JP4258823B2 - 操作監視用表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロセス制御に関する操作監視用表示装置において、表示内容の一部を拡大縮小表示するウィンドウ位置並びに 拡大縮小率を設定するズーム設定ダイアログ手段の機能改善に関する。
【0002】
従来技術の説明に先立ち、本発明が適用されるプロセス制御装置の概要を図8に基いて説明する。図において、制御部2はプラント1の監視と制御とを行う。
そして、制御部2は、監視結果に基づいて、記憶部3に記憶された描画データにより表示部(CRT)4に操作監視ウィンドウの表示を行う。操作手段5はキーボード又はマウスで、制御部2を操作する。
【0003】
制御部2は、監視制御手段21と表示処理手段22とからなる。また、制御部2は一般にコンピュータで構成され、監視制御手段21及び表示処理手段22は一般にプログラムで記述されている。そしてこのプログラムは、一般に記録媒体(FDD,CD−ROM等)またはネットワークを経由した上位のコンピュータからのダウンロードでインストールされる。
【0004】
監視制御手段21は、プラント1の監視を行うと共にプラント1における各種プロセスの制御を行う。表示処理手段22は、監視制御手段21からの監視結果を入力し、スケーリング指示に基づいて決められた描画データを記憶部3から呼び出し、大きさの演算を行い、表示部4への表示処理を実行する。
【0005】
記憶部3は例えばハードディスク等で、画面データ31、計器表示データ32を記憶する。画面データ31は、画面に描画する種類情報、大きさ情報、位置情報、操作調節キー情報などからなる。
【0006】
表示部4によるウィンドウ表示の種類には、グラフィックウィンドウ、制御ドローイング状態表示ウィンドウ、ロジックチャート状態表示ウィンドウ等がある。グラフィックウィンドウは、オペレータがシステムを操作監視するための仮想的な計器図、データ、ボタンなどを表示し、一枚のウィンドウで多くの情報が得られる。
【0007】
制御ドローイング状態表示ウィンドウは、システムの処理の流れを示したウィンドウであり、システムの入出力値、設定値などを表示する。このウィンドウでは、表示するデータ量が多く、システム全体を表示するため、個々のデータの表示サイズは小さくなってしまう。
【0008】
ロジックチャート状態表示ウィンドウは、データ値の演算処理の流れ等を示したウィンドウである。これらウィンドウは、多くのデータが得られる反面、データの表示サイズが小さくなってしまう問題点があり、表示内容の特定部を拡大縮小表示させるズーム機能を持たせることが行われる。
【従来の技術】
図7はグラフィックウィンドウの拡大縮小の設定を行うためのズーム設定ダイアログ画面であり、画面上部の拡大縮小エリア設定部、画面下部の機能操作ボタン部よりなる。拡大縮小エリア設定部においてAは所定の面積を有する表示位置設定領域の初期位置を示す。この領域はマウスのドラッグ操作により、点線で示すように画面内で任意位置Bに移動させることができる。
【0009】
機能操作ボタン部は、ZoomIn、ZoomOut、ZoomTo、PanTo、Reset、Closeの6個のボタンを有し、設定領域内の拡大縮小率、パン設定、リセット、ダイアログ消去等の操作を実行する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このようなズーム機能の問題点の第1は、位置設定された領域のみを拡大縮小して表示するため、別の領域の拡大縮小表示をすることができない。別の領域表示をするためには、再度ズーム設定ダイアログ画面を呼び出して設定領域位置の移動操作をする必要がある。このため、オペレータに煩雑な操作を強いることになり、ストレスが大きい。
【0011】
問題点の第2は、ウィンドウを表示するたびに、拡大、縮小、設定領域の指定を改めてしなければならない。即ち、ウィンドウを消した場合に、直前のズーム設定データの記憶機能がなく、ズームデータが無効となるので、前回と同じ条件での立ち上げができない。
