JP2004286605A - インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンタクトプローブを測定対象体に確実に接触した状態でインピーダンス測定を行わせる。
【解決手段】導体パターンBの両端部に接触させたコンタクトプローブ2,3間に測定用電流を供給した状態において、導体パターンBの両端部に接触させたコンタクトプローブ4,5を介して両端部間の電圧を測定すると共にその電圧値と測定用電流の電流値とに基づいて導体パターンBのインピーダンスを測定する測定部9とを備え、測定部9は、コンタクトプローブ2,4間の静電容量、およびコンタクトプローブ3,5間の静電容量を測定し、測定部9によって測定された各静電容量と予め設定された基準静電容量とを比較することによってコンタクトプローブ2〜5の導体パターンBに対する接触状態を判別する制御部10を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】導体パターンBの両端部に接触させたコンタクトプローブ2,3間に測定用電流を供給した状態において、導体パターンBの両端部に接触させたコンタクトプローブ4,5を介して両端部間の電圧を測定すると共にその電圧値と測定用電流の電流値とに基づいて導体パターンBのインピーダンスを測定する測定部9とを備え、測定部9は、コンタクトプローブ2,4間の静電容量、およびコンタクトプローブ3,5間の静電容量を測定し、測定部9によって測定された各静電容量と予め設定された基準静電容量とを比較することによってコンタクトプローブ2〜5の導体パターンBに対する接触状態を判別する制御部10を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、四端子法によって測定対象体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインピーダンス測定装置として、例えば特開2000−214181号公報に開示された回路基板検査装置に適用されているものが知られている。この場合、回路基板検査装置では、検査対象である回路基板(P)に形成された測定対象体としての導体パターン(X)にコンタクトプローブ(3a,3b)を介して検査用電流を導通させると共に、コンタクトプローブ(3c,3d)間の電圧を測定することにより、導体パターン(X)の両端部間の電圧を測定する。次いで、検査用電流の電流値と、測定した電圧値とに基づいて導体パターン(X)の抵抗値を演算する。同様にして、回路基板(P)に形成された他の導体パターンについても両端部間の抵抗値を演算し、演算したすべての抵抗値が所定の抵抗値未満のときに、回路基板(P)を良品回路基板と判別している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−214181号公報(第4頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このインピーダンス測定装置には、以下の解決すべき課題が存在する。すなわち、測定対象体のインピーダンスを四端子法によって測定するインピーダンス測定装置では、4本のコンタクトプローブの全てを測定対象体に確実に接触させる必要があり、一本でも接触状態が不良のときには、正確なインピーダンス測定を行うことができない。この点について、このインピーダンス測定装置では、4本のコンタクトプローブの全てが測定対象体に接触しているか否かを判別していないために、インピーダンス測定を正常に行えないおそれがあり、これを改善するのが好ましい。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、コンタクトプローブを測定対象体に確実に接触した状態でインピーダンス測定を行い得るインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間の静電容量、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間の静電容量を測定し、前記測定部によって測定された前記各静電容量と予め設定された基準静電容量とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えている。
【0007】
請求項2記載のインピーダンス測定装置は、一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差を測定し、前記測定部によって測定された前記各位相差と予め設定された基準位相差とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えている。
【0008】
請求項3記載のインピーダンス測定装置は、請求項1または2記載のインピーダンス測定装置において、前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との組、および前記一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との組をそれぞれ移動させる移動機構を備え、前記制御部は、前記移動機構を制御することにより、前記接触状態を不良と判別した前記電流供給用コンタクトプローブと前記電圧検出用コンタクトプローブとの前記組を前記測定対象体に対して再プロービングさせる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインピーダンス測定装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0010】
最初に、本発明におけるインピーダンス測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0011】
インピーダンス測定装置1は、図1に示すように、コンタクトプローブ(一対の電流供給用コンタクトプローブ)2,3、コンタクトプローブ(一対の電圧検出用コンタクトプローブ)4,5、一対のアーム6,7、移動機構8、測定部9、制御部10および表示部11を備え、一例として、基板Aの表面に形成されている導体パターン(測定対象体)Bのインピーダンスを測定可能に構成されている。
