JP4258049B2 - 光ピックアップ装置および光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ピックアップ装置および光ディスク装置に関し、特に、短波長の半導体レーザ、例えば、GaN系III−V族化合物半導体を用いた青色発光の半導体レーザを用いた光ピックアップ装置および光ディスク装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスク装置の光ピックアップの光学系の設計においては、以下の項目が重要である。一つは光ディスクに照射するレーザパワー(盤面パワー)およびレーザ光検出用のフォトダイオード上のレーザパワーであり、もう一つはいわゆる戻り光雑音である。
【0003】
近年、光ディスク装置は、コンパクトディスク(CD)用、ミニディスク(MD)用、ディジタルビデオディスク(DVD)用など、時代を経る毎に高機能化しており、それに伴って、光ピックアップも進化している。現在実用化されている記録再生可能な光ディスク装置の典型的な光学系を図5に示す。
【0004】
図5に示すように、この光ディスク装置は、光源としての半導体レーザ101の出射光を光ディスク102に導くとともに、この光ディスク102による反射光(信号光)を検出するための光学系、すなわち、ビームスプリッタ103、コリメートレンズ104、ミラー105、対物レンズ106、マルチレンズ107および信号光検出用受光素子としてのフォトダイオードIC108を備えている。
【0005】
この光ディスク装置における再生時には、あらかじめ再生用の低いパワーに設定された半導体レーザ101の出射光109はビームスプリッタ103を経てコリメートレンズ104により平行光とされ、ミラー105で反射された後、対物レンズ106により集光されて光ディスク102に入射する。そして、この光ディスク102で反射された信号光110が対物レンズ106、ミラー105、コリメートレンズ104、ビームスプリッタ103およびマルチレンズ107を経てフォトダイオードIC108に入射し、ここで電気信号に変換され、光ディスク102に書き込まれた情報が再生される。一方、記録時には、あらかじめ記録用の高いパワーに設定された半導体レーザ101の出射光109はビームスプリッタ103を経てコリメートレンズ104により平行光とされ、ミラー105で反射された後、対物レンズ106により集光されて光ディスク102に入射し、書き込みが行われる。
【0006】
さて、光ピックアップの進化の方向性として一つの大きな流れとなっているのが、光源である半導体レーザの短波長化である。現在、そのような半導体レーザとして、青色で発光する半導体レーザの研究開発が盛んに行われており、近い将来、市場に供給される見込みである。
【0007】
この青色発光の半導体レーザは、光ディスク装置の光源としてこれまでに用いられている半導体レーザよりも短波長であることから、レーザ光をより小さなスポットに絞ることができ、このため、光ディスクの記録密度を高め、記録容量を高めることが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようにレーザ光を小さなスポットに絞ることができるということは、光ディスクの盤面上のスポット内部では、単位面積当たりの照射エネルギー(照射エネルギー密度)が高いということであり、光ディスクによっては、温度上昇による劣化やデータの消去などの問題が起こることがある。
【0009】
そこで、そのような場合、通常は、半導体レーザのパワーを調整して対応することが考えられるが、半導体レーザのパワーを単純に落とすということは、半導体レーザ自身の持つ量子雑音(固有雑音)を大きくし、戻り光雑音特性を悪化させる原因となるため、望ましくない。
【0010】
青色発光の半導体レーザを光源として用いた次世代の高密度光ディスク装置では、読み出しに関するトレランスは一層厳しくなっており、戻り光雑音特性に関する要求性能も非常に厳しくなっていることから、盤面パワーを調整するために半導体レーザのパワーを落として量子雑音を大きくしてしまう上記のような手法では問題になってしまう場合がある。
【0011】
したがって、この発明の目的は、光源として短波長の半導体レーザを用いた場合に、光ディスクの盤面パワーを低く抑えて光ディスクの劣化やデータの消去などが起きるのを防止しつつ、半導体レーザの量子雑音を低く抑えて低雑音で良質の再生を行うことができる光ピックアップ装置およびそのような光ピックアップ装置を用いた光ディスク装置を提供することにある。
【0012】