【0012】
問題点の第3は、ZoomIn、ZoomOutボタンを押すと、誤って押した場合も即時に設定内容がウィンドウに反映されてしまう点である。即ち、設定内容を試行錯誤しながらウィンドウを確認し、最終決定する操作ができない。
【0013】
問題点の第4は、初期化ボタンがないので、一旦設定したズーム情報をデフォルトの初期状態に戻すことができない。従って、最初の位置からの設定操作が不可能である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
このような課題を達成するために、請求項1記載発明の特徴は、プロセス制御に関する操作監視用表示装置において、ウィンドウ表示内容の一部を拡大縮小表示するための表示位置並びに拡大縮小率を設定するズーム設定ダイアログ手段と、拡大縮小表示されたウィンドウの表示位置をスクロール可能とするスクロールバー手段と、前記拡大縮小ウィンドウの表示位置設定を変更したときに前記スクロールバー位置を変更するための表示位置変化計算手段と、前記ズーム設定ダイアログ手段により設定された拡大縮小ウィンドウ位置並びに拡大縮小率を、前記ダイアログを表示したまま適用させる適用ボタン手段と、設定内容を最終確定しダイアログ表示を消去するOKボタン手段と、を具備した点にある。
【0015】
請求項2記載発明の特徴は、前記ズーム設定ダイアログ手段により設定された拡大縮小ウィンドウの表示位置並びに拡大縮小率を記憶するズーム設定ダイアログ内容記憶手段を具備し、次回にズーム設定ダイアログが呼び出されたときに前回のダイアログ設定内容が反映される点にある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明実施態様を、図面を用いて説明する。本発明の適用対象システムについては、図8で説明した構成と同一である。図1は本発明操作監視用表示装置の機能ブロック図を示す。
ズーム設定ダイアログ手段6は、ウィンドウ表示内容の一部を拡大縮小表示するための表示位置並びに拡大縮小率を設定する。
スクロールバー手段7は、拡大縮小表示されたウィンドウの表示位置をスクロール可能とする。
表示位置変化計算手段8は、拡大縮小ウィンドウの表示位置設定を変更したときにスクロールバー位置を変更する。
【0019】
ズーム設定ダイアログ内容記憶手段9は、ズーム設定ダイアログ手段6により設定された拡大縮小ウィンドウの表示位置並びに拡大縮小率を記憶する。
初期化ボタン手段10は、ズーム設定ダイアログ手段6の初期設定状態を表示する。
適用ボタン手段11は、ズーム設定ダイアログ手段6により設定された拡大縮小ウィンドウ位置並びに拡大縮小率を、ダイアログを表示したまま暫定的に反映したウィンドウを表示させる。
OKボタン手段12は、設定内容を最終確定しダイアログ表示を消去する。
【0020】
図2は、本発明操作監視用表示装置におけるズーム設定ダイアログの表示画面であり、図7と同様に画面上部の拡大縮小エリア設定部、画面下部の機能操作ボタン部よりなる。
【0021】
拡大縮小エリア設定部においてAは所定の面積を有する四角形の表示位置設定領域の初期位置を示す。この領域はマウスのドラッグ操作により、点線で示すように画面内で任意位置Bに移動させることができる。
【0022】
機能操作ボタン部は、拡大、縮小、初期化、OK、キャンセル、適用の6個のボタンを有し、設定領域内の拡大縮小率、初期化、適用等本発明独自の操作を実行する。
【0023】
図3は、本発明装置によるズーム設定手順を示すウィンドウ遷移図である。(a)はプロセス操作監視用ウィンドウであり、ツールバーに設けたズームボタンをクリックすることにより(b)のズーム設定ダイアログ画面が表示される。このダイアログ画面によりウィンドウ上で拡大縮小表示させたい位置をマウスのドラッグで初期位置Aより任意の位置Bに移動できる。表示範囲の左上の位置は操作監視ウィンドウで常に表示されている十字カーソルの交点Kに反映されるので、ズーム位置の確認が容易である。
【0024】
