JP5819021B1 - 電気自動車の駆動用電源装置 - Google Patents
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Abstract
Description
キャパシタを用いて回生電力を活用する方法は、これまでに様々な提案がなされている。
例えば、アクセルセンサから加速時であることを検知したら、先ず電気二重層コンデンサから給電し、昇圧してもバッテリ電圧よりも電圧が低下した場合は、バッテリから給電し、ブレーキセンサから減速時を検知したときは、発電電力をインバータで直流に変換し、変換された直流の電圧が電気二重層コンデンサを充電するのにふさわしい電圧になるようにコンバータで降圧する電気自動車電源制御装置が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法は、路線バスのように短距離区間毎に停車位置のある走行では可能であるが、長距離乃至は長時間走行を継続的に行うことが求められる一般の自動車には適用できない。
そこで、インバータへの直流電流の大きさと方向を検出して加速時か回生時かを判定し、加速時においては、その直流電流が規定電流以下の場合は、コンバータをオフし、規定電流を超える場合には超える分を電気二重層コンデンサから供給するようにコンバータを昇圧制御し、減速時においては、直流電流が規定電流以下の場合にはコンバータをオフし、超える場合は超える分を電気二重層コンデンサに充電するようコンバータを降圧制御する電気自動車電源制御装置が開示されている(特許文献2)。
また、電力変換回路(コンバータ)を常時作動させるのは、電力損失が大きいので、キャパシタの端子電圧が予め定められた範囲内の場合は、電力変換回路を停止してキャパシタの電力で走行し、予め定められた範囲から外れた場合は、電力変換回路を作動させ、キャパシタの端子電圧が予め定められた範囲を上回るときは、キャパシタの電力で2次電池を充電し、下回るときは、2次電池からキャパシタを充電する車両の制御装置が開示されている(特許文献3参照)。
さらに、燃料電池とキャパシタとをモータと並列に接続し、コンバータを介して2次電池を並列に接続し、キャパシタからの放電が燃料電池や2次電池より優先されるように
コンバータによる2次電池の出力電圧を設定し、回生時には、キャパシタへの充電が2次電池よりも優先されるようにコンバータから2次電池への出力電圧を設定した車両用電源装置が開示されている(特許文献4)
一方、人間工学的側面からは、人が意識を集中させたままで、疲労を感じたり、判断ミスを犯さない継続走行の目安は2時間である。従って、走行2乃至3時間毎、あるいは高速道の走行距離300乃至400キロメートル毎に充電できるようインフラストラクチャーを整備し、そのようなインフラストラクチャーに適応した電気自動車駆動用の電源装置を開発すれば、必然的に休憩時間が確保されることになるので、事故のない社会を構築するのに極めて有効な方法であると思われる。
上記事情に鑑み、本発明は、回生電力を蓄える大容量のキャパシタと、その回生電力の一部を蓄電して加速時などに放電する中容量のキャパシタとを区分使用する一方、キャパシタ間の電力移動は、複雑な制御手段によらずに、電動機に負荷電流を供給する給電信号や回生制動を行う回生信号で行うと共に、それぞれのキャパシタに充電する際に昇圧する昇圧回路を兼用して回生電力を余すことなく活用できるほか、キャパシタを活用して外部電源から瞬時に充電可能な電気自動車の駆動用電源装置を提供することを目的とする。
その場合、上記給電信号及び上記回生信号は、何れか一方が生成されるものであって、上記第1スイッチング素子それぞれがオン動作し、上記第2スイッチング素子それぞれがオフ動作したとき、上記昇圧部で昇圧された上記回生電力が上記第1キャパシタに充電され、上記第1スイッチング素子それぞれがオフ動作し、上記第2スイッチング素子それぞれがオン動作したとき、上記第1キャパシタから放電された上記回生電力が上記昇圧部で昇圧されて上記第2キャパシタに充電され、上記第2キャパシタと上記2次電池に充電された電力で上記電動機を駆動することができる。
