JP4253079B2 - 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受 - Google Patents

針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP4253079B2
JP4253079B2 JP20639999A JP20639999A JP4253079B2 JP 4253079 B2 JP4253079 B2 JP 4253079B2 JP 20639999 A JP20639999 A JP 20639999A JP 20639999 A JP20639999 A JP 20639999A JP 4253079 B2 JP4253079 B2 JP 4253079B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cage
needle roller
roller bearing
oblique
caulking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP20639999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001032842A (ja
Inventor
攻 伊東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Thompson Co Ltd
Original Assignee
Nippon Thompson Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Thompson Co Ltd filed Critical Nippon Thompson Co Ltd
Priority to JP20639999A priority Critical patent/JP4253079B2/ja
Publication of JP2001032842A publication Critical patent/JP2001032842A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4253079B2 publication Critical patent/JP4253079B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、円周上に針状ころを回転自在に保持する窓が形成された針状ころ軸受用保持器、及び前記保持器を用いた針状ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、針状ころ軸受は、断面積が小さくコンパクトな構成であるにもかかわらず負荷容量が大きいという特徴を備えているので、各種機械のコンパクトに構成することが求められる高速回転部分やエンジン部分に回転性能の優れた軸受として広範囲に使用されている。
【0003】
針状ころ軸受の一つの使用例として、小排気量(例えば、50〜100cc)の自動車用自動変速機に備わるスタータギヤ部分がある。エンジンのクランクシャフトの延長部として構成される自動変速機の入力軸を固定部に支持する軸受は、構造上の制約から非常に狭いスペースに配置される必要がある。即ち、クランクシャフトの延長部には、例えば、無段変速プーリを備えた変速機構と、一方向クラッチ及び中間歯車を介して始動用モータの出力軸が連結される。クランクシャフトの延長部と変速機構とで囲まれた狭いスペース内に、一方向クラッチをケーシングに回転自在に支持する針状ころ軸受が配設される。
【0004】
従来、自動変速機の入力軸を固定部に支持する軸受として用いられている針状ころ軸受の保持器として、樹脂製の保持器が提案されている(実用新案登録公報第2566063号公報)。針状ころ軸受は、複数の針状ころ及び各針状ころを回転自在に保持する保持器から構成されている。針状ころの直径は1mm程度であり、保持器の肉厚は0.7mm程度、シェル状外輪の肉厚は0.5mmに設定され、組立状態では径方向の厚みは1.5〜2.0mm程度の薄厚構造に構成されている。保持器は耐熱性合成樹脂製とされ、保持器の軽量化と高温環境下での保持器の膨張や変形の防止が図られている。保持器及び針状ころ群を内周部に軸方向抜け出し不能に収容する薄鋼板製のシェル状外輪は、シェル状外輪は固定部に圧入嵌合されるので、高い潤滑油圧力を受けても、軸方向に動くことがない。また、シェル状外輪は、全表面に焼き入れ硬化層が形成されているので、組込みの際の方向性をなくして、組込み作業効率の向上を図っている。更に、保持器は少なくとも円周方向1箇所に切断面を形成し凹凸の嵌合で結合される割り構造として、硬化処理したシェル状外輪への組付けの容易化を図っている。
【0005】
