JP4254764B2 - 自動車およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車およびその制御方法に関する。
従来、この種の自動車としては、エンジンからの出力とモータからの出力とにより走行する自動車において、運転者の操作によるダッシュスイッチがオンとされたときには、短時間に限ってモータの定格出力を超える出力でモータを駆動するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、エンジンからの出力とモータからの出力との関係を複数のトルクマップとして記憶しておき、運転者によるモード選択スイッチの操作により実行するトルクマップを選択し、更に、ダッシュスイッチがオンとされたときに選択されているトルクマップにおけるモータの定格出力を超えて出力することにより、運転者の運転上の操作感を向上させている。
特開2001−238306号公報
上述の自動車では、ダッシュスイッチのオンオフに基づいてモータから定格出力を超えて出力したり定格出力の範囲内で出力したりする。モータから定格出力を超えて出力する際にモータトルクが急増しても、このモータトルクの急増は運転者のダッシュスイッチの操作によるから、運転者に予期しないトルクショックを与えることにはならず、運転者の操作感を損なうことはない。一方、モータから定格出力を超えて出力している状態から定格出力の範囲内で出力する状態へ移行する際はモータトルクの急減が生じるが、このモータトルクの急減が運転者のダッシュスイッチのオフによるものであれば、運転者に予期しないトルクショックを与えることにはならないが、運転者のダッシュスイッチのオフによるものではないとき、例えば、定格出力を超える出力を開始してから許容される時間が経過したときなどには、運転者に予期しないトルクショックを与えることになり、運転者の操作感を悪化してしまう。また、こうしたスイッチのオンオフをアクセル操作量に基づいて行なうときにはスイッチのオンオフが微妙なアクセル操作量ではハンチングを起こしてしまう場合が生じる。
本発明の自動車およびその制御方法は、走行用の動力を急増させたり戻したりする際の運転者の操作感の悪化を抑制することを目的の一つとする。また、本発明の自動車およびその制御方法は、走行用の動力を急増させたり戻したりする切り替えにハンチングが生じないようにすることを目的の一つとする。
本発明の自動車およびその制御方法は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の自動車は、
走行用の動力を出力する動力出力手段と、
運転者のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
前記検出されたアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限として該検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記検出されたアクセル操作量が前記第1のアクセル操作量に至った以降は該検出されたアクセル操作量が該第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは該検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する制御用アクセル開度設定手段と、
前記設定された制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の自動車では、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限としてアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、アクセル操作量が第1のアクセル操作量に至った以降はアクセル操作量が第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまではアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する。そして、設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう走行用の動力を出力する動力出力手段を制御する。即ち、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは、アクセル操作量に対応するアクセル開度が制限アクセル開度以下のときにはアクセル開度を用いて走行用の動力を出力し、アクセル操作量に対応するアクセル開度が制限アクセル開度を超えるときには制限アクセル開度を用いて走行用の動力を出力する。そして、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至った以降はアクセル操作量がこの第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは、制限アクセル開度による制限を受けることなく、アクセル操作量に対応するアクセル開度を用いて走行用の動力を出力する。このように、制限アクセル開度による制限を受ける制御用アクセル開度の設定と、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定との切り替えを第1のアクセル操作量と第2のアクセル操作量とを用いてヒステリシスを持たせて行なうから、ハンチングが生じるのを抑制することができる。この結果、運転者の操作感が悪化するのを抑制することができる。
本発明の第2の自動車は、
走行用の動力を出力する動力出力手段と、
運転者のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至ったときにオンし、該オンの状態で運転者のアクセル操作量が前記第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回ったときにオフするオンオフスイッチと、
前記オンオフスイッチがオフのときには制限アクセル開度を上限として前記検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記オンオフスイッチがオンのときには前記検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する制御用アクセル開度設定手段と、
