JP4255775B2 - 回路基板検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象の回路基板における導体パターンと基準電極との間の静電容量を測定して回路基板を検査可能に構成された回路基板検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の回路基板検査装置として、出願人は、特開2003−14807号公報に開示された回路基板検査装置を開発している。この回路基板検査装置は、同公報中の図3に示す導体パターンCP1,CP2と、同公報中の図2に示す電極2bとの間の対電極間静電容量CCPを測定して回路基板Pを検査する回路基板検査装置1であって、同公報中の図2に示す構成を備えている。この回路基板検査装置1は、同公報中の図1に示すフローチャートに従って作動して、まず、一例として、移動機構5aが導体パターンCP1の測定ポイントTP1に検査用プローブ3を接触させる。次に、制御部6が検査用プローブ3と電極2bとの間に検査用の信号としての交流電圧を出力して導体パターンCP1と電極2bとの間の対電極間静電容量CTC1 を仮測定し、その測定結果に基づいて測定レンジを決定して設定する。次いで、制御部6は、移動機構5aを制御して検査用プローブ3を測定ポイントTP1から微少距離だけ離間(上動)させ、その状態で測定ポイントTP1での浮遊容量CS1を測定してRAM7に保存させる。
【0003】
次に、制御部6は、移動機構5aを制御して検査用プローブ3を測定ポイントTP1に再度接触させた状態で導体パターンCP1と電極2bとの間の対電極間静電容量CPR1 を測定する。次いで、制御部6は、対電極間静電容量CPR1 から浮遊容量(基準静電容量)CS1を差し引くことにより、差分(CPR1 −CS1)を浮遊容量の影響を排除した導体パターンCP1についての正規な対電極間静電容量CCP1 としてRAM7に保存させる。この後、制御部6は、すべての導体パターンCPについて上記の処理を実行して各導体パターンCPについての正規な対電極間静電容量CCPをRAM7に順次保存させる。次に、制御部6は、RAM7に保存させた各対電極間静電容量CCPが対応する基準データに対して所定範囲内(例えば、±10%以内)のときに、その導体パターンCPに断線および短絡が存在しないと判別する判別処理を実行する。この判別処理をすべての導体パターンCPに対して順次実行することにより、回路基板Pが検査される。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−14807号公報(第5−6頁、第1−3図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、出願人が開示している従来の回路基板検査装置1には、以下の改善すべき課題がある。すなわち、従来の回路基板検査装置1では、検査用プローブ3を測定ポイントTPから微少距離だけ浮かせた状態で測定ポイントTPについての浮遊容量CS を測定している。この場合、浮遊容量CS が測定ポイントTPに近づくほど(測定ポイントTPからの距離に反比例して)増加するため、なるべく測定ポイントTPに近い位置で測定するのが好ましい。しかしながら、検査用プローブ3を測定ポイントTPに接触させずにぎりぎりの位置に移動させるのは、回路基板検査装置1や回路基板Pの加工精度には常に誤差が存在することを考慮すれば、現実的には極めて困難な制御となる。このため、従来の回路基板検査装置1では、回路基板検査装置1や回路基板Pの加工精度による誤差の存在下においても、検査用プローブ3を測定ポイントTPから確実に浮かせられるように、一例として測定ポイントTPから0.5mm程度の距離だけ上方の位置を浮遊容量CS を測定するための位置として規定している。したがって、従来の回路基板検査装置1では、測定した浮遊容量CS 内にこの0.5mm分の誤差が常に含まれている(0.5mm分だけその値が少なくなる)ことに起因して、回路基板Pを高精度で検査するのが困難であり、この点を改善するのが好ましい。
【0006】
