JP4261392B2 - コンテナ荷役車輌の操作装置 - Google Patents

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本発明は、コンテナを車体上と地上との間で積降ろすとともに、車体上において後方に傾動させる荷役装置を備えたコンテナ荷役車輌に関し、具体的には荷役装置を操作する操作装置に関する。
従来、荷役装置の先端に設けたフックをコンテナの係合ピンに係合させ、荷役装置の作動によりコンテナを地上から車体上に積み込むとともに、この逆の動作でコンテナを車体上から地上に降ろし、また、上記荷役装置の作動によりコンテナを車体上において後方に傾動させるようにしたコンテナ荷役車輌が提供されている。
ところで、このように荷役装置を作動させるのは作業者が運転室内などに設けられた有線式の操作装置を操作することによって行われていた(例えば、特許文献1参照。)。
実用新案登録第2525461号公報
しかしながら、操作装置が有線式のものでは操作できる範囲が自ずと規制されるとともに、接続ケーブルが運転室内などにおいて他の機器に絡まったりして使い勝手が悪いという問題があった。
そこで、無線式の操作装置が要望されていたが、仮に操作装置を無線式にした場合には次のような新たな問題が生じていた。
即ち、操作装置にはコンテナの積降ろし動作を行うための「上」用と「下」用との2つの操作スイッチと、傾動(ダンプ)動作を行うための「上」用と「下」用との2つの操作スイッチ、つまり合計4つの操作スイッチが必要である。このように4つの操作スイッチにより無線操作を行おうとした場合には、操作装置とこの操作装置からの操作信号を受信する受信装置とが共に高価になるとともに、作業者が直接操作する操作装置が大型になり持ち運びに適さなく操作性が悪い。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無線式の操作装置を採用した場合においても操作スイッチの数を極力少なくして安価で持ち運びに便利で操作性のよいコンパクトなコンテナ荷役車輌の操作装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明のコンテナ荷役車輌の操作装置は、コンテナを車体上と地上との間で積降ろす積降ろし動作と、コンテナを車体上において後方に傾動させるダンプ動作とが、車体に搭載された荷役装置の作動によって行われるように構成されたコンテナ荷役車輌において、前記荷役装置を操作する無線式の操作装置が設けられるとともに、車輌側にコンテナの積降ろし動作とダンプ動作とに切り替える切替スイッチが設けられ、操作装置には、切替スイッチの切替操作に基づいて、積降ろし動作を選択した時にはコンテナを地上から車体上に引き上げて積込み、ダンプ動作を選択した時にはコンテナを上方に傾動させる上スイッチと、切替スイッチの切替操作に基づいて、積降ろし動作を選択した時にはコンテナを車体上から地上に降ろし、ダンプ動作を選択した時にはコンテナを下方に伏倒させる下スイッチとが配設されたことを特徴とするものである。
請求項に係る発明のコンテナ荷役車輌の操作装置は、前記操作装置と共に有線式の第2操作装置が併設されたものである。
請求項に係る発明のコンテナ荷役車輌の操作装置は、前記操作装置もしくは第2操作装置に設けられた各スイッチを同時に操作した場合に、この操作を無効にする同時操作無効手段が備えられたものである。
請求項に係る発明のコンテナ荷役車輌の操作装置は、先に操作した操作装置もしくは第2操作装置の操作を優先させる優先操作手段が備えられたものである。
本発明によれば、無線式の操作装置を用いて作業者が運転室内やその周辺など作業し易い場所に手軽に移動して操作を行うことができ操作性の向上を図ることができる。また、操作スイッチを極力少なくして安価で持ち運びに便利なコンパクトなものにすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はコンテナを搭載したコンテナ荷役車輌を示している。
このコンテナ荷役車輌は、その車体1にコンテナCを積降ろすとともに、コンテナC内の積載物を排出するための荷役装置2が設けられている。