前記設定された制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の自動車では、オンオフスイッチが運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至ってオンするまでは、制限アクセル開度を上限として運転者のアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、この設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう走行用の動力を出力する動力出力手段を制御する。オンオフスイッチが運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至ってオンしたときには、オンオフスイッチがオンの状態で運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回ってオフするまでは、アクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、この設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう動力出力手段を制御する。このように、制限アクセル開度による制限を受ける制御用アクセル開度の設定と、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定との切り替えを第1のアクセル操作量と第2のアクセル操作量とを用いてヒステリシスを持たせて行なうから、ハンチングが生じるのを抑制することができる。この結果、運転者の操作感が悪化するのを抑制することができる。
こうした本発明の第1または第2の自動車において、前記第1のアクセル操作量は、100%を超えるアクセル開度に対応するアクセル操作量であるものとすることもできる。こうすれば、運転者が出力可能な大きなトルクを要求しているのを反映することができる。
また、本発明の第1または第2の自動車において、前記第2のアクセル操作量は、前記制限アクセル開度に対応するアクセル操作量であるものとすることもできる。こうすれば、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定から制限アクセル開度による制限を受ける制御用アクセル開度の設定への移行の際に制御用アクセル開度の急変は生じないものとすることができる。この結果、こうした移行の際にトルクが急減することによる運転者の操作感の悪化を抑制することができる。
さらに、本発明の第1または第2の自動車において、車速を検出する車速検出手段と、前記検出された車速に基づいて前記制限アクセル開度を設定する制限アクセル開度設定手段と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、制限アクセル開度を車速に応じたものとすることができる。
この車速に応じて制限アクセル開度を設定する態様の本発明の第1または第2の自動車において、前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の低車速未満のときには車速が小さいほど制限されなくなる傾向に制限アクセル開度を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、低車速におけるアクセル開度の制限が小さくなるから、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定に移行しなくても登坂路の発進や低速走行を余裕をもって行なうことができる。
また、車速に応じて制限アクセル開度を設定する態様の本発明の第1または第2の自動車において、前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の高車速以上のときには車速が大きいほど制限されなくなる傾向に制限アクセル開度を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、高車速におけるアクセル開度の制限が小さくなるから、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定に移行しなくても高車速で走行することができる。
さらに、車速に応じて制限アクセル開度を設定する態様の本発明の第1または第2の自動車において、前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の低車速以上で所定の高車速未満のときには、所定のアクセル開度を制限アクセル開度として設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば所定の低車速以上で所定の高車速未満のいわゆる中間車速での走行時におけるアクセル開度の制限を一定のものとし、制御を容易なものとすることができる。
本発明の第1または第2の自動車において、前記動力出力手段は、走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、を備える手段であるものとすることもできる。こうすれば、内燃機関の高回転領域での運転を抑制することができる。
本発明の自動車の制御方法は、
走行用の動力を出力する動力出力手段を備える自動車の制御方法であって、
(a)運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限として該アクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記アクセル操作量が前記第1のアクセル操作量に至った以降は該アクセル操作量が該第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは該アクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、
(b)前記設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する、
ことを要旨とする。
