JP4254625B2 - 車両用電源装置 - Google Patents
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Description
この蓄電器としてはリチウムイオン電池や鉛電池のような充放電可能な化学電池(以下、バッテリという)が用いられる場合が一般的であるが、近年、このような一般的なバッテリに換えて、もしくはこのようなバッテリに加えて、電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」)が用いられる技術が開発されている。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、装置中に設けられた蓄電器を確実かつ効率よく充電しながら、車載電装機器へ電力を確実に供給することができる、車両用電源装置を提供することを目的とする。
また、本発明の車両用電源装置(請求項3)は、車両に搭載された電装機器に対して電力を供給する、車両用電源装置であって、満充電時の電圧が第1電圧である第1の蓄電器と、該第1の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧よりも低い第2電圧の電力を発電するオルタネータと、該第1の蓄電器および該オルタネータと並列に接続され、該オルタネータから該第2電圧で出力される実電圧を該第1電圧へ昇圧した後に該1の蓄電池に並列印加し第1の蓄電器を充電する昇圧トランスと、該オルタネータおよび昇圧トランスに接続され、該オルタネータおよび該昇圧トランスを制御する制御ユニットとから構成され、該制御ユニットは、該車両の減速を判定する減速判定手段と、該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該オルタネータを作動させる回生発電制御手段と、該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該昇圧トランスを作動させ、該第1の蓄電器に対して充電を行なう昇圧制御手段とから構成されていることを特徴としている。
また、本発明の車両用電源装置(請求項5)は、車両に搭載された電装機器に対して電力を供給する、車両用電源装置であって、満充電時の電圧が第1電圧である第1の蓄電器と、該第1の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧または該第1電圧よりも低い第2電圧の電力を発電可能な可変電圧オルタネータと、該可変電圧オルタネータに接続され、該可変電圧オルタネータを制御する制御ユニットとから構成され、該制御ユニットは、該車両の減速を判定する減速判定手段と、該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該可変電圧オルタネータを第1電圧で発電するように作動させる回生発電制御手段とから構成されており、該可変電圧オルタネータに対して並列に接続され、該第2電圧で電力を蓄える第2の蓄電器を備えるとともに、該制御ユニットは、該第1の蓄電器及び該第2の蓄電器の実電圧を測定する電圧測定手段と、該電圧測定手段により測定された該第1の蓄電器及び該第2の蓄電器の実電圧を比較する電圧差比較手段と、該電圧差比較手段により、該第1の蓄電器の実電圧が該第2の蓄電器の実電圧よりも低くなったことが判定されると、該可変電圧オルタネータを作動させる充電制御手段とを有していることを特徴としている。
また、充電制御手段が、第1の蓄電器からの実電圧が第2の蓄電器からの実電圧よりも低くなった場合に、昇圧トランスによって第2の蓄電器から出力される実電圧を第1電圧へ昇圧して1の蓄電池に並列印加するようになっているので、ドライバが特に第1の蓄電器の蓄電量に留意せずとも、適宜自動的に第1の蓄電器の蓄電量を満充電に近い状態で保つことができる(請求項4)。
また、第1の蓄電器としてキャパシタを適用するとともに、第2の蓄電器として充放電可能な化学電池を適用することによって、短時間の間に高圧電力を大量に出力することが可能であるというキャパシタの利点と、大量の電力を安定して継続的に出力することが可能であるという化学電池の利点との双方を得ることができる(請求項6)。
この車両用電源装置10は、車両に搭載された電装機器に対して電力を供給するものであって、キャパシタ(第1の蓄電器)11,バッテリ(第2の蓄電器)12,昇圧トランス(電圧生成手段)40,オルタネータ(発電機)50,ECU(制御ユニット)30とから主に構成されている。なお、本実施形態においては、電装機器として図示しないエンジンを始動させるスタータモータ(モータ)16が適用されている。
