JP4256058B2 - ディスポーザーの運転装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術】
本発明は、金属などの異物による損傷を防ぐとともに打撃刃の寿命を長くし、破砕効率を向上させたディスポーザーの運転装置に関する。
なお、ディスポーザーの運転形式には、破砕室内に厨芥を投入した状態で運転を開始させるバッチ方式と、運転を継続させながら順次に厨芥を投入する連続運転方式があるが、本発明はとくにパッチ方式に適した運転装置を提供する。
【0002】
【従来の技術】
従来、厨芥を破砕処理するディスポーザーは、シンクの流し口に取り付ける投入口に続く破砕室の底部に回転刃板をそなえ、シンクから破砕室に投入される厨芥を前記回転刃板上に受け、この回転刃板の回転により、回転刃板上に設けた打撃刃で塊状の厨芥を破砕するとともに、遠心力によって厨芥を外周方向に移動させ、打撃刃および回転刃板の外周と破砕室内周に取り付けた固定刃との間で切断磨砕し、水とともに排出させるようにしている。
しかるに、厨芥に金属や石、陶器片などの異物や、根菜類など比較的固い塊状の厨芥や魚骨などが混入していると、遠心力で回転刃板の外周へ送られる異物や塊状の厨芥が打撃刃と固定刃との間隙に噛み込まれ、噛み込み部分の損傷やモータの過負荷を生じるおそれがある。このため、打撃刃をスイング(揺動)するようにし、衝撃時に打撃刃の側面を傾斜させ、固定刃との間隙を大きくして噛み込みを生じさせないようにしている。
【0003】
とくに金属質の異物が混入されていると強い衝撃を与え、破砕室内部を損傷するおそれがあり、フォークのように細い部分を持った異物は変形や噛み込みを生じ易いため、特開昭55−167056号公報、実願平4−45550号公報、特開2000−157886号公報などには、破砕室やシンクとの連結管に金属センサーを設けて金属質の異物を検出させ、回転刃板を回転させるモータが起動しないようにしたり、あるいは運転を直ちに停止させるようにした運転装置が提案されており、また、特開平8−24700号公報では、固定刃部分に異物を噛み込んだときに、モータを逆回転させて噛み込みを外させるようにする運転が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属センサーは金属以外の固い異物や塊状の厨芥を検出できず、異物を噛み込んだのちにモータを逆回転させても、高速回転で噛み込んだ異物は簡単に除去できない場合が多く、異物の噛み込みによる固定刃部分の損傷も十分に防止できない欠点がある。
また、打撃刃は回転刃板とともに高速で起動されるので、異物や根菜類など比較的固い塊状の厨芥などが混入していると、起動時における打撃刃の衝撃が大きく、損傷、摩耗により寿命が短く、短期間で交換する必要がある。このため、打撃刃を揺動自由に取り付け、厨芥や異物に当たったときにスイングして衝撃を和らげ、固定刃との間隔を広げて噛み込みを防ぐようにしたスイングハンマー形式が一般的に採用されているが、このようにスイングする打撃刃は、遠心力で放射状位置に保持されているが、厨芥などが当たるとスイングして回転方向に対して後退するので、損傷を防ぐ一方で破砕能力が低下する欠点があった。
本発明は、起動時に低速回転で衝撃を小さくして、打撃刃の一方側面で異物の検出や塊状の厨芥の粗砕を行わせ、一定時間後に逆回転させ、高速回転で打撃刃の他方側面により破砕処理を行わせることにより、損傷や噛み込みを防ぎ、打撃刃の寿命を長くするとともに、処理能力を向上させるようにした運転装置を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、回転刃板の上面に打撃刃をそなえたディスポーザーにおいて、回転刃板を回転させるモータに可逆、可変速が可能なモータを用い、起動時は回転刃板を一方向に低速回転で回転させ、この低速回転中に異物の検出と固い厨芥の粗砕を行わせ、一定時間後に逆回転させて反対方向に高速回転させるようにしている。