この発明の他の目的は、光源として短波長の半導体レーザを用いた場合に、再生時には、光ディスクの盤面パワーを低く抑えて光ディスクの劣化やデータの消去などが起きるのを防止しつつ、半導体レーザの量子雑音を低く抑えて低雑音で良質の再生を行うことができるとともに、記録時には、半導体レーザの元パワーを必要以上に上げずに記録を行うことができる光ピックアップ装置およびそのような光ピックアップ装置を用いた光ディスク装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
光ディスク装置の光源として用いられる半導体レーザの短波長化に伴う問題について改めて検討する。
【0014】
ディスク盤面上のスポット径DはD∝λ/NAである。ただし、λは半導体レーザの発光波長、NAは対物レンズの開口数である。
【0015】
半導体レーザの発光波長λおよび対物レンズの開口数NAの組み合わせで以下の二つの場合
a. λ=780nm、NA=0.45
b. λ=400nm、NA=0.60
を考えると、aとbとのスポット面積の比は(780/0.45)2 :(400/0.60)2 ={(780/0.45)(0.60/400)}2 :1=6.7:1である。したがって、同じパワーのレーザ光が照射されるとすると、aとbとの盤面パワー密度の比は1:6.7となる。
【0016】
これによると、同様な使い方で同じ光ディスクを使って書き込む場合を仮定すると、bの場合はaの場合の6.7倍の盤面パワー密度になるため、レーザ光照射部の周囲への熱の拡散の仕方を無視して単純計算すると、bの場合は1/6.7のパワーで書き込みを行うことができることになる。これより、仮にレーザ光照射部の周囲への熱の拡散分を適当に考慮しても、書き込み時のパワーは、bの場合はaの場合に比べて1/3〜1/2位のパワーで済むことになる。すると、半導体レーザ側の光学系のカップリング効率を等しいとした場合、必要な盤面パワーの差は、半導体レーザの元パワーの差となる。このため、半導体レーザの元パワーは、bの場合は、aの場合の1/3〜1/2位のパワーで足りることになる。
【0017】
このように、高密度光ディスク用の短波長の半導体レーザでは、書き込みパワーを低く抑えることができるので、その点は利点となる。ところが、記録再生を行う光ディスクに対して、低パワーで再生を行う場合、盤面パワーが高すぎると光ディスクの劣化やデータの消去などが起きてしまうため、これらの問題が生じないあるパワー以下に抑える必要がある。
【0018】
通常は、ばらつきやトレランスを考慮して、例えばMDの場合には、記録時と再生時との盤面パワーの差は、8〜10倍程度となっている。半導体レーザの元パワーで言うと、MDの場合で、例えば上記のaの条件を想定すると、記録時は40mW、再生時は4mWである。これに対して、bの条件を想定すると、単純に比例計算した場合、1/3〜1/2程度のパワーということになり、記録時は13〜20mW、再生時には1.3〜2mW程度となる。
【0019】
ここで問題なのが、再生時の元パワーが1.3〜2mWと非常に小さくなることである。このように低いパワーの領域では、半導体レーザの量子雑音がかなり大きい。これを防止するために、現在使用されている光ディスク装置の光源用の半導体レーザは、通常、3mW以上の領域のパワーで使用されている。このパワー以下で半導体レーザを使用すると、量子雑音が大きくなり、雑音で検出系が成り立たなくなってしまう。
【0020】
光源として短波長の半導体レーザが用いられる次世代の光ディスク装置では、これまでの光ディスク装置に比べてより一層低い雑音レベルが要求されるため、半導体レーザの量子雑音レベルを相当低く抑えることが必須である。
【0021】
そこで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、半導体レーザの短波長化に伴う以上の問題を解決するためには、半導体レーザの元パワーを、量子雑音を十分に低く抑えることができ、しかも書き込みを行うのに必要十分なパワーに設定しておき、光ディスクへの書き込み、すなわち記録時には、そのパワーでレーザ光を光ディスクに照射して記録を行い、光ディスクからの読み出し、すなわち再生時には、半導体レーザの元パワーを落とさずに盤面パワーを光ディスクの劣化やデータの消去などが起きないように低く抑えることが最も有効であるという結論に至り、この発明を案出するに至ったものである。
【0022】
すなわち、上記目的を達成するために、この発明の第1の発明は、
光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有する
ことを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0023】
