JP4253460B2 - 新規チアジアゾール誘導体とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬、農薬、写真用材料の合成中間体および写真用添加剤として有用な新規チアジアゾール誘導体、特にハロゲン化銀写真感光材料に添加することにより写真性を改良することのできる1,3,4−チアジアゾール誘導体と1,2,4−チアジアゾール誘導体に関し、これら新規チアジアゾール誘導体を簡便かつ高収率で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フッ素原子は生物に対する活性が高く、フッ素原子を置換基に有するヘテロ環は、医薬(例えば抗生物質)や農薬(例えば防腐剤、防黴剤)等に非常に多く使用されている。またハロゲン化銀写真感光材料分野においてもフッ素原子を有する化合物がいくつか使用されている。このようにフッ素原子を含む化合物、特にフッ素原子を環上に有するヘテロ環化合物は、これらの用途の合成中間体および最終物として非常に有用な骨格である。
フッ素原子を含むヘテロ環は、ピリジン骨格、イミダゾール骨格およびトリアゾール骨格など数多く知られているが、その中でチアジアゾール骨格(1,3,4−チアジアゾール骨格と1,2,4−チアジアゾール骨格)を有する化合物は意外なほどに少ない。これまで知られているのは、特表平第11501913号に記載化合物(例えば2−フルオロ−5−メチルチオ−[1,3,4]チアジアゾール、3−フルオロ−5−メチルスルホニル−[1,2,4]チアジアゾールなど)、米国特許第3874874号に記載化合物、2−ブロモ−5−フルオロ−[1,3,4]チアジアゾール(Journal of Organic Chemistry,27巻,1962,2589−2592参照)、5−フルオロ−3−トリフルオロメチル−[1,2,4]チアジアゾール(Journalof Organic Chemistry,27巻,1962,2589−2592参照)、3−(ジクロロ−フルオロ−メチル)−5−フルオロ−[1,2,4]チアジアゾール(Journal of Organic Chemistry,27巻,1962,2589−2592参照)、5−フルオロ−3−(1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−プロピル)−[1,2,4]チアジアゾール(Journal of Organic Chemistry,27巻,1962,2589−2592参照)、5−フルオロ−3−フェニル−[1,2,4]チアジアゾール(Chemische Berichte,94巻,1961,2043−2060参照)、3−フルオロ−5−フェニル−[1,2,4]チアジアゾール(Chemische Berichte,94巻,1961,2043−2060参照)である。
【0003】
フッ素原子を含むこれらのチアジアゾール誘導体をハロゲン化銀写真感光材料中に添加すると写真性能を変化させることがわかったが、同時に大きな減感を引き起こすことが問題であった。そこで、写真性の改良効果がより高く、かつ減感の問題がない化合物の開発が望まれていた。
一方、チアジアゾール誘導体にフッ素原子を導入する方法の1つとして、求核的フッ素置換反応がよく用いられる。求核的フッ素置換には、ジアゾニウム塩を経由するBalz−Schiemann反応も含まれるが、ヘテロ環のジアゾニウム塩は爆発性が非常に高く安全性の観点からこの方法は製造には適さない。また、フッ化カリウム等による求核的フッ素置換では、無溶媒反応(Journal of Organic Chemistry,27巻,1962,2589−2592参照)の例もあるが、スルホラン(特表平第11501913号参照)やアセトニトリル(J.Chem.Soc.Perkin Trans.1,1982,159−164参照)を溶媒として使用する例が殆どである。しかし、アセトニトリルを溶媒として用いた場合、沸点が低いため反応進行が極めて遅いという問題がある。一方、無溶媒もしくはスルホランを溶媒として用いた場合でも収率は概ね低く、特に昇華性を有する反応基質では著しく低収率になり製造には不適であった。従って、フッ素原子を有するチアジアゾール誘導体を簡便かつ高収率で製造する方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の第一の目的は、医薬、農薬、写真用材料の合成中間体として有用なフッ素原子を有する新規なチアジアゾール誘導体を提供することにある。第二の目的は、ハロゲン化銀写真感光材料中に添加することによって有効な性能を有し、かつ減感を生じないチアジアゾール誘導体を提供することにある。第三の目的は、フッ素原子を有するチアジアゾール誘導体を簡便かつ高収率で製造する方法で、写真感光材料中に添加することにより減感を引き起こす不純物が含まれない製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記(1)〜(11)によって達成された。
(1)下記一般式(I)、(II)または(III)で表されるチアジアゾール誘導体。
【0006】
【化3】
【0007】
(式中、X1 は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基、スルホ基またはアリールオキシ基を表す。X 2 およびX 3 はそれぞれフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基またはスルホ基を表す。)
(2)下記一般式(I)で表されるチアジアゾール誘導体。
【化103】
