JP4925919B2 - ころ軸受用保持器およびその設計システム、転がり軸受、ころ軸受用保持器の設計方法 - Google Patents

ころ軸受用保持器およびその設計システム、転がり軸受、ころ軸受用保持器の設計方法 Download PDF

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Description

この発明は、保持器のころ組み込み時の保持器変形、およびころ疵付きを防止することができると共に、ころ組込み後のころ脱落を防止して組立工数を削減することができるころ軸受用保持器およびその設計システム、転がり軸受、ころ軸受用保持器の設計方法に関する。
保持器付針状ころ、つまり軌道輪なしのいわゆるケージ&ローラーでは、ころが保持器に組み込まれた状態で、軸受利用メーカー等に運搬される。この軸受利用メーカー等において、軸とハウジングにそれぞれ内外輪が備わった状態で、前記ケージ&ローラーが組み立てられる。これらの運搬中や組み立て中に、ころが保持器から脱落してしまうと、ころの欠品や組立の作業効率の低下を招く。そのため、保持器ポケットの内径部および外径部には、ころの脱落を防止する「つめ」等が設けられている(例えば特許文献1)。
特開2000−145790号公報
ころ脱落防止には、この「つめ」高さを大きくすればよいが、ころを保持器に組み入れる際、保持器の変形を伴うため、あまり大きくできない。「つめ」高さを小さくし過ぎると、ころを保持器に組み入れる際の保持器の変形、およびころの疵付きを防止できるが、運搬中や組み立て中、ころが保持器から脱落し易い。これにより、ころの欠品や組立の作業効率の低下を招く。よって、保持器付き針状ころ軸受においては、ころを保持器に組み入れる際の保持器の変形、およびころの疵付きを防止できると共に、この保持器付針状ころを、軸受利用メーカー等まで搬送し、組込み対象となる装置に組み込むまでの間に、ころ落ちを防止できるぎりぎりの設計をすることが望ましい。 保持器付針状ころと内輪または外輪のどちらか一方とが組み合わされた針状ころ軸受においても、軌道輪が片方のみのため、搬送中にころが保持器から脱落し得る。また内輪につばのないNU形円筒ころ軸受では、一般に内輪単体で回転軸に組み付けられるため、前記と同様に保持器からころが脱落し得る作業条件がある。よって、これらの針状ころ軸受ならびに円筒ころ軸受においても、ころ組み入れの際の保持器の変形、およびころの疵付きを防止できると共に、ころが保持器から脱落しないぎりぎりの設計をすることが同様に求められる。
保持器ところだけの状態では、一般にころ脱落防止が求められるが、その脱落を防止するポケット寸法の算定基準等は明らかになっていない。そのため、ころ質量や保持器強度が変わった場合に、製品搬送中の振動または作業者や生産機械のハンドリング時の振動等の外的要因が作用すると、その影響を検討する手段が無く、ころ落ちを招く可能性がある。
また、過狭なポケット幅寸法とすると、ころ落ちは確実に防止できるものの、ころの保持器への組入れ性が悪化し、この組入れ時の疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等も発生し得るため、好ましくない。
この発明の目的は、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得るころ軸受用保持器およびその設計システム、転がり軸受、ころ軸受用保持器の設計方法を提供することである。
この発明の第1の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、この保持器の衝撃時における前記ポケット内のころの運動エネルギと、前記衝撃時における保持器のポケット間の柱の弾性変形によるエネルギおよび前記柱ところとの摩擦力によるエネルギとの釣り合い式に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定したものである。
この構成によると、ころ落ちを引き起こす外的要因として、製品の落下または衝撃時の運動エネルギ等を基準にし、落下した際にころが保持器から脱落しないための必要十分なポケット幅寸法を規定する。すなわち、この保持器の衝撃時におけるポケット内のころの運動エネルギが、保持器の周方向のポケット内で、保持器の柱の弾性変形によるエネルギまたは柱ところとの摩擦力によるエネルギに置換されるとした釣り合い式に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定する。
このようにポケット幅寸法を規定した保持器によると、ころ質量や保持器強度が変わった場合に、製品搬送中の振動または作業者や生産機械のハンドリング時の振動等の外的要因が作用した場合であっても、過狭なポケット幅寸法とすることなく、保持器からのころ落ちを確実に防止することができる。したがって、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
また、この発明の第2の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、この保持器の柱ところとの摩擦係数μ、保持器のころに対する半径方向の接触位置l、保持器のころに対する半径方向の接触長さΔl、柱の変形剛性K、保持器の衝突時における反発時の反発係数e、ころ質量m、重力加速度g、および保持器の落下高さhに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたものである。
この構成によると、ころ落ちを引き起こす外的要因として、製品の落下高さを基準にし、落下した際にころが保持器から脱落しないための必要十分でかつ良好なころの保持器への組入れ性が確保可能なポケット幅寸法を規定する。すなわち、このポケット幅寸法は、ころの質量、ころを保持する柱の変形剛性、および製品の落下高さ等を考慮したものである。保持器の衝突時にころが保持器のポケットから保持器の半径方向内方に脱落しようとする場合を考える。ころが柱に挟まれながら移動していく場合、ころの運動エネルギが、柱の弾性変形によるエネルギと、柱ところとの摩擦力によるエネルギに変わっていく。
