JP4436446B2 - スピアブレード状遊泳用フィン - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明は、遊泳用フィンに関し、特に、渦をなくし、推進力を向上させ得るような改善された設計の水中遊泳用フィンに関する。
【0002】
(背景技術)
スキューバダイビング及びスノーケリングの進歩と共に、ダイバーを水中で推進させるための水中遊泳用フィンも同様に開発されてきた。魚のひれと同様に、ヒト用のフィンも水中で種々の推進力を提供するような一定の力学的特性を備えている。
【0003】
小さい小魚から大きな鯨に至るまで魚のひれが魚を推進させていることから、魚や水生哺乳動物のひれと類似させると適切であろう。更に、自然淘汰の法則の考えからすると、特定の活動をするために発達した魚のひれは、ダイビングフィンに取入れられるべき利点を備えた構造を示してくれるものとして役立つ。
【0004】
種の異なる魚や異なる環境で生活する魚は、最も効果的な若しくはより優れた構造、形状、及び構成のひれを備えた魚が、そうでないようなその種の他の魚に対してより有利となるように、何千世代にもわたって種間競争及び種内競争の両方に適応してきている。種の個々の構成者が互いに競争しているので時間と共に、不利益及び不都合な特性が排除される一方、有利性のある特有の特性が取入れられていく。魚は泳ぎや水中の環境に特に適応しているので、ひれ(特に推進用のひれ)の配置、構造、及び構成は魚の分析や、魚が種の他の魚と競争及び生き残りのための能力の重要な要素である。
【0005】
魚類学者は、魚をその体型や習性による多数の方法で特徴付ける。概ね水面近くで生活する魚もいれば、底の方で生活する魚もいるし、更にはサンゴ礁の周囲、深海、遠洋にいる魚、大抵じっとしている魚、ほとんどいつも泳ぎつづけている魚もいる。魚の後部推進力のひれ、即ち尾部のひれは尾びれとして知られており、多くの形状をとり得る。これらには丸い尾びれ、切り詰められたような尾びれ、フォーク状の尾びれ、及び三日月型の尾びれ等が含まれる。
【0006】
切り詰め型尾びれ若しくは丸い尾びれを持っている魚は、通常力強い泳ぎ手であるが、概して動きが遅い。そのような切り詰め型尾びれ若しくは丸い尾びれは表面積が中心に集まっているので、魚の推進力に力強さを付与するが、速さは与えないのは明らかである。フォーク状の尾びれを持っている魚は、概して泳ぎ続けるような魚である。そのような魚の例としては鮫がおり、鮫は浮き袋を持っていないため、浮力を保持するために泳ぎ続けなければならない。鮫によっては、フォーク状尾びれのまたの上側の先端部が比較的長くなっており、それによって、泳ぐ際に水中での鉛直方向の位置を保持するべく魚への上方向の力が増加されている。三日月型の尾びれを持つ魚は泳ぎの速い魚であることが多く、そのような魚はかなりの高速を長時間維持することが可能である。そういった魚にはマグロ、サバ、及びアジ等の、紡錘状の形状をした、海洋で概して最高速である魚を含む。誰でも知っているうなぎのくねり運動、或いはワニがしっぽをむち打つときの急速な加速は、(遊泳用フィンを含む)水中推進システムの基礎となり得るものを提供してくれる。
【0007】
ブレードを備えた遊泳用フィンの多くは、特にスキューバダイビングやスキンダイビングと関連してしばしば用いられるような遊泳用フィンは、フットポケットから1組のレールが外向きに延在しているようなブレードフィンである。ダイバーが自身を推進させるようなブレードを形成するような、弾性形状若しくはプラスチック製水かきの形状の水かきが設けられている。そのような遊泳用フィンは魚についている丸い若しくは切り詰め型のひれと類似していることが多い。したがって、そのような遊泳用フィンは力強さを提供してくれるが、概して速さは提供してくれない。結果として、礁の周りを泳いだり、穏やかな水の中をより長距離に渡って網羅しようとするスキン及びスキューバダイバーは、自分自身をより速く推進させるために概してきつい作業をしなければならない。更に、そのような遊泳用ブレードフィンは調節可能ではなく、側片のレール及びブレード型水かきはフットポケットに対しての調整を何ら提供してくれない。