このように減速時に回生電力を畜電する大容量のキャパシタと走行時に回生電力を給電する中容量のキャパシタとを用意し、電動機の回生制動を制御する回生信号によって昇圧して大容量のキャパシタに充電し、大容量のキャパシタの電圧が2次電池の電圧より低くなっても、昇圧して中容量のキャパシタに移してから電動機の駆動に使用するので、回生電力を余すところなく活用して、大幅に航続距離を伸ばすことができる。また、昇圧は、何れの場合も同一の昇圧手段で昇圧し、昇圧対象の切換えも、スイッチング素子を回生信号と給電信号とで切り換えるだけでよいので、複雑な制御が不要である。なお、ACDC変換部としては、コンバータ、倍圧整流器などが用いられ、そのうちの倍圧整流器は、ダイオードとコンデンサとを用いて低コストで構成することができる。
このようすれば、電動機の界磁巻線に給電する直流電力を制御する給電信号と界磁巻線に生じる交流電力を回生する回生信号を第1スイッチング素子や第2スイッチング素子をオンオフするのにも用いることができるので、大容量の第1キャパシタや中容量の第2キャパシタの充放電を複雑な制御なしで行うことができる。
また、上記昇圧部は、2値を有するパルス信号の何れか一方で動作するスイッチング素子を介して並列に接続され、他方で動作するスイッチング素子を介して直列に接続された複数のコンデンサが充放電を繰り返すことにより、入力された電力の電圧を昇圧して出力することができる。なお、上記昇圧部は、チャージポンプ若しくはインダクタ、あるいはインバータによって構成することができる。
さらに、上記第1キャパシタ又は第2キャパシタの電圧が閾値を超えるときは、上記第1スイッチング素子をオン動作させる上記回生信号又は上記第2スイッチング素子をオン動作させる上記給電信号の入力をバイパスし、該第1キャパシタ又は該第2キャパシタの充電を停止する過電圧制限部を備えることや、上記昇圧部への入力電流が閾値を超えるときは、上記PWM信号のデューティ比を低下させる過電流信号を出力する過電流制限部を備えることもできる。
このように保護回路を設ければ、過電圧や過電流は制限される一方、放電によって低電圧になっても第1キャパシタの電力を昇圧して余すところなく第2キャパシタに充電することができる。
また、上記第1キャパシタは、第2キャパシタと合わせて、自動車が発進して加速するのに必要なエネルギーを蓄える容量を有すること、すなわち回生制動によって発生するエネルギーよりも大きいエネルギーを蓄えることができるように、上記2次電池に蓄えられるエネルギーの少なくとも二分の一を蓄える容量を有することが好ましい。
さらに、2次電池の端子間電圧を監視し、該電圧を一定値以下に抑制する電圧監視手段と、外部電源を上記第1キャパシタ及び上記第2キャパシタそれぞれに接続する接続手段とを有する充電制御部を備え、上記充電制御部は、上記電圧監視手段により監視電圧が一定値未満の場合には、上記第2キャパシタに充電された電力を上記2次電池に充電することが好ましい。
自動車の保有する走行エネルギーの走行による損失分は2次電池から補充されるので、その損失分は、外部から充電する必要がある。従って、大容量、中容量のキャパシタを2次電池と並列に接続し、それらに外部から充電することにすれば、2次電池を満充電するに足る電力がそれぞれキャパシタに瞬時に充電されるので、走行時等にそれらのキャパシタから2次電池に徐々に充電することにすれば、外部からの充電時間を短縮することができる。その場合、電圧監視手段を備えれば、2次電池に過電圧が加わる恐れがない。
図1は、本実施形態の駆動用電源装置を示す図である。
図1に示す駆動用電源装置1は、2次電池16と2個のキャパシタ19,20を備え、電気自動車の駆動部(40、50、60)に走行用の直流電力を供給し、減速した時に生じる交流電力を整流した回生電力を第1キャパシタ19に充電し、それを昇圧して第2キャパシタ20に移し、走行用に活用する電源装置である。
駆動部(40、50、60)は、回転子の周囲に配置された複数の磁極それぞれに界磁巻線41が巻回された電動機本体40と、その界磁巻線41に給電する直流電力の大きさ(通電時間)と方向を決定する給電信号30及び電動機本体40から回生する回生電力の大きさ(通電時間)を決定する回生信号35を生成する制御信号生成部60と、給電信号30によってオンオフする4つのスイッチング素子(A,B,C,D)により界磁巻線41に通電する直流電力の通電方向と通電時間とを制御する給電制御部50とを備えている。
