JP4254066B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンター等に用いられるトナー、特に二成分現像剤のトナーとして扁平トナーを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常の粉砕法或いは重合法で作製したトナーを用いて形成した画像は、トナーの消費量が多いため、表面に凹凸が出来、光沢のある良好な画像とならず高画質の画像を得ることは難しかった。又、転写時、トナー消費量が多いためトナー層が厚くなり転写率が悪くなるため高濃度の画像が得られず、且つトナー散りが発生し良好な画像が得られなかった。
【0003】
現在まで、印刷ライクな高画質の画像を得るために、トナーの粒径を細かくしてトナー消費量を少なくし、表面の凹凸を無くし均一な光沢を得る試みがなされて来たが、トナーの小粒径化にともないトナーのカバーリングパワーが減少し、充分な画像濃度が得られず、且つ現像、転写、感光体のクリーニング等の画像形成プロセスも難しくなり電子写真による画像形成方法で高画質の画像が得られていない。又、トナー粒径を2〜3μmに小粒径化したトナー粒子を用いると、トナー粒子を吸い込んだ場合、塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛生上も好ましくない。
【0004】
塵肺等の心配の無い5μm程度の粒径の形状が球形或いは不定形のカラートナーを用いて、電子写真法によりカラートナーを重ね合わせてカラー画像(印字率25%)を形成すると、トナーの消費量はA−4版プリント1枚当たり90mg程度となり、現像、転写、定着においても厚いトナー層を扱うことになる。この為トナー像にトナー散りも生じ、且つ画像表面に凹凸が生じトナー付着部と下地部との光沢差も大きくなり、高画質の画像を形成することは出来ていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を鑑み提案されたものであり、その目的とするところは、キャリアと共に二成分現像剤として使用されるトナー消費量が少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく、且つトナーの散りが無い高画質の画像を得ることが出来る扁平トナーを用いた画像形成方法を提供することで、
扁平トナーの付着姿勢に注目し、像形成体や転写体へ扁平トナーの厚みが薄い形で付着し、現像・転写・定着が良好になされる画像形成方法を提供することにある。
【0006】
また、扁平トナー外添剤を用いることで、扁平トナーの電荷分布状態を改善し、適度の流動性を与えることに注目し、適切な帯電性をもった外添剤を添加して、現像・転写・定着が良好になされる画像形成方法を提供することにある。
【0007】
また、扁平トナーに外添剤を添加する際、トナー粒子の大きさと外添剤の粒径の関係を適切に選択することが極めて有効であることに注目し、適切な粒径の外添剤を添加して現像・転写・定着が良好になされる画像形成方法を提供することにある。
【0008】
また、扁平トナーの形状や大きさに限度以上のバラツキがあるときは良好な画像が得られないことに注目し、扁平トナーの製作工程において適切な処理 選別を行った扁平トナーを用いて、高画質の画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0009】
また、扁平トナーの扁平形状にバラツキがあるときは良好な画像が得られないことに注目し、扁平度のバラツキを適度に限定することによって高画質の画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下により達成される。
1.トナーとキャリアとから成る二成分現像剤を用いて、像形成体上の潜像の現像、及び形成されたトナー像の転写材上への転写、定着を行う画像形成方法において、前記トナー粒子は扁平形状であって、像形成体又は転写体上への付着がトナー扁平部によって付着し、また、トナーはキャリアに扁平部をもって付着し、キャリア表面積に対するトナー扁平部の断面積による表面被覆率が40〜80%の間にあって現像を行うことを特徴とする画像形成方法。
2.現像或いは転写におけるトナー粒子の付着と移動は、トナーの扁平姿勢を保って行われることを特徴とする1に記載の画像形成方法。
3.1に記載の画像形成方法において、
前記トナー粒子には外添剤が付着した状態で現像を行い、外添剤が付着したトナー粒子の帯電量Q′(μC/g)は、外添剤を有しないトナー粒子の帯電量Q(μC/g)に対し
|Q′|>|Q|
の関係にあり、トナー粒子は扁平部をもって付着することを特徴とする画像形成方法。
4.前記の帯電量Q′(μC/g)とQ(μC/g)の間では
|Q′|/|Q|=1.1〜1.5
の関係にあることを特徴とする3に記載の画像形成方法。
5.前記トナー粒子に付着する外添剤の付着量は表面被覆率が50〜100%の間にあって現像を行うことを特徴とする3又は4に記載の画像形成方法。
6.1に記載の画像形成方法において、
前記トナー粒子には外添剤が付着した状態でトナー粒子の扁平部分が像形成体に付着する現像を行い、扁平部の径をr、厚さをdとするトナー粒子に対して、外添剤の数平均一次粒径pは、
p/r=10 -1 〜5×10 -3
の関係にあることを特徴とする画像形成方法。
7.外添剤の粒径pとトナー粒子の厚さdとの間では
p/d=3×10 -1 〜3×10 -2
の関係にあることを特徴とする6に記載の画像形成方法。
8.トナー粒子表面に付着する外添剤は、0.1〜5.0質量%の添加量であることを特徴とする6又は7に記載の画像形成方法。
9.外添剤には上記数平均一次粒径の外添剤と共に更に数平均一次粒径の小さな外添剤を併せ用いることを特徴とする6〜8の何れか1項に記載の画像形成方法。
10.1に記載の画像形成方法において、
前記トナーは球状の重合トナーを扁平化処理によって調整した扁平トナーで、前記扁平トナーに用いられる粒径d 0 の球形重合トナーの粒度分布は、粒度分布の平均d 0 (M)に対して
1/2<d 0 /d 0 (M)<2
の領域に80%以上存在することを特徴とする画像形成方法。
11.前記球形重合トナーの粒度分布は、
1/4<d 0 /d 0 (M)<4
の領域に95%以上存在することを特徴とする10に記載の画像形成方法。
12.1に記載の画像形成方法において、
前記扁平トナーの厚さdと扁平部の径rとの比(扁平度)の分布は、扁平度の平均(d/r)(M)に対して
1/2<(d/r)/(d/r)(M)<2
の領域に80%以上存在することを特徴とする画像形成方法。
13.前記扁平トナーの扁平度の分布は
1/4<(d/r)/(d/r)(M)<4
の領域に95%以上存在することを特徴とする12に記載の画像形成方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
(1) 本発明に用いられるトナーは、球形樹脂を押し潰すようにして形成された扁平トナーであって、図1に扁平トナーの模式図を示している。図1においてr1は扁平トナーの長辺、r2は短辺、dは厚さを示している。(r1+r2)/2をもって扁平部の径rと称し、d/rをもって扁平度と称する。
【0016】
本発明に用いられる扁平トナーの体積平均粒径は3〜10μmが好ましく、より好ましくは4〜9μmである。
【0017】
扁平トナーは、特定の形状を有することが好ましい。即ち、扁平トナーの平均長さの長辺(r1)と短辺(r2)が5〜20μm、平均厚さ(d)が1〜5μmであることが好ましい。平均長さの短辺と長辺比(r2/r1)は0.6〜1.0が好ましく、0.8〜1.0がより好ましい。トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)は0.1〜0.5であることが好ましく、0.2〜0.4であることがさらに好ましい。
【0018】
扁平トナーの平均長さ(r1,r2)が5μm未満であると塵肺等の疾病を患うおそれがあり、安全衛生上好ましくなく、20μmを越えると現像性が低下し、忠実な現像が出来なくなり解像力が低下し好ましくない。
【0019】
扁平トナーの平均厚さ(d)が1μm未満であると扁平トナーが現像時に破砕され、超微粉が発生し、トナー散りやカブリの発生原因となり好ましくなく、5μmを越えると現像時にトナーが層状に現像されにくく、トナー層が厚くなりトナー消費量が多くなって好ましくない。
【0020】
扁平トナーの平均厚さと平均短辺長さ比(d/r2)が0.2以下、特に0.1未満であると扁平トナーが現像時に破砕され、超微粉が発生し、トナー散りやカブリの発生原因となり好ましくなく、0.4以上、特に0.5を越えるとトナーの扁平部が像形成体に向けて付着しにくくなりトナー層が層状に現像されにくく、トナー層が厚くなりトナー消費量が多くなり好ましくない。又、転写、定着工程でもトナー散りやトナーの広がりも多くなり好ましくない。
【0021】
(2) 上記説明した扁平トナーは後に説明するキャリアとの間での摩擦帯電によって帯電がなされて、扁平部分が帯電されているので、図2(a)に示す如く像形成体や中間転写体等のトナー支持体に対して、扁平トナーはクーロン力によってその端部を寝かせて扁平部が付着した状態で横方向に並ぶ。トナー間では横方向の反発力は弱いので、トナー支持体に対して並んでも安定した付着状態となる。
【0022】
扁平トナーは像形成体に対して付着状態では縦方向には反発力が強いので、現像に際してはトナーは重なり難く、薄いトナー層が形成される。現像によって形成されたトナー像は、転写時にも定着時にもトナー散りやトナー画像の広がりは生じない。図2(b)は接触現像時における扁平トナーの姿勢を示したもので、キャリアに扁平部が付着した状態で現像領域に移動して来た扁平トナーは、扁平部を感光体(像形成体)に摺擦するようにして潜像部分に扁平姿勢を保ったまま移動する。扁平トナーの移動(現像)はDCバイアスが印加された電界の下で行われるが、扁平トナーを用いての接触現像にあっては、ACバイアスを重畳して印加することは、現像を助けることとなって特に有効である。
【0023】
図2(c)は非接触現像時における扁平トナーの姿勢を示したもので、DCにAC成分を重畳したバイアス電圧下において、キャリアに扁平部が付着した状態で現像領域に移動して来た扁平トナーは、印加された現像バイアスによってキャリアから離れ、感光体の潜像部分に向けて飛翔する。飛翔時には扁平トナーは空気抵抗によって縦方向の姿勢をとって飛翔するが、感光体上に付着するとACバイアス下で振動して扁平部が感光体に付着する安定化した扁平姿勢を保って現像が行われる。
【0024】
図2(d)は転写時における扁平トナーの姿勢を示したもので、感光体上に形成されたトナー像(層)は平坦で付着トナーの横方向の反発力が弱いので、扁平姿勢を保って忠実に転写が行われる。なお、感光体上に付着したトナーは扁平面で付着しているので、電気的な付着力も大きくトナー層の厚みも低いので、転写領域前での転写は行われ難く、転写領域でのみ転写が行われるのでトナーの乱れも生じない。
【0025】
扁平トナーを用いて現像を行うと、感光体上のトナーは重なり難く、薄いトナー層を形成する。その結果、扁平トナーの消費量は球形トナーを用いたときと較べて少ない消費量で同じ濃度の画像が得られる。図3はトナー付着量と画像濃度との関係を示すグラフである。例えば平均粒径7μmの球形トナーを用いるときは0.8mg/cm2程度のトナー付着量で画像濃度は略飽和値となる。これに対して扁平度(d/r)が0.2〜0.5で、扁平部の径(r)が4〜10μmの扁平トナーでは0.2〜0.5mg/cm2で画像濃度は飽和値となる。扁平トナーの平均形状が扁平部の径(r)が7μm、厚さ(d)が3μmのトナーを用いたときは0.4mg/cm2で略1層のトナー層が形成されて画像濃度は飽和値となる。用いる扁平トナーの扁平度が小さくなるに従って飽和値の画像濃度を得るに必要とするトナー付着量は減少して来る。なお、扁平トナーを用いての現像では、感光体上に形成されるトナー層は1〜1.5層で充分で、厚いとトナー間での反発が生じ画質の低下が認められる。