荷役装置2は、コンテナCが搭載された状態において水平に配置されるアウタアーム21と、同状態において垂直に配置された垂直部22bを有し、全体としてL字状に形成された伸縮アーム22とを備えている。
アウタアーム21は、車体1の後部に回動自在に支持されたダンプフレーム2aを介してその後端部が回動自在に支持されている。
伸縮アーム22は、前記アウタアーム21内に挿入された水平部22aと、この水平部22aの前端部から立設された垂直部22bとで略L字状に形成されており、水平部22aが図示しない伸縮シリンダによりアウタアーム21に対して長手方向に伸縮自在になされている。
垂直部22bは、その先端にコンテナCに設けられた係合ピンC1と係脱自在なフック23が設けられている。
また、前記アウタアーム21と車体1との間には、起伏シリンダ24(図3乃至図5参照)が連設されており、この起伏シリンダ24の伸縮動作により荷役装置2がその後端部を中心にして前後方向に回動自在に構成されている。
コンテナCは、上面が開放された開放式のものや、上面も閉じられた密閉式のものなどが用いられ、後壁が積載物を排出可能なように開閉自在になされている。また、前壁上部に前記係合ピンC1が設けられるとともに、底面前部に支持脚C2が、底面後部に支持ローラC3が設けられている。
さらに、車体1の後端部には、コンテナCを当該車体1と地上との間で円滑に積降ろすためのローラ11が設けられている。
そして、このコンテナ荷役車輌によるコンテナCの積降ろし動作は、まず、図1に示すようにコンテナCを搭載した状態で、図2に示すように伸縮シリンダにより伸縮アーム22の水平部22aをアウタアーム21に対して縮退させ、車体1上のコンテナCを後方に所定長さスライドさせる。この後、図3に示すように起伏シリンダ24によりアウタアーム21を伸縮アーム22と共に上方に回動させてコンテナCを傾動させる。これによりコンテナCを図4に示すように車体1上から地上に降ろすことができる。また、上述と逆の動作により地上のコンテナCを車体1上に積込むことができる。
一方、コンテナC内に積載された積載物の排出を行うダンプ動作は、コンテナCを車体1上に積込んだ状態で、図示しない固縛装置によりアウタアーム21とダンプフレーム2aとを一体的に固縛し、伸縮アーム22をアウタアーム21に対して縮退させることなく、図5に示すように荷役装置2全体を上方に回動させてコンテナCを傾動させることで、このコンテナC内の積載物を開放した後壁から外部に排出する。
ところで、このコンテナ荷役車輌では、上述した荷役装置2の作動を本発明の主要部をなす図6に示すような無線式の操作装置3からの操作信号に基づいて制御部4によって行っている。
操作装置3は、切替スイッチ31と、操作スイッチとしての上スイッチ32及び下スイッチ33とを備えている。
切替スイッチ31は、前述したコンテナCの積降ろし動作とダンプ動作とを切り替えるスイッチである。
上スイッチ32は、上記切替スイッチ31の切替操作によって積降ろし動作を選択した際にはコンテナCを地上から車体1上に引き上げて積込み、又は切替スイッチ31の切替操作によってダンプ動作を選択した際にはコンテナCを上方に傾動させるスイッチである。
下スイッチ33は、上記切替スイッチ31の切替操作によって積降ろし動作を選択した際にはコンテナCを車体1上から地上に降ろし、又は切替スイッチ31の切替操作によってダンプ動作を選択した際にはコンテナCを下方に伏倒させるスイッチである。
これら各スイッチ31〜33の操作信号は、操作装置3に組み込まれた送信回路34によって受信回路41に送信され、この受信回路41を通じて制御部4に入力される。
制御部4では、入力された各操作信号に基づいて各コントロールバルブ5を切り換えて前記伸縮シリンダや起伏シリンダ24を伸縮制御することで前述したコンテナCの積降ろし動作とダンプ動作を行う。
具体的には、表1に示すように切替スイッチ31がOFFである場合には、上スイッチ32を操作することでコンテナCを地上から車体1上に引上げ、下スイッチ33を操作することでコンテナCを車体1上から地上に降ろすコンテナCの積降ろし(脱着)動作を行う。
一方、切替スイッチ31がONである場合には、上スイッチ32を操作することでコンテナCを上方に傾動させ、下スイッチ33を操作することでコンテナCを車体1上に伏倒させるダンプ動作を行う。