なお、打撃刃はスイング可能に取り付け、回転刃板の径方向にした打撃刃の片側にだけスイングを阻止するストッパーを設け、起動時は回転刃板をストッパーが設けられた方向に低速回転させて打撃刃のスイングを可能にし、一定時間後に逆回転させて、打撃刃がストッパーに接触する方向に高速回転させ、打撃刃を固定状態にして処理させる。
また、起動時に一定時間の低速回転を行った後に、同方向に増速回転を行い、この増速回転で粗砕を行わせ、その後に逆回転させて高速回転で破砕を行わせるようにすることができる。
なお、厨芥に混入した異物は前記起動時の低速運転中に検出し、異物を除去した後に再起動させる。
【0006】
【発明の実施の形態】
投入口に続く破砕室の底部に設けた回転刃板上面に1個または複数個の打撃刃をスイング可能に設け、この回転刃板を、可逆および可変速制御ができるモータの回転軸に連結し、タイマーをそなえた制御装置で起動時は打撃刃のスイングが可能な方向に低速回転させ、この低速回転中に異物が検出された場合は、運転を停止させて異物を取り出したのち再起動させ、一定時間後に逆回転させ高速回転で微破砕処理を行わせる。
打撃刃は回転刃板の径方向に位置させた状態で、その一方側にストッパーを設けて打撃刃が径方向位置から片側のみにスイングできるようにし、起動時は回転刃板をストッパーを設けた方向、したがって厨芥や異物に当たると打撃刃がスイングできる方向に低速回転させ、打撃刃に当たる異物や固い厨芥との衝撃を和らげるとともに固定刃への噛み込みを防ぎ、逆回転による高速回転時は打撃刃をストッパーに当てて固定させ、破砕能力を増大させるようにしている。
なお、低速運転中に異物が検出されないときは、同方向に増速して回転させ、塊状の厨芥を粗砕した後に逆回転させるようにすれば、高速運転時の厨芥の処理が容易になる。
【0007】
【実施例】
これを図に示す実施例について詳細に説明する。
図1および図2に示す実施例において、1はディスポーザーで、シンク2の取付管3に連結管4を介して取り付けている。
11は投入口、12は破砕室、13は破砕室底部の回転刃板、14は回転刃板13の上面に設けた打撃刃で、枢軸15でスイング可能に取り付けている。16は打撃刃14の一方の側面に当たるストッパー、17は打撃刃の過度のスイングを止める係止片、18は回転刃板と打撃刃を囲む固定刃、19は回転軸で可逆、可変速運転ができるモータ20に連結している。21は制御装置たとえばインバータ制御装置、22は低速正回転信号、23は高速逆回転信号である。
なお、ストッパー16は、固定刃18との間に異物や塊状の厨芥を挟まないようになるべく低くして、回転刃板13の外周に近い位置に設ける方がよく、外周縁の一部を高くしたものでもよい。
また、モータ20は、制御装置21により可逆、可変速運転を行えるモータであればよく、汎用モータや直流モータあるいはブラシレスモータを用いることができ、制御装置21もインバータ制御に限られるものではない。
【0008】
投入口11から破砕室12の回転刃板13上に厨芥を投入して水を流し込みながら、制御装置21によりモータ20を低速正回転信号22で起動させ、図3に例示する制御プログラムのように、低速aたとえば500rpmで回転刃板13を打撃刃14のストッパー16側(図2の矢印Aで示す方向)に一定時間たとえば10〜15秒間回転させる。
厨芥に金属や陶器などの固い異物が混入されていると、この低速運転中に異物が打撃刃14のストッパー側の側面によって跳ね飛ばされ、破砕室12の内壁に当たって鋭い異常音を発生する。この場合、打撃刃14が回転方向後方に点線で示すようにスイングするので、異物との衝撃を和らげるとともに、打撃刃14と固定刃18との間隔が大きくなって異物が固定刃18との間に噛み込むことがなく、前記異常音を検出すると、直ちにモータ20を停止させ、投入口11から異物を取り出す。
【0009】
低速回転aで異常音が発生されず、あるいは異物を除去したのち再度モータ20を低速aで起動させて異常音がなければ、一定時間後に制御装置21は高速逆回転信号23でモータ20を逆回転させ、高速cたとえば2500rpmで回転刃板13を反対側(図2の矢印B方向)に回転させる。このため、打撃刃14はストッパー16に押し付けられてスイングできない状態になり、固定打撃刃として前記低速回転時とは反対側の側面が厨芥に当たり、高速と固定打撃刃により破砕能力が増大して厨芥を微粉砕する。