【0026】
(3) 上記に説明した扁平トナーについて、具体的に扁平トナー(扁平粒子)の作り方について説明する。
【0027】
本発明に用いられる扁平トナーは、懸濁重合法や、乳化重合法で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて2次粒子を作製し、その後有機溶媒、凝集剤及び重合触媒等を添加して重合を行い、重合率が80%まで進んだ溶液内の球形化された2次粒子(球形トナー)を、溶液とともに加熱された状態で加圧された隘路を循環させて粒子形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を完了させることにより製造することが出来る。
【0028】
塩析/融着とは、重合工程によって生成された樹脂微粒子を凝集剤により塩析させ、余分な分散剤、界面活性剤等を除却すると同時に加熱融着により樹脂粒子の大きさを調整することを云う。
【0029】
扁平化処理は、重合が100%完了してから行っても良いが、重合が80%まで進んだ状態で、球形化が行われ後に、扁平化処理を行った方が形状が均一になり好ましい。
【0030】
数平均1次粒子は、光散乱電機泳動粒径測定装置「ELS−800」(大塚電子工業株式会社製)で測定することが出来る。
【0031】
体積平均粒径はコールターカウンターTA−2型或いはコールターマルチサイザー(コールター株式会社製)で測定することが出来る。
【0032】
塩析/融着は、樹脂粒子にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等で作製した数平均1次粒子径10〜500nmの樹脂粒子を塩析/融着させて行うことが出来る。
【0033】
即ち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された液を分散安定剤を含有した水系媒体中でホモミキサーやホモジナイザー等を使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌翼の有る撹拌機構付きの反応装置へ移し、加熱することで重合反応を80%まで進行させて、球形粒子(球形トナー)とさせる。その後加熱された状態で加圧された隘路を循環させ形状を扁平にし、さらに重合触媒を添加し重合を進め、重合を完了させる。重合完了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明の画像形成装置に用いられる扁平トナーを作製することが出来る。
【0034】
バインダーとしての樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものとしては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。これらの中でビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することが出来る。
【0035】
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0036】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることも出来る。
【0037】
これらの重合性単量体はラジカル重合開始剤を用いて重合することが出来る。この場合、懸濁重合法では油溶性重合開始剤を用いることが出来る。この油溶性重合開始剤としては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジン等の過酸化物系重合開始剤や過酸化物を側鎖に有する高分子開始剤等を挙げることが出来る。
【0038】
また、乳化重合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが出来る。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることが出来る。
【0039】
分散安定剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等を挙げることが出来る。さらに、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として一般的に使用されているものを分散安定剤として使用することが出来る。
【0040】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することが出来る。さらに、これら樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定される分子量が数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0041】
本発明に用いられる扁平トナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することも出来る。本発明に用いられる扁平トナーに使用する着色剤としてはカーボンブラック、染料、顔料等を任意に使用することが出来る。
【0042】
カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等を用いることが出来る。
【0043】
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、またこれらの混合物も用いることが出来る。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることが出来る。上記染料及び顔料は単独或いは混合して用いることが出来る。着色剤の数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nmが好ましい。
【0044】
着色剤の添加方法としては、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合して着色粒子とする方法等を用いることが出来る。尚、着色剤は重合体を作製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0045】
さらに、定着性改良剤としての低分子量ポリプロピレン(数平均分子量=1500〜9000)や低分子量ポリエチレン等を添加してもよい。
【0046】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することが出来るものを使用することが出来る。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0047】
尚、これら荷電制御剤や定着性改良剤の粒子は、分散した状態で数平均1次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0048】
塩析/融着されて球形化された2次粒子の扁平化は、アニュラー型連続湿式撹拌ミル、ピストン型高圧式均質化機或いはインラインスクリュウポンプ等で行うことが出来る。
【0049】
その一例を図4に示すように、アニュラー型連続湿式撹拌ミルは、既に知られているミルの1種で、断面三角形のアニュラー型(環状)のステータ501内に、略同じ形状を有するロータ502が回転し、このステータ501とロータ502との間の幅の狭い間隙、即ち、破砕帯503にメディア504が充填されていて、ミルに供給される80%まで重合が進んだ溶液内の球形化された2次粒子(球形トナー)に、2次粒子を含んだ溶液と共に、機械的な衝撃力を与え、2次粒子の形状を扁平化する。前記溶液は、ミルの供給口505からポンプにてW型断面の前記破砕帯503を一巡し、上部のキャップセパレータ506でメディア504と分離されて、出口507から排出される。又、扁平化処理中の溶液の温度制御は、温水508をステータとロータに循環させることにより行われる。メディア504は、遠心力によって、W型の粉砕帯を順次に移動し、再度、入り口まで戻って循環する。粒子への圧力は加圧された隘路を循環することで粉砕帯の壁或いはメディアにより加えられる。メディアとしては、通常、0.5〜3mm径のジルコン、ガラス及びスチール等が用いられる。
【0050】
かかるアニュラー型連続式湿式撹拌ミルを用いる2次粒子を含む溶液の扁平化処理温度は、2次粒子の樹脂のガラス転移点(Tg)の−5℃〜+40℃が好ましく、0℃〜+30℃がより好ましく、さらに好ましくは+10〜+30℃である。ガラス転移点よりも5℃以上低い温度で処理すると、重合体粒子の破砕が起こり、目的とする扁平化を行うことが困難となり好ましくない。他方、ガラス転移点よりも40℃以上高い温度で処理すると、2次粒子が相互に融着し、凝集塊を生じるとともに、扁平化された重合体粒子がその表面張力によって、再び、真球化するので、扁平化を効率よく行えず好ましくない。
【0051】
(4) 上記製法によって作製した扁平トナーは、大きさや形状において可なりのバラツキが認められる。可なりバラツキのある扁平トナーを用いたときは、扁平トナーの有する優れた効果を発揮することができない。しかし、可なりの大きさや形状においてバラツキのある扁平トナーから許容されるバラツキ範囲の扁平トナーを選別することは容易ではない。本発明者らは、上記説明した製法において、球形の2次粒子対して選別を行い、或いは粒径の分布状態を作製過程において規制しておくことが極めて有効であることを認めた。球形をした2次粒子が大粒径の場合には後の処理によって扁平化は容易になされるが、小粒径の場合には扁平化することは困難で、2次粒子が粒径にバラツキがある場合には、大きさのみならず形状にもバラツキのある扁平トナーが作製されることとなる。
【0052】
本発明は母材として球形樹脂を用い、分布を狭くすることによって、扁平化しても扁平化処理されたトナーの分布が広がらないようにするもので、実験結果によれば、扁平トナーに用いられる粒径d0の球形をした母材となる2次粒子の粒度分布は、粒度分布の平均d0(M)に対して
1/2<d0/d0(M)<2
の領域に80%以上存在することが必要であることを確認した。更に、球形をした2次粒子の粒度分布は
1/4<d0/d0(M)<4
の領域に95%以上存在することが好ましい条件であることを見出した。
【0053】
なお、粒度分布の平均d0(M)としては、粒径が4〜9μm程度の平均値の球形樹脂である。
【0054】
扁平トナーの優れた効果を発揮するには、形状のバラツキも無視できない。扁平トナーについて形状上での最も重要なファクターは、厚さdと扁平部の径rとの比の扁平度(d/r)である。扁平トナーの扁平度(d/r)の分布は、扁平度の平均(d/r)(M)に対して
1/2<(d/r)/(d/r)(M)<2
の領域に80%以上存在することが必要で、
1/4<(d/r)/(d/r)(M)<4
の領域に95%以上存在することが好ましい。
【0055】
かかる条件を満たした扁平トナーはその有する優れた特性が発揮されることとなる。
【0056】