長手方向に割り構造に構成し且つ割り部分で凹凸嵌合によって環状に結合させる保持器として、たとえば、昭和58年12月27日特許庁発行の周知・慣用技術集(ころがり軸受)第122頁「ストローク、スラストニードルベアリング保持器」に開示されている直線案内用保持器がある。保持器は、複数の針状ころを個々に保持する鋼板製で平板状で形成されており、両端部に凹部及び凸部が形成され、複数の直線案内用保持器が端部における凹凸嵌合により結合されて長尺状に形成されている。
【0006】
また、割り構造に構成されており且つ割り部分で凹凸嵌合によって環状に結合させる別の金属製筒体として、特開平9−315124号公報に開示されている金属製筒体がある。この金属製筒体は、板状部材を筒状に捲回しその両端を突き合わせ接合して形成される筒体として構成されており、接合端面が斜状になる凸部及び凹部が互いにクリンチして接合され、その接合部分が溶接されて固着されている。なお、板状部材を筒状に捲回しその両端を突き合わせ接合して形成する場合において、両端をピッタリ接合する端部の切断方法の一例が特公昭40−8028号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、エンジン等の回転機械が高速(回転)化、高出力化されることにより、針状ころ軸受の使用箇所である部分も、エンジン付近等の使用環境が高温になっているので、針状ころ軸受には更なる耐熱性が要求されている。また、環境問題でリサイクル化が要請されていると共に、一層の製造コストの低減が求められている。この課題を解決するには、既に知られているように、各針状ころが挿入される窓をプレスにて隔置して打ち抜いた帯状鋼板を丸めて円筒状に成形し、端部同士を溶接にて固着することによって鋼製の保持器を安価に製作してもよいが、端部同士を溶着しないで固着することが可能になれば、保持器及び保持器を組み込んだ針状ころ軸受の一層の製作コストの低減を図ることが可能になる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の目的は、上記の課題を解決することであり、帯状鋼板の両端部を結合して環状に製作される保持器において、帯状鋼板の両端部を溶接ではなく、一方の端部に形成された凸部と他方の端部に形成された凹部とを嵌合して固着させることにより、簡単な工程によって安価で効率良く製作することが可能な針状ころ軸受用保持器、及びその保持器を用いた針状ころ軸受を提供することである。
【0009】
この発明は,複数の針状ころをそれぞれ回転自在に保持するため帯状鋼板の両端部を結合した環状の保持器本体の周方向に互いに隔置して窓が形成され,前記保持器本体の一方の前記端部において前記保持器本体の周方向に突出して形成された凸部と前記保持器本体の他方の前記端部において形成された凹部とが嵌合されたつなぎ部分はカシメによって固着され,
前記凸部は一対の斜状外側面によって前記一方の前記端部から突出する先端側ほど前記保持器本体の幅方向に幅広に形成され,前記凹部は一対の斜状内側面によって前記他方の前記端部から後退する奥側ほど前記保持器本体の幅方向に幅広に形成され,前記凸部と前記凹部とは互いに相補的な形状に形成され,
前記保持器本体に周方向に延びるカシメ溝を成形することにより,前記保持器本体には,前記窓内に突出し且つ前記窓からの前記針状ころの抜出しを防止する保持爪が形成され,前記カシメ溝は,前記保持器本体の外周面に形成されている一対の外側カシメ溝と,前記保持器本体の内周面に形成されている一対の内側カシメ溝とから構成され,前記つなぎ部分を固着する前記カシメは,前記つなぎ部分まで延びる前記外側カシメ溝と前記内側カシメ溝とによって得られ,前記カシメ溝は,前記凸部の前記斜状外側面と前記凹部の前記斜状内側面に掛かって形成されていることから成る針状ころ軸受用保持器に関する。
【0010】
この発明による針状ころ軸受用保持器では,保持器は,ころ径の小さい針状ころにも対応して形成され,凹凸嵌合が簡単な機械加工にて固着され,軸受として組み込まれた状態では軽快に回転して良好な回転性を示す。
【0011】
この針状ころ軸受用保持器において,前記凸部は,保持器本体側から見たときに根元が幅小で先端が幅広な逆ハ状の斜状外側面を備えており,前記凹部は,前記凸部に嵌合し且つ保持器本体側から見たときに奥側が幅広で先端が幅小でなるハ状の斜状内側面を備えている。
【0012】
この針状ころ軸受用保持器において,前記カシメ溝は,前記保持器本体の外周面に形成されている一対の外側カシメ溝と,前記保持器本体の内周面に形成されている一対の内側カシメ溝とから構成され,この場合,一つの窓に対して内側及び外側で合計8つの保持爪が形成され,針状ころが窓に嵌め込まれたときには,針状ころは安定して保持される。
【0013】