(式中、X 1 は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基、スルホ基またはアリールオキシ基を表す。)
(3)前記X 1 が、フッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子であることを特徴とする(2)に記載のチアジアゾール誘導体。
(4)下記一般式(II)または(III)で表されるチアジアゾール誘導体。
【化104】
(式中、X 2 およびX 3 はそれぞれフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基またはスルホ基を表す。)
(5)前記X 2 およびX 3 が、それぞれフッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子であることを特徴とする請求項4に記載のチアジアゾール誘導体。
(6)(1)に記載の前記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(IV)、(V)または(VI)で表される化合物を、求核的フッ素化剤と有機溶媒を用いて反応させることを特徴とする製造方法。
【0008】
【化4】
【0009】
(式中、X4 は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基、スルホ基またはアリールオキシ基を表し、X 5 およびX 6 はそれぞれフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基またはスルホ基を表し、Y1、Y2およびY3はそれぞれ脱離基を表す。)
(7)前記フッ素化剤と組み合わせて、相関移動触媒を使用することを特徴とする(6)に記載の前記の製造方法。
(8)一般式(VIII)で表される化合物の製造方法であって、一般式(VII)で表される化合物を、求核的フッ素化剤と有機溶媒を用いて反応させることを特徴とする製造方法。
【0010】
【化5】
【0011】
(式中、Z1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、Z2は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表す。)
(9)前記有機溶媒が沸点83℃〜152℃であることを特徴とする(6)〜(8)のいずれか1項に記載の一般式(I)、(II)、(III)または(VIII)で表される化合物の製造方法。
(10)前記有機溶媒が沸点83℃〜130℃であり、反応温度が2〜10時間であることを特徴とする(6)〜(9)のいずれか1項に記載の製造方法。
(11)前記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物が、前記一般式(I)で表される化合物であって、前記一般式(IV)、(V)または(VI)で表される化合物が、前記一般式(IV)である化合物であることを特徴とする(6)、(7)または(9)に記載の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、フッ素原子を環上に少なくとも一つ有する1,3,4−チアジアゾール誘導体および1,2,4−チアジアゾール誘導体であることが特徴である。特にハロゲン化銀写真感光材料への添加剤としては、チアジアゾール環の窒素原子に隣接する炭素原子上にフッ素原子が置換されていることが好ましく、チアジアゾール環の両方の炭素原子上に同時にフッ素原子以外の置換基が置換されると、望む効果が著しく減少してしまうことが判った。また、フッ素原子を有するチアジアゾール誘導体の製造方法において、沸点が83℃〜152℃の有機溶媒を用いて求核的フッ素置換させることにより高収率で目的物を得られることが判った。
【0013】
以下に一般式(I)、(II)および(III)で表されるチアジアゾール誘導体について詳細に述べる。
X 1 は水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアノ基、カルバモイル基、アミド基、スルホ基またはアリールオキシ基を表す。X 2 およびX 3 はそれぞれフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、スルホンアミド基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、チオシアナト基、カルバモイル基、アミド基またはスルホ基を表す。
X 1 で表されるアリールチオ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、より好ましくは炭素数6〜7である。例えばフェニルチオが挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるスルファモイル基は、好ましくは炭素数0〜5のスルファモイル基であり、より好ましくは炭素数0〜1である。例えばスルファモイル(−SO2NH2)が挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるスルホンアミド基は、好ましくは炭素数0〜5のスルホンアミド基であり、より好ましくは炭素数1〜2である。例えばメチルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミドが挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるアミノ基は、好ましくは炭素数0〜5のアミノ基であり、より好ましくは0〜2である。例えば、アミノ、メチルアミノが挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるカルバモイル基は、好ましくは炭素数1〜5のカルバモイル基であり、より好ましくは炭素数1〜2である。例えばカルバモイル、メチルカルバモイルが挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるアミド基は、好ましくは炭素数1〜5のアミド基であり、より好ましくは炭素数1〜2である。例えばアセチルアミノ、トリフルオロアセチルアミノが挙げられる。
