JP2005140956A - 焦点検出装置および蛍光顕微鏡 - Google Patents

焦点検出装置および蛍光顕微鏡 Download PDF

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【課題】 観察対象物からの蛍光による焦点検出を観察対象物の蛍光観察と同時に行える焦点検出装置および蛍光顕微鏡を提供する。
【解決手段】 蛍光顕微鏡20の対物レンズ26の光軸20a上に配置され、観察対象物25に含まれる蛍光物質を励起可能な所定波長域の光を一部透過して一部反射すると共に、蛍光物質から発生する蛍光を一部透過して一部反射する光学手段15と、焦点検出用の所定波長域の照明光L1を少なくとも光学手段と対物レンズとを介して観察対象物に導く照明手段(11〜14)と、照明光L1により励起された蛍光物質からの蛍光を少なくとも対物レンズと光学手段とを介して受光し、対物レンズと観察対象物との相対的な位置関係に応じた受光信号を出力する受光手段(13,14,16〜18)とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、観察対象物からの蛍光を取り込んで焦点検出を行う焦点検出装置および蛍光顕微鏡に関する。
周知のように、顕微鏡には、所定の結像面(例えばイメージセンサの撮像面)に観察対象物の鮮明な像を形成するため、オートフォーカス機構が組み込まれている。オートフォーカス機構の中で重要な部分は、光学系により結像される像と所定の結像面との位置ずれ(焦点ずれ)を検出するための焦点検出装置である。焦点検出装置としては、観察対象物の像を画像として取り込み、その画像のコントラストに基づいて焦点検出を行う方式が知られている(例えば特許文献1を参照)。
特許第3239343号公報
しかしながら、上記した画像コントラスト方式は、観察対象物から発生する光の光量の影響を受けやすい。このため、蛍光観察時のように観察対象物からの光量が少ないと、焦点検出に膨大な時間を要したり、焦点検出が困難になったりする。そこで、本発明者らは、観察対象物からの光量が少なくても良好に焦点検出を行える装置を提案した(特願2002−100242号)。さらに、この特許出願では、観察対象物からの蛍光による焦点検出と観察対象物の蛍光観察とを別々のタイミングで行うことを提案している。しかし、全体の作業効率を考え、観察対象物を蛍光観察しながら焦点検出を行うことが望まれるようになってきた。
本発明の目的は、観察対象物からの蛍光による焦点検出を観察対象物の蛍光観察と同時に行える焦点検出装置および蛍光顕微鏡を提供することにある。
請求項1に記載の焦点検出装置は、蛍光顕微鏡の対物レンズの光軸上に配置され、観察対象物に含まれる蛍光物質を励起可能な所定波長域の光を一部透過して一部反射すると共に、前記蛍光物質から発生する蛍光を一部透過して一部反射する光学手段と、焦点検出用の前記所定波長域の照明光を少なくとも前記光学手段と前記対物レンズとを介して前記観察対象物に導く照明手段と、前記照明光により励起された前記蛍光物質からの前記蛍光を少なくとも前記対物レンズと前記光学手段とを介して受光し、前記対物レンズと前記観察対象物との相対的な位置関係に応じた受光信号を出力する受光手段とを備えたものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の焦点検出装置において、前記照明手段は、前記照明光を前記光軸に対して斜め方向から前記観察対象物に導き、前記受光手段は、前記対物レンズの焦点位置と共役な面の後方に配された受光面を有し、該受光面に入射する前記蛍光の光量に応じて前記受光信号を出力するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の焦点検出装置において、前記焦点位置と共役な面には、受光視野絞りが配置され、前記受光手段は、前記受光視野絞りを介して前記受光面に入射する前記蛍光の光量に応じて前記受光信号を出力するものである。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の焦点検出装置において、前記照明手段は、前記観察対象物の照明範囲を規定する照明視野絞りを有し、前記照明視野絞りと前記受光視野絞りとは、相似形状である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4の何れか1項に記載の焦点検出装置において、前記光学手段は、1つの光学素子からなり、前記照明手段と前記受光手段とは、前記1つの光学素子を共有している。
請求項6に記載の発明は、蛍光物質で標識された観察対象物の蛍光観察に用いられる蛍光顕微鏡において、対物レンズと、前記対物レンズの光軸上に配置され、前記蛍光物質を励起可能な所定波長域の光を反射して前記蛍光物質から発生する蛍光を透過するダイクロイックミラーと、観察用の前記所定波長域の照明光を少なくとも前記ダイクロイックミラーと前記対物レンズとを介して前記観察対象物に導く観察照明手段と、請求項5に記載の焦点検出装置とを備え、前記焦点検出装置の前記1つの光学素子は、前記対物レンズと前記ダイクロイックミラーとの間に配置されているものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の蛍光顕微鏡において、前記観察照明手段と前記焦点検出装置の前記照明手段とは、前記観察照明手段による前記観察対象物の照明範囲と前記照明手段による前記観察対象物の照明範囲とが重ならないように構成されているものである。