ころの運動エネルギよりもこれらのエネルギが大きければ、ころは保持器から脱落しない。ころが柱の間に挟まれ、ころと保持器間の相対運動がなくなり、ころの運動エネルギの全てが、前記弾性変形によるエネルギと前記摩擦力によるエネルギとに置き換わった場合は、ころは保持器から脱落しない。本件出願人は、このようなエネルギの釣り合い式に基づいて、前述のポケット幅の干渉量を求める前述の式を見出した。この構成によると、保持器付ころが落下し、この保持器付ころが床面等と衝突する場合、外輪案内形の保持器であれば保持器はころを介さず床面と衝突するため、保持器の上方にあるころと保持器との衝突問題に帰着される。またころ案内または内輪案内の場合であっても、保持器が直接床面と衝突する場合があり、同様に保持器の上方にあるころと保持器との衝突問題に帰着される。よって、上記式における質量mは、ころ一本の質量を代入すればよい。また、柱の変形剛性Kは、有限要素法による静的な構造解析等により求め、さらに製品の落下高さ等を考慮してこれらの値を上記式に代入する。このように、ころ一本の質量、ころを保持する柱の変形剛性、および製品の落下高さ等を考慮してポケット幅の干渉量を求める前述の式を見出した。また、ころの保持器への組み入れ性は、保持器の材質や組み入れ時のころと保持器との接触面圧ならびに潤滑状態により変化するものの、経験的にころ直径の98.6%以上にすることで、摩耗や破損を生じることなく、良好に実施可能なことが経験的にわかっている。よって、前記式によって得られる干渉量ところ直径寸法から、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法の上限を規定することで、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
また、この発明の第3の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、この保持器の柱ところとの摩擦係数μ、保持器のころに対する半径方向の接触位置l、保持器のころに対する半径方向の接触長さΔl、柱の変形剛性K、保持器の衝突時における反発時の反発係数e、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、および保持器の落下高さhに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたものである。
この構成によると、内輪案内またはころ案内の保持器では、保持器付ころが落下し、この保持器付ころが床面等と衝突する場合、保持器の下方にあるころを介して、床面と衝突する。ここで、外輪、保持器ならびにころから構成される転がり軸受で、ころ案内または内輪が組み込まれた後に内輪案内になる寸法の転がり軸受でも、同様の物理現象に帰着される。よって、上記式における質量mは、一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和を代入すればよい。また、柱の変形剛性Kは、有限要素法による静的な構造解析等により求め、さらに製品の落下高さ等を考慮してこれらの値を上記式に代入する。
前記式によって得られる干渉量ところ直径寸法から、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法の上限を規定することで、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころ直径の98.6%以上とすることでころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
この発明の第4の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な外輪案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下でかつころ直径の98.6%以上としたものである。
この構成によると、保持器付ころが落下し、この保持器付ころが床面等と衝突する場合、外輪案内形の保持器であれば保持器はころを介さず床面と衝突するため、保持器の上方にあるころと保持器との衝突問題に帰着される。またころ案内または内輪案内の場合であっても、保持器が直接床面と衝突する場合があり、同様に保持器の上方にあるころと保持器との衝突問題に帰着される。よって、上記式における質量mは、ころ一本の質量を代入すればよい。また、柱の変形剛性Kは、有限要素法による静的な構造解析等により求め、さらに製品の落下高さ等を考慮してこれらの値を上記式に代入する。このように、ころ一本の質量、ころを保持する柱の変形剛性、および製品の落下高さ等を考慮してポケット幅の干渉量を求める前述の式を見出した。
この式によって得られる干渉量ところ直径寸法等から、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法を規定することで、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
この発明の第5の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたものである。
この構成によると、内輪案内またはころ案内の保持器では、保持器付ころが落下し、この保持器付ころが床面等と衝突する場合、保持器の下方にあるころを介して、床面と衝突する。ここで、外輪、保持器ならびにころから構成される転がり軸受で、ころ案内または内輪が組み込まれた後に内輪案内になる寸法の転がり軸受でも、同様の物理現象に帰着される。よって、上記式における質量mは、一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和を代入すればよい。また、柱の変形剛性Kは、有限要素法による静的な構造解析等により求め、さらに製品の落下高さ等を考慮してこれらの値を上記式に代入する。このように、保持器等の質量和、柱の変形剛性、および製品の落下高さ等を考慮してポケット幅の干渉量を求める前述の式を見出した。
この式によって得られる干渉量ところ直径寸法等から、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法を規定することで、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
この発明の第6の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたものである。
この構成によると、実用的にころ落ちを防止するために必要な落下高さを0.2mと規定し、ころ一本の質量、および柱の変形剛性等を考慮してポケット幅の干渉量を求める前述の式を見出した。この式によって得られる干渉量ところ直径寸法等から、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法を規定することで、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころの保持器への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
また、この発明のころ軸受用保持器を組み込んだ転がり軸受としても良い。