この本発明の自動車の制御方法では、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限としてアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、アクセル操作量が第1のアクセル操作量に至った以降はアクセル操作量が第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまではアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する。そして、設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう走行用の動力を出力する動力出力手段を制御する。即ち、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは、アクセル操作量に対応するアクセル開度が制限アクセル開度以下のときにはアクセル開度を用いて走行用の動力を出力し、アクセル操作量に対応するアクセル開度が制限アクセル開度を超えるときには制限アクセル開度を用いて走行用の動力を出力する。そして、運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至った以降はアクセル操作量がこの第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは、制限アクセル開度による制限を受けることなく、アクセル操作量に対応するアクセル開度を用いて走行用の動力を出力する。このように、制限アクセル開度による制限を受ける制御用アクセル開度の設定と、制限アクセル開度による制限を受けない制御用アクセル開度の設定との切り替えを第1のアクセル操作量と第2のアクセル操作量とを用いてヒステリシスを持たせて行なうから、ハンチングが生じるのを抑制することができる。この結果、運転者の操作感が悪化するのを抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例である動力出力装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、動力出力装置全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば,バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、バッテリECU52では、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)も演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Ausr,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Ausrと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転者によるアクセルペダル83の踏み込みに対して制御用のアクセル開度Accを設定して駆動するの際の動作について説明する。図2は、ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるアクセル開度設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図3は、設定された制御用アクセル開度Accを用いて駆動制御する際にハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらのルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。以下に、まず、アクセル開度設定処理について説明し、その後、駆動制御について説明する。
アクセル開度設定処理ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Ausrと車速センサ88からの車速Vなど制御用アクセル開度Accを設定するために必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度AusrをキックダウンスイッチSWkをオンとする閾値AonやキックダウンスイッチSWkをオフとする閾値Aoffと比較すると共にキックダウンスイッチSWkのオンオフを調べる(ステップS110)。ここで、キックダウンスイッチSWkは、オンとしたときにはアクセル開度が大きい領域で運転者のアクセルペダル83の踏み込みに応じたアクセル開度を用いて大きなトルクが出力されるようエンジン22や二つのモータMG1,MG2を制御し、オフしたときにはアクセル開度が大きい領域で運転者のアクセルペダル83の踏み込みに応じたアクセル開度を制限アクセル開度で制限した開度に対応するトルクが出力されるようエンジン22や二つのモータMG1,MG2を制御するためのスイッチであり、実施例では、アクセル開度Ausrが閾値Aon以上に至ったときにオン(値1)となり、オン(値1)の状態でアクセル開度Ausrが閾値Aoffを下回ったときにオフ(値0)となる、ソフトスイッチとして構成するものとした。実施例では、閾値Aonとしてはアクセル開度Ausrが100%を超える開度、例えば、110%や120%を用い、閾値Aoffとしてはアクセル開度Ausrが100%未満の開度、例えば、80%や85%を用いた。
アクセル開度Ausrが閾値Aon未満でキックダウンスイッチSWkがオフ(値0)のときには、所定アクセル開度Asetに車速Vに基づく係数(図2中ではf(V)と表示し、以下、制限係数という)kaを乗じた値として制限アクセル開度Alimを設定し(ステップS130)、入力したアクセル開度Ausrを設定した制限アクセル開度Alimで制限して制御用アクセル開度Accを設定し(ステップS140)、本ルーチンを終了する。ここで、所定アクセル開度Asetは、実施例では、100%のアクセル開度を用いたが90%や95%のアクセル開度を用いるものとしてもよい。また、制限係数kaは、図4に例示するように、実施例では、車速Vが比較的低車速Vlow(例えば20km/hなど)以下の低車速領域では車速Vが小さいほど値1.0に近づくように且つ車速Vが値0近傍では値1.0となるように設定され、車速Vが比較的高車速Vhi(例えば200km/hなど)以上の高車速領域では車速Vが大きいほど値1.0に近づくように且つ車速Vが最高速近傍では値1.0となるように設定され、車速Vが低車速Vlowから高車速Vhiまでの中間車速領域では車速Vに拘わらず所定値(図4では値0.8)に設定される。したがって、所定アクセル開度Asetに制限係数kaを乗じた制限アクセル開度Alimは、車速Vが低車速Vlow以下の低車速領域や高車速Vhi以上の高車速領域ではアクセル開度Ausrに近い値が設定され、中間車速領域ではアクセル開度Ausrに所定係数を乗じた一定の開度が設定される。車速Vが低車速Vlow以下の低車速領域で制限アクセル開度Alimをアクセル開度Ausrに近づけるのは、低車速Vlow以下での走行、特に発進時に運転者がアクセルペダル83を踏み込んでアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変するのを抑制するためである。また、車速Vが高車速Vhi以上の高車速領域で制限アクセル開度Alimをアクセル開度Ausrに近づけるのは、最高速近傍で走行するときには大きなパワーが必要となり、アクセル開度Ausrを大きく制限することによって十分なパワーを出力することができなくなるのを抑制するためであり、さらに、最高速近傍でアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変するのを抑制するためである。逆に車速Vが中間車速領域のときに制限アクセル開度Alimをアクセル開度Ausrに対してある程度の差を持つようにするのは、運転者がアクセルペダル83を大きく踏み込んでアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変することにより、運転者にキックダウンの感覚を与えるためである。