X 1 で表されるアリールオキシ基は、好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、より好ましくは炭素数6〜7である。例えばフェニルオキシが挙げられる。
X1、X2およびX3で表されるメルカプト基、スルホ基は塩を形成していてもよく、塩を形成するカチオンとしては、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(マグネシウムイオン、カルシウムイオン等)、遷移金属イオン(鉄イオン、ルテニウムイオン等)、アンモニウムイオン(アンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン等)等が挙げられる。カチオンとして好ましくはアルカリ金属イオンであり、より好ましくはナトリウムイオン、カリウムイオンであり、特に好ましくはナトリウムイオンである。
【0014】
X 1 は、好ましくは、水素原子、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、アミノ基、アミド基、スルホ基であり、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
X 2 およびX 3 は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、メルカプト基、スルファモイル基、アミノ基、アミド基、スルホ基であり、より好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
【0015】
これらの一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物は、低収率ながら従来のフッ素化合物の合成法を参考にして合成することもできる。例えばフッ素化の反応は、日本学術振興会フッ素化学第155委員会編「フッ素化学入門 基礎と実験法」、特に275頁〜292頁の参考文献に記載の合成法を参考して合成することができる。
フッ素化の代表的な反応としては、求電子的フッ素置換、求核的フッ素置換(Balz−Schiemann反応を含む)、求電子的フッ素付加、求核的フッ素付加、開環反応によるフッ素付加、電解フッ素化反応が知られている。これらの反応にはフッ素ガス(実際には窒素ガスやアルゴンガスとの混合ガスを使用することが多い)やハイポフルオライト類(例えばCF3OF、CF3COOF、CF3CF2OF)、フッ化過クロリル(ClO3F)、硫酸セシウムフルオライト(CsSO4F)、フッ化キセノン(XeF2)、N−F結合を持つフッ素化剤(例えばジアザビシクロオクタン誘導体(F−TEDA−BF4)、N−フルオロピリジニウム誘導体といったフッ素化剤が使用できる。N−F結合を持つフッ素化剤としては、例えば以下のような試薬が挙げられる(Arは、置換または無置換のアリール基を表し、好ましくは炭素数6〜12のアリール基を表す。-OTfはトリフルオロメタンスルホニル酸イオンを表す)。
【0016】
【化6】
【0017】
その他のフッ素化剤として、フッ化水素、フッ化水素−ピリジン、金属フッ化酸塩(例えばアルカリ塩(例えばフッ化カリウム、フッ化セシウム)、重金属塩(例えば銀塩(AgF、AgF2)、亜鉛塩(ZnF2))、フッ化4級アンモニウム塩(例えばフッ化テトラブチルアンモニウム)、四フッ化硫黄(SF4)、三フッ化ジエチルアミノイオウ(Et2NSF3)フルオロアルキルアミン試薬(FAR)、フェニルテトラフルオロホスホラン(PhPF4)、フッ化ニトロシル、五フッ化沃素(IF5)、五フッ化臭素(BrF5)、三フッ化塩素(ClF3)、ビス(フルオロするフリル)ペルオキシド、六フッ化硫黄、三フッ化窒素などが使用できる。またジアゾニウム塩を経由するBalz−Schiemann反応などが知られており、本件化合物においてはいずれの方法を使用してもよい。参考までに実施例に本件化合物の合成法を記した。
【0018】
一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物のうち、好ましは一般式(I)で表される化合物(1,3,4−チアジアゾール誘導体)である。
一般式(I)のうちより好ましくは下記一般式(I−a)である。
【0019】
【化7】
【0020】
(式中、X1aはフッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子を表す。)
【0021】
以下に、一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物のハロゲン化銀写真感光材料への添加方法は、任意であり特に限定されない。
【0026】
次に、一般式(IV)、(V)および(VI)で表される化合物について詳しく述べる。
X4、X5およびX6は、一般式(I)、(II)および(III)で表されるX1、X2およびX3と同義である。