【0008】
自然によって成し遂げられた、魚のひれの発達を利用することで、遊泳者若しくはダイバーは遊泳用フィンブレードをより高速及びより容易な推進を可能とする構成に適合させることにより、より向上した推進を得ることができる。
【0009】
(発明の開示)
本発明は、スピアブレード状遊泳用フィンを提供することにより、遊泳用フィン及び同様のものの状態を効果的にする。本発明のスピアブレード状遊泳用フィンは、自然界でみつかっているものとほとんど似ておらず、ダイバーが自身を水中で推進し得るユニークな手段を提供する。
本発明に係るスピアブレード状遊泳用フィンは、足を収納するフットポケットと、前記フットポケットに結合され、周縁エッジを備え、前記フットポケットから延在して遠位端部で鋭い凸状に終端しているスピア形状遊泳用フィンブレードとを有し、前記スピア形状ブレードは、前記スピア形状ブレードの両側に互いに反対側に配置されて外向きに延在する2つのフレアを備え、ダイバーの泳ぎのキックエネルギーによって、推進のために前記遊泳用フィンブレードが長手方向に波打つことを特徴とする。さらに、前記外向きに延在する2つのフレアのそれぞれに結合されたクロックワッシャーがあると良い。さらに、各クロックワッシャーに結合され、スピア形状ブレード付近の水をガイドする小翼を有し、調整可能な水の流れを提供することによって2つの小翼は、選択可能且つ調整可能にスピアブレード状遊泳用フィンの性能を向上させても良い。
【0010】
スピアブレード状遊泳用フィンの2つの実施例:幅の狭いスピアブレード状遊泳用フィンと、幅広でより丸い形状の遊泳用フィンとが本明細書中で考慮されている。本発明の全ての実施例は、ダイバーが水中で推進のためにキックする際に無活用領域を形成しないように用いられるスピードバンプ若しくはスピードポッドを組込み得る。或いは、そのようなポッドは、波打つフィン部分のカウンターウェイトとして、若しくは有益な渦を作り出すために用いられ得る。更に、フォーク状延在スタブを備えたフットポケット若しくは同様のものは、取付けられたスピアブレード状遊泳用フィンのピッチ、張力、剛性、向き及び/又は形状を弾性的且つ選択的に調整し得る手段を提供する。
【0011】
さらに、前記スピア形状ブレードが凹部及び孔を備えており、前記凹部が前記孔に向かって水を導き、前記孔によって前記スピアブレード状遊泳用フィンを通って水が流れることが可能となっており、前記孔を通って流れる水が前記スピアブレード状遊泳用フィンの遠位端部側の面の上にある、死水領域(水の無活用領域)を減少させても良い。また、前記スピア形状ブレードが伸長された孔を備えており、前記外向きに延在する2つのフレアは、前記孔によってブレード領域が減少して推進力が減少することを補うように、前記スピアブレード状遊泳フィンブレードに表面積を提供し、前記外向きに延在する2つのフレアは、前記スピア形状ブレードにおいて、前記凹部が前記孔に向けて水を導くことに役立つように形成されても良い。また、前記スピア形状ブレードが前記フットポケットに調整可能に取付けられており、それにより前記スピア形状ブレード上の張力が調整可能であり、且つ前記スピア形状ブレードに渡る水の流れを制御するようにしてもよい。さらに、前記孔の調整によって前記スピア形状ブレードの前記孔を通る水の流れが調整され、それにより前記スピア形状ブレードに渡る水の流れが更に調整可能であっても良い。
本明細書で示されるスピアブレード状遊泳用フィンによって提供されるいくつかの利点の中の1つとして、水を推進のために用いることが可能であり、且つそのいくつかの特性によってこれら遊泳用フィンで作り出される乱流及び邪魔ものに適応し得る新しい手段が提供されている。フィンの波打ちも推進力を提供する。遊泳用フィンの水中での運動により生成された渦が遊泳用フィンの動作を補い得る。
【0012】
(発明を実施するための最良の形態)