本発明は、かかる改善すべき課題に鑑みてなされたものであり、検査対象の回路基板について高精度で検査し得る回路基板検査装置を提供することを主目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板検査装置は、プローブと、当該プローブを移動させて測定対象の回路基板における導体パターンに接触可能とするプローブ移動機構と、前記プローブおよび基準電極間の静電容量を測定する測定部と、前記プローブ移動機構を制御すると共に前記測定された静電容量に基づいて前記回路基板を検査する制御部と、当該測定された静電容量を保存可能な記憶部とを備え、前記制御部は、前記プローブ移動機構を制御して前記回路基板における特定部位に対する垂直方向の距離が異なる少なくとも2つの位置に前記プローブを移動させて、当該各位置における静電容量を前記測定部に対して測定させると共に、当該測定された当該各位置における前記各静電容量および前記距離に基づいて、前記距離がほぼゼロとなる位置における前記静電容量を算出して前記特定部位についての浮遊容量として前記記憶部に保存する浮遊容量算出処理を実行可能に構成されている。なお、本明細書において「垂直方向の距離」には、完全に垂直方向の距離と、ほぼ垂直方向の距離との両者が含まれる。
【0008】
請求項2記載の回路基板検査装置は、請求項1記載の回路基板検査装置において、前記制御部は、前記回路基板における複数の前記特定部位に対して前記浮遊容量算出処理を実行することによって当該各特定部位の前記浮遊容量を算出して前記記憶部に保存する。
【0009】
請求項3記載の回路基板検査装置は、請求項1または2記載の回路基板検査装置において、前記制御部は、前記導体パターンに前記プローブを接触させる際に、当該プローブ移動機構を制御して当該導体パターンに向けて当該プローブを移動させつつ、前記測定部に対して前記静電容量を測定させて、当該測定された静電容量が前記特定部位についての前記浮遊容量を超えたときに当該プローブが前記導体パターンに接触したと判別する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る回路基板検査装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0011】
最初に、本発明を適用した回路基板検査装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0012】
同図に示すように、回路基板検査装置1は、電極部2、検査用のプローブ3,4、プローブ移動機構(以下、「移動機構」ともいう)5a,5b、測定部6、制御部7、RAM8およびROM9を備えて構成されている。電極部2は、その表面に絶縁フィルム2aが貼付された平板状の電極2bを有して検査対象の回路基板Pを載置可能に構成されている。この場合、電極2bは、本発明における基準電極の一例であって、測定部6に接続されている。プローブ3,4は、接触型プローブであって、プローブ固定具3a,4aを介して移動機構5a,5bにそれぞれ取り付けられると共に測定部6に接続されている。移動機構5a,5bは、制御部7の制御下でプローブ3,4を上下左右に移動させることにより、プローブ3,4の先端部を、回路基板Pの表面、および回路基板Pの上方領域の任意の位置に移動可能に構成されている。例えば、移動機構5a,5bは、回路基板Pの表面に形成された各導体パターン上に予め設定されている測定ポイント(本発明における特定部位の一例)にプローブ3,4の先端部を接触させる。
【0013】
測定部6は、制御部7の制御に従ってプローブ3および電極部2(電極2b)を介して回路基板Pに検査用の信号としての測定用交流信号を出力して、出力した測定用交流信号の電圧についての位相とその回路基板Pおよび電極2b間を流れる電流についての位相との間の位相差を測定して、測定用交流信号の電圧、測定用交流信号の電流、および測定した位相差に基づいてプローブ3および電極2b間の静電容量Cを測定する。
【0014】
制御部7は、移動機構5a,5bおよび測定部6の動作を制御することにより、測定ポイントについての浮遊容量CS を測定してRAM8に保存する浮遊容量算出処理と、プローブ3,4を導体パターンにおける測定ポイントに接触させたときに測定させた静電容量Cと浮遊容量CS とに基づいてその導体パターンについての正規な静電容量Cfを算出してRAM8に保存する静電容量測定処理と、RAM8に保存した静電容量Cfに基づいて回路基板Pを検査する検査処理とを実行する。ここで、正規な静電容量Cfとは、浮遊容量CS の影響を排除した静電容量をいう。RAM8は、本発明における記憶部に相当し、測定部6から出力される静電容量C、プローブ3,4を接触させるべき導体パターンの位置(測定ポイントの位置)を特定可能な位置データ、および良品の基板から吸収した各測定ポイントの検査用の基準データなどを記憶する。ROM9は、制御部7の動作プログラムを記憶する。
