JP2000098005A - 探針の寿命判定方法及びプローブ装置 - Google Patents

探針の寿命判定方法及びプローブ装置

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JP2000098005A
JP2000098005A JP10273993A JP27399398A JP2000098005A JP 2000098005 A JP2000098005 A JP 2000098005A JP 10273993 A JP10273993 A JP 10273993A JP 27399398 A JP27399398 A JP 27399398A JP 2000098005 A JP2000098005 A JP 2000098005A
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Akira Fujii
彰 藤井
Akinori Miyamoto
晶規 宮本
Shinichi Wakana
伸一 若菜
Hidenori Sekiguchi
英紀 関口
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、探針の寿命判定のための基準を設
定することにより、探針の有効利用を図り、検査コスト
の増大及び装置稼働率の低下を抑制することができる探
針の寿命判定方法及びプローブ装置を提供することを課
題とする。 【解決手段】 本発明のプローブ装置は、入力された種
々の情報に基づいて各種の数値演算を実行する演算部1
1と、プローブヘッドの位置合わせを行う粗動/微動ス
テージコントローラ13と、探針と測定対象の電気的な
接触により得られる測定対象の電圧波形を測定する電圧
測定部14と、電気的な接触状態を監視検出するコンタ
クト外れ検出部15と、探針110のZ方向の変位を測
定する変位測定部16と、を具備するコントローラ10
と、検査における種々の操作条件やパラメータ等の入力
を行う入力機構20と、AFM画像や、測定された信号
電圧波形等を表示する表示機構30と、を有して構成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板平面上に形成
された微細配線の位置を検出し、微細配線の信号電圧波
形を測定するプローブ装置及び探針の寿命判定方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータを始め、様々な家
電、音響機器等のマイコン化に伴い、半導体集積回路装
置(LSI)の普及がめざましい。LSIを設計、製造
し、またその品質を向上する上で、素子内部の配線に印
加されている信号情報を正確に検査することが重要であ
り、このような検査にプローブ装置が使用されている。
【0003】プローブ装置によるLSI素子内部の信号
情報の検査方法としては、多数の探針が設けられたプロ
ーブをLSI上の検査点(配線)に接触させて信号電圧
を測定する方法や、配線にパルス状の電子ビームを当
て、放出する2次電子のエネルギーを分析する方法等が
知られている。また、他の方法として、電気光学効果
(ポッケルス効果)を有する結晶素子に接続された探針
を配線に接近又は接触させ、配線からの電圧により電気
光学素子に誘起された複屈折の変化を、電気光学素子に
照射した光の偏光状態の変化により検出し、電圧波形の
測定を行う方法がある。ここで、特に、照射する光をパ
ルス化してサンプリングを行う方法を、電気光学サンプ
リング法、あるいは、光サンプリング法と呼んでいる。
【0004】光サンプリング法によれば、電気光学効果
の応答が早く、光パルスも極めて短かいものが得られる
ため、超高時間分解能が得られ、また、測定対象へ与え
る負荷の影響も小さいという特徴を有している。しかし
ながら、近年のLSIの配線ルールの微細化に対する、
位置合わせ手段としての光学顕微鏡の解像限界、及び、
電気光学サンプリングに使用するパルス光ビーム径によ
る電圧測定の空間分解能の限界が指摘され、位置合わせ
精度及び信号検出精度の相対的な低下が問題となってい
た。
【0005】そこで、走査型プローブ顕微鏡、特に原子
間力顕微鏡(AFM:Atomic ForceMicroscope)の技術
を応用し、試料に近接させた微細な針状導体(プローブ
用の探針)を機械的に走査することにより試料表面の原
子分子レベルの凹凸を検出して、プローブと検査点の配
線との高精度の位置合わせを実現しつつ、光サンプリン
グ法による電圧測定を同時に行う方法が考案されてい
る。
【0006】従来の光サンプリング法を採用したプロー
ブ装置の概略構成について、図12、図13及び図14
を参照して説明する。プローブ装置100は、図12に
示すように、LSIチップあるいはウェハ等の測定対象
101が載置されるステージ102と、該ステージ10
2に対してX、Y、Zの3軸方向に粗動的に位置を変化
させる粗動機構部103と、該粗動機構部103上に設
けられ、プローブを概略位置決めするために、測定対象
101を光学的に観察する光学顕微鏡104と、粗動機
構部103上に設けられ、後述するプローブヘッド10
5をステージ102上の測定対象101に対してX、
Y、Zの3軸方向に微動的に位置を変化させる微動機構
部106と、を有して構成されている。
【0007】また、微動機構部106上に設けられたプ
ローブヘッド105は、図13及び図14に示すよう
に、例えば測定対象となるLSI基板上の配線層と電気
的に接触する導電性の探針110と、該探針110が一
面側の反射電極111aに接続され、他面側の透明電極
111bを介して所定のレーザー光115が照射される
電気光学結晶111と、該探針110及び電気光学結晶
111をZ軸方向(ステージに垂直方向)にのみ変位す
るようにX、Y軸方向を板ばね112により支持し、か
つ、探針110及び電気光学結晶111のZ軸方向の変
位を検出する変位センサ113が設けられたフレーム部
114と、を有して構成されている。また、電気光学結
晶111の他面側に設けられた透明電極111bには、
所定の周波数を有する参照交流電圧を供給する低周波発
振器120と、透明電極111bに印加される電位を参
照交流電圧あるいは接地電位に切り換える切換手段12
1と、が接続され、また、測定対象101の配線101
aには、測定対象となる信号電圧を印加する信号電圧源
130が接続されている。
【0008】このようなプローブ装置におけるLSI内
部の配線信号の測定(プローブ検査)は、まず、測定対
象101となるLSIがステージ102上に載置され、