また、昇圧トランス40は、キャパシタ11に対して並列に接続され、バッテリ12から出力された電圧を、電磁誘導起電力を用いて18.4Vの第1電圧へ昇圧し、その後、この第1電圧をキャパシタ11に対して並列に印加するものである。この昇圧トランス40は既に公知の技術であるので詳しい説明は省略するが、電磁誘導起電力を生じさせるための1次コイル,鉄芯および2次コイルなど(いずれも図示略)が内蔵されている。
また、ダイオード28がバッテリ12に対して直列に接続されている。そして、スタータモータ16の消費電力が大きいために、キャパシタ11電圧がバッテリ電圧を下回ってしまうような場合(即ち、キャパシタ電圧<バッテリ電圧となる場合)には、昇圧トランスの抵抗がダイオード28より大きいためバッテリ電流はダイオード側を流れ、バッテリ12よりスタータモータ16へ電力が供給されるようになっている。
また、ECU30は、キャパシタ11,バッテリ12,昇圧トランス40,オルタネータ50に接続され、適宜、昇圧トランス40およびオルタネータ50を制御できるようになっている。
また、電圧比較部32は、電圧センサ31によって測定されたキャパシタ電圧およびバッテリ電圧の測定結果を比較するものである。
また、発電制御部33は、オルタネータ50を制御するものであって、具体的には、通常はオルタネータ50がエンジンによって駆動されて発電を行なうように制御し、一方、制動時におけるオルタネータ50の回生発電も制御するものである。なお、車両の減速の有無については後述する制動検出部35によって検出されるようになっている。
本実施形態に係る本発明の車両用電源装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。
ここで、d点電圧の方がb点電圧よりも大きい(即ち、キャパシタ電圧>バッテリ電圧)と判定された場合には、キャパシタ11の蓄電量が十分であるため、その後、リレースイッチ27がオンとなるとキャパシタ11からスタータモータ16へ給電が行なわれ、スタータモータ16が作動する(ステップS12〜S14)。
さらに、電圧比較部32により、バッテリ12に対して充電が必要であるか否かが判定され、ここで、バッテリ12の蓄電量が十分でありバッテリ12への充電は不要であると判定された場合には、昇圧制御部34が昇圧トランス40を作動させ、バッテリ12から出力された14.4Vの第1電圧を18.4Vの第2電圧へ昇圧する。そして、この昇圧された電力がキャパシタ11へ入力されてキャパシタ11が充電される(ステップS21,S23およびS24)。
一方、キャパシタ11の充電が完了していない場合には、昇圧制御部34が引き続き昇圧トランス40を作動させ、スタータモータ16へは昇圧トランス40から電力が供給されて、スタータモータ16が作動する(ステップS26,S27およびS14)。
また、キャパシタ11電圧がバッテリ12電圧よりも低くなった場合に、昇圧トランス40によってバッテリ電圧を18.4Vの第1電圧へ昇圧してキャパシタ11に並列印加するようになっているので、ドライバが特にキャパシタ11の蓄電量に留意せずとも、適宜自動的にキャパシタ11の蓄電量を満充電に近い状態で保つことができる。
また、オルタネータ50が、車両の制動時に回生発電するので、余分な運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができ、さらなる高効率化を促進することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る車両用電源装置について説明すると、図3はその構成を示す模式的な回路図、図4はその動作(作用)を示すフローチャートである。なお、本実施形態に係る車両用電源装置60と上述した第1実施形態に係る車両用電源装置10とで異なる点は、本実施形態の電源装置60には昇圧トランス40が設けられていない点、オルタネータ62が発電電圧を可変とすることができる可変電圧オルタネータである点、ECU61内に昇圧制御部34が設けられていない点、ECU61内の発電制御部64が充電制御手段および回生制御手段として機能する点、バッテリ63が過電圧入力防止機能付のバッテリである点であって、その他、上述の第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を省略し、上述の相違点に重点を置いて説明する。
また、この車両用電源装置60には、第1実施形態を説明する際に用いた図1に示す昇圧トランス40が設けられていないが、この昇圧トランス40に代えて可変電圧オルタネータ63が設けられ、昇圧トランス40による機能を代替できるようになっている。