Y1、Y2およびY3は脱離基を表し、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、置換基を有していてもよい、アルキルスルホニルオキシ、またはアリールスルホニルオキシ、アルキルスルホニル、アリールスルホニルが挙げられる。
置換基を有する場合の置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐、環状のアルキル基でビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
【0027】
Y1、Y2およびY3として好ましくは塩素原子、臭素原子、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはメタンスルホニルオキシであり、特に好ましくは塩素原子または臭素原子である。
【0028】
一般式(IV)、(V)および(VI)で表される化合物の好ましい具体例は、一般式(I)、(II)および(III)で表される化合物の具体例に示したフッ素原子を塩素原子、臭素原子、p−トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシまたはメタンスルホニルオキシに置換した化合物であるが、本発明はこれらに限定されない。
【0029】
次に、一般式(VII)および(VIII)で表される化合物について詳しく述べる。
Z1は水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
Z2は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子または臭素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
【0030】
一般式(VII)で表される化合物の好ましい具体例は、2,5−ジクロロ−[1,3,4]チアジアゾール、2,5−ジブロモ−[1,3,4]チアジアゾール、2−ブロモ−5−クロロ−[1,3,4]チアジアゾールまたは2−クロロ−5−ヨード−[1,3,4]チアジアゾールである。また、一般式(VIII)で表される化合物の好ましい具体例は、2−クロロ−5−フルオロ−[1,3,4]チアジアゾール、2−ブロモ−5−フルオロ−[1,3,4]チアジアゾールまたは2−フルオロ−5−ヨード−[1,3,4]チアジアゾールであるが、本発明の方法によって製造され得る化合物はこれらに限定されない。
【0031】
次に、一般式(IV)〜(VI)で表される化合物から一般式(I)〜(III)で表される化合物を製造する方法、および一般式(VII)で表される化合物から一般式(VIII)で表される化合物を製造する方法について詳しく述べる。
一般式(IV)〜(VI)および一般式(VII)で表される化合物を反応させる際には、求核的フッ素化剤の添加が必須である。求核的フッ素化剤とは、求核反応性を示すフッ素化剤であり、具体的には、フッ化水素、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、フッ化水素カリウム、フッ化銀(I)、フッ化銀(II)、フッ化水銀、SbF5、四フッ化硫黄、四フッ化珪素、トリス(ジアルキルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート(例えばTASF)、三フッ化ジアルキルアミノ硫黄(例えば三フッ化ジエチルアミノ硫黄)、ジエチル(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエチル)アミン、ジエチルアミン/ヘキサフルオロプロペン試薬、ポリマー担持二水素三フッ化塩、2,2−ジフルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリジン(DFI)、フッ化4級アンモニウム塩(例えばフッ化テトラブチルアンモニウム)、フッ化テトラブチルホスホニウム、一水素二フッ化テトラブチルアンモニウム、一水素二フッ化テトラフェニルホスホニウム、一水素二フッ化テトラブチルホスホニウム、二水素三フッ化テトラブチルアンモニウム、二水素三フッ化テトラブチルホスホニウム、(Me2N)3P=N+=P(NMe2)3F-等が挙げられる。これらのフッ素化剤を適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。
【0032】
フッ素化剤として好ましくはフッ化カリウムまたはフッ化セシウムであり、特に好ましくはSpray−driedフッ化カリウムである。
フッ素化剤の量は適宜選択可能であるが、通常は一般式(IV)〜(VI)および一般式(VII)で表される化合物に対して0.1〜50倍モル程度を用いることができ、好ましくは0.85〜20倍モルであり、さらに好ましくは1.00.9〜10倍モル程度である。
【0033】
さらに、フッ素化剤と相間移動触媒を組み合わせることが好ましい。相間移動触媒としては、環状ポリエーテル類(例えば12−クラウン(Crown)−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6)、ハロゲン化テトラアルキルホスホニウム(例えば臭化テトラブチルホスホニウム)、ハロゲン化テトラアリールホスホニウム(例えば臭化テトラフェニルホスホニウム)、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム(例えばフッ化テトラメチルアンモニウム、臭化トリメチルベンジルアンモニウム)、ポリエチレングリコール類(例えばトリエチレングリコールジメチルエーテル)等が挙げられる。
