JP4255014B2 - 基板処理方法及び基板処理装置 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば半導体ウエハやLCD用ガラス基板等の被処理基板を処理容器内に収容して例えばオゾンガスと水蒸気等の処理流体を供給して処理を施す基板処理方法及び基板処理装置に関するものである。
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、被処理基板としての半導体ウエハやLCD基板等(以下にウエハ等という)にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、フォトリソグラフィ技術を用いて回路パターンを縮小してレジスト膜に転写し、これを現像処理し、その後、ウエハ等からレジスト膜を除去する一連の処理が施されている。
また、上記レジスト膜の除去方法としては、近年の環境保全の観点から廃液処理が容易なオゾン(O)を用いる方法が提案されている。
従来のオゾンを利用した半導体デバイスの製造工程において、処理室内に収容されたウエハ等を所定の温度例えば約100℃近くまで昇温する必要がある。そこで、従来では、加熱手段である加熱機構部と支持機構部とからなる支持台の上方に支持台からの異物転写を防ぐため空隙例えば0.1〜0.5mmを設けてウエハ等を載置した状態でウエハ等を昇温すると共に、処理流体例えばオゾンを供給してウエハ等を処理している(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−249603号公報(段落番号0007、図1)
また、最近オゾン処理室内にウエハ等を収容した後、オゾン処理室内を昇温、加圧した状態で、水蒸気とオゾンを含む処理ガス(処理流体)をウエハ等に供給してレジスト膜を水溶性に変質させ、その後に洗浄処理室に搬送して水洗処理を行うことにより、レジスト膜をウエハから除去する方法も提案されている。
しかしながら、従来の処理方法は、処理容器の支持台の上方に所定の空隙例えば0.1〜0.5mmを設けてウエハ等を載置(固定)した状態でウエハ等を昇温すると共に、処理流体例えばオゾンを供給してウエハ等を処理する方法であるため、ウエハ等と支持台との空隙を0.1〜0.5mmのように小さくすると、ウエハ等と支持台との空隙内への処理ガスの流入が停滞して、スループットの低下をきたすと共に、処理の均一化が図れないということが考えられる。また、処理流体にオゾンと水蒸気を用いる場合、加熱機構の均一性が悪いと、基板と支持台の一部に水蒸気が結露して処理に支障をきたす虞がある。この問題を解決するために、ウエハ等と支持台との空隙を0.5mm以上に設定すると、ウエハ等の昇温に多くの時間を要する。
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、被処理基板を短時間で処理温度に加熱し、被処理基板に均一に処理流体を供給して、スループットの向上及び処理の均一化を図れるようにした基板処理方法及び基板処理装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、この発明の基板処理方法は、加熱手段を具備する処理容器の処理室内に、保持手段によって保持された被処理基板を収容した状態で、上記加熱手段によって上記被処理基板を所定温度に加熱すると共に、処理室内に処理流体を供給して上記被処理基板に処理を施す基板処理方法を前提とし、 第1の基板処理方法は、上記被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを相対的に近接させて被処理基板を処理温度に加熱すると共に、上記処理容器内の雰囲気を処理温度に加熱する工程と、 上記被処理基板を処理温度まで加熱した後、被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを処理位置まで離間する工程と、 上記処理容器の処理室内に上記処理流体を供給して、処理温度に維持されている被処理基板の表裏面に処理流体を流す工程と、を有することを特徴とする(請求項1)。
この発明の基板処理方法において、上記処理容器の処理室内に処理流体を供給すると共に、上記保持手段と上記加熱手段の加熱面とを断続又は連続して相対的に接離移動してもよい(請求項)。この場合、上記保持手段と上記加熱手段の加熱面とを相対的に接離移動するには、保持手段又は加熱手段の加熱面のうちの少なくとも一方を他方に対して接離移動するものであれば、いずれの手段を用いてもよい。
また、この発明の基板処理方法において、上記処理容器内における上記処理流体の流れ方向に対して略直交する方向に上記保持手段と上記加熱手段の加熱面とを接離移動する方が好ましい(請求項)。
この発明の基板処理装置は、上記基板処理方法を具現化するもので、被処理基板を収容する処理容器と、 上記処理容器内で上記被処理基板を保持する保持手段と、 上記処理容器に設けられ、上記被処理基板及び処理容器内の雰囲気を所定温度に加熱する加熱手段と、 上記処理容器に設けられた供給口に接続される供給管路と、 上記供給管路を介して上記処理容器内に処理流体を供給する処理流体供給源と、 上記保持手段に保持された被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを相対的に接離移動する接離移動手段と、 上記接離移動手段と上記供給管路に介設された開閉手段の開閉動作を制御する制御手段と、を具備してなり、 上記制御手段を、上記被処理基板の上記処理容器に対する受け渡し位置と、上記加熱手段の加熱面に対する近接位置と、加熱手段の加熱面から近接位置よりも離間する処理位置に接離移動手段を制御可能に形成すると共に、処理位置におかれた処理温度に維持されている被処理基板に処理流体を供給すべく開閉手段の開閉動作を制御可能に形成してなる、ことを特徴とする(請求項4)。
この場合、上記制御手段は、更に、被処理基板の処理位置において、被処理基板を断続的又は連続的に接離移動するように接離移動手段を制御可能に形成される方が好ましい(請求項)。
請求項1,4記載の発明によれば、被処理基板を保持手段によって保持した状態で、被処理基板と加熱手段の加熱面とを相対的に近接させて被処理基板を処理温度に加熱することにより、被処理基板を短時間で処理温度に加熱(昇温)することができる。そして、被処理基板を処理温度に加熱(昇温)した後、被処理基板と加熱手段の加熱面とを処理位置まで離間し、この状態で、処理容器の処理室内に処理流体を供給することにより、処理流体を均一に供給させることができる。この場合、処理室内に処理流体を供給と共に、保持手段と加熱手段の加熱面とを断続又は連続して相対的に接離移動することにより、被処理基板の表裏面側への処理流体の回り込みを円滑にし、更に、処理流体を均一に供給させることができる(請求項2,5)。
また、請求項記載の発明によれば、処理流体の流れ方向に対して略直交する方向に保持手段と加熱手段の加熱面を接離移動することにより、被処理基板の表裏面側への処理流体の回り込みを更に円滑にすることができる。
以上に説明したように、この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
