JP4259135B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱により被加熱物の内部を加熱し、その表面に焦げ目を付けることのできる高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の高周波加熱装置としては、図13に示すように、高周波加熱装置である電子レンジ1では、高周波発生装置であるマグネトロンから発信したマイクロ波は、側壁面の電波供給口2から加熱室3内に供給されている。そして、表面にマイクロ波発熱体が塗布された食品載置皿として、鉄などの金属からなる基材の表面にほうろうが施された表面にマイクロ波発熱体が薄膜状に塗布されているものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−2562号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、金属の表面にほうろう層を介してマイクロ波発熱体を塗布しているため、発熱体と金属面が近いため発熱体近傍の電界が弱く、マイクロ波の吸収量が少なくなり、発熱量が小さくなり、焦げ目が付きにくくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、高周波加熱により被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができる高周波加熱装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の高周波加熱装置は、被加熱物を収納する加熱室と、加熱室上部に設けられた加熱手段と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段と、高周波発熱体と、被加熱物を載置する金属製の受け皿とを備え、前記高周波発熱体と前記受け皿の間に隙間を設けた構成としたものである。
【0007】
これによって、高周波加熱により被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
第1の発明は、被加熱物を収納する加熱室と、加熱室に設けられた加熱手段と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段と、高周波発熱体と、被加熱物を載置する受け皿とを備え、前記高周波発熱体と前記受け皿の間に隙間を設けた高周波加熱装置において、前記高周波発熱体の少なくとも一部分に高周波発熱膜が設けられ、前記高周波発熱膜が設けられた前記高周波発熱体の中央部分の近傍で前記受け皿の中央部分が前記高周波発熱体と接し、前記受け皿が前記高周波発熱体の上に載置されるものである。
【0009】
これにより、高周波加熱により被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができる。
【0010】
第2の発明は、受け皿の少なくとも一部に高周波を反射する材質を用いたことにより被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1の発明において、受け皿が加熱室を2分割するように構成されたことにより、下方から供給された高周波が受け皿の上方に回り込むことが少なくなり、高周波発熱体への高周波の供給量が多くなり、被加熱物の下面の焦げ目がより付きやすくなるという効果がある。
【0012】
第4の発明は、特に、第1の発明において、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段に、高周波を分散させて加熱室内に供給する高周波分散手段を備えたことにより、より均一に下方から加熱することができるので、加熱むらがより小さくなる。
【0013】
第5の発明は、特に、第1の発明において、金属製の受け皿に凹凸を設け、前記受け皿と高周波発熱体との間に隙間を設けた構成により、高周波発熱体の熱を金属製の受け皿により伝えやすくなるので、被加熱物の下面の焦げ目がより付きやすくなるという効果がある。
【0014】
第6の発明は、特に、第5の発明において、受け皿の凹凸の高さ、幅、ピッチを調節することにより、発熱量を調節することができ、焦げ目を均一に付けることができるという効果がある。
【0015】
第7の発明は、特に、第5または第6の発明において、金属製の受け皿の凹凸を設け、前記受け皿と高周波発熱体との間に隙間を設け、前記凹凸の凹部の幅を高周波の波長の1/4以下とすることにより、発熱量を調節することができ、焦げ目を均一に付けることができるという効果がある。