該LSIに対して探針110を2次元的に走査し、各走
査点での探針110と測定対象101との接触位置(Z
方向変位)を変位センサ113からの出力に基づいて検
出し、測定対象101の表面形状に関する情報が取得さ
れる。
【0009】次いで、図14に示すように、取得した表
面形状情報に基づいて電圧波形の測定点を決定し、電気
光学結晶111の他面側に設けられた透明電極111b
に所定の参照交流電圧を印加し、光サンプリング法によ
り参照用電圧の振幅測定を行いながら、探針110を測
定点の配線101aに近接させ、参照用電圧の振幅変化
を観測する。
【0010】次いで、観測される電圧振幅の変化に基づ
いて電気的な接触状態が検出されると、切換手段121
を制御し、透明電極111bの電位を接地電位に切り換
え、配線101aに印加されている信号の電圧波形を測
定する。なお、探針110が測定点である配線101a
に電気的に接触したか否かを確認する方法については、
例えば特開平10−111321号公報等に示される技
術が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のプロー
ブ装置においては、次に示すような問題点を有してい
る。 (1)探針と測定対象となる配線間の電気的接触状態
は、双方が物理的に接触した状態からさらに微小圧が加
わる程度に探針を押し付けることにより確保する方式を
採用しているため、探針と配線との物理的な接触によ
る、探針先端部分の経時的な磨耗や汚染等が生じ、ま
た、測定対象表面の凹凸状態や探針材料の変質等により
徐々に測定対象との接触抵抗が増大し、信号電圧波形の
ばらつきや誤差が大きくなる。
【0012】(2)信号電圧波形の測定に際し、LSI
の内部信号に期待される信号帯域と、探針と配線間の接
触状態(接触抵抗)との関係について何等考慮されてい
なかったため、測定される信号特性に対応した探針の利
用が図られていない。すなわち、従来のプローブ装置及
びその検査方法においては、電圧波形の測定毎に探針が
配線に対して単純に電気的接触が行われたかを否かを検
出する手段は設けられているが、探針の寿命の判定や測
定信号の特性に応じた探針の利用については、何等考慮
されておらず、プローブ検査を担当するオペレータが検
査結果のばらつきや異常等に基づいて独自に判断しなけ
ればならなかった。
【0013】そのため、寿命であるか否かという判断が
定性的になって、比較的高価な探針の過度の交換による
検査コストの増大や、交換作業に伴う装置稼働率の低下
を招くという問題を有していた。そこで、本発明は、上
記課題を解決し、探針の寿命判定のための基準を設定す
ることにより、探針の有効利用を図り、検査コストの増
大及び装置稼働率の低下を抑制することができる探針の
寿命判定方法及びプローブ装置を提供することを目的と
するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の探針の寿命判定方法は、測定対象に
電気的に接触する導電性の探針と、該探針が一面側に接
続された電気光学結晶と、前記電気光学結晶を利用した
光サンプリング法により、前記測定対象の電圧波形を測
定する電圧波形測定手段と、前記探針及び前記測定対象
間の相対的な位置関係を粗微動可能に変化させる移動手
段と、前記探針の位置の変化を測定する変位測定手段
と、前記電気光学結晶の他面側に設けられた電極に参照
用交流電圧を印加し、前記光サンプリング法により得ら
れる前記参照用交流電圧の振幅変化に基づいて、前記探
針及び前記測定対象間の電気的接触状態を検出する検出
手段と、を備え、前記電気的接触状態の検出に際し、異
常と認められる特定の状態が規定の回数を超過して発生
した場合に、前記探針の寿命と判定することを特徴とし
ている。
【0015】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の探針の寿命判定方法において、前記特定の状態は、
前記測定対象の表面に前記探針を押し付ける量を予め設
定し、該押し付け量の範囲内で前記電気的接触状態が得
られない状態であることを特徴としている。また、請求
項3記載の発明は、請求項1記載の探針の寿命判定方法
において、前記特定の状態は、前記探針が前記測定対象
に物理的に接触する位置及び電気的に接触する位置間の
寸法差を予め設定し、該寸法差の範囲内で前記電気的接
触状態が得られない状態であることを特徴としている。
【0016】また、請求項4記載の発明は、請求項1記
載の探針の寿命判定方法において、前記特定の状態は、
前記測定対象に対して同一の前記電圧波形が得られる異
なる位置で測定を行うとともに、該測定結果相互の各位
相点でのばらつきの許容範囲を予め設定し、前記測定結
果のいずれかが前記許容範囲外に存在する状態であるこ
とを特徴としている。
【0017】さらに、請求項5記載の発明は、請求項
1、2、3又は4記載の探針の寿命判定方法において、
前記探針に対して標準化された電気的接触状態を示す標
準化試料を備え、前記探針の寿命と判定した場合に、前
記探針を前記標準化試料に電気的に接触させ、前記標準
化試料に対する電気的接触状態に基づいて、前記探針の
寿命を再判定することを特徴としている。
【0018】そして、請求項6のプローブ装置は、測定
対象に電気的に接触する導電性の探針と、該探針が一面
側に接続された電気光学結晶と、前記電気光学結晶を利
用した光サンプリング法により、前記測定対象の電圧波
形を測定する電圧波形測定手段と、前記探針及び前記測
定対象間の相対的な位置関係を粗微動可能に変化させる
移動手段と、前記探針の位置の変化を測定する変位測定
手段と、前記電気光学結晶の他面側に設けられた電極に
参照用交流電圧を印加し、前記光サンプリング法により
得られる前記参照用交流電圧の振幅変化に基づいて、前
記探針及び前記測定対象間の電気的接触状態を検出する
検出手段と、前記参照用交流電圧の周波数を任意に変更
設定する周波数設定手段と、を具備することを特徴とし
ている。
【0019】また、請求項7記載の発明は、請求項6記
載のプローブ装置において、前記周波数設定手段は、前
記電圧波形を測定する際の対象となる、前記測定対象の
内部信号に期待される信号帯域に対応して、前記参照用
交流電圧の周波数を設定することを特徴としている。ま
た、請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載のプロ
ーブ装置において、前記測定対象の内部信号に同期する
信号を入力する同期信号入力手段を備え、前記周波数設
定手段は、前記同期信号に基づいて、前記参照用交流電