付随する図面と関連した以下の詳述は、現在の好適実施例の説明を意図したものであり、本発明が構成及び/又は利用され得る唯一の形態を示すべく意図したものではない。この説明では、例示された実施例に関して、本発明の構成及び作用のためのステップの順序及び機能を示している。しかしながら、本発明の精神及び範疇の範囲内に包含されるべく同じく意図された別の実施例によって、同一若しくは同等の機能及び順序が達成され得ることを理解されたい。
【0013】
本発明は、スピアブレード状遊泳用フィンの有用な実施例を提供する。そのようなスピアブレード状遊泳用フィンは、概ね横方向に延在しており、その程度はそれらが幅方向に延在する程度よりも顕著である。そのようにすることで、本発明のスピアブレード状遊泳用フィンは、通常の遊泳用フィンに比べて周縁と表面積の比が大きくなっている。通常の遊泳用フィンのブレードは、水中を遊泳する際にダイバーを推進させるように幅広で平らになっていることが多い。ダイバーが足をキックすると、遊泳用フィンの表面は水を捕え、ダイバーを推進させるように水を押しやる働きをする。
【0014】
本発明のスピアブレード状遊泳用フィンは、一般的な設計の遊泳用フィンで通常見られるものよりも、概して表面積が非常に少なく、且つ端部若しくは周縁部が非常に増大したものになっている。そのようにすることで、ダイバーが水中で自分の体を推進させるよりもむしろ、位置を保持することが容易になり得る。このことは水中で静止したままでいる必要のある人達に特に有利な点となり得る。更に、フィンの波打ち機構は、スピアブレード状遊泳用フィンによる付加的な推進作用を提供してくれる。
【0015】
本発明のスピアブレード状遊泳用フィンの使用例としては、長時間に渡って姿勢を保持する必要があることの多い、水中カメラマンや同様の職業が挙げられる。通常のフィンを用いたりすることや(カメラマンを好みの静止位置から遠ざかるように推進させてしまう)水中での足のキック若しくは動作をしないようにすることよりもむしろ本発明のスピアブレード状遊泳用フィンを用いることにより、ダイバーが水中カメラの作業者として自分の姿勢を保持する際に楽なキック動作をし続けることができるようになる。
【0016】
本発明のスピアブレード状遊泳用フィンはその長手方向に沿って横方向に延在しているため、遊泳用フィンの水中翼若しくはフィン部分の長手方向に沿って走る波の様なパターンでブレードがうねる傾向がある。そのようにうねることで、水中翼はむちがしなるのに類似し得る。うねりの波は前縁部よりも後縁部で高く且つ周期が速くなり得る。水はブレードに沿って進み、波打っている後縁部でより速い動きをする水とぶつかる際に加速される。遠位後縁部が(前縁部と比較して)幅の狭い形状になっていることにより、ブレードは分散的な乱流を生じずに水中をしなることが可能となる。本発明では、後縁部の変位、その速度、及び周縁部を進む水の速度の間に明白な関係があり、それにより水を遊泳用フィンよりも遅れて加速する、若しくは分散的な乱流を防ぐことができる。
【0017】
本明細書中でスピアブレード状遊泳用フィンのより利点を有する動作及び形状を提供するために、遊泳用フィンブレード付近の無活用領域をなくすべくスピードポッドを用い得る。後縁部の速度ポッドは、後縁部がむちの様な方法で波打つ際に後縁部を加速及び安定化させるようにカウンターウェイトを生成する1つの方法であり得る。当技術分野において公知であるように、ブレードが水中を動くと、遊泳用フィンの陰になっている部分若しくは後面はより低い圧力を受け得る。そのような低圧力は概して遊泳用フィンの慣性を増加させ、水中での動きを遅くさせる傾向がある。そのような低圧力領域は、遊泳用フィンブレードを後方に保持するようにも機能し、それにより遊泳用フィンブレードが前方に進むことや付近の水に対して押すための面を提供することが防がれる。スピードポッドは、通常は無活用の水を生じる領域を満たすために用いられる。フィンの延在部分で無活用部分を満たすことによって、次にスピードポッド付近を進んでいく水は無活用ではなくなり、スピードポッドは遊泳用フィンブレードを後方に保持するべく低圧領域を何ら付加することなしに少量の慣性だけを付加する。概して、スピアブレード状遊泳用フィンでは、無活用領域に関する不安は少ない。以下に更に示されるように、ブレードの長さ及び張力がロード(load)、中間、サーフ(surf)、及びその他の状態に最適化されると無活用領域が最小化される。概して、本発明のスピアブレード状遊泳用フィンは乱流を発生させずに機能する。