本発明によれば、観察対象物からの蛍光による焦点検出を観察対象物の蛍光観察と同時に行うことができる。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
ここでは、図1に示す通り、蛍光顕微鏡20の観察結像系(26〜28)に組み込まれた焦点検出装置10の例を説明する。蛍光顕微鏡20は、標本25の蛍光観察に用いられる顕微鏡である。標本25(観察対象物)は、例えば、蛍光物質で標識された生物標本(DNAや蛋白質など)である。標本25は、不図示のステージ上に載置され、観察結像系(26〜28)の光軸20aの方向に沿って移動可能である。光軸20aの方向を「z方向」とする。なお、図1には、標本25が観察結像系(26〜28)の焦点位置に一致した状態(合焦状態)を例示している。このときの標本25のZ位置を「合焦位置」という。
第1実施形態の焦点検出装置10の説明に先立って、蛍光顕微鏡20の構成を説明しておく。蛍光顕微鏡20は、観察結像系(26〜28)の他に、2次元撮像素子30と、観察照明系(31〜38)とで構成されている。
観察結像系(26〜28)は、無限遠系の対物レンズ26と、第2対物レンズとして機能する結像レンズ27と、これら対物レンズ26,結像レンズ27の間に配置された波長選択フィルタ28とで構成されている。波長選択フィルタ28は、標本25に含まれる蛍光物質から発生した蛍光(例えば波長520nm〜600nmの光)を選択的に透過する特性を持つ。観察結像系(26〜28)の光軸20aは、対物レンズ26の光軸と一致している。
観察照明系(31〜38)は、光軸30aに沿って、光源31と、レンズ32,33と、開口絞り34と、レンズ35と、照明視野絞り36と、レンズ37と、ダイクロイックミラー38とが順に配置された構成である。また、観察照明系(31〜38)は、その光軸30aが観察結像系(26〜28)の光軸20aに対して略直交する向きで、観察結像系(26〜28)の対物レンズ26と波長選択フィルタ28との間に組み込まれている。このとき、観察照明系(31〜38)のうちダイクロイックミラー38が光軸20a上に配置される。
観察照明系(31〜38)の光源31は、例えば高圧水銀ランプであり、紫外線や可視光線などの観察用の照明光を発生する。照明光は、標本25に含まれる蛍光物質を励起可能な波長域(例えば505nm以下)の光である。光源31からの照明光は、レンズ32,33を介した後、開口絞り34に達する。開口絞り34は、観察結像系(26〜28)の対物レンズ26の瞳面(像側焦点面)と共役な面に配置されている。開口絞り34には、円形状の開口34aが光軸30aに中心を揃えて設けられる。開口34aを通過した照明光は、レンズ35を介した後、照明視野絞り36に達する。
照明視野絞り36は、標本25の合焦位置と共役な面に配置されている。また、照明視野絞り36には、矩形状の開口36aが光軸30aに中心を揃えて設けられる。開口36aを通過した照明光は、レンズ37を介した後、ダイクロイックミラー38に達する。ダイクロイックミラー38は、例えば波長505nm以下の光を選択的に反射して、波長505nm以上の光を選択的に透過する特性を持つ。つまり、光源31からの照明光(標本25の蛍光物質を励起可能な波長域の光)はダイクロイックミラー38で反射され、標本25に含まれる蛍光物質から発生した蛍光はダイクロイックミラー38を透過する。
ここで、上記のように構成された蛍光顕微鏡20のダイクロイックミラー38と対物レンズ26との間(光軸20a上)には、第1実施形態の焦点検出装置10(後述)の平行平面ガラス15が配置されている。平行平面ガラス15は、上記した波長選択フィルタ28やダイクロイックミラー38のような波長選択性を持たず、標本25の蛍光物質を励起可能な波長域の光を一部透過して一部反射すると共に、標本25の蛍光物質から発生する蛍光を一部透過して一部反射する。また、平行平面ガラス15のダイクロイックミラー38側の面には反射防止膜(不図示)が施されている。平行平面ガラス15の対物レンズ26側の面において、反射率は波長に拘わらず約4%であり、透過率は波長に拘わらず約96%である。平行平面ガラス15は、請求項の「光学手段」,「1つの光学素子」に対応する。
上記の構成において、蛍光顕微鏡20の光源31からの照明光(標本25の蛍光物質を励起可能な光)は、レンズ32,33→開口絞り34の開口34a→レンズ35→照明視野絞り36の開口36a→レンズ37を順に通過した後、ダイクロイックミラー38で反射して観察結像系(26〜28)に導かれ、平行平面ガラス15と対物レンズ26を介して標本25に達する(ケーラー照明)。照明光は、対物レンズ26により集光され、標本25に含まれる蛍光物質を励起する。
なお、観察照明系(31〜38)のうち、ダイクロイックミラー38以外の光学素子(31〜37)は、請求項の「観察照明手段」に対応し、観察用の照明光を少なくともダイクロイックミラー38と対物レンズ26とを介して標本25に導く手段である(落射照明系)。