相間移動触媒の量は適宜選択可能であるが、通常はフッ素化剤に対して0.001〜100倍モルを用いることができ、好ましくは0.01〜10倍モルであり、さらに好ましくは0.05〜1倍モルである。
【0034】
一般式(I)〜(III)および一般式(VIII)で表される化合物を製造するにあたり、有機溶媒を用いる。有機溶媒は、沸点が83℃〜152℃であることが生成物の純度や収率の点で好ましい。有機溶媒の種類は、反応系に応じて適宜選択することが可能である。例えば、キシレン(沸点137〜144℃)、アセチルアセトン(沸点140℃)、酢酸ブチル(沸点126℃)、1,2−ジエトキシエタン(沸点121℃)、n−ブチロニトリル(沸点118℃)、トルエン(沸点110℃)、iso−ブチロニトリル(沸点104℃)、酢酸プロピル(沸点102℃)、1,4−ジオキサン(沸点102℃)、プロピオン酸エチル(沸点99℃)、プロピオニトリル(沸点97℃)、酢酸イソプロピル(沸点85〜89℃)、1,2−ジメトキシエタン(沸点84℃)、t−ブタノール(沸点83℃)等が挙げられる。これらの溶媒を適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。有機溶媒として好ましくは酢酸ブチル、トルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシエタンであり、特に好ましくはトルエン、1,4−ジオキサンである。
【0035】
用いる有機溶媒の使用量は特に限定されず、反応系の種類などに応じて適宜選択することができるが、通常は一般式(IV)〜(VI)および一般式(VII)で表される化合物に対して質量比でそれぞれ0.5〜100倍が適当であり、1〜50倍が好ましく、特に好ましくは3〜30倍である。
【0036】
本発明の方法における反応温度は特に限定されないが、反応系の種類や反応種の混合物の濃度などに応じて適宜選択できる。通常は80℃〜152℃であり、好ましくは83℃〜145℃、特に好ましくは83℃〜130℃である。なお、反応基質が昇華性を有する場合は、反応溶媒を還流することが好ましい。
【0037】
反応時間も特に限定されないが、通常は10分〜100時間、好ましくは20分〜50時間、特に好ましくは2時間〜10時間である。
【0038】
一般式(IV)〜(VI)および一般式(VII)で表される化合物、有機溶媒、フッ素化剤、相間移動触媒の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定されない。
【0039】
一般式(I)〜(III)および一般式(VIII)で表される化合物の精製方法も特に限定されないが、通常の精製方法は、再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは蒸留を用いることができる。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製が困難である場合は、蒸留により分離することが好ましい。
【0040】
【実施例】
以下に最も好ましい形態の1つとして実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下に実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理順序等は、本発明の主旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0041】
実施例1 化合物I-1の合成
2−クロロ−[1,3,4]チアジアゾール 10g(8.3×10-2mol)、18-クラウン-6 22g(8.3×10-2mol)およびフッ化カリウム 5.7g(1.0×10-1mol)をオートクレーブに入れ、150℃で20時間加熱した。得られた反応液をドライアイス-アセトンで冷却したトラップをとりつけた装置で蒸留(常圧)した。トラップ中に目的物が1.3g得られた(収率15%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C2HFN2S=104.11として
計算値 C 23.07、H 0.97、F 18.25、N 26.91 (%)
実測値 C 22.87、H 0.89、F 17.96、N 26.59 (%)
【0042】
実施例2 化合物I-2の合成
2、5−ジクロロ−[1,3,4]チアジアゾール 12g(0.077mol)、18-クラウン-6 20.5g(0.077mol)およびフッ化カリウム 10.8g(0.184mol)をオートクレーブに入れ、150℃で21時間加熱した。得られた反応液を蒸留し、目的物0.6g得た(収率6%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C2F2N2S=122.10として
計算値 C 19.67、F 31.12、N 22.94 (%)
実測値 C 19.53、F 30.94、N 22.66 (%)
【0043】
実施例3 化合物I-3の合成
上記実施例2の蒸留により、化合物I-3を1.3g得た(収率12%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C2ClFN2S=138.55として
計算値 C 17.34、Cl 25.59、F 13.71、N 20.22 (%)
実測値 C 17.06、Cl 25.71、F 13.50、N 20.15 (%)
【0044】
(別法)