【0018】
スピードポッドは更に、本発明のスピアブレード状遊泳用フィンの向上した機能を可能にするカウンターウェイト及び/又は渦生成装置を提供するべく機能し得る。一実施例では、スピードポッドは両側で等しい重さとなっている。これによって、このスピードポッドに延在する任意のモーメントの腕とそれに関係するトルクが等しくなる。或いは、スピードポッドは水中翼の一方の側に中実な部分を、且つ他方の側に中空の部分を設けるというように片側にバイアスされてもよい。中空の側はバランスが等しく突出した通常のスピードポッドとは異なる方法で有用性のある渦を生成するように用いられ得る。これは、水中翼若しくはブレードの構造、変位、若しくは運動の方向によって、一方の側で他方の側よりも幾分多めに水を引き込むときに特に有利な点となる。適切に加重されたスピードポッドを設けると共に水中翼ブレードの構造を選択的に配置することによって、本発明の遊泳用フィンにより得られる性能が向上し得る。
【0019】
更に、小翼若しくは同様のものが遊泳用フィンブレードに調整可能に結合されること(図13)及び遊泳用フィンが調整可能にフットポケットに固定されること(図1及び図14)の両方を可能にする調整可能な手段を提供するべくクロックワッシャーが用いられ得る。当技術分野で公知であるように、クロックワッシャーはうね状の円形ワッシャーであり、第2噛合いクロックワッシャーと結合して、それにより関連する構造に安定性が有り猶且つ調整可能な関節を設ける。この構造は互いに関して回転可能であるが、噛合いクロックワッシャーの障害用うねを乗り越えるために必要な力は、通常の作業で結合されたものよりも概してかなり大きくなっている。
【0020】
或いは、調整の際にクロックワッシャーを互いから離すために、複数の構造を1つに結合させるように用いられているボルト、スクリュー、若しくはその他の留め具を緩めてもよい。
【0021】
スピアブレード状遊泳用フィンの別の特性として、水が間を通って進み、更にはスピアブレード状遊泳用フィンのブレード部分の面によってガイドされ得るような最適に規定された孔を用いることが含まれる。そのような孔を通る水流によって、遊泳用フィンの面付近に水の無活用領域が生じることが防がれる。そのような無活用領域をなくすことによって、遊泳用フィンはより効果的に機能し、ダイバーに要求される力や我慢を減少させる。付加的に、フィンの他の縁部及び面を共に用いることで、渦を前方に進めることが可能であり、それによりスピアブレード状遊泳用フィンの動作及び性能を向上させ得る。
【0022】
本発明は、フォーク状延在スタブを備えたフットポケットに取付けられた特別構造の水中翼ブレードを用いる。水中翼ブレードはフットポケット中のフォーク状延在スタブに関節結合され得る。フットポケットに関してブレードの選択可能な関節が、本発明のスピアブレード状遊泳用フィンの機能に影響を及ぼす。フォーク状延在スタブ付近の前部取付点で水中翼の膜をぴんと張ると、起伏がなくなるために水中翼の波長は短くなる。この膜を緩めることによって周期変動する波のパターンを調整することが可能である。周期的に変動する波の長さ及び速度を変化させることにより、そのような周期的変動によって生成される推進が制御される。このことは、媒体である水の中でうねる波の効率を最適化するために周期的変動を調整する際に特に役立つ。周期変動の速度同様に、ブレードの長さ及び張力が調整可能であり、それにより媒体である水の中での遊泳用フィンの性能及びサーフ状態の最適化され、より向上した水中の推進力が提供される。
【0023】
次に図面に目を転じると、図1乃至図13は本発明の第1実施例を示している。図面では、本発明の幅の狭いブレードの実施例30は、スピア型遊泳用フィンブレード34が取付けられるフットポケット部分32を備えている。このフットポケット32は当技術分野で公知なものであり、アンクルストラップ36及び足を支持する部分38を有している。図1で示されるように、フットポケット32は開放型の端部であってよい。しかしながら、ヒールストラップ若しくは同様のもの(図示せず)が用いられてもよい。図7は、かかとをアンクルストラップ36に向けて付勢することによって足をフットポケット中で保持するように機能するヒールポケット40を示している。