この発明の第2の発明は、
光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有する光ピックアップ装置を備えている
ことを特徴とする光ディスク装置である。
【0024】
この発明において、強度フィルタは、光ディスクの再生のみを行う場合には、光源に対して固定した位置に設けてもよいが、再生および記録を行う場合には、光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成される。この強度フィルタは、それを出し入れする方向に透明板と並列配置してもよい。この場合、部品点数の削減や取り扱いの容易さの観点からは、好適には、強度フィルタは、それを出し入れする方向に透明板と一体に並列配置される。また、場合によっては、強度フィルタは、それを出し入れする方向に並列配置された第1の強度フィルタおよびこの第1の強度フィルタよりも光強度の減衰率が小さい第2の強度フィルタにより構成してもよい。
【0025】
この発明において、強度フィルタとしては、迷光による雑音の発生を抑える観点からは、好適には、吸収フィルタ(例えば、樹脂やガラスに特定波長の光を吸収する染料を分散させたものなど)が用いられるが、場合によっては、反射型フィルタ、拡散板(研磨材によるガラスのつや消し効果を利用したフロスト型やガラス内に光拡散物質を分散させたオパール型など)、メッシュ状の不透明物質により光強度を減衰させるメッシュフィルタ、誘電体多層膜の光の干渉を利用し、狭帯域スペクトルを取り出す干渉フィルタ、光の偏向方向による反射率の違いを利用したフィルタなどを用いてもよい。
【0026】
この発明において、光源は、典型的には、青色で発光可能な半導体レーザであるが、より一般的には、緑色から紫外線の波長領域で発光可能な短波長の半導体レーザであってもよい。さらに、光源が、現在実用化されている近赤外〜赤色の領域の波長の半導体レーザであっても、光学系やレーザ設計によっては、この発明は有効な手段となる。
【0027】
この発明の第2の発明による光ディスク装置において、再生および記録を行う場合には、再生時に光源からの光の経路に強度フィルタを挿入し、記録時に光源からの光の経路から強度フィルタを外す。あるいは、強度フィルタと透明板とを並列配置する場合には、再生時に光源からの光の経路に強度フィルタを挿入し、記録時に光源からの光の経路に透明板を挿入する。さらに、第1の強度フィルタおよび第2の強度フィルタを並列配置する場合には、再生時に光源からの光の経路に第1の強度フィルタを挿入し、記録時に光源からの光の経路に第2の強度フィルタを挿入する。
【0028】
上述のように構成されたこの発明においては、光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有することにより、光源として短波長の半導体レーザを用いた場合、その半導体レーザの元パワーを、量子雑音が十分に低くなるパワーに設定することができるとともに、盤面パワーを光ディスクの劣化やデータの消去などが起きない低いパワーに抑えることができる。また、強度フィルタを光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成した場合には、再生時には、光源からの光の経路に強度フィルタを挿入することで、半導体レーザの元パワーを、量子雑音が十分に低くなるパワーに設定しつつ、盤面パワーを光ディスクの劣化やデータの消去などが起きない低いパワーに抑えて再生を行うことができ、記録時には、半導体レーザの元パワーをそのまま用いて記録を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
【0030】
図1はこの発明の第1の実施形態による光ディスク装置を示す。
【0031】
図1に示すように、この光ディスク装置は、光源としての半導体レーザ1の出射光を光ディスク2に導くとともに、この光ディスク2による反射光(信号光)を検出するための光学系、すなわち、ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、ミラー5、対物レンズ6、マルチレンズ7および信号光検出用受光素子としてのフォトダイオードIC8を備えている。半導体レーザ1としては、青色発光の半導体レーザ、具体的には、GaN系の半導体レーザが用いられる。
【0032】