【0012】
各コンタクトプローブ2,4は、図1に示すように、プローブピン2a,4aが取り付けられたそれぞれの一端部側(同図中の下端側)がアーム6に取り付けられると共に、他端側(同図中の上端側)が測定部9に接続されている。一方、各コンタクトプローブ3,5は、同図に示すように、プローブピン3a,5aが取り付けられたそれぞれの一端部側(同図中の下端側)がアーム7に取り付けられると共に、他端側(同図中の上端側)が測定部9に接続されている。各アーム6,7は、基板Aの上方においてZ方向(上下方向)およびX−Y方向(左右方向)に移動可能に構成されている。移動機構8は、入力した制御信号S1に応じて各アーム6,7を移動させることにより、プローブピン2a,4aの組およびプローブピン3a,5aの組を導体パターンB上の任意の位置に接触させる。
【0013】
測定部9は、一例として、四端子測定回路9aと容量測定回路9bとを備えて構成されている。この場合、四端子測定回路9aは、電流供給回路、電圧検出回路および演算回路(いずれも図示せず)を備え、制御信号S2を入力したときに導体パターンBのインピーダンスを測定すると共に測定したインピーダンスの値を示すデータDzを出力する。具体的には、電流供給回路は、各プローブピン2a,3aが接触している導体パターンBの両端部間にコンタクトプローブ2,3を介して測定用電流を供給する。電圧検出回路は、各プローブピン4a,5aが接触している導体パターンBの両端部間の電圧をコンタクトプローブ4,5を介して入力して四端子法によって検出(測定)する。演算回路は、電流供給回路によって供給される測定用電流の電流値と電圧検出回路によって検出された電圧の電圧値とに基づいて、導体パターンBのインピーダンスを算出してその値を示すデータDzを出力する。
【0014】
一方、容量測定回路9bは、制御信号S3を入力したときに、コンタクトプローブ2,4間の静電容量Cp1と、コンタクトプローブ3,5間の静電容量Cp2とを測定して、測定した各静電容量Cp1,Cp2の値をそれぞれ示す容量データDc1,Dc2を出力する。具体的には、容量測定回路9bは、コンタクトプローブ2,4間に測定用の交流電流を供給しつつ両コンタクトプローブ2,4間の電圧を測定することにより、供給した電流と測定した電圧との位相差に基づいてコンタクトプローブ2,4の間の静電容量Cp1を測定する。また、容量測定回路9bは、同様にして、コンタクトプローブ3,5間の静電容量Cp2を測定する。
【0015】
制御部10は、例えばCPUおよびメモリによって構成されて、インピーダンス測定装置1の他の構成要素を統括制御する。具体的には、制御部10は、制御信号S1を生成して出力することにより、移動機構8を制御して各アーム6,7を所望の位置に移動させる。また、制御部10は、入力したデータDzを表示部11に表示させる。さらに、制御部10は、入力した各容量データDc1,Dc2とメモリに予め記憶されている基準静電容量Crの値(基準容量データDcr)とをそれぞれ比較することにより、コンタクトプローブ2,4の組についての導体パターンBに対する接触状態、およびコンタクトプローブ3,5の組についての導体パターンBに対する接触状態をそれぞれ判別する。
【0016】
次に、インピーダンス測定装置1の動作について、一例として、基板Aの表面に形成されている導体パターン(測定対象体)Bのインピーダンスを測定する際の動作について説明する。
【0017】
まず、インピーダンス測定装置1では、制御部10が、制御信号S1を出力して移動機構8を制御することにより、アーム6を導体パターンBの一方の端部側に移動させてコンタクトプローブ2,4をその端部にそれぞれ接触させると共に、アーム7を導体パターンBの他方の端部側に移動させてコンタクトプローブ3,5をその端部にそれぞれ接触させる(ステップ20)。
【0018】
次いで、制御部10は、各コンタクトプローブ2,4の組および各コンタクトプローブ3,5の組の導体パターンBに対する接触状態を判別する処理を実行する。具体的には、制御部10は、まず、制御信号S3を出力することにより、容量測定回路9bに対して各静電容量Cp1,Cp2を測定させる(ステップ21)。続いて、制御部10は、容量測定回路9bによって出力された各静電容量Cp1,Cp2の値を示す容量データDc1,Dc2を入力し、各静電容量Cp1,Cp2と基準静電容量Crと比較して(ステップ22)、各静電容量Cp1,Cp2が基準静電容量Crをそれぞれ超えているか否かを判別する(ステップ23)。
【0019】
この場合、各コンタクトプローブ2,3,4,5と導体パターンBとの間の静電容量をそれぞれC2,C3,C4,C5とすると、静電容量Cp1および静電容量Cp2は、下記式(1),(2)でそれぞれ表される。したがって、各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBにそれぞれ正常に接触しているときには、各静電容量C2,C3,C4,C5が全て無限大となるため、各静電容量Cp1,Cp2の値も無限大となる。したがって、この状態では、静電容量Cp1,Cp2が基準静電容量Crよりも大きな値となる。言い換えれば、各コンタクトプローブ2,4の組の少なくとも一方が導体パターンBに接触していないときには、静電容量C2,C4の少なくとも一方が有限値となるため、静電容量Cp1の値も基準静電容量Cr以下の有限値となる。同様にして、各コンタクトプローブ3,5の組に関しても、各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBにそれぞれ正常に接触しているときには、静電容量Cp2が基準静電容量Crよりも大きな値となり、各コンタクトプローブ3,5の組の少なくとも一方が導体パターンBに接触していないときには、静電容量Cp2の値が基準静電容量Cr以下の有限値となる。
静電容量Cp1=1/(1/C2+1/C4) ・・・・・・・・式(1)
静電容量Cp2=1/(1/C3+1/C5) ・・・・・・・・式(2)
【0020】