圧の周波数を設定することを特徴としている。
【0020】さらに、請求項9記載の発明は、請求項
6、7又は8記載のプローブ装置において、前記電圧波
形測定手段により測定された前記測定対象の電圧波形を
表示する波形表示手段を備え、前記周波数設定手段は、
前記波形表示手段に表示される時間幅に基づいて、前記
参照用交流電圧の周波数を設定することを特徴としてい
る。
【0021】すなわち、本発明は、探針と測定対象との
電気的接触状態の検出に際し、異常と認められる特定の
状態、すなわち、測定対象に対する探針の電気的な接触
が所定のパラメータの範囲内で得られない状態の発生回
数をカウントし、規定回数を超過した場合に、探針の寿
命と判定するものである。具体的には、パラメータとし
て、測定対象に対する探針の押し付け量、又は、物理的
な接触位置と電気的な接触位置との寸法差、あるいは、
複数の測定点における各位相点相互のばらつきを定義す
る。
【0022】したがって、本発明に係る探針の寿命判定
方法によれば、信号電圧波形の測定誤差やばらつきを抑
制して、実際に探針と測定対象との電気的な接触が劣化
した状態を検出することができるため、過度の探針の交
換を防止して、比較的高価な探針の有効な利用を図るこ
とができるとともに、探針交換作業に伴うプローブ装置
の稼働率の低下を抑制することができる。
【0023】さらに、標準化された電気的接触状態を示
す試料を備え、探針を電気的に接触させて、接触抵抗の
変化を把握することができるため、探針の寿命を絶対的
な基準で判定することができる。また、本発明は、探針
と測定対象との電気的接触状態の検出に際し、参照交流
電圧の周波数を、測定される内部信号に期待される信号
帯域に対応させて設定するものである。
【0024】具体的には、測定される信号帯域が高い場
合には、参照用交流源の周波数も高い周波数を設定して
電気的接触の検出を行い、探針の接触抵抗が低くなった
ことを認識する。また、低い測定帯域を必要とする場合
には、低い周波数を設定して電気的接触の検出を行う。
したがって、本発明に係るプローブ装置によれば、探針
と測定対象との電気的な接触が得られた場合には、測定
された電圧波形の帯域を保証することができるととも
に、設定された周波数で電気的な接触が得られない場合
には、その帯域での電圧波形の測定について、当該探針
の寿命と判断して、探針の交換を促すことができるた
め、探針と測定対象との電気的接触状態を最適化するこ
とができる。
【0025】さらに、参照交流電圧の周波数の設定に際
し、測定対象に印加される内部信号に同期する信号の所
定数倍の周波数、あるいは波形表示手段に表示される時
間軸設定値に相当する周波数の所定数倍の周波数を適用
することにより、上記探針と測定対象との電気的接触状
態を簡易かつ自動的に最適化することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る探針の寿命判
定方法及びプローブ装置について、実施例を示して詳し
く説明する。 (基本構成)まず、本発明に係るプローブ装置の基本構
成について、図1を参照して説明する。
【0027】図1に示す基本構成は、従来技術として示
したプローブ装置(図12〜図14)の構成に付設さ
れ、コントローラ10と、入力機構20と、表示機構3
0と、を有して構成されている。コントローラ10は、
演算部11と、記憶部12と、粗動/微動ステージコン
トローラ13と、電圧波形測定手段を構成する電圧測定
部14と、検出手段を構成するコンタクト外れ検出部1
5と、変位測定手段を構成する変位測定部16と、画像
処理部17と、を有して構成されている。
【0028】また、入力機構20は、製品検査における
種々の操作条件やパラメータ等の入力、検査用プログラ
ムのインストール等を行う機能を有する。ここで、入力
機構20は、同期信号入力手段を構成し、後述する参照
交流電圧の周波数を設定するマニュアル入力や、同期信
号の入力が、この入力機構20を介して行われる。表示
機構30は、光学顕微鏡104による表面画像、あるい
は探針によるAFM画像(表面状態)等の測定対象の表
面形状に関する情報や、測定された信号電圧波形等を視
覚的に表示出力する。ここで、表示機構30は、波形表
示手段を構成し、測定された電圧波形を所定の表示時間
幅で表示する。
【0029】演算部11は、入力機構20から入力され
た種々の情報、AFM画像や光学顕微鏡104による画
像等の数値演算を実行するとともに、図 に示したプロ
ーブ装置の各部の動作制御を行う。記憶部12は、演算
部11によるAFM画像の演算に基づいて取得した位置
データ等を記憶する。
【0030】粗動/微動ステージコントローラ13は、
プローブ装置の粗動機構部103や微動機構部106を
駆動制御し、ステージ上に載置された測定対象(LS
I)に対する探針の位置をX、Y、Z各方向に移動さ
せ、測定点となる任意の位置に位置合わせを行う。電圧
測定部14は、探針と測定対象との電気的な接触により
取得される測定対象の内部信号の電圧波形を測定する。
【0031】コンタクト外れ検出部15は、探針と測定
対象との電気的な接触状態を監視し、双方の接触状態が
外れたことを検出する。具体的には、上述した電気光学
結晶111の他面側に設けられた透明電極111bに参
照交流電圧を印加し、光サンプリング法により参照交流
電圧の振幅測定を行いながら、電気光学結晶111の一
面側に接続された探針110を測定対象101の表面
(配線101a)に近接させ、その際の電圧振幅の変化
に基づいて電気的接触状態を検出する。
【0032】変位測定部16は、探針110と測定対象
101との接触位置の、測定対象平面に垂直な方向(Z
方向)の変位を、上述した変位センサ113からの出力
に基づいて測定する。画像処理部17は、光学顕微鏡1
04あるいは探針110により取得された測定対象10
1の表面形状に関する情報を画像処理して、表示機構3
0への表示処理を行う。
【0033】
【実施例】次に、図1に示したプローブ装置に適用され
る探針の寿命判定方法における第1の実施例について、
図2及び図3を参照して説明する。なお、以下の説明に
おいて、測定対象101とは、測定対象101上の配線
101a等、探針110の接触対象をいうものとする。
【0034】まず、本実施例の基本概念について、図2
を参照して説明する。図2は、プローブ装置の微動機構
部106のZ方向の位置座標と、探針110の変位を測
定する変位センサ113の出力電圧との関係を示すもの
である。図2において、Z1は微動機構部106上に設
けられた探針110が測定対象と物理的に接触した位置