観察照明系(31〜38)による標本25の照明範囲25bは、照明視野絞り36の開口36aと相似形状であり、観察結像系(26〜28)の光軸20aを中心とした矩形状となる。光軸20aは、標本25を蛍光観察する際の視野(観察視野)の中心に相当する。符号26aの円形領域は、対物レンズ26の視野に相当する。標本25に含まれる蛍光物質は、照明範囲25b内で励起され、照明範囲25b内から蛍光を発生する。
標本25の蛍光観察時、合焦状態の標本25から発生した蛍光は、観察結像系(26〜28)の対物レンズ26→焦点検出装置10の平行平面ガラス15→観察照明系(31〜38)のダイクロイックミラー38→観察結像系(26〜28)の波長選択フィルタ28→結像レンズ27を順に通過し、対物レンズ26と結像レンズ27の作用によって、標本25の合焦位置(つまり対物レンズ26の焦点位置)と共役な所定の結像面29に集光される。このとき、所定の結像面29には、標本25の蛍光像が鮮明に形成される。
結像面29には2次元撮像素子30(例えばCCDイメージセンサ)が設置されるため、標本25が合焦状態にあるときには、標本25の鮮明な蛍光像を2次元撮像素子30によって取り込むことができる。第1実施形態では、対物レンズ26と結像レンズ27とによる観察倍率を20倍、対物レンズ26の開口数を0.4とする。
次に、第1実施形態の焦点検出装置10について説明する。焦点検出装置10は、標本25が合焦状態にあるか否かを検出するための装置であり、照明系(11〜13)と受光系(14〜18)とで構成される。照明系(11〜13)は、光軸10aに沿って、光源11と照明視野絞り12とダイクロイックミラー13とが順に配置された構成となっている。受光系(14〜18)は、光軸10bに沿って、上記の平行平面ガラス15と、結像レンズ14と波長選択フィルタ16と受光視野絞り17と光電検出器18とが順に配置された構成となっている。
そして、受光系(14〜18)は、その光軸10bが上記した観察結像系(26〜28)の光軸20aに対して略直交する向きで、観察結像系(26〜28)の対物レンズ26と観察照明系(31〜38)のダイクロイックミラー38との間に組み込まれる。このとき、受光系(14〜18)の平行平面ガラス15が光軸20a上に配置される。照明系(11〜13)は、その光軸10aが受光系(14〜18)の光軸10bに対して略直交する向きで、受光系(14〜18)の結像レンズ14と波長選択フィルタ16との間に組み込まれる。このとき、照明系(11〜13)のダイクロイックミラー13が光軸10b上に配置される。
また、光源11は、小型の半導体レーザーや発光ダイオード(例えば白色LED)などであり、紫外線や可視光線などの焦点検出用の照明光を射出する。焦点検出用の照明光は、上記した観察用の照明光と同様、標本25内の蛍光物質を励起可能な波長域(例えば505nm以下)の光である。この光源11は、照明視野絞り12の開口12aの近傍位置に、照明光の射出方向を光軸10aに対して斜めに向けて設置されている。
照明視野絞り12は、標本25の合焦位置および結像面29と共役な面に配置されている。また、照明視野絞り12には、細長いスリット形状の開口12aが光軸10aから外れた位置に設けられている。開口12aの長手方向は、紙面に垂直である。開口12aの軸外し方向は、開口12aの幅方向と一致している。照明視野絞り12は、光源11からの照明光により、開口12aの幅方向から斜光照明されている。
光源11から射出されて照明視野絞り12の開口12aを通過した照明光L1は、光軸10aに対して斜めの方向に進行し、ダイクロイックミラー13に達する。ダイクロイックミラー13の特性は、観察照明系(31〜38)のダイクロイックミラー38と同じである。このため、照明光L1は、ダイクロイックミラー13で反射した後、受光系(14〜18)の結像レンズ14を介して平行平面ガラス15に入射し、そこで反射した成分が対物レンズ26により集光されて標本25に達する。
すなわち、観察結像系(26〜28)の光軸20aに対して斜め方向から照明光L1を標本25に照射して、標本25を斜光照明する。厳密にいえば、標本25に入射する照明光L1の主光線の方向が光軸20aに対して斜め方向となっている。第1実施形態の焦点検出装置10では、照明視野絞り12の開口12aを通過した後の照明光L1を光軸10aに対して斜めに進行させることにより、標本25の斜光照明を実現している。
さらに、第1実施形態では、照明視野絞り12の開口12aを細長いスリット形状としたため、標本25の照明範囲25aを細長いスリット形状に規定することができる。照明範囲25aの長手方向も、紙面に垂直である。照明範囲25aと照明視野絞り12の開口12aとは、相似形状である。第1実施形態では、照明範囲25aの幅を0.05mmとする。
また、標本25の照明範囲25aの長手方向と、照明範囲25aに入射する照明光L1の主光線の方向とは、互いに直交する。すなわち、標本25は、スリット形状の照明範囲25aの幅方向から斜光照明されたことになる。これは、光源11からの照明光の射出方向を照明視野絞り12の開口12aの幅方向に傾けたからである。
さらに、焦点検出装置10による標本25の照明範囲25aは、観察結像系(26〜28)の光軸20aから外れ、蛍光顕微鏡20による標本25の照明範囲25bと重ならないようになっている。詳細は後述するように、焦点検出装置10による照明範囲25aの位置は、標本25の合焦状態に応じて照明範囲25aの幅方向に変化する。このような照明範囲25aの移動を考慮しても、焦点検出装置10による照明範囲25aが蛍光顕微鏡20による照明範囲25bと重なることはない。これは、照明視野絞り12の開口12aを軸外しの状態で配置したからである。