1)請求項1,2,4,5記載の発明によれば、被処理基板を短時間で処理温度に加熱(昇温)することができると共に、被処理基板の表裏面側への処理流体の回り込みを円滑にし、処理流体を均一に供給させることができるので、スループットの向上が図れると共に、処理の均一化が図れる。
2)請求項記載の発明によれば、処理流体の流れ方向に対して略直交する方向に保持手段と加熱手段の加熱面を接離移動するので、上記1)に加えて更に被処理基板の表裏面側への処理流体の回り込みを円滑にすることができ、更に処理の均一化を図ることができる。
以下に、この発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、この発明に係る基板処理装置をウエハの表面に対してレジスト水溶化処理(オゾン処理)及び洗浄処理等するように構成された基板処理ユニットに適用した場合について説明する。
図1は、複数の基板処理ユニットを組込んだ処理システムを示す概略平面図、図2は、処理システムの一部を断面で示す概略側面図である。
上記基板処理システム1は、被処理基板例えば半導体ウエハW(以下、ウエハWという)に処理を施す処理部2と、この処理部2にウエハWを搬入・搬出する搬入出部3とで主要部が構成されている。
上記搬入出部3は、処理前及び処理後の複数枚例えば25枚のウエハWを収納するウエハキャリアCと、このウエハキャリアCを載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と、載置台6に載置されたキャリアCと処理部2との間で、ウエハWの受け渡しを行うウエハ搬送装置7が備えられたウエハ搬送部5とで構成されている。
ウエハキャリアCの側面には開閉可能な蓋体が設けられており、この蓋体を開蓋した状態でウエハWがウエハキャリアCの一側面を通して搬入出されるように構成されている。また、ウエハキャリアCには、ウエハWを所定間隔で保持するための棚板が内壁に設けられており、ウエハWを収容する例えば25個のスロットが形成されている。なお、ウエハWは半導体デバイスを形成する面が上面となっている状態で、各スロットに1枚ずつ収容される。
上記イン・アウトポート4の載置台6には、例えば3個のウエハキャリアCを水平面のY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。ウエハキャリアCは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウエハ搬送部5との仕切壁8側に向けて載置される。仕切壁8においてウエハキャリアCの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており、窓部9のウエハ搬送部5側には、窓部9をシャッタ等により開閉する窓開閉機構10が設けられている。
ウエハ搬送部5に配設されたウエハ搬送装置7は、水平のY方向と鉛直のZ方向及びX−Y平面内(θ方向)で移動自在に構成されている。また、ウエハ搬送装置7は、ウエハWを把持する取出収納アーム11を有し、この取出収納アーム11はX方向にスライド自在に構成されている。このようにして、ウエハ搬送装置7は、載置台6に載置されたすべてのウエハキャリアCの任意の高さのスロットにアクセスし、また、処理部2に配設された上下2台のウエハ受け渡しユニット16,17にアクセスして、イン・アウトポート4側から処理部2側へ、逆に処理部2側からイン・アウトポート4側へウエハWを搬送することができるように構成されている。
上記処理部2は、搬送手段である主ウエハ搬送装置18と、ウエハ搬送部5との間でウエハWの受け渡しを行うためにウエハWを一時的に載置するウエハ受け渡しユニット16,17と、複数例えば6台のこの発明に係る基板処理装置であるオゾン処理ユニット23a〜23fと、複数例えば4台の基板洗浄ユニット12〜15とを具備している。
また、処理部2には、オゾン処理ユニット23a〜23fに供給する処理ガス例えばオゾンガスを発生させるオゾンガス発生器42を備えたオゾンガス処理ユニット(図示せず)と、基板洗浄ユニット12〜15に送液する所定の処理液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット(図示せず)とが配設されている。処理部2の天井部には、各ユニット及び主ウエハ搬送装置18に、清浄な空気をダウンフローするためのファンフィルターユニット(FFU)26が配設されている。
上記ファンフィルターユニット(FFU)26からのダウンフローの一部は、ウエハ受け渡しユニット16,17と、その上部の空間を通ってウエハ搬送部5に向けて流出する構造となっている。これにより、ウエハ搬送部5から処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され、処理部2内が清浄に保たれる。
上記ウエハ受け渡しユニット16,17は、いずれもウエハ搬送部5との間でウエハWを一時的に載置するものであり、これらウエハ受け渡しユニット16,17は上下2段に積み重ねられて配置されている。この場合、下段のウエハ受け渡しユニット17は、イン・アウトポート4側から処理部2側へ搬送するようにウエハWを載置するために用い、上段のウエハ受け渡しユニット16は、処理部2側からイン・アウトポート4側へ搬送するウエハを載置するために用いることができる。
上記主ウエハ搬送装置18は、X方向とZ方向に移動可能であり、かつ、X−Y平面内(θ方向)で図示しないモータによって回転可能に形成されている。また、主ウエハ搬送装置18は、ウエハWを保持する1本又は複数の搬送アーム18aを具備し、この搬送アーム18aはY方向にスライド自在に形成されている。このように構成される主ウエハ搬送装置18は、受渡ユニット16,17、基板洗浄ユニット12〜15、オゾン処理ユニット23a〜23fの全てのユニットにアクセス可能に配設されている。また、主ウエハ搬送装置18は、制御手段例えばCPUに電気的に接続されており、ウエハWを各オゾン処理ユニット23a〜23fに順次搬送するよう制御されている。
各基板洗浄処理ユニット12,13,14,15は、後述するレジスト水溶化処理(オゾン処理)が施されたウエハWに対して洗浄処理及び乾燥処理を行い、ウエハWからレジスト膜を除去可能に形成されている。更に、その後、薬液を使用した洗浄処理及び乾燥処理が可能に形成されている。
なお、図1に示すように、基板洗浄処理ユニット12,13と、基板洗浄処理ユニット14,15とは、その境界をなしている壁面27に対して対称な構造を有しているが、対称であることを除けば、各基板洗浄処理ユニット12,13,14,15は概ね同様の構造となっている。
一方、オゾン処理ユニット23a〜23fは、ウエハW表面に塗布されているレジストを水溶化する処理を行う。これらオゾン処理ユニット23a〜23fは、図2に示すように、上下方向に3段で各段に2台ずつ配設されている。左段にはオゾン処理ユニット23a,23c,23eが上から順に配設され、右段にはオゾン処理ユニット23b,23d,23fが上から順に配設されている。図1に示すように、オゾン処理ユニット23aとオゾン処理ユニット23b、オゾン処理ユニット23cとオゾン処理ユニット23d、オゾン処理ユニット23eとオゾン処理ユニット23fとは、その境界をなしている壁面28に対して対称な構造を有しているが、対称である以外は、各オゾン処理ユニット23a〜23fは概ね同様の構造となっている。そこで、主にオゾン処理ユニット23aを代表例として、以下にその構造について詳細に説明する。