(5) トナー表面に外添剤を存在させることは、適度流動性を高め、転写性を向上させる等の理由から広く用いられている。扁平トナーについても同様であるが扁平トナーについてはトナーの電荷分布を均一化する効果を無視することができないで、外添剤を添加することが必要となる。
【0057】
外添剤の構成は大粒径と小粒径の外添剤の混合状態として用いられる。
大粒径の外添剤の構成は、数平均1次粒子径で50〜1500nmのものである。ここで数平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、100個の粒子を観察し、画像解析によって測定されたものを示す。
【0058】
1次粒子径は50〜1500nm、好ましくは60〜1000nmであって、粒子径がこの範囲よりも小さいとスペーサー効果が低下し、大きいと脱離が発生する。1次粒子表面は疎水化されていることが好ましい。
【0059】
材料としては無機微粒子、有機微粒子、複合微粒子のいずれでもよい。好ましいものとしては無機微粒子ではチタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカである。有機微粒子ではスチレン−アクリル樹脂粒子であり、複合微粒子ではスチレン−アクリル樹脂粒子にチタニアを複合化したものが好ましい。
【0060】
小粒径の外添剤の構成は、数平均1次粒子径で5〜40nmのものである。ここで数平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡観察によって2000倍に拡大し、100個の粒子を観察し、画像解析によって測定されたものを示す。
【0061】
1次粒子径は5〜40nm、好ましくは5〜30nmであって、粒子径がこの範囲よりも小さいと機械的ストレスでの埋没が促進され、流動性付与効果の持続性が低下し、大きいと流動性付与効果が低減する。表面は疎水化されていることが好ましい。
【0062】
材料としては無機微粒子を挙げることができる。好ましいものとしては無機微粒子ではチタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカである。扁平トナーに対する外添剤の添加量は下記の条件を満たしていることが好ましい。
大粒径の外添剤:トナーに0.1〜5.0質量%
小粒径の外添剤:トナーに0.1〜5.0質量%
添加量の比率 :大粒径:小粒径=1:0.3〜1.5(質量比)
被覆率 :表面被覆率が40%〜100%、好ましくは50〜100%
被覆率は外添剤を処理したトナーをエポキシ樹脂に包埋し、0.2μmの厚みにスライスした切片を透過型電子顕微鏡により観察し、トナー粒子表面に付着している外添剤の存在状態を評価し、外添剤が付着している部分のトナー周囲長を測定し、全周囲長との比率で算出したものである。
【0063】
被覆率が低い場合には外添剤の効果を発揮することができず、また、被覆率が100%を越える場合には外添剤の遊離が発生し、感光体などへの傷を引き起こす原因となる。
【0064】
なお、100%以上の被覆率とは、トナーの周囲長全域にわたって外添剤が付着した状態であり、且つ、外添剤層が多層に存在している状態をいう。
【0065】
(6) 外添剤に用いる素材について詳しく説明する。
▲1▼無機微粒子
無機微粒子を構成する材料としては、各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が好適に使用される。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等があげられる。さらに、上記無機微粒子に疎水化処理をおこなったものでもよい。疎水化処理を行う場合には、各種チタンカップリング剤、シランカップリング剤等のいわゆるカップリング剤やシリコーンオイル等によって疎水化処理することが好ましく、さらに、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩によって疎水化処理することも好ましく使用される。
【0066】
▲2▼疎水化処理を行うための処理剤の例
チタンカップリング剤として、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテートチタネートなどがある。さらに、シランカップリング剤としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシランなどがあげられる。
【0067】
脂肪酸及びその金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸があげられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩があげられる。
【0068】
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルなどをあげることができる。
【0069】
これら化合物は、無機微粒子に対して質量で1〜10%添加し被覆することが良く、好ましくは、質量で3〜7%である。また、これらの材料を組み合わせて使用することもできる。
【0070】
▲3▼有機微粒子
有機微粒子としては、スチレン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子、ポリエステル樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子等をあげることができる。
【0071】
樹脂微粒子としては特にその組成が限定されるものでは無い。一般的にはビニル系の有機微粒子が好ましい。この理由としては乳化重合法や懸濁重合法等の製造方法によって容易に製造することが可能であるからである。具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−t−ブチルスチレン等の様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体も単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0072】
樹脂微粒子の製造方法としては乳化重合法や懸濁重合法によって作製することができる。乳化重合法は、界面活性剤を含有する水中に上記単量体を添加し乳化させた後に重合する方法であり、界面活性剤としてはドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウム等の界面活性剤として使用されている物ならば全て使用することができ、特に限定されない。さらに、反応性乳化剤の使用や、親水性単量体、例えば酢酸ビニルやアクリル酸メチル等の過硫酸塩系開始剤による重合や、水溶性単量体を共重合する方法や、水溶性樹脂やオリゴマーを使用する方法や、分解型乳化剤を使用する方法や、架橋型乳化剤を使用する方法等のいわゆる無乳化重合法も好適である。反応性乳化剤としてはアクリル酸アミドのスルフォン酸塩やマレイン酸誘導体の塩類等があげられる。無乳化重合法は残存乳化剤の影響が無く、有機微粒子を単体で使用する場合には好適である。
【0073】
樹脂微粒子を合成するために必要な重合開始剤には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系の重合開始剤があげられる。これらの添加量は単量体に対して0.1〜2質量%が好ましい。この量よりも過小であると重合反応が不足し、単量体自体の残留の問題を発生する。さらに、過多であると重合開始剤の分解物が残留し帯電性に影響を与え、さらに重合反応が早すぎるために分子量が小さくなる問題を生じる。さらに、乳化重合法等では重合開始剤として過硫酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム等を使用することができる。
【0074】
以上説明した外添剤で、無機微粒子としては、シリカ、チタニア及びアルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0075】
疎水化度=(a/(a+50))×100
この外添剤の添加量としては、扁平トナー中に0.1〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては上記に記載した種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0076】
(7) 外添剤を扁平トナーの表面に被覆率40〜100%で付着させるときは、トナー表面の電荷分布の不均一を防止して一様な電荷分布状態となり、感光体や転写体へのトナーの付着は、トナー端部とよりもトナー編平部とのクーロン力が強くなり、扁平部を付着させることとなる。ここで添加する外添剤の電位はトナーの電位と同電位であって、扁平トナーの帯電量Q(μC/g)に対して、外添剤が付着したときの帯電量Q′(μC/g)は|Q|<|Q′|の関係にあることが必要である。|Q′|が|Q|より小さいと、扁平部には外添剤が多く付着しているので、扁平トナーは扁平部での付着が不安定となる。|Q|<|Q′|の条件を満たしていると、扁平部での電荷量が多くなり安定して扁平部で付着するようになる。また、外添剤を添加することによって、流動性も上がるので、トナーの表面電荷分布は更に均一化する。
【0077】
負に帯電するトナーに対しては同電位に帯電するシリカ等を材料とする添加剤が好ましい。外添剤はトナーの帯電特性に応じて材料が選択される。外添剤の選択と被覆率を100%を越えない限度で高くすることによって、
|Q′|/|Q|=1.1〜1.5
の間にあることが好ましい。
【0078】
外添剤は大粒径と小粒径の外添剤を混合して用いられる。小粒径の外添剤は流動性、帯電性を高める上で必要であり、大粒径の外添剤は感光体と扁平トナーとの間にあってスペーサとしての役割を演じ、転写率やクリーニング性を向上させる効果を有している。扁平トナーは感光体との接触面が球形トナーや不定形トナーと較べて広く、転写率やクリーニング性においてやや劣っていたのが、大粒径の外添剤を用いることによって著しく改善される。図5には扁平トナーに大粒径の外添剤が付着した状態を模式的に示している。
【0079】
本発明者らの検討によれば、扁平トナーの形状と大粒径外添剤の粒径との間には、大粒径外添剤がスペーサとして有効に作用するための条件が存在することを見出した。
【0080】
扁平トナーの扁平部の径をr、厚さをdとし、外添剤の粒径をpとするとき、
p/r=10-1〜5×10-3
の関係にあることを必要とし、
p/d=3×10-1〜3×10-2
の関係にあることが好ましい条件である。
【0081】
外添剤の粒径が上記の範囲から外れると、外添剤のスペーサとしての機能を充分に果たさないこととなる。上記に説明した扁平トナーはキャリアと共に二成分現像剤として用いられ、現像器内でのキャリアとの摩擦によって帯電し、扁平トナーはキャリアに付着した状態で現像領域に至り、現像が行われる。
【0082】
(8) 二成分現像剤を構成するキャリアとしては、磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その個数平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの個数平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0083】
キャリアは、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。本発明に用いる磁性キャリアは形状が球形又は扁平形状していることが特に望ましい。
【0084】