であり、Z2は探針110が測定対象101と電気的に
接触した位置であり、Z3はプローブ検査において測定
対象101に対して予め設定された探針110の押し付
け停止位置である。
【0035】すなわち、探針110の押し付け停止位置
Z3は、物理的な接触位置Z1から測定対象101に対
して所定の微小圧が加わるように、押し付け量(Z3−
Z1)を規定して設定され、通常、押し付け停止位置Z
3に達する以前に探針110と測定対象101との電気
的な接触が確保されるように設定される。しかしなが
ら、電気的な接触位置Z2は、発明が解決しようとする
課題において説明したように、探針110の経時変化等
により接触抵抗が変動するため、所望の電気的な接触状
態を確保するためには、押し付け停止位置Z3を超過し
て、測定対象101に押し付ける必要が生じる。
【0036】本実施例においては、このような電気的接
触位置の変動に着目し、押し付け停止位置Z3を、探針
の押し付け動作におけるしきい値として規定し、この押
し付け停止位置Z3を超過して探針を押し付けても電気
的な接触が得られない場合には接触不良あるいは接触動
作失敗が発生したと判断し、その発生回数により探針の
寿命を判定する。
【0037】次に、本実施例におけるプローブ検査及び
寿命判定手順について、図3のフローチャートを参照し
て説明する。本実施例は、探針と測定対象との電気的接
触状態の検出に際し、探針の寿命を判断するためのパラ
メータとして、探針の位置を測定し、予め設定された探
針の押し込み停止位置との比較により電気的接触の不良
(異常と認められる特定の状態)の発生回数を記憶し、
該回数に基づいて探針の寿命を判定することを特徴とし
ている。
【0038】まず、図3に示すように、電圧波形の測定
開始命令が、プローブ装置のオペレータから指示される
と、電気光学結晶111の透明電極(参照電極)111
bに低周波交流電圧が印加される(S101)。次い
で、微動機構部106を制御して、探針110を所定の
ピッチ(刻み)で測定対象101表面に近づけ、参照電
極111bに印加された電圧振幅を測定する(S10
2)。
【0039】そして、測定された電圧振幅値と、探針1
10と測定対象101が電気的に接触する以前の電圧振
幅の幅、測定時に観測されるノイズ幅の3倍及び所定の
マージンの総和(規定値)とを比較し(S103)、測
定された振幅値が規定値を超過している場合には、探針
110と測定対象101との電気的接触が得られたもの
と判断し、接触検出フラグをONし(S104)、低周
波交流電圧源(参照用電圧源)120側に設けられた切
換手段121を制御し、参照電極111bの電位を接地
電位に接続し(S105)、測定対象101に印加され
ている信号の電圧波形を、光サンプリング法により測定
する(S106)。
【0040】一方、上記振幅値が規定値を超えていない
場合には、探針110と測定対象101との電気的接触
が得られていないものと判断し、変位測定部16により
観測される探針110のZ方向の位置が、押し付け停止
位置Z3を超えているか否かを判別する(S107)。
観測された探針110の位置が押し付け停止位置Z3に
満たない場合には、探針が十分な電気的接触状態を確保
する位置にないと判断して、微動機構部106を制御
し、探針110を測定対象101表面にさらに近づけ
(S108)、再度参照電極に印加した低周波信号の電
圧振幅の測定を行うシーケンス処理を実行する。
【0041】一方、探針110の位置が押し付け停止位
置Z3を超えている場合には、接触不良あるいは接触動
作失敗が発生したと判断して、カウンタの計数値Aを1
インクリメントする(S109)。そして、カウンタの
計数値Aが、予め設定されたしきい値NAを超えている
か否かが判別され(S110)、計数値Aがしきい値N
Aを超えている場合には、探針自体の劣化等により電気
的な接触状態が得られないものと判断して、探針110
が寿命に達したと判定する。プローブ装置のオペレータ
は、この判定結果に基づいて探針の交換作業を実施する
(S111)。
【0042】一方、カウンタの計数値Aがしきい値NA
を超えていない場合には、探針自体の劣化以外の要因に
よる接触不良と判断して、再度参照電極に印加した低周
波信号の電圧振幅の測定を行うシーケンス処理を実行す
る。このように、探針と測定対象との電気的接触の正
否、及び、探針のZ方向の変位に基づいて、探針の劣化
状態を適切に検出することができるため、プローブ検査
の種々の変動要因等に影響されることなく、かつ、オペ
レータの主観的判断に左右されることなく、探針の交換
時期を知ることができ、探針の有効利用を図ることがで
きるとともに、プローブ検査の測定精度を向上させるこ
とができる。
【0043】次に、図1に示したプローブ装置に適用さ
れる探針の寿命判定方法における第2の実施例につい
て、図4を参照して説明する。本実施例は、探針の寿命
を判断するためのパラメータとして、探針の押し込み量
を算出し、予め設定されたしきい値との比較により電気
的接触の不良(異常と認められる特定の状態)の発生回
数を記憶し、該回数に基づいて探針の寿命を判定するこ
とを特徴としている。
【0044】まず、図4に示すように、電圧波形の測定
開始命令に基づいて、電気光学結晶111の透明電極
(参照電極)111bに低周波交流電圧が印加された後
(S201)、探針110を所定のピッチで測定対象1
01表面に近づけ、参照電極111bに印加された電圧
振幅を測定する(S202)。そして、測定された電圧
振幅値と、探針110と測定対象101が電気的に接触
する以前の電圧振幅の幅及び測定時に観測されるノイズ
幅の3倍並びに所定のマージンの総和(規定値)とを比
較し(S203)、測定された振幅値が規定値を超過し
ていない場合には、探針110と測定対象101との電
気的接触が得られていないものと判断し、探針110を
測定対象101表面にさらに近づけ(S204)、再度
参照電極に印加した低周波信号の電圧振幅の測定を行う
シーケンス処理を実行する。
【0045】一方、上記振幅値が規定値を超えている場
合には、探針110と測定対象101との電気的接触が
得られたものと判断される。次いで、測定対象に対し
て、探針110が物理的に接触した位置から電気的に接
触した位置までの寸法、すなわち探針の押し付け量(X
2−X1)を算出し、この押し付け量が予め設定された
押し付け基準値X4を超過しているか否かが判別される
(S205)。
【0046】そして、探針110の押し付け量が、押し
付け基準値X4を超えている場合には、接触不良が発生