そして、斜光照明された標本25に含まれる蛍光物質は、照明範囲25a内で励起され、照明範囲25a内から蛍光(以下「焦点検出時の蛍光」という)を発生する。焦点検出時の蛍光は、対物レンズ26を介して平行平面ガラス15に入射し、そこで反射した成分が結像レンズ14に達する。さらに、焦点検出時の蛍光は、ダイクロイックミラー13を透過して波長選択フィルタ16に達する。波長選択フィルタ16の特性は、観察結像系(26〜28)の波長選択フィルタ28と同じである。このため、焦点検出時の蛍光(対物レンズ26と結像レンズ27の作用により集光された蛍光)は、波長選択フィルタ16を透過して、受光視野絞り17に達する。
受光視野絞り17は、標本25の合焦位置および結像面29と共役な面に配置されている。また、受光視野絞り17には、細長いスリット形状の開口17a(詳細は後述する)が光軸10bから外れた位置に設けられている。開口17aの長手方向は、紙面に垂直である。開口17aの軸外し方向は、開口17aの幅方向と一致している。
受光視野絞り17の配置面(標本25の合焦位置と共役な面)には、標本25が合焦状態にあるとき、この標本25の照明範囲25a内から発生した焦点検出時の蛍光が良好に集光される。つまり、標本25の照明範囲25aの鮮明な蛍光像が受光視野絞り17の配置面に形成される。
ここで、受光視野絞り17の開口17aについて具体的に説明する。受光視野絞り17の開口17aは、上記した照明視野絞り12の開口12aと相似形状である。このため、開口17aは、標本25の照明範囲25aと相似形状になり、標本25の照明範囲25aの蛍光像とも相似形状になる。
そして、第1実施形態の焦点検出装置10では、照明範囲25aの蛍光像と大きさが合致するように、受光視野絞り17の開口17aの大きさを定めている。例えば、照明範囲25aの幅を0.05mm、対物レンズ26,結像レンズ14による観察倍率を20倍とすると、照明範囲25aの蛍光像の幅は1mmとなる。この場合には、受光視野絞り17の開口17aの幅も1mmに設定する。
なお、焦点検出装置10では、光源11から標本25へ導かれる照明光L1と、標本25から受光視野絞り17へ導かれる蛍光とが、共通の光学素子(26,14)を通過する。このため、照明視野絞り12の開口12aと受光視野絞り17の開口17aとが同じ大きさの場合に、受光視野絞り17の配置面における標本25の蛍光像を開口17aの大きさと合致させることができる。
したがって、標本25が合焦状態にあるとき、受光視野絞り17の配置面に形成される照明範囲25aの蛍光像は、受光視野絞り17の開口17aと重なり、そのまま開口17aを通過する。受光視野絞り17の開口17aを通過した焦点検出時の蛍光は、光電検出器18に達する。
光電検出器18は、受光視野絞り17の配置面(標本25の合焦位置および結像面29と共役な面)の後方に配された受光面18aを有している。受光面18aの中心は、光軸10bから外れている。受光面18aには、受光視野絞り17の開口17aを通過した後の蛍光による像(ボケた蛍光像)が形成される。そして、光電検出器18は、受光面18aに形成されるボケた蛍光像に応じて受光面18aに入射する光量を一括で検出し、その光量に応じた受光信号を出力する。このような光電検出器18には、例えばフォトマルチプライヤなど、微弱光の検出に適したものを用いることが好ましい。
焦点検出装置10では、対物レンズ26と受光視野絞り17との間に、ダイクロイックミラー13と波長選択フィルタ16とが配置されるため、標本25に対する照明光L1の反射光(ノイズ光)を遮断して、標本25で発生した蛍光のみを光電検出器18に効率良く導くことができる。
上記のように構成された焦点検出装置10のうち、光源11,照明視野絞り12,ダイクロイックミラー13,結像レンズ14は、請求項の「照明手段」に対応し、焦点検出用の照明光L1を少なくとも平行平面ガラス15と対物レンズ26とを介して標本25に導く手段である。また、結像レンズ14,ダイクロイックミラー13,波長選択フィルタ16,受光視野絞り17,光電検出器18は、請求項の「受光手段」に対応し、照明光L1により励起された蛍光物質からの蛍光を少なくとも対物レンズ26と平行平面ガラス15とを介して受光し、対物レンズ26と標本25との相対的な位置関係に応じた受光信号を出力するものである。第1実施形態の焦点検出装置10では、「照明手段」を構成する光学系(11〜14)と「受光手段」を構成する光学系(13,14,16〜18)とが、光軸20a上の平行平面ガラス15を共有している。
次に、第1実施形態の焦点検出装置10における焦点検出の原理について、図2,図3を用いて説明する。
図2には、原理説明に必要な部分(標本25,対物レンズ26,結像レンズ14,受光視野絞り17,光電検出器18)のみを示している。また、図2(a)はいわゆる前ピン状態、図2(b)は合焦状態、図2(c)はいわゆる後ピン状態を示したものである。図3は、標本25と対物レンズ26との光軸方向の距離(Z位置)が変化したときに、光電検出器18によって検出される光量の変化を示したものである。
