JP4258736B2 - 櫓 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶とくに小型の舟を人力により推進させるため、船舶に操作可能に取り付けを行う櫓についての発明である。
伝統的な船の手漕ぎ装置である「櫓」は鎌倉時代より以前頃に中国から伝わって来たと考えられている。この櫓は日本に伝わって以来、少しずつ改良され江戸時代前期に最終的な形態に落ち着き、その後は現代に至るまでほぼ同じ形状を保っている。
日本の櫓の特徴は二つあり、(1)2本の材料が繋いで使われていること、(2)その2材が曲がって繋いであること、である。
このような櫓は特に「繋櫓(つぐろ)」と呼ばれている(なお2本の材料を使わない櫓を「竿櫓(さおろ)」と呼ぶ)。
従来の櫓の形成を第6図に示す。
従来の櫓は、大きな2部品と小さな2部品から形成されている。それぞれの形成について第6図の斜視図を用いて説明する。
第6図において、101は櫓の水を掻くための櫓脚(ろあし)で、ヘラのような平面部110を有している。102は平面部110が斜め上面を向くとき、水平に近い形で保持される様に櫓脚101に固着された櫓腕である。櫓脚101の櫓腕102との連結部分付近は、平面部は無く、丸い形状をしている(通称入れ子と呼ばれる)部分120がある。利用者はこの部分を舟200の後端部に設けられた軸支部201(通称「櫓臍:ろべそ」または「櫓杭:ろぐい」と呼ばれる)に乗せる(もしくは回動自在に軸支する)。舟の操作者はこの櫓腕102を左右に操作することでこの軸を中心に櫓脚101が左右に動くことになる。
また、この櫓腕102の上面には小さな突起状の櫓柄103が固着され、ここに早緒104と呼ばれるロープを掛けて使用している。この早緒104の他端は舟の船底側に固着されており、この櫓を操作したときに生じる推進力を舟に伝える働きを有している。
この様に形成された、従来の櫓についてその動作の説明を行う。
まず操作者は、櫓脚101の平面部が進行方向より斜めになるようにして左右に動かすよう櫓腕102を操作する。第7図は、操作者が櫓を操作したときの水面と接する位置での櫓脚101の断面の移動を時系列的に示したものである。第7図中a〜cは、舟の進行方向を図面下方とした場合、櫓脚101を舟の進行方向に向かって左に移動させているとき、即ち操作者が櫓腕102を右に動かしているときの遷移を示す図である。尚、櫓脚101の断面に於いて、fは櫓脚101の進行方向の前縁を示し、rは櫓脚101の進行方向の後縁を示す。
このときに生じる、櫓に対する相対的な水流は、第8図(a)の水流300の様になる。
この図でもわかるように櫓脚101を斜めに移動させることにより櫓脚101の平面部110の表面と裏面との間に水流の流れの差が生じることになる。この水流の差により、飛行機などで言われる「揚力」と同様の力が生じ矢印400方向に推進力が発生する。その後、舟の進行方向に向かって左から右へ櫓脚101の移動を変更する、即ち櫓腕102の移動方向を切り替えると第7図のd〜fに示されるように移動することになる。
この場合の水流は第8図(c)の水流301の様になり、やはり矢印400と同じ矢印401方向に推進力が発生する。
また、櫓脚101の移動方向を左から右に切り替えるポイント(第7図ではc→dとなる点)では、櫓脚の傾きも反対に傾けることが必要となる(これを返しという)。
これを見てもわかるように櫓は、流体力学上の揚力を推進力としているところが、パドル(櫂)、オール等他の手漕ぎの方法の中でもっとも機能的といえる。
このようにして生じる揚力(推進力)は理想的な条件では、そのときに生ずる抗力の10倍も発生する事が知られている。つまり揚力はそのとき漕いだ力の10倍生じるということである。