【0015】
次に、回路基板検査装置1による回路基板Pの検査方法について、図面を参照して説明する。なお、この回路基板検査装置1は、出願人が開示している従来の回路基板検査装置1と同様にして、プローブ3,4を使用した導体パターンの導通検査等を実行可能に構成されているが、その導通検査等自体の説明については、本発明についての理解を容易とするために省略する。
【0016】
まず、図1に示すように、導体パターンの形成面を表面側(上向き)にして回路基板Pを電極部2(具体的には、絶縁フィルム2a)の上に載置する。次に、制御部7が、図4に示す浮遊容量算出処理を開始する。この処理では、制御部7は、例えば移動機構5aを制御することにより、検査すべき導体パターンにおける測定ポイントに対して垂直方向に離れた位置に設定された(この例では、測定ポイントの上方に設定された)位置W(図2参照)にプローブ3を移動させる(ステップ50)。なお、この位置Wは、回路基板Pを横向き状態で検査する際には、測定ポイントから横方向に離れた位置に設定される。次いで、制御部7は、測定部6に対して位置Wにおける静電容量C(以下、「静電容量C1」ともいう)を測定させると共に測定された静電容量C1を位置Wの高さ(回路基板Pの表面からプローブ3の先端までの距離)H1と共にRAM8に保存する(ステップ51)。続いて、制御部7は、移動機構5aを制御してプローブ3を位置Wから下方に移動させることにより、測定ポイントの上方に設定された位置X(図2参照)にプローブ3を移動させる(ステップ52)。次いで、制御部7は、測定部6に対して位置Xにおける静電容量C(以下、「静電容量C2」ともいう)を測定させると共に測定された静電容量C2を位置Xの高さ(回路基板Pの表面からプローブ3の先端までの距離)H2と共にRAM8に保存する(ステップ53)。
【0017】
続いて、制御部7は、RAM8に保存されている位置Wに対応する静電容量C1および高さH1と、位置Xに対応する静電容量C2および高さH2とに基づいて、測定ポイントからの高さH3(回路基板Pの表面からプローブ3の先端までの距離)がほぼゼロとなる位置Y(図2参照)における静電容量Cを算出して、算出した静電容量Cを浮遊容量CS としてRAM8に保存する(ステップ54)。この浮遊容量CS の算出に際して、制御部7は、一例として、まず、図3に示すように、位置Wに対応する静電容量C1および高さH1と、位置Xに対応する静電容量C2および高さH2とに基づいて、a(H1,C1)およびb(H2,C2)の各点を通過する直線Lを示す数式(回路基板Pの表面からの高さ(距離)Hを変数とする静電容量Cの算出式)を求める。次いで、制御部7は、求めた数式を用いて高さHをゼロとしたときの静電容量Cを算出して、算出した静電容量Cをこの測定ポイントPm(特定部位)についての浮遊容量CS としてRAM8に保存する。この方法によれば、プローブ3を実際に位置Yに移動させることなく、測定ポイントPmについての浮遊容量CS を正確に算出することができる。以上により、浮遊容量算出処理が完了する。
【0018】
この場合、発明者の実験によれば、一例として、回路基板Pからの高さH1が0.4mmのときの静電容量C1は501.0fF、高さH2が0.2mmのときの静電容量C2は510.5fF、高さH3が0.0mmのときの静電容量C3は521.0fFであった。一方、高さH1が0.4mmのときの静電容量C1(501.0fF)と、高さH2が0.2mmのときの静電容量C2(510.5fF)とに基づいて、上記の浮遊容量算出処理によって算出される浮遊容量CS は、520.0fFとなる。したがって、実測した静電容量C3(521.0fF)との差が僅か1fFであることが確認される。
【0019】
なお、位置Wにおける静電容量C1および高さH1と、位置Xにおける静電容量C2および高さH2とに基づいて、理論上の浮遊容量CS を算出する方法としては、上記の方法以外にも、各種算出方法を採用することができる。例えば、位置Wの高さH1を位置Xの高さH2の2倍に予め設定しておき、位置Xにおける静電容量C2から位置Wにおける静電容量C1を減算した値を位置Xにおける静電容量C2に加算する算出方法などを採用することができる。
【0020】