◎第一実施形態
上記オゾン処理ユニット23aを構成するオゾン処理装置30は、図3に示すように、加熱手段31を具備すると共にウエハWを収容する処理容器本体32(以下に容器本体32という)と、容器本体32の上面を覆い、容器本体32との間に処理室34aを形成する蓋体33とで構成される処理容器34と、容器本体32を貫通して処理室34a内に突入してウエハWを水平状態に保持する進退移動可能な保持手段35と、保持手段35を鉛直方向に進退移動すなわち容器本体32の水平底部32aに対して接離移動する接離移動手段36と、処理室34a内に処理流体としてのオゾンと水蒸気を供給する処理流体供給源37とで主要部が構成されている。
容器本体32は、図3及び図6に示すように、円盤状の水平底部32aと、水平底部32aの外側に起立する側壁32bとを具備している。この容器本体32は、例えばステンレス製部材の表面に酸化シリコン(SiO2)膜あるいはフッ素樹脂膜が施されて、耐オゾン性に富むように形成されている。
水平底部32aの同一円周上の4箇所に貫通孔32cが設けられており、各貫通孔32c内に、後述する保持手段35を構成する保持棒35aがシール部材例えばOリング32eを介して気水密に接離移動可能に貫通されている。なお、貫通孔32cの上端開口側には、後述する保持手段35の保持部材35bを収納する拡径部32dが形成されている。
また、水平底部32aの下面には、加熱手段である面状のヒータ31aが密接状態で固定されており、外部カバー31cによって外部から被覆されている。このように水平底部32aの下面にヒータ31aを密接状態で固定することによって、水平底部32aが加熱面を構成する。なお、面状のヒータ31aに代えて容器本体32の水平底部32aの内部にヒータ31Aを内蔵させてもよい(図9参照)。このようにヒータ31a(31A)を設けることによって、処理室34a内の雰囲気及びウエハWを処理温度例えば約100℃に昇温可能にすることができる。
また、側壁32bには、処理室34a内に処理流体を導入する供給口32fと、処理室34a内に導入された処理流体を排出する排出口32gが容器本体32の中心に対して対向する位置に設けられ、供給口32fには供給管路38が、また、排出口32gには排出管路70がそれぞれ接続されている。
側壁32bの上面には、周溝32hが設けられており、この周溝32h内にOリング32iが嵌合されている。これにより、水平底部32aの周縁部上面と後述する蓋体33の垂下壁33b下面とを密着させ、処理室34aを密閉することができる。
また、容器本体32には、供給口32fと処理室34a内とを連通する連通路300が設けられている。この連通路300は、図6に示すように、供給口32fから両側に広がる拡散用凹溝部301と、蓋体33の垂下壁33bの下面から凹溝部301内に突入する垂下壁片302とからなる迂回部303を具備している。このように供給口32fと処理室34aとの間に連通路300を形成することにより、供給口32fから処理室34a内に供給される処理流体すなわちオゾンと水蒸気の混合流体を略水平の面状に拡散させると共に、面方向と直交する方向に迂回させて供給することができる。したがって、オゾンと水蒸気の混合流体を処理室34a内に満遍なく供給することができ、ウエハWに均一にオゾンと水蒸気の混合流体を供給することができる。
上記蓋体33は、円盤状の基体33aと、基体33aの周縁部下面に垂下される垂下壁33bとで主に構成されており、垂下壁33bにおける上記凹溝部301と対向する部位に垂下壁片302が突設されている。この蓋体33も容器本体32と同様に例えばステンレス製部材にて形成されており、処理室34a内側の下面表面に、例えば酸化シリコン(SiO2)膜あるいはフッ素樹脂膜が施されて、耐オゾン性に富むように形成されている。また、蓋体33の基体33aの上面には、加熱手段である面状のヒータ31bが密接状態に固定されており、外部カバー31dによって外部から被覆されている。なお、ヒータ31bに代えて基体33aにヒータ31Bを内蔵してもよい(図9参照)。
このように形成される蓋体33は、昇降手段例えばシリンダ機構400によって容器本体32に対して接離移動され、垂下壁33bが容器本体32の側壁頂面に密接された状態で処理室34a内が密閉されるようになっている。なお、処理室34a内の高さ寸法は約5mmに形成されている。
上記保持手段35は、容器本体32に設けられた貫通孔32cを気水密に貫通し、処理室34a内に突入してウエハWを水平状態に保持する進退可能な複数の保持棒35aと、各保持棒35aの先端部に設けられ、ウエハWの周辺部下面を保持する保持部材35bとで構成されている。また、各保持棒35aの容器本体32の外部側の下端部は連結部材35cに連結されており、この連結部材35cを介して接離移動手段36に連結されている。なお、容器本体32の下方に突出する保持棒35aは、容器本体32の下面と連結部材35cの上面との間に配設される伸縮自在な蛇腹500によって被覆されている。この蛇腹500には、排気口(図示せず)が設けられており、図示しない排気装置に接続されている。
この場合、保持部材35bは、図4及び図5に示すように、ウエハWの周辺部下面を保持する突起部35dを有する保持部35eと、この保持部35eの外側からウエハWの上面より上方に起立する起立部35fとを具備すると共に、起立部35fの内側面が上方に向かって拡開するテーパ面35gに形成されている。この保持部材35bは、処理容器34より軟質かつ耐食、耐薬品性に富む合成樹脂製材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)あるいはフッ素樹脂製材料にて形成されている。
なお、保持手段35を構成する4本の保持棒35aは、図6に示すように、供給口32fと排出口32gとを結ぶ中心線Cに関して左右に2本ずつ分かれて配設されており、分けられた2本の保持棒35a間の中心点からの角度θは鋭角になっている。このように、4本の保持棒35aを配設することにより、供給口32fから処理室34a内に供給されるオゾンと水蒸気の混合流体の流れが保持棒35a及び保持部材35bによって乱されるのを防止することができる。また、供給口32fと排出口32gとを結ぶ中心線Cに対して直交する方向からウエハWを搬送する搬送アーム18aのウエハ保持部を保持棒35a及び保持部材35bと干渉しない範囲で可及的に広くすることができる。
上記接離移動手段36は、図3に示すように、正逆回転可能な例えばステッピングモータあるいはサーボモータ等のモータ36aと、このモータ36aの駆動軸に連結される回転ねじ軸36bに図示しない多数のボールを介して螺合して回転運動を直線運動に変換する変換部36cとを具備するボールねじ機構36dにて形成されている。また、モータ36aは制御手段例えばCPU200に電気的に接続されており、CPU200からの制御信号によって正逆回転し、ボールねじ機構36dを介して保持手段35の保持棒35aを昇降すなわち保持部材35bにて保持されるウエハWを加熱手段の加熱面である容器本体32の水平底部32aの表面に対して接離移動し、ウエハWを水平底部32aに近接させる近接位置(予熱位置)Pa(隙間Sa=0.2〜0.5mm)と、ウエハWを水平底部32aから離間させた処理位置Pb(隙間Sb=1〜2mm)と、ウエハWを更に上方に移動させた受け渡し位置Phとに停止し、かつ、処理位置PbにおいてウエハWを断続的又は連続的に接離方向に移動(揺動)制御するように形成されている。この場合、モータ36aの回転が回転検出器例えばエンコーダ36eによって検出され、その検出信号がCPU200に伝達され、CPU200からの制御信号に基づいてモータ36aの回転が制御されるように形成されている。