しているものと判断して、カウンタの計数値Bを1イン
クリメントする(S206)。そして、カウンタの計数
値Bが、予め設定されたしきい値NBを超えているか否
かが判別され(S207)、計数値Bがしきい値NBを
超えている場合には、探針自体の劣化等により良好な接
触状態が得られないものと判断して、探針110が寿命
に達したと判定する。プローブ装置のオペレータは、こ
の判定結果に基づいて探針の交換作業を実施する(S2
08)。
【0047】一方、カウンタの計数値Bがしきい値NB
を超えていない場合には、探針自体の劣化以外の要因に
よる接触不良と判断して、再度参照電極111bに印加
した低周波信号の電圧振幅の測定を行うシーケンス処理
を実行する。上記S205の手順において、探針110
の押し付け量が、押し付け基準値X4を超えていない場
合には、探針110と測定対象101との電気的接触が
良好に得られているものと判断し、接触検出フラグをO
Nして(S209)、参照電極111bの電位を接地電
位に接続し(S210)、測定対象に印加されている信
号の電圧波形を、光サンプリング法により測定する(S
211)。
【0048】このように、探針と測定対象との電気的接
触の正否、及び、探針のZ方向の変位に基づいて、探針
の劣化状態を適切に検出することができるため、プロー
ブ検査の種々の変動要因やオペレータの主観的判断に左
右されることなく、探針の交換時期を知ることができ、
探針の有効利用を図ることができるとともに、プローブ
検査の測定精度を向上させることができる。
【0049】次に、図1に示したプローブ装置に適用さ
れる探針の寿命判定方法における第3の実施例につい
て、図5及び図6を参照して説明する。まず、本実施例
の基本概念について、図5を参照して説明する。図5
は、異なる測定点で得られる振幅波形が同等となる測定
対象、すなわち同一の配線層や電極における測定データ
相互の対応関係を示すものである。
【0050】図5(a)、(b)に示すように、同一の
配線101aにおける異なる測定点M1、M2、M3に
おける電圧振幅波形は、一般に略同等の変化傾向を示
す。本実施例においては、このような異なる測定点での
測定データの同一性に着目し、データ相互の各位相点P
1、P2、P3におけるばらつきが、予め設定された規
定値を超過している場合には、探針の劣化が生じている
ものと判断する。
【0051】次に、本実施例における探針の寿命判定手
順について、図6のフローチャートを参照して説明す
る。なお、本実施例においては探針の寿命判定手順を中
心に説明し、内部信号の電圧波形を測定する通常のプロ
ーブ検査については、その詳細な説明を省略する。本実
施例は、探針の寿命を判断するパラメータとして、同一
測定波形が得られる異なる測定点におけるデータ相互の
各位相点での振幅特性(ばらつき)に基づいて探針の寿
命を判定することを特徴としている。
【0052】まず、上述した実施例と同様に、電圧波形
の測定開始命令が指示されると、電気光学結晶111の
透明電極(参照電極)111bに低周波交流電圧が印加
された後、探針110を所定のピッチで測定対象表面に
近づけ、参照電極111bに印加された電圧振幅を測定
する。ここで、本実施例においては、同一の電圧波形が
得られる異なる場所、例えば測定対象となる同一の配線
101a上の異なる測定点M1、M2、M3を決定し、
それらの各点で、電圧波形を測定する(S301)。
【0053】次いで、各測定点M1、M2、M3におけ
る共通する位相点P1、P2、P3でのデータのばらつ
きが、予め設定されたノイズ幅とマージンとの積で与え
られる規定値を超過しているか否かが判別される(S3
02)。そして、データのばらつきが規定値を超過して
いない場合には、探針と測定対象との電気的接触が良好
に得られているものと判断し、各位相点P1、P2、P
3でのデータの平均値を算出し、正確な波形を有する測
定データと判定し、表示する(S303)。
【0054】一方、データのばらつきが規定値を超過し
ている場合には、探針110と測定対象101との接触
抵抗が増大する傾向にあると判断し、探針の寿命が近づ
いているものと判定する。そして、寿命が近づいている
と判定された探針は、プローブ装置に予め用意された標
準化試料に電気的に接触させて再び信号振幅を測定し
(S304)、その測定データが正常か否かにより、探
針の寿命を再評価して(S305)、測定データが正常
でない場合には、探針自体の劣化等により良好な接触状
態が得られていないものと判断して、探針が寿命に達し
たと判定する。プローブ装置のオペレータは、この判定
結果に基づいて探針の交換作業を実施する(S30
6)。
【0055】ここで、探針の寿命を再評価するための標
準化試料は、探針との電気的接触により接触抵抗の変化
を絶対的な基準により判定するものであれば良く、例え
ば高周波信号を印加することができるものが良好に適用
される。次に、本発明に係るプローブ装置に適用される
探針の寿命判定方法の第4の実施例について説明する。
【0056】まず、本実施例の基本概念について、図7
を参照して説明する。図7(a)は、探針と測定対象と
の物理的接触状態と電気的接触状態との関係を示す概念
図であり、図7(b)は、参照交流電圧の周波数と接触
抵抗との関係を示す図である。探針と測定対象との物理
的接触状態を詳しく検討すると、図2においても説明し
たように、電気的接触位置とはわずかに異なるため、実
際のプローブ検査においては、探針の物理的接触状態か
ら探針を測定対象に対して所定の微小圧が生じ、電気的
接触が確保されるように所定量押し付ける操作を実行し
ている。
【0057】したがって、図7(a)に示すように、探
針110と測定対象101とが物理的に接触した状態に
あるが、電気的には非接触な状態においては、電気光学
結晶111による結晶容量Ccと、探針110と測定対
象101間の浮遊容量Cgとが直列に接続された等価回
路として表すことができる。そして、電気的な接触状態
を確保するために、探針110を所定量押し付ける操作
をすることにより、探針110と測定対象101間に接
触抵抗Rcが発生する。ここで、電気的接触状態の検出
は、結晶容量111の両端、すなわち反射電極111a
と透明電極(参照電極)111bの間に生じる電圧Vc
を測定することにより行われる。
【0058】探針110と測定対象101間の接触抵抗
Rcは、磨耗や変質等による探針の経時変化に加え、測
定対象101の材質や表面状態にも依存してばらつきを
生じる。一方、探針の寿命は、上述した実施例にも示し
たように、接触抵抗が下がらなくなる傾向を示すことに
より、判断することができる。