次に、制御部7は、図5に示す静電容量測定処理を開始する。この処理では、制御部7は、移動機構5aを制御して測定ポイントPmの上方の位置(一例として、測定ポイントPmの上方の位置Wとする)にプローブ3を移動させる(ステップ60)。次いで、制御部7は、移動機構5aを制御して、プローブ3の測定ポイントPmへの移動を開始させる(ステップ61)。また、制御部7は、プローブ3を移動させつつ、測定部6に対して静電容量Cを繰り返し測定させると共に(ステップ62)、静電容量Cを測定させた都度、その静電容量CとRAM8に保存した浮遊容量CS とを比較する(ステップ63)。制御部7は、ステップ62,63を繰り返している際に、ステップ63において、静電容量Cが浮遊容量CS を超えたと判別したときには、プローブ3が導体パターンの測定ポイントPmに接触したと判別して、移動機構5aを制御してプローブ3の移動(この例では下動)を直ちに停止させる(ステップ64)。続いて、制御部7は、浮遊容量CS を超えた直後に測定された静電容量Cから浮遊容量CS を減算すると共に、この減算して求めた静電容量をその測定ポイントPmについての正規の静電容量CfとしてRAM8に保存して(ステップ65)、この静電容量測定処理を終了する。
【0021】
次に、制御部7は、RAM8に保存した正規の静電容量Cfと、RAM8に保存されている良品の基板から吸収した検査用の基準データとに基づいて、正規の静電容量Cfを測定した導体パターンに対する検査処理を実行する。具体的には、制御部7は、正規の静電容量Cfと基準データとを比較して、正規な静電容量Cfが基準データとしての上下限値の範囲内(所定範囲内:例えば、基準値の±20%以内)のときに、その導体パターンに断線および短絡が存在しないと判別する。逆に、正規の静電容量Cfが上限値(例えば、+20%)を超えるときには、その導体パターンに短絡が存在し、正規な静電容量Cfが下限値(例えば、−20%)未満のときには、その導体パターンに断線が存在すると判別する。この後、制御部7は、他のすべての導体パターンについても、上記した各処理(浮遊容量算出処理、静電容量測定処理および検査処理)を順次実行する。これにより、回路基板Pの検査処理が完了する。なお、一例として、プローブ3を使用した静電容量Cの測定について説明したが、プローブ3と同様にしてプローブ4を用いて静電容量Cの測定を行う場合についても同様であり、通常は、回路基板Pに形成された検査対象となる全ての導体パターンについての正規の静電容量Cfの測定時間を短縮すべく、プローブ3,4を並列に動作させる。
【0022】
このように、この回路基板検査装置1によれば、制御部7が、移動機構5a,5bを制御して回路基板Pの測定ポイントPmの上方における高さ(距離)が異なる例えば2つの位置W,Xにプローブ3,4を移動させて、各位置W,Xにおける静電容量C1,C2を測定部6に対して測定させると共に、測定された各位置W,Xにおける各静電容量C1,C2と各高さH1,H2とに基づいて、測定ポイントPmの上方における高さ(距離)がほぼゼロとなる位置Yにおける静電容量Cを算出して、この測定ポイントPmについての浮遊容量CS としてRAM8に保存する浮遊容量算出処理を実行することにより、測定ポイントPmの上方の位置であって、この測定ポイントPmの近傍部位にプローブ3(またはプローブ4)を移動させて浮遊容量を測定する従来の方法と比較して、測定ポイントPmにより近い位置での浮遊容量CS を正確に測定することができる。したがって、導体パターンについての正規な静電容量Cfを一層正確に測定することができる結果、回路基板Pを高精度で検査することができる。
【0023】
また、この回路基板検査装置1によれば、制御部7が回路基板Pの複数の導体パターン毎に設定された各測定ポイントPmにおいて浮遊容量算出処理を実行して各測定ポイントPmの浮遊容量CS を算出してRAM8に保存することにより、導体パターン毎に浮遊容量CS にばらつきが生じるときであっても、各導体パターンについての正規な静電容量Cfを正確に測定することができる。したがって、回路基板Pを一層高精度に検査することができる。
【0024】
また、この回路基板検査装置1によれば、制御部7が、導体パターンにプローブ3,4を接触させる際に、移動機構5a,5bを制御してその導体パターンの上方からその導体パターンに向けてプローブ3,4を移動させつつ、測定部6に対して静電容量Cを測定させて、その静電容量Cがその測定ポイントPmについての浮遊容量CS を超えたときにプローブ3,4が導体パターンに接触したと判別することにより、移動機構5a,5bによるプローブ3,4の移動量に基づいてプローブ3,4が導体パターンに接触したことを判別する方法と比較して、プローブ3,4と導体パターンとの接触によって生じる静電容量の変化という実際の現象に基づいてプローブ3,4と導体パターンとの接触の有無を判別することができる結果、プローブ3,4と導体パターンとの接触を一層確実に判別することができる。