その揚力が推進力として船尾に伝わるが、早緒104がその推進力を(櫓の支点とともに)受け止めるので、操作者はその推進力を腕先に感じることはない。また櫓は他の手漕ぎ装置と違って往復運動の双方向で推進力を発生するので無駄がない。
しかしながら従来の櫓では、返しの時点においては平面部110をもって水流を妨げることになる。このような状況となると第8図(b)に示されるように、水流が櫓脚101の平面部110と直行するようにあたってしまうので、水流による抵抗は大きなものとなる。加えて、水の下流側には大きな渦302が発生してしまい、結果的に推進力を緩めてしまうことになり、推進効率が大きく低下する。
特に、船の速度の増大に伴って渦は過激に発生するようになるので、推進効率は、高速になるほど悪くなり、事実上、櫓による推進では高速の航行は難しくなる。
これにより櫓を使った手漕ぎ舟は舟の側面で推進を行うオールなどに比べて速度が遅くなってしまうという課題があった。
本発明は、この点に鑑み、返しの際の渦による抵抗を最小限に抑えることにより、操作者が必要とする力が小さくてすみ、よって高速走行が可能な櫓を提供することを目的とする。
本発明は、上記従来の課題を解決するために、平面部を持ち、一端を水面に入れる櫓脚と、前記櫓脚の他端の前記平面部が水面に対し垂直となる位置を基準とする状態で前記櫓脚を操作する位置に取り付けられた櫓腕とから形成される事を特徴とするものである。
更に、本発明にかかる櫓は、櫓脚が、前記櫓腕と接合していない一端の先端部付近で前記櫓脚の平面部に平行なフィンと接合している接続部と、接合している。
第1図は、本発明の実施の形態の櫓の側面図及び平面図である。第2図は、本発明の実施の形態の櫓の斜視図である。第3図は、本発明の実施の形態の櫓を左右に操作した場合の櫓脚の遷移図である第4図は、本発明の実施の形態の櫓を舟に搭載した状態を示した図である。第5図は、本発明の実施の形態の櫓の櫓脚と水流との関係を説明した説明図である。第6図は、従来の櫓の斜視図である。第7図は、従来の櫓を左右に操作した場合の櫓脚の遷移図である。第8図は、従来の櫓の櫓脚と水流との関係を説明した説明図である。第9図は、本発明のフィンを取り付けた櫓を示す図である。第10図は、櫓と進行速度の概念図である。第11図は、フィンを取り付けた櫓脚の先端部分の拡大図である。第12図は、フィンと接続部を示す図である。第13図は、フィンを取り付けた櫓を左右に操作した場合の櫓脚の遷移図である。第14図は、櫓に対する力を示した概念図である。第15図は、櫓にフィンを取り付けた場合の櫓脚2の先端に対する迎え角の調整を示した図である。
符号の説明
1:櫓腕
2:櫓脚
3:櫓柄
4:早緒
5:フィン
6:接続部
7:挿嵌部
第1図に本願発明の一実施の形態を示す櫓の側面図及び平面図を示す。尚、側面図の上方には、当該箇所に於ける櫓の断面を示している。
まず、本実施の形態の櫓の形成で従来と異なるのは、櫓腕1に対し、垂直方向(前縁fが下方にあり後縁rが上方にあれば良いので、必ずしも垂直に限定されることはなく、概略垂直方向であっても良い)に平面部12を持つ櫓脚2を持つことである。加えて、従来の櫓腕102は水面と平行になるよう櫓脚101の上端部を覆うように取り付けたのに対し、本発明の櫓腕1は、櫓脚の上端部に斜め下部側から取り付けられている。即ち、櫓腕1が櫓脚2を「受けた」状態で固着を行っている点が特徴である。第1図から明らかなように、本発明の櫓にかかる櫓脚2は、従来の櫓脚101と同様に、櫓腕1と接合する部位は平面部12でなくても良い。また、櫓柄3は、櫓腕1の上面側ではなく下面側に設置されている。
尚、平面部12は、第1図の断面図に示すようにへらの形状をしている。櫓脚2の平面部12は、第1図の断面図に示すようにその下方(前縁f)が厚く、上方(後縁r)が薄い形状をしている。そして櫓脚2の先端側ほど平面部12の下方(前縁f)が薄くなっている(先端側は、前縁fが薄くなると共に全体的に薄くなっており、後縁部rの方が常に前縁部fよりも薄い、所謂流線型である(これをキャンバの無い対称翼型という))。