この発明のころ軸受用保持器の設計システムは、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器の設計システムであって、入力手段と演算手段と出力手段とを含む保持器の設計システムにおいて、前記演算手段は、この保持器の衝突時における、前記ポケット内のころの運動エネルギ、保持器のポケット間の柱の弾性変形による弾性変形エネルギ、および柱ところとの摩擦力による散逸エネルギを演算し、前記弾性変形エネルギに前記散逸エネルギを加えた値と、前記運動エネルギとを比較する比較演算部と、前記比較演算部で演算し比較した比較結果に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定し、前記出力手段へ出力する出力処理部とを有することを特徴とする。
この構成によると、入力手段によりころ径、ころ質量、保持器の所定寸法等のパラメータが入力され、演算手段のうち比較演算部は、保持器の衝突時における、前記ポケット内のころの運動エネルギ、保持器の柱の弾性変形エネルギ、および柱ところとの摩擦力による散逸エネルギを演算する。さらに、比較演算部は、弾性変形エネルギに散逸エネルギを加えた値と、運動エネルギとを比較する。演算手段のうち出力処理部は、比較演算部で演算し比較した比較結果に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定し、出力手段へ出力する。
この発明のころ軸受用保持器の設計方法は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な外輪案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたものである。
他の発明におけるころ軸受用保持器の設計方法は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下でかつころ直径の98.6%以上としたものである。
この発明の第1の発明のころ軸受用保持器は、保持器の衝撃時における前記ポケット内のころの運動エネルギと、前記衝撃時における保持器のポケット間の柱の弾性変形によるエネルギおよび前記柱ところとの摩擦力によるエネルギとの釣り合い式に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定しているので、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得るころ軸受用保持器を得ることができる。
この発明の第2の発明のころ軸受用保持器は、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量を、この保持器の柱ところとの摩擦係数、保持器のころに対する半径方向の接触位置、保持器のころに対する半径方向の接触長さ、柱の変形剛性、保持器の衝突時における反発時の反発係数、ころ質量、重力加速度、および保持器の落下高さに対し、定まる式により、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法を規定したので、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得るころ軸受用保持器を実現することができる。
この発明の第3の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内またはころ案内の保持器であって、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量を、この保持器の柱ところとの摩擦係数、保持器のころに対する半径方向の接触位置、保持器のころに対する半径方向の接触長さ、柱の変形剛性、保持器の衝突時における反発時の反発係数、ころ質量、重力加速度、および保持器の落下高さに対し、定まる式により、保持器内径側の開口縁のポケット幅寸法を規定したので、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得るころ軸受用保持器を実現することができる。
この発明の第4の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたため、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得る。
この発明の第5の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたため、前述と同様の効果を奏する。
この発明の第6の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたため、前述の同様の効果を奏する。
この発明の第7の発明のころ軸受用保持器は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内またはころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたため、前述の同様の効果を奏する。
この発明のころ軸受用保持器の設計システムのうち演算手段は、この保持器の衝突時における、ポケット内のころの運動エネルギ、保持器の柱の弾性変形による弾性変形エネルギ、および柱ところとの摩擦力による散逸エネルギを演算し、前記弾性変形エネルギに前記散逸エネルギを加えた値と、前記運動エネルギとを比較する比較演算部と、前記比較演算部で演算し比較した比較結果に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定し、出力手段へ出力する出力処理部とを有する。これにより、ころ質量や保持器強度が変化しても、同様の外的要因下においてはころ落ちが生じないだけでなく、保持器のポケット幅寸法の必要以上の過狭化を防止して、保持器へころを組み入れる場合のころ疵付きを防止し保持器の塑性変形を最小化し得るころ軸受用保持器を容易に設計することができる。
この発明のころ軸受用保持器の設計方法は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたため、前述の同様の効果を奏する。
この発明のころ軸受用保持器の設計方法は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
Figure 0004925919
となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたため、前述の同様の効果を奏する。
この発明の一実施形態を図1ないし図5と共に説明する。本実施形態では、例えば、保持器付き針状ころ軸受を一例として、ころ脱落防止のためのポケット幅寸法を規定する態様について説明する。ただし、保持器付き針状ころだけに必ずしも限定されるものではなく、例えば、内輪につばのないいわゆるNU形円筒ころ軸受を適用することも可能である。以下の各式において、先行して説明している符号と同一の符号は、その説明を略する。
図1に示すように、保持器1が高さhから落下し、ある平面2に衝突した場合を考える。前記高さhにおける位置エネルギが運動エネルギに全て変換されれば、その瞬間のころ3や保持器1の速度vは、以下の式(1)のように表される。

