JP2000081042A - 円筒ころ軸受 - Google Patents

円筒ころ軸受

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JP2000081042A
JP2000081042A JP19813999A JP19813999A JP2000081042A JP 2000081042 A JP2000081042 A JP 2000081042A JP 19813999 A JP19813999 A JP 19813999A JP 19813999 A JP19813999 A JP 19813999A JP 2000081042 A JP2000081042 A JP 2000081042A
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cage
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cylindrical roller
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隆司 村井
Takashi Yamamoto
高志 山本
Shinichi Tsunashima
紳一 綱島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非負荷圏で内外輪軌道面ところとが擦れ合う
ことによって生じるきしり音、ころと保持器とが衝突し
て生じる保持器音及びスキュ−等により生じる軸受の保
持器を含めた振動・騒音を防止し、しかも、個々の軸受
の振動・騒音レベルのばらつきを抑制する。 【解決手段】 保持器2の軸方向端部の外周面である保
持器周面3の直径をDとし、該保持器周面3に相対する
軌道輪周面5と保持器周面3との間に存在する環状の隙
間寸法をHとし、保持器周面3の軸方向長さをAとし、
軌道輪周面5の軸方向長さをBとした場合に、1.5×
10-3D≦H≦9.0×10-3D、A/B=0.6〜
1.0の関係を満足する円筒ころ軸受1であって、ころ
案内面7を、ころ転動面の軸方向上の少なくともクラウ
ニング部8以外の直線形状部9に相対する部分に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中・大形電動機等
を始めとする一般機械に組み込まれる円筒ころ軸受に関
し、特に低振動・低騒音を要求される円筒ころ軸受に関
する。
【0002】
【従来の技術】円筒ころ軸受の振動・騒音低減技術とし
ては、例えば実開平3−67718号公報に示すよう
に、保持器の案内方式をころ案内とすることにより、保
持器の重量が非負荷圈のころに負荷されるようにして該
負荷を回転中にころに作用する遠心力に対抗させてころ
と外輪との接触圧力を減少させ、これにより、非負荷圈
でのころの動きを規制して結果的に軸受の振動・騒音の
低減を図るようにしたものが知られている。
【0003】また、低振動・低騒音の為のプレス保持器
では、図7に示すように、保持器aのころ案内面dをこ
ろ転動面のクラウニング部eに相対するように形成した
ものが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
3−67718号公報に開示された軸受の振動・騒音低
減技術においては、図8に示すように、保持器aのポケ
ット穴bのピッチ円直径がころcのピッチ円直径より小
さくしてあるため、このピッチ円直径差を適正に製作し
ないと、非負荷圏での保持器aからの規制が強くなり、
この結果、ころcと保持器aが必要以上に干渉し合って
ころcと保持器aとの衝突音(保持器音)が発生すると
いう不都合がある。
【0005】また、保持器aからの規制が強い場合に
は、保持器個々の製作誤差の影響を受け易く、軸受とし
ての振動、騒音レベルもばらつくことが多く、しかも、
案内方式がころ案内に限定されることから、軸受の仕様
も必然的に制限されることがあった。更に、図7に示す
ように、保持器aのころ案内面dがころ転動面上のクラ
ウニング部eに相対する部分に形成されているため、こ
ろ運動が保持器aの案内によって規制を受ける非負荷圏
においては、クラウニング分だけころが不安定になって
スキュ−等が発生し易くなり、この結果、軸受の保持器
を含めた振動・騒音が発生するという不都合がある。
【0006】本発明はかかる不都合を解消するためにな
されたものであり、非負荷圏で内外輪軌道面ところとが
擦れ合うことによって生じるきしり音、ころと保持器と
が衝突して生じる保持器音及びスキュ−等の発生により