この光ディスク装置においては、従来の光ディスク装置と同様な上述の構成に加えて、強度フィルタ9が、半導体レーザ1の出射光10の経路に対して出し入れ可能に設けられている。この強度フィルタ9としては、好適には、半導体レーザ1の出射光10を吸収する吸収フィルタが用いられる。この強度フィルタ9は、光ディスク2への記録時の半導体レーザ1の出射光10の元パワーを、光ディスク2の再生時の半導体レーザ1の出射光10のパワーに減衰させることができるように設計されている。この強度フィルタ9の両主面には、半導体レーザ1の出射光10の反射を防止するために、好適には、反射防止膜が設けられる。
【0033】
次に、この光ディスク装置による光ディスクの記録再生方法について説明する。ここで、半導体レーザ1の出射光10の元パワーは、量子雑音が十分に低くなり、しかも光ディスクへの記録、すなわち書き込みを行うのに必要十分なパワーにあらかじめ設定しておくものとする。
【0034】
まず、再生時には、半導体レーザ1の出射光10の経路に強度フィルタ9を挿入しておく。このとき、半導体レーザ1の出射光10のパワーは、この強度フィルタ9により、光ディスク2の再生時の半導体レーザ1の出射光10のパワーに減衰する。このようにして強度フィルタ9によりパワーが調整された出射光10は、ビームスプリッタ3を経てコリメートレンズ4により平行光とされ、ミラー5で反射された後、対物レンズ6により集光されて光ディスク2に入射する。そして、この光ディスク2で反射された信号光11が対物レンズ6、ミラー5、コリメートレンズ4、ビームスプリッタ3およびマルチレンズ7を経てフォトダイオードIC8に入射し、ここで電気信号に変換され、光ディスク2に書き込まれた情報が再生される。
【0035】
また、記録時には、半導体レーザ1の出射光10の経路から強度フィルタ9を外しておく。このとき、半導体レーザ1からの出射光10はそのまま、ビームスプリッタ3を経てコリメートレンズ4により平行光とされ、ミラー5で反射された後、対物レンズ6により集光されて光ディスク2に入射し、書き込みが行われる。
【0036】
以上のように、この第1の実施形態によれば、半導体レーザ1の出射光10の経路に対して出し入れ可能に強度フィルタ9を設け、再生時には強度フィルタ9を出射光10の経路に挿入し、記録時には強度フィルタ9を出射光10の経路から外すようにしていることにより、青色発光の半導体レーザ1を用いた場合に、盤面パワーを光ディスクの劣化やデータの消去などが起こらないように低く抑えつつ、半導体レーザ1の元パワーを再生時の量子雑音を十分に低くすることができる高いパワーに設定することができ、低雑音で良質の再生を行うことができる。また、半導体レーザ1の元パワーを必要以上に上げる必要がなく、半導体レーザ1に過度の負担をかけないで済む。しかも、従来の光ディスク装置に強度フィルタ9を追加するだけでよいので、光ディスク装置の構成を複雑化させることもコストを上昇させることもない。
【0037】
図2はこの発明の第2の実施形態による光ディスク装置を示す。
【0038】
図2に示すように、この光ディスク装置は、光源としての半導体レーザ1の出射光を光ディスク2に導くとともに、この光ディスク2による反射光(信号光)を検出するための光学系、すなわち、ビームスプリッタ3、コリメートレンズ4、ミラー5、対物レンズ6、マルチレンズ7および信号光検出用受光素子としてのフォトダイオードIC8を備えている。半導体レーザ1としては、青色発光の半導体レーザ、具体的には、GaN系の半導体レーザが用いられる。
【0039】
この光ディスク装置においては、従来の光ディスク装置と同様な上述の構成に加えて、同一面上に一体に並列配置された強度フィルタ9および透明板12が、半導体レーザ1の出射光10の経路に対して出し入れ可能に設けられている。この場合、これらの強度フィルタ9および透明板12は、半導体レーザ1の出射光10の非点隔差を補正するために、半導体レーザ1の出射光10に対して所定角度傾斜して設けられている。強度フィルタ9としては、好適には、半導体レーザ1の出射光10を吸収する吸収フィルタが用いられる。この強度フィルタ9は、光ディスク2への記録時の半導体レーザ1の出射光10のパワーを、光ディスク2の再生時の半導体レーザ1の出射光10のパワーに減衰させることができるように設計されている。
【0040】
強度フィルタ9および透明板12の具体的な構成例を図3に示す。図3に示すように、この例では、透明ガラス板13の一方の主面の片側半分に例えばCrO膜などの吸収膜14が設けられており、この吸収膜14が設けられている部分が強度フィルタ9を構成し、吸収膜14が設けられていない透明ガラス板13だけの部分が透明板12を構成する。
【0041】
次に、この光ディスク装置による光ディスクの記録再生方法について説明する。ここで、半導体レーザ1の出射光10の元パワーは、量子雑音が十分に低くなり、しかも光ディスクへの記録、すなわち書き込みを行うのに必要十分なパワーにあらかじめ設定しておくものとする。