一般に磁性キャリア粒子は平均粒径が大きいと、現像スリーブ上に形成される磁気ブラシの穂の状態が粗くなるために、電界により振動を与えながら静電潜像を現像しても、トナー像にムラが現れ易く、穂におけるトナー濃度が低くなるので高濃度の現像が行われない等の問題点がある。この問題点を解消するには、磁性キャリア粒子の平均粒径を小さくすればよく、磁性キャリアの粒径は20〜90μmであると上記問題点は発生しない。
【0085】
粒径が20μm以下であると、キャリアを十分に磁化させることが困難で、トナー粒子と共に感光体ドラム表面に付着するようになったり、飛散し易くなる。
【0086】
また、粒径が90μm以上になると、キャリアの比表面積が小さくなるため、トナーを十分に帯電することができない。また、被覆率が高くなるためトナー飛散も起こり易くなる。
【0087】
キャリア粒子の抵抗率は108Ω・cm以上、特に1012Ω・cm以上であるように磁性粒子を形成したものが好ましい。この抵抗率は、粒子を0.50cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングした後、詰められた粒子上に1kg/cm2の荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読み取ることが得られる値であり、この抵抗率が低いと、現像スリーブにバイアス電圧を印加した場合にキャリア粒子に電荷が注入されて像担持体面にキャリア粒子が付着し易くなったり、或いはバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなったりする。
【0088】
キャリアの磁化の強さ(最大磁化)は、10〜60emu/g、好ましくは15〜40emu/gである。この強さは現像スリーブ上の磁束密度にもよるが、現像スリーブの一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満では磁気的な束縛力が働かずキャリア飛散の原因となる。また、60emu/gを超えるとキャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、像担持体と非接触状態を保つことが困難になる。接触現像ではトナー像に掃き目が出易くなる。
【0089】
また、トナー粒子は電界に追随して動作するために、トナー粒子の帯電量の絶対値は、二成分現像剤においては、特に15〜40μC/gにするのが現像性確保、カブリや飛散防止の観点から望ましい。特に粒径の小さい場合は高い帯電量が必要である。
【0090】
一般に二成分現像剤では、一般のコーティングキャリア(密度5〜8g/cm2)を使用した場合、現像剤中のトナー濃度は、2〜30質量%、好ましくは2〜20質量%であって、2質量%より小であると、現像に必要なトナー数が確保できなく、被覆率が低下するため帯電過剰、現像性低下を招く。また、30質量%より大であると、被覆率が大となり、帯電不良、トナー飛散が起こり易くなる。
【0091】
本発明の扁平トナーを用いるときは、キャリアに対する被覆率は40〜80%の間にあることが必要である。本発明者らの観察によれば、被覆率が80%以下の場合には、摩擦帯電した扁平トナーは、図6(a)の投影図に示す如く、球形又は扁平形状をしたキャリア表面に扁平部をもって付着し、トナー同志は反発して僅かに離れて付着することとなる。また被覆率が40%を下回ると、トナーの付着姿勢については同じであるが、帯電過剰、現像性低下となる。
【0092】
キャリアに対して扁平部で付着した扁平トナーは、現像によって感光体上に扁平部が付着した姿勢で現像がなされる。
【0093】
扁平トナーのキャリアに対する被覆率が80%を越すと、トナーは図6(b)の投影図に示す如く、端部で付着するトナーが存在するようになり、端部に電荷をもったトナーは現像によっても感光体には付着する現象も生じ、好ましくない。
【0094】
(9) 扁平トナーと磁性キャリアとの二成分現像剤を用いて現像を行うときは、非接触現像においても接触現像においても球形トナーを用いたときと比較して優れた現像性を示すこととなる。
【0095】
図7は像形成体である感光体ドラム10に対向して位置した現像器13の現像スリーブ131の断面構成を図示している。
【0096】
現像剤搬送体である現像スリーブ131は、例えばステンレス材を用いた外形8mm〜60mmの非磁性の円筒状の部材からなり、感光体ドラム10の周面に対し、現像スリーブ131の両端に設けられた不図示の突当コロにより所定の間隙DSDを保って感光体ドラム10の回転に対し同方向又は逆方向に回転される。外径が8mm以下であると、画像形成に必要な磁極N1,S1,N2,S2,N3から成る少なくとも5極の磁極を有するマグネットロール132を形成することが不可能であり、また現像スリーブ131の外径が60mmを越えると、現像器13が大型化する。特に、複数組の現像器13を有するカラープリンタにおいては、現像装置の占める容積が大きくなり、感光体ドラム10の外径が増大化したり、感光体ドラム10の大型化により画像形成装置が大型化になってしまう。
【0097】
現像スリーブ131周面は2〜15μmの粗面として、現像剤の搬送性をよくするような処理を行っている。
【0098】
マグネットロール132は、現像スリーブ131に内包され、複数個の磁極N,S極を交互に配し、現像スリーブ131と同心に固定されていて、非磁性のスリーブ周面に磁力を作用させる。
【0099】
現像剤スリーブ周面での磁力は、500〜1200ガウスの間にあることが現像剤を保持して磁気ブラシを形成するのに必要である。
【0100】
層厚規制手段である層厚規制部材133は、マグネットロール132の磁極と対向し、現像スリーブ131と所定の間隙で配置される例えば棒状或いは板状の磁性ステンレス材よりなり、現像スリーブ131の周面上の二成分現像剤の層厚を規制し、層厚を規制された二成分現像剤は現像領域へと搬送される。
【0101】
感光体ドラム10上の静電潜像は、現像スリーブ131との間の直流(DC)バイアスE1に交流(AC)バイアスAC1が重畳される現像バイアス電圧の印加によって非接触又は接触現像法により非接触又は接触の状態で反転現像される。
【0102】
(非接触現像)
非接触現像においては、現像スリーブ131と感光体ドラム10の間隙DSDは300〜1,000μmの間に設定されていることが好ましい。この間隙が300μmよりも狭いと、均一に現像作用する非接触の現像層の形成が困難となり、また、十分なトナーを現像領域に供給することもできなくなって、安定した現像が行われなくなる。逆に間隙が1,000μmを超すようになると、対向電極効果が低下して十分な現像濃度が得られないようになる。そして、間隙を300〜1,000μmの範囲にすると、適当な厚さの非接触の現像剤層を均一に形成できるようになる。そこで現像間隙DSDにおける現像剤層の厚みh(DSD)を0.5〜0.8DSDとなるよう層厚規制部において調整し、現像間隙と現像剤層の厚さを、非画像形成時振動電界を生じさせていない状態の下で、現像剤層が感光体ドラム10の表面に接触せず、しかもできるだけ近接するような条件に設定することが行われる。それによって、トナー像に掃き目が生じたり、またカブリが生じたりすることが防止される。現像スリーブ131が感光体ドラム10に近接する位置は、トナー等の飛散防止上、重力の方向が現像スリーブ131に向かうようになる位置が好ましいが、勿論、それに限られるものではない。また、現像スリーブ131は外径が10〜30mmの間が好ましく用いられ、現像スリーブ131の回転速度及び回転方向は、トナー等の飛散防止の点からは、遅い速度で方向が感光体ドラム10の移動方向と反対が好ましいが、現像剤層による画像再現性の点からは感光体ドラム10の移動方向と同方向で、現像スリーブ131の周速を感光体ドラム10の周速の1.5〜3.5倍以内に抑え、方向は同方向とすることが好ましい。しかし、これに限定されるものではない。
【0103】
振動電界下での現像は、現像スリーブ131にバイアス電源によって、カブリ防止及び現像濃度に関係する直流電圧と、現像濃度及び階調性に関係する交流電圧との重畳した電圧を印加して、それにより現像領域に振動電界を生ぜしめて行うのが好ましい。直流成分としては反転現像にあっては、バイアス電圧の直流成分は感光体ドラム10の非画像背景部における受容電位に対して100〜200V程度低い電圧に設定される。交流成分としては周波数が1〜10kHz、振幅Vppが1500〜3000Vの範囲が用いられる。以上の交流成分は正弦波に限らず、矩形波や三角波等であってもよい。交流成分の周波数は、低過ぎると、振動のピッチが現像に表れるようになり、反対に高過ぎても、電界の振動に現像剤が追従できなくなって、現像濃度が低下し、鮮明な高画質画像の再現ができなくなると言う傾向が現れる。交流成分の振幅Vppは、周波数も関係するが、大なる程現像剤層を振動させるようになって、トナーはキャリアから離脱して飛翔し現像が行われてそれだけ効果を増すことになるが、その反面、大なる程カブリを生じ易くし、落雷現象のような絶縁破壊も起こり易くする。しかし、現像剤のキャリア粒子が樹脂等によって絶縁化されていると、絶縁破壊は防止されるし、カブリの発生も直流成分で防止できる。なお、現像スリーブ131の表面は樹脂や酸化被膜によって絶縁乃至半絶縁被覆するようにしてもよいし、表面に凹凸を設けて現像剤層の搬送性を向上するようにすることもなされる。以上の現像剤及び現像条件を用いることによって、安定してカブリがなく、解像力に優れた鮮明な非接触現像が行われる。
【0104】
特に非接触現像にあっては、扁平トナーがキャリアに対して被覆率40〜80%の間に付着しているよう管理されているときは、現像領域にあって図6(a)に示すように、キャリアに対して扁平部をもって静電的に付着していた扁平トナーは、印加された現像バイアスによってキャリアから離間し、図2(c)に示すように扁平トナーは飛翔して感光体ドラム10の潜像位置に扁平部をもって付着し薄層でしかも画像濃度の得られる現像が行われる。かかる現像において、先に説明した外添剤を用いることが、現像性を高め、良質で薄層のトナー画像を形成するうえで極めて有効である。
【0105】
(接触現像)
接触現像においては、現像間隙DSDは0.5〜2.0mmの間に設定されていることが好ましい。現像領域において磁気ブラシの先端部が適当な範囲で感光体ドラム10周面に摺接するためには、層厚規制部で規制する現像剤層の厚みh(DSD)は1.5〜3.0DSDに調整する。それによって、トナー像に掃き目が生じたり、またカブリが生じたりすることが防止される。現像スリーブ131が感光体ドラム10に近接する位置は、トナー等の飛散防止上、重力の方向が現像スリーブ131に向かうようになる位置が好ましいが、勿論、それに限られるものではない。また、現像スリーブ131は外径が10〜30mmの間が好ましく用いられ、現像スリーブ131の回転速度及び回転方向は、トナー等の飛散防止の点からは、遅い速度で方向が感光体ドラム10の移動方向と反対が好ましいが、現像剤層による画像再現性の点からは感光体ドラム10の移動方向と同方向で、現像スリーブ131の周速を感光体ドラム10の周速の1.5〜3.5倍以内に抑え、方向は同方向とすることが好ましい。しかし、これに限定されるものではない。接触現像にあっても、現像スリーブ131には直流電圧に交流電圧を重畳して印加することがなされる。直流成分としては反転現像にあっては、バイアス電圧の直流成分は感光体ドラム10の非画像背景部における受容電位に対し100〜200V程度低い電圧に設定される。交流成分としては周波数が1〜5kHz、振幅Vppが500〜1500Vの範囲が用いられる。接触現像においても交流バイアスを印加することによって、振動電界効果によって現像効率が上がり、現像剤の凝集をほぐして、磁気ブラシを柔らかくすることによって画像上でのブラシの刷毛目をなくす効果が生じる。更にまた、潜像面に摺接する磁気ブラシによって、ベタ画像エッジ部へのトナーの掃き寄せ画像の発生を防止し、高濃度でムラのない良好な現像が行われることとなる。