また、CPU200は、処理容器34に設けられた供給口32fと後述する処理流体供給源37とを接続する処理流体供給管路38に介設された開閉手段41と電気的に接続されている。
次に、この発明におけるオゾン処理ユニット23aの配管系統を、図7を参照して説明する。上記処理容器34に設けられた供給口32fに接続する処理流体供給管路38(以下に主供給管路38という)を介して処理流体供給源を構成する溶媒蒸気供給源である蒸気発生器40が接続されると共に、蒸気発生器40と協働して処理流体供給源を構成するオゾンガス発生器42と、窒素供給源43とが、それぞれ開閉手段である供給切換手段41を介して接続されている。供給切換手段41は、主供給管路38の連通・遮断と流量調整をそれぞれ行う流量調整弁50と、オゾンガス発生器42によって発生させたオゾンガスを処理室34a内に供給するオゾンガス供給管51の連通・遮断と流量調整を行う流量調整弁52と、窒素供給源43から窒素(N)を処理室34a内に供給する窒素供給管53の連通・遮断を行う切換弁54とをそれぞれ具備している。
オゾンガス発生器42は、図8に示すように、基ガスとしての酸素(O)を、高周波電源42aに接続されて高周波電圧が印可される放電電極42b,42c間を通過させることで、オゾン(O)を生成している。これら高周波電源42aと放電電極42b,42cとを接続する電気回路42dには、スイッチ42eが介設されている。スイッチ42eは、制御手段例えばCPU200と電気的に接続されており、CPU200からの制御信号に基づいて制御可能に形成されている。
オゾンガス供給管51は、図7に示すように、オゾンガス発生器42に接続されている。このオゾンガス供給管51には、フィルター64と、オゾンガス発生器42によって発生させたオゾンガス中のオゾン(O)の濃度を検出するオゾン濃度検出器65と、オゾンガスの流量をそれぞれ検出するフローメーター66と、上述した流量調整弁52が、オゾンガス発生器42側からそれぞれこの順に介設されている。
流量調整弁52は、処理室34aにオゾンガスを連通させた際にフローメータ66が検出する流量が常に同じになるように、流量調整量のバランスが予め設定される。
窒素供給管53は、図7に示すように、大流量部と小流量部を切り換え可能な流量切換弁68と、上述した切換弁54が窒素供給源43側からこの順にそれぞれ介設されている。
また、流量切換弁68の大流量部又は小流量部を調節して、流量調整量のバランスを調整することにより、Nガス供給源43からNガス供給管53、主供給管路38を通過するNガスが、処理室34aに所定の流量で供給されるようになっている。また、流量調整弁50を調節して、流量調整量のバランスを調整することにより、蒸気発生器40において生成され主供給管路38を通過する蒸気が、処理室34aに所定流量で供給されるようになっている。
また、オゾンガス発生器42は、図8に示すように、酸素供給管180を介して酸素供給源181が接続され、酸素供給管180に介設する窒素供給管182を介して窒素供給源183が接続されている。
この場合、酸素供給管180には、酸素供給管180の連通・遮断を行う開閉弁185と、オゾンガス発生器42に供給する酸素(O)の流量を調整する酸素流量調整部としてのマスフローコントローラ188と、窒素供給管182が、酸素供給源181側からこの順に介設されている。また、窒素供給管182には、窒素供給管182の連通・遮断を行う開閉弁190と、オゾンガス発生器42に供給する窒素(N)の流量を調整する窒素流量調整部としてのマスフローコントローラ191が、窒素供給源183側からこの順に介設されている。上記マスフローコントローラ188,191は、制御手段例えばCPU200に電気的に接続されているおり、CPU200からの制御信号に基づいてオゾンガス発生器42に供給する含酸素気体の流量が調整されるようになっている。
このように形成することにより、酸素供給源181から送出される酸素と、窒素供給源183から送出される窒素は、マスフローコントローラ188,191によってそれぞれ流量調整された後、合流して、酸素及び窒素を混合した含酸素気体となり、酸素供給管180を通過してオゾンガス発生器42に供給される。そして、オゾンガス発生器42において放電が行われることにより、含酸素気体中の酸素の一部がオゾンとなる。これにより、含酸素気体はオゾンが含有されたオゾンガスとなり、オゾンガス主供給管60に送出される。
更に、CPU200は、オゾン濃度検出器65の濃度検出値を検知する機能と、オゾンガス発生器42の放電圧を制御する機能を有し、濃度検出値をフィードバック信号としてオゾンガス発生器42の放電圧を制御する。これにより、オゾンガス中のオゾン濃度がフィードバック制御される。したがって、オゾンガス発生器42に供給する含酸素気体の流量を変化させたり、酸素及び窒素の混合比を変化させても、これら流量、混合比、及びオゾンガス発生器42内の含酸素気体の圧力の変化に、放電圧の変化を追従させて、安定したオゾン濃度のオゾンガスを発生させることができる。
以上のようなCPU200の制御により、処理室34aに供給するオゾンガスの圧力及び流量を所望の値とし、オゾン濃度を安定したものとする。これにより、ウエハWのレジスト水溶化処理(オゾン処理)が均質に施され、レジスト水溶化処理(オゾン処理)の均一性、信頼性を向上させることができる。
一方、処理容器34の処理室34aにおける主供給管路38の接続部と対向する部位に設けられた排出口32gには、排出管路70が接続されている。この排出管路70は圧力調整手段である排気切換部72と排出管路71を介設してミストトラップ73に接続されている。
この場合、排気切換部72は、分岐管76,77を備え、分岐管76,77には、開放時に少量の排気を行う第1の排気流量調整弁81、開放時に大量の排気を行う第2の排気流量調整弁82がそれぞれ介設されている。この分岐管76,77における排気流量調整弁81,82の下流側は合流して再び排出管路71となっている。また、分岐管77における排気流量調整弁82の上流側と、分岐管76,77の合流部分の下流側を接続する分岐管85が設けられており、分岐管85には、通常では閉鎖状態を維持し、緊急時、例えば処理室34a内の圧力が過剰に上昇する場合などに開放する第3の排気切換弁86が介設されている。
ミストトラップ73は、排出された処理流体を冷却し、排出流体を、オゾンガスを含む気体と液体とに分離して、液体を排液管90から排出する。分離したオゾンガスを含む気体は、排気管91によってオゾンキラー92に送出され、オゾンガス成分を酸素に熱分解され、冷却装置93によって冷却された後、排気管94によって排気される。
上述のように、処理室34aに供給する蒸気の流量は流量調整弁50によって調整され、処理室34aに供給するオゾンガスの流量は、流量調整弁52によって調整される。また、蒸気、オゾンガス、又は蒸気とオゾンガスとの混合流体等の雰囲気による処理室34a内の圧力は、排気切換部72によって、処理室34a内から排気する流量を調節することにより制御される。