【0042】
まず、再生時には、半導体レーザ1の出射光10の経路に強度フィルタ9を挿入しておく。このとき、半導体レーザ1の出射光10のパワーは、この強度フィルタ9により、光ディスク2の再生時の半導体レーザ1の出射光10のパワーに減衰する。このようにして強度フィルタ9によりパワーが調整された出射光10は、ビームスプリッタ3を経てコリメートレンズ4により平行光とされ、ミラー5で反射された後、対物レンズ6により集光されて光ディスク2に入射する。そして、この光ディスク2で反射された信号光11が対物レンズ6、ミラー5、コリメートレンズ4、ビームスプリッタ3およびマルチレンズ7を経てフォトダイオードIC8に入射し、ここで電気信号に変換され、光ディスク2に書き込まれた情報が再生される。
【0043】
また、記録時には、半導体レーザ1の出射光10の経路に透明板12を挿入しておく。このとき、半導体レーザ1の出射光10は、この透明板12を透過し、ビームスプリッタ3を経てコリメートレンズ4により平行光とされ、ミラー5で反射された後、対物レンズ6により集光されて光ディスク2に入射し、書き込みが行われる。
【0044】
以上のように、この第2の実施形態によれば、半導体レーザ1の出射光10の経路に対して出し入れ可能に強度フィルタ9および透明板12を設け、再生時には強度フィルタ9を出射光10の経路に挿入し、記録時には透明板12を出射光10の経路に挿入するようにしていることにより、青色発光の半導体レーザ1を用いた場合に、盤面パワーを光ディスクの劣化やデータの消去などが起こらないように十分に低く抑えつつ、半導体レーザ1の元パワーを再生時の量子雑音を十分に低くすることができる高いパワーに設定することができ、低雑音で良質な再生を行うことができる。また、半導体レーザ1の元パワーを必要以上に上げる必要がなく、半導体レーザ1に過度の負担をかけないで済む。さらに、強度フィルタ9および透明板12は、半導体レーザ1の出射光10に対して所定角度傾斜して設けているので、半導体レーザ1の出射光10の非点隔差を補正することができ、書き込みおよび読み出し特性の向上を図ることができる。しかも、従来の光ディスク装置に強度フィルタ9および透明板12を追加するだけでよいので、光ディスク装置の構成を複雑化させることもコストを上昇させることもない。
【0045】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0046】
例えば、上述の実施形態において挙げた数値や光学系の構成などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値や光学系の構成などを用いてもよい。
【0047】
また、例えば、上述の第2の実施形態における強度フィルタ9および透明板12の代わりに、図4に示すようなものを用いてもよい。図4に示すように、この例では、透明ガラス板13の一方の主面の片側半分には膜厚が大きいCrO膜などの吸収膜14aが設けられ、他の半分には膜厚が小さいCrO膜などの吸収膜14bが設けられており、吸収膜14aが設けられた部分が第1の強度フィルタ15を構成し、吸収膜14bが設けられた部分が第2の強度フィルタ16を構成する。ここで、膜厚が大きい方の吸収膜14aの膜厚は、半導体レーザ1の元パワーを再生時に用いるパワーに落とすことができる膜厚に設定され、膜厚が小さい方の吸収膜14bの膜厚は、この吸収膜14bを通った後の出射光10のパワーが書き込み時に用いるパワーとなる膜厚に設定される。この場合、再生時には、厚い吸収膜14aが設けられた第1の強度フィルタ15が半導体レーザ1の出射光10の経路に挿入され、記録時には、薄い吸収膜14bが設けられた第2の強度フィルタ16が半導体レーザ1の出射光10の経路に挿入される。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による光ピックアップ装置および光ディスク装置によれば、光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有することにより、光源として短波長の半導体レーザを用いた場合、光ディスクの盤面パワーを低く抑えて光ディスクの劣化やデータの消去などが起きるのを防止しつつ、半導体レーザの量子雑音を低く抑えて低雑音で良質の再生を行うことができる。あるいは、再生時には、光ディスクの盤面パワーを低く抑えて光ディスクの劣化やデータの消去などが起きるのを防止しつつ、半導体レーザの量子雑音を低く抑えて低雑音で良質の再生を行うことができるとともに、記録時には、半導体レーザの元パワーを必要以上に上げずに記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光ディスク装置の光学系を示す略線図である。