【0016】
第8の発明は、特に、第5または第6の発明において、金属製の受け皿の凹凸を設け、前記受け皿と高周波発熱体との間に隙間を設け、前記凹凸の凸部の幅を高周波の波長の1/4以下とすることにより、発熱量を調節することができ、焦げ目を均一に付けることができるという効果がある。
【0017】
第9の発明は、特に、第1の発明において、加熱室の左右側面に受け皿を加熱室に載置するレールを備えたことにより、下方から供給された高周波が上方に回り込むことがより少なくなり、高周波発熱体への高周波の供給量が多くなり、被加熱物の下面の焦げ目がより付きやすくなるという効果がある。
【0018】
第10の発明は、特に、第1の発明において、受け皿と加熱室側壁面の接する部分にスパークを起こさない材質のホルダーを設けたことにより、受け皿の金属部分とレール部の間における高周波によるスパークを防止することができるという効果がある。
【0019】
第11の発明は、特に、第10の発明において、ホルダーの材質として樹脂を用いたことにより、より成型しやすくなり、受け皿の金属部分と加熱室側壁面の間における高周波によるスパークを防止することができるという効果がある。
【0020】
第12の発明は、特に、第10または第11の発明において、受け皿と高周波発熱体をホルダーで挟み込んだ構成とすることにより、発熱体の脱落防止と同時に、受け皿の金属部分と加熱室側壁面の間における高周波によるスパークを防止することができるという効果がある。
【0021】
第13の発明は、特に、第1の発明において、受け皿と高周波発熱体をパテで接着したことにより、受け皿に高周波発熱体を保持しつつ、受け皿の金属の間における高周波による発熱を防止する効果がある。
【0022】
第14の発明は、特に、第1の発明において、高周波発熱体と受け皿を加熱室に載置する為に回転台上への設置用網を備えたことにより、回転させながら加熱することができるので、より均一に被加熱物に焦げ目が付きやすくなるという効果がある。
【0023】
第15の発明は、特に、第1の発明において、高周波発熱体と金属製の受け皿からなり、前記受け皿の下部に前記高周波発熱体を保持する構成としたことにより、高周波発熱体と受け皿が一体となるので、別々に取り出す必要が無くなり、手間が省けるという効果がある。
【0024】
第16の発明は、特に、第1の発明において、受け皿に被加熱物から出る汁を溜める為の溝を設けた構成としたことにより、被加熱物から出た油等が除かれるので、より焦げ目が付きやすくなるという効果がある。
【0025】
第17の発明は、特に、第1の発明において、受け皿の表面に非粘着性膜を設けた構成としたことにより、受け皿の表面に汚れが付きにくくなるという効果がある。
【0026】
第18に記載の発明は、特に、第1の発明において、受け皿の裏面に熱吸収膜を設けた構成としたことにより、高周波発熱体から出た熱が受け皿により吸収されやすくなるので、より焦げ目が付きやすくなるという効果がある。
【0027】
第19の発明は、特に、第1の発明において、高周波発熱体の高周波発熱膜を設けた面を受け皿に接触させる構成としたことにより、高周波発熱膜が傷つくことが防止できるという効果がある。
【0028】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0029】
(実施例1)
図1は、本発明の高周波加熱装置の概略構成断面図である。
【0030】
高周波加熱装置4は、被加熱物を収納する加熱室5、加熱室上部に設けられたヒータ加熱を行う加熱手段6と、加熱室底面に設けられた高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段7と、裏面に高周波発熱膜8を設けた高周波発熱体9と、被加熱物を載置する受け皿10とを備えている。
【0031】
高周波発生手段7から発信した高周波は、高周波分散手段11により、下方より加熱室2内に均一に供給される。そして、受け皿10は加熱室側面に設けたレール12に載せて使用する。
【0032】
高周波発熱体9として窒化物および硼化物からなる高周波発熱膜8を設けたセラミック製の高周波発熱体9を用い、受け皿10として表面に波状の凹凸を設け、隙間13を設けたアルミメッキ鋼板の表面にフッ素塗装を施し裏面に黒色耐熱塗装を施した受け皿10を用いた。
【0033】
被加熱物として鶏ももを用い、高周波発熱体と受け皿を入れた状態で10分間予熱した後、加熱手段6である上部ヒータ600Wと高周波300Wで同時に10分間加熱したところ、内部および表裏面共に程良く加熱され、特に表面および裏面には焦げ目が満遍なく付き良好な仕上がりであった。減水率は、13%であり程良くジューシーに出来上がった。また、鶏ももをひっくり返すという手間無く、内部も加熱し表裏共に焦げ目を付けることができた。