なお、処理室34aには、リークセンサ95が取り付けられて、処理室34a内の処理流体の洩れを監視できるようになっている。
蒸気発生器40は、図7に示すように、タンク130内に貯留した純水(DIW)を図示しないヒータによって加熱して蒸気を発生させるように構成されている。この場合、タンク内は約120℃程度に温度調節され加圧状態に維持される。なお、主供給管路38における蒸気発生器40から各供給切換手段41までの間には、主供給管路38の形状に沿って管状に設けられる温度調節器136が備えられ、蒸気発生器40から送出される蒸気は、主供給管路38を各供給切換手段41まで通過する間、温度調節されるようになっている。
タンク130内に純水を供給する純水供給管140には、流量調整弁V2が介設されており、純水供給源141が接続されている。この純水供給管140における流量調整弁V2の下流側には、窒素供給管53から分岐された分岐管142を介して窒素供給源43が接続されている。この分岐管142には流量調整弁V3が介設されている。この場合、両流量調整弁V2,V3は、共に連通及び遮断動作を同様に行えるようになっている。
タンク130内から純水を排液するドレン管145には、流量調整弁V3と連動するドレン弁DVが介設されており、下流端にはミストトラップ148が接続されている。また、タンク130には、タンク130内の圧力が異常に上昇した際に蒸気をタンク130から排出して圧力を下降させるための逃がし路150が接続されており、ドレン管145のドレン弁DVの下流側に、逃がし路150の下流端が接続されている。逃がし路150には、流量調整弁V4,開閉弁V5が介設されると共に、この流量調整弁V4の上流側から分岐して開閉弁V5の下流側に接続する分岐管153が接続され、この分岐管153にリリーフ弁RVが介設されている。ミストトラップ148は、ドレン管145から排液された純水及び逃がし路150から排出された蒸気を冷却して、液体にして排液管154から排液するように構成されている。
蒸気発生器40内の純水は、一定の出力で稼働するヒータによって加熱される。また、上述のように、蒸気発生器40において発生した蒸気が、各処理室34aに所定の流量で供給されるように、流量調整弁50の流量調整量が予め設定される。
なお、逃がし路150によって排出された蒸気は、ドレン管145を通過してミストトラップ148に送出される。また、タンク130内の圧力が過剰に上昇するなどの異常時には、リリーフ弁RVを開いて、蒸気をタンク130内から逃がし路150、分岐管153、逃がし路150、ドレン管145の順に通過させて排出する。
上記のように、蒸気発生器40において発生させた蒸気を、流量調整弁V4によって流量調整しながら逃がし路150によって排出することにより、処理室34aに供給する蒸気の流量を調整することができる。
次に、この発明に係る基板処理方法について、図9及び図10を参照して説明する。まず、イン・アウトポート4の載置台6に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって1枚ずつウエハWが取り出され、取出収納アーム11によって取り出したウエハWをウエハ受け渡しユニット17に搬送する。すると、主ウエハ搬送装置18がウエハ受け渡しユニット17からウエハWを受け取り、主ウエハ搬送装置18によって各オゾン処理ユニット23a〜23fに順次搬入する。
具体的には、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aがウエハWを保持した状態で、オゾン処理ユニット23a〜23fの処理容器34内にウエハWを搬入する。このとき、処理室34aの容器本体32に対して蓋体33を離間させた状態で、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aを蓋体33の下方に移動させ、接離移動手段36によって上方の受け渡し位置Phに移動される保持手段35の保持部材35bが、搬送アーム18aからウエハWを受け取る(図9(a)参照)。次に、接離移動手段36を駆動して保持部材35bを下降させて容器本体32の水平底部32aに近接させてウエハWを近接(予熱)位置Paに移動させる。この動作と共に、又は後に蓋体33を下降させて、蓋体33の垂下壁35bを容器本体32の側壁32bの上面に当接すると共に、Oリング32iを圧接して容器本体32を閉塞すなわち密閉する(図9(b)参照)。この際、ウエハW下面と容器本体32の水平底部表面との間には隙間Sa(約0.2〜0.5mm)が形成される。この状態でヒータ31aからの加熱を約30秒行うことにより、ウエハWは短時間で処理温度(約100℃)付近まで加熱(予熱)される(予熱工程)。これにより、ウエハWのレジスト水溶化処理(オゾン処理)を促進させることができる。
処理室34a内のウエハWが十分に昇温すると、CPU200に対して十分に昇温した旨の情報が送信され、CPU200は、処理室34aに対してオゾンガスの供給を開始するよう制御信号を送る。処理室34aに対して供給するオゾンガスは、CPU200によるマスフローコントローラ188,191及びオゾンガス発生器42の制御によって、流量及びオゾン濃度が制御されている。まず、流量調整弁52の開閉状況に基づき、CPU200によってマスフローコントローラ188,191の流量調整量が制御され、オゾンガス発生器42に供給する含酸素気体の全流量が調節される。また、CPU200、オゾンガス発生器42、オゾン濃度検出器65から構成されるフィードバック系により、オゾン濃度が所定値にフィードバック制御される。
また、CPU200から流量調整弁52に送信される制御信号により、流量調整弁52が開かれ、オゾンガス発生器42から、オゾンガス供給管51、流量調整弁52、主供給管路38を介して処理室34a内に所定濃度のオゾンガスが供給される。オゾンガスは、流量調整弁52の流量調整量に応じた流量で、処理室34a内に供給される。なお、流量調整弁52の流量調整量は、予め流量調整弁52とのバランスによって調整されている。更に、排気切換部72の第1の排気流量調整弁81を開放した状態とし、処理室34a内からの排出管路70による排気流量を第1の排気流量調整弁81によって調整する。このように、処理室34a内を排出管路70によって排気しながらオゾンガスを供給することにより、処理室34a内の圧力を一定に保ちながら処理室34a内をオゾンガス雰囲気にする。この場合、処理室34a内の圧力は、大気圧より高い状態、例えばゲージ圧0.2MPa程度に保つ。また、ヒータ31a,31bの加熱によって、処理室34a内の雰囲気及びウエハWの温度が維持される。排出管路70によって排気した処理室34a内の雰囲気は、ミストトラップ73に排出される。このようにして、処理室34a内に所定濃度のオゾンガスを充填する(オゾンガス充填工程)。