【0010】
図4は、別の制御プログラムを示すもので、図3の時と同様に、起動時に低速aで回転刃板13を打撃刃14のストッパー16側(A方向)に回転させ、異物の混入を検出する。異物を除去した後の再起動、あるいは初めの起動から異物が検出されないで一定時間を経過すると、増速bたとえば1000rpmに昇速させて同方向Aで一定時間たとえば20秒間運転させる。この増速bの運転により厨芥中の固い塊状物を破砕して粗砕を行わせる。
前記低速aおよび増速bの運転では、打撃刃14がスイング可能になっているので、異物や塊状の厨芥に当たった時の衝撃を和らげて損傷を防ぐとともに、スイングにより打撃刃14が後退して固定刃18との間隔を広げ、噛み込みを防止させる。
増速bによる粗砕運転が終わると、制御装置21はモータ20を逆回転させ、高速cで回転刃板13を反対方向(B方向)に回転させ、打撃刃14はストッパー16に押し付けられてスイングできない固定状態になって衝撃が強く処理能力が増大されて、打撃刃14の反対側の側面を用いて厨芥を微粉砕する。
【0011】
【発明の効果】
このように、本発明はディスポーザーの回転刃板上に打撃刃をスイング可能にそなえ、この打撃刃の片側にストッパーを設け、起動時は低速で打撃刃がスイング可能な方向に回転させているので、衝撃が大きい異物の検出と塊状の厨芥の粗砕を、低速回転数で打撃刃のストッパー側の側面で行い、このときは打撃刃がスイングするので衝撃を和らげ、異物の跳ね飛びによる変形や損傷を減少させるとともに噛み込みを防ぐことができる。
【0012】
また、一定時間後に微粉砕のため高速回転をさせるが、高速回転では逆回転させ、打撃刃の反対側の側面を用いて固定状態にしているので、打撃刃の両側面を利用することができ、摩耗が少なく寿命が長くなるとともに、高速回転時の破砕能力を増大させることができる。
【0013】
また、起動時に一定時間低速回転させた後に、増速して同方向に回転させることにより、衝撃の大きい異物の検出を低速回転で行わせ、異物を除去して再起動させ、あるいは異物が検出されなかったときは、増速回転により塊状の固い厨芥を低速回転時より破砕力を増して粗砕させ、この間は打撃刃をスイングさせて噛み込みを防ぎ、高速回転における破砕処理を容易にし、効率をさらに向上させる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するディスポーザーの実施例を示す側断面図である。
【図2】回転刃板の例を示す上面図である。
【図3】制御プログラムの例を示す特性曲線図である。
【図4】異なる制御プログラムの例を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
1 ディスポーザー
2 シンク
3 取付管
4 連結管
11 投入口
12 破砕室
13 回転刃板
14 打撃刃
15 枢軸
16 ストッパー
17 係止片
18 固定刃
19 回転軸
20 モータ
21 制御装置
22 低速正回転信号
23 高速逆回転信号
Claims (2)
- 破砕室の底部に回転刃板を設け、この回転刃板の上面に打撃刃をスイング可能に取り付けたディスポーザーにおいて、前記打撃刃の片側に接触してスイングを阻止するストッパーを設け、起動時は回転刃板をストッパーを設けた方向に低速回転させて打撃刃のスイングを可能にし、一定時間後に逆回転させて、打撃刃がストッパーに接触する方向に高速回転させることを特徴とするディスポーザーの運転装置。
- 破砕室の底部に回転刃板を設け、この回転刃板の上面に打撃刃をスイング可能に取り付けたディスポーザーにおいて、前記打撃刃の片側に接触してスイングを阻止するストッパーを設け、起動時は回転刃板をストッパーを設けた方向に低速回転させて打撃刃のスイングを可能にし、一定時間後に増速して粗砕を行わせ、その後で逆回転させて、打撃刃がストッパーに接触する方向に高速回転させることを特徴とするディスポーザーの運転装置。
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