2、5−ジクロロ−[1,3,4]チアジアゾール 5.0g(0.032mol)とAgF4.5g(0.035mol)をナスフラスコに添加し、よく攪拌しながら油浴で120℃に加熱した。反応が始まったところで一旦油浴からはずし、10分そのまま攪拌した。反応が収まったところで、再度油浴に移し140℃で3時間加熱還流した。反応液を蒸留し、目的物を0.45g得た(収率10%)。TLCおよびGC/MSにより上記合成法で得られた化合物と同じであることを確認した。
【0045】
実施例4 化合物I-5の合成
2−アミノ−5−ニトロ−[1,3,4]チアジアゾール 4g(0.027mol)と42%HBF4水溶液 10mlを三口フラスコに入れ、ドライアイスメタノール浴で-50℃以下に冷却した。NOBF4 3.47g(0.030mol)を少量ずつ添加し、-5℃で3時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、乾燥後トルエン20mlに懸濁させて加熱還流した。窒素ガスが出なくなったら反応を終了し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、目的物を0.3g得た(収率7%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。元素分析値 C2FN3O2S=149.10として
計算値 C 16.11、F 12.74、N 28.18 (%)
実測値 C 15.87、F 12.56、N 27.99 (%)
【0046】
実施例5 化合物I-6の合成
(中間体2−アミノ−5−ブロム−チアジアゾールの合成)
東京化成製の2−アミノ−[1,3,4]チアジアゾール 25g(0.247mol)、酢酸ナトリウム26.3g(0.320mol)と酢酸 250mlを三つ口フラスコに入れ、氷浴で内温を20〜30℃に保ちながら臭素 15ml(0.293mol)を滴下した。3時間攪拌後、300mlの水を添加し、析出した結晶を濾取した。水で洗浄後、真空ポンプで乾燥した。収量42.2g(収率95%)。
(化合物I-6の合成)
上記で得られた2−アミノ−5−ブロム−[1,3,4]チアジアゾール 3.0g(0.017mol)とHF 46%水溶液 20mlをオートクレーブに入れ60℃で8日間加熱攪拌した。反応液を炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチルで3回抽出した。溶媒を常圧で穏やかに留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)により分離した。溶媒を留去し目的物を0.21g得た(収率11%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C2H2FN3S=119.12として
計算値 C 20.17、H 1.69、F 15.95、N 35.27(%)
実測値 C 20.03、H 1.57、F 15.58、N 35.05(%)
【0047】
実施例6 化合物I-7の合成
(中間体2−アミノ−5−スルファモイル−[1,3,4]チアジアゾールの合成)
アセタゾールアミド 25g(0.11mol)と濃塩酸200mlをナスフラスコに入れ、1時間加熱還流した。溶媒を完全に減圧留去した後、水100mlを添加し、よく攪拌しながら炭酸ナトリウムで中和した。1時間攪拌した後、析出した結晶を濾取した。収量 19g(収率96%)。
【0048】
(化合物I-7の合成)
上記で得られた2−アミノ−5−スルファモイル−[1,3,4]チアジアゾール 3g(0.017mol)と42%HBF4水溶液 10mlをナスフラスコに入れ、ドライアイスメタノール浴で-30℃以下に冷却した。NaNO2 1.29g(0.019mol)を少量ずつ添加し、0℃で2時間攪拌した。塩化銅(I)0.25gを加え、60℃で30分加熱攪拌した。重曹で中和した後、酢酸エチルで抽出し、減圧濃縮した後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で精製した。目的物を0.4g得た(収率13%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C2H2FN3O2S2=183.19として
計算値 C 13.11、H 1.10、F 10.37、N 22.94(%)
実測値 C 12.86、H 1.01、F 10.09、N 22.78(%)
【0049】
実施例7 化合物I-8の合成
化合物I-2 1.34g(0.011mol)、チオシアン酸カリウム 1.6g(0.017mol)とアセトニトリル20mlを三口フラスコに入れ、トリエチルアミン 1.2g(0.020mol)を加えて2時間加熱還流した。反応液を濃縮後、水−酢酸エチルを加えて分液し、有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥した。溶媒を減圧濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)により精製した。目的物を0.5g得た(収率29%)。構造はGC/MSと元素分析により確認した。
元素分析値 C3FN3S2=161.18として
計算値 C 22.35、F 11.79、N 26.07(%)
実測値 C 22.21、F 11.73、N 25.97(%)
【0050】
実施例8 化合物II-3とIII-2の合成
3、5−ジクロロ−[1,2,4]チアジアゾール 20.0g(0.129mol)とAgF 18.0g(0.142mol)をナスフラスコに添加し、よく攪拌しながら油浴で110℃に加熱した。反応が始まったところで一旦油浴からはずし、15分そのまま攪拌した。反応が収まったところで、再度油浴に移し135℃で1時間加熱還流した。反応液を蒸留し、化合物II-3を1.7g、III-2を1.4g得た。構造はGC/MSとNMRにより確認した。