給電信号30は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値を超える場合のその所定値を超える力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であり、回転子の回転位置に応じて正極性の信号と負極性の信号とが生成され、信号の極性によって界磁巻線41に通電する直流電力の通電方向が決まり、信号のパルス幅によって給電時の通電時間が決まる。
回生信号35は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値以下の場合のその所定値を下回る力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であり、信号のパルス幅によって回生時における第1キャパシタ19への充電時間が決まる。なお、制御信号生成部60の回路例については、後述する。
充電制御部15は、2次電池16の電圧を監視して第2キャパシタ20又は外部電源(チャージステーション)CSから2次電池16への過充電を抑止する監視手段と、外部電源CSが接続されたときに、第1キャパシタ19、第2キャパシタ20及び2次電池16と外部電源CSとを並列に接続し、外部電源CSからそれらへ充電を行うルートを形成する接続手段とを有する。
ここで、第2キャパシタ20についても、第1キャパシタ19に準ずる静電容量のものを用いれば、リチウムイオン電池を満充電したエネルギーに相当するエネルギーを外部電源CSから瞬時に充電することや、第1キャパシタ19に充電した回生電力を第2キャパシタ20に移して、余すところなく活用することができるので、電気自動車の航続距離を大幅に伸ばすことができる。
また、本実施形態の昇圧部は、入力される電力の電圧を略3倍に昇圧して出力するが、必ずしも3倍に昇圧する必要はなく、2倍に昇圧するものであっても、出力電圧が一定になるよう昇圧するものであってもよい。
さらに、本実施形態においては、回生制動によって生じる交流電力を直流電力に変換するACDC変換部として、倍圧整流器を用いているが、必ずしも倍圧整流器である必要は無く、通常の整流器であっても、コンバータであってもよい。
なお、過電流制限部13、昇圧部14、充電制御部15の回路例については、後述する。
本実施形態の駆動用電源装置1を備えた電気自動車の駆動部(40,50,60)は、走行しているときは、充電制御部15を介して第2キャパシタ20又は2次電池16から給電制御部50に直流電力が給電される。そして、制御信号生成部60で生成された極性が正の給電信号30aは、例えばスイッチング素子(A、D)をオン動作させ、界磁巻線41の下から上に直流電流が流れ、極性が負の給電信号30bは、例えばスイッチング素子(B、C)をオン動作させ、界磁巻線41の上から下に直流電流が流れ、電動機45が回転する。その場合、PWM信号のパルス幅が広いときは、スイッチング素子(A、B、C、D)がオン動作する時間が長くなり、通電電流が大きくなるので、電動機45の回転トルクが大きくなる。
また、極性の如何にかかわらず、給電信号30が生成されると、第2スイッチング素子11がオン動作するので、第1キャパシタ19に回生電力等が充電されている場合には、その回生電力等の電圧が昇圧部14で約3倍に昇圧されて第2キャパシタ20に充電される。その場合、第2キャパシタ20の充電電圧を2次電池16の定格電圧より高くなるように設定しておけば、自動車が発進する場合や、加速する場合に必要な大きな電流を第2キャパシタ20に充電された回生電力で補うことができる。なお、定速走行している場合等において、第2キャパシタ20に充電された余剰電力は、2次電池16の電圧との差分に応じて、2次電池16の充電に充当される。
また、昇圧されて第2キャパシタ20に充電される電圧が、一定値(例えば、第2キャパシタ20の耐電圧)を超える場合は、第2過電圧防止部18におけるツエナーダイオード181が作動し、それによってIGBT素子182が動作して、給電信号30の第2スイッチング素子11への入力がバイパスされるので、第2キャパシタ20への充電が停止する。なお、第2キャパシタ20の電圧が、一定値(例えば、第2キャパシタの耐電圧)未満になれば、第2過電圧防止部18の動作が停止し、給電信号30で第2スイッチング素子11が動作するので、第1キャパシタ19の電力が昇圧されて第2キャパシタ20に充電される。