【0024】
フットポケット32に関して重要なのがフォーク状延在スタブ50,52である。フォーク状延在スタブ50,52は、内部にクロックワッシャーを保持若しくは形成するソケットが設けられている。これらのクロックワッシャー(図示せず)は、スピアブレードから外向きに延在するプラグ中のクロックワッシャーと噛合う。図8で示されるように、凹部54は左のフォーク状延在スタブ52の後部へのアクセスを提供する。中央部分が穿孔されている場合は、凹部54は、フットポケット32のフォーク状延在スタブ50、52にスピアブレード34を取付けることを可能にするボルト、ねじ、若しくはその他の固定手段のためのアクセスを提供する。より詳細が以下に示されるように、フットポケット32とスピアブレード34との間の結合は多少重要性を持っている。なぜならば、フォーク状延在スタブに関するスピアブレード34の関節結合部分は調整可能、動的、且つユニークな特性及び性能を提供するからである。
【0025】
向上された機能を提供するように、スピアブレード状遊泳用フィン30は、スピードバンプ62がスピアブレード34の中央部付近に概ね配置されているだけでなく、スピードポッド60がその末端部分に組込まれている。スピードポッド60及びスピードバンプ62は、図2に示されているようなものである。図4は、スピードポッド60の断面図を示している。
【0026】
図2にはブレード面のクロックワッシャー64、66も示されている。図3は、左のクロックワッシャー66の側部断面図を示している。クロックワッシャー64,66は、流れを方向付ける小翼68(図13参照)をスピアブレード34の近位端部74付近の外向きに延在するフレア70、72に取付けることを可能にするシートが設けられている。
【0027】
図5及び図6は、スピアブレード34の異なる領域の種々の断面図を示している。図5がスピードバンプ62近位のより厚く、より幅の狭い断面図を示しているのに対して、図6に示される断面図はより幅広で、多少薄く、且つほとんど平坦でない(アーチ形経路となっている)。図6に示される断面図は、ブレード面クロックワッシャー64、66と外向きに延在するフレア70、72を横切るように図2の6−6線に沿ってとったものである。
【0028】
スピアブレード34は、左右のフォーク状延在スタブ50、52とスピアブレード34の近位端部とが結合することによって規定される孔82の中へ水の流れを方向付けるべく機能する凹み部分若しくは凹部を有し得る。水の流れをブレードの凹み部分の上及び孔82の中に方向付けることにより、ダイバーのキック運動は水の流れをフィン30を通るように方向付けるように機能して、それにより遊泳用フィンの面付近に無活用領域を作り出さないようにする。
【0029】
図14乃至図19で示されるように、本発明の代替実施例の特性は、スピアブレードによって規定され、本発明の幅の狭いスピアブレードの実施例30の孔よりもスピアブレード100の内部に延在する度合いがかなり大きい空隙であるような、より大きい孔102を備えたより幅広なスピアブレード100にある。本発明の幅広ブレードの実施例104は図18及び図19に示されている。広範囲に渡る幅広なスピアブレード100と、より長く、内向きにより延在している孔102とが容易に見てとれる。スピアブレード100の幅広部分は、ブレード100の近位端部110と遠位端部112との間の距離の約1/3になっている。
【0030】
遊泳用フィンの幅広ブレードの実施例104で用いられているフットポケット32は、幅の狭いブレードの実施例30に対して用いられているものと概ね同じである。したがって、幅広ブレードの実施例104のフットポケット32を参照するために用いられている参照番号は、幅の狭いブレードの実施例30で用いられているものと類似している。