【0106】
接触現像においても、扁平トナーのキャリアに対する被覆率が40〜80%の間に付着するよう管理されているときは、図6(a)に示すように二成分現像剤はキャリアに対して扁平部をもって静電的に付着しており、現像領域においては感光体表面と摺擦状態にあり、現像バイアスが印加されることによって、図2(b)に示すように扁平トナーは感光体ドラム10の潜像位置に扁平部をもって付着し、薄層でしかも画像濃度が得られる現像が行われる。かかる現像において先に説明した外添剤を用いることが、現像性を高め、良質で薄層のトナー画像を形成する上で極めて有効である。
【0107】
(10) 上記に説明した現像剤に扁平トナーを用いて現像を行う画像形成装置の各例について、図8ないし図11を用いて説明する。図8は、本発明にかかわる扁平トナーを用いる画像形成装置の実施例の第1の例を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図9は、本発明にかかわる扁平トナーを用いる画像形成装置の実施例の第2の例を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図10は、本発明にかかわる扁平トナーを用いる画像形成装置の実施例の第3の例を示すカラー画像形成装置の断面構成図であり、図11は、像形成体或いは中間転写体上の扁平トナーからなるトナー像を示す図である。
【0108】
図8に示す画像形成装置では、像形成体としての感光体ドラム10aは、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0109】
感光体ドラム10aは、図示しない駆動源からの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。
【0110】
本実施例で用いる、画像露光用の露光ビームは、その結像点である感光体ドラム10aの光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していて、適切なコントラストを付与できればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対して透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用出来る。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用出来る。
【0111】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高く本発明に適する。なお有機感光層は、電荷発生物質(CGM)と電荷輸送物質(CTM)を1つの層中に含有する単層構成とされてもよく、該単層構成又は前記二層構成の感光層には、通常バインダ樹脂が含有される。
【0112】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12a、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されており、本実施形態においては、図8の矢印にて示す感光体ドラム10aの回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0113】
スコロトロン帯電器11は像形成体である感光体ドラム10aの移動方向に対して直交する方向(図8において紙面垂直方向)に感光体ドラム10aと対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10aの前述した有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッド(符号なし)と、コロナ放電電極として例えば放電ワイヤ(符号なし)を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用(本実施例においてはマイナス帯電)を行い、感光体ドラム10aに対し一様な電位を与える。コロナ放電電極としては、その他鋸歯状電極や針状電極を用いることも可能である。
【0114】
露光光学系12aは、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10aの軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系12aが取付けられて感光体ドラム10aの基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0115】
露光光学系12aは、感光体ドラム10a上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ドラム10aの回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10aの内部に配置される。
【0116】
露光光学系12aは、別体のコンピュータ(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像データに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10aに像露光を行い、感光体ドラム10a上に潜像を形成する。この実施例で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0117】
現像器13は、内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分の扁平トナーを有する現像剤を収容した現像器13は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12aによる像露光(画像書込)とによって形成される感光体ドラム10a上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10aの帯電極性と同極性のトナー(本実施例においては感光体ドラムは負帯電であり、トナーは負極性)により反転現像する。
【0118】
画像形成のスタートにより不図示の像形成体駆動モータの始動により感光体ドラム10aが図8の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10aに電位の付与が開始される。感光体ドラム10aは電位を付与されたあと、Yの露光光学系12aにおいて第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が開始され感光体ドラム10aの回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10a上にイエロー(Y)の扁平トナーからなるトナー像が形成される。
【0119】
次いで、感光体ドラム10aは前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12aの第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)の扁平トナーからなるトナー像の上にマゼンタ(M)の扁平トナーからなるトナー像が重ね合わせて形成される。
【0120】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12a及び現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)の扁平トナーからなるトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12a及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)の扁平トナーからなるトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10aの一回転以内にその周面上に扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0121】
このように、本実施例では、Y、M、C及びKの露光光学系12aによる感光体ドラム10aの有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10aの内部より透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10aの外部から露光してもよい。
【0122】
一方、主として転写材(記録材)として用いられる記録紙Pが、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ(符号なし)により送り出され、給送ローラ(符号なし)により給送されて転写材給送手段としてのタイミングローラ16へ搬送される。
【0123】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10a上に担持された扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像との同期がとられ、転写材帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14Aに吸着されて転写域(符号なし)へ給送される。搬送ベルト14Aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の電圧が印加される転写手段としての転写器14Cにより、感光体ドラム10aの周面上の扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が一括して記録紙P上に転写される。
【0124】
扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14Aから分離され、定着装置17へと搬送される。
【0125】
定着装置17は扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像を定着するための定着ローラ部材(転写材のトナー像を有する側の面に設けられるローラ部材)としての定着ローラ17aと、定着ローラ17aに対向して設けられる加圧ローラ部材(転写材のトナー像を有しない側の面に設けられるローラ部材)としての加圧ローラ17bとにより構成され、定着ローラ17aの内部中心には、発熱源としての発熱フィラメント(符号なし)を有する加熱手段であるハロゲンランプHLaが設けられる。
【0126】
定着ローラ17aと加圧ローラ17bとの間で形成されるニップ部Nで記録紙Pが挟持され、熱と圧力とを加えることにより記録紙P上の扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が定着され、記録紙Pは排紙ローラ18により送られて、装置上部のトレイへ排出される。
【0127】
転写後の感光体ドラム10aの周面上に残ったトナーは、像形成体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置19に設けられた感光体クリーニングブレード(符号なし)によりクリーニングされる。残留トナーを除去された感光体ドラム10aはスコロトロン帯電器11によって一様帯電を受け、次の画像形成サイクルに入る。