第1キャパシタ19に充電される電圧が、一定値(例えば、第1キャパシタの耐電圧)を超える場合は、第1過電圧防止部17におけるツエナーダイオード171に大きな電流が流れ、それによってIGBT素子172が動作し、回生信号35の第1スイッチング素子10への入力がバイパスされるので、第1キャパシタ19への充電が停止する。なお、第1キャパシタ19の電圧が、一定値(例えば、第1キャパシタの耐電圧)未満になれば、第1過電圧防止部17の動作が停止し、回生信号35によって第1スイッチング素子10が動作するので、回生電力が昇圧されて第1キャパシタ20に充電される。
なお、自動車が走行する場合や減速する場合に、昇圧部14に入力する電流が一定以上になると過電流制限部13で過電流信号38が生成され、その過電流信号38が制御信号生成部60によって生成されるPWM信号のデューティ比を低減させるので、電流が減少する。入力する電流が一定未満になると制御信号生成部60は、通常通りPWM信号を生成し、復旧する。従って、昇圧部14における各回路素子の破損が防止できる。
ここで、過電流制限部13は、必ずしもこの構成によらず、例えば大きな電流が流れると抵抗値が大きくなり、電流を抑制するように構成することもできる。
図2に示す昇圧部14は、2値のパルス信号141で動作するチャージポンプ式の昇圧回路と、2値のパルス信号それぞれで充電された3つずつのコンデンサC1、C2の電力双方を蓄電するキャパシタ142と、キャパシタ142に印加される電圧をそのキャパシタ142の耐電圧以下に制限する過電圧防止部143とからなる。
昇圧回路は、入力された電力を充電する3つずつのコンデンサC1、C2と、3つずつのコンデンサC1、C2それぞれを入力端子に並列に接続する6つの第1IGBT145及び6つのダイオードD1と、3つずつのコンデンサC1、C2を入力端子に直列に接続する4つの第2IGBT146及び4つのダイオードD2、を有し、第1IGBT145及び第2IGBT146のゲートに2値を持つパルス信号141の何れかが入力することによりオン動作し、入力電圧を昇圧する。
すなわち、パルス信号141がプラス1のときは、図の上部側の2つの第2IGBT146と図の下部側の3つの第1IGBT145とがオン動作するので、図の上部側の3つのコンデンサC1それぞれの電圧(概ね入力電圧に等しい)を加えた概ね3倍の電圧がキャパシタ142に加わり、図の下部側の3つのコンデンサC2それぞれには入力電圧が印加される。
そして、パルス信号141がマイナス1のときは、図の上部側の3つの第1IGBT145と図の下部側の2つの第2IGBT146とがオン動作するので、図の上部側の3つのコンデンサC1それぞれには入力電圧が印加され、図の下部側の3つのコンデンサC2それぞれの電圧(概ね入力電圧に等しい)を加えた概ね3倍の電圧がキャパシタ142に加わる。
従って、出力端子からは、入力電圧の概ね3倍の電圧が出力される。
過電圧防止部143は、ツエナーダイオード147と2つのトランジスタ148とを有し、ツエナーダイオード147に一定電圧(キャパシタの耐電圧)を超える電圧が印加されると大きな電流が流れ、それによって2つのトランジスタ148が動作し、2値を持つパルス信号141が第1のIGBT145及び第2のIGBT146のゲートに入力するのを阻止するので、昇圧回路の昇圧動作が停止する。なお、ツエナーダイオード147に印加される電圧が一定電圧(キャパシタの耐電圧)未満になれば、トランジス148の動作が停止し、第1のIGBT145及び第2のIGBT14のゲートに再び2値を持つパルス信号141が入力するので復旧する。
ここで、本実施形態の昇圧部14における昇圧回路は、2値を持つパルス信号141で常時動作するように構成されたプッシュプル回路であるが、必ずしもプッシュプル回路である必要は無く、0と1とを持つパルス信号で動作するチャージポンプ式の昇圧回路であってもよいし、インダクタを用いて昇圧する昇圧回路であってもよい。
図3に示す過電流制限部13は、倍圧整流器12の出力(回生電力)が入力する入力端子INと、分圧抵抗132と、ツェナーダイオード133と、逆流阻止用ダイオード134と、出力端子OUTとを備えている。
入力端子に過電圧(過電流となる電圧)が入力すると、分圧抵抗器132で分圧された電圧がツェナーダイオード133の作動電圧を超えるので、ツェナーダイオード133が通電する。そして、逆流阻止用ダイオード134を経由して、出力端子OUTに過電流信号38が出力される。
