JP3588943B2 - 焦げ目付け皿付き高周波加熱装置 - Google Patents

焦げ目付け皿付き高周波加熱装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱装置に関し、特に高周波電磁波を熱に変換し食品に焦げ目を付ける構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より食品に焦げ目を付ける方法としてニクロム、鉄クロム等電熱線をコイル状あるいは面状に巻き加熱室の上面及び下面に配置し、電熱線からの輻射熱を用いたオーブン機能付き電子レンジが市販されている。しかし最近は加熱室の大型化で一般家庭の電源では電熱線の消費電力を増加さすにも限界が有り、輻射が足らないぶん加熱時間が長くかかり水分が必要以上に蒸発し乾燥ぎみの仕上がりとなっている。
【0003】
これに対して既存の電子レンジで高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体(フェライト、炭素、炭化珪素、金属粉末、チタン酸バリウム等)を利用して食品に焦げ目をつけたり、熱効率を向上させることができる発熱体および容器が提案されており、フェライトなどの焼結体あるいはこれらを組み込んだ磁器、耐熱性基材に金属または金属酸化物を蒸着したもの、あるいは発熱物質をコーティングしたものなどがある。すでに海外では焦げ目付け容器として市販されている現状である。
【0004】
しかし、高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体付き皿とこの皿を使用しようとするオーブンにおける電磁波伝搬との間の結合性に欠けており発熱体付き皿の性能を100%発揮出来てない状況にあった。
【0005】
焦げ目付け皿とオーブンとの結合性を記載した特許としては特開平4−263705号公報がある。この装置は、図8に示しているように食品を載置する他方の面に磁気損失発生材料層を設けた金属プレート101をオーブン底面102から一定の距離を保持し、金属プレートとオーブン底面間にできた空間に分極化した電磁波を伝搬する開口を1つ以上設ける構成にしており、金属プレート101の磁気損失発生材料に効率良く電磁波を吸収させ、金属プレートを迅速に加熱できるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のマイクロ波オーブン及びこのオーブンに使用する回転こんがり焼きプレートでは、金属プレートとオーブン底面間で形成された電磁波を伝搬する伝搬路は、全周開放されているため電磁波の何割りかは金属プレートを加熱しないで通過する。また、金属プレートとオーブン底面間で構成した伝搬路を通る電磁波は、もともと分極化されているため、マグネトロンで発生した電磁波の何割かしか金属プレートの温度上昇に寄与していない。この構成では海外商品や業務用商品のように電磁波の出力が1KWを超えるような商品には可能であるが、国内の一般家庭の600W商品では、焦げ目のつくプレート温度にならない可能性もある。またプレート温度が上がったとしても時間がかかるばかりでなく、通過した電磁波及び分極化された電磁波はは食品に吸収されるため、例えばトーストの場合は電磁波により中まで乾燥した出来あがりになる。すなわち日本の一般家庭の電源事情では、焦げ目付け機能として十分ではない。
【0007】
また、金属プレートとオーブン底面間に電磁波を通過させるため供給のための開口部は大きさ、位置共に制限される。そのため本来の使用目的である電磁波で直接食品を加熱する電磁波加熱の加熱ムラ、出力効率設計上非常にむつかしいものとなっていた。
【0008】
したがって本発明では日本国内一般家庭の電源事情でも短時間できれいに焦げ目をつけることのできる高周波加熱装置を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために高周波電磁波を吸収して高温になる焦げ目付け皿を設ける構成とした。この焦げ目付け皿は食品載置面に裏面側に高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を設けた金属皿と、高周波電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを、発熱体を有する面と高周波電磁波を反射する面とを空間を介して対向させ、この空間に高周波電磁波が供給されるようにした。このため、金属皿と電磁波反射体との間に高周波電磁波が進入する開口を設け、この開口以外は両者が電気的に短絡している構成とした。
【0010】
上記発明によれば、開口より進入した電磁波は、金属皿と電磁波反射体とで構成された空間内に全て照射される。金属皿と電磁波反射体はほぼ電気的に短絡されているため、電磁波は食品に吸収させることなく、発熱体によりほとんど熱に変換されるため、金属皿は短時間で高温となり、食品に焦げ目をつけることができるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品に焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡する構成とした。
【0012】
そして給電口を金属皿と電磁波反射体間に設けているため、電磁波はほとんど金属皿と電磁波反射体間に導かれる。金属皿と電磁波反射体は給電口側を除く全ての面が短絡している。したがって、マグネトロンから照射された電磁波は全て金属皿の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになる。また、発熱体が塗布されている金属皿と電磁波反射体の隙間は電磁界の強さが最大になる寸法にしているため、効率よく短時間で食品に焦げ目をつけられる。