【0128】
上記の如くにして、扁平トナーを用いることにより、図11(a)に示すように、感光体ドラム10a上に薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成され、また図11(b)に示すように、感光体ドラム10a上の重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙P上においても薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0129】
なお上記画像形成装置においては、カラー画像形成にて説明したが、モノクロ画像のみの画像形成を行うことも可能である。
【0130】
また上記において、感光体ドラム10a上に付着される単色での扁平トナーは、扁平トナーの扁平面を寝かせた状態で感光体ドラム10aの潜像部を均一に覆う程度の量を、最大での必要量とすることが好ましい。即ち、扁平トナーによる好ましいトナー層厚は一様に隙間無く扁平トナーが付着された状態(扁平トナーが潰された状態)で、(0.7〜1.3)×d(dは図1にて前述した扁平トナーの厚さ)であることが好ましく、これにより、十分な画像濃度を有する薄いトナー像の形成が可能となる。
【0131】
図9に示す画像形成装置では、画像形成装置上部には、透明なガラス板などからなる原稿台と、さらに原稿台上に載置した原稿Dを覆う原稿カバー等からなる原稿載置部111があり、原稿台の下方であって、装置本体内には第1ミラーユニット112、第2ミラーユニット113、主レンズ120、カラーCCD123等からなる画像読み取り部Aが設けられている。第1ミラーユニット112は露光ランプ114、第1ミラー115を備え、原稿台と平行に、かつ図面左右方向へ直線移動可能に取り付けられていて、原稿Dの全面を光学走査する。第2ミラーユニット113は第2ミラー116及び第3ミラー117を一体化して備え、常に所定の光路長を保つように第1ミラーユニット112の1/2の速度で左右同方向に直線移動する。勿論この第2ミラーユニット113の移動は第1ミラーユニット112と同様に原稿台に対して平行である。露光ランプ114によって照明される原稿台上の原稿Dの像は、主レンズ120により第1ミラー115、第2ミラー116、第3ミラー117を経てカラーCCD123上へ結像されるようになっている。走査が終わると第1ミラーユニット112及び第2ミラーユニット113は元の位置に戻り、次のコピーまで待機する。
【0132】
カラーCCD123によって得られた各色の画像データは画像処理部において画像処理され、画像信号として次に説明する画像形成部Eにレーザ書込みが行われる。
【0133】
図9に示す画像形成装置は画像形成部Eとして中間転写体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置であって、中間転写体としての転写ベルト14aの周縁部には黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)から成る4組のプロセスユニット100が、転写ベルト14aの回転方向上流側から、その順に設けられていて、各プロセスユニット100では、扁平トナーを用いる、K、C、M及びYのトナー像が形成され、かかる扁平トナーからなるトナー像は転写ベルト14aの上で重ね合わせて転写され、転写された重ね合わせのカラートナー像は転写材としての記録紙P上に一括転写され、定着されて機外に排出される構成となっている。
【0134】
4組のプロセスユニット100は何れも共通した構造となっているので、その1組について説明する。
【0135】
像形成体としての感光体ドラム10は、円筒状の基体の外周に、導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0136】
感光体ドラム10は、図示しない駆動源からの動力により、或いは転写ベルト14aに従動し、導電層を接地された状態で矢印で示す反時計方向に回転される。
【0137】
11は帯電手段としてのスコロトロン帯電器で、感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、トナーと同極性のコロナ放電によって、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。
【0138】
12は画像データに基づいてK、C、M及びYの像露光を行う画像書込手段としての露光光学系で、例えばポリゴンミラー等によって感光体ドラム10の回転軸と平行に走査を行う走査光学系である。一様帯電された感光体ドラム10上に露光光学系12によって像露光を行うことによって潜像が形成される。
【0139】
感光体ドラム10周縁には、負に帯電した扁平トナーと磁性キャリアから成る二成分の現像剤を内蔵した現像器13が設けられていて現像が行われる。
なお現像は接触現像であっても非接触現像であっても差し支えない。この扁平トナーからなるトナー像は転写位置において後に説明する転写ベルト14a上に転写がなされる。転写を終えて感光体ドラム10上に残留した転写残トナーは、静電的に回収を行う感光体クリーニング装置19によって清掃が行われる。
【0140】
K、C、M及びYから成る4色のプロセスユニット100が並列して対向する転写ベルト14aは体積抵抗率1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。転写ベルト14aの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することも出来る。転写ベルト14aは、駆動ローラ14d、従動ローラ14e、テンションローラ14k及びバックアップローラ14jに外接して張架され、画像形成時には、不図示の駆動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ14dが回転され、各色毎の転写位置では第1の転写手段としての1次転写ローラ14cにより感光体ドラム10に転写ベルト14aが押圧され、転写ベルト14aが図の矢印で示す方向に回転される。
【0141】
各色毎の第1の転写手段としてのローラ部材からなる1次転写ローラ14cは、転写ベルト14aを挟んで各色毎の感光体ドラム10に対向して設けられ、転写ベルト14aと各色毎の感光体ドラム10との間に各色毎の転写域(符号なし)を形成する。各色毎の1次転写ローラ14cにはトナーと反対極性(本実施例においてはプラス極性)の直流電圧を印加し、転写域に転写電界を形成することにより、各色毎の感光体ドラム10上のトナー像を転写ベルト14a上に転写する。
【0142】
各色毎の除電手段である除電器14mは、好ましくはコロナ放電器により構成され、1次転写ローラ14cにより帯電された転写ベルト14aを除電する。
【0143】
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により黒(K)のプロセスユニット100の感光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回転され、同時にKのスコロトロン帯電器11の帯電作用によりKの感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0144】
Kの感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Kの露光光学系12によって制御部から出力する電気信号による画像書込が開始され、Kの感光体ドラム10の表面に制御部からの出力画像に対応する静電潜像が形成される。
【0145】
前記のKの潜像はKの現像器13により非接触状態で反転現像がなされKの感光体ドラム10の回転に応じKの扁平トナーによるKの扁平トナーからなるトナー像が形成される。
【0146】
上記の画像形成プロセスによって像形成体であるKの感光体ドラム10上に形成されたKの扁平トナーからなるトナー像が、Kの転写域(符号なし)において、Kの1次転写ローラ14cによって、転写ベルト14a上に転写される。
【0147】
Kのプロセスユニット100の作動に僅かに遅れて、シアン(C)のプロセスユニット100の感光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回転され、同時にCのスコロトロン帯電器11の帯電作用によりCの感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0148】
Cの感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Cの露光光学系12によってKのトナー像と同期してCの画像データに対応する電気信号による画像書込が開始され、Cの感光体ドラム10の表面に原稿画像のCの画像に対応する静電潜像が形成される。
【0149】
前記のCの潜像はCの現像器13により非接触状態で反転現像がなされCの感光体ドラム10の回転に応じCの扁平トナーによるCのトナー像が形成される。
【0150】
上記の画像形成プロセスによって像形成体であるCの感光体ドラム10上に形成されたCの扁平トナーからなるトナー像が、Cの転写域(符号なし)において、Cの1次転写ローラ14cによって、転写ベルト14aのKの扁平トナーからなるトナー像上に転写される。
【0151】
次いで転写ベルト14aは、Mのトナー像と同期が取られ、マゼンタ(M)のプロセスユニット100によりMの感光体ドラム10上に形成されたMの画像データに対応するMの扁平トナーからなるトナー像が、Mの転写域(符号なし)において、Mの1次転写ローラ14cによって、前記のK、Cの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像の上から、重ね合わせて形成される。
【0152】
同様のプロセスにより、K、C、Mの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像と同期が取られ、イエロー(Y)の扁平トナーを用いたプロセスユニット100によりYの感光体ドラム10上に形成された、Yの画像データに対応するYの扁平トナーを用いたYのトナー像が、Yの転写域(符号なし)において、Yの1次転写ローラ14cによって、前記のK、C、Mの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像の上から重ね合わせて形成され、転写ベルト14a上にK、C、M及びYの扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0153】
転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面上に残った転写残トナーは、各色毎の像形成体クリーニング手段である感光体クリーニング装置19によりクリーニングされる。
【0154】
転写ベルト14a上の重ね合わせのカラートナー像形成と同期して転写材収納手段である給紙カセット15から、転写材給送手段としてのタイミングローラ16を経て、主として転写材(記録材)として用いられる記録紙Pが、第2の転写手段である2次転写器14gの転写域(符号なし)へと搬送され、トナーと反対極性の直流電圧が印加される2次転写器14gにより、転写ベルト14a上の扁平トナーからなる重ね合わせカラートナー像が記録紙P上に一括して転写される。記録紙P上にはK、C、M、Yの扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が存在することとなる。