したがって、制御部10は、各静電容量Cp1,CP2と基準静電容量Crとを比較し、その際に、静電容量Cp1,CP2のいずれかが基準静電容量Cr以下と判別したときには、基準静電容量Cr以下となった静電容量が測定された一対のコンタクトプローブの組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別して、その旨(接触不良)を表示部11に表示させる(ステップ24)。具体的には、静電容量Cp1が基準静電容量Cr以下のときには、コンタクトプローブ2,4の組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別してその旨を表示させる。一方、静電容量CP2が基準静電容量Cr以下のときには、コンタクトプローブ3,5の組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別してその旨を表示させる。
【0021】
次いで、制御部10は、制御信号S1を出力して移動機構8を制御することにより、正常に接触していないと判別したコンタクトプローブの組に対応するアーム(6または7)を導体パターンBに対して接離動(上下動)させて同じ位置にプローピングを再度実行する(ステップ25)。この場合、各プローブピンと導体パターンBとの接触状態を再プロービングによって変えることができる結果、各プローブピンと導体パターンBとを良好な状態で接触させることができる。制御部10は、上記のステップ21〜25について、ステップ23において各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBに正常に接触していると判別するまで繰り返し実行する。
【0022】
一方、制御部10は、各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBに正常に接触しているとステップ23において判別したときには、四端子法によるインピーダンス測定処理を実行する(ステップ26)。具体的には、制御部10は、制御信号S2を出力することにより、四端子測定回路9aを制御して、導体パターンBの両端部間のインピーダンスを測定させる。次いで、制御部10は、四端子測定回路9aによって測定されたインピーダンスの値を示すデータDzを入力して表示部11に表示させ(ステップ27)、これにより、導体パターンBに対するインピーダンス測定処理を完了する。
【0023】
このように、このインピーダンス測定装置1によれば、四端子法による導体パターンBのインピーダンス測定に先立って全てのコンタクトプローブ2〜5についての接触状態(接触が正常が否か)を静電容量Cp1,Cp2および基準静電容量Crに基づいて判定し、全てのコンタクトプローブ2〜5が確実に接触した状態のときにのみ導体パターンBについてのインピーダンス測定を行うことにより、導体パターンBのインピーダンスを常に正確に測定することができる。また、コンタクトプローブ2〜5についての接触状態の判別結果が不良となった場合、制御部10が移動機構8を制御して再プロービングを自動的に実行することにより、導体パターンBに対するコンタクトプローブの接触状態を自動的に改善させることができる結果、導体パターンBに対する正確なインピーダンス測定をより確実に実行することができる。
【0024】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、ステップ25において、各コンタクトプローブを同じ部位に再プローピングする構成を採用した例について説明したが、これに代えて、同一パターン上において近接する他の部位に再プロービングさせる構成を採用することもできる。この構成によれば、先に接触させた部位の表面に酸化膜等の絶縁膜が形成されている等、同じ位置に対する再プロービングによっては良好な接触状態に移行させることが困難なときであっても、絶縁膜が形成されていない他の部位に各コンタクトプローブを接触させることができるため、インピーダンスが正確に測定される確率を向上させることができる。また、上記した実施の形態では、制御部10が移動機構8を制御して再プロービングを自動的に行う構成例について説明したが、表示部11に接触不良が表示された際に、オペレータが手動でアーム6,7を動かして再プロービングを実行する構成を採用することもできる。また、基板Aに形成された導体パターンBを測定対象体とする例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば基板Aに実装された抵抗、コンデンサ等の電子部品を測定対象体とすることができるのは勿論である。
【0025】
また、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、制御部10が測定部9の容量測定部9bによって測定されたコンタクトプローブ2,4間およびコンタクトプローブ3,5間の各静電容量Cp1,Cp2と基準静電容量Crとを比較してコンタクトプローブ2〜5の測定対象体に対する接触状態を判別する構成を採用した例について説明したが、これに限られない。例えば、各静電容量Cp1,Cp2を測定する過程において容量測定回路9bによって算出(検出)される位相差(コンタクトプローブ2,4間に供給する測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間に発生する交流電圧との間の位相差、およびコンタクトプローブ3,5間に供給する測定用の交流電流とコンタクトプローブ3,5間に発生する交流電圧との間の位相差)に基づいて、制御部10がコンタクトプローブ2〜5の測定対象体に対する接触状態を判別する構成を採用することもできる。
【0026】