図2(b)に示す合焦状態のとき、標本25の照明範囲25aの蛍光像は、受光視野絞り17の開口17aと重なる位置に形成される。そして、蛍光像の形成に関わる全ての蛍光が、そのまま開口17aを通過する。このため、光電検出器18によって検出される光量は、最大となる。
一方、図2(a)に示す前ピン状態のとき、標本25の照明範囲25aは図中左方に移動する。これは、標本25が図中左方から斜光照明されているからである。このとき、標本25の照明範囲25aの蛍光像は、受光視野絞り17の開口17aから外れ、図中右方に位置する。このため、蛍光像の形成に関わる蛍光は、開口17aを通過することができず、光電検出器18によって検出される光量は、ほぼ零となる。
逆に、図2(c)に示す後ピン状態のとき、標本25の照明範囲25aは図中右方に移動する。これは、標本25が図中左方から斜光照明されているからである。このとき、標本25の照明範囲25aの蛍光像は、受光視野絞り17の開口17aから外れ、図中左方に位置する。このため、蛍光像の形成に関わる蛍光は、開口17aを通過することができず、光電検出器18によって検出される光量は、ほぼ零となる。
このように、第1実施形態の焦点検出装置10では、標本25をZ方向に移動させると、標本25の照明範囲25aがその幅方向(図中左右方向)に移動し、照明範囲25aの蛍光像もその幅方向(図中左右方向)つまり受光視野絞り17の開口17aの幅方向に移動する。そして、蛍光像のうち開口17aとの重なり部分の面積が変化する。後段の光電検出器18に達するのは、重なり部分を通過した焦点検出時の蛍光であり、そこでの検出光量は重なり部分の面積に比例する。
したがって、第1実施形態の焦点検出装置10では、標本25をZ方向に移動させながら、光電検出器18から出力される受光信号(∝検出光量)を監視することにより、焦点検出を行うことができる。そして、光電検出器18による検出光量が最大となったところ(図3の位置Zb)が、標本25の合焦位置と判断される。
なお、上記した第1実施形態の焦点検出装置10では、対物レンズ26と結像レンズ14とによる観察倍率を20倍としたので、標本25の位置が光軸方向に0.01mmだけ移動すると、照明範囲25aの蛍光像の位置は、受光視野絞り17の配置面上で横方向に0.2mmずれることになる。
また、受光視野絞り17の開口17aの幅は1mmであるため、照明範囲25aの蛍光像が開口17aの幅方向(横方向)に0.2mmずれると、光電検出器18による検出光量は20%ほど変化することになる。このため、標本15が例えば生物標本のように0.05mm程度の厚みを持つ場合でも、光電検出器18による検出光量を監視することで、必要十分な焦点検出を行うことができる。
上述したように、第1実施形態の焦点検出装置10によれば、標本25の蛍光像の光量変化を監視することにより焦点検出を行うため、標本25の蛍光観察時のように、標本25からの光量が微弱であっても、短時間で良好に焦点検出を行うことができる。また、標本25をZ方向に移動させながら光電検出器18による検出光量を監視し、この検出光量が最大となったか否かを判断するような制御装置との組み合わせにより、標本25からの光量が微弱であっても、極めて精度の高いオートフォーカスを実行することができる。
さらに、第1実施形態の焦点検出装置10によれば、対物レンズ26の光軸20a上の平行平面ガラス15を介して、焦点検出用の照明光L1を標本25に導くと共に、照明光L1により標本25から発生した蛍光を受光するため、標本20aの蛍光観察と同時に焦点検出を行うことができる。つまり、焦点検出を高速に行うことができる。その結果、全体の作業効率が向上する。さらに、照明用と受光用とで1つの平行平面ガラス15を共有するため、焦点検出時と蛍光観察時の光量低下を最小限に抑えられ、構成も簡単化する。
また、第1実施形態の焦点検出装置10によれば、標本25の焦点検出用の照明範囲25aと蛍光観察用の照明範囲25bとが互いに重なることはないため、照明範囲25aから発生した焦点検出用の蛍光が2次元撮像素子30に入射する事態は起きない。したがって、標本20aの蛍光観察と同時に焦点検出を行う場合でも、良好な観察画像を取り込むことができる。また、蛍光観察用の照明範囲25bでの照明光L1による退色を確実に防止できる。逆に、照明範囲25bから発生した観察用の蛍光は、一部が平行平面ガラス15で反射して焦点検出装置10の側に導かれるが、受光視野絞り17の開口17a以外の箇所で遮断される。このため、標本20aの蛍光観察と同時に良好な焦点検出を行うことができる。
さらに、上記した第1実施形態の焦点検出装置10では、標本25の照明範囲25aをスリット形状としたので、標本25に含まれる蛍光物質がまばらに分布している場合でも、光電検出器18による検出光量を確保することができ、短時間で良好に焦点検出を行うことができる。この場合には、標本25の照明範囲25a内で平均化された合焦位置が得られる。
また、上記した第1実施形態の焦点検出装置10では、標本25の合焦位置と共役な面に受光視野絞り17を設けたので、対物レンズ26を交換して標本25の観察倍率を変えたときのように、受光視野絞り17の配置面における蛍光像(標本25の照明範囲25aに対応)の大きさが変化しても、これに応じて受光視野絞り17の開口17aの大きさを変えることができる。つまり、観察倍率を変更しても、蛍光像と開口17aの大きさを合致させることができ、上記と同様の焦点検出を短時間で良好に行うことができる。