過電流信号38は、制御信号生成部60に送られ、制御信号生成部60で生成される給電信号30又は回生信号35のデューティ比を小さくする。
図4に示す制御信号生成部60は、SCR(サイリスタ)61と、サージ電圧をバイパスするフリーホイールダイオード62と、SCR61のゲート電圧を得る抵抗63と、SCR61によるチョッパ信号のデューティ比をコントロールするPUT(プログラマブルユニジャンクショントランジスタ)64と、分圧抵抗65と、ダミー負荷抵抗66と、PUT64の立ち上がり時間をコントロールする時定数回路67と、時定数回路67の電圧を調整する可変抵抗68と、チョッパ信号発振器から出力されたチョッパ信号を入力する入力端子INと、所定のデューティ比のPWM信号(給電信号又は回生信号)を出力する出力端子OUTと、過電流制限部13から出力された過電流信号38の入力端子SINと、により構成されている。したがって、給電信号30を生成する回路と、回生信号35を生成する回路とをそれぞれ別個に構成してもよいし、共通にしてもよい。
給電信号30を生成する場合には、可変抵抗68は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値を超える力の大きさに応じて抵抗値が増加する。
また、回生信号35を生成する場合には、可変抵抗68は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値を下回る力の大きさに応じて抵抗値が増加するようにしてもよいし、ブレーキペダルを踏み込む力が所定値を越える力の大きさに応じて抵抗値が増加するようにしてもよい。
可変抵抗68の抵抗値が変化すると、時定数回路67の電圧が変化し、PUT64の立ち上がり時間も変化するので、SCR61によるチョッパ信号のデューティ比が変化する。その結果、出力端子OUTからPWM信号(給電信号又は回生信号)が出力される。また、入力端子SINから過電流信号38が入力すると、PUT64の作動電圧が上昇するので、設定されたPUT64の立ち上がり電圧が上昇し、デューティ比が減少する。その結果、出力端子OUTからはデューティ比が減少したPWM信号(給電信号又は回生信号)が出力され、界磁巻線41に給電される直流電流が減少し、あるいは回生電力を昇圧部14に入力する時間が短くなる。
図5に示す充電制御部15は、2次電池16の端子電圧を監視し、端子電圧が上限値に達したら充電を停止する電圧監視部150と、外部電源CSから入力する電力を第1キャパシタ19と第2キャパシタ20それぞれに充電する回路を構成する一対のスイッチ159とを有する。
一対のスイッチ159は、オン動作すると第1キャパシタ19と外部電源CSとが接続され、第2キャパシタ19及び2次電池16と外部電源CSとが接続される。
電圧監視部150は、第2キャパシタ20との接続端子VINと、2次電池16に接続する端子BATと、2つのスイッチング素子151、152と、第1のスイッチング素子151のゲート電圧をゼロに保つ抵抗153、154と、2次電池16の電圧を分圧し、充電電圧を設定する分圧抵抗155、156と、ツェナーダイオード157と、ツェナーダイオード157がオフのときに第2のスイッチング素子152のゲート電圧をゼロに保つ抵抗158と、を備えている。
2次電池16の電圧が上昇し、分圧抵抗155、156の電圧が充電完了電圧になり、ツェナーダイオード157が通電すると、第2のスイッチング素子152が導通し、第1のスイッチング素子151のゲート電圧がゼロになるので、充電が停止する。
第1キャパシタ19は、2次電池16に満充電したときのエネルギーの50%以上のエネルギーが瞬時に充電され、第2キャパシタ20も、第1キャパシタ19に準ずるエネルギーを充電することができる。従って、充電時間が十分確保出来ないために2次電池16が満充電されなくても、第1キャパシタ19及び第2キャパシタ20に、2次電池16に満充電したときのエネルギーに匹敵するか、それ以上のエネルギーが充電されるので、その電力で走行することができる上、2次電池16に徐々に充電することもできる。
10 第1スイッチング素子
11 第2スイッチング素子
12 倍圧整流器
13 過電流制限部
14 昇圧部
15 充電制御部
16 2次電池
17 第1過電圧防止部
18 第2過電圧防止部
19 第1キャパシタ
20 第2キャパシタ
30 給電信号
30a 正の給電信号
30b負の給電信号