Figure 0004925919

式(1)において、「g」は重力加速度、単位:m/sであり、「h」は落下高さ、単位:mである。
ここで、保持器1と物体との衝突時の反発係数eを導入する。ただし、0≦e≦1とする。すると、跳ね返り後の保持器1の速度は、前記反発係数eに速度vを乗じたevになり、ころ3と保持器1との相対速度は、「1」に反発係数eを加えた値に、速度vを乗じた(1+e)vとなる。ただし、保持器1の落下高さhに対して、ポケット4内のころ移動量が十分小さく、ポケット4内の移動の影響は無視する。
ここで、ころ3が保持器1の半径方向内方で且つ矢符Z1で表記する下方へ脱落しようとする場合、例えば図2に示す場合を考える。この保持器1は、円筒状の周方向複数箇所の各ポケット4に、針状ころ3を収容可能に構成されている。各ポケット4の保持器円周方向に対向する側面4aのうち、外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条4aaを設けている。
前記保持器1の周方向に隣接するポケット4間の柱5に、ころ3が挟まれながら移動していく場合、ころ3の運動エネルギが、ポケット4間の柱5の弾性変形によるエネルギと、柱5ところ3間の摩擦力によるエネルギいわゆる散逸エネルギに変わっていく。前記運動エネルギが、弾性変形エネルギおよび散逸エネルギよりも大きければ、ころ3は保持器1から脱落しない。ころ3が周方向に隣接する柱5の間に挟まれ、ころ3と保持器1間の相対運動が無くなり、ころ3の運動エネルギの全てが、弾性変形エネルギと摩擦による散逸エネルギとに置き換わった場合は、ころ3は保持器1から脱落しなく、そのエネルギの釣り合いは、以下の式(2)のように表される。ただし、保持器1の質量は、ころ3の一本の質量よりも十分大きく、保持器1の並進運動はころ3との衝突前後で不変と仮定した。