Figure 0004261392
この際、制御部4には、荷役装置2の伸縮アーム22やアウタアーム21の状態を検出するリミットスイッチなどのセンサ6から検出信号が入力されており、この検出信号に基づいてコンテナCの積降ろし動作とダンプ動作を行っている。
そして、前記上スイッチ32及び下スイッチ33は、例えば押し続けることによって制御部4を通じて上述した各動作が行われるようになされている。つまり、押すことによってONになり、離すことでOFFに自動復帰して各動作を停止させるようなスイッチが採用されている。
また、切替スイッチ31は、押すとONを保持し、再び押すとOFFに復帰するスイッチを採用するのが操作上好ましい。なお、切替スイッチ31の切替えは、上述とは逆にしてOFFでダンプ動作を選択し、ONで積降ろし動作を選択するようにしてもよい。
このように無線式の操作装置3により荷役装置2の作動を制御部4を通じて操作することで、作業者が運転室内やその周辺など作業し易い場所に手軽に移動して操作を行うことができ操作性の向上を図ることができる。例えば荷役装置2のフック23をコンテナCの係合ピンC1に係脱する場合には、当該フック23の係脱が確認し易い場所に手軽に移動することができ作業を円滑に進めることができる。
また、スイッチ数を極力少なくして安価で持ち運びに便利なコンパクトなものにすることができる。
さらに、前記制御部4には、同時操作無効手段としての同時操作無効回路42が備えられている。この同時操作無効回路42は、操作装置3の上スイッチ32と下スイッチ33とを作業者が誤って同時に操作した場合、つまり相反する動作を行う操作信号が同時に制御部4に入力された場合にこれら操作信号を無効にするものである。
このように同時操作無効回路42によって操作信号を無効にすることで制御部4からはコントロールバルブ5へ作動信号を出力しないため、荷役装置2の作動は行われない。これにより誤操作による荷役装置2の誤動作を確実に防止でき高い安全性を確保することができる。
また、上述では制御部4に同時操作無効回路42を設ける場合について説明したが、受信回路41自体に同様な同時操作無効回路41aを設けても構わない。この場合、操作装置3によって相反する動作を行う操作信号が同時に受信回路41に受信されても、これらの操作信号を同時操作無効回路41aによって無効にすることができるため、制御部4には作動信号が出力されず荷役装置2の作動は行われることがない。
さらに、上述では同時操作無効回路42、41aを制御部4や受信回路41、すなわち受信側に設ける場合について説明したが、受信側に限らず送信側に同時操作無効回路35を設けるようにしてもよい。この場合、操作装置3において上スイッチ32の操作と下スイッチ33の操作という相反する操作が同時になされた場合には、操作装置3側、すなわち送信側から操作信号が送信されないように構成することとなる。
図7は、操作装置の他の構成を示している。
この操作装置3は、上スイッチ32と下スイッチ33の二つの操作スイッチを備えたものである。そして、前記切替スイッチ31を車輌側の例えば運転室内に設けている。
従って、操作装置3からは上スイッチ32と下スイッチ33との操作信号が送信回路34、受信回路41を通じて制御部4に入力され、切替スイッチ31の切替は作業者が運転室内などで行い、この切替信号が信号ケーブルを通じて制御部4に入力される。
なお、各スイッチ31〜33の操作に基づく制御部4での荷役装置2の作動制御は前述した制御部4での作動制御と同様であり説明は省略する。
このように操作装置3を構成することで、当該操作装置3のスイッチ数を減らしてさらに安価で持ち運びに便利なコンパクトなものにすることができる。
図8は、前記操作装置3と有線式の第2操作装置7とを併設したものを示している。
第2操作装置7には、例えば積降ろし動作を操作するための引上げスイッチ71、降ろしスイッチ72と、ダンプ動作を操作するための上げスイッチ73、下げスイッチ74との4つの操作スイッチが備えられており、これら各操作スイッチ71〜74の操作信号が制御部4に入力される。制御部4ではこれら操作信号に基づいて前述と同様な各動作を作動制御する。
操作装置3については図6に示す操作装置3と同様である。また、図7に示す操作装置3であってもよい。