この針状ころ軸受用保持器において,前記 カシメ溝をつなぎ部分まで延ばして形成することにより,カシメ溝を形成する際に施されるカシメで,同時につなぎ部分を固着するカシメが施される。また,前記つなぎ部分まで延びる前記カシメ溝は,前記凸部の前記斜状外側面と前記凹部の前記斜状内側面に掛かって形成されている。即ち,つなぎ部分は,凸部の斜状外側面と凹部の斜状内側面に掛かるカシメ溝を形成する際に施されるカシメによって固着されるので,斜状の内外側面の強固な係合によって互いにずれが生じ難く,強固に固着される。更に,前記凸部の前記斜状外側面と前記凹部の前記斜状内側面とは,前記保持器本体の側面に対して略15°の角度で傾斜して延びていると共に,前記カシメ溝内に配置されている。即ち,凸部の斜状外側面と凹部の斜状内側面とは,カシメ溝を形成するときのカシメ作用ですべての接合表面領域に渡ってカシメによって固着され,凹凸のつなぎ部分が一層強固に固着される。
【0014】
前記保持器本体及び前記凸部の外周面には、潤滑剤貯留用の凹溝が環状に連続して形成されている。凹溝には、充分な量の潤滑剤が蓄えられ、しかも、保持器本体が環状に成形されたときに環状に連続して形成されるので、潤滑剤の流れが良好である。
【0015】
前記保持器と前記各窓にそれぞれ回転自在に保持された前記針状ころとから針状ころ軸受が構成され、この針状ころ軸受は、相対回転する外輪又はハウジングと内輪又は軸との軌道面間において前記針状ころが前記軌道面に転動する状態で適用される。相対回転する外輪又はハウジングと内輪又は軸との間に狭いスペースしか得られない場合であっても、ころ径の小さい針状ころとその針状ころを回転自在に保持する保持器とから成る針状ころ軸受が適用される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明による針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受の実施例を説明する。図1はこの発明による針状ころ軸受用保持器に成形される帯状鋼板を展開して示す平面図、図2は図1に示す帯状鋼板から成形された保持器を示す縦断面図、図3は図2の断面部分の拡大図、図4は図2の窓部分の内側径に沿って見た拡大図、図5は図4のA−A断面図である。また、図6は図2の保持器に針状ころが組み込まれた針状ころ軸受のつなぎ部分を含む一部を外側径に沿って見た拡大図、図7は図6のB−B断面図である。図8は図7のつなぎ部分の一部Cの拡大図である。
【0017】
この発明による針状ころ軸受用保持器1の製造において、先ず、図1に示すように、針状ころ軸受の保持器の素材である薄肉に成形された帯状鋼板40が用意される。帯状鋼板40は、鋼板をプレス加工により薄肉に成形した素材であり、帯状鋼板40の肉厚は、完成した針状ころ軸受用保持器1の肉厚と実質的に同じである。帯状鋼板40は保持器本体2に丸め成形され、片面である上面27に長手方向に沿って凹溝13が形成されている。凹溝13は、潤滑剤を溜め且つ潤滑剤の流れを良くするためのものである。保持器本体2の一方の端部である第1端部3には、端面7から逆ハ状の斜状側面8,8が先端面9まで延びている凸部5が形成されている。保持器本体2の他方の端部である第2端部4には、凸部5に対応して、端面10からハ状の斜状側面11,11が底面12まで切り込まれた凹部6が形成されている。凸部5と凹部穴6は、ほぞとほぞ穴のように、互いにぴったりと嵌まり合う相補的な形状に形成されている。
【0018】
保持器本体2には、後述する針状ころ29を組み込むための複数の窓14(図の簡素化のため、一部のみを描く)が長手方向に互いに並列に等間隔に隔置して形成されている。図1のように平板状の帯状鋼板40に窓14を形成した後に円筒状に丸めると低コストで製作できるが、同じ窓14であっても外周側で開くように変形し内周側で閉じるように変形する。窓14を正確に製作するには、工程数が増加するが、帯状鋼板40を円筒状に丸めてから窓抜きをする方が好ましい。窓抜きされた保持器1は,その後,熱処理が施され、更に必要であれば外周研削が行われ,最後に表面処理(例えば,銅メッキ後に銀メッキ)が施される。
【0019】
保持器1は、図2〜図5に示すように、図1の帯状鋼板40を丸めて円筒状に成形された保持器本体2を備えている。保持器1の外周面15には、凹溝13を軸方向に挟んで、一対の外側カシメ溝17,17が成形されている。外側カシメ溝17,17を形成することで、窓14内には計4箇所に外側保持爪18が形成されている。保持器1の内周面16には、外周面15の外側カシメ溝17と同一の軸方向位置に一対の内側カシメ溝19,19が形成されている。内側カシメ溝19,19を形成することで、窓14内には計4箇所に内側保持爪20が形成されている。針状ころ29は、総計8つの保持爪で抜け出し不能に且つ安定して保持される。
【0020】