【0155】
扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙Pは、鋸歯状電極板から成る分離手段である除電電極16bにより除電され、定着装置17へと搬送される。
【0156】
定着装置17は扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像を定着するための定着ローラ部材(転写材のトナー像を有する側の面に設けられるローラ部材)としての定着ローラ17aと、定着ローラ17aに対向して設けられる加圧ローラ部材(転写材のトナー像を有しない側の面に設けられるローラ部材)である加圧ローラ17bとにより構成される。定着ローラ17aの内部中心には、発熱源としての発熱フィラメント(符号なし)を有する加熱手段であるハロゲンランプHLaが設けられる。
【0157】
定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間で熱と圧力とを加えられることにより記録紙P上の扁平トナーからなる重ね合わせのカラ−トナー像が定着された後、排出ローラ18により送られ装置上部のトレイへ排出される。
【0158】
転写後の転写ベルト14aの周面上に残った転写残トナーは、転写ベルト14aを挟んで従動ローラ14eに対向して設けられる中間転写体クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置19aによりクリーニングされる。
【0159】
上記の如くにして、扁平トナーを用いることにより、図11(a)に示すように、感光体ドラム10上に薄層化と平坦化され、トナー乱れのないトナー像が形成され、また図11(c)に示すように、各色の感光体ドラム10上のトナー像が転写された搬送ベルト14a上においても、薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成され、また図11(b)に示すように、搬送ベルト14a上の重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙P上においても薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0160】
また上記において、感光体ドラム10a上に付着される単色での扁平トナーは、扁平トナーの扁平面を寝かせた状態で感光体ドラム10aの潜像部を均一に覆う程度の量を、最大での必要量とすることが好ましい。即ち、扁平トナーによる好ましいトナー層厚は一様に隙間無く扁平トナーが付着された状態(扁平トナーが潰された状態)で、(0.7〜1.3)×d(dは図1にて前述した扁平トナーの厚さ)であることが好ましく、これにより、十分な画像濃度を有する薄いトナー像の形成が可能となる。
【0161】
図10に示すカラー画像形成装置は中間転写体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置であって、中間転写体としての転写ベルト14aの周縁部には、転写ベルト14aの回転方向上流側から、黒色(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)から成る4組のカラー画像形成用のプロセスユニット100が設けられていて、K、C、M及びYのプロセスユニット100では扁平トナーからなる淡トナーと、扁平トナーからなる濃トナーとを用いてのK、C、M及びYの、扁平トナーからなる重ね合わせトナー像が形成され、各プロセスユニット100にて形成された扁平トナーからなるトナー像は転写ベルト14aの上で重ね合わせて転写されて、転写ベルト14a上に扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が形成され、転写ベルト14a上に転写された扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が転写材上に一括して転写され、定着されて機外に排出される構成となっている。
【0162】
K、C、M及びYの4組のプロセスユニット100は何れも共通した構造となっているので、その1組について説明する。
【0163】
プロセスユニット100は、感光体ドラム10と、トナー像の転写位置からみて、感光体ドラム10の回転方向上流側から、感光体ドラム10上の転写残トナーをクリーニングするための感光体クリーニング装置19と、淡トナー像を形成するための淡トナー用のスコロトロン帯電器11(L)、る淡トナー用の露光光学系12(L)、扁平トナーからなる淡トナー用の現像器13(L)と、濃トナー像を形成するための濃トナー用のスコロトロン帯電器11(H)、濃トナー用の露光光学系12(H)、扁平トナーからなる濃トナー用の現像器13(H)とから構成される。
【0164】
像形成体である感光体ドラム10は、例えばアルミパイプ、アクリル樹脂パイプ等を用いた円筒状の基体の外周に、導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0165】
感光体ドラム10は、図示しない駆動源からの動力により、或いは転写ベルト14aに従動し、導電層を接地された状態で矢印で示す反時計方向に回転される。
【0166】
淡トナー用の帯電手段(第1の帯電手段)であるスコロトロン帯電器11(L)及び濃トナー用の帯電手段(第2の帯電手段)であるスコロトロン帯電器11(H)は、それぞれ、感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、トナーと同極性のコロナ放電によって、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。
【0167】
淡トナー用の像露光手段(第1の像露光手段)である露光光学系12(L)、濃トナー用の像露光手段(第2の像露光手段)である露光光学系12(H)は、それぞれ、例えばポリゴンミラー等によって感光体ドラム10の回転軸と平行に走査を行う走査光学系が用いられる。露光光学系12(L)は、外部露光を用い、淡トナー用の画像データによって第1の画像書込(第1の像露光)を行う画像書込手段であり、露光光学系12(H)は、外部露光を用い、濃トナー用の画像データによって第2の画像書込(第2の像露光)を行う画像書込手段である。
【0168】
扁平トナーからなる淡トナー用の現像手段(第1の現像手段)である現像器13(L)は、扁平トナーからなる淡トナー現像剤を内蔵し、接触又は非接触によって第1の反転現像を行う。また扁平トナーからなる濃トナー用の現像手段である現像器13(H)は、扁平トナーからなる濃トナー現像剤を内蔵し、非接触現像によって第2の反転現像を行う。
【0169】
画像形成に当たっては、各色毎の画像データは、淡トナー用の画像データと濃トナー用の画像データとに分けられ、先ず、淡トナー用のスコロトロン帯電器11(L)により一様帯電された感光体ドラム10に、淡トナー用の画像データによる第1の像露光が露光光学系12(L)によってなされて、淡トナーの潜像形成が行われ、扁平トナーからなる淡トナー用の現像器13(L)の現像ローラ13a(L)によって、扁平トナーからなる淡トナーによる第1の現像が行われる。次に、扁平トナーからなる淡トナー像が形成された感光体ドラム10に、濃トナー用のスコロトロン帯電器11(H)により再帯電が行われ、濃トナー用の画像データによる第2の像露光が、露光光学系12(H)によって行われて、濃トナーの潜像形成がなされ、扁平トナーからなる濃トナー用の現像器13(H)の現像ローラ13a(H)によって、扁平トナーからなる濃トナーによる第2の現像が行われて、扁平トナーからなる淡トナーによるトナー像の上に、扁平トナーからなる濃トナーによるトナー像が感光体ドラム10上に重ねて形成される。この扁平トナーからなる淡、濃トナー像(重ね合わせトナー像)は、第1の転写手段の転写位置において、転写ベルト14a上に転写がなされる。
【0170】
転写を終えた感光体ドラム10上に残留した転写残トナーは、静電的に回収を行う感光体クリーニング装置19によって清掃が行われる。
【0171】
K、C、M及びYの4組のプロセスユニット100が並列して対向する中間転写体としての転写ベルト14aは体積抵抗率が1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率が1010〜1015Ω/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。転写ベルト14aの基体としては、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴムベルトを使用することもできる。転写ベルト14aは、駆動ローラ14d、従動ローラ14e、テンションローラ14k及びバックアップローラ14jに外接して張架され、画像形成時には、不図示の駆動モータよりの駆動をうけて駆動ローラ14dが回転され、各色毎の転写位置では1次転写ローラ14cにより感光体ドラム10に転写ベルト14aが押圧され、転写ベルト14aが図の矢印で示す方向に回転される。
【0172】
K、C、M及びYの第1の転写手段であるローラ部材からなる1次転写ローラ14cは、転写ベルト14aを挟んで各々の感光体ドラム10に対向して設けられ、転写ベルト14aと各々の感光体ドラム10との間に各々の転写域(符号なし)を形成する。各々の1次転写ローラ14cにはトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス極性)の直流電圧を印加し、転写域(符号なし)に転写電界を形成することにより、K、C、M及びYの感光体ドラム10上のそれぞれ扁平トナーからなる淡、濃トナー像を転写ベルト14a上に転写する。
【0173】
各色毎の除電手段である除電器14nは、好ましくはコロナ放電器により構成され、1次転写ローラ14cにより帯電された転写ベルト14aを除電する。
【0174】
画像記録のスタートにより不図示の感光体駆動モータの始動により黒(K)のプロセスユニット100の感光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回転され、同時にKの淡トナー用のスコロトロン帯電器11(L)の帯電作用によりKの感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0175】
Kの感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Kの淡トナー用の露光光学系12(L)によって、第1の色信号のKの淡トナー用の画像データに対応する電気信号による、外部露光での第1の像露光が開始され、Kの感光体ドラム10の表面に原稿画像のKの画像に対応する淡トナー用の静電潜像が形成される。
【0176】
前記の淡トナー用の潜像は、Kの扁平トナーからなる淡トナー用の現像器13(L)により接触状態で第1の反転現像がなされKの感光体ドラム10の回転に応じKの扁平トナーからなる淡トナーによるトナー像が形成される。続いてKの濃トナー用のスコロトロン帯電器11(H)による帯電と、Kの濃トナー用の露光光学系12(H)による第1の色信号のKの濃トナー用の画像データに対応する電気信号による、外部露光での第2の像露光による、Kの画像に対応する濃トナー用の静電潜像の形成と、Kの扁平トナーからなる濃トナー用の現像器13(H)による第2の現像とによって、Kの扁平トナーからなる濃トナーによるトナー像が先に形成されたKの扁平トナーからなる淡トナーによるトナー像の上に重ねて形成される。