具体的には、コンタクトプローブ2,4の各々の一端側に取り付けられた各プローブピン2a,4aが共に導体パターンBに接触している場合、コンタクトプローブ2、プローブピン2a、導体パターンB、プローブピン4aおよびコンタクトプローブ4の測定用の交流電流に対する電流ループには、等価的にコンデンサが直列接続されていない構成となる。このため、測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間の交流電圧との間の位相差は、原理的には0度となる。一方、各プローブピン2a,4aの少なくとも一方が導体パターンBに接触していない場合、コンタクトプローブ2、プローブピン2a、導体パターンB、プローブピン4aおよびコンタクトプローブ4の測定用の交流電流に対する電流ループには、等価的に静電容量C2,C4の少なくとも一方が直列接続された構成となる。このため、測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間の交流電圧との間の位相差は、原理的には90度(電流が電圧に対して90度進む位相差)となる。したがって、制御部10は、0度以上90度未満の範囲内で予め設定した基準位相差(例えば20度)と測定部9の容量測定部9bによって算出された各位相差とを比較することにより、算出された位相差が基準位相差以下のときには、コンタクトプローブ2,4の双方が導体パターンBに良好な状態で接触していると判別する。一方、制御部10は、算出された位相差が基準位相差よりも大きいときには、コンタクトプローブ2,4の少なくとも一方と導体パターンBとの間に接触不良が生じていると判別する。また、制御部10は、コンタクトプローブ3,5に対しても、コンタクトプローブ2,4と同様にして、導体パターンBに対する接触の良否を判別する。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載のインピーダンス測定装置によれば、測定対象体の一方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間の静電容量、および測定対象体の他方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と他方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間の静電容量を測定部が測定し、測定した各静電容量と基準静電容量とを制御部が比較して一対の電流供給用コンタクトプローブおよび一対の電圧検出用コンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を判別することにより、全てのコンタクトプローブが確実に測定対象体に接触した状態のときにのみインピーダンス測定を行うことができる。したがって、測定対象体のインピーダンスを常に正確に測定することができる。
【0028】
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置によれば、測定対象体の一方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間に交流電流を供給した状態における両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と交流電流との位相差、および測定対象体の他方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と他方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間に交流電流を供給した状態における両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と交流電流との位相差を測定し、測定した各位相差と基準位相差とを制御部が比較して一対の電流供給用コンタクトプローブおよび一対の電圧検出用コンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を判別することにより、全てのコンタクトプローブが確実に測定対象体に接触した状態のときにのみインピーダンス測定を行うことができる。したがって、測定対象体のインピーダンスを常に正確に測定することができる。
【0029】
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置によれば、一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との組、および一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との組をそれぞれ移動させる移動機構を備え、制御部が移動機構を制御して接触状態を不良と判別した電流供給用コンタクトプローブと電圧検出用コンタクトプローブとの組を測定対象体に対して再プロービングさせることにより、接触状態の判別結果が不良となったコンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を自動的に改善させることができる。したがって、測定対象体に対する正確なインピーダンス測定をより確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインピーダンス測定装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】インピーダンス測定装置1によるインピーダンス測定処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 インピーダンス測定装置
2,3 コンタクトプローブ(電流供給用コンタクトプローブ)
4,5 コンタクトプローブ(電圧検出用コンタクトプローブ)
8 移動機構
9 測定部
9a 四端子測定回路
9b 容量測定回路
10 制御部
B 導体パターン(測定対象体)
Cp1,Cp2 静電容量
Cr 基準静電容量