図6に示すように、各窓14の内壁、特に周方向に面する壁面は、窓14に挿入された針状ころ29の回転を案内する案内面となっている。即ち、保持爪18と保持爪18との間の径方向に存在する窓14の領域は、周方向の間隔L1 が針状ころ29のころ径Dより大きいので、針状ころ29を回転自在に遊嵌し、針状ころ軸受30において針状ころ29の外周部分を接触案内している。各窓14に組み込まれる針状ころ29の直径Dは、保持器1の肉厚tよりも僅かに大きくされている。上記のように構成された保持器1の内側又は外側から針状ころ29を窓14に多少無理に押し込むことで針状ころ29を保持器1に組み付けることにより、保持器付きの針状ころ軸受30が完成する。周方向に対向して形成される2対の外側保持爪18及び2対の内側保持爪20間の間隔L2 は針状ころ29のころ径Dより小さい。保持器1に組み込まれた針状ころ29は、その針状ころ軸受30を機械の回転部分に組み込む前及び組込み作業中において、2対の外側保持爪18,18又は2対の内側保持爪20,20に係合して、保持器1から径方向へ脱落するのが防止される。
【0021】
保持器1のつなぎ部分22は、円周の一カ所にあり、図6及び図7に示すように、凸部5が形成された第1端部3と、凹部6が形成された第2端部4とが嵌まり合って接合している。逆ハ状の斜状外側面8,8とハ状の斜状内側面11,11とは、保持器1の側面21に対して略15度の角度で形成されているので、保持器1の幅に対するカシメ溝幅の割合を5%程度とする場合に、外側カシメ溝17及び内側カシメ溝19内に含めることができる。また、斜状外側面8,8及び斜状内側面11,11の角度を略15度にすると、プレス成形上、製作し易い。第1端部3に形成されている凸部5と第2端部4に形成されている凹部6との嵌合状態では、凸部5の斜状外側部8,8は凹部6の斜状内側部11,11に当接し、凸部5の先端面9と底面12とが当接している。第1端部3と第2端部4との斜状側部8,8及び11,11の嵌合部分は、互いに交差して、図8につなぎ部分の一部Cを拡大して示すように、外周側と内周側とがかしめ成形されることにより固着されている。
【0022】
第1端部3と第2端部4とのカシメ固着は次のようにして行われる。図8の拡大図に示すように、例えば、凸部5の斜状外側面8,8と先端面9とが外周面15側に接続する縁部に面取り23を施せば、外側カシメ溝17を形成する際のカシメによって凹部6の余肉25が面取り23に覆い被さる。凸部5の斜状外側面8,8と先端面9とが内周面16側に接続する縁部にも同様の面取り24を施せば、内側カシメ溝19を形成する際のカシメによって余肉26が面取り24に覆い被さる。したがって、凸部5と凸部5に嵌合する凹部6とは、外周面15側と内周面16側とにおいて、面取り23,24に覆い被さる余肉25,26によって固着される。
【0023】
面取り23,24は、第1端部3及び第2端部4を形成後に別途形成されるものとして説明したが、第1端部3及び第2端部4をプレス加工で打抜き形成することにより、自然に抜き方向によってR部分として、面取り23を形成することができる。また、図7に示すように、第1端部3の斜状外側面8,8及び先端面9と第2端部4の斜状内側面11,11及び底面12とから成る各接合面は、断面で見て径方向に延び外周面15及び内周面16に対して垂直になっているが、第1端部3と第2端部4との抜き方向を反対方向にするなどして、上記の各接合面を斜めに形成してもよい。
【0024】
図6においては、凹凸嵌合する凸部5と凹部6との斜状外側面8,8を外側カシメ溝17に、及び斜状内側面11,11を内側カシメ溝19にそれぞれ合致させた例を示したが、外側カシメ溝17及び内側カシメ溝19を斜状外側面8,8及び斜状内側面11,11から外してそれぞれ側面21側に寄せた領域に形成することもできる。この場合、その外側カシメ溝17及び内側カシメ溝19のつなぎ部分22で端面7,7及び10,10から突き出た余肉が突っ張り合うので、凸部5と凹部6との凹凸嵌合が締め上げられて、互いに固着することになる。
【0025】
このようにして構成される保持器1は、所謂断面M字形の保持器ではなく、保持器1の全体に渡って実質的に薄肉状で同一の肉厚を有しており剛性が略一様な保持器であり、ころ径の小さい針状ころ29であっても安定して確実に保持することができる。保持器1は、針状ころ軸受30に組み込まれた状態では、軽快に回転して良好な回転性を示す。保持器1の両側面21,21の近くまで窓14を軸方向に長く形成し、長いころを保持器1に組み込むことが可能であり、針状ころ軸受30の負荷容量を大きくすることができる。更に、この保持器1によれば、使用材料を少なくして材料コストが低減され、製作し易いものであり、製造コストを低減することができる。
【0026】