また、第2図は本実施の形態の斜視図を示したものである。この図を見ても明確なように、従来の櫓脚面が水平状態を基準に形成されたものであるのに対し、垂直状態での使用を基準に形成されており、かつ、櫓腕1が櫓脚2を「受けた」状態で固着を行っている点が異なっていることがわかる。
さらに異なるのは、この櫓脚の平面部を垂直状態を基準とさせるために早緒4を取り付ける櫓柄3を櫓腕1の下面に取り付けている(従来は上面)。これにより、垂直状態を基準とさせている。
第4図は、本実施の形態の櫓を、舟に搭載した状態を示した図である。
この図でもわかるように、従来「へ」の字型に櫓が静止していたのに対し、本実施の形態の櫓は、「V」字型(逆「へ」の字型)を基準としていることが明確である。
また従来の櫓の入れ子120に相当する部分は、本実施の形態の櫓の場合、構造上比較的自由度が高いので、一般的なオールの受け具状のものであれば良い。
以上の様に形成された櫓について、その動作を説明する。
本実施の形態の櫓を左右に操作した場合の櫓脚2の遷移を第3図に示す。第3図は、操作者が櫓を操作したときの水面と接する位置に於ける櫓脚2(平面部12)の断面の移動を時系列的に示したものである。
まず、第3図のg〜iでは斜め方向に傾けて櫓を操作する事自体は同じである。つまり、櫓の平面部12の前縁fを進行方向側に常に傾けて櫓を左右に操作する。よって第5図(a)に示すようにその水流30は、従来と同じ様に働くため、矢印40方向に推進力が生じることとなる。反対方向への櫓脚2の平面部に対する水流は、迎え角が反対方向になり、g〜h〜i(又は左方向)に櫓脚2を移動したときとは反対面側の方向(第5図(c)の矢印41方向)に推力が生じることとなる。
本実施の形態で特徴的なのは、「返し」の部分である。
垂直櫓の基準の姿勢は櫓の面が垂直であるため、反復点での櫓の返し操作を行うと櫓腕2の平面部12が水流と平行になる。このため、第5図(b)に示されるように水流による抵抗値が最小となる。当然抵抗がないということは櫓脚2の平面部12の表裏、何れかの側に渦が巻くことがほとんどない。このため返しを行う事による推進力の減退もほとんど生じなくなるために、高速走行が可能となる。
加えて、返しの操作に必要な力が軽いので、左右に櫓を動かす操作を従来より早く行うことができるようになり、これによっても走行性能が向上することとなる。
また、本実施の形態の第2の特徴は、上記したように櫓脚2と櫓腕1でとの関係が、静止したときにVの字状の形態になるよう形成したことである。
この形状は本実施の形態の櫓の反復点で櫓脚2の返しが適切に行われるのを助ける。
すなわち水中の櫓脚2の前後軸周りに返し操作の初動で回転モーメントを生じさせて、自然に適切な返し角度を導くのである。
加えて、第3の特徴は、櫓柄3が櫓腕1の下側に出ている事である。櫓面の角度が過大にならぬように、この櫓柄の先端に早緒4を取り付けている。
これにより過大な迎え角(迎え角とは、主水流(水流の中心となる流れ)と櫓の断面に対する相対的な角度を言う)になることを制御でき、船の速度に応じてもっとも適切な迎え角をほぼ自動的に得ることができる。
なお、本実施の形態では、櫓脚2と櫓腕1との取り付けは斜め状態に行われるが、発明者による検証の結果、その角度は7〜15度程度が最適である。
次に、本発明の櫓にかかる第2の実施例として、当該櫓に、更にフィン5を取り付けた櫓について説明する。この櫓を第9図に示す。第9図(a)に斜視図、第9図(b)に側面図、第9図(c)に平面図を示す。又、第12図に、櫓に取り付けるフィン5と接続部6を示す。フィン5は接続部6と接合しており、接合部6は、平面部12に挿嵌可能な挿嵌部7がある。この挿嵌部7をフィン5が櫓脚2の上方に来るように(即ち第9図のように)、平面部12に挿嵌する。