オゾンガスを充填した後、接離移動手段36のモータ36aを駆動して保持手段35の保持棒35aを上昇させると共に、保持部材35b及びウエハWを水平底部表面から離間された処理位置Pb(隙間Sb=1〜2mm)に移動する(図9(c)参照)。この動作と同時に、処理室34a内にオゾンガスと水蒸気の混合流体とを同時に処理室34a内に供給して、ウエハWのレジスト水溶化処理(オゾン処理)を行う(オゾン処理工程)。この際、供給口32fから処理室34a内に供給されるオゾンガスと水蒸気の混合流体は、連通路30の拡散用凹溝部301によって水平方向に拡散されると共に、迂回部303によって拡散された水平方向と直交する方向に迂回されながら処理室34a内に供給されるので、処理室34a内の広い範囲に渡って均一に供給されウエハWの表裏面に対する水蒸気と混合流体の回り込みを円滑にできる。更に、このオゾン処理工程中に、接離移動手段36のモータ36aを断続的又は連続的に正逆回転させてウエハWを水平底部表面に対して接離移動させる処理も可能である。このようにすることにより、ウエハWの表裏面に対するオゾンガスと水蒸気の混合流体の回り込みを円滑にすることができ処理の均一性の向上が図れる。
次に、排出管路70に介設された排気切換部72の第1の排気流量調整弁81を開放した状態として、処理室34a内のオゾンガスと水蒸気の混合流体を排出する。この際、接離移動手段36のモータ36aを断続的又は連続的に正逆回転させてウエハWを水平底部表面に対して接離移動させることもできる。なお、処理室34a内を排気しながらオゾンガスと水蒸気の混合流体を同時に供給してもよい。この場合も、処理室34a内の圧力は、大気圧よりも高い状態、例えばゲージ圧0.2MPa程度に保たれている。また、ヒータ31a,31bの加熱により、処理室34a内の雰囲気及びウエハWの温度が維持される。このようにして、処理室34a内に充填したオゾンガスと蒸気の混合処理流体によってウエハWの表面に塗布されたレジストを酸化させる(レジスト水溶化処理工程)。
所定のレジスト水溶化処理(オゾン処理)が終了した後、まず、主供給管路38の流量調整弁50,52を閉じて、切換弁54を開き、流量切換弁68を大流量部側に切り換えて窒素供給源43から大量の窒素を処理室34a内に供給すると共に、排出管路70に介設された排気切換部72の第2の排気流量調整弁82を開放した状態にする。そして、処理室34a内を排気しながら窒素供給源43から窒素を供給する。これにより、主供給管路38、処理室34a、排出管路70の中を窒素によってパージすることができる。排出されたオゾンガスは、排出管路70によってミストトラップ73に排出される。このようにして、処理室34aからオゾンガスと蒸気の混合処理流体を排出する(排出工程)。
その後、昇降機構400を作動させて蓋体33を上方に移動させ、次に、接離移動手段36のモータ36aを駆動させて保持手段35の保持部材35bを受け渡し位置Phまで上昇させる。この状態で、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aをウエハWの下方に進入させ、保持部材35bにて保持されているウエハWを受け取り、処理室34a内からウエハWを搬出する(ウエハ搬出工程)。
なお、処理室34a内には、主ウエハ搬送装置18によって新たにウエハWが搬入され、同様にレジスト水溶化処理(オゾン処理)が行われる。
また、各オゾン処理ユニット23b〜23fについても同様にして、ウエハWを順次搬入してレジスト水溶化処理(オゾン処理)を行う。この際、2台のオゾン処理ユニット23a,23bによってレジスト水溶化処理(オゾン処理)を行う場合には、CPU200によって、マスフローコントローラ188,191が制御され、オゾンガス発生器42によって発生させるオゾンガスの流量がオゾン処理ユニット23a,23bで消費される2台分の流量に制御される。また、3台又は4台のオゾン処理ユニットによってオゾン処理が行われる場合も同様にCPU200によって、マスフローコントローラ188,191が制御され、オゾンガス発生器42によって発生させるオゾンガスの流量がオゾン処理ユニットで消費される3台分又は4台分の流量に制御される。
各オゾン処理ユニット23a〜23fにおいてレジスト水溶化処理(オゾン処理)が施されたウエハWは、次に基板洗浄処理ユニット12〜15に順次搬送され、ウエハWに対してそれぞれ洗浄処理及び乾燥処理が施される。
◎第二実施形態
図11は、この発明に係る基板処理装置の第二実施形態を示す分解断面図、図12は、第二実施形態における保持手段を示す断面図(a)及び(a)のIII−III線に沿う断面図(b)である。
第二実施形態は、保持手段35Aを処理容器34を構成する蓋体33に設けられた貫通孔33cを気水密に貫通して、加熱面である容器本体32の水平底部32aに対して接離移動可能に形成した場合である。すなわち、保持手段35Aを、蓋体33に設けられた複数例えば4個の貫通孔33c内をシール部材であるOリング33dを介して貫通する4本の保持棒35aと、各保持棒35aの先端部に装着されるウエハWの周辺部下面を水平状に保持する保持部材35hとで構成し、各保持棒35aに連結される連結部材35cを介して接離移動手段36Aに連結した場合である。
この場合、保持部材35hは、図12に示すように、保持棒35aの先端部すなわち下端部に例えばねじ結合によって装着される断面略L字状に形成されており、保持部材35hの水平片35iの先端部にウエハWの周辺下面を保持する保持段部35jが設けられている。このように構成される保持手段35Aの保持部材35hは、接離移動手段36Aによって容器本体32の水平底部表面側に近接した状態で、水平底部32aの表面に設けられた凹所32j内に下部側の一部が収容されて、ウエハWと水平底部表面との隙間Saを例えば0.2〜0.5mmに設定できるように構成されている。
上記接離移動手段36Aは、第一実施形態と同様に、正逆回転可能な例えばステッピングモータあるいはサーボモータ等のモータ36aと、このモータ36aの駆動軸に連結される回転ねじ軸36bに螺合して回転運動を直線運動に変換する変換部36cとを具備するボールねじ機構36dにて形成されている。また、モータ36aは制御手段例えばCPU200に電気的に接続されており、CPU200からの制御信号によって正逆回転し、ボールねじ機構36dを介して保持手段35Aの保持棒35aを昇降すなわち保持部材35hにて保持されるウエハWを加熱手段{具体的には、加熱面である容器本体32の水平底部32aの表面}に対して接離移動し、ウエハWを水平底部32aに近接させる近接位置(予熱位置)Pa(隙間Sa=0.2〜0.5mm)と、ウエハWを水平底部32aから離間させた処理位置Pb(隙間Sb=1〜2mm)と、ウエハWを更に上方に移動させた受け渡し位置Phとに停止し、かつ、処理位置PbにおいてウエハWを断続的又は連続的に接離方向に移動(揺動)制御するように形成されている。
なお、蓋体33の上方に突出する保持棒35aは、連結部材35cの下面と蓋体33の上面との間に配設される伸縮自在な蛇腹500によって被覆されている。
第二実施形態において、その他の部分は第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
次に、第二実施形態の基板処理方法について、図13を参照して説明する。まず、第一実施形態と同様に、イン・アウトポート4の載置台6に載置されたキャリアCから取出収納アーム11によって1枚ずつウエハWが取り出され、取出収納アーム11によって取り出したウエハWをウエハ受け渡しユニット17に搬送する。すると、主ウエハ搬送装置18がウエハ受け渡しユニット17からウエハWを受け取り、主ウエハ搬送装置18によって各オゾン処理ユニット23a〜23fに順次搬入する。