【0025】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、浮遊容量算出処理と静電容量測定処理とを分けて実行する構成の回路基板検査装置1を例に挙げて説明したが、プローブ3を測定ポイントPmへ移動させている際に、上記した浮遊容量算出処理と静電容量測定処理とを連続して実行させる構成を採用することもできる。具体的には、制御部7が、移動機構5a,5bを制御してプローブ3を回路基板Pに向けて移動させると共に、このプローブ3の移動中において、浮遊容量算出処理を実行して、図2に示す位置Wにプローブ3が達したときに、測定部6に対して測定させた静電容量Cを静電容量C1としてRAM8に保存し、図2に示す位置Xにプローブ3が達したときに、測定部6に対して測定させた静電容量Cを静電容量C2としてRAM8に保存する。その後、制御部7は、位置W,Xについての各静電容量C1,C2および高さH1,H2に基づいて浮遊容量CS を直ちに算出してRAM8に保存する。その後、制御部7は、引き続き、この浮遊容量CS を用いた静電容量測定処理を開始させる。このように構成することにより、プローブ3を測定ポイントPmに一回接触させる間に、正規な静電容量Cfを測定してRAM8に保存させることができる。また、3つ以上の位置にプローブ3を移動させて、その各位置における静電容量を測定して、各位置における各静電容量および垂直方向の距離に基づいて、その距離がほぼゼロとなる位置における静電容量を算出することもできる。
【0026】
また、本発明の実施の形態では、回路基板Pの検査対象となる全ての導体パターンの測定ポイントPmについての浮遊容量CS を測定する構成を採用した例について説明したが、例えば、導体パターンの形状がほぼ均一である回路基板(例えば、多数の単独パットが表面に形成されたCPU搭載用の回路基板)については、各導体パターンの測定ポイントPmについての浮遊容量CS がほぼ同じになる。このような回路基板に対しては、いずれか一つの導体パターンについての浮遊容量CS を測定して、他の導体パターンの浮遊容量CS として用いることができる。さらに、回路基板によっては、例えば、中央の領域、および四隅の各領域毎に、浮遊容量CS がほぼ揃っていることがあり、このような回路基板に対しては、各領域毎に任意の一つの測定ポイントPmについての浮遊容量CS を測定して、同一領域内の他の測定ポイントPmについての浮遊容量CS として用いることもできる。また、本発明の実施の形態では、回路基板Pの検査対象となる全ての導体パターンの測定ポイントPmを特定部位とした例について説明したが、回路基板によっては、導体パターンの測定ポイントPmについての浮遊容量CS と、導体パターン以外の部位についての浮遊容量CS とがほぼ同じになるものがあり、このような回路基板においては、測定ポイントPm以外の部位を特定部位として、この部位についての浮遊容量CS を導体パターンの測定ポイントPmについての浮遊容量CS として用いることができる。
【0027】
さらに、本発明の実施の形態では、電極2bを有する電極部2を備えた回路基板検査装置1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、検査対象の回路基板におけるパターン(例えばグランドパターンや電源パターン等のいわゆるベタパターンや通常の信号パターンなど)を本発明における基準電極として使用する構成を採用することができる。具体的には、電極部2に代えて、例えば上記のベタパターンに電気的に接触可能なプローブを配設して、プローブ3と、ベタパターンに接触させたプローブとの間に測定用信号を出力して静電容量を測定可能に構成する。