生じる軸受の保持器を含めた振動・騒音を良好に防止す
ることができ、しかも、個々の軸受の振動・騒音レベル
のばらつきを抑制することができる円筒ころ軸受を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明の係る円筒ころ軸受は、保持器の軸方向端
部の内外両周面のうちの何れか一方の周面である保持器
周面の直径をDとし、該保持器周面に相対する外輪つば
内径面と内輪つば外径面とのうちの何れか一方の周面で
ある軌道輪周面と前記保持器周面との間に存在する環状
の隙間寸法をHとし、前記保持器周面の軸方向長さをA
とし、前記軌道輪周面の軸方向長さをBとした場合に、
1.5×10-3D≦H≦9.0×10-3D、A/B=
0.6〜1.0の関係を満足する円筒ころ軸受であっ
て、前記保持器のころ案内面を、ころ転動面の軸方向上
の少なくともクラウニング部以外の直線形状部に相対す
る部分に設けたことを特徴とする。
【0008】本発明では、まず、保持器周面と軌道輪周
面との間に存在する環状の隙間内の潤滑剤の減衰力によ
り、保持器を介して非負荷圏に存在するころの運動を抑
制し、これにより、内外輪軌道面ところとが擦れ合うこ
とによって生じるきしり音を抑制すると共に、ころと保
持器とが衝突して生じる保持器音の音圧レベルを下げ、
且つ、個々の軸受の振動・騒音レベルのばらつきを抑制
する。
【0009】即ち、保持器周面と軌道輪周面との間に存
在する環状の隙間寸法Hを保持器周面の直径Dとの関係
で1.5×10-3D≦H≦9.0×10-3Dの範囲に規
制し、保持器周面の軸方向長さA/軌道輪周面の軸方向
長さB=0.6〜1.0としたため、上記隙間を通過し
ようとする潤滑剤の流れに対する抵抗が十分に大きくな
って保持器が変位しにくくなる。
【0010】この結果、非負荷圏に存在するころに不正
運動(例えば正規の自転を伴わない公転運動やラジアル
方向に亙る変位)が発生しても、上記保持器がころの動
きに合わせて変位することがない。また、保持器の案内
方式としては、軌道輪(内輪若しくは外輪)案内又はこ
ろ案内が挙げられるが、いずれの案内方式においても、
保持器ところとが互いに動きを規制し合う関係にあるた
め、上記隙間寸法Hを規制して保持器の動きを規制する
ことにより、この保持器に保持された複数のころの動き
も規制し、これにより、上述したきしり音の発生を抑制
することができると共に保持器音の音圧レベルを下げる
ことができ、更に、個々の軸受の振動・騒音レベルのば
らつきを抑制することができる。
【0011】ここで、隙間寸法Hが1.5×10-3D未
満では、この隙間内に十分な潤滑剤を介在させることが
難しくなって、異常摩耗や異常な温度上昇の原因とな
り、隙間寸法Hが9.0×10-3Dを越えると、上記隙
間を通過する潤滑剤の流れに対する抵抗が小さくなり、
きしり音及び保持器音の発生防止効果や個々の軸受の振
動・騒音レベルのばらつき抑制効果を十分に得られなく
なる。なお、運転時の発熱等を考慮した場合は、隙間寸
法Hは4.5×10-3D≦H≦7.5×10-3Dの範囲
に規制することが好ましい。
【0012】A/Bが0.6未満では、隙間を通過する
潤滑剤の流れに対する抵抗が小さくなって、きしり音及
び保持器音の発生防止効果や個々の軸受の振動・騒音レ
ベルのばらつき抑制効果を十分に得られなくなり、A/
Bが1.0を越えると、保持器が外輪若しくは内輪の軸
方向端面から突出して他の部材と干渉するため、軸受の
設計上好ましくない。
【0013】また、本発明では、上述した1.5×10
-3D≦H≦9.0×10-3D、A/B=0.6〜1.0
の関係を満足することに加えて、保持器のころ案内面
を、ころ転動面の軸方向上の少なくともクラウニング部
以外の直線形状部に相対する部分に設け、これにより、
ころ運動が保持器の案内によって規制を受ける非負荷圈
においても、ころをクラウニング部に相対する部分で案
内する場合に比べて、ころが不安定になり難くなってス
キュー等の発生を抑制でき、結果的に軸受の振動・騒音
を抑制することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態で
ある円筒ころ軸受を説明するための説明的断面図、図2
は比較例の円筒ころ軸受を説明するための説明的断面
図、図3は回転音響評価試験結果を示すグラフ図、図4
は本発明の第2の実施の形態である円筒ころ軸受を説明
するための説明的断面図、図5は第2の実施の形態に対
する比較例の円筒ころ軸受を説明するための説明的断面
図、図6は本発明の第3の実施の形態である円筒ころ軸