アクセル開度Ausrが閾値Aon以上のときやアクセル開度Ausrが閾値Aon未満であってもアクセル開度Ausrが閾値Aoff以上で且つキックダウンスイッチSWkがオン(値1)のときには、キックダウンスイッチSWkをオン(値1)とすると共に(ステップS150)、アクセル開度Ausrを100%で制限した開度を制御用アクセル開度Accとして設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。したがって、制御用アクセル開度Accは、アクセル開度Ausrが100%に至るまでアクセル開度Ausrがそのまま用いられることになる。なお、実施例の駆動制御では100%までのアクセル開度に対して制御を行なうから、100%を超えるアクセル開度は意味をなさないものとなる。
アクセル開度Ausrが閾値Aoff未満でキックダウンスイッチSWkがオン(値1)のときには、キックダウンスイッチSWkをオフ(値0)とすると共に(ステップS120)、所定アクセル開度Asetに制限係数kaを乗じて制限アクセル開度Alimを設定し(ステップS130)、入力したアクセル開度Ausrを設定した制限アクセル開度Alimで制限することにより制御用アクセル開度Accを設定して(ステップS140)、本ルーチンを終了する。このように、キックダウンスイッチSWkがオン(値1)のときには、アクセル開度Ausrが閾値Aoff未満に至ったときにキックダウンスイッチSWkをオフ(値0)とするから、キックダウンスイッチSWkにヒステリシスを持たせることができ、キックダウンスイッチSWkのオンオフがハンチングするのを抑制することができる。
図5は、アクセル開度設定処理ルーチンによるアクセル開度Ausrと制御用アクセル開度Accとの関係の一例を示す説明図である。図示するように、アクセル開度Ausrが閾値Aonに至るまではアクセル開度Ausrが制限アクセル開度Alimにより制限されて制御用アクセル開度Accとして設定される。アクセル開度Ausrが一旦閾値Aonに至ると、制限アクセル開度Alimの制限無しにアクセル開度Ausrが100%を上限として制御用アクセル開度Accに設定される。このように、キックダウンスイッチSWkのオンオフにヒステリシスを持たせた結果、制御用アクセル開度Accにもヒステリシスを持たせることができる。
次に、こうして設定された制御用アクセル開度Accを用いた駆動制御について説明する。図3の駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセル開度設定処理ルーチンにより設定された制御用アクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS200)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、温度センサ51により検出されたバッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力した制御用アクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS210)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図6に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じることによって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ることによって求めることができる。
続いて、設定した要求パワーPe*に基づいてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する(ステップS220)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図7に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。
次に、設定した目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数Nr(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS230)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図8に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、エンジン22を目標回転数Ne*および目標トルクTe*の運転ポイントで定常運転したときにエンジン22から出力されるトルクTe*がリングギヤ軸32aに伝達されるトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
こうしてモータMG1の目標回転数Nm1*とトルク指令Tm1*とを計算すると、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと計算したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを次式(3)および式(4)により計算すると共に(ステップS240)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクとしての仮モータトルクTm2tmpを式(5)により計算し(ステップS250)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS260)。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力する要求トルクTr*を、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で制限したトルクとして設定することができる。なお、式(5)は、前述した図8の共線図から容易に導き出すことができる。