具体的には、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aがウエハWを保持した状態で、オゾン処理ユニット23a〜23fの処理容器34内にウエハWを搬入する。このとき、処理室34aの容器本体32に対して蓋体33を離間させた状態で、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aを蓋体33の下方に移動させ、接離移動手段36Aによって上方に移動される保持手段35Aの保持部材35hが、搬送アーム18aからウエハWを受け取る(図13(a)参照)。次に、接離移動手段36Aを駆動して保持部材35hを下降させて容器本体32の水平底部32aに近接させてウエハWを近接(予熱)位置Paに移動させる。この動作と共に、又は後に蓋体33を下降させて、蓋体33の垂下壁35bを容器本体32の側壁32bの上面に当接すると共に、Oリング32iを圧接して容器本体32を閉塞すなわち密閉する(図13(b)参照)。この際、ウエハW下面と容器本体32の水平底部表面との間には隙間Sa(約0.2〜0.5mm)が形成される。この状態でヒータ31aからの加熱を約30秒行うことにより、ウエハWは短時間で処理温度(約100℃)付近まで加熱(予熱)される(予熱工程)。これにより、ウエハWのレジスト水溶化処理(オゾン処理)を促進させることができる。
処理室34a内のウエハWが十分に昇温すると、CPU200に対して十分に昇温した旨の情報が送信され、CPU200は、上述したように処理室34aに対してオゾンガスの供給を開始するよう制御信号を送る。また、CPU200、オゾンガス発生器42、オゾン濃度検出器65から構成されるフィードバック系により、オゾン濃度が所定値にフィードバック制御される。
また、CPU200から流量調整弁52に送信される制御信号により、上述したように、主供給管路38を介して処理室34a内に所定濃度のオゾンガスが供給される。オゾンガスは、流量調整弁52の流量調整量に応じた流量で、処理室34a内に供給される。なお、流量調整弁52の流量調整量は、予め流量調整弁52とのバランスによって調整されている。更に、排気切換部72の第1の排気流量調整弁81を開放した状態とし、処理室34a内からの排出管路70による排気流量を第1の排気流量調整弁81によって調整する。このように、処理室34a内を排出管路70によって排気しながらオゾンガスを供給することにより、処理室34a内の圧力を一定に保ちながら処理室34a内をオゾンガス雰囲気にする。この場合、処理室34a内の圧力は、大気圧より高い状態、例えばゲージ圧0.2MPa程度に保つ。また、ヒータ31A,31Bの加熱によって、処理室34a内の雰囲気及びウエハWの温度が維持される。排出管路70によって排気した処理室34a内の雰囲気は、ミストトラップ73に排出される。このようにして、処理室34a内に所定濃度のオゾンガスを充填する(オゾンガス充填工程)。
オゾンガスを充填した後、接離移動手段36Aのモータ36aを駆動して保持手段35Aの保持棒35aを上昇させると共に、保持部材35h及びウエハWを水平底部表面から離間された処理位置Pb(隙間Sb=1〜2mm)に移動する(図13(c)参照)。この動作と同時に、処理室34a内にオゾンガスと水蒸気の混合流体とを同時に処理室34a内に供給して、ウエハWのレジスト水溶化処理(オゾン処理)を行う(オゾン処理工程)。この際、供給口32fから処理室34a内に供給されるオゾンガスと水蒸気の混合流体は、連通路30の拡散用凹溝部301によって水平方向に拡散されると共に、迂回部303によって拡散された水平方向と直交する方向に迂回されながら処理室34a内に供給されるので、処理室34a内の広い範囲に渡って均一に供給される。このオゾン処理工程中に、接離移動手段36Aのモータ36aを断続的又は連続的に正逆回転させてウエハWを水平底部表面に対して接離移動させることも可能である。このようにすることにより、ウエハWの表裏面に対するオゾンガスと水蒸気の混合流体の回り込みを円滑にすることができ処理の均一性の向上が図れる。
次に、排出管路70に介設された排気切換部72の第1の排気流量調整弁81を開放した状態として、処理室34a内のオゾンガスと水蒸気の混合流体を排出する。この際、接離移動手段36のモータ36aを断続的又は連続的に正逆回転させてウエハWを水平底部表面に対して接離移動させる。なお、処理室34a内を排気しながらオゾンガスと水蒸気の混合流体を同時に供給してもよい。この場合も、処理室34a内の圧力は、大気圧よりも高い状態、例えばゲージ圧0.2MPa程度に保たれている。また、ヒータ31a,31bの加熱により、処理室34a内の雰囲気及びウエハWの温度が維持される。このようにして、処理室34a内に充填したオゾンガスと蒸気の混合処理流体によってウエハWの表面に塗布されたレジストを酸化させる(レジスト水溶化処理工程)。
所定のレジスト水溶化処理(オゾン処理)が終了した後、上述したように、窒素供給源43から大量の窒素を処理室34a内に供給すると共に、排出管路70に介設された排気切換部72の第2の排気流量調整弁82を開放した状態にする。そして、処理室34a内を排気しながら窒素供給源43から窒素を供給する。これにより、主供給管路38、処理室34a、排出管路70の中を窒素によってパージすることができる。排出されたオゾンガスは、排出管路70によってミストトラップ73に排出される。このようにして、処理室34aからオゾンガスと蒸気の混合処理流体を排出する(排出工程)。
その後、昇降機構400を作動させて蓋体33を上方に移動させ、次に、接離移動手段36Aのモータ36aを駆動させて保持手段35Aの保持部材35hを受け渡し位置Phまで上昇させる。この状態で、主ウエハ搬送装置18の搬送アーム18aをウエハWの下方に進入させ、保持部材35hにて保持されているウエハWを受け取り、処理室34a内からウエハWを搬出する(ウエハ搬出工程)。
なお、処理室34a内には、主ウエハ搬送装置18によって新たにウエハWが搬入され、同様にレジスト水溶化処理(オゾン処理)が行われる。
上記ウエハWと加熱手段の加熱面{具体的には容器本体32の水平底部表面}との隙間を例えば、0mm,0.2mm,0.3mm,0.5mm,1mm,2mm,4mmに設定して、ウエハWの温度(昇温)を調べるためのテストを行ったところ、図14に示すような結果が得られた。この結果、隙間を0.2mmに設定した場合、30秒後に処理温度に近い90℃まで昇温でき、60秒後には100℃まで昇温できた。また、隙間を0.3mmに設定した場合と0.5mmに設定した場合は、55〜60秒後に処理温度に近い90℃まで昇温でき、90秒後には100℃近くまで昇温できた。これに対し、隙間を1mmに設定した場合では、90秒後に処理温度に近い90℃に昇温でき、150秒後に100℃付近まで昇温できた。また、隙間を2mmに設定した場合では、100秒後に処理温度に近い90℃まで昇温でき、180秒後に100℃まで昇温できた。なお、隙間を4mmに設定した場合においても、2mmに設定した場合と同様な温度特性であった。