【0013】
また、加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡し、前記金属皿と前記電磁波反射体とを熱伝導性が低くかつ誘電損失の少ない断熱材を介して接合する構成とした。
【0014】
そして金属皿と電磁波反射体を熱伝導の少なく、誘電損失の少ない断熱材で分離しているたため金属皿の熱が電磁波反射体に伝導しにくくなり、さらに効率良く短時間で食品に焦げ目を付けることができる。
【0015】
また、加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡し、前記金属皿と前記電磁波反射体板のいずれか一方の嵌合に熱伝導性が低くかつ誘電損失の小さい断熱材を取り付け金属皿を着脱自在にする構成とした。
【0016】
そして金属皿あるいは電磁波反射体のいずれか一方の勘合部に熱伝導が少なく誘電損失の小さい絶縁材を取り付け金属皿を着脱自在にしたことにより絶縁材の電磁波による損失をおさえ、金属皿の電磁波反射体への熱伝導を少なくし効率よく短時間で食品に焦げ目をつけられるばかりか、金属皿と電磁波反射体間の微小な隙間の食品カスも簡単に掃除することができる。
【0017】
また、加熱室上面に食品に焦げ目をつける上ヒータを設ける構成とした。
そして食品の上面を上ヒーターで、下面を高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿で焦げ目を付ける構成にすることにより上ヒーターに食品を近づけることか可能になり大型高周波加熱装置でも短時間で食品の両面に焦げ目をつけることができる。
【0018】
また、調理メニュー選択手段を備えた食品物を加熱調理する加熱室と、前記加熱室内に高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記導波管に取り付けられた整合素子と、この整合素子を駆動する駆動装置と、調理メニュー選択手段により整合素子を駆動する制御部と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射する給電口と、食品に焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡する構成とし、前記制御部は前記調理メニュー選択手段により、前記焦げ目付け皿を使用するメニューが選択されたときは、前記整合素子を前記メニューに連動して駆動する構成とした。
【0019】
そして整合素子が金属皿メニューの選択に連動する事により電磁波による直接調理するメニューに悪影響をあたえず、金属皿メニューのみマグネトロンからの電磁波を最大に設定できるため、さらに効率良く短時間に食品に焦げ目をつけることができる。
【0020】
また、加熱室内に高周波電磁波を放射するために加熱室側壁に設けた給電口と、焦げ目付け皿の開口とを対応して設ける構成とした。
【0021】
そして、給電口と開口とが対応しているため、高周波電磁波を効率的に焦げ目付け皿に進入し金属皿の温度を高くすることができる。
【0022】
また、焦げ目付け皿の金属皿と電磁波反射体との間隔を高周波電磁波の波長λの1/6〜1/24の範囲とした。
【0023】
そして、この間隔では高周波電磁波が効率的に金属皿に進入してくるので、金属皿の温度を高くすることができる。
【0024】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図である。また図2は焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の正面断面図である。
【0025】
図1および図2において、1は電磁波を照射するマグネトロンであり、このマグネトロン1から照射された電磁波は、導波管2を通り加熱室3の壁面に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。5は金属皿で熱伝導の良いアルミを使用している。金属皿5の裏面には電磁波により発熱する発熱体6を設けている。本実施例では発熱体6の材料としてフェライトを用いている。金属皿5は、発熱体6塗布面以外の外周を高周波電磁波を反射する電磁波反射体7により保持する構成であり、発熱体6塗布面と電磁波反射体7間は約平行に高周波電磁波の波長λの1/20λの隙間を設けている。金属皿5と電磁波反射体7で構成された空間8は加熱室3の壁面に設けた給電口4側のみ開放した閉空間になっている。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7の開口間に配置している。加熱室3の壁面には絶縁ガイシ9が設けられてあり電磁波反射体7を保持する構成としている。食品は、金属皿5の発熱体6塗布面と逆の面に直接載置する。これにより焦げ目付け皿が得られる。
【0026】
次に動作、作用について説明するとマグネトロン1から照射された電磁波は、加熱室3に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7間に設けているため、電磁波はほとんど金属皿5と電磁波反射体7間に導かれる。金属皿5と電磁波反射体7は給電口4側の開口を除く全ての面が短絡している。したがって、マグネトロン1から照射された電磁波は全て金属皿5の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになる。また、発熱体6が塗布されている金属皿5と電磁波反射体7の隙間は1/20λにしている。これは金属皿5と電磁波反射体7の隙間が変化することにより金属皿5と電磁波反射体7間の電界、磁界、特性インピーダンスが変わるためであり本実施例は金属皿5が焦げ目を付けるのに良い温度になるよう設定している。