この場合、制御部4に備えられた同時操作無効回路42では、前述したように操作装置3の上スイッチ32と下スイッチ33とを同時に操作した場合にこれら操作信号を無効にするとともに、第2操作装置7の各操作スイッチ71〜74を同時操作した場合にもこれら操作信号を無効にして荷役装置2を作動させないようにしている。
また、図6で説明したように操作装置3の各操作スイッチの同時操作を無効にする同時操作無効回路41aを受信回路41に、又は同時操作無効回路35を送信側である送信回路34に設けても構わない。
さらに、制御部4には同時操作無効回路42の他に優先操作手段としての優先操作回路43が備えられている。
この優先操作回路43は、先に操作を開始した操作装置3もしくは第2操作装置7による操作を優先させるものである。これは、操作装置3と第2操作装置7とを併設した場合には、操作装置3と第2操作装置7の何れでも操作が行えることになることから、例えば操作装置3によって積降ろし操作を行っている際に、第2操作装置7によってダンプ操作を行った場合などに荷役装置2が誤動作する虞があるが、これを優先操作回路43によって防止するようにしている。
従って、先に操作装置3による操作が行われると、後に第2操作装置7による操作を行っても制御部4では優先操作回路43によって第2操作装置7からの操作信号を無効にして操作装置3からの操作信号に基づく荷役装置2の作動制御が行われることになる。逆に先に第2操作装置7による操作が行われると、後に操作装置3による操作を行っても制御部4では操作装置3からの操作信号を無効する。
これにより操作装置3と第2操作装置7とを併設した場合のこれら操作装置3と第2操作装置7の誤操作による荷役装置2の誤動作を確実に防止でき高い安全性を確保することができる。
コンテナ荷役車輌を示す側面図である。 コンテナ荷役車輌におけるコンテナの積降ろし動作を説明するための側面図である。 コンテナ荷役車輌におけるコンテナの積降ろし動作を説明するための側面図である。 コンテナ荷役車輌におけるコンテナの積降ろし動作を説明するための側面図である。 コンテナ荷役車輌におけるコンテナのダンプ動作を説明するための側面図である。 操作装置及びその操作装置の操作に基づく制御系を示すブロック図である。 他の操作装置及びその操作装置の操作に基づく制御系を示すブロック図である。 さらに他の操作装置及びその操作装置の操作に基づく制御系を示すブロック図である。
符号の説明
1 車体
2 荷役装置
3 操作装置
31 切替スイッチ
32 上スイッチ
33 下スイッチ
4 制御部
42 同時操作無効回路(同時操作無効手段)
43 優先操作回路(優先操作手段)
7 第2操作装置
C コンテナ

Claims (4)

  1. コンテナを車体上と地上との間で積降ろす積降ろし動作と、コンテナを車体上において後方に傾動させるダンプ動作とが、車体に搭載された荷役装置の作動によって行われるように構成されたコンテナ荷役車輌において、前記荷役装置を操作する無線式の操作装置が設けられるとともに、車輌側にコンテナの積降ろし動作とダンプ動作とに切り替える切替スイッチが設けられ、操作装置には、切替スイッチの切替操作に基づいて、積降ろし動作を選択した時にはコンテナを地上から車体上に引き上げて積込み、ダンプ動作を選択した時にはコンテナを上方に傾動させる上スイッチと、切替スイッチの切替操作に基づいて、積降ろし動作を選択した時にはコンテナを車体上から地上に降ろし、ダンプ動作を選択した時にはコンテナを下方に伏倒させる下スイッチとが配設されたことを特徴とするコンテナ荷役車輌の操作装置。
  2. 前記操作装置と共に有線式の第2操作装置が併設されたことを特徴とする請求項記載のコンテナ荷役車輌の操作装置。
  3. 前記操作装置もしくは第2操作装置に設けられた各スイッチを同時に操作した場合に、この操作を無効にする同時操作無効手段が備えられたことを特徴とする請求項又は記載のコンテナ荷役車輌の操作装置。
  4. 先に操作した操作装置もしくは第2操作装置の操作を優先させる優先操作手段が備えられたことを特徴とする請求項記載のコンテナ荷役車輌の操作装置。
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