さらに、第1実施形態の焦点検出装置10では、受光視野絞り17の配置面における蛍光像と開口17aの大きさを合致させるため、合焦状態の近傍でも光電検出器18による検出光量の変化を容易に捉えることができ、効率良く焦点検出を行える。
(第2実施形態)
ここでは、図4に示す通り、蛍光顕微鏡20の観察結像系(26〜28)に組み込まれた焦点検出装置60の例を説明する。蛍光顕微鏡20の構成については第1実施形態(図1)で説明したため、ここでの説明を省略する。なお、図4の蛍光顕微鏡20で図示した波長選択フィルタ39は、光源31からの照明光(例えば波長505nm以下の光)を選択的に透過する特性を持つ。
第2実施形態の焦点検出装置60には、平行平面ガラス15と、結像レンズ14と、視野絞り61と、結像レンズ62と、ダイクロイックミラー63と、波長選択フィルタ64と、光電検出器18と、光源65とが設けられている。このうち平行平面ガラス15,結像レンズ14,光電検出器18の説明は既に行ったため、ここでの説明を省略する。ダイクロイックミラー63と波長選択フィルタ64の機能、および光源65の構成も、上記の光学素子(13,16,11)と同じであり、ここでの説明を省略する。
焦点検出装置60の特徴は、標本25の合焦位置および結像面29と共役な面に、視野絞り61を設けた点にある。視野絞り61は、図1の照明視野絞り12と受光視野絞り17の機能を兼ね備えたものである。つまり、焦点検出装置60は、照明視野絞り12と受光視野絞り17とを共通の光学素子(視野絞り61)にて構成した点を特徴とする。視野絞り61には、光軸10bから外れた位置に細長いスリット形状の開口61aが設けられている。開口61aの長手方向は、紙面に垂直である。
また、このような視野絞り61の配置を実現するために、焦点検出装置60の照明手段(65,63〜61,14)と受光手段(14,61〜64,18)とは、標本25の合焦位置および結像面29と共役な面から標本25までの間に配置された光学素子(14,15,26)が共通となっている。
視野絞り61と光電検出器18との間で順に配置された光学素子(62〜64)は、光源65からの照明光を光軸10bに対して斜めの方向に進行させながら視野絞り61に導く(照明光L3参照)と共に、視野絞り61の開口61aを通過した焦点検出時の蛍光を効率良く光電検出器18に導くためのものである。
視野絞り61の開口61aを通過した後の照明光L3も、光軸10bに対して斜めの方向に進行し、結像レンズ14を介した後、平行平面ガラス15で反射して、対物レンズ26を介して標本25に達する。すなわち、標本25を斜光照明する。このとき、標本25は、スリット形状の照明範囲25aの幅方向から斜光照明されたことになる。
斜光照明された標本25は、照明範囲25a内から蛍光を発生する。この蛍光は、対物レンズ26を介した後、平行平面ガラス15で反射し、結像レンズ14を介して視野絞り61に達する。視野絞り61の配置面には標本25の照明範囲25aの蛍光像が形成される。蛍光像の大きさは視野絞り61の開口61aの大きさに合致している。そして、視野絞り61の開口61aを通過した蛍光は、結像レンズ62とダイクロイックミラー63と波長選択フィルタ64を透過した後、光電検出器18に入射する。
第2実施形態の焦点検出装置60における焦点検出の原理も、前述した焦点検出装置10と同様である(図2,図3参照)。標本25をZ方向に移動させると、標本25の照明範囲25aの蛍光像がその幅方向(つまり視野絞り61の開口61aの幅方向,紙面に対して上下方向)に移動する。そして、蛍光像のうち開口61aとの重なり部分の面積が変化する。後段の光電検出器18による検出光量は、重なり部分の面積に比例する。
したがって、標本25をZ方向に移動させながら、光電検出器18によって検出される光量を監視することにより、焦点検出を行うことができる。そして、光電検出器18による検出光量が最大となったところ(図3の位置Zb)が、標本25の合焦位置と判断される。
このように、第2実施形態の焦点検出装置60でも、標本25の蛍光像の光量変化を監視することにより焦点検出を行うため、標本25の蛍光観察時のように、標本25からの光量が微弱であっても、短時間で良好に焦点検出を行うことができる。
さらに、第2実施形態の焦点検出装置60によれば、対物レンズ26の光軸20a上の平行平面ガラス15を介して、焦点検出用の照明光L1を標本25に導くと共に、照明光L1により標本25から発生した蛍光を受光するため、標本20aの蛍光観察と同時に焦点検出を行うことができる。つまり、焦点検出を高速に行うことができる。その結果、全体の作業効率が向上する。さらに、照明用と受光用とで1つの平行平面ガラス15を共有するため、焦点検出時と蛍光観察時の光量低下を最小限に抑えられ、構成も簡単化する。
また、第2実施形態の焦点検出装置60によれば、標本25の焦点検出用の照明範囲25aと蛍光観察用の照明範囲25bとが互いに重なることはないため、標本20aの蛍光観察と同時に焦点検出を行う場合でも、良好な観察画像を取り込むことができる。また、蛍光観察用の照明範囲25bでの照明光L1による退色を確実に防止できる。逆に、照明範囲25bから発生した観察用の蛍光は、一部が平行平面ガラス15で反射して焦点検出装置10の側に導かれるが、受光視野絞り17の開口17a以外の箇所で遮断される。このため、標本20aの蛍光観察と同時に良好な焦点検出を行うことができる。