【0031】
幅広スピアブレード100は、孔の両側に存在する2つの末広がりの端部122、124の間に形成された凹み部分若しくは凹部120の手段によって、水を孔102の中へ案内するように機能し得る。そのように水の流れを孔102の中に案内することにより、水の流れが孔102を通るので、凹み部分はフィンの両面の無活用領域を防ぐのに役立つ。
【0032】
幅広スピアブレードの実施例104の幅広の特性は、水が作用し得るフィンの表面積をより多く提供するような働きをする。フレア122、124が外向きに延在しているので、付加的な周縁端部領域も存在している。更に、そうなっていなければ、孔102と、幅広スピアブレードフィン104の主要なスピアブレード部分100にその孔が侵入して存在していることとによって、推進力となるブレード領域が失われてしまう。
【0033】
幅広のスピアブレードフィン104の1つの利点は、ダイバーが足首を回転させることによって、横向きの推力を与えることが可能な点、即ち、姿勢若しくは配置をより制御することができる点である。
【0034】
幅の狭いスピアブレードの実施例30については、スピードポッド130が幅広スピアブレード100の遠位端部112に設けられている。スピードポッド130は、幅の狭いスピアブレード実施例で示されているスピードポッドと同様の方法で機能する。
【0035】
(図20Dで示されるように)図20A乃至図20Cは、フットポケット32に固定された状態に応じて遊泳用フィンブレード34、100の選択可能な調整を示している。或いは、及び可能性として、遊泳用フィンブレード34、100の調整可能な屈曲に関連して、屈曲の決定位置が図20A乃至図20Cによって示されていてもよい。例えば、Aと示された遊泳用フィンは図2の6−6線と概ね一致し得る。Bと示された遊泳用フィンは図2の5−5線と一致し得る。(図面の図20の左側の)Aと示された遊泳用フィンについては、上向き(B+)若しくは下向き(B−)に遊泳用フィンブレード150がフットポケット32にかなり屈曲した状態で取付けられている。これらのハイセッティングでは、上下に動くように動作させると、より多くの水がブレードの一方の面にかき集められる若しくは引込まれる。B+の構成については、ブレードの上面により多くの水がかき集められる若しくは引込まれる。図20BのB−については、より大量の水がブレードの上面よりも下面に引込まれる。
【0036】
同じことが、程度が減少した図20BのA+とA−の構成についても同様に当てはまる。より多くの水が図A+の上面に引込まれるが、上面と下面との間の差異が少なくなっている。図20Bの構成A−ではその反対のことが当てはまり、より多くの水が上面よりも下面に引込まれる。(「ノーマル」と示された)中央の図面については、位置は中間であり、ブレードの上面及び下面に引込まれる水の量は等しくなっている。
【0037】
遊泳用フィンブレード150で、そのようなかなりの屈曲を達成し得る1つの方法として、ブレード150をクロックワッシャー及びフォーク状延在スタブ50、52に関して回転させる方法がある。遊泳用フィンブレード150の各延在部分を反対方向(時計回り及び反時計回り、逆もまた同様)に回転させることによって、遊泳用フィンブレードはその中心軸の周りに屈曲するように付勢される。
【0038】
同じことが、図20Cで示される図面についても同様に当てはまる。屈曲面が断面で示されており、図20AのフィンBで示される「断面」と概ね一致している。上述のように、図20AのフィンBで示される断面は、図2の5−5線と概ね一致し得る。図20Cで示される断面図は、B+及びB−がかなりの屈曲に、A+及びA−が程度の減少した屈曲、「ノーマル」が屈曲していない状態に対応している。上記で示したように、種々の屈曲の度合いによって、水中翼ブレード全体の水の引込みが制御される。
【0039】
遊泳用フィンブレード150の曲がり若しくは屈曲の程度の調整によって、ダイバーは全体としての遊泳用フィンの機能をより制御できるようになる。したがって、ダイバーにはより制御がもたらされるが、そんな利便性はそのような屈曲及び/又は曲がりの調整可能な特性によって付加的に向上されたものである。
