光が集光した場合に受光面が焼ける問題があることから、光束を太くして受光面へ入射させるようにすることが望ましい。そこで、本実施例における如く、NA変換素子を受光面への光束が太くなるように配置してやることが望ましい。
【0022】
参考例1
図14は本発明に関連する第1参考例を示している。この参考例は、励起光の照射により試料6から発生する蛍光が2つの光路により検出されるように構成されている点で、既述の実施例とは異なる。即ち、第1の光路は、対物レンズ5により集光され、ビームスプリッタ4を透過し、蛍光波長のみを透過させる作用を有する蛍光フィルタ24を通して検出光学系12により検出される光路であり、第2の光路は、スライドガラス7を透過し対物レンズ8により集光された蛍光のみを透過させる作用を有する蛍光フィルタ25を通して検出光学系26により検出される光路である。本参考例では、2つの検出光学系12,26を試料6に対して略対称に配置している。このため、励起光が下側の検出光学系26に直接入射してS/Nを悪化させることを防ぐため、励起光をカットする作用を有する蛍光フィルタ25が対物レンズ8と検出光学系26の間に配置されている。また、ビームスプリッタ4と検出光学系12の間にも励起光をカットする作用を有する蛍光フィルタ24が配置されている。対物レンズ5と8は略等しいNAを有することが望ましく、同じ対物レンズを用いるようにすれば、2種類の対物レンズを製作する必要がないので、装置を安価に作製することが可能となる。
【0023】
参考例2
図15は本発明に関連する第2参考例を示している。この参考例は、検出光学系が1つであるにも拘わらず第1参考例と同等の効果を得ることが出来るように構成されている点で、第1参考例とは異なる。即ち、試料6からの蛍光が対物レンズ5を透過して検出光学系12へ入射する光路と、対物レンズ8を透過し反射光学素子27,28により反射せしめられて検出光学系12へ入射する光路を有するように構成されている。このように、本参考例では、反射光学素子27,28を用いることより、検出光学系と蛍光フィルタを1つずつ用いるだけで済むように構成することができ、安価な装置を提供することが出来る。
【0024】
参考例3
図16は本発明に関連する第3参考例を示している。この参考例は、光源を2つ備え、より明るい励起光を試料6に照射することができ、より明るい蛍光を得ることができるように構成した点で、第1参考例とは異なる。即ち、対物レンズ8と蛍光フィルタ25との間に、光源1と同様な光源29と光源レンズ30と励起フィルタ31と対物レンズ8及びスライドガラス7を介して試料6に励起光を照射するように配置されたビームスプリッタ32から成る第2の照明光学系が設けられている。本参考例によれば、試料6から発生した蛍光は、2つの光路により検出される。第1の光路は、対物レンズ5により集光され、ビームスプリッタ4を透過し、蛍光波長のみを透過させる作用を有する蛍光フィルタ24を通して検出光学系12により検出される光路であり、第2の光路は、対物レンズ8により集光され、ビームスプリッタ32を透過し、蛍光波長のみを透過させる作用を有する蛍光フィルタ25を通して検出光学系26により検出される光路である。このように、本参考例では、対物レンズ及び検出光学系を2つ用いたことにより、効率良く蛍光を検出することが可能であり、また、照明光学系を2つ備えたことにより、強い強度の励起光を試料に照射することが可能となり、効率良く蛍光を検出することが出来る。
【0025】
実施例10
図17は本発明の第10実施例を示している。この実施例は、対物レンズ8と検出光学系26との間に、所望の蛍光以外の波長の光を検出光学系26へ選択透過させ得るノイズ検出フィルタ33が配置されている点で、第7実施例(図14)とは異なる。一般に、試料6に付着しているゴミは、励起光を受けて白色光ノイズ成分を発する。このノイズ成分の中には蛍光波長も含まれていることが多いため、蛍光フィルタ24のみではノイズ成分を完全に除去するとは困難である。このため、本来蛍光を発する物質が存在しない位置にゴミが付着していると、誤認識を起こす結果となる。図17(b),(c),(d),(e)は本実施例の効果のモデルを夫々示しているが、図17(b)は試料中の所望の蛍光を発する物質(イ)とゴミ成分(ロ)であり、図17(c)は検出光学系12により検出される情報であって、(イ),(ロ)何れも検出されている。図17(d)は検出光学系26で検出される情報であり、蛍光波長はノイズ検出フィルタ33でカットされるため、ゴミ成分(ロ)しか検出されない。そこで、図17(c)から図17(d)のゴミ情報を防ぐ処理を施せば、図17(e)に示すように所望の蛍光情報のみを効率的に検出することが出来る。また、ノイズ検出フィルタ33では試料6からの蛍光波長が対物レンズ8側に反射されるため、対物レンズ5を通して検出光学系12で検出することが可能であり、ノイズ検出に加えて効率良く蛍光を検出することが可能である。本実施例においては、第2実施例と同様に、ノイズ検出フィルタ33を凹面形状にすることにより対物レンズ8を省略することができ、また、ノイズ検出フィルタ33を用いる代わりにミラーやプリズムを用いて分光によりゴミ情報を検出するように構成することも出来る。また、所望の蛍光物質とゴミの蛍光寿命が異なる場合は、蛍光寿命の差からゴミ成分を除去するように構成することも可能である。
【0026】
以上説明したように、本発明の光量測定装置は、特許請求の範囲に記載した特徴の他に、下記の特徴を有している。
(1)反射光学素子は実質上平行平板であり、試料からの蛍光を集光して反射光学素子に導く対物レンズを備え、該対物レンズが試料と反射光学素子間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の光量測定装置。