【0059】したがって、探針の寿命の判定や、電圧波
形の測定においては、接触抵抗のばらつきが小さく、安
定している方が適している。さらに、接触抵抗の許容範
囲は、測定される信号波形に期待される帯域に依存して
変化する傾向を示すため、このような様々な因子を考慮
する必要がある。具体的には、図7(b)に示すよう
に、測定される信号波形に必要とされる測定帯域が高い
場合には、電気的接触状態を検出するために透明電極1
11bに印加される参照交流電圧の周波数を高く
(fH)設定することにより、接触抵抗(インピーダン
ス)が低く抑制されるため、電気的接触状態の判定領域
を狭く(J H)することができ、ばらつきの影響を小さ
く(SH)することができる。
【0060】これに対し、従来技術においては、参照交
流電圧の周波数は、低周波帯域の固定周波数(fL)を
用いて電気的接触状態を検出していたため、電気的接触
状態を検出する際の接触抵抗のしきい値が押し上げられ
て、しきい値以下の領域ではどの程度の抵抗値が生じて
いるかを判定することができなかった。特に、探針に寿
命が近づいている場合には、接触抵抗のばらつきが大き
く(SL)なるという問題があった。そこで、印加され
る固定周波数を高く(fH)設定すれば、接触抵抗のし
きい値が押し下げられて、ばらつきを小さくすることが
できるが、接触抵抗が常に低く抑制されるため、探針の
見かけ上の寿命が短くなるという問題を有している。
【0061】なお、図7(b)において、JHは参照交
流電圧の周波数を高く(fH)設定した際の電気的接触
状態の判定領域、JLは参照交流電圧の周波数を低く
(fL)設定した際の電気的接触状態の判定領域、RH
測定帯域が低い場合における理想的な接触抵抗値、RL
は測定帯域が高い場合における理想的な接触抵抗値、S
Hは参照交流電圧の周波数を高く(fH)設定した際の接
触抵抗のばらつき、SLは参照交流電圧の周波数を低く
(fL)設定した際の接触抵抗のばらつきを示してい
る。
【0062】本実施例においては、このような接触抵抗
と参照用交流電圧の周波数との関係に着目し、測定され
る信号帯域に応じて、参照交流電圧の周波数を可変的に
設定し、測定された電圧波形の帯域を保証するととも
に、測定条件に対応した探針の利用を図る。次に、本実
施例におけるプローブ装置の概略構成について、図8を
参照して説明する。なお、図14に示したプローブ装置
と同等の構成については、同一の符号を付して、その説
明を省略する。
【0063】本実施例におけるプローブ装置は、図8に
示すように、測定対象101上の配線101a等と電気
的に接触する探針110と、探針110が一面側の反射
電極111aに接続され、他面側の透明電極111bを
介して所定のレーザー光115が照射される電気光学結
晶111と、透明電極111bに参照交流電圧を供給す
る周波数可変発振器120aと、参照交流電圧に設定す
る周波数を、周波数可変発振器に設定する周波数制御部
120bと、透明電極111bに印加される電位を参照
交流電圧あるいは接地電位に切り換える切換手段121
と、測定対象101の配線101aに接続され、測定対
象となる信号電圧を印加する信号電圧源130と、を有
して構成されている。
【0064】ここで、周波数可変発振器120a及び周
波数制御部120bは、周波数設定手段を構成し、例え
ばシグナルジェネレータ等の周知の構成を使用すること
ができる。次に、本実施例におけるプローブ検査の手順
について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0065】本実施例は、図8に示したプローブ装置に
おいて、測定される信号帯域に応じた参照交流電圧の周
波数を、オペレータが入力機構を介して手動で入力する
ことを特徴とする。まず、電圧波形の測定開始に際し、
オペレータは図1に示した入力機構20を介して、測定
される信号帯域に応じた測定帯域を入力する(S40
1)。周波数制御部120bは、入力された測定帯域に
基づいて、参照交流電圧の周波数を決定し(S40
2)、周波数可変発振器120aに設定する(S40
3)。
【0066】次いで、周波数可変発振器120aは、設
定された周波数を有する参照交流電圧を電気光学結晶1
11の透明電極(参照電極)111bに印加し、上述し
た実施例と同様に、参照電極111bに印加された電圧
振幅を測定することにより、探針110と測定対象10
1との電気的接触状態を検出する(S404)。そし
て、探針110と測定対象101との電気的な接触状態
が検出された場合には、切換手段121を制御して参照
電極の電位を接地電位に接続し、測定対象101に印加
されている信号の電圧波形を、光サンプリング法により
測定する(S405)。すなわち、設定された周波数帯
域により、測定された電圧波形の帯域を保証する。
【0067】一方、電気的な接触が得られない場合に
は、上述した実施例に示したように、探針110を接近
動作させる探針位置修正処理が行われ(S406)、さ
らに電気的な接触が得られない場合には、探針110と
測定対象101との間の接触状態が、測定帯域に応じた
接触抵抗が得られない状態にあるものと判断して、設定
された周波数帯域での測定に関して探針110が寿命に
達していると判定する(S407)。オペレータは、こ
の判定結果に基づいて探針の交換作業を実施する。
【0068】なお、探針の寿命は、例えば上述した実施
例のように、複数回電気的接触が得られない場合等、電
気的接触状態の検出に際し、異常と認められる状態が発
生したことを観測した場合に寿命と判定する。また、オ
ペレータによる測定帯域の入力操作は、測定対象101
に印加されている信号の電圧波形を測定する前であれ
ば、どの時点でも構わないことはいうまでもない。
【0069】このような実施例によれば、参照交流電圧
の周波数として、測定帯域に応じた任意の周波数を設定
することができ、かつ、測定された電圧波形の帯域を保
証することができるため、測定データの精度の向上を図
ることができるとともに、探針の測定条件に適した利用
を図ることができる。したがって、例えば高い測定帯域
が必要な場合には、参照用交流電圧の周波数を高い周波
数に変更して電気的な接触状態の検出を行い、接触抵抗
のばらつきを小さく、電気的接触状態に関係する変動要
因の測定データへの混入を抑制することができる。ま
た、低い測定帯域が必要な場合には、参照用交流電圧の
周波数を低い周波数に設定し、電気的な接触状態の検出
を行うことができるため、特定の帯域で電気的な接触状
態が得られない場合には、その帯域における電圧波形の