【0034】
これは、隙間13を設けた事により、高周波発熱膜8と受け皿10の金属表面との距離が遠くなることによって高周波発熱膜8上での電界強度が高くなり、高周波発熱膜8での発熱が高くなったことによると考えられる。また、隙間が無いときに比べて、高周波が受け皿10の表側に回り込む量が少なくなったために鶏ももの減水率が高くならず、良好な焦げ目が表裏についたと考えられる。
【0035】
また、受け皿10の表面に波状の凹凸を設けないで隙間13を設けない場合には、裏面の焦げ目が薄く、また、高周波が鶏ももに多く供給された結果、鶏ももの減水率が34%と高くなり、鶏ももが縮んで固くなると共に、裏面に焦げ目が付きにくかった。
【0036】
これは、高周波発熱膜8と受け皿10の金属表面との距離が近いため高周波発熱膜8上
での電界強度が低くなり、高周波発熱膜8での発熱が低くなり、高周波が受け皿10の表側に回り込む量が多くなったために鶏ももの減水率が高くなり、焦げ目が裏面に付きにくくなったと考えられる。
【0037】
また、金属製の受け皿10がある場合と無い場合の効果の違い、および、隙間13がある場合と無い場合の効果の違いを、上記高周波加熱装置4で水を加熱して比較した。10℃の水100mlを1000Wで10秒間加熱した場合で比較した。
【0038】
金属製の受け皿が無い場合には、水温は5.7℃上昇し、出力に換算すると342Wが水に供給されいた。
【0039】
金属製の受け皿が有り、かつ、隙間が無い場合には水温は4.7℃上昇し、出力に換算すると282Wが水に供給されていた。
【0040】
金属製の受け皿が有り、かつ、隙間がある場合には、水温は3.0℃上昇し、出力に換算すると180Wが水に供給されていた。
【0041】
一方、金属製の受け皿が無い場合には、高周波発熱体の底面の温度は、23℃から30℃に7℃上昇していた。
【0042】
金属製の受け皿が有り、かつ、隙間が無い場合には、高周波発熱体の底面の温度は、23℃から25℃に2℃上昇していた。
【0043】
金属製の受け皿が有り、かつ、隙間がある場合には、高周波発熱体の底面の温度は、23℃から34℃に11℃上昇していた。
【0044】
以上から、高周波発熱体のみを受け皿にして高周波加熱すると、金属製の受け皿がある場合よりも多くの高周波が被加熱物に供給されることが分かる。
【0045】
また、高周波発熱体の上に金属製の受け皿を設置した場合でも、隙間が無い場合には高周波発熱体の温度が上がっていない、すなわち、加熱されてにくくなることが分かり、隙間がある場合よりも多くの高周波が被加熱物に供給されることがわかる。これが、鶏ももの場合には、下面は焦げるが高周波が鶏ももに多く供給されるので内部が加熱され身縮みの原因になったと考えられる。
【0046】
また、金属製の受け皿に隙間を設けることにより、隙間が無い場合よりも高周波が被加熱物に供給量が少なくなることが分かる。これが、鶏ももが身縮みせずに良好に加熱され、焦げ目が付いた原因であると考えられる。
【0047】
なお、上記では、ヒータ加熱と高周波加熱を同時に行ったが、別々に行っても、あるいは、同時と別々を繰り返しても良い。
【0048】
また、側面に電波の発信口がある場合と下方に電波の発信口がある場合を比較すると、下方にある場合の方が、より加熱むらが少なかった。
【0049】
レール12としては、奥行き方向に長く設置するほど、受け皿10と側壁面との隙間が小さくなり、下方より供給された高周波が受け皿10の上方への回り込みが小さくなり、被加熱物の下面の焦げがより付きやすくなった。
【0050】
受け皿10の配置および構成として、加熱室を上方部分と下方部分に分割するように、
受け皿の外形を加熱室側壁面および加熱室を塞ぐ扉との隙間が小さくなるように構成したことにより、下方から供給された高周波波が受け皿の上方に回り込むことが少なくなり、高周波発熱体への高周波の供給量が多くなり、被加熱物の下面の焦げ目がより付きやすくなるという効果がある。
【0051】
なお、加熱手段6としては、管ヒータ、シーズヒータ等の他に、熱風を用いても良い。なお、高周波発熱体9として、裏面に高周波発熱膜8を設けた構成以外にも、高周波発熱体9自身を高周波で発熱するセラミックで形成しても良い。
【0052】
なお、図1には示していないが、下方の高周波分散手段11の上には、セラミック製の板を加熱室底面に設け、高周波加熱時の調理物等の被加熱物を置く台として使用することができる構成としてあり、調理物等が高周波分散装置11等に掛からない構成としてある。