受を説明するための説明的断面図である。
【0015】まず、図1を参照して、本発明の第1の実
施の形態である円筒ころ軸受1から説明すると、この円
筒ころ軸受1は、NU308型の円筒ころ軸受であっ
て、プレス保持器2の軸方向端部の外周面である保持器
周面3の直径をDとし、該保持器周面3に相対する外輪
つば4の内径面の周面である軌道輪周面5と保持器周面
3との間に存在する環状の隙間寸法をHとし、保持器周
面3の軸方向長さをAとし、軌道輪周面5の軸方向長さ
をBとした場合に、H=5.0×10-3D、A/B=
0.9とし、更に、保持器2のころ案内面7を、ころ転
動面の軸方向上のクラウニング部8以外の直線形状部9
に相対する部分に設けている。なお、この実施の形態で
は、保持器2の案内方式として、各ポケットところ6と
の係合により該保持器2のラジアル方向に亙る変位を制
限するころ案内方式を例に採る。
【0016】また、保持器2の軸方向の略中央部の内径
部にはころばれ(分解)を防ぐためのころ落ち防止部1
0が設けられており、この実施の形態では、上述したこ
ろ案内面7をこのころ落ち防止部10にも設けている。
ころ転動面の形状は、ころ6の長手方向中央部にころ長
さの約7割程度の直線形状部9を残し、該直線形状部9
の両端側にそれぞれクラウニング部8を施したものを用
いた。
【0017】そして、H=5.0×10-3D、A/B=
0.9とすることにより、軌道輪周面5と保持器周面3
との間に存在する環状の隙間を通過しようとする潤滑剤
の流れに対する抵抗を十分に大きくし、ころ6と互いに
動きを規制し合う関係にある保持器2の動きを規制して
複数のころ6の動きを規制し、これにより、非負荷圏で
内外輪軌道面ところとが擦れ合うことによって生じるき
しり音を防止すると共にころと保持器とが衝突して生じ
る保持器音の音圧レベルを下げ、また、個々の軸受の振
動・騒音レベルのばらつきを抑制する。
【0018】更に、保持器2のころ案内面7を、ころ転
動面の軸方向上のクラウニング部8以外の直線形状部9
に相対する部分に設けることにより、ころ運動が保持器
2の案内によって規制を受ける非負荷圈においても、こ
ろ6をクラウニング部8に相対する部分で案内する場合
に比べて、ころ6が不安定になり難くなってスキュー等
の発生が抑制され、これにより、該スキュ−等により生
じる軸受の保持器を含めた振動・騒音を防止する。
【0019】この結果、上述したH=5.0×10
-3D、A/B=0.9とすることにより得られる作用効
果と、保持器2のころ案内面7をころ転動面の軸方向上
のクラウニング部8以外の直線形状部9に相対する部分
に設けることにより得られる作用効果とが共働して軸受
の振動・騒音を良好に防止することができる。次に、本
発明の作用効果を確認する為に行った回転音響評価試験
について説明する。
【0020】図2に示す円筒ころ軸受は比較例に用いる
NU308型の円筒ころ軸受100であって、プレス保
持器101のころ案内面7をころ転動面のクラウニング
部8に相対する部分に設けた点以外は、図1に示す円筒
ころ軸受1と同一のものである。また、各円筒ころ軸受
1,100の主要寸法は、共に外輪の外径=φ90m
m、幅=23mm、内輪の内径=φ40mm、ころ直径
=φ12mm、ころ長さL=12mmとした。
【0021】音響評価試験は、円筒ころ軸受1,100
を各3個づつ(計6個))用意し、各円筒ころ軸受1,
100毎に2回づつ(計12回)回転時に発生する音を
マイクロホンで集音し周波数分析器(FFT)による音
圧レベル値で評価した。試験条件を以下に示す。 試験条件 回転数:1200rpm 潤滑:油(ISO VG68) ラジアル荷重:40kgf 測定周波数範囲:0〜10KHz 図3に実験結果を示す。横軸は二種類の円筒ころ軸受
1,100の試験回数を、縦軸は2回の試験の平均音圧
レベルを示す。
【0022】図3から明らかなように、保持器101の
ころ案内面7をころ転動面の軸方向上のクラウニング部
8に相対する部分に設けた比較例の円筒ころ軸受100
では、67〜73dBと音圧レベルも平均的に高く、ば
らつきも6dB程度あり、十分な振動・騒音防止効果が
得られないのが判る。これは、ころ運動が、保持器10
1の案内によって規制を受ける非負荷圏において、クラ
ウニング分だけ保持器101から均等に案内されず、ま
た、潤滑による油膜厚さも特にクラウニング部8では不
均一になり易いため、ころ転動面の軸方向両端部でトル
ク差が生じ、これにより、ころが不安定になり易くなっ
てスキュー等が発生し、軸受の振動・騒音が発生して軸