測定処理において、探針が寿命に達したと判断すること
ができ、測定条件に即した探針の利用を図ることができ
る。
【0070】次に、図8に示したプローブ装置に適用さ
れる探針の寿命判定方法における第5の実施例につい
て、図10を参照して説明する。本実施例は、光サンプ
リング法を採用した波形測定においては、測定対象の内
部信号を測定するために内部信号に同期した信号(同期
信号)を入力する必要があることに着目し、参照交流電
圧の周波数設定を、オペレータによる手動入力に代え
て、内部信号(測定信号)に同期する同期信号の周波数
に基づいて自動設定することを特徴としている。
【0071】まず、電圧波形の測定開始に際し、測定対
象に入力される同期信号が入力機構20を介して入力さ
れ、その周波数が周波数カウンタにより確認される(S
501)。次いで、周波数制御部120bは、確認され
た同期周波数に基づいて、参照交流電圧の周波数を決定
し(S502)、周波数可変発振器120aに設定する
(S503)。具体的には、例えば同期周波数の10倍
を参照交流電圧の周波数に設定する。
【0072】次いで、電気光学結晶111に、設定され
た周波数を有する参照交流電圧が印加され、参照電極1
11bの電圧振幅を測定することにより、探針110と
測定対象101との電気的接触状態が検出される(S5
04)。そして、探針110と測定対象101との電気
的な接触状態が検出された場合には、参照電極111b
の電位を接地電位に接続し、測定対象101に印加され
ている信号の電圧波形を、光サンプリング法により測定
し(S505)、測定された電圧波形の帯域幅に基づい
て表示機構30にその電圧波形を表示する(S50
6)。
【0073】一方、電気的な接触が得られない場合に
は、上述した実施例と同様に、探針位置修正処理(S5
07)及び探針寿命判定処理(S508)が実行され
る。このような実施例によれば、参照交流電圧の周波数
として、測定帯域に応じた任意の周波数を、測定対象に
入力される同期信号に基づいて一義的に設定することが
できるため、オペレータの入力作業の負担を軽減しつ
つ、測定データの精度の向上を図ることができる。
【0074】次に、図8に示したプローブ装置に適用さ
れる探針の寿命判定方法における第6の実施例につい
て、図11を参照して説明する。本実施例は、参照交流
電圧の周波数設定を、オペレータによる手動入力に代え
て、表示機構30に表示される電圧波形の時間軸表示範
囲に基づいて自動設定することを特徴としている。
【0075】まず、電圧波形の測定開始に際し、表示機
構30に予め設定された時間軸の表示範囲を確認し(S
601)、この表示時間幅に基づいて、参照交流電圧の
周波数を決定し(S602)、周波数可変発振器120
aに設定する(S603)。具体的には、例えば表示時
間幅の1/10時間の逆数を参照交流電圧の周波数に設
定する。
【0076】次いで、電気光学結晶111に、設定され
た周波数を有する参照交流電圧が印加され、参照電極1
11bの電圧振幅を測定することにより、探針110と
測定対象101との電気的接触状態が検出される(S6
04)。そして、探針110と測定対象101との電気
的な接触状態が検出された場合には、参照電極111b
の電位を接地電位に接続し、測定対象101に印加され
ている信号の電圧波形を、光サンプリング法により測定
し、測定された電圧波形が表示機構30に表示される
(S605)。
【0077】このような一連の電圧波形の測定中に、表
示機構30に設定された表示時間幅を変更する操作が実
行された場合には(S606)、その変更が、表示時間
幅の拡大か縮小かが判断される(S607)。そして、
表示時間幅が縮小された場合には、表示範囲が広くなり
(大きくなり)、表示されるデータ量が多くなったもの
と判断し、現在の表示状態を継続する(S608)。
【0078】一方、表示時間幅が拡大された場合には、
表示範囲が狭くなり(小さくなり)、表示されるデータ
が少なくなったものと判断し、探針110と測定対象1
01との電気的接触状態を一旦解除し(S609)、変
更された表示時間幅に基づいて、再度参照交流電圧の周
波数を設定し、電気的接触状態の検出を行うシーケンス
処理を実行する。
【0079】上記S604の手順において、電気的な接
触が得られない場合には、上述した実施例と同様に、探
針位置修正処理(S507)及び探針寿命判定処理(S
508)が実行される。このような実施例によれば、参
照交流電圧の周波数として、表示機構の表示時間幅に基
づいて任意に設定することができるため、オペレータの
入力作業の負担を軽減しつつ、測定データの精度の向上
を図ることができるなお、上述した第5及び第6の実施
例を組み合わせることにより、同期信号の周波数に基づ
いて、参照交流電圧の周波数及び表示機構における表示
時間幅を自動で設定することができるため、測定データ
の精度の向上を図りつつ、測定帯域に応じたデータ表示
を実現することができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る探針
の寿命判定方法及びプローブ装置によれば、信号電圧波
形の測定誤差やばらつきを抑制して、実際に探針と測定
対象との電気的な接触が劣化した状態を検出することが
できるため、過度の探針の交換を防止して、比較的高価
な探針の有効な利用を図ることができるとともに、探針
交換作業に伴うプローブ装置の稼働率の低下を抑制する
ことができる。
【0081】また、標準化された電気的接触状態を示す
試料を備え、探針を電気的に接触させて、接触抵抗の変
化を把握することができるため、探針の寿命を絶対的な
基準で判定することによって、測定データの信頼性の向
上を図ることができる。そして、測定される信号帯域に
期待される周波数に応じて、参照交流電圧の周波数を任
意に変更設定することができるため、探針と測定対象と
の電気的な接触が得られた場合には、測定された電圧波
形の帯域を保証することができるとともに、設定された
周波数で電気的な接触が得られない場合には、その帯域
での電圧波形の測定について、当該探針の寿命と判断し
て、探針の交換を促すことができ、探針と測定対象との
電気的接触状態を最適化することができる。
【0082】さらに、参照交流電圧の周波数の設定に際
し、測定対象に印加される内部信号に同期する信号の所
定数倍の周波数、あるいは波形表示手段に表示される時
間軸設定値の所定数倍の周波数を適用することにより、
上記探針と測定対象との電気的接触状態を簡易かつ自動
的に最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプローブ装置の基本構成を示す図