また、針状ころ軸受30は、軌道面として熱処理・研削仕上げされた相対回転部分、例えば、エンジンのスタータギヤ部分のハウジングに形成されたハブ外周部と一方向クラッチの内輪内壁との間において組み合わせれば、軌道面の加工精度を生かして小さなスペースで使用することができる。保持器1は、曲げ加工をしないストレートな円筒構造ではあるが、針状ころ29の直径と略等しい肉厚を有しているので保持器1は充分高い剛性を示す。また、潤滑剤が窓14内及び窓14に接続する凹溝13内において大量に保持されるので、保持器1の潤滑剤保持容量が大きい。保持器1は針状ころ29を正確に案内するので、保持器1に針状ころ29を組み込んで構成される針状ころ軸受30の回転性能が優れており、長期に渡る高速回転用の軸受等、幅広い用途に使用することができる。
【0027】
【発明の効果】
この発明による針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受によれば、帯状鋼板の端部同士を溶接することなく、また加工油を使用したり削り屑が発生する工作機械を用いた切削加工や回転部分を有する大がかりな工作機械を用いた冷間加工によることなく、一方の端部に形成された凸部と他方の端部に形成された凹部とを嵌合して固着させることにより、帯状鋼板の両端部を結合した環状の保持器を簡単に、安価に且つ効率良く製作することができ、保持器及び保持器を組み込んだ針状ころ軸受の一層の製作コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による針状ころ軸受用保持器に成形される帯状鋼板を展開して示す平面図である。
【図2】図1に示す帯状鋼板から成形された保持器を示す縦断面図である。
【図3】図2の断面部分の拡大図である。
【図4】図2の窓部分の内側径に沿って見た拡大図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図2の保持器に針状ころが組み込まれた針状ころ軸受のつなぎ部分を含む一部を外側径に沿って見た拡大図である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【図8】図7のつなぎ部分の一部Cの拡大図である。
【符号の説明】
1 針状ころ軸受用保持器
2 保持器本体
3 第1端部
4 第2端部
5 凸部
6 凹部
8 斜状外側面
9 先端面
11 斜状内側面
12 底面
13 凹溝
14 窓
15 外周面
16 内周面
17 外側カシメ溝
18 外側保持爪
19 内側カシメ溝
20 内側保持爪
21 側面
22 つなぎ部分
29 針状ころ
30 針状ころ軸受
40 帯状鋼板

Claims (4)

  1. 複数の針状ころをそれぞれ回転自在に保持するため帯状鋼板の両端部を結合した環状の保持器本体の周方向に互いに隔置して窓が形成され,前記保持器本体の一方の前記端部において前記保持器本体の周方向に突出して形成された凸部と前記保持器本体の他方の前記端部において形成された凹部とが嵌合されたつなぎ部分はカシメによって固着され,
    前記凸部は一対の斜状外側面によって前記一方の前記端部から突出する先端側ほど前記保持器本体の幅方向に幅広に形成され,前記凹部は一対の斜状内側面によって前記他方の前記端部から後退する奥側ほど前記保持器本体の幅方向に幅広に形成され,前記凸部と前記凹部とは互いに相補的な形状に形成され,
    前記保持器本体に周方向に延びるカシメ溝を成形することにより,前記保持器本体には,前記窓内に突出し且つ前記窓からの前記針状ころの抜出しを防止する保持爪が形成され,前記カシメ溝は,前記保持器本体の外周面に形成されている一対の外側カシメ溝と,前記保持器本体の内周面に形成されている一対の内側カシメ溝とから構成され,前記つなぎ部分を固着する前記カシメは,前記つなぎ部分まで延びる前記外側カシメ溝と前記内側カシメ溝とによって得られ,前記カシメ溝は,前記凸部の前記斜状外側面と前記凹部の前記斜状内側面に掛かって形成されていることから成る針状ころ軸受用保持器。
  2. 前記凸部の前記斜状外側面と前記凹部の前記斜状内側面とは,前記保持器本体の側面に対して略15°の角度で傾斜して延びていると共に,前記カシメ溝内に配置されていることから成る請求項に記載の針状ころ軸受用保持器。
  3. 前記保持器本体及び前記凸部の外周面には,潤滑剤貯留用の凹溝が環状に連続して形成されていることから成る請求項1又は2に記載の針状ころ軸受用保持器。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の前記保持器,及び前記各窓にそれぞれ回転自在に保持された前記針状ころから成り,相対回転する外輪又はハウジングと内輪又は軸との軌道面間において前記針状ころが前記軌道面に転動する状態で適用されることから成る針状ころ軸受。