【0053】
なお、受け皿10として金属製のアルミメッキ鋼板を用いたが、表面で高周波を反射するものであれば、セラミック質の基材に金属メッキや金属蒸着等で高周波の反射層を設けたもの等も用いることができる。
【0054】
なお、金属製の受け皿10にアルミメッキ鋼板を用いたが、高周波を透過させない金属であれば、ステンレス、アルミニウムおよびアルミニウム合金、亜鉛メッキ鋼板やアルミ亜鉛合金メッキ鋼板や銅メッキ鋼板などの各種メッキ鋼板、冷延鋼板、クラッド材等も用いることができる。
【0055】
なお、高周波発熱体8として、窒化物および硼化物を用いたが、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物および複合酸化物等も用いることができる。
【0056】
(実施例2)
図2に、第2の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0057】
図2において、高周波発熱膜14を設けた高周波発熱体15と金属製の受け皿16の間に隙間17を設けたものである。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。
【0058】
上記構成により、鶏ももを加熱した場合、表裏に焦げ目を付けることができた。これは、高周波吸収膜14と受け皿16の金属表面との距離が遠くなることによって高周波吸収膜14上での電界強度が高くなり、高周波吸収膜14での発熱が高くなったことによると考えられる。また隙間が無いときに比べて、高周波が受け皿16の表側に回り込む量が少なくなったために鶏ももの減水率が高くならず、良好な焦げ目が表裏についたと考えられる。
【0059】
また、高周波発熱体15の発熱部である高周波発熱膜14の近傍で高周波発熱体と金属製の受け皿が接触する構成としたことにより、高周波発熱膜14から発せられた熱が高周波発熱体15のセラミック基材を介して金属製の受け皿16へ伝達されやすくなっている。これにより、被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができたと考えられる。
【0060】
(実施例3)
図3に、第3の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0061】
図3において、高周波発熱膜18を設けた高周波発熱体19と金属製の受け皿20の間は、誘電体であるセラミック質が充填されているが第1の実施例の隙間13に相当する間隔21を設けて受け皿20の金属表面と高周波発熱膜18の距離を取ったものである。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。上記構成により、鶏ももを加熱した場合、表裏に焦げ目を付けることができた。これは、高周波吸収膜18と受け皿20の金属表面との距離が遠くなることによって高周波吸収膜18上での電界強度が高くなり、高周波吸収膜18での発熱が高くなったことによると考えられる。また隙間が無いときに比べて、高周波が受け皿20の表側に回り込む量が少なくなったために鶏ももの減水率が高くならず、良好な焦げ目が表裏についたと考えられる。
【0062】
また、誘電体で詰める構成をとると高周波発熱体19が重くなる、一方、熱容量が大きくなるので、常時加熱の場合冷えにくくなるという効果がある。また、熱容量を大きく取れるので、一度予熱すると冷めにくくなり、連続使用やトンネル型の連続形式の高周波加熱の場合での焦げ目付けも可能になる。
【0063】
(実施例4)
図4に、第4の実施例の高周波加熱装置の構成断面図を示す。
【0064】
高周波加熱装置22は、被加熱物を収納する加熱室23、加熱室上部に設けられたヒータ加熱を行う加熱手段24と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段25と、裏面に高周波発熱膜26を設けた高周波発熱体27と、被加熱物を載置する受け皿28と高周波発熱体27と受け皿28を加熱室に載置する為の回転台29上への設置用網30を備えている。
【0065】
上記構成により、高周波発生手段25から発信した高周波は、加熱室23内に供給される。そして回転台29がモータ31により回転し、高周波発熱膜26へ高周波が均一に照射されることによって、受け皿28が均一に加熱される。従って、被加熱物の表裏が均一に加熱され、焦げ目を表裏に程良く付けることができる。
【0066】
(実施例5)
図5に、第5の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0067】