【0027】
金属皿5と電磁波反射体7の隙間が小さくなると金属皿5と電磁波反射体7間の電界も小さくなる。供給される電磁波エネルギーが一定とすると磁界は大きくなる。本実施例の発熱体は磁界によるヒステリシス損を利用して発熱させるフェライトを使用しているため理論上は金属皿5と電磁波反射体7の隙間は狭いほど良い結果になる。しかし、図3の金属皿5と電磁波反射体7の隙間と、皿温度との関係の実測値に示されるように金属皿5と電磁波反射体7との隙間が約7mmのとき、皿表目温度は最も高くなり、7mm以下になると皿温度が低下している。
【0028】
これは金属皿5と電磁波反射体7間の隙間が狭すぎて電磁波エネルギーの供給量が減ったためである。この場合λは高周波加熱装置に用いられる高周波電磁波の波長2.45GHzを用いている。
【0029】
この構成によると、マグネトロン1から照射された電磁波を効率良く熱変換でき、皿の表面温度を高温にすることができるため、短時間で食品に焦げ目を付けることができる。
【0030】
なお、焦げ目の付け方としては短時間でカラット仕上げるためには、210℃以上が好ましく、長時間かけてじっくり焦げ目を付けるためには170℃以上の温度が必要であり、本実施例では図3に示すように2.45GHzの波長に対して空間の間隙を1/6〜1/24λにするのが実用的である。
【0031】
(実施例2)
図4は本発明の実施例2の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図である。
【0032】
実施例1の焦げ目付け皿と異なる点は、裏面に発熱体6を塗布した金属皿6と電磁波反射体7を熱伝導の小さく誘電損失の少ない絶縁材10で分離したところにある。
【0033】
なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明する。マグネトロン1から照射された電磁波は、加熱室3に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7間の開口に設けているため、電磁波はほとんど金属皿5と電磁波反射体7間に導かれる。金属皿5と電磁波反射体7は厚さ1mm程度の熱伝導の小さく誘電損失の少ない絶縁材10で分離しているが金属皿5と電磁波反射体7の隙間は小さく電気的には短絡状態に近いため、マグネトロン1から照射された電磁波はほとんど全てが金属皿5の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになる。また、発熱体6の熱変換より高温になった金属皿5は熱伝導の少ないシリコンゴム等の絶縁材10で分離されているため電磁波反射体7への熱伝導を極力おさえることができるため、さらに効率よく金属皿5の温度を上げることができ、短時間で食品に焦げ目をつけることができる。
【0034】
なお、本実施例では断熱材10としてシリコンゴムを用いた場合につき説明したが、シリコンゴムは一般的には絶縁性であり金属皿と電磁波反射体とを電気的に完全に短絡しにくい。このため、シリコンゴムとして導電性のものを用いるのが好ましい。
【0035】
さらに、金属皿と電磁波反射体との電気的短絡性能をよくするためには、断熱材10の表面又は一部に導電性の層又は部分を設けたり、断熱材10の表面が問題にならない程度の薄い銅箔やアルミニウム箔を設けたり、断熱材の内部に細い銅線等を貫通させたりしてもよい。
【0036】
また断熱材の厚みを変えることにより空間の間隔を変えることができるため、金属皿の温度も変えることができ、調理に見合った焦げ目をつけることができる。
【0037】
(実施例3)
図5は本発明の実施例3の焦げ目付け皿の要部断面図である。
【0038】
なお実施例2と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
実施例2と異なる点は金属皿あるいは電磁波反射体のいずれか一方の嵌合に熱伝導が少なく誘電損失の小さい絶縁材を取り付け金属皿5を着脱自在にしたところである。
【0039】
次に動作、作用につい説明すると、マグネトロン1から照射された電磁波は、加熱室3に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7間の開口に設けているため、電磁波はほとんど金属皿5と電磁波反射体7間に導かれる。金属皿5と電磁波反射体7は厚さ1mm程度の熱伝導の小さく誘電損失の少ないシリコン等の絶縁材10で分離しているが金属皿5と電磁波反射体7の隙間は小さく電気的には短絡状態に近いため、マグネトロン1から照射された電磁波はほとんど全てが金属皿5の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになる。また、発熱体6の熱変換より高温になった金属皿5は熱伝導の少ない絶縁材10で分離されているため電磁波反射体7への熱伝導を極力おさえることができるため、さらに効率よく金属皿5温度を上げることができ、短時間で食品に焦げ目をつけることができる。
【0040】
本実施例3では、金属皿5に熱伝導の少なく誘電損失の小さい絶縁材10を取り付け、電磁波反射体7とは絶縁材10の弾性を利用し嵌合している。そのため金属皿5と電磁波反射体7間の小さい隙間に入った食品カス等も金属皿5と電磁波反射体7を簡単に分離でき容易に清掃できる。