又、平面部12を側面から見た場合(即ち第9図(b)の側面図の場合)、フィン5と櫓脚2の延長線により構成される角度αは(第11図参照)、櫓脚2が概ね水面に30度から50度の角度で入っていることから、この角度αは、概ね40度から60度であると良い(90度−50度≦角度α≦90度−30度)。
櫓を用いて舟の推進力を得る場合、当然、その舟の進行速度は舟のどこであっても同速度である。しかし、第10図(a)に示すように櫓が左右に振られる速度は支点Oからの長さlに比例する。従って支点Oからの距離l、l、l、lの各箇所ではその速度は異なる。そして、舟の進行速度をvとすると、水流の相対速度と迎え角とは第10図(b)で示すように、支点Oからの距離と共に変動することが分かる。
上述した櫓の場合、櫓にねじれがないとすると、舟が走り出すことによって、進行方向と平行に一定速度の流れが生じるが、櫓の先端ほど移動速度(進行方向と直角の方向)は大きい為に、櫓にあたる水流の相対速度と迎え角が共に大きくなる。そうすると、櫓の櫓脚2の先端部分では必要以上に抗力が増加することとなる。つまり、無駄が多くなる。
そこで、上述した櫓に対して、第9図に示したように櫓脚2(平面部12)の先端に更にフィン5を取り付けることによって、先端の迎え角が小さくなる方向に、自動的に櫓脚2をねじ曲げることが可能となる。
第15図に櫓にフィンを取り付けた場合の櫓脚2(平面部12)の先端に対する迎え角の調整を示した図を示す。第15図(a)は、櫓が、水面と接する位置及び櫓脚2の先端付近で、舟の支点Oからどのように変化するかを、各々の位置に於ける櫓の断面で示している。実線で示した軌跡が櫓脚2の先端付近の断面の軌跡であり、破線で示した軌跡が櫓が水面と接する位置での断面の軌跡である。そして操作者が支点Oを中心として櫓を左右に操作することで、櫓は進行方向に前進(図の場合、左側から右側に進む)するので、それに伴って支点Oも進行方向(左側から右側)に前進する。
支点Oの位置に舟が位置した場合や、そこから1ストローク先の支点Oの位置に舟が位置した場合では、フィン5を櫓脚2に取り付けない場合、櫓脚2の先端付近の断面(支点Oではx、支点Oではx’)は、水面と接する位置での断面と平行になる。しかし、上述に述べたように、櫓脚2の先端付近と櫓脚2の海面と接している部分とでは相対速度が異なるので、第15図(b)のように、水の渦が発生し抗力が増加する(第15図(b)、(c)では、説明の為、接続部6は省略している)。
しかし、フィン5を櫓脚2の先端付近に取り付けることによって、櫓脚2の先端が、フィン5に対する水の抵抗によって、その迎え角が小さくなる方向に曲げられることとなり(フィン5に対する水の抵抗によって)、櫓脚2の先端付近をxからy、x’からy’のような位置に曲げる(xとy、x’とy’の角度は概ね2度から7度程度である)。つまり、櫓脚2の先端部分の迎え角を、フィン5に働く曲げモーメントMを利用して自動的に減少しており、その結果、櫓脚2の全長に亘って、理想的な迎え角が得られ、第15図(c)に示すように、水流による抗力を減少させられる。
従ってフィン5により、櫓脚2を曲げさせることから、櫓脚2はある程度の強度を有しながらも曲がる素材であることが良い。例えば素材としては木、FRP、カーボンファイバー、軽金属等が例としてあげられる。
又、第9図に示した場合、フィン5は接続部6を介して櫓脚2に接合しているが、接続部6を設けずに、フィン5が直接、櫓脚2の先端部分に接合していても良い。