図5において、高周波発熱膜32を設けた高周波発熱体33と金属製の受け皿34の間に隙間35を設け、高周波発熱体33を受け皿34の裏面に保持する構成にしたものである。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。
【0068】
上記構成により、実施例1と同様な焦げ目付け性能が得られた。また、前記受け皿の下部に前記高周波発熱体を保持する構成としたことにより、高周波発熱体と受け皿が一体となるので、別々に取り出す必要が無くなり、手間が省けるという効果が得られた。
【0069】
(実施例6)
図6に、第6の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0070】
図6において、金属製の受け皿36に被加熱物から出る汁を溜める為の溝37を設けた構成にしたものである。図1では、受け皿10を正面から見た場合の構成図であるが、図6では、側面から見た場合の構成図であり、溝37を設けたものである。すなわち、受け皿36の前側および奥側に溝37を設けた構成である。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。
【0071】
被加熱物から出る汁を溜める為の溝37を設けた構成としたことにより、被加熱物から出た油等が除かれるので、より焦げ目が付きやすくなるという効果があり、また、カラッと仕上がるという効果もある。
【0072】
(実施例7)
図7に、第7の実施例の高周波加熱装置に用いる受け皿の要部構成断面図を示す。
【0073】
図7において、金属製の受け皿基材38の表面に非粘着性膜39を設け裏面に熱吸収率の高い熱吸収膜40を設けた構成としたものである。
【0074】
上記構成により、受け皿の表面に汚れが付きにくくなるという効果がある。また、高周波発熱体から出た熱が受け皿により吸収されやすくなるので、より焦げ目が付きやすくなるという効果がある。
【0075】
(実施例8)
図8に、第8の実施例の高周波加熱装置に用いる受け皿の要部構成断面図を示す。
【0076】
図8において、高周波発熱膜41を設けた高周波発熱体42と金属製の受け皿43の間は、第1の実施例の隙間13に相当する隙間44を設けて受け皿43の金属表面と高周波発熱膜41の距離を取ったものである。そして、受け皿43の端面に加熱室側壁面との接触を防止するホルダー45を設けている。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。上記構成およびホルダーにより高周波加熱時に加熱室側壁面と受け皿の金属部との間のスパークを防止することができる。
【0077】
(実施例9)
図9に、第9の実施例の高周波加熱装置に用いる受け皿の要部構成断面図を示す。
【0078】
図9において、高周波発熱膜46を設けた高周波発熱体47と金属製の受け皿48の間は、第1の実施例の隙間13に相当する隙間49を設けて受け皿48の金属表面と高周波発熱膜46の距離を取ったものである。そして、受け皿48と高周波発熱体47を挟み込むようにホルダー50を設けている。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。上記構成およびホルダー50により、高周波発熱体47の脱落を防止することができ、レール部等の加熱室側壁面との接触を防ぎ、スパークを防止することができる。
【0079】
(実施例10)
図10に、第10の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0080】
図10において、高周波発熱膜51を設けた高周波発熱体52と金属製の受け皿53の間は、第1の実施例の隙間13に相当する隙間54を設けて受け皿53の金属表面と高周波発熱膜51の距離を取ったものである。そして、金属製の受け皿53に被加熱物から出る汁を溜める為の溝55を設け、パテ56で高周波発熱体52と受け皿53を接着した構成にしたものである。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。この場合、全周に溝を設けることにより、高周波発熱体52の全周でパテ56で接着することが可能となる。パテ56の接着は必ずしも全ての周囲で必要であるわけではなく、一部を接着しなくとも高周波発熱体52と受け皿53を接着にて保持することができ、高周波発熱体52と受け皿53の間における高周波による発熱を防止する効果がある。
【0081】