【0028】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の回路基板検査装置によれば、プローブ移動機構を制御して回路基板における特定部位に対する垂直方向の距離が異なる2つの位置にプローブを移動させて、各位置における静電容量を測定部に対して測定させると共に、測定された各位置における各静電容量および距離に基づいて、距離がほぼゼロとなる位置における静電容量を算出して特定部位についての浮遊容量として記憶部に保存する浮遊容量算出処理を実行することにより、測定ポイントから離れた位置であって、この測定ポイントの近傍部位にプローブを移動させて浮遊容量を測定する従来の方法と比較して、特定部位により近い位置での浮遊容量を正確に測定することができる。したがって、導体パターンについての正規な静電容量を一層正確に測定することができる結果、回路基板を高精度で検査することができる。
【0029】
また、請求項2記載の回路基板検査装置によれば、回路基板における複数の特定部位に対して浮遊容量算出処理を実行することによって各特定部位の浮遊容量を算出して記憶部に保存することにより、回路基板の部位(領域または導体パターン)毎に浮遊容量にばらつきが生じるときであっても、各部位を特定部位とすることにより、各導体パターンについての正規な静電容量を正確に測定することができる。したがって、その部位(領域または導体パターン)毎に浮遊容量にばらつきが生じる回路基板に対しても、一層高精度に検査することができる。
【0030】
さらに、請求項3記載の回路基板検査装置によれば、導体パターンにプローブを接触させる際に、プローブ移動機構を制御して導体パターンに向けてプローブを移動させつつ、測定部に対して静電容量を測定させて、測定された静電容量が特定部位についての浮遊容量を超えたときにプローブが導体パターンに接触したと判別することにより、プローブ移動機構によるプローブの移動量に基づいてプローブが導体パターンに接触したことを判別する方法と比較して、プローブと導体パターンとの接触によって生じる静電容量の変化という実際の現象に基づいてプローブと導体パターンとの接触の有無を判別することができる結果、プローブと導体パターンとの接触を一層確実に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る回路基板検査装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】浮遊容量算出処理を説明するための説明図である。
【図3】回路基板Pからの高さHと静電容量Cとの関係を示す特性図である。
【図4】浮遊容量算出処理を示すフローチャートである。
【図5】静電容量測定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 回路基板検査装置
2 電極部
2a 絶縁フィルム
2b 電極
3,4 プローブ
5a,5b プローブ移動機構
6 測定部
7 制御部
8 RAM
W,X,Y 位置
C,C1,C2 静電容量
Cs 浮遊容量
Cf 正規の静電容量
H1,H2,H3 高さ
P 回路基板
Pm 測定ポイント

Claims (3)

  1. プローブと、当該プローブを移動させて測定対象の回路基板における導体パターンに接触可能とするプローブ移動機構と、前記プローブおよび基準電極間の静電容量を測定する測定部と、前記プローブ移動機構を制御すると共に前記測定された静電容量に基づいて前記回路基板を検査する制御部と、当該測定された静電容量を保存可能な記憶部とを備え、
    前記制御部は、前記プローブ移動機構を制御して前記回路基板における特定部位に対する垂直方向の距離が異なる少なくとも2つの位置に前記プローブを移動させて、当該各位置における静電容量を前記測定部に対して測定させると共に、当該測定された当該各位置における前記各静電容量および前記距離に基づいて、前記距離がほぼゼロとなる位置における前記静電容量を算出して前記特定部位についての浮遊容量として前記記憶部に保存する浮遊容量算出処理を実行可能に構成されている回路基板検査装置。
  2. 前記制御部は、前記回路基板における複数の前記特定部位に対して前記浮遊容量算出処理を実行することによって当該各特定部位の前記浮遊容量を算出して前記記憶部に保存する請求項1記載の回路基板検査装置。
  3. 前記制御部は、前記導体パターンに前記プローブを接触させる際に、当該プローブ移動機構を制御して当該導体パターンに向けて当該プローブを移動させつつ、前記測定部に対して前記静電容量を測定させて、当該測定された静電容量が前記特定部位についての前記浮遊容量を超えたときに当該プローブが前記導体パターンに接触したと判別する請求項1または2記載の回路基板検査装置。
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