【0041】
また、短絡状態の向上または空間の間隙については実施例3と同様のことがいえる。
【0042】
(実施例4)
図6は本発明の実施例5の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図である。
【0043】
実施例2と異なる点は、加熱室3の天面に食品16に焦げ目をつける上ヒーター15を配置したところにある。
【0044】
なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明すると、給電口4は金属皿5と電磁波反射体間に配置しているので食品16を載置する金属皿5は給電口4より上ヒーター15に近い位置となる。食品16を速く焦がすためには、上ヒーター15に近ければ近いほど有利になる。本実施例では加熱室3のほぼ中央に給電口4を設けているため金属皿5及びそれに載置している食品16はさらに上ヒーターに近い位置になり、従来調理をするときの食品載置台17と比較するとヒータの輻射量は距離の2乗に反比例するため約4倍の輻射量が得られることになる。また、食品16の底面はマグネトロン1からの電磁波を熱に変換し焦げ目を付ける構成としている。マグネトロン1から照射された電磁波を、加熱室3に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7間に設けているため、電磁波はほとんど金属皿5と電磁波反射体7間に導かれる。したがって、マグネトロン1から照射された電磁波は全て金属皿5の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになり、さらに金属皿5を効率的に加熱でき、短時間で食品に焦げ目を付けることができる。このように食品16の裏面を電磁波で焦げ目がつけられるため、上ヒーター15に食品16を近ずけることができ、食品16の両面に短時間で焦げ目をつけることができる。
【0045】
なお、本実施例の構成は実施例1ないし3の実施例においても採用することができる。
【0046】
(実施例5)
図7は本発明の実施例4の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図である。
【0047】
実施例1と異なる点は 調理メニュー選択手段と、導波管に取り付けた整合素子と、この整合素子を駆動する駆動装置と、調理メニュー選択手段により整合素子を駆動する制御装置とを有し、金属皿と電磁波反射体間に電磁波を供給する給電口を配置すると共に、前記整合素子が金属皿を用いるメニュー(以下、金属皿メニューと記す)の選択に連動することである。
【0048】
なお実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
次に動作、作用について説明すると、調理選択手段11により金属皿を用いるメニュー(以下金属皿メニューと記す)が選択されると導波管2内に設けた整合素子14を整合素子駆動装置13によりあらかじめ金属皿5を加熱室3にいれた状態でマグネトロン1から最大の電磁波のでる制御装置12に記憶していた位置に駆動させる。金属皿メニュー以外の調理は調理性能、信頼性の良い位置に整合素子14を設定する。これにより電磁波による直接調理するメニューに悪影響をあたえず、金属皿メニューのみマグネトロン1からの電磁波を最大に設定できる。
【0049】
金属皿メニューの選択で整合素子14を最適位置に設定することにより最大に得られたマグネトロン1から照射された電磁波は、加熱室3に設けた給電口4より加熱室3内に照射される。給電口4は金属皿5と電磁波反射体7間に設けているため、電磁波はほとんど金属皿5と電磁波反射体7間に導かれる。したがって、マグネトロン1から照射された電磁波は全て金属皿5の裏面に塗布されたフェライトにより熱に変換されることになり、さらに金属皿5を効率的に加熱でき、短時間で食品に焦げ目を付けることができる。
【0050】
なお、本実施例の構成は実施例1ないし4の実施例においても採用することができる。
【0051】
なお、本発明では食品を載置する載置皿として金属皿を用いたが、これは載置面から電磁波を吸収するのを防ぐものであり、載置面からの電磁波の侵入をほぼ防ぐ方法を採用するなら金属皿のようにカーボン等の電磁波吸収性に優れ、かつ熱伝導のよい物質からなる皿を用いてもよい。この場合、本発明の金属皿の裏面に設けた発熱体を取り除くことができる。
【0052】
また、高周波電磁波を反射する電磁波反射体としては金属が一般に用いられるが、これに限定されるものではなく、プラスチックの表面に塗装または金属箔のラミネート等により電磁波反射層を設け成形加工したりしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、焦げ目付け皿は金属皿と電磁波反射体間に電磁波を供給する給電口を配置し、金属皿と電磁波反射体の給電口に対向面を開口しそれ以外の3面を電気的に略短絡しているので、マグネトロンから照射された電磁波は全て金属皿の裏面に塗布された発熱体により熱に変換されることになる。また、発熱体が塗布されている金属皿と電磁波反射体の隙間は電磁界の強さが最大になる寸法にしているため、効率よく短時間で食品に焦げ目をつけられるという有利な効果を有する。
【0054】
また、金属皿と電磁波反射体を熱伝導の少なく、誘電損失の少ない絶縁物で分離することにより電磁波反射体への熱放散を極力おさえることができ、さらに効率よく短時間で食品に焦げ目をつけられるという有利な効果を有する。
【0055】