受の音圧レベルが低くならないと考えられる。
【0023】これに対し、保持器2のころ案内面7をこ
ろ転動面の軸方向上のクラウニング部8以外の直線形状
部9に相対する部分に設けた本発明例の円筒ころ軸受1
では、64〜66dBと音圧レベルも比較例の円筒ころ
軸受100に比べて平均的に3dB程度低く、ばらつき
も2dB程度であり、十分な振動・騒音防止効果を得ら
れることが判る。
【0024】これは、保持器2によって案内される非負
荷圏でのころの公転方向に対するスキュー等を抑制でき
るため、ころが安定した姿勢で自転、公転でき、これに
より、軸受の音圧レベルが低くなると考えられる。以上
のことから、保持器2のころ案内面7をころ転動面の軸
方向上のクラウニング部8以外の直線形状部9に相対す
る部分に設けることにより、十分な振動・騒音防止効果
を得られることが確認できた。
【0025】また、図示しないが、従来のプレス保持器
を組み込んだ円筒ころ軸受であって、HおよびA/Bの
値が上述した1.5×10-3D≦H≦9.0×10
-3D、A/B=0.6〜1.0の関係を満足しない比較
例の円筒ころ軸受との比較も行っており、本発明例の円
筒ころ軸受1が比較例に比べて平均で約3dB程度の音
圧レベルの低減効果(保持器音も含め)を得られたのを
確認した。
【0026】次に、図4を参照して、本発明の第2の実
施の形態である円筒ころ軸受を説明する。この円筒ころ
軸受20は、図1に示す円筒ころ軸受1と同様のNU3
08型の円筒ころ軸受であって、円筒ころ軸受1が保持
器2の軸方向の略中央部の内径部にころばれ(分解)を
防ぐためのころ落ち防止部10を設けたのに対し、ころ
6の端面部に逃がし部21を設けてそこにプレス保持器
22に設けたころ落ち防止用のポッチ23を挿入した
点、及び保持器22のころ案内面7をころ転動面の軸方
向上のクラウニング部8以外の直線形状部9に相対する
部分の全域に設けた点が相違するのみであり、その他の
構成及び作用効果は上述した第1の実施の形態の円筒こ
ろ軸受1と同様であるので、図に同一符号を付してその
説明を省略する。
【0027】図5は円筒ころ軸受20の比較例に用いる
NU308型の円筒ころ軸受200であって、プレス保
持器201のころ案内面7をころ転動面のクラウニング
部8に相対する部分に設けた点以外は、円筒ころ軸受2
0と同一のものである。そして、軸受の主要寸法が、共
に外輪の外径=φ90mm、幅=23mm、内輪の内径
=φ40mm、ころ直径=φ12mm、ころ長さL=1
2mmの円筒ころ軸受20,200を各4個づつ(計8
個))用意し、円筒ころ軸受20,200毎に2回づつ
(計16回)上記同様にして回転音響評価試験を行った
結果、保持器22のころ案内面7をころ転動面の軸方向
上のクラウニング部8以外の直線形状部9に相対する部
分の全域に設けた本発明例の円筒ころ軸受20の方が、
プレス保持器201のころ案内面7をころ転動面のクラ
ウニング部8に相対する部分に設けた比較例の円筒ころ
軸受200に比べて平均的に2〜3dB程度の音圧レベ
ルの低減効果が得られことを確認した。
【0028】試験条件を以下に示す。 試験条件 回転数:1200rpm 潤滑:油(ISO VG68) ラジアル荷重:40kgf 測定周波数範囲:0〜10KHz 次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態であ
る円筒ころ軸受を説明する。
【0029】この円筒ころ軸受100は、保持器の案内
方式が内輪案内方式であるN308型の円筒ころ軸受で
あって、プレス保持器102の軸方向端部の内周面であ
る保持器周面103の直径をDとし、該保持器周面10
3に相対する内輪つば104の外径面の周面である軌道
輪周面105と保持器周面103との間に存在する環状
の隙間寸法をHとし、保持器周面103の軸方向長さを
Aとし、軌道輪周面105の軸方向長さをBとした場合
に、H=5.0×10-3D、A/B=0.9とし、更
に、保持器102のころ案内面107を、ころ転動面の
軸方向上のクラウニング部108以外の直線形状部10
9に相対する部分に設けている。
【0030】また、保持器102の軸方向の略中央部の
外径部にはころばれ(分解)を防ぐためのころ落ち防止
部110が設けられており、この実施の形態では、上述
したころ案内面107をこのころ落ち防止部110にも
設けている。ころ転動面の形状は、ころ106の長手方
向中央部にころ長さの約7割程度の直線形状部109を
残し、該直線形状部109の両端側にそれぞれクラウニ
ング部108を施したものを用いた。
【0031】そして、H=5.0×10-3D、A/B=