【0177】
上記の画像形成プロセスによって像形成体であるKの感光体ドラム10上に形成された、それぞれ扁平トナーを用いる淡、濃トナーからなるKのトナー像(扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像)が、Kの転写域(符号なし)において、Kの1次転写ローラ14cによって、転写ベルト14a上に転写される。
【0178】
次いで転写ベルト14aは、Cのトナー像と同期が取られ、シアン(C)のプロセスユニット100によりCの感光体ドラム10上に形成された、第2の色信号によるCの淡、濃トナー用の画像データに対応し、それぞれ扁平トナーを用いるCの淡、濃トナーからなるトナー像(扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像)が、Cの転写域(符号なし)において、Cの1次転写ローラ14cによって、前記転写ベルト14a上のそれぞれ扁平トナーを用いるKの濃、淡トナーからなるトナー像(扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像)の上から、転写ベルト14a上において重ね合わせて形成される。
【0179】
同様のプロセスにより、K、Cの重ね合わせトナー像と同期が取られ、マゼンタ(M)のプロセスユニット100によりMの感光体ドラム10上に形成された、第3の色信号によるMの淡、濃トナー用の画像データに対応する、それぞれ扁平トナーを用いるMの淡、濃トナーからなるトナー像(扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像)が、Mの転写域(符号なし)において、Mの1次転写ローラ14cによって、前記転写ベルト14a上のK、Cの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像の上から、転写ベルト14a上において重ね合わせて形成され、更にK、C、Mの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像と同期が取られ、イエロー(Y)のプロセスユニット100によりYの感光体ドラム10上に形成された、第4の色信号によるYの淡、濃トナー用の画像データに対応し、それぞれ扁平トナーを用いるYの淡、濃トナーからなるトナー像(扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像)が、Yの転写域(符号なし)において、Yの1次転写ローラ14cによって、前記転写ベルト14a上のK、C、Mの扁平トナーからなる重ね合わせのトナー像の上から、転写ベルト14a上において重ね合わせて形成され、転写ベルト14a上に扁平トナーからなるK、C、M及びYの重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0180】
転写後の各々の感光体ドラム10の周面上に残った転写残トナーは、各々の像形成体クリーニング手段であるクリーニング装置19によりクリーニングされる。
【0181】
転写ベルト14a上の重ね合わせのカラートナー像形成と同期して転写材収納手段である給紙カセット15から、転写材給送手段としてのタイミングローラ16を経て、主として転写材(記録材)として用いられる記録紙Pが、第2の転写手段である2次転写器14gの転写域(符号なし)へと搬送され、トナーと反対極性の直流電圧が印加される2次転写器14gにより、転写ベルト14a上の扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が記録紙P上に一括して転写される。
【0182】
扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙Pは、鋸歯状電極板から成る分離手段である除電電極16bにより除電され、定着装置17へと搬送される。
【0183】
定着装置17は扁平トナーからなる重ね合わせのカラートナー像を定着するための定着ローラ部材(転写材のトナー像を有する側の面に設けられるローラ部材)としての定着ローラ17aと、定着ローラ17aに対向して設けられる加圧ローラ部材(転写材のトナー像を有しない側の面に設けられるローラ部材)としての加圧ローラ17bとにより構成される。定着ローラ17aの内部中心には、発熱源としての発熱フィラメント(符号なし)を有する加熱手段であるハロゲンランプHLaが設けられる。
【0184】
定着ローラ17aと圧着ローラ17bとの間で熱と圧力とを加えられることにより記録紙P上の扁平トナーからなる重ね合わせのカラ−トナー像が定着された後、排出ローラ18により送られ装置上部のトレイへ排出される。
【0185】
転写後の転写ベルト14aの周面上に残った転写残トナーは、転写ベルト14aを挟んで従動ローラ14eに対向して設けられる中間転写体クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置19aによりクリーニングされる。
【0186】
上記の如くにして、扁平トナーを用いることにより、図11(a)に示すように、感光体ドラム10上に薄層化と平坦化され、トナー乱れのないトナー像が形成され、また図11(c)に示すように、各色の感光体ドラム10上のトナー像が転写された搬送ベルト14a上においても、薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成され、また図11(b)に示すように、搬送ベルト14a上の重ね合わせのカラートナー像が転写された記録紙P上においても薄層化と平坦化され、トナー乱れのない重ね合わせのカラートナー像が形成される。
【0187】
また上記において、感光体ドラム10a上に付着される単色での扁平トナーは、扁平トナーの扁平面を寝かせた状態で感光体ドラム10aの潜像部を均一に覆う程度の量を、最大での必要量とすることが好ましい。即ち、扁平トナーによる好ましいトナー層厚は一様に隙間無く扁平トナーが付着された状態(扁平トナーが潰された状態)で、(0.7〜1.3)×d(dは図1にて前述した扁平トナーの厚さ)であることが好ましく、これにより、十分な画像濃度を有する薄いトナー像の形成が可能となる。
【0188】
【発明の効果】
本発明は何れも二成分現像剤のトナーとして扁平トナーを用い、トナーの消費量が少なくても高濃度の画像が得られ、凹凸が少なく且つトナーの散りが無い高画質の画像が得られる優れた効果を奏する画像形成方法であって、
扁平トナーを用いて優れた画像形成がなされる効果を奏することとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】扁平トナーの1例を示す模式図。
【図2】扁平トナーの付着状態を示す説明図。
【図3】トナー付着量と画像濃度との関係を示す説明図。
【図4】アニュラー型連続湿式撹拌ミルの一例を示す要部断面図。
【図5】外添剤の扁平トナーへの付着状態を示す説明図。
【図6】扁平トナーのキャリアへの付着状態を示す投影図。
【図7】感光体ドラムに対向した現像スリーブの断面構成図。
【図8】扁平トナーを用いる画像形成装置(第1の例)の断面構成図。
【図9】扁平トナーを用いる画像形成装置(第2の例)の断面構成図。
【図10】扁平トナーを用いる画像形成装置(第3の例)の断面構成図。
【図11】像形成体或いは中間転写体上のトナー像を示す図。
【符号の説明】
10,10a 感光体ドラム
11,11(H),11(L) スコロトロン帯電器
12,12(H),12(L),12a 露光光学系
14A 搬送ベルト
14a 転写ベルト
14C 転写器
14c 1次転写ローラ
14g 2次転写器
100 プロセスユニット
131 現像スリーブ
132 マグネットロール
133 層厚規制部材
Claims (13)
- トナーとキャリアとから成る二成分現像剤を用いて、像形成体上の潜像の現像、及び形成されたトナー像の転写材上への転写、定着を行う画像形成方法において、前記トナー粒子は扁平形状であって、像形成体又は転写体上への付着がトナー扁平部によって付着し、また、トナーはキャリアに扁平部をもって付着し、キャリア表面積に対するトナー扁平部の断面積による表面被覆率が40〜80%の間にあって現像を行うことを特徴とする画像形成方法。
- 現像或いは転写におけるトナー粒子の付着と移動は、トナーの扁平姿勢を保って行われることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 請求項1に記載の画像形成方法において、
前記トナー粒子には外添剤が付着した状態で現像を行い、外添剤が付着したトナー粒子の帯電量Q′(μC/g)は、外添剤を有しないトナー粒子の帯電量Q(μC/g)に対し
|Q′|>|Q|
の関係にあり、トナー粒子は扁平部をもって付着することを特徴とする画像形成方法。 - 前記の帯電量Q′(μC/g)とQ(μC/g)の間では
|Q′|/|Q|=1.1〜1.5
の関係にあることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。 - 前記トナー粒子に付着する外添剤の付着量は表面被覆率が50〜100%の間にあって現像を行うことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成方法。
- 請求項1に記載の画像形成方法において、
前記トナー粒子には外添剤が付着した状態でトナー粒子の扁平部分が像形成体に付着する現像を行い、扁平部の径をr、厚さをdとするトナー粒子に対して、外添剤の数平均一次粒径pは、
p/r=10 -1 〜5×10 -3
の関係にあることを特徴とする画像形成方法。 - 外添剤の粒径pとトナー粒子の厚さdとの間では
p/d=3×10 -1 〜3×10 -2
の関係にあることを特徴とする請求項6に記載の画像形成方法。 - トナー粒子表面に付着する外添剤は、0.1〜5.0質量%の添加量であることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成方法。
- 外添剤には上記数平均一次粒径の外添剤と共に更に数平均一次粒径の小さな外添剤を併せ用いることを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1に記載の画像形成方法において、
前記トナーは球状の重合トナーを扁平化処理によって調整した扁平トナーで、前記扁平トナーに用いられる粒径d 0 の球形重合トナーの粒度分布は、粒度分布の平均d 0 (M)に対して
1/2<d 0 /d 0 (M)<2
の領域に80%以上存在することを特徴とする画像形成方法。 - 前記球形重合トナーの粒度分布は、
1/4<d 0 /d 0 (M)<4
の領域に95%以上存在することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。 - 請求項1に記載の画像形成方法において、
前記扁平トナーの厚さdと扁平部の径rとの比(扁平度)の分布は、扁平度の平均(d/r)(M)に対して
1/2<(d/r)/(d/r)(M)<2
の領域に80%以上存在することを特徴とする画像形成方法。 - 前記扁平トナーの扁平度の分布は
1/4<(d/r)/(d/r)(M)<4
の領域に95%以上存在することを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
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