位置の決定を終了した後、拡大ボタン、縮小ボタンで任意の拡大率を設定し、OKボタンをクリックすると、(b)のダイアログの設定内容を反映した全画面に拡大された操作監視ウィンドウ(c)となる。
【0025】
このウィンドウの特徴は、垂直方向スクロールバー手段SC1及び水平方向スクロールバー手段SC2を具備している点にある。これらスクロールバー手段の付与は、従来のズーム機能にはない本発明の主要部をなす機能であり、この機能により当初の監視操作ウィンドウ(a)の任意位置にズーム表示位置を移動させることが可能であり、従来のように一々(b)のズーム設定ダイアログ画面に戻って位置変更操作をする必要がなく、操作性が著しく向上する。
【0026】
図4は、ズーム設定ダイアログ(a)において拡大縮小設定位置をAからBに移動させた場合のスクロールバー位置の変更計算手順を説明するフローチャート図である。まずステップS1で四角形の表示位置設定領域Aの変更がマウスにより行われると、ステップS2では表示位置設定領域内での処理が実行される。マウスの移動距離が計算され、計算後の表示位置Bに表示位置設定領域を動かし、動かしたことをズーム設定ダイアログに通知する。
【0027】
次にステップS3では、通知を受けたズーム設定ダイアログ内での処理が実行される。四角形の表示位置Bの座標からウィンドウで表示する位置の座標が計算され、四角形が動いたことをウィンドウに通知する。
【0028】
次にステップS4では、通知を受けたウィンドウでの処理が実行される。ウィンドウで表示する位置座標からスクロールする量の計算が行われ、その結果に基(c)のズームウィンドウにおけるスクロールバーSC1,SC2の位置変更が実行される。
【0029】
図5のフローチャートに基づき、本発明の他の特徴であるOK、適応、キャンセルボタンの機能を説明する。このフローチャートは、ズーム設定ダイアログを表示してズーム情報(拡大ボタンを押す)を設定した後の処理の流れを示している。最初のステップでは、ズーム設定ダイアログにおいて、OK、適用、キャンセルボタンが押された場合はそのズーム情報が記憶される。
【0030】
次の判断ステップでは、現在のウィンドウ状態と倍率または表示位置が異なっているか否かがチェックされ、変更がなければOK、適用、キャンセルボタンのどのボタンが押されていてもズーム設定ダイアログ画面を消去し、終了する。
【0031】
前記判断ステップで変更があった場合において、キャンセルボタンが押された時には、ズーム設定ダイアログ画面が消去され、終了する。前記判断ステップで変更があった場合において、変更後OKボタンまたは適用ボタンが押された時にはズーム率と表示位置情報を基にウィンドウの再表示が実行される。
【0032】
OKボタンが押されたことによる再表示の場合は、ズーム設定ダイアログ画面を消去し、終了する。適用ボタンが押されたことによる再表示の場合には、ズーム設定ダイアログ画面を消去しないで終了する。
【0033】
この処理フローから明らかなように、ズーム設定の変更後適用ボタンを押した場合には変更がウィンドウに反映されるが、ズーム設定ダイアログ画面は消去されないので、新たな変更とウィンドウへの反映を何回でも試行設定できる。最終決定したときにOKボタンを押すことでズーム設定ダイアログ画面が消去される。
【0034】
設定の途中においても、初期化ボタンを押した場合には、ズーム設定を実行する前の初期設定状態に強制的に戻されるので、設定を最初からやり直すことが容易にできる。またキャンセルボタンが押されればズーム設定ダイアログ画面が消えて設定作業をいつでも中断することができる。
【0035】
また図5のフローのスタートステップで明らかなように、ズーム設定ダイアログにおいて、OK、適用、キャンセルボタンが押された場合はそのズーム情報が記憶される。したがってズーム設定ダイアログ画面を消去した後、再度呼び出した場合に、前回の設定内容を再度設定しなおすことなく、前回ズーム設定内容を反映したウィンドウ表示が可能となる。
【0036】