【0027】
(2)反射光学素子は凹面形状であることを特徴とした請求項1に記載の光量測定装置。
【0031】
(3)試料で発生する所望の蛍光波長をカットするノイズ検出フィルタを備え、ノイズ検出光学系にて試料で発生する所望の蛍光以外の光を検出することを特徴とした請求項3に記載の光量測定装置。
【0032】
(4)反射光学素子の媒質が励起波長に対しては透過率の低い分光特性であり、蛍光波長に対しては透過率の高い分光特性であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の光量測定装置。
【0033】
(5)反射光学素子の少なくとも片側の面が、励起波長に対しては透過率の高い分光特性であり、所望の蛍光波長に対しては透過率の低い分光特性であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の光量測定装置。
【0034】
(6)NA変換素子が検出素子の1ピクセルと1対1の関係に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光量測定装置。
【0035】
(7)蛍光情報を含む離散的な試料を測定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の光量測定装置。
【0036】
(8)試料を乗せているステージが移動可能であり、ステージ位置を検出する検出手段を用いたことを特徴とする上記(7)に記載の光量測定装置。
【0037】
(9)蛍光を検出するための対物レンズの位置を変えられるようにしたことを特徴とする上記(7)に記載の光量測定装置。
【0038】
(10)励起光を選択透過させるフィルタが複数配置され、所望のフィルタを選択できる切り替え装置を付加したことを特徴とする上記(7)に記載の光量測定装置。
【0039】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、励起光の照射により試料から発生する蛍光を効率良く検出することの出来る光量測定装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試料に励起光を照射した場合の蛍光の発生状態を示す図である。
【図2】 試料保持部材の一例を示す斜視図である。
【図3】 試料保持部材の他の例を示す斜視図である。
【図4】 試料保持部材の更に他の例を示す斜視図である。
【図5】 本発明に係る光量測定装置の第1実施例を示す図である。
【図6】 本発明に係る光量測定装置の第2実施例の要部を示す図で、(a)は要部構成図、(b)は試料保持部材と励起光と蛍光の分光透過特性を示す線図である。
【図7】 本発明に係る光量測定装置の第3実施例の要部を示す図である。
【図8】 本発明に係る光量測定装置の第4実施例を示す図である。
【図9】 本発明に係る光量測定装置の第5実施例を示す図で、(a)は要部構成を示す図、(b)は試料保持部材の媒質と励起光と蛍光の分光透過率特性を示す線図である。
【図10】 本発明の光量測定装置の第6実施例を示す図である。
【図11】 本発明の光量測定装置の第7実施例を示す図である。
【図12】 本発明に係る光量測定装置の第8実施例を示す図で、(a)は要部構成図、(b)及び(c)は互いに異なる検出部の構成を示す図である。
【図13】 本発明に係る光量測定装置の第9実施例を示す図で、(a)は要部構成図、(b)及び(c)は互いに異なる検出部の構成を示す図である。
【図14】 本発明に係る光量測定装置の第1参考例を示す図である。
【図15】 本発明に係る光量測定装置の第2参考例を示す図である。
【図16】 本発明に係る光量測定装置の第3参考例を示す図である。
【図17】 本発明に係る光量測定装置の第10実施例を示す図である。
【符号の説明】
1,29 光源
2,30 光源レンズ
3,31 励起フィルタ
4,32 ビームスプリッタ
5,8 対物レンズ
6,A−3 試料
7,A−2 スライドガラス(試料保持部材)
9,27,28 反射光学素子
(9) 反射光学素子の表面に施されたコーティングの分光透過率特性
9a 反射光学素子の媒質
(9a) 反射光学素子の媒質の分光透過率特性
9b 反射面
10,A−1 励起光
(10) 励起波長
11,A−4 蛍光
(11) 蛍光波長
12,26 検出光学系
13 励起フィルタの切り替え装置
14 駆動機構
15 位置出しセンサー
16 反射光学系
17 ステージ
18 集光レンズ
19 コンピュータ及びコントローラ
20 モニター
21 検出部
21a 撮像素子の1画素
21b 電荷転送部
22 NA変換素子
23 レンズ
24,25 蛍光フィルタ
33 ノイズ検出フィルタ

Claims (3)

  1. 光源と、光源からの励起光を試料に導くための光源光学系と、前記試料から発生した蛍光を集光する対物光学系と、前記試料を挾んで前記対物光学系の反対側に配置され、前記試料から発生した蛍光波長のみを反射する分光特性を有する反射光学系と、前記対物光学系で集光された蛍光を検出する検出光学系を備える光量測定装置。
  2. 前記対物光学系は対物レンズを有し、前記検出光学系が光検出素子と、負の屈折力を有し前記対物レンズからの射出NAを小さくして前記光検出素子の受光部に入射させるNA変換素子を有する請求項1に記載の光量測定装置。
  3. 前記蛍光波長以外の波長の光を検出するノイズ検出光学系を備えた請求項1に記載の光量測定装置。
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