JP4258827B2 - 対物レンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズに関し、特に波長300nm以下の遠紫外域において使用される対物レンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、0.85以上の開口数を有し、波長300nm以下の遠紫外域において使用される対物レンズでは、物体の近くに配置されたメニスカスレンズ、特に最も物体側に配置されたメニスカスレンズの像側面の曲率半径を小さく設定することにより収差補正を行っているのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、曲率半径の小さい面を有するレンズ、特に有効半径を曲率半径の絶対値で割った値が1.90を超えるレンズでは、レンズの作製および面形状の計測が困難になり、組込み時の偏芯公差が厳しくなるという不都合があった。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、レンズの作製および面形状の計測が容易で、組込み時の偏芯公差が比較的緩く、収差が良好に補正された対物レンズを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明では、0.85以上の開口数を有し、300nm以下の波長の光に対して用いられる対物レンズにおいて、
全体として正の屈折力を有し、4枚の物体側に凹面を向けた正のメニスカスレンズと、像側に向いて負の屈折力を有する面とを含む第1レンズ群と、
全体として負の屈折力を有し、像側に向いて負の屈折力を有する面を含む第2レンズ群とを備え、
前記正のメニスカスレンズの像側の面の有効直径をEDとし、前記正のメニスカスレンズの像側の面の曲率半径をrとしたとき、前記正のメニスカスレンズのうちの最も物体に近い前記正のメニスカスレンズが、
ED/|r|<1.90
の条件を満足することを特徴とする対物レンズを提供する。
【0006】
本発明の好ましい態様によれば、前記対物レンズを構成するすべてのレンズ成分は単一種の光学材料で形成されている。また、前記対物レンズを構成するすべてのレンズ成分は単レンズとして形成されていることが好ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる対物レンズのレンズ構成を概略的に示す図である。本実施形態では、193.4nmの波長の光に対して用いられる対物レンズに本発明を適用している。図1を参照すると、本実施形態の対物レンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成されている。
【0008】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL13と、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL14と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と、両凸レンズL16と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL17と、両凸レンズL18とから構成されている。
【0009】
また、第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL21と、両凹レンズL22とから構成されている。なお、第1レンズ群G1と観察物体(不図示)との間の光路中には、平行平面板の形態を有するカバーガラスPが配置されている。第1レンズ群G1において、負メニスカスレンズL15の像側の面および負メニスカスレンズL17の像側の面が、「像側に向いて負の屈折力を有する面」を構成している。また、第2レンズ群G2において、両凹レンズL22の像側の面が、「像側に向いて負の屈折力を有する面」を構成している。
【0010】
本実施形態では、カバーガラスPを含むすべての光学部材が石英で形成されている。石英は、使用波長193.4nmの光に対して5mmの厚さで50%以上の内部透過率を有する光学材料である。そして、使用波長193.4nmに対する石英の屈折率は1.5601954である。また、本実施形態の対物レンズは無限遠設計されているので、対物レンズの像側に20mmの空気間隔を隔てて焦点距離200mmの結像レンズ(第2対物レンズ)を配置し、対物レンズと結像レンズとの組合せにより有限光学系を形成している。
【0011】
次の表(1)に、本実施形態にかかる対物レンズの諸元の値を掲げる。表(1)において、Fは対物レンズの焦点距離を、NAは対物レンズの物体側開口数を、βは対物レンズと結像レンズとを組み合わせた合成光学系の倍率をそれぞれ表している。さらに、面番号は物体側からの各面の順序を、rは各面の曲率半径(mm)を、dは各面の間隔(mm)を、EDは各面の有効直径(mm)を、nは使用波長(λ=193.4nm)に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0012】
【表1】
【0013】