このように櫓脚2にフィン5を設けることによって、フィン5は櫓の漕がれる方向に関わりなく常に迎え角を減少する方向に働くことが実験的に分かっていることから、櫓脚2の先端部分での抗力が減少する。その為、櫓を漕ぐ力が軽くなり、加えて推進力が増大する。この結果、櫓にフィン5を付けない場合と比較して高速で舟が進行することが可能となる。
第13図に、櫓脚2にフィン5を取り付けた櫓を操作者が操作したときの水面と接する位置に於ける櫓脚2(平面部12)の断面の移動を時系列的に示し、櫓の動きについて詳述する。尚、櫓の動きは、フィン5を櫓脚2に取り付けても取り付けなくても同様である。
又、第13図のOは、舟に取り付けた櫓の支点を示し、破線は水面と接触する櫓脚2への櫓の仮想線を示す。従って操作者は、支点Oを中心として、櫓を左右に移動させられる。
まず、櫓を支点Oで軸止した舟(図面下方)の後部がmに位置していた場合、櫓脚2の位置は同様にm’に位置するとする。この時、操作者は櫓を動かしていないので、舟に対して垂直(ほぼ垂直)に位置する。
そして、櫓の操作者が櫓腕1を、櫓脚2の平面部12の前縁fが進行方向側(舟の進行方向を図面下方とする)になるように動かす(左右何れかの方向でも良いが、第13図の場合には櫓脚2が支点Oを中心として、舟の進行方向に向かって右側から左側に移動するように、櫓腕1を支点Oを中心として、舟の進行方向に向かって左側から右側に移動するように操作している)。
第14図に操作者が櫓に力を加えた場合の側面図(第14図(a))と平面図(第14図(b))とを示す。上述の操作は、操作者が支点Oを中心として櫓腕1に力F’を加えているので、櫓脚2は、支点Oを中心として逆方向に力F’で回動する。
この時、櫓腕1は櫓脚2が受け止める水の抵抗に打ち勝ち、横方向に移動を始める。この時、櫓腕1が櫓脚2に対して上方に角度(好適には7度〜15度)を持っている為、水中の櫓脚2の長手方向(櫓脚2の延長線上)を軸として回転運動を誘発することとなる。
そうすると、その回転方向は、操作者が櫓腕1を横向きに押す力が長手方向を軸とする回転軸の上側に作用することとなるので、櫓腕1の先端が前方に押し出されるようなる。つまり櫓脚2から見た場合、その前縁fが所望の回転方向に自動的に回転しようとすることとなる。第13図では、操作者が櫓腕1を支点Oを中心として、舟の進行方向に向かって左側から右側に移動するように力F’を加えると、櫓脚2は支点Oを中心として、舟の進行方向に向かって右側から左側(位置m’から位置n’)に移動し、櫓によって得られた推進力で、舟の位置も位置mから位置nに進む。
櫓脚2の回転は、自由運動を行う櫓脚2に対しては前縁fが進行方向に対する水流と平行になるまで継続され、平行になるまで推進力が発生する。そして、平行になったら推進力は発生しないが、その回転の初期段階で発生する推進力が早緒4に張力を与えるので、回転は途中段階で停止し、櫓脚2は適度な迎え角で、水中で安定する。
この迎え角を安定させる効果は、櫓腕1に対して下方に取り付けられた櫓柄3の先端に早緒4が繋がっていることによって生じる。
つまり、操作者の横向きへの力は、櫓脚2の迎え角を小さくする方向に作用し、早緒4の張力は迎え角を大きくする方向であるので、操作者は容易に櫓を操作することが出来る。
そして、櫓腕1の位置は、早緒4によって左右への移動範囲が制限されていることから櫓脚2がnの位置に到達した場合に、櫓脚2の前縁fが進行方向側になるように「返し」の操作を行うこととなる。この場合、操作者は櫓腕1に力F’と逆方向(舟の進行方向に向かって支点Oに対して右側から左側の力)の力Fを加えることで、舟及び櫓脚2の位置がp、p’に到達する。
そうすると、操作者は櫓腕1を力Fで、舟の進行方向に向かって右側から左側に移動させているので、支点Oを中心として、櫓脚2は左側から右側(位置p’から位置q’を経て位置s’)に上述と同様の作用により移動する。