Tmin=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (5)
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信して(ステップS270)、駆動制御ルーチンを終了する。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における燃料噴射制御や点火制御などの制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
いま、キックダウンスイッチSWkがオフ(値0)のときを考える。このときは、制御用アクセル開度Accは制限アクセル開度Alimで制限されているから、運転者のアクセルペダル83の踏み込み量に応じたアクセル開度Ausrが閾値Aoff以上では制限アクセル開度Alimが制御用アクセル開度Accとして設定され、この制御用アクセル開度Accに基づいて要求トルクTr*や要求パワーPe*が設定される。図9にアクセル開度Ausrが閾値Aoff以上の領域でアクセル開度Ausrにより要求パワーPe*を設定したときと制御用アクセル開度Accにより要求パワーPe*を設定したときのエンジン22の運転ポイントの一例を示す。図中、曲線P1はアクセル開度Ausrにより要求パワーPe*を設定したときのパワーが一定の曲線であり、曲線P2は制御用アクセル開度Accにより要求パワーPe*を設定したときのパワーが一定の曲線である。トルクT1と回転数N1はアクセル開度Ausrにより要求パワーPe*を設定したときにエンジン22の運転ポイント(目標トルクTe*と目標回転数Ne*)であり、トルクT2と回転数N2は制御用アクセル開度Accにより要求パワーPe*を設定したときのエンジン22の運転ポイントである。図示するように、制御用アクセル開度Accにより要求パワーPe*を設定したとき方がエンジン22の運転ポイントにおける回転数は小さくなる。キックダウンスイッチSWkがオフ(値0)のときは、運転者は急加速を望んでいないから、アクセル開度Ausrを制限アクセル開度Alimで制限して制御用アクセル開度Accを設定して駆動制御することにより、エンジン22の回転数Neが高回転にならないようにして運転者の操作感を良好なものにしている。
なお、キックダウンスイッチSWkがオン(値1)のときには、制御用アクセル開度Accには制限アクセル開度Alimによる制限無しにアクセル開度Ausrが設定されるから、アクセル開度Ausrに基づいて要求トルクTr*や要求パワーPe*が設定される。したがって、アクセル開度Ausrが大きいときには大きな制御用アクセル開度Accにより要求トルクTr*や要求パワーPe*が設定されることになり、大きなパワーを用いて走行することができる。特に中間車速領域では、制限アクセル開度Alimを100%のアクセル開度に対してある程度の差を持つようにすることにより、運転者がアクセルペダル83を大きく踏み込んでアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーを急増させてキックダウンの感覚を運転者に与えることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、運転者のアクセルペダル83の踏み込みに応じたアクセル開度Ausrに対して大きな開度領域でヒステリシスをもってキックダウンスイッチSWkをオンオフして制御用アクセル開度Accを設定し、この制御用アクセル開度Accを用いて走行用の駆動制御を行なうから、キックダウンスイッチSWkのオンオフがハンチングするのを抑制することができ、キックダウンスイッチSWkのオンオフによる予期しないトルク変化によって運転者に違和感を生じさせるのを抑制することができる。この結果、運転者の操作感を良好なものとすることができる。しかも、キックダウンスイッチSWkがオフ(値0)のときに制御用アクセル開度Accを設定する際に用いる制限アクセル開度Alimを車速Vに応じたものとするから、運転者の操作感を良好なものとすることができる。即ち、車速Vが低車速Vlow以下の低車速領域では、車速Vが小さいほど制御用アクセル開度Accがアクセル開度Ausrに近づくように制限アクセル開度Alimを設定することにより、低車速Vlow以下での走行や発進時に運転者がアクセルペダル83を踏み込んでアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変するのを抑制することができ、低車速領域における運転者の操作感を良好なものとすることができる。また、車速Vが比較的高車速Vhi以上の高車速領域では車速Vが大きいほど制御用アクセル開度Accがアクセル開度Ausrに近づくように制限アクセル開度Alimを設定することにより、最高車速近傍で走行するときのパワー不足を抑制することができると共に最高車速近傍でアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変するのを抑制することができ、高車速領域における運転者の操作感を良好なものとすることができる。もとより、車速Vが中間車速領域では、制限アクセル開度Alimを100%のアクセル開度に対してある程度の差を持つようにすることにより、運転者がアクセルペダル83を大きく踏み込んでアクセル開度Ausrが閾値Aonに至ったときに走行用のパワーが急変することによるキックダウンの感覚を運転者に与えることができ、中間車速領域における運転者の操作感を良好なものとすることができる。さらに、車速Vが中間車速領域で制限アクセル開度Alimを100%のアクセル開度に対してある程度の差を持つようにすることにより、エンジン22の目標回転数Ne*を低回転側に抑え、エンジン22が高回転で運転するのを抑制することができ、予期しない高回転でエンジン22が運転されることにより生じる運転者の違和感を抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、所定アクセル開度Asetに車速Vに応じた制限係数kaを乗じて制限アクセル開度Alimを設定するものとしたが、車速Vに拘わらず、一定のアクセル開度を制限アクセル開度Alimとするものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、キックダウンスイッチSWkをソフトスイッチとして構成したが、キックダウンスイッチSWkをハードスイッチを用いて構成するものとしてもよい。例えば、アクセルペダル83の背面にスイッチを設け、アクセルペダル83が大きく踏み込まれてスイッチに押圧力が作用したときにオンとなり、アクセル開度Ausrが閾値Aoff未満に至ったときにオフとするものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、ハイブリッド自動車20として説明したが、アクセルペダル83の踏み込みと走行用のパワーとを独立に行なうことができる自動車であれば、ハイブリッド自動車に限定されるものではなく、モータを搭載せずにエンジンからの動力だけで走行するエンジン自動車やエンジンを搭載せずにモータの動力だけで走行する電気自動車、燃料電池とモータとを搭載してモータからの動力により走行する燃料電池車など、種々のタイプの自動車に適用することができる。