である。
【図2】探針の接触状態と変位センサの出力との関係を
示す図である。
【図3】本発明に係る探針の寿命判定方法の第1の実施
例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る探針の寿命判定方法の第2の実施
例を示すフローチャートである。
【図5】測定点と振幅波形との関係を示す図である。
【図6】本発明に係る探針の寿命判定方法の第3の実施
例を示すフローチャートである。
【図7】参照交流電圧の周波数と接触抵抗の関係を示す
図である。
【図8】本発明に係る一実施例のプローブ装置の概略構
成図である。
【図9】本発明に係る探針の寿命判定方法の第4の実施
例を示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る探針の寿命判定方法の第5の実
施例を示すフローチャートである。
【図11】本発明に係る探針の寿命判定方法の第6の実
施例を示すフローチャートである。
【図12】プローブ装置の概略構成図である。
【図13】プローブヘッドの概略構成図である。
【図14】プローブ検査の概念図である。
【符号の説明】
10 コントローラ 11 演算部 12 記憶部 13 粗動/微動ステージコントローラ 14 電圧測定部 15 コンタクト外れ検出部 16 変位測定部 17 画像処理部 20 入力機構 30 表示機構 100 プローブ装置 101 測定対象 101a 配線 102 ステージ 103 粗動機構部 104 光学顕微鏡 105 プローブヘッド 106 微動機構部 110 探針 111 電気光学結晶 120 低周波交流電圧源 120a 周波数可変発振器 120b 周波数制御部 121 切換手段 130 信号電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若菜 伸一 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 関口 英紀 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】測定対象に電気的に接触する導電性の探針
    と、該探針が一面側に接続された電気光学結晶と、前記
    電気光学結晶を利用した光サンプリング法により、前記
    測定対象の電圧波形を測定する電圧波形測定手段と、前
    記探針及び前記測定対象間の相対的な位置関係を粗微動
    可能に変化させる移動手段と、前記探針の位置の変化を
    測定する変位測定手段と、前記電気光学結晶の他面側に
    設けられた電極に参照用交流電圧を印加し、前記光サン
    プリング法により得られる前記参照用交流電圧の振幅変
    化に基づいて、前記探針及び前記測定対象間の電気的接
    触状態を検出する検出手段と、を備え、 前記電気的接触状態の検出に際し、異常と認められる特
    定の状態が規定の回数を超過して発生した場合に、前記
    探針の寿命と判定することを特徴とする探針の寿命判定
    方法。
  2. 【請求項2】前記特定の状態は、前記測定対象の表面に
    前記探針を押し付ける量を予め設定し、該押し付け量の
    範囲内で前記電気的接触状態が得られない状態であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の探針の寿命判定方法。
  3. 【請求項3】前記特定の状態は、前記探針が前記測定対
    象に物理的に接触する位置及び電気的に接触する位置間
    の寸法差を予め設定し、該寸法差の範囲内で前記電気的
    接触状態が得られない状態であることを特徴とする請求
    項1記載の探針の寿命判定方法。
  4. 【請求項4】前記特定の状態は、前記測定対象に対して
    同一の前記電圧波形が得られる異なる位置で測定を行う
    とともに、該測定結果相互の各位相点でのばらつきの許
    容範囲を予め設定し、前記測定結果のいずれかが前記許
    容範囲外に存在する状態であることを特徴とする請求項
    1記載の探針の寿命判定方法。
  5. 【請求項5】前記探針に対して標準化された電気的接触
    状態を示す標準化試料を備え、 前記探針の寿命と判定した場合に、前記探針を前記標準
    化試料に電気的に接触させ、前記標準化試料に対する電
    気的接触状態に基づいて、前記探針の寿命を再判定する
    ことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の探針の
    寿命判定方法。
  6. 【請求項6】測定対象に電気的に接触する導電性の探針
    と、 該探針が一面側に接続された電気光学結晶と、前記電気
    光学結晶を利用した光サンプリング法により、前記測定
    対象の電圧波形を測定する電圧波形測定手段と、 前記探針及び前記測定対象間の相対的な位置関係を粗微
    動可能に変化させる移動手段と、前記探針の位置の変化
    を測定する変位測定手段と、 前記電気光学結晶の他面側に設けられた電極に参照用交
    流電圧を印加し、前記光サンプリング法により得られる
    前記参照用交流電圧の振幅変化に基づいて、前記探針及
    び前記測定対象間の電気的接触状態を検出する検出手段
    と、 前記参照用交流電圧の周波数を任意に変更設定する周波
    数設定手段と、を具備することを特徴とするプローブ装
    置。
  7. 【請求項7】前記周波数設定手段は、前記電圧波形を測
    定する際の対象となる、前記測定対象の内部信号に期待
    される信号帯域に対応して、前記参照用交流電圧の周波
    数を設定することを特徴とする請求項6記載のプローブ
    装置。
  8. 【請求項8】前記測定対象の内部信号に同期する信号を
    入力する同期信号入力手段を備え、 前記周波数設定手段は、前記同期信号に基づいて、前記
    参照用交流電圧の周波数を設定することを特徴とする請
    求項6又は7記載のプローブ装置。
  9. 【請求項9】前記電圧波形測定手段により測定された前
    記測定対象の電圧波形を表示する波形表示手段を備え、 前記周波数設定手段は、前記波形表示手段に表示される
    時間幅に基づいて、前記参照用交流電圧の周波数を設定
    することを特徴とする請求項6、7又は8記載のプロー
    ブ装置。
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