そして位置s’では、位置n’から位置p’と同様に、操作者が櫓脚2の前縁fが進行方向側になるように「返し」の操作を行うことで、櫓腕1に対して力F’を加えることで、舟及び櫓脚2が位置s、s’から位置t、t’に移動する。そして操作者が、位置m’から位置n’と同様に力F’を、舟の進行方向に向かって左側から右側に櫓腕1に対して加えたことで、舟及び櫓脚2が位置t、t’から位置u、u’に移動する。
以上のように、操作者は舟の支点Oを中心として、櫓腕1を左右に移動することで、舟の推進力を得て、進行方向に進む。
又、フィン5を取り付けた櫓の場合、返しの操作の際(位置nから位置p、位置sから位置tの操作)には、上述したようなフィン5に対する水の抵抗によって、櫓脚2(平面部12)の先端が曲げられることによって、櫓脚2の全長に亘って理想的な迎え角を得られる。これによって、櫓脚2に対する抵抗が減少し、推進力も増大することとなる。
本発明は、櫓脚の他端に前記平面部が水面に対し垂直となる位置で静止する位置に固着された櫓腕を有することを特徴とするものであるので、返し操作の際に、櫓脚に対する水の抵抗が従来の櫓に比べ大きく減少し、この抵抗による推進力の減少を防止することが可能となる。さらに該抵抗による、返し操作時の力を少なくし、高速な櫓の操作を可能とし、よって、従来の櫓と比較して、高速に舟を推進させることが可能となる。

Claims (10)

  1. 操作者の往復移動操作により舟の推進力を生じさせる櫓であって、
    前記櫓は、
    前記操作者の操作する櫓腕と、
    一端が前記櫓腕と接合し、前記舟に取り付けられた状態で水面に対して概略垂直方向に延設する平面部を有する櫓脚と、を備えており、
    前記櫓腕と櫓脚とは、接合箇所が下方に位置するV字型となるように接合されており、
    前記平面部の断面が対称翼型であって、前記操作者が前記櫓腕を操作する際に、前記平面部の前縁が後縁よりも進行方向側に常に位置する、
    ことを特徴とする櫓。
  2. 前記一端は、前記櫓腕の上面に接合している、ことを特徴とする請求項に記載の櫓。
  3. 前記一端は、前記櫓腕に対して7度から10度の角度で接合している、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の櫓。
  4. 前記一端は、平面部とは異なる形状をしている、ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の櫓。
  5. 前記異なる形状は、丸い形状である、ことを特徴とする請求項に記載の櫓。
  6. 前記櫓腕は、
    前記櫓脚と接合していない一端であって、前記櫓腕の下方に、一端が前記舟に固着している早緒を取り付ける為の櫓柄と接合している、ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の櫓。
  7. 前記櫓脚は、
    前記櫓腕と接合していない一端の先端部付近で、前記櫓脚の平面部に平行なフィンと接合している接続部と、接合している、ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の櫓。
  8. 前記フィンは、前記櫓脚の上方に位置する、ことを特徴とする請求項に記載の櫓。
  9. 前記フィンの延長線と前記櫓脚の延長線からなる角度αが概ね40度から60度である、ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の櫓。
  10. 前記櫓脚の素材が、木、FRP、カーボンファイバー、軽金属のいずれかである、ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の櫓。
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