JP4259719B2 - 鞍乗型車両用エアバック装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、鞍乗型車両用エアバック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年自動車において、衝突に伴う乗員への衝撃を緩和するためにエアバック装置が用いられ、広く一般に普及するに至っており、自動二輪車においても、エアバック装置の採用が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動二輪車の事故の当事者や周囲の人が動けない場合が多く、発煙筒を着火できないことがある。このため、エアバック装置により火を使わずに、後続の車両に事故車両を知らせることができれば、使用に便利である。
【0004】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、エアバッグ作動時の被視認性の向上が可能な鞍乗型車両用エアバック装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0006】
請求項1に記載の発明は、『鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグを有色気体で展開し、その展開後に有色気体をエアバッグから外部に放出するように構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、エアバッグを有色気体で展開し、その展開後に有色気体をエアバッグから外部に放出するから、別途発煙装置等を設けることなく簡単な構成で、被視認性を向上することができ、しかも自動車のように車内で展開しないので乗員に害はない。
【0008】
請求項2に記載の発明は、『鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、エアバッグは表面積が大きくても自動車のように車内ではないので、エアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成するだけで、エアバッグの展開により被視認性を向上することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、『鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグを有色気体で展開するように構成し、かつエアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0011】
この請求項3に記載の発明によれば、エアバッグを有色気体で展開するように構成し、かつエアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したから、エアバッグの展開により一層被視認性を向上することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、『前記エアバッグは、すべり止め手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。』である。
【0013】
この請求項4に記載の発明によれば、エアバッグがすべり止め手段を有するから、エアバッグの展開時にヘルメットをした乗員が衝突してもすべり止め手段によりすべることなくエアバッグにより衝撃が吸収され、エアバッグそのものの機能を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の鞍乗型車両用エアバック装置の実施の形態を図面に基づいて説明するが、この発明はこの実施の形態に限定されない。
【0015】
図1は鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の側面図、図2は鞍乗型車両用エアバック装置の概略構成図である。
【0016】
この実施の形態の鞍乗型車両としてスクータ型車両を示し、このスクータ型車両の車体1には前輪2と後輪3が支持され、前輪2はハンドル4により操向される。車体1は、フロントカウル5とリヤカウル6で覆われ、リヤカウル6の上部にはシート7が配置されている。フロントカウル5とシート7との間にはステップ部8が設けられ、シート7に着座した乗員9がステップ部8に足を載せて運転するようになっている。
【0017】
フロントカウル5内には、エアバック装置50が配置され、車体1が所定の衝撃力で障害物に衝突したときに、乗員9の前方にエアバック51を瞬時に膨らませて展開するようになっている。
【0018】
エアバッグ51は、有色気体で展開し、その展開後にホール52が圧力により開放される。このホール52によりエアバッグ51内の有色気体53が外部に放出される。このようにエアバッグ51を有色気体53で展開し、その展開後に有色気体53をエアバッグ51からホール52により外部に放出するから、別途発煙装置等を設けることなく簡単な構成で、被視認性を向上することができ、しかも自動車のように車内で展開しないので乗員9に害はない。
【0019】
また、エアバッグ51は、その表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材51aで構成している。被視認性の高い素材51aとして、例えば光を反射する素材または蛍光素材を用いることができ、被視認性の高い素材51aはエアバッグ51の表面全体に用いてもよいし、一部に用いて模様のようにしてもよい。
【0020】
このようにエアバッグ51は表面積が大きくても自動車のように車内ではないので、エアバッグ51の表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材51aで構成するだけで、エアバッグ51の展開により被視認性を向上することができる。
【0021】
また、 エアバッグ51は、すべり止め手段54を有し、このすべり止め手段54は摩擦抵抗の大きい部材を貼着したり、あるいは塗布して設けてもよいし、エアバッグ51の表面を粗くして一体に形成してもよい。
【0022】
このようにエアバッグ51がすべり止め手段54を有するから、エアバッグ51の展開時にヘルメット55をした乗員9が衝突しても、ヘルメット55や衣服がすべり止め手段54に当たり、すべることなくエアバッグ51により衝撃が吸収され、エアバッグ51そのものの機能を向上することができる。
【0023】
エアバック装置50は、図2に示すように構成される。この実施の形態の鞍乗型車両用エアバック装置は、車体に加わる衝撃を検出する衝撃検出手段60と、その検出された衝撃に応じてインフレータ手段61を作動させて、エアバッグ51を展開させる制御手段62を備える。この制御手段62は、インフレータ手段61を作動させると、ハザードランプ63を点灯させ、燃料供給装置64の作動を停止させる。
【0024】
このようにエアバッグ51の展開に伴ってハザードランプ63を点灯させるようにしたので、簡単な構造で被視認性を向上できる。また、インフレータ手段61を作動させる制御手段62を利用してエアバッグ51の展開に伴って燃料供給を停止させることもでき、鞍乗型車両では自動車のように統合制御する制御装置を備えていないので、特に有用である。。
【0025】
次に、エアバック装置50の作動を図3及び図4に基づいて説明する。図3は鞍乗型車両用エアバック装置の動作フローチャート、図4は鞍乗型車両用エアバック装置の作動を説明する図である。
【0026】
走行時に車速センサから車速を読み込み(ステップS1)、衝突すると車速センサから急停止による加速度を読み込み(ステップS2)、衝撃検出手段60により車体に加わる衝撃を検出する(ステップS3)。衝撃検出は、例えば20msecで行なわれ、この衝撃検出に基づき制御手段62は、インフレータ手段61を作動させると、ハザードランプ63を点灯させ、燃料供給装置64の作動を停止させる(ステップS4)。インフレータ手段61の作動により点火して有色気体53が発生し、乗員9の前方にエアバック51を瞬時に膨らませて展開し、この点灯から展開まで例えば50〜60msecで完了する。
【0027】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、エアバッグを有色気体で展開し、その展開後に有色気体をエアバッグから外部に放出するから、別途発煙装置等を設けることなく簡単な構成で、被視認性を向上することができ、しかも自動車のように車内で展開しないので乗員に害はない。
【0028】
請求項2に記載の発明では、エアバッグは表面積が大きくても自動車のように車内ではないので、エアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成するだけで、エアバッグの展開により被視認性を向上することができる。
【0029】
請求項3に記載の発明では、エアバッグを有色気体で展開するように構成し、かつエアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したから、エアバッグの展開により一層被視認性を向上することができる。
【0030】
請求項4に記載の発明では、エアバッグがすべり止め手段を有するから、エアバッグの展開時にヘルメットをした乗員が衝突してもすべり止め手段によりすべることなくエアバッグにより衝撃が吸収され、エアバッグそのものの機能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鞍乗型車両用エアバック装置を備えるスクータ型車両の側面図である。
【図2】鞍乗型車両用エアバック装置の概略構成図である。
【図3】鞍乗型車両用エアバック装置の動作フローチャートである。
【図4】鞍乗型車両用エアバック装置の作動を説明する図である。
【符号の説明】
1 車体
9 乗員
50 エアバック装置
51 エアバッグ
51a 被視認性の高い素材
53 有色気体

Claims (4)

  1. 鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグを有色気体で展開し、その展開後に有色気体をエアバッグから外部に放出するように構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。
  2. 鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。
  3. 鞍乗型車両にエアバッグを備える鞍乗型車両用エアバック装置において、前記エアバッグを有色気体で展開するように構成し、かつエアバッグの表面の少なくとも一部を、被視認性の高い素材で構成したことを特徴とする鞍乗型車両用エアバック装置。
  4. 前記エアバッグは、すべり止め手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の鞍乗型車両用エアバック装置。
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