また、隙間54の高周波発熱体52と受け皿53の凹凸部の凸部の最高部までの距離を高さ57をHとし、凸部幅58をaとし、凹部幅59をbとし、ピッチ60をPとした場合、a+b=Pの関係が成り立つ。
【0082】
図11に、本発明の実施例10の高周波加熱装置の発熱等の特性表を示した。
【0083】
これには、高周波発熱体52の基材として板厚3mmの結晶化ガラスを用い、高周波発熱膜51として酸化スズ膜を用い、前記酸化スズ膜の抵抗値を400Ω/cm2とした場合、Hを0mmから10mm、a、b、Pを0mmから40mmまで変動させた場合に、1000Wの高周波で5分間加熱した場合の受け皿53の凸部の頂点での表面温度の最高値を図11に示した。また、下記に示す出力換算値を示した。
【0084】
Hを0mmから10mmまで変化させた場合の、受け皿53の発熱をみると2≦H≦8で発熱が高くなっていることがわかる、好ましくは3≦H≦6で発熱が高くなっていることが分かる。また、a、b、Pを変動させた場合、bを小さくするほど発熱が低かった。これは、凹部の幅が小さくなるほど高周波発熱体52との接触面が少なくなるため熱が受け皿53に伝わりにくくなったためと考えられる。また、Pを大きくするほど発熱が低下した。これは、接触面は増えても隙間54の絶対量すなわち数が減るため発熱する部分が少なくなったためと考えられる。
【0085】
また、隙間54のH、a、b、Pの変動による違いを、高周波加熱で水を加熱して比較した。10℃の水100mlを1000Wで10秒間加熱した場合で比較した。
【0086】
受け皿53に凹凸部が無い場合、すなわち、H=0mm、a=b=P=0mmの場合には、水温は4.8℃上昇し、出力に換算すると288Wが水に供給されていた。
【0087】
受け皿53の凹凸部が、H=4mm、a=b=10、P=20の場合、水温は3.0℃上昇し、出力に換算すると180Wが水に供給されていた。
【0088】
図11に示したように、隙間54に適当な間隔があると、高周波は受け皿53の上面に回り込み難くなり、それだけ高周波発熱体52に供給されて発熱することが分かる。また、高周波の回り込みは少なくなっても、高さHが大きくなると高周波発熱体との間隔が大きくなり、放熱されて、熱が伝わりにくくなると考えられる。
【0089】
なお、高さHを10mmより大きくすることは、金属加工上困難であった。ピッチPを大きくすれば高さHを大きくできるが、食品に均等な焦げ目をつけるためには、ピッチを大きく取ることは困難であった。
【0090】
凹部幅bを変化させた場合、bを高周波2450MHzの1/4波長である約30mmもしくはそれより大きく取ると、十分な発熱が得られず、均一な焦げ目を付けることが困難であった。
【0091】
これは、隙間部分での空間の効果により発熱した熱が隙間のない部分の発熱の低い部分に伝わり全体としての発熱の低下を起こしたためと考えられる。
【0092】
従って、凹部bの幅は高周波の波長の1/4以下が適当である。
【0093】
凸部幅aを変化させた場合、aを高周波2450MHzの1/4波長である約
30mmもしくはそれより大きく取ると、十分な発熱が得られず、均一な焦げ目を付けることが困難であった。
【0094】
これは、隙間部分での隙間の空間が大きくなり、発熱部位は増えるが、高周波発熱体と接している隙間のない部分の面積が小さくなり全体としての発熱の低下を起こしたためと考えられる。
【0095】
従って、凸部aの幅は高周波の波長の1/4以下が適当である。
【0096】
以上のように、隙間54の高さ、凹部および凸部の幅とピッチを調節することによって、受け皿53表面の発熱温度を調整することができる。この高さと凹凸部の幅とピッチの関係は、実施例1においても同様の関係が成り立つ。
【0097】
なお、上記実施例では、ピッチPを一定にしたが、ピッチPを部分的に変えることにより、発熱量を調整することもできる。
【0098】
なお、波状の凹凸を一方向にした場合を説明したが、異なる方向の凹凸を組み合わせても良く、格子状や井桁状にしても同様の効果がある。また、部分的に波状の凹凸にしたり格子状や井桁状と組み合わせても良い。
【0099】
(実施例11)
図12に、第11の実施例の高周波加熱装置の要部構成断面図を示す。
【0100】
図12において、高周波発熱膜61を設けた高周波発熱体62と金属製の受け皿63の間は、第1の実施例の隙間13に相当する隙間64を設けて受け皿63の金属表面と高周波発熱膜61の距離を取ったものである。そして、金属製の受け皿63に被加熱物から出る汁を溜める為の溝65を設け、パテ66で高周波発熱体62と受け皿63を接着した構成にしたものである。その他の高周波加熱装置の構成は実施例1と同様である。
【0101】