Figure 0004925919

式(2)において、「m」はころ質量、単位:kgであり、「k」は保持器ポケット4の柱5の変形剛性、単位:N/mであり、「δ」はポケット4の柱5の最大変形量、単位:mであり、下付添字「max」は最大値を表す。「Δl」は保持器1のころ3に対する半径方向の接触長さ、単位:mであり、「μ」は保持器1の柱5ところ3との摩擦係数であり、「F」はポケット4の柱5の接触力、単位:Nであり、「l」は保持器1のころ3に対する半径方向の接触位置、単位:mである。
ここで、柱5に対するころ3のめり込み量が最大δmaxの場合の干渉力をFbmaxとすると、次式(3)が成立する。

Figure 0004925919

この式(3)を用いて、式(2)の右辺第1項をFbmaxで書き換える。さらに、式(2)における右辺第2項は散逸エネルギによるものであるが、本式の簡単化のため、摩擦係数μは一定でかつめり込み量δは接触位置lに正比例すると仮定する。その結果、散逸エネルギ項は下式(4)のように展開される。

Figure 0004925919



上記式(2)〜(4)より、エネルギの釣り合い式は以下の式(5)のように変形できる。

Figure 0004925919
上記式(5)に対して、式(1)を用いてvを消去し、Fbmaxについて解くと、以下の式(6)となる。

Figure 0004925919


また、ころ落ち防止に必要なころ直径2Rに対するポケット幅2dの干渉量Δwであって、ころ直径2Rからポケット幅2dを減じた干渉量Δwは、下式(7)となる。前記「R」はころ半径、単位:mである。