【図2】この発明の第2の実施形態による光ディスク装置の光学系を示す略線図である。
【図3】この発明の第2の実施形態による光ディスク装置において用いられる強度フィルタおよび透明板の構成例を示す断面図である。
【図4】この発明の第2の実施形態の変形例を説明するための断面図である。
【図5】従来の光ディスク装置の光学系を示す略線図である。
【符号の説明】
1・・・半導体レーザ、2・・・光ディスク、6・・・対物レンズ、8・・・フォトダイオードIC、9・・・強度フィルタ、10・・・出射光、11・・・信号光、12・・・透明板、13・・・透明ガラス板、14、14a、14b・・・吸収膜、15・・・第1の強度フィルタ、16・・・第2の強度フィルタ

Claims (10)

  1. 緑色から紫外線の波長領域で発光可能な半導体レーザからなる光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有し、
    上記強度フィルタは上記光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成され
    上記強度フィルタは上記出し入れする方向に透明板と一体に同一面上に並列配置され、
    上記強度フィルタおよび上記透明板は上記光源からの光の非点隔差を補正するために上記光源からの光の経路に対して所定角度傾斜して設けられている光ピックアップ装置。
  2. 緑色から紫外線の波長領域で発光可能な半導体レーザからなる光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有し、
    上記強度フィルタは上記光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成され、
    上記強度フィルタは上記出し入れする方向に同一面上に一体に並列配置された第1の強度フィルタおよびこの第1の強度フィルタよりも光強度の減衰率が小さい第2の強度フィルタからなり、
    上記第1の強度フィルタおよび上記第2の強度フィルタは上記光源からの光の非点隔差を補正するために上記光源からの光の経路に対して所定角度傾斜して設けられている光ピックアップ装置。
  3. 上記強度フィルタは吸収フィルタである請求項1または2記載の光ピックアップ装置。
  4. 上記半導体レーザは青色で発光可能な半導体レーザである請求項1〜3のいずれか一項記載の光ピックアップ装置。
  5. 緑色から紫外線の波長領域で発光可能な半導体レーザからなる光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有し、上記強度フィルタは上記光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成され、上記強度フィルタは上記出し入れする方向に透明板と一体に同一面上に並列配置され、上記強度フィルタおよび上記透明板は上記光源からの光の非点隔差を補正するために上記光源からの光の経路に対して所定角度傾斜して設けられている光ピックアップ装置を備えている光ディスク装置。
  6. 緑色から紫外線の波長領域で発光可能な半導体レーザからなる光源からの光の強度を減衰させるための強度フィルタを有し、上記強度フィルタは上記光源からの光の経路に対して出し入れ可能に構成され、上記強度フィルタは上記出し入れする方向に同一面上に一体に並列配置された第1の強度フィルタおよびこの第1の強度フィルタよりも光強度の減衰率が小さい第2の強度フィルタからなり、上記第1の強度フィルタおよび上記第2の強度フィルタは上記光源からの光の非点隔差を補正するために上記光源からの光の経路に対して所定角度傾斜して設けられている光ピックアップ装置を備えている光ディスク装置。
  7. 再生時に上記光源からの光の経路に上記強度フィルタを挿入し、記録時に上記光源からの光の経路に上記透明板を挿入するようにした請求項5記載の光ディスク装置。
  8. 再生時に上記光源からの光の経路に上記第1の強度フィルタを挿入し、記録時に上記光源からの光の経路に上記第2の強度フィルタを挿入するようにした請求項6記載の光ディスク装置。
  9. 上記強度フィルタは吸収フィルタである請求項5〜8のいずれか一項記載の光ディスク装置。
  10. 上記半導体レーザは青色で発光可能な半導体レーザである請求項5〜9のいずれか一項記載の光ディスク装置。
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