【0040】
本発明は、特定の実施例に関して説明がなされてきたが、発明の概念から外れることなしに本発明の付加的な変更が考案されてもよいことを理解されたい。
【0041】
(発明の効果)
本発明の目的は、スピアブレード状遊泳用フィンを提供することである。
【0042】
本発明の更なる別の目的は、屈曲、張力、ピッチ、形状、及び/又はそれぞれを組合わせたものを調整することが可能なスピアブレード状遊泳用フィンを提供することである。
【0043】
本発明の更なる別の目的は、無活用領域を減少させ、カウンターウェイトを提供する、若しくは有用性のある渦を作り出すべくスピードポッド若しくは同様のものが組込まれたスピアブレード状遊泳用フィンを提供することである。
【0044】
本発明の更なる別の目的は、フィンの面上の水の流れを制御するべく小翼若しくは同様のものが組込まれ得るスピアブレード状遊泳用フィンを提供することである。
【0045】
本発明の更なる別の目的は、類似のフットポケット間で互換性のある交換をし得るスピアブレード状遊泳用フィンのシステムを提供することである。
【0046】
本発明のこれらとその他の目的及び利点は、本明細書及び付随の図面を概観することにより明らかになるであろう。
【0047】
本発明のこれらとその他の目的、利点、及び産業的有用性は付随の明細書及び図面を概観することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、幅の狭いスピアブレード状遊泳用フィンの第1実施例の左側斜視図を示している。
【図2】 図2は、図1のスピアブレード状遊泳用フィンの平面図である。
【図3】 図3は、3−3線に沿って図2で示されるような、スピアブレード状遊泳用フィンの末広がり部分で用いられるクロックワッシャーの断面図である。
【図4】 図4は、4−4線に沿って図2で示されるような、スピアブレード状遊泳用フィンの先端部のスピードポッドの側部断面図である。
【図5】 図5は、5−5線に沿って図2で示されるような、スピアブレード状遊泳用フィンの断面図である。
【図6】 図6は、6−6線に沿って図2で示されるような、スピアブレード状遊泳用フィンブレードの断面図である。
【図7】 図7は、クロックワッシャーなしの、図1で示されるようなスピアブレード状遊泳用フィンの左側斜視図である。
【図8】 図8は、図7に示されたスピアブレード状遊泳用フィンの左側立面図である。右側の図は左側の図の鏡像になっている。
【図9】 図9は、図7で示される遊泳用フィンの前側立面図である。
【図10】 図10は、図7で示される遊泳用フィンの後側立面図である。
【図11】 図11は、ヒールカップなしの、図7で示される遊泳用フィンの平面図である。
【図12】 図12は、図7で示される遊泳用フィンの底面図である。
【図13】 図13は、その末広がり部分のクロックワッシャーに小翼部分を付加した、図1で示される遊泳用フィンの平面図である。
【図14】 図14は、大きな穴と幅広の末広がり部分を有する、本発明の代替実施例の左側斜視図である。
【図15】 図15は、図4で示される遊泳用フィンの左側立面図である。右側の図は左側の図の鏡像になっている。
【図16】 図16は、図14で示される遊泳用フィンの前側立面図である。
【図17】 図17は、図14で示される遊泳用フィンの後側立面図である。
【図18】 図18は、ヒールカップなしの、図14で示される遊泳用フィンの平面図である。
【図19】 図19は、図14で示される遊泳用フィンの底面図である。
【図20A】 図20Aは、図20Dで示されるようなモザイクを構成する。図20A乃至図20Cは、フットポケットのフォーク状延在スタブが調整されたときのスピアブレード状遊泳用フィンの屈曲の著しい差異を示している。
【図20B】 図20Bは、図20Dで示されるようなモザイクを構成する。図20A乃至図20Cは、フットポケットのフォーク状延在スタブが調整されたときのスピアブレード状遊泳用フィンの屈曲の著しい差異を示している。