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、四端子法によって測定対象体のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のインピーダンス測定装置として、例えば特開2000−214181号公報に開示された回路基板検査装置に適用されているものが知られている。この場合、回路基板検査装置では、検査対象である回路基板(P)に形成された測定対象体としての導体パターン(X)にコンタクトプローブ(3a,3b)を介して検査用電流を導通させると共に、コンタクトプローブ(3c,3d)間の電圧を測定することにより、導体パターン(X)の両端部間の電圧を測定する。次いで、検査用電流の電流値と、測定した電圧値とに基づいて導体パターン(X)の抵抗値を演算する。同様にして、回路基板(P)に形成された他の導体パターンについても両端部間の抵抗値を演算し、演算したすべての抵抗値が所定の抵抗値未満のときに、回路基板(P)を良品回路基板と判別している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−214181号公報(第4頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このインピーダンス測定装置には、以下の解決すべき課題が存在する。すなわち、測定対象体のインピーダンスを四端子法によって測定するインピーダンス測定装置では、4本のコンタクトプローブの全てを測定対象体に確実に接触させる必要があり、一本でも接触状態が不良のときには、正確なインピーダンス測定を行うことができない。この点について、このインピーダンス測定装置では、4本のコンタクトプローブの全てが測定対象体に接触しているか否かを判別していないために、インピーダンス測定を正常に行えないおそれがあり、これを改善するのが好ましい。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、コンタクトプローブを測定対象体に確実に接触した状態でインピーダンス測定を行い得るインピーダンス測定装置を提供することを主目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載のインピーダンス測定装置は、一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間の静電容量、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間の静電容量を測定し、前記測定部によって測定された前記各静電容量と予め設定された基準静電容量とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えている。
【0007】
請求項2記載のインピーダンス測定装置は、一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差を測定し、前記測定部によって測定された前記各位相差と予め設定された基準位相差とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えている。
【0008】
請求項3記載のインピーダンス測定装置は、請求項1または2記載のインピーダンス測定装置において、前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との組、および前記一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との組をそれぞれ移動させる移動機構を備え、前記制御部は、前記移動機構を制御することにより、前記接触状態を不良と判別した前記電流供給用コンタクトプローブと前記電圧検出用コンタクトプローブとの前記組を前記測定対象体に対して再プロービングさせる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るインピーダンス測定装置の好適な発明の実施の形態について説明する。
【0010】
最初に、本発明におけるインピーダンス測定装置1の構成について、図1を参照して説明する。
【0011】
インピーダンス測定装置1は、図1に示すように、コンタクトプローブ(一対の電流供給用コンタクトプローブ)2,3、コンタクトプローブ(一対の電圧検出用コンタクトプローブ)4,5、一対のアーム6,7、移動機構8、測定部9、制御部10および表示部11を備え、一例として、基板Aの表面に形成されている導体パターン(測定対象体)Bのインピーダンスを測定可能に構成されている。
【0012】
各コンタクトプローブ2,4は、図1に示すように、プローブピン2a,4aが取り付けられたそれぞれの一端部側(同図中の下端側)がアーム6に取り付けられると共に、他端側(同図中の上端側)が測定部9に接続されている。一方、各コンタクトプローブ3,5は、同図に示すように、プローブピン3a,5aが取り付けられたそれぞれの一端部側(同図中の下端側)がアーム7に取り付けられると共に、他端側(同図中の上端側)が測定部9に接続されている。各アーム6,7は、基板Aの上方においてZ方向(上下方向)およびX−Y方向(左右方向)に移動可能に構成されている。移動機構8は、入力した制御信号S1に応じて各アーム6,7を移動させることにより、プローブピン2a,4aの組およびプローブピン3a,5aの組を導体パターンB上の任意の位置に接触させる。
【0013】
測定部9は、一例として、四端子測定回路9aと容量測定回路9bとを備えて構成されている。この場合、四端子測定回路9aは、電流供給回路、電圧検出回路および演算回路(いずれも図示せず)を備え、制御信号S2を入力したときに導体パターンBのインピーダンスを測定すると共に測定したインピーダンスの値を示すデータDzを出力する。具体的には、電流供給回路は、各プローブピン2a,3aが接触している導体パターンBの両端部間にコンタクトプローブ2,3を介して測定用電流を供給する。電圧検出回路は、各プローブピン4a,5aが接触している導体パターンBの両端部間の電圧をコンタクトプローブ4,5を介して入力して四端子法によって検出(測定)する。演算回路は、電流供給回路によって供給される測定用電流の電流値と電圧検出回路によって検出された電圧の電圧値とに基づいて、導体パターンBのインピーダンスを算出してその値を示すデータDzを出力する。
【0014】
一方、容量測定回路9bは、制御信号S3を入力したときに、コンタクトプローブ2,4間の静電容量Cp1と、コンタクトプローブ3,5間の静電容量Cp2とを測定して、測定した各静電容量Cp1,Cp2の値をそれぞれ示す容量データDc1,Dc2を出力する。具体的には、容量測定回路9bは、コンタクトプローブ2,4間に測定用の交流電流を供給しつつ両コンタクトプローブ2,4間の電圧を測定することにより、供給した電流と測定した電圧との位相差に基づいてコンタクトプローブ2,4の間の静電容量Cp1を測定する。また、容量測定回路9bは、同様にして、コンタクトプローブ3,5間の静電容量Cp2を測定する。