実施例10との違いは、高周波発熱膜61の向きを受け皿63側に設けたことである。これにより、高周波発熱膜61が傷つくことが防止できるという効果がある。但し、隙間64の高さとしては、実施例10と同等の発熱を得るためには、5mmないし9mm必要であった。これは、高周波発熱膜61の向きを受け皿63側に設けたことにより、高周波発熱膜61と凸部の距離が高周波発熱体62の板厚3mm分縮んだため、実施例10と同様な隙間間隔を得るためには、高さが必要になったと考えられる。
【0102】
この高さと凹凸部の幅とピッチの関係は、実施例10と同様の関係が成り立った。すなわち、高さとしては、5mmないし9mmが適当であり、また、a、b、Pを変動させた場合、bを小さくするほど発熱が低かった。また、Pを大きくするほど発熱が低下した。
【0103】
以上のように、隙間64の高さ、凹部および凸部の幅とピッチを調節することによって、受け皿63表面の発熱温度を調整することができる。
【0104】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜21に記載の発明によれば、高周波加熱により被加熱物の内部を効率よく加熱し、被加熱物の表面に焦げ目を付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の高周波加熱装置の概略構成断面図
【図2】 本発明の実施例2の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図3】 本発明の実施例3の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図4】 本発明の実施例4の高周波加熱装置の概略構成断面図
【図5】 本発明の実施例5の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図6】 本発明の実施例6の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図7】 本発明の実施例7の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図8】 本発明の実施例8の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図9】 本発明の実施例9の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図10】 本発明の実施例10の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図11】 本発明の実施例10の高周波加熱装置の発熱等の特性を示す図
【図12】 本発明の実施例11の高周波加熱装置の要部構成断面図
【図13】 従来の高周波加熱装置の遠近法を用いて示す正面図
【符号の説明】
4、22 高周波加熱装置
5、23 加熱室
6、24 加熱手段
7、25 高周波発生手段
8、14、18、26、32、41、46、51、61 高周波発熱膜
9、15、19、27、33、42、47、52、62 高周波発熱体
10、16、20、28、34、36、43、48、53、63 受け皿
11 高周波分散手段
12 レール
13、17、21、35、44、49、54、64 隙間
29 回転台
30 設置用網
37、55、65 溝
39 非粘着性膜
40 熱吸収膜
45、50 ホルダー
56、66 パテ
57 高さ(H)
58 凸幅(a)
59 凹幅(b)
60 ピッチ(P)

Claims (4)

  1. 被加熱物を収納する加熱室と、加熱室に設けられた加熱手段と、高周波を発生させ高周波加熱を行う高周波発生手段と、高周波発熱体と、被加熱物を載置する金属製の受け皿とを備え、前記高周波発熱体と前記受け皿の間に隙間を設けた高周波加熱装置において、前記高周波発熱体の少なくとも一部分に高周波発熱膜が設けられ、前記高周波発熱膜が設けられた前記高周波発熱体の中央部分の近傍で前記受け皿の中央部分が前記高周波発熱体と接し、前記受け皿が前記高周波発熱体の上に載置される高周波加熱装置。
  2. 受け皿は加熱室を2分割するように構成されたことを特徴とした請求項に記載の高周波加熱装置。
  3. 金属製の受け皿に凹凸を設け、前記受け皿と高周波発熱体との間に隙間を設けた請求項に記載の高周波加熱装置。
  4. 高周波発熱体の高周波発熱膜を設けた面を受け皿に接触させる請求項に記載の高周波加熱装置。
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