また、このオルタネータ62が18.4Vの第2電圧で発電を行なう場合には、バッテリ63に対しても18.4Vの電圧が入力されることとなるが、バッテリ63には過電圧入力防止機能が付加されているため、バッテリ63が破損するようなことはないようになっている。
また、発電制御部64は、オルタネータ62を制御するものであって、具体的には、通常はオルタネータ62がエンジンによって駆動されて発電を行なうように制御し、一方、車両が減速走行中であると判断した場合にはオルタネータ62を回生発電するように制御するものである。なお、車両が減速したか否かの判定は、制動検出部35によって行なわれるようになっている。
ここで、通常電圧モードとは、14.4Vの第2電圧で発電するようにオルタネータ62を制御するモードであり、一方、高電圧モードとは、18.4Vの第1電圧で発電するようにオルタネータ62を制御するモードである。
また、制動検出部35によって車両の減速が判定された場合、この発電制御部64は、オルタネータ62を第1電圧(18.4V)で回生発電するように作動させるようになっている。なお、キャパシタ11が既に満充電状態である場合には、オルタネータ62を第2電圧(14.4V)で回生発電するように作動させてもよく、これにより、余分な運動エネルギーを電力に変換してキャパシタ11またはバッテリ63へ蓄えることで回収することが可能となり、省エネルギー化を促進することができるようになっている。
図4のフローチャートで示すように、まず、ステップS30においては、制動検出部35により車両が減速走行中であるか否かが判定され、ここで、減速走行中であると判定されれば余分な運動エネルギーを電力として回収すべく、オルタネータ62を高電圧モードで回生発電させ、得られた電力によってキャパシタ11を充電する(ステップS41およびS42)。
ここで、d点電圧の方がb点電圧よりも大きい(即ち、キャパシタ電圧>バッテリ電圧である)と判定された場合には、キャパシタ11の蓄電量が十分であるため、その後、リレースイッチ27がオンとなるとキャパシタ11からスタータモータ16へ給電が行なわれてスタータモータ16が作動する(ステップS32〜S34)。
そこで、発電制御部64により、エンジンにより駆動されたオルタネータ62が高電圧モードで制御され、オルタネータ62からは18.4Vの第1電圧の電力が発電されキャパシタ11が充電される(ステップS41〜S43)。
一方、キャパシタ11の充電が完了していない場合には、発電制御部64がオルタネータ62を引き続き高電圧モードで制御し、スタータモータ16へは18.4Vの第1電圧の電力を発電しているオルタネータ62から給電が行なわれ、スタータモータ16が作動する(ステップS43〜S45およびS34)。
また、オルタネータ62がエンジンによって駆動され、14.4Vの第2電圧を出力することができるので、バッテリ63を適切に充電することができる。
また、キャパシタ電圧がバッテリ電圧よりも低くなった場合に、オルタネータ62が18.4Vの第1電圧で発電させるようにすることで、自動的にキャパシタ11の蓄電量を満充電に近い状態で保つことができる。
また、オルタネータ62が、車両の制動時に回生発電するので、不要となった運動エネルギーを電気エネルギーとして回収することができるので、さらなる高効率化を促進することができる。
以上、本発明の第1および第2実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
11 キャパシタ(第1の蓄電器)
12,63 バッテリ(化学電池;第2の蓄電器)
16 スタータモータ(電装機器)
30,61 制御ユニット(ECU)
31 電圧センサ(電圧測定手段)
32 電圧比較部(電圧比較手段)
33 発電制御部(回生制御手段)
34 昇圧制御部(昇圧制御手段)
35 制動検出部(減速判定手段)
40 昇圧トランス(電圧生成手段)
50 オルタネータ
62 可変電圧オルタネータ(電圧生成手段)
64 発電制御部(充電制御手段または回生制御手段)
Claims (6)
- 車両に搭載された電装機器に対して電力を供給する、車両用電源装置であって、
満充電時の電圧が第1電圧である第1の蓄電器と、
該第1の蓄電器と並列に接続され、満充電時の電圧が該第1電圧よりも低い第2電圧である第2の蓄電器と、
該第1の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧で該第1の蓄電器を充電する電圧生成手段と、
該第1の蓄電器,該第2の蓄電器および電圧生成手段に接続され、該電圧生成手段を制御する制御ユニットとから構成され、