Figure 0004925919

次に、実験で保持器からのころ落ちが確認されたニードル軸受での計算結果を、表1に示す。この表1における変形剛性Kは、有限要素法による静的な構造解析により求めた。表1の左から1列目の標準タイプの保持器は、摩擦項を考慮した場合で干渉量Δwは0.016となる。潤滑膜が十分ではない場合の摩擦係数μは0.1から0.15程度であるが、摩擦係数を大きくすると干渉量Δwは僅かに小さくなる。安全側の設計として、摩擦係数μを0.1と見積もっておけば実用的といえる。接触長さΔlの見積もりは難しく、ころ落ち止め用の保持突条やエッジで、ころを支持する場合と、面でころを支持する場合とで分けて考えても良いが、安全側の設計として一律、接触長さΔl=0として設計するのが実用的である。これらは、保持器を高さ0.2mから自由落下させた場合であるが、この落下高さhを0.1mと0.4mにそれぞれ変えた場合に、落下高さhの2分の1乗に略比例した結果が得られている。なお、反発係数eは安全側の設計とするために0.9と仮定している。
図3に示すように、保持器付針状ころの生産現場でのころ落ち製品の調査結果によると、直径2.5mmのころ径に対し、保持器のポケット幅が2.47mm以上になると、保持器からのころ落ちが生じている。よって、ころ直径に対してポケット幅の干渉量が0.03mm以上必要であることを示しており、接触長さΔlが0で落下高さhが0.2mの場合の結果とよく一致する。よって、これらの外的要因下では、ころの質量や保持器強度が変化しても落下高さhを0.2mとして、ポケット幅の上限値を設計すればよい。
表1は、ころ落ち防止に必要なころの保持力の計算例を表す図表である。
Figure 0004925919
備考:数字の見易さを優先したため、本表1では、Δwの単位をmmとした。
また、ころ質量mは 6.3×10−4kgで、反発係数eは 0.9とした。
以上から、摩擦に散逸項を無視し、かつ摩擦係数μを0.1ならびに反発係数eを0.9とおけば、実用的かつ若干安全側の設計値として、干渉量Δwを見積もることができ、下式(8)を得る。
Figure 0004925919
さらに生産工場での調査から、実用的にころ落ちを防止するために必要な落下高さは0.2mであり、下式(9)で算出されるポケット干渉量とすれば、実用的なポケット幅寸法が決定できる。
Figure 0004925919
なお、外輪案内の保持器については、保持器付針状ころ軸受が落下し、床面等と衝突する場合、保持器はころを介さず床面と衝突するため、保持器の上方にあるころと保持器との衝突問題に帰着され、式(9)のころ質量mは、ころ一本の質量を代入すればよい。
ところで、内輪案内またはころ案内の保持器については、保持器の下方にあるころを介して、床面と衝突するため、式(9)のころ質量mは、一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和をとればよい。
以上説明したように、ころ落ちを引き起こす外的要因として、製品の落下衝撃時の運動エネルギを基準にし、落下した際にころ3が保持器1から脱落しないための必要十分なポケット幅を規定する。すなわち、この保持器1の衝撃時におけるポケット4内のころ3の運動エネルギが、保持器1の周方向のポケット4内で、保持器1の柱5の弾性変形によるエネルギまたは柱5ところ3との摩擦力によるエネルギに置換されるとした釣り合い式に基づいて、保持器1のポケット幅寸法を規定する。
このようにポケット幅寸法を規定した保持器1によると、ころ質量や保持器強度が変わった場合に、製品搬送中の振動または作業者や生産機械のハンドリング時の振動等の外的要因が作用した場合であっても、過狭なポケット幅寸法とすることなく、保持器1からのころ落ちを確実に防止することができる。したがって、ころ落ちを確実に防止できると共に、ころ3の保持器1への組入れ性が良好となり、この組入れ時のころ疵付きや保持器1の想定以上の塑性変形等を防止することができる。
図4は、本実施形態に係るころ軸受用保持器を組み込んだ転がり軸受の要部断面図である。この転がり軸受は、外輪6と、前述のころ軸受用保持器1と、この保持器1のポケット4に組み込まれたころ3とを有する。前記ころ軸受用保持器1を組み込んだ転がり軸受によると、保持器1へころ3を組み入れる場合のころ3等の疵付きや、保持器1の塑性変形を最小化することができるので、軸受の振動や騒音の低減ならびに軸受の寿命延長効果が期待できる。この転がり軸受から保持器1等を交換する際、ころ落ちを防止できるので、その分、作業工数の低減を図ることが可能となる。
図5は、本発明の実施形態に係るころ軸受用保持器の設計システムの電気的構成を表すブロック図である。この設計システム7は、主に、入力手段8と、演算手段9と、出力手段10とを有する。入力手段8は、たとえばキーボードやポインティングデバイスなどによって実現される。演算手段9は、演算モデル設定部9aと、比較演算部9bと、出力処理部9cとを有する。前記演算モデル設定部9aは、保持器1の複数の演算モデルのうちの一つを設定し、この演算モデルに、例えば、ころ半径等の数値を入力可能としたものである。前記比較演算部9bは、演算モデル設定部9aで入力された演算対象である保持器1の衝突時における、ポケット4内のころ3の運動エネルギ、保持器1のポケット4間の柱5の弾性変形による弾性変形エネルギ、および柱5ところ3との摩擦力による散逸エネルギを演算し、前記弾性変形エネルギに前記散逸エネルギを加えた値と、前記運動エネルギとを比較する。
前記出力処理部9cは、前記比較演算部9bで演算し比較した比較結果に基づいて、保持器1のポケット幅寸法を規定し、前記出力手段10へ出力する。演算手段9は、たとえば、中央演算処理装置11(略称CPU:Central Processing Unit)、リードオンリーメモリ12(略称ROM: Read Only Memory)、およびランダムアクセスメモリ13(略称RAM: Random Access Memory)を含むマイクロコンピュータと、バス14と、入出力インターフェース15と、出力手段10を駆動するための駆動回路16とを有する。
入出力インターフェース15には、バス14を介してCPU11,ROM12,RAM13がそれぞれ電気的に接続されている。入出力インターフェース15に、入力手段8が電気的に接続されるうえ、駆動回路16を介して出力手段10が電気的に接続されている。出力手段10は、たとえば表示出力可能なディスプレイやプリンタなどによって実現される。たとえばROM12に、保持器1の衝突時における、前記ころ3の運動エネルギ、柱5の弾性変形エネルギ、および散逸エネルギを演算し、前記弾性変形エネルギに前記散逸エネルギを加えた値と、前記運動エネルギとを比較するためのプログラムが格納される。RAM13には、入力値、算出される値などが一時的に記憶される。CPU11を制御主体として、演算が実行される。この設計システム7によると、前述の作用、効果を奏するころ軸受用保持器1を容易に設計することができる。したがって、ころ質量や保持器強度が変化した場合の設計時間を短縮することができ、工数低減を図ることが可能となる。
本実施形態では、保持器の外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けているが、内径側の開口縁にも、ころ落ち止め用の保持突条を設けても良い。この場合にも、本実施形態と同様の効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る保持器付き針状ころを落下させる状態を表す図である。 同針状ころがポケットから内径側へ脱落する場合の干渉イメージを表す図である。 ころ落ち発生ポケットとそのポケット内径側幅寸法との関係を表す図である。 同保持器を組み込んだ転がり軸受の要部断面図である。 本発明の実施形態に係るころ軸受用保持器の設計システムの電気的構成を表すブロック図である。
符号の説明
1…保持器
3…ころ
4…ポケット
4a…側面
4aa…保持突条
5…柱
7…設計システム
8…入力手段
9…演算手段
9b…比較演算部
9c…出力処理部
10…出力手段
Δw…干渉量
μ…摩擦係数
l…接触位置
Δl…接触長さ
…変形剛性
e…反発係数
m…ころ質量
g…重力加速度
h…落下高さ