【0015】
制御部10は、例えばCPUおよびメモリによって構成されて、インピーダンス測定装置1の他の構成要素を統括制御する。具体的には、制御部10は、制御信号S1を生成して出力することにより、移動機構8を制御して各アーム6,7を所望の位置に移動させる。また、制御部10は、入力したデータDzを表示部11に表示させる。さらに、制御部10は、入力した各容量データDc1,Dc2とメモリに予め記憶されている基準静電容量Crの値(基準容量データDcr)とをそれぞれ比較することにより、コンタクトプローブ2,4の組についての導体パターンBに対する接触状態、およびコンタクトプローブ3,5の組についての導体パターンBに対する接触状態をそれぞれ判別する。
【0016】
次に、インピーダンス測定装置1の動作について、一例として、基板Aの表面に形成されている導体パターン(測定対象体)Bのインピーダンスを測定する際の動作について説明する。
【0017】
まず、インピーダンス測定装置1では、制御部10が、制御信号S1を出力して移動機構8を制御することにより、アーム6を導体パターンBの一方の端部側に移動させてコンタクトプローブ2,4をその端部にそれぞれ接触させると共に、アーム7を導体パターンBの他方の端部側に移動させてコンタクトプローブ3,5をその端部にそれぞれ接触させる(ステップ20)。
【0018】
次いで、制御部10は、各コンタクトプローブ2,4の組および各コンタクトプローブ3,5の組の導体パターンBに対する接触状態を判別する処理を実行する。具体的には、制御部10は、まず、制御信号S3を出力することにより、容量測定回路9bに対して各静電容量Cp1,Cp2を測定させる(ステップ21)。続いて、制御部10は、容量測定回路9bによって出力された各静電容量Cp1,Cp2の値を示す容量データDc1,Dc2を入力し、各静電容量Cp1,Cp2と基準静電容量Crと比較して(ステップ22)、各静電容量Cp1,Cp2が基準静電容量Crをそれぞれ超えているか否かを判別する(ステップ23)。
【0019】
この場合、各コンタクトプローブ2,3,4,5と導体パターンBとの間の静電容量をそれぞれC2,C3,C4,C5とすると、静電容量Cp1および静電容量Cp2は、下記式(1),(2)でそれぞれ表される。したがって、各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBにそれぞれ正常に接触しているときには、各静電容量C2,C3,C4,C5が全て無限大となるため、各静電容量Cp1,Cp2の値も無限大となる。したがって、この状態では、静電容量Cp1,Cp2が基準静電容量Crよりも大きな値となる。言い換えれば、各コンタクトプローブ2,4の組の少なくとも一方が導体パターンBに接触していないときには、静電容量C2,C4の少なくとも一方が有限値となるため、静電容量Cp1の値も基準静電容量Cr以下の有限値となる。同様にして、各コンタクトプローブ3,5の組に関しても、各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBにそれぞれ正常に接触しているときには、静電容量Cp2が基準静電容量Crよりも大きな値となり、各コンタクトプローブ3,5の組の少なくとも一方が導体パターンBに接触していないときには、静電容量Cp2の値が基準静電容量Cr以下の有限値となる。
静電容量Cp1=1/(1/C2+1/C4) ・・・・・・・・式(1)
静電容量Cp2=1/(1/C3+1/C5) ・・・・・・・・式(2)
【0020】
したがって、制御部10は、各静電容量Cp1,CP2と基準静電容量Crとを比較し、その際に、静電容量Cp1,CP2のいずれかが基準静電容量Cr以下と判別したときには、基準静電容量Cr以下となった静電容量が測定された一対のコンタクトプローブの組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別して、その旨(接触不良)を表示部11に表示させる(ステップ24)。具体的には、静電容量Cp1が基準静電容量Cr以下のときには、コンタクトプローブ2,4の組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別してその旨を表示させる。一方、静電容量CP2が基準静電容量Cr以下のときには、コンタクトプローブ3,5の組の内の少なくとも一方が導体パターンBに正常に接触していないと判別してその旨を表示させる。
【0021】
次いで、制御部10は、制御信号S1を出力して移動機構8を制御することにより、正常に接触していないと判別したコンタクトプローブの組に対応するアーム(6または7)を導体パターンBに対して接離動(上下動)させて同じ位置にプローピングを再度実行する(ステップ25)。この場合、各プローブピンと導体パターンBとの接触状態を再プロービングによって変えることができる結果、各プローブピンと導体パターンBとを良好な状態で接触させることができる。制御部10は、上記のステップ21〜25について、ステップ23において各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBに正常に接触していると判別するまで繰り返し実行する。
【0022】
一方、制御部10は、各コンタクトプローブ2,4および各コンタクトプローブ3,5が導体パターンBに正常に接触しているとステップ23において判別したときには、四端子法によるインピーダンス測定処理を実行する(ステップ26)。具体的には、制御部10は、制御信号S2を出力することにより、四端子測定回路9aを制御して、導体パターンBの両端部間のインピーダンスを測定させる。次いで、制御部10は、四端子測定回路9aによって測定されたインピーダンスの値を示すデータDzを入力して表示部11に表示させ(ステップ27)、これにより、導体パターンBに対するインピーダンス測定処理を完了する。
【0023】