さらに、金属皿あるいは電磁波反射体のいずれか一方の嵌合に熱伝導が少なく誘電損失の小さい絶縁材を取り付け金属皿を着脱自在にしたことにより、焦げ目を付ける性能をおとさず金属皿と電磁波反射体の微少な隙間も簡単に清掃できる効果を有する。
【0056】
さらに、食品の上面を上ヒーターで、下面を高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿で焦げ目を付ける構成にすることにより食品の上面を上ヒーターで、下面を高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿で焦げ目を付ける構成にすることにより上ヒーターに食品を近ずけることか可能になり大型高周波加熱装置でも短時間で食品の両面に焦げ目をつけることができるという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図
【図2】同焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の正面断面図
【図3】焦げ目付け皿の空間間隔と皿表面温度との関係を示す図
【図4】本発明の実施例2の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図
【図5】本発明の実施例3の焦げ目付け皿装置の要部断面図
【図6】本発明の実施例4の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図
【図7】本発明の実施例5の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置の側面断面図
【図8】従来のこんがり焼きプレートを使用位置に配置した拡大説明図
【符号の説明】
1 マグネトロン
2 導波管
3 加熱室
4 給電口
5 金属皿
6 発熱体
7 電磁波反射体
8 空間
9 絶縁ガイシ
10 断熱材
11 調理メニュー選択手段
12 制御部
13 駆動装置
14 整合素子
15 上ヒーター
16 食品

Claims (7)

  1. 加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品に焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡する構成とした焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  2. 加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡し、前記金属皿と前記電磁波反射体とを熱伝導性が低くかつ誘電損失の少ない断熱材を介して接合する構成とした焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  3. 加熱室と、前記加熱室内に供給する高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射するため加熱室側壁に設けた給電口と、食品焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡し、前記金属皿または前記電磁波反射体板のいずれか一方の嵌合に熱伝導性が低くかつ誘電損失の小さい断熱材を取り付け金属皿を着脱自在にする構成とした焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  4. 加熱室上面に食品に焦げ目をつける上ヒータを設ける構成とした請求項1ないし3のいずれか1項に記載の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  5. 調理メニュー選択手段を備えた食品物を加熱調理する加熱室と、前記加熱室内に高周波電磁波を発生するマグネトロンと、前記マグネトロンから加熱室内に高周波電磁波を導く導波管と、前記導波管に取り付けた整合素子と、この整合素子を駆動する駆動装置と、調理メニュー選択手段により整合素子を駆動する制御部と、前記加熱室内に高周波電磁波を放射する給電口と、食品に焦げ目を付ける焦げ目付け皿とを備え、前記焦げ目付け皿は高周波電磁波を吸収して発熱する発熱体を食品載置面の裏面に配置した金属皿と、前記金属皿と空間を介して設けた電磁波を反射する面を有する電磁波反射体とを有し、前記金属皿と前記電磁波反射体との前記空間に電磁波を供給する開口を設けると共に、前記開口以外の部分は電気的に短絡し、前記金属皿または前記電磁波反射体板のいずれか一方の嵌合に熱伝導性が低くかつ誘電損失の小さい断熱材を取り付け金属皿を着脱自在にする構成とし、前記制御部は前記調理メニュー選択手段により、前記焦げ目付け皿を使用するメニューが選択されたときは、前記整合素子を前記メニューに連動して駆動する構成とした請求項1ないし4のいずれか1項に記載の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  6. 加熱室内に高周波電磁波を放射するために加熱室側壁に設けた給電口と、焦げ目付け皿の開口とを対応して設けた請求項1ないし5のいずれか1項に記載の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
  7. 焦げ目付け皿の金属皿と電磁波反射体との間隔を高周波電磁波の波長λの1/6〜1/24の範囲とした請求項1ないし5のいずれか1項に記載の焦げ目付け皿付き高周波加熱装置。
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