以上、本発明の実施の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるアクセル開度設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 車速Vと制限係数kaとの関係の一例を示す説明図である。 アクセル開度Ausrと制御用アクセル開度Accとの関係の一例を示す説明図である。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*および目標トルクTe*を設定する様子を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を示す説明図である。 アクセル開度Ausrが閾値Aoff以上の領域でアクセル開度Ausrにより要求パワーPe*を設定したときと制御用アクセル開度Accにより要求パワーPe*を設定したときのエンジン22の運転ポイントの一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (10)

  1. 走行用の動力を出力する動力出力手段と、
    運転者のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    前記検出されたアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限として該検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記検出されたアクセル操作量が前記第1のアクセル操作量に至った以降は該検出されたアクセル操作量が該第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは該検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する制御用アクセル開度設定手段と、
    前記設定された制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する制御手段と、
    を備える自動車。
  2. 走行用の動力を出力する動力出力手段と、
    運転者のアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段と、
    運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至ったときにオンし、該オンの状態で運転者のアクセル操作量が前記第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回ったときにオフするオンオフスイッチと、
    前記オンオフスイッチがオフのときには制限アクセル開度を上限として前記検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記オンオフスイッチがオンのときには前記検出されたアクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定する制御用アクセル開度設定手段と、
    前記設定された制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する制御手段と、
    を備える自動車。
  3. 前記第1のアクセル操作量は、100%を超えるアクセル開度に対応するアクセル操作量である請求項1または2記載の自動車。
  4. 前記第2のアクセル操作量は、前記制限アクセル開度に対応するアクセル操作量である請求項3記載の自動車。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の自動車であって、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記検出された車速に基づいて前記制限アクセル開度を設定する制限アクセル開度設定手段と、
    を備える自動車。
  6. 前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の低車速未満のときには車速が小さいほど制限されなくなる傾向に制限アクセル開度を設定する手段である請求項5記載の自動車。
  7. 前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の高車速以上のときには車速が大きいほど制限されなくなる傾向に制限アクセル開度を設定する手段である請求項5または6記載の自動車。
  8. 前記制限アクセル開度設定手段は、前記検出された車速が所定の低車速以上で所定の高車速未満のときには、所定のアクセル開度を制限アクセル開度として設定する手段である請求項5ないし7いずれか記載の自動車。
  9. 前記動力出力手段は、走行用の動力を出力可能な内燃機関と、走行用の動力を出力可能な電動機と、を備える手段である請求項1ないし8いずれか記載の自動車。
  10. 走行用の動力を出力する動力出力手段を備える自動車の制御方法であって、
    (a)運転者のアクセル操作量が第1のアクセル操作量に至るまでは制限アクセル開度を上限として該アクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、前記アクセル操作量が前記第1のアクセル操作量に至った以降は該アクセル操作量が該第1のアクセル操作量より小さな第2のアクセル操作量を下回るまでは該アクセル操作量に対応するアクセル開度を制御用アクセル開度として設定し、
    (b)前記設定した制御用アクセル開度に基づく動力が走行用の動力として出力されるよう前記動力出力手段を制御する、
    自動車の制御方法。
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