このように、このインピーダンス測定装置1によれば、四端子法による導体パターンBのインピーダンス測定に先立って全てのコンタクトプローブ2〜5についての接触状態(接触が正常が否か)を静電容量Cp1,Cp2および基準静電容量Crに基づいて判定し、全てのコンタクトプローブ2〜5が確実に接触した状態のときにのみ導体パターンBについてのインピーダンス測定を行うことにより、導体パターンBのインピーダンスを常に正確に測定することができる。また、コンタクトプローブ2〜5についての接触状態の判別結果が不良となった場合、制御部10が移動機構8を制御して再プロービングを自動的に実行することにより、導体パターンBに対するコンタクトプローブの接触状態を自動的に改善させることができる結果、導体パターンBに対する正確なインピーダンス測定をより確実に実行することができる。
【0024】
なお、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、ステップ25において、各コンタクトプローブを同じ部位に再プローピングする構成を採用した例について説明したが、これに代えて、同一パターン上において近接する他の部位に再プロービングさせる構成を採用することもできる。この構成によれば、先に接触させた部位の表面に酸化膜等の絶縁膜が形成されている等、同じ位置に対する再プロービングによっては良好な接触状態に移行させることが困難なときであっても、絶縁膜が形成されていない他の部位に各コンタクトプローブを接触させることができるため、インピーダンスが正確に測定される確率を向上させることができる。また、上記した実施の形態では、制御部10が移動機構8を制御して再プロービングを自動的に行う構成例について説明したが、表示部11に接触不良が表示された際に、オペレータが手動でアーム6,7を動かして再プロービングを実行する構成を採用することもできる。また、基板Aに形成された導体パターンBを測定対象体とする例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば基板Aに実装された抵抗、コンデンサ等の電子部品を測定対象体とすることができるのは勿論である。
【0025】
また、本発明は、上記した本発明の実施の形態に示した構成に限定されない。例えば、本発明の実施の形態では、制御部10が測定部9の容量測定部9bによって測定されたコンタクトプローブ2,4間およびコンタクトプローブ3,5間の各静電容量Cp1,Cp2と基準静電容量Crとを比較してコンタクトプローブ2〜5の測定対象体に対する接触状態を判別する構成を採用した例について説明したが、これに限られない。例えば、各静電容量Cp1,Cp2を測定する過程において容量測定回路9bによって算出(検出)される位相差(コンタクトプローブ2,4間に供給する測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間に発生する交流電圧との間の位相差、およびコンタクトプローブ3,5間に供給する測定用の交流電流とコンタクトプローブ3,5間に発生する交流電圧との間の位相差)に基づいて、制御部10がコンタクトプローブ2〜5の測定対象体に対する接触状態を判別する構成を採用することもできる。
【0026】
具体的には、コンタクトプローブ2,4の各々の一端側に取り付けられた各プローブピン2a,4aが共に導体パターンBに接触している場合、コンタクトプローブ2、プローブピン2a、導体パターンB、プローブピン4aおよびコンタクトプローブ4の測定用の交流電流に対する電流ループには、等価的にコンデンサが直列接続されていない構成となる。このため、測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間の交流電圧との間の位相差は、原理的には0度となる。一方、各プローブピン2a,4aの少なくとも一方が導体パターンBに接触していない場合、コンタクトプローブ2、プローブピン2a、導体パターンB、プローブピン4aおよびコンタクトプローブ4の測定用の交流電流に対する電流ループには、等価的に静電容量C2,C4の少なくとも一方が直列接続された構成となる。このため、測定用の交流電流とコンタクトプローブ2,4間の交流電圧との間の位相差は、原理的には90度(電流が電圧に対して90度進む位相差)となる。したがって、制御部10は、0度以上90度未満の範囲内で予め設定した基準位相差(例えば20度)と測定部9の容量測定部9bによって算出された各位相差とを比較することにより、算出された位相差が基準位相差以下のときには、コンタクトプローブ2,4の双方が導体パターンBに良好な状態で接触していると判別する。一方、制御部10は、算出された位相差が基準位相差よりも大きいときには、コンタクトプローブ2,4の少なくとも一方と導体パターンBとの間に接触不良が生じていると判別する。また、制御部10は、コンタクトプローブ3,5に対しても、コンタクトプローブ2,4と同様にして、導体パターンBに対する接触の良否を判別する。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載のインピーダンス測定装置によれば、測定対象体の一方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間の静電容量、および測定対象体の他方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と他方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間の静電容量を測定部が測定し、測定した各静電容量と基準静電容量とを制御部が比較して一対の電流供給用コンタクトプローブおよび一対の電圧検出用コンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を判別することにより、全てのコンタクトプローブが確実に測定対象体に接触した状態のときにのみインピーダンス測定を行うことができる。したがって、測定対象体のインピーダンスを常に正確に測定することができる。
【0028】