JP20639999A 1999-07-21 1999-07-21 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受 Expired - Lifetime JP4253079B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20639999A JP4253079B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20639999A JP4253079B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001032842A JP2001032842A (ja) 2001-02-06
JP4253079B2 true JP4253079B2 (ja) 2009-04-08

Family

ID=16522722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20639999A Expired - Lifetime JP4253079B2 (ja) 1999-07-21 1999-07-21 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4253079B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4925919B2 (ja) * 2007-05-16 2012-05-09 Ntn株式会社 ころ軸受用保持器およびその設計システム、転がり軸受、ころ軸受用保持器の設計方法
CN102168723A (zh) * 2011-04-11 2011-08-31 苏州市东吴滚针轴承有限公司 一种滚针轴承保持架

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001032842A (ja) 2001-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2023082885A (ja) 玉軸受
US20060144175A1 (en) Engine starter equipped with torque absorber
WO2010122838A1 (ja) スラストころ軸受及びそのスラストレースの製造方法
EP2103825A1 (en) Retainer for thrust roller bearing and thrust roller bearing
US5584202A (en) Method and apparatus for manufacturing internal gear, internal gear structure and reduction mechanism unit having internal gear structure
JP2004308888A (ja) ワンウェイクラッチ装置およびその製造方法
JP2006518023A (ja) スペーサ部材を備えたスラスト軸受
JP2002195261A (ja) ブッシュおよびブッシュの製造方法
JP2001317567A (ja) 一方向クラッチ内蔵型回転伝達装置
JP4253079B2 (ja) 針状ころ軸受用保持器及びそれを用いた針状ころ軸受
JP2528882Y2 (ja) エンジン用ころ軸受
JP4642465B2 (ja) 回転伝達組立体および回転伝達組立体を組立てる方法
JP4165226B2 (ja) スラストころ軸受用保持器
JP4026292B2 (ja) 円すいころ軸受
US4117917A (en) Clutch throw-out bearing improvement
CN111457060A (zh) 行星齿轮支撑轴和行星齿轮装置
EP1396651B1 (en) One way clutch
US6880689B2 (en) Pulley apparatus with built-in roller clutch and assembly method thereof
JPS628433Y2 (ja)
JP2835503B2 (ja) ギヤセット
JP2999544B2 (ja) スタータ用針状ころ軸受
JPH083720Y2 (ja) ワンウェイクラッチ外輪等の固定構造
JP2518093Y2 (ja) スタータ用ラジアル形針状ころ軸受
JPH06264928A (ja) 円筒軸受とその製造方法
JP2003227550A (ja) 遊星歯車装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090123

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4253079

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120130

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150130

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term