図2および図3は、本実施形態における諸収差図である。図2の非点収差において、実線はサジタル像面を、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示している。また、図3の横収差において、Yは像高(mm)を示している。各収差図から明らかなように、本実施形態では、諸収差が良好に補正されていることがわかる。なお、本実施形態において示す諸収差図は、対物レンズと結像レンズとの軸上空気間隔が20mmの場合の諸収差図であるが、軸上空気間隔が広い範囲に亘って変化しても収差の変動がほとんどないことを本発明者は検証している。
【0014】
ところで、図1を参照すると、第1レンズ群G1において、物体に比較的近く位置決めされて物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズ(L11〜L13)の像側の面の曲率半径が小さくなる傾向があることがわかる。本実施形態では、最も物体側に配置された正メニスカスレンズL11では、その像側の面の有効直径EDが3.091mmであり、その曲率半径rが−1.67308mmである。したがって、正メニスカスレンズL11について、有効直径と曲率半径の絶対値との比ED/|r|は1.85である。
【0015】
また、物体側から2番目の正メニスカスレンズL12では、その像側の面の有効直径EDが5.426mmであり、その曲率半径rが−3.3133mmである。したがって、正メニスカスレンズL12について、有効直径と曲率半径の絶対値との比ED/|r|が1.64である。さらに、物体側から3番目の正メニスカスレンズL13では、その像側の面の有効直径EDが7.252mmであり、その曲率半径rが−4.86335mmである。したがって、正メニスカスレンズL13について、有効直径と曲率半径の絶対値との比ED/|r|が1.49である。
【0016】
以上のように、本実施形態では、最も物体側に配置された正メニスカスレンズL11の比ED/|r|だけが突出して大きくならないように、マージナル光線を内側に曲げる作用を物体からより遠い面に負担させている。すなわち、最も物体側に配置された正メニスカスレンズL11の比ED/|r|を従来よりも抑え、その代わりに物体側から2番目の正メニスカスレンズL12および3番目の正メニスカスレンズL13の比ED/|r|を従来よりも大きく設定している。その結果、第1レンズ群G1を構成するすべてのメニスカスレンズについて、その像側の面の比ED/|r|を1.90よりも小さく抑えることができる。
【0017】
また、上述したように、第1レンズ群G1において、負メニスカスレンズL15の像側の面およびおよび負メニスカスレンズL17の像側の面が、「像側に向いて負の屈折力を有する面」を構成している。さらに、第2レンズ群G2において、両凹レンズL22の像側の面が、「像側に向いて負の屈折力を有する面」を構成している。その結果、像側を向いた負屈折力の面を備えることにより、正弦条件を良好に補正することができる。
【0018】
以上のように、本実施形態の対物レンズでは、第1レンズ群G1を構成するすべてのメニスカスレンズについて、その像側の面の比ED/|r|を1.90よりも小さく抑えているので、レンズの作製および面形状の計測が容易で、組込み時の偏芯公差が比較的緩い。また、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2において、像側を向いた負屈折力の面を備えているので、正弦条件を良好に補正することができ、ひいては諸収差を良好に補正することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、レンズの作製および面形状の計測が容易で、組込み時の偏芯公差が比較的緩く、収差が良好に補正された対物レンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる対物レンズのレンズ構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態における諸収差図である。
【図3】本実施形態における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L レンズ
P カバーガラス
Claims (3)
- 0.85以上の開口数を有し、300nm以下の波長の光に対して用いられる対物レンズにおいて、
全体として正の屈折力を有し、4枚の物体側に凹面を向けた正のメニスカスレンズと、像側に向いて負の屈折力を有する面とを含む第1レンズ群と、
全体として負の屈折力を有し、像側に向いて負の屈折力を有する面を含む第2レンズ群とを備え、
前記正のメニスカスレンズの像側の面の有効直径をEDとし、前記正のメニスカスレンズの像側の面の曲率半径をrとしたとき、前記正のメニスカスレンズのうちの最も物体に近い前記正のメニスカスレンズが、
ED/|r|<1.90
の条件を満足することを特徴とする対物レンズ。 - 前記対物レンズを構成するすべてのレンズ成分は単一種の光学材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ。
- 前記対物レンズを構成するすべてのレンズ成分は単レンズとして形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の対物レンズ。
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