0.9とすることにより、軌道輪周面105と保持器周
面103との間に存在する環状の隙間を通過しようとす
る潤滑剤の流れに対する抵抗を十分に大きくし、ころ1
06と互いに動きを規制し合う関係にある保持器102
の動きを規制して複数のころ106の動きを規制し、こ
れにより、非負荷圏で内外輪軌道面ところとが擦れ合う
ことによって生じるきしり音を防止すると共にころと保
持器とが衝突して生じる保持器音の音圧レベルを下げ、
また、個々の軸受の振動・騒音レベルのばらつきを抑制
する。
【0032】更に、保持器102のころ案内面107
を、ころ転動面の軸方向上のクラウニング部108以外
の直線形状部109に相対する部分に設けることによ
り、ころ運動が保持器102の案内によって規制を受け
る非負荷圈においても、ころ106をクラウニング部1
08に相対する部分で案内する場合に比べて、ころ10
6が不安定になり難くなってスキュー等の発生が抑制さ
れ、これにより、該スキュ−等により生じる軸受の保持
器を含めた振動・騒音を防止する。
【0033】この結果、上述したH=5.0×10
-3D、A/B=0.9とすることにより得られる作用効
果と、保持器102のころ案内面107をころ転動面の
軸方向上のクラウニング部108以外の直線形状部10
9に相対する部分に設けることにより得られる作用効果
とが共働して軸受の振動・騒音を良好に防止することが
できる。
【0034】なお、上記各実施の形態では、プレス保持
器を用いた場合を例に採ったが、プレス保持器に代え
て、プラスチック保持器や黄銅製のもみ抜き保持器等を
用いてもよく、また、保持器の材質や形状および一体
型、別体型の形式、更には、保持器の案内方式にとらわ
れることはなく、木発明の要旨を逸脱しない範囲内では
低振動・低騒音の効果が得られることは言うまでもな
い。
【0035】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
によれば、非負荷圏で内外輪軌道面ところとが擦れ合う
ことによって生じるきしり音、ころと保持器とが衝突し
て生じる保持器音及びスキュ−等により生じる軸受の保
持器を含めた振動・騒音を良好に防止することができ、
しかも、個々の軸受の振動・騒音レベルのばらつきを抑
制することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である円筒ころ軸受
を説明するための説明的断面図である。
【図2】第1の実施の形態に対する比較例の円筒ころ軸
受を説明するための説明的断面図である。
【図3】回転音響評価試験結果を示すグラフ図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態である円筒ころ軸受
を説明するための説明的断面図である。
【図5】第2の実施の形態に対する比較例の円筒ころ軸
受を説明するための説明的断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態である円筒ころ軸受
を説明するための説明的断面図である。
【図7】従来の円筒ころ軸受を説明するための説明的断
面図である。
【図8】従来例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1,20…円筒ころ軸受 2,22…プレス保持器 3…保持器周面 4…外輪つば 5…軌道輪周面 6…ころ 7…ころ案内面 8…クラウニング部 9…直線形状部 D…保持器周面の直径 H…隙間寸法 A…保持器周面の軸方向長さ B…軌道輪周面の軸方向長さ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保持器の軸方向端部の内外両周面のうち
    の何れか一方の周面である保持器周面の直径をDとし、
    該保持器周面に相対する外輪つば内径面と内輪つば外径
    面とのうちの何れか一方の周面である軌道輪周面と前記
    保持器周面との間に存在する環状の隙間寸法をHとし、
    前記保持器周面の軸方向長さをAとし、前記軌道輪周面
    の軸方向長さをBとした場合に、1.5×10-3D≦H
    ≦9.0×10-3D、A/B=0.6〜1.0の関係を
    満足する円筒ころ軸受であって、 前記保持器のころ案内面を、ころ転動面の軸方向上の少
    なくともクラウニング部以外の直線形状部に相対する部
    分に設けたことを特徴とする円筒ころ軸受。
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