さらに、第2実施形態の焦点検出装置60では、視野絞り61が照明視野絞りと受光視野絞りの機能を兼ね備えるため、照明視野絞りと受光視野絞りの中心を一致させる調整作業が不要となる。その結果、装置の調整を簡略化できると共に、合焦精度の高い焦点検出を行うことができる。
(変形例)
なお、上記した実施形態では、焦点検出装置10,60の照明用と受光用とで1つの平行平面ガラス15を共有する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。照明用の平行平面ガラスと受光用の平行平面ガラスとを別々に設けた場合にも、本発明を適用できる。この場合、2つの平行平面ガラスが、請求項の「光学手段」に対応する。また、照明用の平行平面ガラスは、光軸20a上の対物レンズ26とダイクロイックミラー38との間に配置する必要がある。これに対し、受光用の平行平面ガラスの配置は、対物レンズ26とダイクロイックミラー38との間でも構わないし、ダイクロイックミラー38より像側でも構わない。
また、上記した実施形態では、平行平面ガラス15のダイクロイックミラー38側の面に反射防止膜を施したが、対物レンズ26側の面に同様の反射防止膜を施してもよい。ただし、ダイクロイックミラー38側の面に施した方が、蛍光顕微鏡への焦点検出装置の組み込みが容易になるため好ましい。
さらに、上記した実施形態では、対物レンズ26の光軸20a上に平行平面ガラス15を配置したが、本発明はこれに限定されない。平行平面ガラス15に代えて、ハーフミラー(半透鏡)を用いても同様の効果を得ることができる。ハーフミラーとは、平行平面ガラスの一方の面に反射膜(例えば反射率は波長に拘わらず10%〜20%)を形成し、他方の面に反射防止膜を形成したものである。反射膜の形成面を対物レンズ26側とした方が、蛍光顕微鏡への焦点検出装置の組み込みが容易になるため好ましい。しかし、反射膜の形成面をダイクロイックミラー38側としても構わない。
対物レンズ26の光軸20a上に焦点検出装置のためのハーフミラーを配置する場合、ハーフミラーの反射率が10%〜20%であれば、焦点検出用の照明光L1を効率良く標本25に導くことができ、焦点検出の精度が向上する。また、ハーフミラーの透過率は90%〜80%となり、蛍光観察用の照明光と蛍光の利用効率は低下するが、照明光の透過率(90%〜80%)と蛍光の透過率(90%〜80%)との掛け算により、2次元撮像素子30に入射する蛍光として81%〜64%の光量を確保でき、実用上問題はない。
また、上記した実施形態では、平行平面ガラス,ハーフミラーの一方の面に反射防止膜を形成したが、反射防止膜を省略してもよい。この場合、平行平面ガラス,ハーフミラーの2つの面を厳密に平行なものとすることが好ましい。2つの面が厳密に平行であれば、各々の面で反射した照明光は標本25上の1点に集光する。このため、焦点検出の精度が低下することはない。
本発明の焦点検出装置を蛍光顕微鏡に組み込むための光学手段としては、平行平面ガラスやハーフミラーに限らず、標本25の蛍光物質を励起可能な波長域の光を一部透過して一部反射すると共に、標本25の蛍光物質から発生する蛍光を一部透過して一部反射するものであれば何でも用いることができる。光学手段の反射率は、3%以上20%以下が好ましい。
さらに、上記した実施形態では、焦点検出用の照明範囲25aを蛍光観察用の照明範囲25bの左側(図1参照)に位置付けたが、照明範囲25bの右側に位置付けてもよい。
また、上記した実施形態では、焦点検出用の照明範囲25aと蛍光観察用の照明範囲25bとが重ならないようにしたが、照明範囲25a,25bが重なる場合にも、本発明を適用できる。この場合、視野中心での高精度な焦点検出を行うことができる。焦点検出装置に駆動部を設け、焦点検出用の照明範囲25aの位置を変化させ、蛍光観察用の照明範囲25bに重なった状態と重ならない状態とを切り換えてもよい。照明光L1による不要な退色を防止するため、2次元撮像素子による蛍光画像の取り込み時以外は、照明光L1をシャッタにより遮断したり、光源11を消灯したりすることが好ましい。
さらに、上記した実施形態では、焦点検出装置の照明視野絞り12,受光視野絞り17(または視野絞り61)の開口をスリット形状としたが、小さい円形状(スポット形状)としても良い。この場合、標本25の照明範囲も小さい円形状となる。その結果、標本25の合焦位置を絞り込むことができ、観察対象の位置を特定することができる。
また、上記した実施形態では、受光視野絞り17の配置面における蛍光像(照明範囲25aに対応)と開口17aの大きさを合致させる例を説明したが、蛍光像と開口17aの大きさが異なる場合にも本発明を適用できる。同様に、視野絞り61の開口61aと蛍光像の大きさが異なる場合にも本発明を適用できる。
さらに、上記した実施形態では、焦点検出装置に受光視野絞り17を設けたが、蛍光顕微鏡20の対物レンズ26が固定されている場合には、受光視野絞り17を省略できる。
また、上記した実施形態では、受光面に入射する蛍光の光量を一括で検出する光電検出器の例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、蛍光の光量を分割して検出し、後段の信号処理系で総和を取る構成が考えられる。