35 回生信号
38 過電流信号
40 電動機本体
41 界磁巻線
45 電動機
50 給電制御部
61 SCR
62 フリーホイールダイオード
63、158 抵抗
64 PUT
65、132,155,156 分圧抵抗
66 ダミー抵抗
67 時定数回路
68 可変抵抗
133、147,157,171、181 ツェナーダイオード
134 逆流防止ダイオード
141 パルス信号
145 第1IGBT
146 第2IGBT
150 電圧監視部
151、152 スイッチング素子
159 一対のスイッチ
172、182 IGBT素子
CS 外部電源
Claims (6)
- 電動機の界磁巻線に給電する直流電力を制御する給電信号及び該界磁巻線に生じる交流電力を回生する回生信号を生成して該電動機を駆動する電気自動車の駆動部に、前記直流電力を供給し、前記交流電力を回生する駆動用電源装置であって、
前記交流電力を直流電力に変換した回生電力を出力するACDC変換部と、
入力される電力の電圧を昇圧して出力する昇圧部と、
前記ACDC変換部から出力され、前記昇圧部で昇圧された前記回生電力を充放電する大容量の第1キャパシタと、
前記第1キャパシタから放電され、前記昇圧部で昇圧された前記回生電力を充放電する第2キャパシタと、
前記第2キャパシタと並列に接続され、前記界磁巻線に給電する直流電力を蓄電する2次電池と、
前記ACDC変換部の出力端子と前記昇圧部の入力端子との間、及び該昇圧部の出力端子と前記第1キャパシタとの間に配置され、前記回生信号が入力するとオン動作する一対の第1スイッチング素子と、
前記第1キャパシタと前記昇圧部の入力端子との間、及び該昇圧部の出力端子と前記第2キャパシタとの間に配置され、前記給電信号が入力するとオン動作する一対の第2スイッチング素子とを備え、前記第2キャパシタ及び前記2次電池に蓄電された直流電力を前記界磁巻線に給電することを特徴とする駆動用電源装置。 - 前記給電信号及び前記回生信号は、何れか一方が生成されるものであって、
前記第1スイッチング素子それぞれがオン動作し、前記第2スイッチング素子それぞれがオフ動作したとき、前記昇圧部で昇圧された前記回生電力が前記第1キャパシタに充電され、
前記第1スイッチング素子それぞれがオフ動作し、前記第2スイッチング素子それぞれがオン動作したとき、前記第1キャパシタから放電された前記回生電力が前記昇圧部で昇圧されて前記第2キャパシタに充電され、
前記第2キャパシタと前記2次電池に充電された電力で前記電動機を駆動することを特徴とする請求項1記載の駆動用電源装置。 - 前記給電信号は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値を超える場合には、該所定値を超える力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であり、前記回生信号は、該アクセルペダルを踏み込む力が該所定値以下の場合には、該所定値を下回る力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であることを特徴とする請求項1記載の駆動用電源装置。
- 前記給電信号は、アクセルペダルを踏み込む力が所定値を超える場合には、該所定値を超える力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であり、前記回生信号は、ブレーキペダルを踏み込む力が所定値を越える場合には、該所定値を超える力の大きさに応じてデューティ比が変化するPWM信号であることを特徴とする請求項1記載の駆動用電源装置。
- 前記第1キャパシタ又は第2キャパシタの電圧が閾値を超えるときは、前記第1スイッチング素子をオン動作させる前記回生信号又は前記第2スイッチング素子をオン動作させる前記給電信号の入力をバイパスし、該第1キャパシタ又は該第2キャパシタの充電を停止する過電圧制限部を備えたことを特徴とする請求項1記載の駆動用電源装置。
- 前記昇圧部への入力電流が閾値を超えるときは、前記PWM信号のデューティ比を低下させる過電流信号を出力する過電流制限部を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の駆動用電源装置。
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