JP4257805B2 - ステータ製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステータの製造方法に関し、特に、輪状の絶縁フィルムの各突部にステータ巻線を予め巻回してステータ巻線体を形成し、このステータ巻線体を鉄芯に設けることにより占有率の高いステータ巻線を有するステータを得るための新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用いられていたこの種のステータとしては、輪状の鉄芯に輪状に成形した絶縁枠を取り付けてステータ巻線を装着していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のステータは、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、鉄芯に装着する絶縁枠が樹脂成形であるため、肉厚を極端に薄くすることはできず、所定の厚さで成形しているため、この肉厚分だけステータ巻線の占有率が低下し、モータの性能向上を計ることが極めて困難であった。
【0004】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、輪状の絶縁フィルムの各突部にステータ巻線を予め巻回してステータ巻線体を形成し、このステータ巻線体を鉄芯に設けることにより占有率の高いステータ巻線を有するステータを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によるステータの製造方法は、輪状の鉄芯の内側にステータ巻線を有するステータにおいて、全体が輪状の絶縁フィルムに所定角度間隔で形成された各突部の外面に前記ステータ巻線を巻回してステータ巻線体を形成し、前記ステータ巻線体の内側にリングを取付け、前記ステータ巻線体を前記鉄芯の内側に装着する方法であり、また、前記突部に形成された突片を折り曲げて前記ステータ巻線の外面を覆う方法であり、さらに、前記絶縁フィルムは帯状に形成され、その両端部が直接又は間接的に接続されて輪状に形成されている方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明によるステータの製造方法の好適な実施の形態について説明する。
図1はステータの製造工程を示すもので、A工程からE工程を経ることによってステータ1を形成することができる。
図1において符号2で示されるものは全体形状が輪状をなし薄いフィルムで形成された絶縁フィルムであり、この絶縁フィルム2は平板状のフィルムを押型で押すことにより所定角度間隔で四角状に突出する突部3が形成されて全体が輪状に形成されている。
【0007】
前記各突部3の外面にはU状に突出する突片4が外方に突出して形成されており、各突部3の間には小突部3aが形成されている。前記絶縁フィルム2の突部3を巻線治具5に装着し、この状態で突部3の外面にステータ巻線6を図示しない巻線機で巻回し、各突部3に対するステータ巻線6の巻回が終了すると、(B)の状態となりステータ巻線体20を構成している。前記各ステータ巻線6は各突部3間の各小突部3aによって各ステータ巻線6間の絶縁が得られている。(B)の状態では、絶縁フィルム2を輪状としていると共に、(C)の状態では、前記各突片4を2片に切りさき、(D)の状態のように各ステータ巻線6の外面を覆うように矢印A,Bで示す方向に折り曲げられる。同時に、絶縁フィルム2の内側に磁性体よりなるリング10が装着され、このリング10は強度を増すために複数の曲部10aが形成されていると共に、複数の接触片10bがハの字型に形成され、この接触片10bは前記ステータ巻線6が巻回されている位置の絶縁フィルム2の底部2aに当接して絶縁フィルム2全体が輪状となるように保たれている。
【0008】
前記絶縁フィルム2の両端部2A,2Bは、(C)で示されるように接続片11によって接続されていることにより、各端部2A,2Bは間接的に接続され、また、直接接続することもできる。このステータ巻線体20は(D)の状態では単体として移送できる状態であるため、(E)で示されるように、輪状の鉄芯21内にこのステータ巻線体20を嵌合して装着することにより、ステータ1が得られる。従って、絶縁フィルム2が極めて薄いフィルムで構成されているため、スロットに相当する位置に巻回されるステータ巻線6の占有率が従来構成よりも大幅に向上し、モータのトルク向上等を得ることができる。
【0009】
【発明の効果】
本発明によるステータ製造方法は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、輪状の絶縁フィルムの各突部にステータ巻線を巻回し、この絶縁フィルムの内側にリングを装着すると共に外側に輪状の鉄芯を装着しているため、ステータ巻線の占有率を従来よりも大幅に向上させ、モータの巻線の容易化及び性能向上を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるステータの製造工程を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 絶縁フィルム
3 突部
4 突片
2A,2B 端部
6 ステータ巻線
10 リング
10b 接触片
20 ステータ巻線体

Claims (3)

  1. 輪状の鉄芯(21)の内側にステータ巻線(6)を有するステータにおいて、全体が輪状の絶縁フィルム(2)に所定角度間隔で形成された各突部(3)の外面に前記ステータ巻線(6)を巻回してステータ巻線体(20)を形成し、前記ステータ巻線体(20)の内側にリング(10)を取付け、前記ステータ巻線体(20)を前記鉄芯(21)の内側に装着することを特徴とするステータ製造方法。
  2. 前記突部(3)に形成された突片(4)を折り曲げて前記ステータ巻線(6)の外面を覆うことを特徴とする請求項1記載のステータ製造方法。
  3. 前記絶縁フィルム(2)は帯状に形成され、その両端部(2A,2B)が直接又は間接的に接続されて輪状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のステータ製造方法。
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