【0051】
実施例9 2−ブロモ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾールの合成(本発明の製造法)
2、5−ジブロモ−[1,3,4]-チアジアゾール1.0g(4.1mmol)とSpray dried-フッ化カリウム1.2g(20.5mmol)と18−クラウン−6エーテル0.54g(2.0mmol)を酢酸ブチル20mLを加えて8時間加熱還流した。反応液を蒸留し、2−ブロモ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾールを0.42g(収率56%)で得た。構造は文献記載の融点の値と一致したことにより確認した。なお、文献記載の合成法では、16%と低収率であった。
【0052】
実施例10 化合物I-3の合成(本発明の製造法)
(2、5−ジクロロ−[1,3,4]-チアジアゾール(A体)の合成)
ドイツ特許第913910号に記載の方法に従い合成した。
(2−クロロ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾール(B体)の合成)
2、5−ジクロロ−[1,3,4]-チアジアゾール(A体)1.0g(6.45mmol)とSpray dried-フッ化カリウムと18−クラウン−6エーテル853mg(3.23mmol)に表1記載の反応溶媒20mLを加えて表1記載の反応時間加熱還流した。反応液を冷却後、反応混合物におけるA体の転換率、A体の残存率、B体の生成率を液体クロマトグラフィーにより定量した。
【0053】
【表1】
【0054】
1)A体に対する添加当量数
2)(A体の仕込み量−A体の残存量)/(A体の仕込み量))×100
(A体の残存量)/(A体の仕込み量)×100
【0055】
2、5−ジクロロ−[1,3,4]-チアジアゾール(A体)1.0g(6.45mmol)とフッ素化剤(12.9mmol)と相関移動触媒(3.23mmol)にトルエン表2記載量を加えて表2記載の反応時間加熱還流した。反応液を冷却後、反応混合物におけるA体の転換率、A体の残存率、B体の生成率を液体クロマトグラフィーにより定量した。
【0056】
【表2】
【0057】
1)トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート
(A体の仕込み量−A体の残存量)/(A体の仕込み量)×100
3)(A体の残存量)/(A体の仕込み量)×100
【0058】
表1および表2より、本発明における2−クロロ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾールの製造方法において、2、5−ジクロロ−[1,3,4]-チアジアゾールを、フッ化物イオンと沸点83℃〜152℃の有機溶媒を用いて反応させると、良好な収率で2−クロロ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾールが得られることがわかる。また、この製造方法で得られた2−クロロ−5−フルオロ−[1,3,4]-チアジアゾールを、ハロゲン化銀写真感光材料中に添加したところ、不純物に起因する減感を伴うことなく、写真性の改良効果が見られた。
【0059】
【発明の効果】
本発明により医薬、農薬、写真用材料の合成中間体として有用な新規チアジアゾール誘導体とその簡便かつ高収率な製造方法を提供することができた。また、これらの新規チアジアゾール誘導体をハロゲン化銀写真感光材料中に添加することにより、写真性を改良することができた。
Claims (10)
- 前記X 1 が、フッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子であることを特徴とする請求項2に記載のチアジアゾール誘導体。
- 前記X 2 およびX 3 が、それぞれフッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子であることを特徴とする請求項4に記載のチアジアゾール誘導体。
- 請求項1に記載の前記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物の製造方法であって、下記一般式(IV)、(V)または(VI)で表される化合物を、求核的フッ素化剤と有機溶媒を用いて反応させることを特徴とする製造方法。
- 前記フッ素化剤と組み合わせて、相関移動触媒を使用することを特徴とする請求項6に記載の前記の製造方法。
- 前記有機溶媒が沸点83℃〜152℃であることを特徴とする請求項6または7に記載の一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物の製造方法。
- 前記有機溶媒が沸点83℃〜130℃であり、反応温度が2〜10時間であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 前記一般式(I)、(II)または(III)で表される化合物が、前記一般式(I)で表される化合物であって、前記一般式(IV)、(V)または(VI)で表される化合物が、前記一般式(IV)である化合物であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
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