上記テストの結果、ウエハWと加熱手段の加熱面(容器本体32の水平底部表面)との隙間を処理位置(隙間1〜2mm)より小さい0.2〜0.5mmに設定することにより、短時間(約30秒又は55〜60秒)に処理温度に近い90℃に昇温することができ、90℃に昇温後に処理位置に移動しても加熱手段からの加熱により昇温が続行されることを考慮すると、隙間を0.2〜0.5mmに設定して、約30秒間加熱した後、隙間を処理位置(隙間1〜2mm)に移動しても処理温度による支障がないことが判った。これに対して、隙間を1〜2mmの処理位置に設定した場合では、同様に加熱を続行した場合を考慮しても、処理温度を維持するには60〜120秒を要することが判った。したがって、ウエハWと加熱手段の加熱面(容器本体32の水平底部表面)との隙間を0.2〜0.5mmに設定して約30秒加熱(予熱)した後、隙間を処理位置(隙間1〜2mm)に設定してオゾン処理を行うことにより、当初から隙間を処理位置(隙間1〜2mm)に設定して加熱(昇温)し、オゾン処理を行う場合に比べて時間を約1/2〜1/4に短縮することができる。
◎その他の実施形態
(1)上記実施形態では、保持手段35,35Aの保持棒35aが4本の場合について説明したが、保持棒35aの数は必ずしも4本である必要はなく、3本であってもよい。
(2)上記実施形態では、加熱手段の加熱面(容器本体32の水平底部32aの表面)に対して保持手段35,35Aを接離移動手段36,36Aによって接離移動させてウエハWと加熱手段の加熱面との隙間を近接(予熱)位置Pa、処理位置Pb、受け渡し位置Phに設定すると共に、処理位置Pbにおいて断続的又は連続的に接離(揺動)移動する場合について説明したが必ずしもこのような構造とする必要はない。例えば、保持手段35,35AすなわちウエハWに対して加熱手段例えばヒータ31a,31Aを接離移動してもよく、あるいは、保持手段35,35Aと加熱手段の双方を相対的接離移動してもよい。
(3)上記実施形態では、この発明の基板処理方法をオゾンガスと水蒸気の混合流体に適用した場合について説明したが、気体や液体等の処理流体を供給するものであれば、オゾンガスと水蒸気の混合流体以外の処理流体を用いた処理方法及び装置にも適用することもできる。
(4)上記実施形態では、被処理基板が半導体ウエハの場合について説明したが、ウエハ以外に例えばLCD基板やフォトマスク用のレチクル基板等においてもこの発明が適用できることは勿論である。
この発明に係る基板処理装置を適用した半導体ウエハの処理システムを示す概略平面図である。 上記処理システムの一部を断面で示す概略側面図である。 この発明に係る基板処理装置の第一実施形態を示す分解断面図である。 この発明における保持手段と連通路を示す要部拡大断面図である。 第一実施形態における保持手段の保持部材を示す斜視図である。 上記保持手段の保持棒と連通路を示す平面図(a)、(a)のI−I線に沿う拡大断面図(b)及び(a)のII−II線に沿う拡大断面図(c)である。 この発明に係る基板処理装置の配管系統を示す概略構成図である。 この発明における処理流体供給源を構成するオゾン生成器を示す概略構成図である。 第一実施形態の基板処理方法を説明する説明図である。 この発明に係る基板処理方法における被処理基板と加熱手段の接離位置(隙間)と処理との関係を示すタイミングチャートである。 この発明に係る基板処理装置の第二実施形態を示す分解断面図である。 第二実施形態における保持手段の要部を示す断面図(a)及び(a)のIII−III線に沿う断面図(b)である。 第二実施形態における基板処理方法を示す説明図である。 被処理基板(ウエハ)と加熱手段の加熱面との隙間を変えた場合の昇温特性を示すグラフである。
符号の説明
W 半導体ウエハ(被処理基板)
18 主ウエハ搬送装置
18a 搬送アーム
23a〜23f オゾン処理ユニット
31a,31b,31A,31B ヒータ(加熱手段)
32 処理容器本体
32a 水平底部
32c 貫通孔
32f 供給口
32g 排出口
32e Oリング(シール部材)
33 蓋体
33c 貫通孔
33d Oリング(シール部材)
34 処理容器
34a 処理室
35,35A 保持手段
35a 保持棒
35b,35h 保持部材
35e 保持部
35f 起立部
35g テーパ面
36,36A 接離移動手段
36a モータ
36c 変換部
36d ボールねじ機構
37 処理流体供給源
38 処理流体供給管路
40 蒸気発生器
41 開閉手段
42 オゾンガス発生器(処理流体供給源)
200 CPU(制御手段)
300 連通路
301 拡散凹溝部
302 垂下壁片
303 迂回部
Sa,Sb 隙間
Pa 近接(予熱)位置
Pb 処理位置
Ph 受け渡し位置

Claims (5)

  1. 加熱手段を具備する処理容器の処理室内に、保持手段によって保持された被処理基板を収容した状態で、上記加熱手段によって上記被処理基板を所定温度に加熱すると共に、処理室内に処理流体を供給して上記被処理基板に処理を施す基板処理方法であって、
    上記被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを相対的に近接させて被処理基板を処理温度に加熱すると共に、上記処理容器内の雰囲気を処理温度に加熱する工程と、
    上記被処理基板を処理温度まで加熱した後、被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを処理位置まで離間する工程と、
    上記処理容器の処理室内に上記処理流体を供給して、処理温度に維持されている被処理基板の表裏面に処理流体を流す工程と、
    を有することを特徴とする基板処理方法。
  2. 請求項1記載の基板処理方法において、
    上記処理容器の処理室内に処理流体を供給する工程において、上記保持手段と上記加熱手段の加熱面とを断続又は連続して相対的に接離移動することを特徴とする基板処理方法。
  3. 請求項1又は2記載の基板処理方法において、
    上記処理容器内における上記処理流体の流れ方向に対して略直交する方向に上記保持手段と上記加熱手段の加熱面とを接離移動することを特徴とする基板処理方法。
  4. 被処理基板を収容する処理容器と、
    上記処理容器内で上記被処理基板を保持する保持手段と、
    上記処理容器に設けられ、上記被処理基板及び処理容器内の雰囲気を所定温度に加熱する加熱手段と、
    上記処理容器に設けられた供給口に接続される供給管路と、
    上記供給管路を介して上記処理容器内に処理流体を供給する処理流体供給源と、
    上記保持手段に保持された被処理基板と上記加熱手段の加熱面とを相対的に接離移動する接離移動手段と、
    上記接離移動手段と上記供給管路に介設された開閉手段の開閉動作を制御する制御手段と、を具備してなり、
    上記制御手段を、上記被処理基板の上記処理容器に対する受け渡し位置と、上記加熱手段の加熱面に対する近接位置と、加熱手段の加熱面から近接位置よりも離間する処理位置に接離移動手段を制御可能に形成すると共に、処理位置におかれた処理温度に維持されている被処理基板に処理流体を供給すべく開閉手段の開閉動作を制御可能に形成してなる、
    ことを特徴とする基板処理装置。
  5. 請求項4記載の基板処理装置において、
    上記制御手段は、更に、被処理基板の処理位置において、被処理基板を断続的又は連続的に接離移動するように接離移動手段を制御可能に形成されている、ことを特徴とする基板処理装置。
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