Claims (12)

  1. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    この保持器の衝撃時における前記ポケット内のころの運動エネルギと、前記衝撃時における保持器のポケット間の柱の弾性変形によるエネルギおよび前記柱ところとの摩擦力によるエネルギとの釣り合い式に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定したころ軸受用保持器。
  2. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、この保持器の柱ところとの摩擦係数μ、保持器のころに対する半径方向の接触位置l、保持器のころに対する半径方向の接触長さΔl、柱の変形剛性K、保持器の衝突時における反発時の反発係数e、ころ質量m、重力加速度g、および保持器の落下高さhに対し、

    Figure 0004925919

    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器。
  3. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側の開口縁に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、この保持器の柱ところとの摩擦係数μ、保持器のころに対する半径方向の接触位置l、保持器のころに対する半径方向の接触長さΔl、柱の変形剛性K、保持器の衝突時における反発時の反発係数e、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、および保持器の落下高さhに対し、

    Figure 0004925919

    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器。
  4. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値としたころ軸受用保持器。
  5. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器。
  6. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器。
  7. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器。
  8. 請求項1ないし請求項6記載のいずれか1項に記載のころ軸受用保持器を組み込んだ転がり軸受。
  9. 請求項1ないし請求項6記載のいずれか1項に記載のころ軸受用保持器を組み込んだ保持器付き針状ころ。
  10. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器の設計システムであって、入力手段と演算手段と出力手段とを含む保持器の設計システムにおいて、
    前記演算手段は、この保持器の衝突時における、前記ポケット内のころの運動エネルギ、保持器のポケット間の柱の弾性変形による弾性変形エネルギ、および柱ところとの摩擦力による散逸エネルギを演算し、前記弾性変形エネルギに前記散逸エネルギを加えた値と、前記運動エネルギとを比較する比較演算部と、
    前記比較演算部で演算し比較した比較結果に基づいて、保持器のポケット幅寸法を規定し、前記出力手段へ出力する出力処理部と、
    を有することを特徴とするころ軸受用保持器の設計システム。
  11. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうちの外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、ころ一本の質量m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器の設計方法。
  12. 円筒状の周方向複数箇所の各ポケットに、円筒ころ又は針状ころを収容可能な内輪案内又はころ案内の保持器であって、前記各ポケットの保持器円周方向に対向する側面のうち、外径側および内径側の開口縁の少なくともいずれか一方に、ころ落ち止め用の保持突条を設けた保持器の設計方法において、
    ころ直径に対する保持器のポケット幅の干渉量Δwとして、前記複数箇所の各ポケットにころを収容した状態から一本のころのみを除いたその他全てのころと保持器の質量和m、重力加速度g、保持器の落下高さh、および柱の変形剛性Kに対し、
    Figure 0004925919
    となる式により、前記ポケット幅の干渉量Δwを定まる値とし、保持器のポケット幅のうち円周方向に対向する内径側の開口縁のポケット幅寸法を、ころ直径の98.6%以上、ころの直径寸法から前記干渉量Δwを減じた値以下の範囲としたころ軸受用保持器の設計方法。
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