さらに、上記した実施形態では、標本25をZ方向に移動させながら光電検出器18による検出光量を監視し(図3)、検出光量が最大となったところ(位置Zb)を標本25の合焦位置と判断する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。標本25をZ方向に移動させると、その移動量に比例して標本25の照明範囲25aの蛍光像と開口17a(スリット形状)との重なり部分の面積が変化し、この面積に比例して光電検出器18よる検出光量が変化する。つまり検出光量は、標本25の合焦位置より前ピン側と後ピン側との各々で、標本25の移動量に比例して一次関数的に増減する。最大の検出光量は、合焦位置のときである。このため、合焦位置より前ピン側の検出光量と標本25のZ位置との関係を直線で近似し、同様に、後ピン側の検出光量とZ位置との関係を直線で近似し、得られた2直線の交点を求めることにより、標本25の合焦位置を算出することができる。
また、上記した実施形態では、焦点検出時に標本25を斜光照明する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。標本25に対して光軸20aに平行な照明光を導くことにより焦点検出を行う場合にも本発明を適用できる。
第1実施形態の焦点検出装置10と蛍光顕微鏡20の全体構成を示す図である。 焦点検出装置10における焦点検出の原理を説明する図である。 焦点検出装置10における焦点検出の原理を説明する図である。 第2実施形態の焦点検出装置60と蛍光顕微鏡20の全体構成を示す図である。
符号の説明
10,60 焦点検出装置
11,31,65 光源
12,36 照明視野絞り
13,38,63 ダイクロイックミラー
14,27,62 結像レンズ
15 平行平面ガラス
16,28,39,64 波長選択フィルタ
17 受光視野絞り
18 光電検出器
25 標本
26 対物レンズ
29 結像面
30 2次元撮像素子
32,33,35,37 レンズ
34 開口絞り
61 視野絞り

Claims (7)

  1. 蛍光顕微鏡の対物レンズの光軸上に配置され、観察対象物に含まれる蛍光物質を励起可能な所定波長域の光を一部透過して一部反射すると共に、前記蛍光物質から発生する蛍光を一部透過して一部反射する光学手段と、
    焦点検出用の前記所定波長域の照明光を少なくとも前記光学手段と前記対物レンズとを介して前記観察対象物に導く照明手段と、
    前記照明光により励起された前記蛍光物質からの前記蛍光を少なくとも前記対物レンズと前記光学手段とを介して受光し、前記対物レンズと前記観察対象物との相対的な位置関係に応じた受光信号を出力する受光手段とを備えた
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  2. 請求項1に記載の焦点検出装置において、
    前記照明手段は、前記照明光を前記光軸に対して斜め方向から前記観察対象物に導き、
    前記受光手段は、前記対物レンズの焦点位置と共役な面の後方に配された受光面を有し、該受光面に入射する前記蛍光の光量に応じて前記受光信号を出力する
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  3. 請求項2に記載の焦点検出装置において、
    前記焦点位置と共役な面には、受光視野絞りが配置され、
    前記受光手段は、前記受光視野絞りを介して前記受光面に入射する前記蛍光の光量に応じて前記受光信号を出力する
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  4. 請求項3に記載の焦点検出装置において、
    前記照明手段は、前記観察対象物の照明範囲を規定する照明視野絞りを有し、
    前記照明視野絞りと前記受光視野絞りとは、相似形状である
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の焦点検出装置において、
    前記光学手段は、1つの光学素子からなり、
    前記照明手段と前記受光手段とは、前記1つの光学素子を共有している
    ことを特徴とする焦点検出装置。
  6. 蛍光物質で標識された観察対象物の蛍光観察に用いられる蛍光顕微鏡において、
    対物レンズと、
    前記対物レンズの光軸上に配置され、前記蛍光物質を励起可能な所定波長域の光を反射して前記蛍光物質から発生する蛍光を透過するダイクロイックミラーと、
    観察用の前記所定波長域の照明光を少なくとも前記ダイクロイックミラーと前記対物レンズとを介して前記観察対象物に導く観察照明手段と、
    請求項5に記載の焦点検出装置とを備え、
    前記焦点検出装置の前記1つの光学素子は、前記対物レンズと前記ダイクロイックミラーとの間に配置されている
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡。
  7. 請求項6に記載の蛍光顕微鏡において、
    前記観察照明手段と前記焦点検出装置の前記照明手段とは、前記観察照明手段による前記観察対象物の照明範囲と前記照明手段による前記観察対象物の照明範囲とが重ならないように構成されている
    ことを特徴とする蛍光顕微鏡。
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