図6は、ツールバーのズームボタンが押された後のズーム設定ダイアログ表示処理の流れを示すフローチャートであり、ダイアログがすでに作成されているか否かがチェックされ、作成されていればダイアログを表示し、作成されていない場合には、ダイアログをアクティブにする。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば次のような効果が期待できる。
ズーム表示された操作監視用ウィンドウに垂直方向スクロールバー手段SC1及び水平方向スクロールバー手段SC2を具備せしめることにより、操作監作ウィンドウの任意位置にズーム表示位置設定領域を移動させることが可能であり、従来のように一々ズーム設定ダイアログ画面に戻って位置変更操作をする必要がない。即ち、オペレータに煩雑な操作を強いることのない、操作性を著しく向上せしめた操作監視用表示装置を実現できる。
【0038】
ズーム設定の内容は記憶されるので、次回ズーム設定ダイアログが呼び出されたとき、前回設定の内容が反映されたウィンドウ表示が得られ、ウィンドウを表示するたびに、拡大、縮小、設定領域の指定を改めてしなければならない煩雑操作をなくすことができる。
【0039】
適用ボタン、OKボタンの導入により、設定内容を確認しながら何回でも試行した後に最終決定することができ、従来のようにZoomIn、ZoomOutボタンを押すと直ちに最終決定されてズーム設定ダイアログ画面が消える問題点が解決される。
【0040】
さらに、初期化ボタンによりいつでもズーム情報を初期状態に戻すことができ、キャンセルボタンによりいつでもズーム設定作業を中断することが可能であり、操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明操作監視用表示装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明操作監視用表示装置におけるズーム設定ダイアログ手段の表示画面である。
【図3】本発明装置によるズーム設定手順を示すウィンドウ遷移図である。
【図4】ズーム設定ダイアログ(b)において拡大縮小範囲の設定位置をAからBに移動させた場合のスクロールバー位置の変更計算手順を説明するフローチャート図である。
【図5】ズーム設定ダイアログを呼び出してズーム情報(拡大ボタンを押す)を設定した後の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】ツールバーのズームボタンが押された後のズーム設定ダイアログ呼び出し処理の流れを示すフローチャート図である。
【図7】従来の操作監視用表示装置におけるズーム設定ダイアログ手段の表示画面である。
【図8】本発明が適用されるプロセス制御装置の概要を説明するブロック線図である。
【符号の説明】
6 ズーム設定ダイアログ手段
7 スクロールバー手段
8 表示位置変化計算手段
9 ズーム設定ダイアログ内容記憶手段
10 初期化ボタン手段
11 適用ボタン手段
12 OKボタン手段

Claims (2)

  1. プロセス制御に関する操作監視用表示装置において、
    ウィンドウ表示内容の一部を拡大縮小表示するための表示位置並びに拡大縮小率を設定するズーム設定ダイアログ手段と、
    拡大縮小表示されたウィンドウの表示位置をスクロール可能とするスクロールバー手段と、前記拡大縮小ウィンドウの表示位置設定を変更したときに前記スクロールバー位置を変更するための表示位置変化計算手段と、
    前記ズーム設定ダイアログ手段により設定された拡大縮小ウィンドウ位置並びに拡大縮小率を、前記ダイアログを表示したまま適用させる適用ボタン手段と、
    設定内容を最終確定しダイアログ表示を消去するOKボタン手段と、
    を具備した操作監視用表示装置。
  2. 前記ズーム設定ダイアログ手段により設定された拡大縮小ウィンドウの表示位置並びに拡大縮小率を記憶するズーム設定ダイアログ内容記憶手段を具備し、次回にズーム設定ダイアログが呼び出されたときに前回のダイアログ設定内容が反映されることを特徴とする請求項1記載の操作監視用表示装置。
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