また、請求項2記載のインピーダンス測定装置によれば、測定対象体の一方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間に交流電流を供給した状態における両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と交流電流との位相差、および測定対象体の他方の端部に接触させた一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と他方の端部に接触させた一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間に交流電流を供給した状態における両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と交流電流との位相差を測定し、測定した各位相差と基準位相差とを制御部が比較して一対の電流供給用コンタクトプローブおよび一対の電圧検出用コンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を判別することにより、全てのコンタクトプローブが確実に測定対象体に接触した状態のときにのみインピーダンス測定を行うことができる。したがって、測定対象体のインピーダンスを常に正確に測定することができる。
【0029】
また、請求項3記載のインピーダンス測定装置によれば、一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との組、および一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との組をそれぞれ移動させる移動機構を備え、制御部が移動機構を制御して接触状態を不良と判別した電流供給用コンタクトプローブと電圧検出用コンタクトプローブとの組を測定対象体に対して再プロービングさせることにより、接触状態の判別結果が不良となったコンタクトプローブの測定対象体に対する接触状態を自動的に改善させることができる。したがって、測定対象体に対する正確なインピーダンス測定をより確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインピーダンス測定装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】インピーダンス測定装置1によるインピーダンス測定処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 インピーダンス測定装置
2,3 コンタクトプローブ(電流供給用コンタクトプローブ)
4,5 コンタクトプローブ(電圧検出用コンタクトプローブ)
8 移動機構
9 測定部
9a 四端子測定回路
9b 容量測定回路
10 制御部
B 導体パターン(測定対象体)
Cp1,Cp2 静電容量
Cr 基準静電容量
Claims (3)
- 一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、
前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間の静電容量、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間の静電容量を測定し、
前記測定部によって測定された前記各静電容量と予め設定された基準静電容量とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えているインピーダンス測定装置。 - 一対の電流供給用コンタクトプローブと、一対の電圧検出用コンタクトプローブと、測定対象体の両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブ間に測定用電流を供給した状態において、前記測定対象体の前記両端部にそれぞれ接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブを介して当該両端部間の電圧を四端子法によって測定すると共に当該測定した電圧の電圧値と前記測定用電流の電流値とに基づいて当該測定対象体のインピーダンスを測定する測定部とを備えたインピーダンス測定装置であって、
前記測定部は、前記測定対象体の一方の端部に接触させた前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と当該一方の端部に接触させた前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差、および当該測定対象体の他方の端部に接触させた当該一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と当該他方の端部に接触させた当該一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との間に交流電流を供給した状態における当該両コンタクトプローブ間に発生する交流電圧と当該交流電流との位相差を測定し、
前記測定部によって測定された前記各位相差と予め設定された基準位相差とを比較することによって前記一対の電流供給用コンタクトプローブおよび前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの前記測定対象体に対する接触状態を判別する制御部を備えているインピーダンス測定装置。 - 前記一対の電流供給用コンタクトプローブの一方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの一方との組、および前記一対の電流供給用コンタクトプローブの他方と前記一対の電圧検出用コンタクトプローブの他方との組をそれぞれ移動させる移動機構を備え、
前記制御部は、前記移動機構を制御することにより、前記接触状態を不良と判別した前記電流供給用コンタクトプローブと前記電圧検出用コンタクトプローブとの前記組を前記測定対象体に対して再プロービングさせる請求項1または2記載のインピーダンス測定装置。
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