【図20C】 図20Cは、図20Dで示されるようなモザイクを構成する。図20A乃至図20Cは、フットポケットのフォーク状延在スタブが調整されたときのスピアブレード状遊泳用フィンの屈曲の著しい差異を示している。
【図20D】 図20Dは、フットポケットのフォーク状延在スタブが調整されたときのスピアブレード状遊泳用フィンの屈曲の著しい差異を示している。
Claims (9)
- スピアブレード状遊泳用フィンであって、
足を収納するフットポケットと、
前記フットポケットに結合され、周縁エッジを備え、前記フットポケットから延在して遠位端部で鋭い凸状に終端しているスピア形状遊泳用フィンブレードとを有し、
前記スピア形状ブレードは、前記スピア形状ブレードの両側に互いに反対側に配置されて外向きに延在する2つのフレアを備え、
ダイバーの泳ぎのキックエネルギーによって、推進のために前記遊泳用フィンブレードが長手方向に波打つことを特徴とするスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記外向きに延在する2つのフレアの一方に結合された第1クロックワッシャーと、
前記外向きに延在する2つのフレアの他方に結合された第2クロックワッシャーとを有することを特徴とする請求項1に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記第1クロックワッシャーに結合され、前記スピア形状ブレード付近の水をガイドする第1小翼と、
前記第2クロックワッシャーに結合され、前記スピア形状ブレード付近の水をガイドする第2小翼とを有し、
調整可能な水の流れを提供することによって前記第1及び第2小翼は、選択可能且つ調整可能にスピアブレード状遊泳用フィンの性能を向上させることを特徴とする請求項2に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記スピア形状遊泳用フィンブレードの遠位端部に結合されてポッド形状を呈するスピードポッドを有することを特徴とする請求項2に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記スピアブレード状遊泳用フィンブレードの面に配置されてバンプ形状を呈するスピードバンプを有することを特徴とする請求項4に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記スピア形状ブレードが凹部及び孔を備えており、
前記凹部が前記孔に向かって水を導き、
前記孔によって前記スピアブレード状遊泳用フィンを通って水が流れることが可能となっており、
前記孔を通って流れる水が前記スピアブレード状遊泳用フィンの遠位端部側の面の上にある、死水領域を減少させることを特徴とする請求項5に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記スピア形状ブレードが伸長された孔を備えており、
前記外向きに延在する2つのフレアは、前記孔によってブレード領域が減少して推進力が減少することを補うように、前記スピアブレード状遊泳フィンブレードに表面積を提供し、
前記外向きに延在する2つのフレアは、前記スピア形状ブレードにおいて、前記凹部が前記孔に向けて水を導くことに役立つように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記スピア形状ブレードが前記フットポケットに調整可能に取付けられており、
それにより前記スピア形状ブレード上の張力が調整可能であり、且つ前記スピア形状ブレードに渡る水の流れを制御することを特徴とする請求項6に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。 - 更に、
前記孔の調整によって前記スピア形状ブレードの前記孔を通る水の流れが調整され、
それにより前記スピア形状ブレードに渡る水の流れが更に調整可能であることを特徴とする請求項8に記載のスピアブレード状遊泳用フィン。
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