該制御ユニットは、
該第1の蓄電器および該第2の蓄電器の実電圧を測定する電圧測定手段と、
該電圧測定手段によって測定された該第1の蓄電器および該第2の蓄電器の実電圧を比較する電圧比較手段と、
該電圧比較手段による比較結果に基づいて該電圧生成手段を作動させ、該第1の蓄電器に対して充電を行なう充電制御手段とから構成されており、
該電圧生成手段は、
該第2の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧または該第2電圧を発電可能な可変電圧オルタネータであって、
該充電制御手段は、
該第1の蓄電器からの実電圧が該第2の蓄電器からの実電圧よりも低くなると、該第1電圧を発電するように該可変電圧オルタネータを作動させる発電制御手段である
ことを特徴とする、車両用電源装置。 - 該制御ユニットは、
該車両の減速を判定する減速判定手段と、
該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該可変電圧オルタネータを作動させる回生発電制御手段とを有している
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用電源装置。 - 車両に搭載された電装機器に対して電力を供給する、車両用電源装置であって、
満充電時の電圧が第1電圧である第1の蓄電器と、
該第1の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧よりも低い第2電圧の電力を発電するオルタネータと、
該第1の蓄電器および該オルタネータと並列に接続され、該オルタネータから該第2電圧で出力される実電圧を該第1電圧へ昇圧した後に該1の蓄電池に並列印加し第1の蓄電器を充電する昇圧トランスと、
該オルタネータおよび昇圧トランスに接続され、該オルタネータおよび該昇圧トランスを制御する制御ユニットとから構成され、
該制御ユニットは、
該車両の減速を判定する減速判定手段と、
該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該オルタネータを作動させる回生発電制御手段と、
該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該昇圧トランスを作動させ、該第1の蓄電器に対して充電を行なう昇圧制御手段とから構成されている
ことを特徴とする、車両用電源装置。 - 該オルタネータおよび該昇圧トランスに対して並列に接続され、該第2電圧で電力を蓄える第2の蓄電器をそなえるとともに、
該制御ユニットは、
該第1の蓄電器および該第2の蓄電器の実電圧を測定する電圧測定手段と、
該電圧測定手段によって測定された該第1の蓄電器および該第2の蓄電器の実電圧を比較する電圧比較手段をそなえ、
該昇圧制御手段は、
該電圧比較手段により、該第1の蓄電器の実電圧が該第2の蓄電器の実電圧よりも低くなったことが判定されると、該昇圧トランスを作動させる
ことを特徴とする、請求項3記載の車両用電源装置。 - 車両に搭載された電装機器に対して電力を供給する、車両用電源装置であって、
満充電時の電圧が第1電圧である第1の蓄電器と、
該第1の蓄電器と並列に接続され、該第1電圧または該第1電圧よりも低い第2電圧の電力を発電可能な可変電圧オルタネータと、
該可変電圧オルタネータに接続され、該可変電圧オルタネータを制御する制御ユニットとから構成され、
該制御ユニットは、
該車両の減速を判定する減速判定手段と、
該減速判定手段により、該車両の減速が判定されると該可変電圧オルタネータを第1電圧で発電するように作動させる回生発電制御手段とから構成されており、
該可変電圧オルタネータに対して並列に接続され、該第2電圧で電力を蓄える第2の蓄電器を備えるとともに、
該制御ユニットは、
該第1の蓄電器及び該第2の蓄電器の実電圧を測定する電圧測定手段と、
該電圧測定手段により測定された該第1の蓄電器及び該第2の蓄電器の実電圧を比較する電圧差比較手段と、
該電圧差比較手段により、該第1の蓄電器の実電圧が該第2の蓄電器の実電圧よりも低くなったことが判定されると、該可変電圧オルタネータを作動させる充電制御手段とを有している
ことを特徴とする、車両用電源装置。 - 該第1の蓄電器が、キャパシタであって、
該第2の蓄電器が、充放電可能な化学電池である
ことを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか1項記載の車両用電源装置。
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